モバP「まゆのヤンデレを治したい!!」 (212)
◆モバマスSSです。
◆キャラが崩壊するかもしれません。
◆思い付きでやったので書き溜めがないです。遅筆になってしまいます。(前回は5ヶ月くらいかかりました。)
◆コレジャナイ感が漂う可能性が有ります。生暖かい目で見守って下さい。
◆リクエストはなるべく書きます。
◆前作の続きではありません。
前作
モバP「まゆのヤンデレを治す!」
モバP「まゆのヤンデレを治す!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363363988/)
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1376404876
P「まゆの迫り方が最近恐ろしくて、恐ろしくて…」
社長「私が見る限り今に始まったことじゃないけどね」
P「こんなときは、晶葉印の『ヤンデレール』。たった24時間だけヤンデレ状態にしてしまう素敵なお薬です」
社長「そんなもの使ってどうするの!?」
P「まゆに自分のやってることはこういうことだよ、って教えてあげるんです」
社長「それって挑発っていうんじゃないかな」
P「まあ、まゆが俺に愛想尽かすことも目的としてるんで…」
社長「でも他のアイドルを犠牲にしたら本末転倒だと思うんだけど…」
P「大丈夫です。みんな分かってくれますよ」
社長「君の意味のない自信がとても不安だなー」
P「そんなこと話してたらアイドルがやってきましたよ。」
愛海「おはよう、プロデューサー。と、社長」
P「おはよう、愛海」
社長「おはよう。今日は私とP以外誰も事務所にはいないぞ」
愛海「くぅ~、男しかいないのか…。残念!!」
P「その残念ついでなんだが、新しいサプリメントの試供品をもらったんだ。飲んでみないか?」
愛海「おお、ありがとうプロデューサー。これで私の指使いも卓越するってもんよ」
社長「しなくてよろしい」
P「まあ、後で感想でも聞かせてくれ。アンケートを取るそうだ」
愛海「分かった」
社長「じゃあ、私はお仕事に行ってくるから」
P「え、社長も仕事するんですか!?」
社長「冗談が過ぎることが多いよ、君」
P「反省してまーす」
社長「反省してないだろ」
愛海「あ、ちひろさん。ちょうど良かった。ちょっと協力してもらいたいことがあってさ。大丈夫」
「ちょっと眠っててもらうだけで大丈夫だからさ…」
ちひろ「んぐっ!!(何かを嗅がされて…、意識が…、遠く…な…)」
P「今日もお仕事が山積みだな…」
愛海「ねえ、プロデューサー。ちょっとお話があるんだけど…」
P「どうした、愛海?」
愛海「どうしてプロデューサーはあたしをスカウトしたのかな?」
P「う~ん、やっぱり魅力があったからだよ。いたずらっ子なところとか、自分の欲望にいい意味でも悪い意味でも忠実なところとか、明るくて前向きなところとかさ。この子ならアイドルしてやっていける。そう思ったんだ」
愛海「っていうことはあたしの趣味も、分かってくれてるってことなんだね。」
P「まあ、理解はしているよ」
愛海「じゃあさ、ちょっと会議室にまで来てよ。とってもいいものを用意しているからさ」
P(愛海が、俺にプレゼントだと…。これは、俺のプロデューサーとしての熱意が届いていたということなのか…)ジーン
愛海「きっとプロデューサーも喜ぶものだよ」
P「ありがとう、愛海!!」
愛海「はい。」
P(ちひろさんが椅子に縛り付けられている…。しかも、眠っているみたいだ…)
愛海「さあ、プロデューサーも…」
P「えーと…」
愛海「大丈夫。クロロホルムを嗅がせただけだから。清良さんの目を盗んで拝借したんだ」
P「え?」
愛海「さあ、プロデューサーも遠慮なく揉んでよ!!」
P「犯罪じゃないか!?」
愛海「大丈夫。さあ早く!!」
P「おいおい、何も大丈夫じゃないぞ…」
愛海「プロデューサーには理解だけじゃなくて共感もして欲しいんだ。だから、さあ!!」
P「さあ、じゃないよ!!さあ、じゃ!!」
愛海「え…、プロデューサーは…、あたしのこと理解してくれたんだよね」
P「ああ、理解したとも…」
愛海「理解はしてくれたのに共感はしてくれないの…」
P「うん。したら犯罪だからね」
愛海「理解してくれた、ってことはあたしのことが好きってことだよね。そうだよね」
P「うん、そうだよ。アイドルとしてね。」
愛海「じゃあさ、あたしのことが好きならちひろさんの胸揉んでよ。」
P「何でそうなる」
愛海「今までさ、ずっと理解してくれる人いなかったんだ。変態とかバカとか言われてさ。誰もあたしの趣味のこと理解しようとしなかった。親でさえも。そんな中さ、プロデューサーはあたしのこと理解してくれたんだ。カッコよかったよ、あの時のプロデューサー。あたしは一目惚れだったと思う。良き理解者であるプロデューサーと一緒だったら、これからも一緒だったら…」
P「愛海、ちょっと待て。理解と共感は別だ」
愛海「え、違うよ。あたしの旦那様のプロデューサーはそんなことは言わない。共感してくれる、共感してくれる、絶対に共感してくれる。あたしのこと好きなんでしょ。理解してくれてるんでしょ。だったら、行動で示してよ。早くしないとちひろさん起きちゃうよ。もしかして、起きたまま揉みたい派なの…、ごめん、プロデューサー。あたし、あなたのこと理解できるように頑張るからだからさ共感してよ、もっとあたしのこと知ろうとしてよ、ねえ、ねえ、ねえ!!」
愛海「プロデューサーはあつぃのこと理解したって言ったのあれは嘘だったの!?」
P「いや、その…、な…」
愛海「趣味を理解してもらおうとすることはおかしいことじゃないよね。揉んでくれるんだよね。さあ、揉んでよ」
P(ちひろさん、お許しください…)
モミッ
愛海「感想は?」
P「え、感想?」
愛海「共感してるどうかは感想聞かないと分からないじゃん」
P「柔らかかったです…」
愛海「ダメだよ、プロデューサー。もっときちんと女の子の胸を揉ませてもらってるんだから!!きちんとした感想を言わなきゃダメだ。」
P「そんなことを言われたって…」
愛海「将来の旦那様のために私が行って、揉んでくるからついてきて!!」
P「ちょっと、つぎの標的は誰なんだ!!」
愛海「今、事務所にはまゆさんしかいないからまゆさんだよ」
P「」
まゆ「なんですかぁ?」
愛海「あたしの未来の旦那様のために胸を揉ませてもらうよ!!」
まゆ「そんなのダメに決まってるじゃないですか。」
P「だよなぁ…」
まゆ「Pさんはまゆのものですよぉ…」
P「そっちか!?」
まゆ「そっちも、ですけどねぇ。」
P「とにかく、二人ともやめるんだ!!」
愛海「プロデューサーが興味あるのはまゆさんの胸とか体だけで、本当に好きなのはあたしなんだ!!」
P「その誤解しか生まない発言はやめろ!!」
愛海「揉んでやる…、揉んで証明してやる…、あたしのプロデューサーへの愛を!!」
P「やめなさい!!」
まゆ「!!」(後ろに回られた…、これは…)
愛海「控え目ながらも柔らかさは大きいもののそれに負けない。いや、それ以上…。手に包み込める大きさでありながら、ボリュームを感じさせる…。山のように大きいわけでもなく、かといって小さいわけでもない。すごく手にフィットした揉み心地。これは揉むためにある胸と言っても過言ではない!!」
まゆ「は、放してください!!」
愛海「くっ…、しかしこれで分かったでしょう。さあ、まゆさんの胸を揉むんだ!!」
P「え!?」
まゆ「…、揉んでください」
P「まゆ。それは…」
愛海「早く揉むんだ。まゆさんの許可が出ているうちに早く!!」
P(も、揉むしかないのか…)
モミッ
まゆ「あっ…」
P「これは、その…、柔らくて、大きすぎず、その…」
愛海「全然だめだ。教育のためにもう一回揉みなおす必要があるね」
まゆ「まゆはPさんなら何度揉まれても大丈夫ですよぉ…」
P(くそっ、絶対に誰にも見られないうちに終わらせてやる!!)
