足柄「6月8日、か…」 (43)
足柄「」ク゚デーン
提督「あーもうこんなになるまで酔いつぶれちゃって……」
提督「明日が休みだからっていくらなんでも飲みすぎですよ?」
足柄「いいじゃない……のまないとやってらんない気分なのよ」
足柄「マスター!もういっぱい!」
提督「すいません、それキャンセルで」
足柄「らにするのよあんら!」
提督「ほら、呂律回ってませんよ。いいからもう帰りましょう」
足柄「むー……」
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※諸注意
・初投稿なので勝手がイマイチわかってません。
・タイトルでピンと来た人もいるかもしれませんが、若干重めの話です。
イチャコラがみたいんじゃおらぁぁぁ!という人には合わないかもしれません。
・足柄さんキャラ崩壊気味です。ごめんなさい……。
提督「ほらほら出た出た」
足柄「ごーいんねぇ……」
足柄「まっ、まさか私の体が目当てとか……」
提督「冗談言ってないで早く帰りますよ」
足柄「わかってるわよ」
足柄「……別に本気にしてくれてもいいのに」ボソッ
提督「? なんか言いました?」
足柄「いーえ、なんでも!」
提督「さて、重巡寮の前に着いたはいいけど……」
提督「ここって俺は入れないよな……」
提督「足柄さーん!寮につきましたよ!」
足柄「すぴー……むにゃ……」
提督「はぁ……」
提督「なんか知らんけどおんぶさせられたし、寝てるし」
提督「これ以上はヤバいな。俺のほうが持たん」
提督「とりあえず重巡の子に来てもらえるといいんだけど」
スマホピッ
提督「現在時刻マルマルサンナナ……起きてるとしたら川内くらいか」
提督「申し訳ないけど、間宮さんあたりに頼んでみるか」
title : 夜遅くにすいません
本文:足柄さんと飲んでたんですが、足柄さんが酔いつぶれてしまいまして……(^^;
申し訳ないんですが、彼女を部屋まで連れて行ってもらえませんか?
重巡寮の前にいます。よろしくお願いしますm(_ _)m
提督「送信、っと」
テイトクニメールガトドイタノデス!
提督「はやっ!」
Re:title:夜遅くにすいません
本文:すいません、明日の朝食の仕込みにもう少しかかりそうで……。
特例許可を出しますので提督ご自身がお連れくださいませ。
他の娘たちには見つからないように気をつけてくださいね?
提督「oh…」
提督「どうするこれ……ってか実質「運ぶ」しか選択肢ないよなこれ……」
足柄「むにゃ……まっててねかみかぜ、もうすぐつくから……」
提督「……」
足柄『ねぇ神風、葡萄酒って飲んだことある?』
足柄『あら、ないの?勿体ないわね、すごく美味しいのに』
足柄『あ、そうだ。今回の輸送作戦のついでにこっそり買ってこようかしら。終わったら祝杯といきましょ?』
足柄『え?大丈夫よ、潜水艦なんて。ここに来るまでにも1回襲われたけど、なんともなかったでしょ』
足柄『もう、神風は心配性ねぇ。安心しなさい、無事に戻ってきて、絶対あなたと飲むんだから』
足柄『ふぅ、今回も無事に終わりそうね』
足柄『港も見えてきたし。あっ、神風!』
足柄『おーい、神風ー! 待っててね~、もうすぐ着くか』ビーッ! ビーッ!
