モバマスSSです
敬語のPが出てきます。苦手な方はご注意を
それでも良ければオナシャス
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留美(仕事を辞めてしまった……)
ハァ……
留美(あの仕事自体にはもう未練などないけれど)
ウゥ……
留美(平日に何もしないで公園のベンチに座っている私って……)
ハァ……
留美「……」
ハァ……
留美「……ねぇ」
「? 何でしょうか?」
留美「そんなに溜息ついてどうしたのかしら?」
「いやぁ、お恥ずかしいんですが仕事でミスをしてしまって……」
留美「ミスくらい誰でもあるわ」
「そうなんですが……大事な案件がダメになったんですよ……」
留美「それはまずいわね。先方には謝りに行ったの?」
「えっと……」
留美「……早く謝りに行かないと取り返しがつかないことになるわよ」
「そう……ですね……」
留美「はぁ……私がついて行ってあげるからさっさと行くわよ」
「えっ……そんな悪いですよ」
留美「そんなこと気にしている状況かしら?」
「……違いますね」
留美「なら行きましょうか。えっと……」
P「あっ、自分はPと申します」
留美「私は和久井留美よ。留美でいいわ。ほら準備しなさい」
P「留美さんはすごいですね。これで先方との関係がなくならなくてすみました」
P「本当にありがとうございます」
留美「別にいいわよ。それより……」
P「?」
留美「ミスをしたらすぐ謝ることよ。時間が経ったら取り返しのつかないことになるわ」
P「……その通りです」
留美「日付を間違えたようだけど……手帳には予定を書いておいたの?」
P「一応書いておいたんですが……どこに書いたか分からなくなってしまって……」
留美「それじゃ意味がないわ……どんな書き方してるか見せてくれないかしら?」
P「それはさすがに……」
留美「別に誰かに漏らしたりとかしないわ」
P「……本当ですか?」
留美「本当よ。心配なら誓約書でも書きましょうか?」
P「そこまでは……これです」
留美「……もう少し整理して書いた方がいいわね……」
P「おっしゃる通りです……」
留美「書き方くらいなら教えてあげるわ」
P「本当ですか! 助かります」
気になる方もいるので書かせてもらいました
P「へぇ。だいぶ見やすくなりましたね」
留美「これならミスすることも減るはずよ」
P「ええ。本当になんと言っていいか……」
留美「別に気にしないでいいわ。それより……時間は大丈夫なの?」
P「あ……」
留美「早く行きなさい」
P「そうします。今日は本当にありがとうございました」
留美「次からは気を付けるのよ」
P「はい。……それでは」
留美「えぇ。さようなら」
留美(また一人……仕事も話し相手もいないのはつらいわね)
タッタッタッ
P「留美さーん!」
留美「!? どうしたのP君。早く仕事に戻らないと――」
P「留美さんってこの後時間空いていますか?」
留美「……えぇ。暇よ」
P「それは良かった。もしよければついて来てほしいんですが……」
留美「それはどういう意味?」
P「えっと、あなたにお任せしたい仕事があるんです!」
留美「……はぁ」
P「続きは事務所でお話ししますよ」
― 事務所 ―
留美(勢いに押されてついて来てしまったけれど……)
留美(まさか変な仕事ではないでしょうね)
留美(まぁどうでもいいかしら……なるようになれ、ってことね)
ちひろ「どうぞ」
留美「あら、ありがとう」
ちひろ「いいえ」
留美(……芸人の方かしら)
P「お待たせしました。まず初めに……」
留美「何かしら?」
P「今どのようなお仕事をされていますか?」
留美「今は無職よ」
P「あ……すみません。いや、でもその方が都合がいいのか……」ゴニョゴニョ
留美「?」
P「前はどのようなお仕事だったんですか」
留美「秘書をやっていたわ」
P「成程。通りで……」
留美「それで、仕事っていうのは事務職なのかしら?」
P「いえ。事務ではなくて留美さんには――」
P「アイドルをやっていただきたいんです。」
留美「……は?」
留美「あなた、ふざけてるの?」
P「ふざけてなんかいませんよ。実はここってアイドル事務所なんですよ」
留美「……」
P「留美さんならきっとトップアイ――」
留美「帰るわ」
P「え? ちょっと待ってください!」
留美「あなたがこういう人だとは思わなかったわ」
P「本当の事ですよ! 僕は嘘なんかついていません!」
P「それなら実際にレッスンしているところでも見ていってください! ね!?」
留美「……はぁ。分かったわ」
P「どうです? 信じてもらえましたか?」
留美「一応はね。でも何で私なのかしら? 20後半までいってるのに……」
P「歳なんて関係ないですよ。留美さんが魅力的だからです」
留美「……」
P「あれ? 僕変なこと言いましたか?」
留美「自覚ないのね……いいわ、付き合ってあげる」
P「……! それなら――」
留美「ただし。アイドルがどういう仕事か分からないからあなたに頼るけど……いいかしら?」
P「ええ、任せてください」
留美「よろしくお願いするわ、P君」
― 数日後 ―
留美「ちひろさん、お茶よ」
ちひろ「ありがとうございます。留美さん」
留美(正式にアイドルとなったけど……そう簡単に仕事が入るわけでもないわよね)
留美(ここまでしたことといえば……レッスンとお茶くみぐらいかしら……)
留美(本当にこれでいいのかしら?)
P「ただ今戻りました」
ちひろ「おかえりなさいPさん」
留美「お帰りP君。いまお茶を――」
P「留美さん! 仕事持ってきましたよ!」
留美「……私に? 意外とできる人なのね……」
留美「それでどんなお仕事なの?」
P「それはですね――」
留美「P君……」
P「何でしょうか? 留美さん」
留美「確かに仕事が欲しいと言ったけれど……」
留美「ウエディングドレスはどうなのかしら」
P「そうですか? 似合ってますよ」
留美「……そう」
留美(こういう人なのね)
P「先方に留美さんの宣材写真を見せたらすぐOKをもらえましたよ」
留美「……それは良かったわ。……P君」
P「どうしよう……緊張してきた……」
留美「……」
留美「別にP君が撮られるわけではないのよ?」
P「そうなんですけど……」
留美「……はぁ、しっかりしなさい。あなたはプロデューサーなのよ?」
P「ええ、分かってはいるんですが……どうにも……」
留美「あなたもプロなのだから仕事はしっかりしなさい」
P「はい。でも――」
留美「私に任せなさい。いいわね?」
P「……! 分かりました。よろしくお願いします」
留美「大丈夫よ。すぐ終わらせるわ」
P「お疲れ様です。留美さん」
留美「やっぱり慣れないことは疲れるわね」
P「バッチリでしたよ。先方も喜んでくれていました」
留美「それは良かったわ。それとP君……」
P「はい?」
留美「あまり他の子の前でうろたえない方がいいわよ」
留美「P君がしっかりしなくちゃ他の子も安心できないわ」
P「……そうですよね。気を付けます」
留美「大丈夫よ。P君ならできるようになるから」
P「そうでしょうか……?」
留美「えぇ。何といっても」
留美「私が信頼しているのだから」
おわり
これで終わりです
もう少し長くしても良かったかもしれない
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