その後、まゆの胸を揉んでいる光景を早苗さんに見られたPはきっちりとシメられた。愛海は清良さんがどこかへ連れて行った。
まゆの胸は結局、交互に5回ほど揉まれた。
愛海編終了です。やっぱり、師匠にはヤンデレが似合わないのかな…。前スレで思いっきりすっ飛ばしていたので書きました。
次は小早川さんです。その次は西川さん。薫ちゃんの順番で書きます。
社長「ちひろさんの機嫌が異様に悪いんだけど」
P「さあ」
社長「原因は分かりきってるんだけど」
P「えーと、謝ったんですが…」
社長「何か買ってあげたら?」
P「え、1ダースじゃ足りないんですかね…」
社長「うーん、どうなんだろう…」
ちひろ(物で済むって考えをやめて欲しいんですけどね。)
紗枝「おはようさんどす~」
社長「おはよう。今日は何か仕事があるの?」
紗枝「いえ、何も。ただ、ちょっと暇があったもんでついなぁ~」
社長「ああ、まあそういう日もあるよ。」
紗枝「えろうすいませんなぁ。社長はんも忙しいのに」
社長「まあ、日常茶飯事だからね」
P「じゃあ、書類の整理しますね」
社長「おお、頑張って。じゃあ、私も自分の仕事に移ろうかな…。紗枝はゆっくり休んでていいよ」
紗枝「おおきに」
紗枝「あら、これ何やろうか?」
P「それは新しいサプリメントの試供品だ。飲みたいなら飲んでいいぞ。」
紗枝「ほんまどすか?」
P「ああ、遠慮なく飲んでくれ。どうせ俺は飲まないから。」
紗枝「おおきに。いただきます。」
P(紗枝は…、うーん。分からないけど大丈夫だろう)
紗枝「うーん、あまりこれと言って変わったことありまへんなぁ~」
P「サプリメントだからな。変わったことがあった方が大変だ」
紗枝「せやけども、新しいもん言うからちょっと期待したんどすえ」
P「サプリメントなんてあまり変わらないよ。ちょっと成分が変わるくらいだ」
紗枝「そうなんや。あまり口にせえへんもんやったからてっきり…」
P「あははっ、確かに俺も最初はそう思ってたよ。」
紗枝「家ではこんなもん出してくれへんから…」
P「大変なんだな」
紗枝「うーん、そうやろか。うちはそんなん感じんけどなぁ~」
紗枝「なぁ、プロデューサーはん。うち、そういえば相談があるんどす」
P「どうしたんだ、紗枝?」
紗枝「実は一人暮らし始めたんはええんやけども、いまいち部屋とか機械の勝手がようわからへんで…」
P「ああ、そういうことか。分かった、後で行こう」
紗枝「ほんまどすか!!おおきに」
P「いやいや、これも仕事のうちだから。」
まゆ「」ジーッ
紗枝「ここどす。一応、あぱーと、いうんやろうか?そんなん借りたんどす」
P「意外と普通のアパートなんだな。もっと良いところに住んでると思ってたよ」
紗枝「15の小娘が住むアパートさかいあまり派手にしてほしゅうないって頼んだんどす。それに実家に帰れんときのための家みたいなもんどすからなぁ~。あまりお金はかけられまへん」
P「そうなのか。いや、一人暮らしって言ったからもっと自立した生活をしていると思ってたけど、紗枝はまだ15歳だったな」
紗枝「そんなに老けて見えるんやろか…」
P「それだけ大人っぽいってことだよ」
紗枝「最近は物騒さかい、鍵閉めさせてください」
P「分かった。そうだな、一人だと不安になるもんな」
紗枝「なぁ、プロデューサーはん」
P「どうした、紗枝?」
紗枝「うちなぁ、たまに思うことがあるんですわぁ~」
P「なんだ?なんでも話してくれ」
紗枝「うちなぁ、実家に戻ろうと思うててん…」
P「な、何故、急に…」
紗枝「うち、最近実家に戻ること少のうなっとるんどす。家の方もこのままあいどるしててええ、とは言ってくれはるんやけど…」
P「それがどうしたんだ?」
紗枝「でも、うちなぁ…。あいどるやっとたら戻れんような気がしてたまらんのですわぁ」
P「家に…、か?そんなことはないと思うが…」
紗枝「ちゃいます…、家やありまへん。ある意味、家と同じもんやけど…」
P「なんだ?」
紗枝「強いて言うなら…”鳥かごの鳥”にやろうか」
P「鳥かごの鳥?」
紗枝「よく運命に縛られてる女は鳥かごの中の鳥に例えられますやろ?」
P「吉原の遊女とか京都の貴族の娘とか良家のお嬢様とかかな?」
紗枝「そうどす。鳥かごの中で生きることを宿命づけられて鳥かごの中で一生を終える。これって悲しいさだめでしょうか。プロデューサーはん、どう思います?」
P「うーん、俺は外の世界に連れ出してしまうかなー」
紗枝「確かに鳥にとって狭い鳥かごの中いうんは辛い環境であることには間違いないですえ。せやけど、鳥は外に出たら鳥かごの中の良さというか、何て言ったらええか分からへんけど、そういうもんをかみしめるんどす。うちは自分の鳥かご好きやったから…」
P「まあ、古巣って言ったらいいのかな?やっぱり、俺も実家は恋しいけど紗枝みたいには思わないかな」
紗枝「そうどすか。でも、うちは家に戻れんようなってしまうんやないかってよう考えるんどす」
P「なんで戻れないんだ?親御さんも許してくれてるし…」
紗枝「うちはこのまま流れに流されたら、こっちでずっと暮らしてしまうんやないかって…」
P「そうか…、俺も考えてみる。ありがとう、こうやって相談してくれるとプロデュースにも力が入るよ」
紗枝「そのプロデュースは、他の子にもやらはるんやろ…」
P「そうだな」
紗枝「ずるい人ですわぁ…、人の心盗むだけ盗んで…」
P「紗…枝…、何を言ってるんだ?」
紗枝「なぁ、プロデューサーはん。籠の中の鳥は1匹じゃかわいそうとは思いまへんか?」
P「ああ、そう思うよ」
紗枝「そういうときにはやることが決まってるんどす。もう1匹つがいにするために籠に入れるんですえ」
P「そ、そうなのか…、し、知らなかったな…」
紗枝「だから、プロデューサーはん。
うちのつがいになってくれはりませんか?」
P「紗枝……、それは無理だ」
紗枝「うちらは鳥やないから喧嘩したら別の籠に入れる必要もないし、それにうちの家知ってはるやろ。Pさんには一生不自由させんような暮らしをさせます。やから、うちとつがいになってください」
P「いや、紗枝……」
紗枝「プロデューサーはん、一つ教えておかなあきませんなぁ……。京女は怒らせると恐ろしいんですえ」
P(懐からナイフ……!!)