足柄『ッ⁉ 右から魚雷⁉』
足柄『回避……間に合わないっ!』
足柄『せめて反撃……も、ダメね。届かない』
足柄『ちょっとは動けないこともなさそうだけれど……』
足柄『あ、神風? ごめんね、あなたの言った通りだったわ』
足柄『ふふ、私はもう無理よ。せめて輸送物資だけでも助けなさいな』
足柄『……そうね、私も残念だわ。でもこれは私の油断のせい。あなたは悪くないわ』
足柄『あなたは生き残りなさい。この戦いが終わるまで……』
足柄『もし無茶なんかして沈んだりしたら化けて出るわよ?』
足柄『もう、最後ぐらい笑いなさいよ。ほら、行きなさい』
足柄『……ふぅ、ちょっとかっこつけすぎたかしら。さすがにもう限界っぽいわね』
足柄『でもやっぱり……』
足柄「あの子と飲みたかっ……はれ?」
提督「あ、起きました?」
足柄「えっ、あっ、……えっ⁉」
提督「いやぁ、昨日は大変でした」
提督「足柄さんを寮に運びこもうと思ったらなぜか青葉がまだ起きてて」
提督「バレないところを探すのに苦戦しましたよ」
足柄「あれ……ここは?」
提督「僕の部屋です。眠ってる女性を連れ込むのはさすがに気が引けましたけど……
生憎ここくらいしかなかったもので」
足柄「へぇ、そう……」
足柄(て、ててて提督のプライベートルーム‼ こ、これはもしかしてもしかしたり⁉)
提督「足柄さん」
足柄「はいっ⁉ わ、私はいつでもいいわよ⁉」
提督「は?」
足柄「あ、や、……な、何でもないわ」
提督「その……ちょっと気になったんですけど」
足柄「何かしら」
提督「6月8日。毎日同じ日付に休暇取りますよね、曜日に関わらず」
提督「なにか意味があるのかなぁ、と思いまして」
足柄「あー、提督にもまだ話してなかったっけ」
足柄「実はね、前の私が沈んだ日なのよ、今日は」
足柄「私ね、沈むつい数日前に新しい友達ができたの」
提督「神風さん、ですか」
足柄「あら、知ってた?」
提督「すいません、寝言聞いちゃいました」
足柄「キャッ、はずかしぃ///」
提督「……」
足柄「うぅ、そんな目で見ないで、出来心よ」
提督「……」
足柄「そ、それでね!」
提督(ムリヤリ話戻したかわいい)
足柄「そもそもは私主体の輸送作戦の随伴だったのよ。話してるうちに仲良くなって」
足柄「で、私より先輩艦だっていうのにワインも飲んだことないって言うから、もっと仲良くなるためにも一緒に飲もうって話をしてたんだけど」
足柄「単独行動の時にヘマしちゃったのよ」
足柄「ホントにもうあと2キローってとこで奇襲喰らって」
足柄「あの子の目の前で無様に沈没よ。しかも行く直前に『気をつけてね?」って念を押されてたのに、ね」
足柄「次に目を醒ましたのはあなた達に拾われたときだったわ」
足柄「もうあれから4年経つのね……。私も老けるわけよ」
足柄「って、話が逸れちゃったわね」
足柄「歴史上ではあれから何十年も経ってるけど、私にとってはまだ5年も経ってない、ついこないだの記憶よ」
足柄「実は提督に誘われたときも、ついていくべきか迷ったのよ。正直そんな気分じゃなかったしね」
足柄「フフフ、驚いた顔してるわね。大丈夫よ? 後悔はしてないから」
足柄「決心したきっかけは、扶桑ちゃんと山城ちゃんを見たことね」
足柄「スリガオで沈んだはずの彼女たちを見たときに思ったの。
神風も私たちと同じように、いつか提督が見つけ出してくれるんじゃないか、ってね」
足柄「ま、いまだ見つかってないわけだけど」
足柄「ち、ちが、責めてるんじゃないのよ⁉」
足柄「で、毎年8月6日は休みを取って、前日は後悔にまみれながらバーッと飲んで、
当日はゆっくりあの子のことを想いながらワインを飲むことにしてるの。
ちょっとでも埋め合わせを、ってね。ただの自己満足かしら」
足柄「ごめんね、長い話に付き合わせちゃって」
提督「いえ、足柄さんのことが知れて嬉しいです」
足柄「あら嬉しい」
足柄「聞いてくれてありがとう。私も誰かに吐き出したかったのかもしれないわ」
足柄「なんだかすごいすっきりしてる」
提督「それにしても、足柄さんにそんな過去があったとは」
足柄「大抵の娘は私と同じか、それ以上に悲惨な過去があるわよ?」
足柄「たまには聞いてあげるといいんじゃないかしら」
提督「そうですね……」
提督「まだまだ僕には心を開いてくれない娘もいますけど、ちょっとずつ、頑張ってみます」
足柄「そうそう、その意気その意気」
足柄「じゃ、私はこれから1人で乾杯だから」
提督「あ、僕もご一緒します」
足柄「そう、じゃあまた明日」
提督「……」
足柄「……」
提督「え?」
足柄「え?」
足柄「ご一緒ってあなた、提督業は?」
提督「赤城さんと加賀さんに任せてきちゃいました。今日は駆逐隊の遠征回しだけの予定だったんで」
足柄「あなたねぇ……」
提督「いいじゃないですか。艦娘は申請出したら休暇取り放題なのに僕は年中無休ですよ」
提督「それに、足柄さんともう少しお話ししたかったですし」
足柄「……ずるいわ」
提督「なにがですか?」
足柄「そういうところ」
提督「?」
足柄「やれやれね」
今さらながら>>26訂正
6月8日です!