紗枝「うち、台所とか立つこと少ないから手が滑るかもしれまへん。そうなったら、堪忍しておくれやす」
P「いいから、置け」
紗枝「置いたら逃げはりますやろ?うちはそんな甘い女やありまへん」
P「紗枝、いいから話を聞け!!」
紗枝「話を聞け?都合のいいことをおっしゃりますなぁ。君しかいない、君となら目指せるとか、いけしゃあしゃあとあんな嘘まで吐いて……。うちが東京に来てみれば綺麗どころがわんさか周りに侍らせて……。それがプロデュースいうんですか?いけずやわぁ。うちのことほっぽいて他の子のプロデュース。あんさん、相当なスケコマ師やなぁ」
P「俺の仕事はそいう仕事なんだよ……、それにスカウトのときの嘘なんかじゃない」
紗枝「素敵やわぁ……。仕事の話しているプロデューサーはんの顔。その情熱をうちだけに注ぐことは出来まへんか?」
P「なぁ、考え直してくれよ……」
紗枝「ここまで来て引き返せるわけがありまへん」
紗枝「まあ、ちょっとお作法は覚えてもらわいけまへんが……。プロデューサーはんやったら大丈夫だと思いますえ。不自由ない生活も待ってますし、家柄も気にせんでいいんですえ。早う決心つけてもらわんとこの手滑りそうやわぁ……」
P「紗枝……」
紗枝「うちはプロデューサーはんに捨てられたら終いなんや……」
P「そんなことは……」
紗枝「プロデューサーはんには分かりません。女という生き物が捨てられたとき、どれほど傷つくかなんて……」
P「俺は紗枝を捨てたりなんかしない!!」
紗枝「それはあいどるの話やろ。女としてはどうなんか教えてください!!」
P「そ、それは……」
紗枝「やっぱり、そうどしたか。うちなんて数いるあいどるのうちの一人にしか過ぎひん女でしたか……」
P「紗枝……、それは違……」
紗枝「違うんやったら、うちとつがいになってください!!出来へんのなら……、もう二度と口を開かんといてください」
P「……」
紗枝「それが、答えどすか……、残念やわぁ……、うちは一体、何をやっとたんやろうな……」
カチャ
まゆ「Pさん、迎えに来ましたよぉ……」
P「ま、まゆ!?」
紗枝「やっぱりなぁ……、あんたら、出来とったんやなぁ……」
P「いや、違うから!?」
まゆ「まあ、鍵は開けましたから早く事務所に戻りましょうかねぇ」
紗枝「もう好きにしてください。うちはもう動くのさえきつうなりました」
まゆ「それじゃあ、帰りましょうかぁ……」
P「紗枝……」
紗枝「もう話しとうありません。早う出て行ってください」
P「ごめん……」
紗枝(捨てられてしもうたかぁ……、もう生きとってもしゃあないし…、死んだ方がええような気がするなぁ)
ピンポーン
川島「紗枝ちゃんいるー?浴衣の着付け頼みたいんだけど」
紗枝「今出ますさかい、待っとってください」
川島「ごめんねぇ……、自分でもやってみたんだけどうまくいかなくて」
紗枝「いいんですえ。うちも暇してましたし」
川島「でも、ありがたいわ。こうやって着付けできるの紗枝ちゃんくらいしかいないじゃない。あ、ちょっとお腹きつめに締めてくれないかしら?」
紗枝「うちはこれくらいしかできませんから」
川島「そんなことないわよ、紗枝ちゃんみたいにいい子には絶対いいお婿さんが来るわ」
紗枝「そうどすか?おおきに」
川島「きっと何もしなくてもいい人はやってくると思うわ」
紗枝「その……、うちが待ってても来ますか?」
川島「絶対来るわよ、断言してもいいわ」
紗枝(そうかぁ……、待っててもあの人は帰ってきてくれはるんや)
川島「ありがとう。やっぱり紗枝ちゃんの着付けが一番いいわ」
紗枝「いえ、川島はんが来てくれてうちも楽しゅうおした。ありがとうございます」
川島「やっぱり一人だとちょっと暇しちゃうものね、わかるわ」
紗枝(プロデューサーはん、今はどこに行っても構いまへんけどきちんと最後にはうちのところに戻ってきてください。うちはいつまでもまってますさかい……)
すいません、紗枝ちゃん編の終了が遅くなってしまいました。許してください、何でもしますから。
書く順番としては
西川さん
↓
薫ちゃん
↓
岡崎先輩
↓
その他リクエストがあったらそのアイドル…
の順番になります。
>>29
>川島「でも、ありがたいわ。こうやって着付けできるの紗枝ちゃんくらいしかいないじゃない。あ、ちょっとお腹きつめに締めてくれないかしら?」
塩見「……」
凛「第一回フレーバークラブを開催するよ」
まゆ「うふ……」
凛「今日はまだフレーバーは少ないけど、これから増していくから頑張っていこうか」
まゆ「そうですねぇ。メンバーも増やしていきましょう」
社長「社長室で何やってんの?」
まゆ「クラブ活動を」
社長「見たら分かる。なんで社長室でやってるか聞いてるんだよ。社長室は談話室じゃないんだけど……。応接間は開けておいてね、お客さん来るから」
凛「お願い、私達に機会を頂戴」
社長「机の上にあるワイシャツと上着は何だい?」
凛「フレーバー」
社長「うん、即撤収して」
凛「そ、そんな……、でも、私たちは負けないから!!」
社長「次から談話室でやれ!!」
保奈美「おはようございます!!」
P「おお、保奈美。今日も元気だな」
保奈美「ええ、良い声であいさつすると気持ちいいから」
P「ああ、そうだな」
保奈美「それに今日はうれしいことがあって!!」
P「もしかして、宝塚のチケットとれたのか!?」
保奈美「ええ、私もとれないものと思っていたわ……。運良く知り合いから行けないから貰ってくれ、って言われて頂いたのよ」
P「そうか、良かったな!!」
保奈美「はい!!」
保奈美「あら、これは?」
P「新しいサプリメントだ。喉にもいいらしいぞ、飲んでみるか?」
保奈美「ありがとうございます、今日はついてるわ」
P「じゃあ、今日はボイスレッスンが午後から入っていたかな?」
保奈美「一生懸命頑張るわ」
P「ああ、今度の如月千早さんのライブゲストとして出してもらう予定だからな。頑張ってもらわないと困る!!」
保奈美「ええ、アイドル界でもトップクラス……、いや、歌手の中でもトップクラスの実力を持つ千早さんを失望させたくないもの」
P「でも、無理して体を壊すんじゃないぞ」
保奈美「分かってるわ」
保奈美「~♪」
P「ずいぶん機嫌がいいな。給湯室からここまで歌声が聞こえるよ」
留美「ふふ、かわいいわね」
レナ「私も勝ちが続いたらあんな風になってたわ」
藍子「でも、保奈美ちゃん歌上手いなぁ……。うっとりしちゃう」
留美「歌に関しては彼女が一番二番を争うんじゃないかしら?」
レナ「そうね……」
保奈美「みなさん、お茶菓子を買ってきます。お飲み物は何がいいかしら?」
留美「私はコーヒーで、みんなは?」
レナ「私も」
藍子「私は紅茶を」
保奈美「社長さんたちは……」
社長「緑茶がいいかな」
まゆ「まゆはいりません」
凛「私もいら…スーハー…ない……スーハー」
社長「出て行け!!応接間から、早く!!」
保奈美「あははは……、行ってきます」
保奈美「戻りました。今から入れますね♪」
留美「おかえり」
保奈美「じゃあ、今から給湯室に行きますね」
レナ「ありがとうね」
藍子「たくさんお菓子がありますね」
留美「そうね、お茶の時間まで食べるのは待ちましょうか」
藍子「そうですね、給湯室からまた歌声が聞こえますし」
保奈美「~♪」
レナ「よっぽど嬉しかったのね」
P「なんたってとれないと思ってたチケットが手に入ったんだもんな。そりゃ上機嫌にもなるよ」
保奈美「コーヒーと紅茶を淹れましたわ」
P「おお、ありがとう」
保奈美「いえいえ……」
保奈美「これから始まるオペラを楽しむための下準備ですわ」クスッ
留美「保奈美ちゃん、本当に歌が上手いわね」
藍子「会議室で歌っているのにここまで声が聞こえます」
レナ「はんぱじゃない声量ね」
P「そこは俺の惚れ込んだアイドルですから」
留美「確かに君の目は一流だものね。青田刈りのプロといったところかしら」
P「いえいえ、そんな……」
藍子「それにしてもきれいな歌声ですね。私、なんだか眠くなってきちゃいました……」
レナ「私も眠くなってきたわ。お菓子の食べすぎでお腹がふくれたからかしら?」
P「え、俺はそんなことないですけど?」
留美「ドリンクで24時間働けるあなたとは違うのよ。本当に眠いわね……」
P「え、留美さんまで……」
留美「このまま、うとうとと……、ねむ……」
P「ちょっと、寝ないでください……、藍子、レナさん、留美さん!!」
保奈美「あら、みなさんどうされたの?」
P「わからない、急に眠り始めたんだ」
保奈美「ふふ……、案外、私の歌声に聞いて眠ってしまったのかもしれないわね」
P「こんなときに冗談はやめろ」
保奈美「冗談だと思う?」
P「どういうことだ?」
保奈美「マーメイドやセイレーンの伝説はご存じ?」
P「あ、ああ……、多少はな」
保奈美「もしかしたら、私の歌にもそのような特別な効果があったのかもしれないわね」
P「そ、そんなまさか……」
保奈美「そして、あなたを魅惑する。そんな効果もあったりして……」
P「の、飲み物に何か混ぜたのか?」
保奈美「さぁ……、ふふっ」
保奈美「ねぇ、Pさん。あなたはこの状況ドキドキしないかしら?」
P「な、何を、そんなはずが……」
保奈美「顔が赤いわね。熱でもあるの?」ピトッ
P「額を合わせたくらいで俺が動揺すると思っているのか?」
保奈美「そうよね。これくらいじゃ、ね」
P「む、胸が……」
保奈美「熱くなっちゃたわね……」
P「服をはだけさせるんじゃない」
保奈美「あら、動揺が顔に見えるわ。興奮しないで」
P「くそっ」
保奈美「振りほどかないところを見ると案外まんざらでもないんじゃない?」
P「そんなことは……」
保奈美「息が荒いわ。嫌よ、私、乱暴なのは……」
P「くそっ……、これは俺の意志じゃない、きっと保奈美が入れた薬のせい……」
保奈美「違うわ、それはあなたの意志よ」
保奈美「うふふ、納得できない?まだそれでもいいわ。話を変えましょう。あなたは私に色んな道を示してくれたわね」
P「ああ、いろいろな」
保奈美「ダンス、ビジュアル、その他もろもろのレッスン。歌番組だけじゃなくてバラエティ番組に出る重要さ。私の可能性を広げてくれたわ」
P「それが俺の仕事だからな」
保奈美「でも、あなたはもう一つ私に大切なことを教えてくれた」
P「な、何だ……」
保奈美「それは恋することの素晴らしさよ」
P「え?」
保奈美「うふふ、なぜこんな素晴らしいことを今まで敬遠してたのか不思議なくらいよ。歌だけでいいと思っていたけどもそれは大きな間違いだったわ。なぜかって、分かるでしょう。ああ、もう歌なんて二の次よ。信じられないくらい。オペラや劇の題材に選ばれる意味がより深く分かったわ。でも、これは劇じゃない。現実、そう、現実。この世界には主人公もいなければヒロインもいないの。ましてや、私はヒロインじゃないもの。いつ、あなたが捕られてしまうのか、遠くへ行ってしまうのか。不安になるわ。だから、少々強引な手を使わせてもらったってわけ。ちょっとは理解できた?」
P「したくもないね」
保奈美「そうよね。所詮、私なんてアイドルの一人でしかない。劇ならばここから様々な因縁が私たちを結びつけようとするけれども、これは現実。そんなこと起こりっこないわ」
P「ほ、保奈美……」
保奈美「あなたはもうすぐ悲劇の主人公になれるわ。謝っても許してくれないだろうけどごめんなさい。私にはこれくらいしか思いつかなかったのよ」
P「な、何をするつもりだ!?」
保奈美「簡単なこと……、としか言いようがないわ」
P「そ、それは……」
保奈美「いい、劇っていうのは観客がいないと始まらないの」
P「観客……って、まさか!?」
保奈美「ええ、そろそろ出てくるんじゃない?」
ビリビリベリベリ……
社長「くそぅ、お前らこんなに丁寧に目張りしやがって」
凛「だって、コーヒーの香りがフレーバーに混じったら困るじゃん」
まゆ「そうですよぉ」
社長「納得いかねぇ」
まゆ「そんなことより、面白いことをしてますねぇ……」
凛「保奈美……、あんた、一体何を嗅いでるの?」
社長「一体何をしてるの、じゃないのか!?」
保奈美「Pさんが急に迫ってきて……、助けて、みんな……」
まゆ「……」
凛「ふぅ~ん」
P「違う、これは……」
保奈美「みんなを眠らせてまで私に何をする気だったの!?」
P「信じてくれ、俺は何もしていない!!」
凛「プロデューサー、あんた……」
P「違う、違うんだ!!」
保奈美(これであなたはこの会社から追放されるわ。こうすれば、私とあなたは結ばれるしかなくなる……。私は悪女になっても構わない。この人さえ手に入れられれば……)
保奈美「こんな人、事務所にいない方がいいわ!!そう思うでしょう、社長」
社長「そうは思わないよ」
保奈美「なぜよ、この人はケダモノよ!?」
社長「俺はPを信じる。今まで一緒にこの業界で戦ってきた仲間だから」
保奈美「それは上っ面だけの演技よ!!」
社長「そうかな。なら、なぜ保奈美はPに着いてきたのかな?」
保奈美「甘い言葉で騙されたのよ。冗談じゃないわ」
社長「なあ、保奈美。質問させてくれ」
保奈美「何よ、一瞬でもこのケダモノとはお別れしたいところなのに!!」
社長「保奈美は嘘をついていないんだな。まばたきが多かったり、目を反らしたりしているけど、本当に保奈美を信じていいんだな」
保奈美「っ……、そんな本で齧ったような知識で判断する気、信じられないわ!!」
社長「そう……、じゃあ辞表待ってるよ。多分どちらも来ないだろうけど」
保奈美「ねぇ、まゆさん、凛ちゃん。どちらを信じる?」
凛「うーん、プロデューサーかな」
まゆ「まゆもPさんを信じますよぉ」
保奈美「っ……」
保奈美「もう、終わりかしら……」
P「保奈美?」
保奈美「劇の主人公とか重要な役割じゃなかったのよ。私がただ調子に乗って悪女を演じてただけ」
P「……」
保奈美「さようなら、二度と会うことはないでしょう。それが悪女のさだめだから」
P「待て!!」
保奈美「何かしら?」
P「まだ、この劇は終わっちゃいない」
保奈美「あら、魔女の火刑のシーンを残していたのかしら」
P「違う、お前がトップアイドルになるまでが劇なんだ。今は序盤中の序盤なんだよ!!」
保奈美「そんな……、違うわ!!あなたを想って狂い死ぬまでが劇なのよ!!そんな希望に満ちたものではないわ」
P「俺が脚本になる。だから保奈美はついてきてくれ!!」
保奈美「Pさん……」
まゆ(あれって絶対)
凛(プロポーズにしか聞こえない)
保奈美「分かったわ、私の人生劇の脚本はあなたに任せる!!」
P「ああ、任せてくれ!!」
保奈美「私は次は何をすればいいの?」
P「ボイスレッスンに行くんだ」
保奈美「分かったわ」
P「これにて一件落着……」
まゆ「Pさぁん……」
凛「私の脚本も」