間違えちゃったので責任とって那珂ちゃんのファンやめます
安価間違えた・・・
>>24です。申し訳ありません。
トポトポトポ∙∙∙
足柄「悪いわね料理まで作ってもらっちゃって」
提督「趣味ですので」
足柄「では」
提督「では」
足柄「4日間の短い親友に」
提督「まだ見ぬ駆逐艦、神風に」
足柄・提督「乾杯!」
書き溜めてる分はこれで終わりになります。
よりによって最重要部分の日付ミスるとは……。
マジですか!?
え、ど、どんなのがいいですかね……?
正直シリアスネタはもう書けないですorz
あ、史実の参考はウィキペディアと重巡洋艦「足柄」の元乗員さんの手記「挽歌の海」によります。
後者はウィキペディア内にリンクがありますので、興味のある方は是非。
んじゃちょっとだけ
足柄「」ク゚デーン
提督「結局こうなってるじゃないですか……」
足柄「いいのよー、休みなんらし」
提督「明日は出撃の予定ありましたよね?」
足柄「あれ、そーらったかしら」
提督「まったく……」
足柄 「」ホワンホワン
提督「もうちょっと女の子らしくしたらどうなんです? せっかく美人なんですから」
足柄「あら、お世辞でもうれしいわ」
提督(お世辞じゃないんだけどな)
足柄「いいのよ、もう。見てほしかった人は全然見てくれないし」
足柄「といったって提督以外にいい男なんていないし」
足柄「今さらそんなことに気を使っても、ね……」
提督(あれ、今サラッと告白された?)
足柄「ま、私だって人並みに恋ぐらいしたかったけどね。こんなふうに生まれてきた時点でそれが難しいのはわかってたわ」
足柄「はぁ~、なかなかままならないものね、世の中って」
足柄「いっそ直接言う勇気でもあれば違ったのかもしれないけど」
足柄「私にはそんなもの、無いから……」
提督「……」
足柄「んっ……」ノビッ
足柄「さて、愚痴はもうおしまい。明日は仕事だし、そろそろお開きにしましょうか」
提督「最後になんか作りましょうか? 料理でも、飲み物でも」
足柄「そうね、じゃあ酔い覚ましのドリンクでもお願いしようかしら」
提督「わかりました、トマトジュースにしますね」
足柄「なんでそんなもん常備してるのよ」
提督「大抵の飲み物はありますよ? これも趣味なんで」
提督「はい、お待たせしました」
足柄「あぁ、ありが
チュッ
足柄「ッ⁉」
提督「酔い、覚めました?」
足柄「って、そうじゃなくて、あのっ」
提督「あ、一応言っときますけど、俺ずっと足柄さんのこと見てましたから。気付いてないのはお互い様ですよ」
足柄「え、あっ、その」
提督「で、酔いは覚めました?」
足柄「……やっぱりあなたってずるいわ」
足柄「まだちょっと酔ってるみたい。だから……もう少しここにいていいかしら?」
おわり
ちなみに翌日朝、提督の部屋からこっそり出て行く足柄さんを発見した重巡洋艦娘がいるとかいないとか
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