留美「お願いしたいわね」
P「留美さん、起きてらしたのね……」
藍子「ちょっと詳しくお話しさせてくれませんか?」
レナ「そうね。ストーリーによっては、アドリブも必要になると思うから」
P「いや……、その……、アハハハハハハハハハハハ……」
社長「Pの人生劇。これにて終幕」
西川さん編終了です。長くかかりすぎ……。西川さん編はちょっと解説つけます。
西川さんは16歳の少女故に劇と現実の区別をつけようとしつつも、実際は混同させてしまいます。自らを悪女と言ったり、Pを悲劇の主人公にしたりといった行動もそこからです。その結果ゆえに自らを劇のために犠牲にしてしまいそうになります。逃れられない流れを創り出し、自らをストーリーに乗せて動かしています。しかし、Pを諦めたわけではなく狂い死ぬと言っているところから、Pへの想いを捨てず自己完結で終わらせるストーリーに自らを置き、自らに実行させようとしました。その後、Pが脚本になると言ったときはPを諦めてはいなかったので、その提案(プロポーズもどき)に賛同してしまう。といった流れにしたかったんです。
すいません、許してください。何でもしますから。
次は薫ちゃん編です。いつも書いてる茶番はちょっと変更してヤンデレIFルートを書くつもりです。グロ注意になるかもしれせん。いや、なります。
>>95までくらいのリクエストを書きます。
周子やってなかったらみたいかなーって
リクエストはここまでです。
今から、茶番と薫ちゃん編スタートです
小梅「こ…、この…お話は…、もしアイドルが…く、狂ってしまったらの…お、お話し」
サイコアイドル第一話 狂気の新世代
やっほー!本田未央だよ。今日は、みんなの楽屋に遊びに行くよ♪
未央「しぶりん、今日のライブも頑張ろうね!」
凛「そうだね。死んじゃったプロデューサーのためにも……」
実はプロデューサーは、交通事故で先月亡くなってしまったんだ。このライブは私たちのプロデューサーが用意した最後のお仕事。だから、みんな張り切ってるんだっ!!
卯月「えへへへ、プロデューサーさん……。私のことずっとずっと見ててくださいね」
しまむーは、お守りに頬ずりしてる。はたから見たらプロデューサーの形見に面影を重ねているようにしか見えないけど、私は知ってる。
あのお守りには入ってるんだよ。プロデューサーが。正確には喉仏なんだけど……
実は、私たちはやってはいけないことをしちゃってさ。骨壺ってあるじゃん。それが一日だけ事務所に置いてあった日があったんだよ。なんか、プロデューサーが事務所が好きだったから、置いてあげて欲しいとかなんとかでご両親が頼んだってことらしいけど……
その時に私達、事務所に置いてある骨壺あけて中からお骨を取り出しちゃったんだ。しまむーはなんていうか怖かった。ずっとプロデューサーさん、プロデューサーさんって呟いてて、まるで憑りつかれてるみたいだった。しぶりんは逆に冷静だったから怖かった。しぶりんが頭蓋骨を取り出して少し微笑んだときは私は寒気がした。
凛「未央、プロデューサー綺麗でしょ。うちの花なんだ、これ」
プロデューサーの頭蓋骨に色とりどりのお花が飾られている。目があったところや口のあったところにたくさんのお花が刺してあった。
卯月「未央ちゃんはプロデューサーさん、持って帰らなかったよね。どうして?」
しまむーは死んだ目でこちらを見て、いつもこのことを聞く。
未央「心と心でつながっている。それだけで私は満足だから…ね」
そう、プロデューサーと心がつながっていたのは私。本田未央。なのに、しまむーやしぶりんはおかしいよね。骨を取って、プロデューサーを自分のものにしちゃった気になってさ。ああ、むしゃくしゃする……。今日は多めに二人の写真を持って来たのに、もう半分も残ってないよ。早くトイレに行って、しまむーとしぶりんの写真をズタズタにしないと正気が保てそうにないよ。今日まで我慢しないと。今日までは写真で我慢しないと。大切なプロデューサーの最後のライブ。そして、ニュージェネレーション最期のライブ。終わったら、二人も写真のように
ズ タ ズ タ ニ ヒ キ サ イ テ ヤ ル
薫「こ、こわかったよ~、せんせぇ……」
P「でも、今度ドラマに出るお仕事を貰っただろう。だから、みんなの演技を見て勉強しなきゃ」
社長「ハートフルホームドラマでこの演技が参考になることはないよ」
P「でも、見て下さいよ。あの、卯月と凛の迫真の演技!!」
社長「途中から演技じゃないんじゃないかって思えるくらいだったね」
P「でも、未央はちょっと……」
社長「逆にあれで迫真の演技されたら、私は普段の未央を疑いたくなるけどね」
P「サイコアイドルは1クールの予定なんで毎週みんなで見ましょうね」
社長「そんなこと言えるお前が一番サイコだよ」
P「ちょっと出かけてきますから。薫と一緒に留守番よろしくお願いします」
ちひろ「あ、私も出かけないと……。社長、留守番を……」
社長「分かった。けど、早く戻ってきてね」
P「はい、分かりました」
ちひろ「なるべくすぐ戻ります」
薫「社長さん。テレビ見てていいかな」
社長「いいよ。もうレッスンも終わったし。あとは帰るだけだね」
薫「せんせぇが来るまで待ってるね」
社長「どこかに行っちゃダメだよ」
晶葉「ん?薫じゃないか?」
薫「あ、晶葉ちゃん」
晶葉「今から私は帰るのだが、薫はどうするんだ?」
薫「せんせぇが来るまで待ってるの」
晶葉「そうか。あ、そうだ。いいところにラムネがあったんだが食べないか?」
薫「え、いいの?」
晶葉「ああ、遠慮せずに食べたまえ」
薫「えへへ、じゃあいただきまーすっ!!」
晶葉(ヤンデレールの新型だ。効果は錠剤1/4だが、ラムネに似せることによって非常に食べやすくしてある。結果がどうあれ助手を手に入れるのには必要な実験だ。許せよ、薫)
薫「晶葉ちゃんありがとう!」
晶葉「いや、一人では食べきれなくてな。助かったよ」
薫「とってもおいしかったよ」
晶葉「お、あれは助手かな?」
P「薫、お留守番させてごめんな。晶葉もいたのか」
晶葉「ああ、ちょっと資料室にこもっていてな」
P「資料室に?」
晶葉「気にしないでくれ。あ、助手。ヤンデレールを返してくれ。研究の結果、廃棄した方が良いと分かった」
P「研究しなくても分かると思うが……。やっぱり、まゆのヤンデレは治らないぞ」
晶葉「まあ、そちらは自分でがんばってくれ。私には私の研究がある」
P「ああ、分かったよ。じゃあ、これな」
晶葉「ありがとう、おかげでデータがとれたよ」
P「もう、二度使わんからな」
晶葉「そうだな。お茶うけにでもこれを置いておくといい」
P「ラムネか。懐かしいな」
晶葉「知り合いからもらったものだ。大方、おまけ目当てで食玩を大量購入したのだろう」
P「ははは、じゃあ置いておくよ。帰ろうか、薫。晶葉は大丈夫か?」
晶葉「社長かちひろがいる」
P「そうか、気をつけろよ」
薫「せんせぇ、今日薫の家に遊びに来ない?」
P「ん、どうしてだ?」
薫「お父さんとお母さんがせんせぇと話したい、って」
P「そうか、じゃあお邪魔しようかな」
薫「本当?せんせぇ、ありがとうっ!!」
P(薫のご両親が俺に用があるなんて珍しいな。基本はあなたに任せますって言っているのに)
P「お邪魔しまーす、ってあれ?」
P(薫は愛媛出身だから、ご両親が上京しているはずなんだが……。女子寮のロビーにも薫の部屋にもご両親がいないぞ?)
薫「お父さん、お母さん、ただいまー」
P「薫……、それは……」
P(薫は熊のぬいぐるみとねこのぬいぐるみに向かってただいまと言ったのだ。これがどういう意味か、一瞬理解できなかった)
薫「今日はね、せんせぇを連れて来たんだよ」
P「薫?」
薫「かおる、えらい?ありがとう、お母さん」
P(ねこのぬいぐるみがお母さんということは熊がお父さんなのだろう)
薫「せんせぇもあいさつして?」
P(これがごっこ遊びでないことは薫の目から光が消えていることで分かった)
薫「お父さん、お母さん、今日はせんせぇがね……」
P(薫がずっとぬいぐるみに話しかけている。話し方や立ち振る舞いはいつもの薫なのだが、話しかけているのはぬいぐるみだ。それがより一層、薫の危なさを表していた。ずっと家族がいなくてさびしかった薫になるべくは多く接してきたつもりだ。薫だけではない。雪美や千枝、その他の年少アイドルにも多く接してきた。しかし、本物の親には代われないことは目の前の薫が証拠だった)
薫「せんせぇ、ご飯食べて。お母さんがねー、腕によりをかけて作ったんだって!!」
P「お、おお……」
P(クッキーだ。しかも市販の。たったの一枚。それが、小さな机に置かれている。シュール過ぎて怖かった)
薫「今日はね、オムレツを作ってくれたんだって」
P「あ、ああ。オムレツ大好きだよ」
薫「良かった。遠慮なく食べてねってお母さんが」
P(一口食べてみた。ただのクッキーだ)
薫「おいしいね、せんせぇ」
P「おいしいね、薫」
薫「せんせぇもこれから毎日食べるんだよね」
P「え?」
薫「せんせぇも食べるんだよね。だって、これから薫とせんせぇはふうふになるんだよ」
P「な、何を言ってるんだ!?」
薫「お父さんとお母さんがね、せんせぇを家族にしなさい、って」
P「そ、そんなことできるわけないだろう。とにかく俺は帰るからな!」
薫「え……」
P「じゃ、じゃあな。また明日」
薫「ごめんなさい……」
P(聞こえないふり、聞こえないふり。おそらくヤンデレールを何かの事故で飲んだんだろう。一日経てば元通りさ)
薫「ごめんなさい、薫は悪い子。薫は悪い子、薫は悪い子、薫は悪い子、薫は悪い子、薫は悪い子……」キリキリ
P(何か嫌な音が……)
薫「薫はダメなこ、薫はダメな子、薫はダメな子……、せんせぇに嫌われるダメな子……」
P「薫ー!!そのカッターナイフを手首から放せーっ!!」
薫「薫は悪い子だから……」
P「薫は悪い子じゃないよ」
薫「悪い子じゃない?薫は悪い子じゃない?」
P「ああ、だから罰を受ける必要もないよ」
薫「本当?」
P「本当さ」
薫「じゃあ、誰が悪い子なの?」
P「え?」
薫「お母さん、お父さん、教えて?」
P「おい、薫?」
薫「悪い子は誰?」
薫「うん」
薫「そっかあ、悪い子みぃつけた……」キリキリ
P「おい、薫。どこに行くんだ?」
薫「悪い子、たくさんいるから。お父さんとお母さんがおしおきしなさいって」
P「まさか……」
薫「まずは、舞ちゃんからかなー」
P「やめろ!!」
薫「止めないで、せんせぇ」
P「薫、だめだ!!」
ガチャ ギィー
まゆ「うふ、Pさん。今日はまゆがお夕飯を作ってあげるって言ったじゃないですかぁ」
P「いや、聞いてないし。それになんでこの部屋が……」
まゆ「Pさんとまゆは一心同体ですからねぇ」
P「ここまで一方通行な一心同体も初めてだけどね」
薫「まゆお姉ちゃんもおしおきしないといけないの?」
薫「そうなんだ。お母さん、お父さん」
まゆ「うふっ」
P(まゆがねこのぬいぐるみを掴んだ!?)
まゆ「こんなのがお母さんなはずある訳ないじゃないですかぁ」ブチッ
P(ねこのぬいぐるみの首をちぎっ…)
薫「いやぁぁああああああああああああああああああああああああああああ、お母さんが!!お母さんが!!」
まゆ「それに、これもお父さんじゃありませんよぉ」
P(薫の手のカッターで熊のぬいぐるみのはらを割いただと!?)
薫「あああ……、薫が……、お父さんを……」
薫「お父さん…、お母さん……」
P「薫。まゆ、さすがにやりすぎじゃ……」
まゆ「薫ちゃん、お母さんはここにいますよぉ」
P「おい、まゆ!!何を……」
薫「お母さん、お母さんなの?」
まゆ「薫ちゃん。寂しかったねぇ」
薫「お母さん、お母さん」
まゆ「大丈夫ですよぉ、お母さんは薫ちゃんから離れませんからねぇ」
薫「本当?」
まゆ「うふっ。お母さんが薫ちゃんに今まで嘘ついたことがありましたか?」
薫「お母さん……、離れちゃイヤ……」
まゆ「お父さんもいますよぉ……」
薫「せんせぇがおとうさん……?」
まゆ「そうですよぉ」
薫「おとうさんがせんせぇ?せんせぇがおとうさん?」
まゆ「だから、夫婦にはなれませんよねぇ」
薫「そうだね」
まゆ「じゃあ、お母さんはちょっと用事が……」
薫「お母さん、どこかに行っちゃうの?そんなのヤダ。ヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダヤダーーーーーーーーーーーー!!」
まゆ「か、薫ちゃん!?」
薫「薫が悪い子だから?薫が悪い子だから?薫は悪い子?薫は悪い子?」
まゆ「薫ちゃん、大丈夫ですよぉ。どこにも行きませんから」
薫「じゃあ、今日は一緒にお父さんとお母さんと薫で寝てくれる?」
まゆ「もちろんですよぉ。ねぇ、お父さん?」ニコォ
P「あ、ああ……」
薫「」zzzz
まゆ「薫ちゃん寝ちゃいましたね」
P「ああ」
まゆ「寂しかったんですねぇ。9歳の女の子だから仕方ないえすけど」
P(多分、ずっと家族に会いたかったんだろう。それがこんな形で現れてしまった。どんな形であろうと両親を欲していたんだ。その中で、薫は俺という家族も欲していたのかもしれない。未成熟な恋心、と言えば少々臭いがまあそんなところなのかもな。よく小さい女の子がお父さんと結婚すると言ってるのと同じようなものだろう。そう考えると少しさびしいな)
まゆ「どうして薬なんか飲ませようと……」
P「俺は薫に飲ませた覚えはないぞ」
まゆ「えっ?」
P「薫が自分勝手に晶葉のラボに入って盗んだ、ってこともないはずだしな」
まゆ「そうですねぇ。多分、事故なんじゃないでしょうか?」
P「そうだな」
まゆ「どうして、Pさんはヤンデレールを使ったんですか?」
P「まゆ。お前が思っている以上にスキャンダルというものは厳しい。世界の全てが自分の敵なると言っても言い過ぎじゃない。まゆが俺で人生を踏み外すようなことはあってはならない、と思ってな」
まゆ「Pさん……」
P「それに……、言い難いがそのお前、病んでるだろ。ちょっと……」
まゆ「うふっ、おかしなことを言いますねぇ」
まゆ「好きな人のことを知りたいって思ったり、ちょっと他の女の子に嫉妬しちゃったりするのっておかしいことなんでしょうか?」
P「いや、まあ違うと思うよ」
まゆ「だから、車の走行距離をGPSで確認したり、家に無断で入ったり、私物を漁ってしまうのも仕方ないことだと思いませんかぁ?」
P「その理屈はおかしい」
まゆ「それに、ヤンデレって他の女の子を殺しちゃったりしますけどまゆはそんなことしませんよぉ」
P「お、おお……」
まゆ「せいぜい、仲間に引き込んで利用するだけ利用するくらいで……」
P「タチ悪いな、おい」
まゆ「うふっ」
薫「」ギュッ
まゆ「あら、薫ちゃんが起きちゃいますねぇ。静かにしましょうかぁ」
P「ああ。それがいいな」
薫「おとうさん…、お母さん…、大好き…、せんせぇも好き……」
晶葉「助手……、君は罪作りな男だ」
晶葉「何人のアイドルを手籠めにすれば満足するんだい、君は?」
晶葉「これは、そう!私達、アイドルからの復讐なのだ」
晶葉「だから、私は悪くない…、私は悪くない……」
晶葉「エゴなんかで才能を悪用するわけがないんだ。この、池袋晶葉は」
晶葉「これは人のためにやる善意であって、エゴでは決してない!!」
晶葉「犠牲なんていない。彼女たちは助手に想いを伝えられて満足なはずだ」
晶葉「だから、この天才科学者池袋晶葉は決して悪くない」
晶葉「そうだろう…、助手……」
薫とまゆと一晩過ごしたPは二人を起こさないように仕事に出かけた。もうヤンデレールはない。いつも通りの日常が戻ってくると信じて疑わなかった。
薫ちゃん編終了です。長々かけてすいません。最近、体が辛かったり、荒木先生のSRを手に入れるために奔走してたりで……
先輩編すぐ書きます。許してください、何でもするとは言いませんけど……
千枝「大人って大変だな、って千枝は思うんです。私達は、甘えたいときに甘えていられるけど大人は違うみたいです。大人は甘えちゃいけないんでしょうか?それとも……」
サイコアイドル第二話 忘れられないあの人を想いながら
留美「はーい、あなた起きましょう。会社に行く時間よ」
留美「もう自分じゃ起きられないの?はいはい、起こすわよ。ったく、いつまで私に甘えているつもりなのかしら?」
留美「朝ごはんなんて食べて暇はないわ。近くのコンビニで何か買っていきましょう。何よ、その目は?」
留美「私が寝坊したって言うの?冗談はよして。あなたがいつまでも起きないから冷蔵庫に愛妻料理を突っ込むことになったのよ。いいから、文句言わずに支度をしなさい」
留美「ネクタイ曲がってるわよ。もうしっかりしてちょうだい。あなたは私の夫なのよ!!」
留美「行くわよ。ちょっと急がないと本当に遅刻よ」
留美「はぁ…、はぁ…、周りの目?気にしている暇はないわ」
留美「おはようございます。すいません、遅れてしまったようで……、ほら、あなたも謝りなさい。元々は君のせいなんだから」
ちひろ「和久井さん……?」
留美「何?」
ちひろ「その背負っているマネキンは一体……?」
留美「マネキン?おかしなことを言うわね。これは私の夫のP君じゃない」
ちひろ「っ……!!やめて下さい、和久井さん!!Pさんは先月交通事故で亡くなったんですよ!!」
留美「あなたこそふざけないで!!私の夫を勝手に殺さないでほしいわ」
現状は悲惨だった。スーツに身を包んだ和久井留美の背中には等身大のデッサンドールが背負われており、その顔にはPの写真が貼り付けてあった。しかし、もう判別もできないほど傷んでいる。おそらく、唾液やその他の液で傷んだのだろう。それを和久井留美は先月交通事故で亡くなったプロデューサーだと言い張るのだ。しかも、いつの間にか彼と結婚している始末。手におえない。でも、仕事はいつも以上のことをする。だから、皆そのことは言わなかったがなくなって一か月。ついに千川ちひろがキレた。なぜ、こんなことになってしまったのか。彼女達は仲間ではなかったのか?
美優(うらやましいなぁ……、私も早くあんな風に狂えたら楽なのに……)
楓(プロデューサーさんかぁ……。もう、吹っ切れちゃった方がいいのかな?死んじゃったら楽になれるのかな?こんな辛い気持ちから)
菜々(もう、ウサミン星人なんて……、言ってられない……、もう…、辛いだけ……)
大人は自分自身を救うことで精いっぱいなのだ。他の人なんて救っていられる余裕なんてない。彼女たちは大人であるがゆえに狂気の世界へと一歩、あしを進めてしまったのだ。
留美「P君、こんな分からずやの世界なんて去って、二人だけの世界に閉じこもりましょう……」
泰葉「和久井さんの演技勉強になりますね」
社長「演技だよね、絶対」
泰葉(こうやってお菓子を食べながらテレビを見るなんて、前の事務所じゃなかったな……。社長も怖かったし)
社長「それじゃ、ちょいとTV局まで行ってくるから、留守番よろしくね」
泰葉「はい、分かりました」
社長「すぐにPが来るから」
泰葉(プロデューサーが帰ってくるんだ。お話しできたらいいな)
泰葉「あ、ラムネ菓子。これ、お人形買ったときについてきてたな。懐かしいな」パクッ
泰葉「結構たくさんあるみたいだから、食べ過ぎても誰も文句は言わないよね……」
泰葉「最近のテレビはアイドルも体を張ったり、クイズに答えたりで大変なんだなぁ。子役とはやっぱり違うんだ……」
P「お、泰葉。ただいま」
泰葉「お帰りなさい、プロデューサー。あ、社長さんは出かけましたよ」
P「ああ、分かった。ところで泰葉、今日はオフだったのになんで事務所に?」
泰葉「何だか、一人でいるのがちょっと……」
P「まあ、そういうときもあるさ。じゃあ、事務所でくつろいでくれ。俺は仕事があるから」
泰葉「はい、分かりました」
P「今日は仕事が早く終わるから、泰葉を送っていくよ」
泰葉「本当ですか!?ありがとうございます」
P「ああ、任せておけ」
泰葉(プロデューサーってどんな女の子が好きなんでしょうか……。私みたいな女の子が好きなら嬉しいんですけど。って、あれ?"私"みたい?私ってどんな女の子なんだろう?あれ、私はいろんな役を演じてきたけどどれが本当の私だっけ?あれ、おかしいな、ここに来てからこんなことは考えなかったはずなのに。おかしいな、おかしいな、おかしいな?そうだ!!"私"が無ければ誰かから"私"を奪えばいいんだ。Pさんが好きな"私"を!!)
泰葉「あのー、プロデューサーの好きな女の子のタイプってどんな子なんですか?」
P「うーん、あんまりこういうことを言うと誤解を生むから言いたくないんだが……」
泰葉「誤解……、ですか?」
P「ああ、結構この業界も目ざとい奴が多い業界だからな」
泰葉「情報の一人歩きですか」
P「ああ、泰葉も芸能界に長くいたから分かるだろ」
泰葉「ええ」
P「でも、まあ泰葉がこんなことに興味を持ってくれるっていうのも嬉しいからな。特別に教えてあげようかな!」
泰葉「え、いいんですか!?」
P「ああ、ただしミンナニナイショダヨ」
泰葉「はい、分かりました」
泰葉「ミンナニハナイショ、ですか。ふふっ、紗南ちゃんがやってたゲームにそんなセリフがありましたね」
P「ま、まあ、それはおいといてだ。俺の好きなタイプはな」
泰葉「……」
P「まず、優しい人がいいな。そして、俺を愛してくれる人かな。あ、でも俺家事できないから家事出来る人も好きかなー」
泰葉「他にはありますか?」
P「うーん、まあこんなこと言ったら引くと思うけど、俺がグイグイと引っ張っていくのについてきてくれる。そんな女性が好みかな。でも、三歩下がって影踏まないっていうやつじゃないぞ。あくまで、俺がリードしたいんだからな」
泰葉「そうなんですか……」
P「あとは癒し系の女の子かな。なんかわがままみたいだけど」
泰葉「分かりました、じゃあPさんはこんな女の子が好きなんですねぇ」
P「お、おい、泰葉。急にまゆの物まねなんかするなよ。びっくりするじゃないか!!」
泰葉「ものまね?違いますよぉ、Pさんはこんな女の子が好きなんですよねぇ。泰葉は、Pさんが望む女の子になってあげたんですよぉ」
P「あれ、俺、まゆが好きって言ったっけ?」
泰葉「にょわー☆もしかしてPチャンは、こーんなやすりんが良かったの?それとも、こんな風な私を望んでいたのかしら。わからないわ。それとも、こんな私が良かったの?ふぅーん、これが好きな女の子なんだ。まあ、別にいいや。でもぉ、一番好きなのは泰葉ですよねぇ」
P(みんな似てるだと……、凛に川島さんにきらりにまゆ。やっぱり、泰葉の演技力はすごい。本人になりきっている。だが、なぜ急にまおのまねなんかを……。もしかして、俺に好かれたいから?だとしたら、またあの薬の被害者が出たのか!?)
訂正します。すいません…
泰葉「ミンナニハナイショ、ですか。ふふっ、紗南ちゃんがやってたゲームにそんなセリフがありましたね」
P「ま、まあ、それはおいといてだ。俺の好きなタイプはな」
泰葉「……」
P「まず、優しい人がいいな。そして、俺を愛してくれる人かな。あ、でも俺家事できないから家事出来る人も好きかなー」
泰葉「他にはありますか?」
P「うーん、まあこんなこと言ったら引くと思うけど、俺がグイグイと引っ張っていくのについてきてくれる。そんな女性が好みかな。でも、三歩下がって影踏まないっていうやつじゃないぞ。あくまで、俺がリードしたいんだからな」
泰葉「そうなんですか……」
P「あとは癒し系の女の子かな。なんかわがままみたいだけど」
泰葉「分かりました、じゃあPさんはこんな女の子が好きなんですねぇ」
P「お、おい、泰葉。急にまゆの物まねなんかするなよ。びっくりするじゃないか!!」
泰葉「ものまね?違いますよぉ、Pさんはこんな女の子が好きなんですよねぇ。泰葉は、Pさんが望む女の子になってあげたんですよぉ」
P「あれ、俺、まゆが好きって言ったっけ?」
泰葉「にょわー☆もしかしてPチャンは、こーんなやすりんが良かったの?それとも、こんな風な私を望んでいたのかしら。わからないわ。それとも、こんな私が良かったの?ふぅーん、これが好きな女の子なんだ。まあ、別にいいや。でもぉ、一番好きなのは泰葉ですよねぇ」
P(みんな似てるだと……、凛に川島さんにきらりにまゆ。やっぱり、泰葉の演技力はすごい。本人になりきっている。だが、なぜ急にまゆのものまねなんかを……。もしかして、俺に好かれたいから?だとしたら、またあの薬の被害者が出たのか!?)
泰葉「うふっ、Pさん。こんな泰葉が好きだったなら早く言ってくださればよかったのに」
P「あの、泰葉。それはちょっと違うんじゃないかな。ほら、俺の言ってること組み合わせるとさ、響子とかにあてはま……」
泰葉「嫌ですねぇ、Pさん。リードされるのが好きな自分はこの泰葉しかいなかったんですよぉ」
P「あ、あのな、泰葉……」
泰葉「違うなんて嘘。聞きたくないですよぉ。泰葉は、長い間嘘の中で生きてきましたからねぇ」
P「泰葉……」
泰葉「泰葉はPさんのためだったら、どんな自分にもなれますよぉ。たとえ、人のものを奪ってでも」
P「泰葉は泰葉だからいいんじゃないか!!」
泰葉「じゃあ、泰葉ってなんですかぁ?」
P「自分に自信が持てなくても、強い芯を持ってアイドルをやって行こうとする。そんな意志が強いアイドルだと思う。だから、俺は……」
泰葉「それにPさんが好きな要素は一つでも入っていましたかぁ?」
P「いや、あるじゃん。結構……」
泰葉「でも、やっぱりPさんが好きなのは、この泰葉なんですよねぇ」
P「そんなことは……」
泰葉「目を見て答えられないところを見ると図星ですねぇ」
P「いや、ちが……」
泰葉「これでソウシソウアイ。嬉しいです、Pさん」
泰葉「うふっ、Pさん」
P「やめろよ。こんなことをしたって何の意味もないじゃないか!!」
泰葉「意味のないことなら、怒る必要もないですよねぇ」
P「おい、泰葉!!本当に……」
泰葉「うふっ」
P「それ以上近づくなよ。何を考えているのかは知らんが……」
泰葉「大丈夫ですよぉ。二人の愛の結晶を作るだけですからねぇ」
P「そんなことはやめろ!!」
ガチャ
まゆ「Pさん。あなたのまゆが今戻りましたよぉ」
泰葉「あらぁ、まゆちゃんじゃないですかぁ」
まゆ「泰葉ちゃん?」
泰葉「まゆちゃん、この"私"は泰葉がもらいましたよぉ。もう同じ"私"は必要ないと思うんです」
まゆ「泰葉ちゃん、何を言ってるんですかぁ?」
泰葉「つまりですねぇ……、あなたには死んで欲しいっていうことですよぉ」
まゆ「!!」
P「や、泰葉!?バカなことはやめるんだ!!」
泰葉「うふっ、死んじゃわないと"私"が"私"になれないあないですかぁ」
まゆ「カッター…ナイフ……」
泰葉「じゃあね、まゆちゃん。あなたの"私"は私のものですよぉ」
まゆ「いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
P「まゆ!!」
泰葉「アハハハハハハハハハハハハ♪最高にいい気分です」
まゆ「や、やめて……」
P「まゆ、逃げるんだ!!」
まゆ「あ、足がすくんで逃げられませぇん」
P「そ、そんな……」
泰葉「刺されるのが怖いんですかぁ?」
P「そんなもの誰だって怖いに決まってるだろ!!」
泰葉「うふっ、じゃあね。まゆちゃん」
まゆ(ま、まだ……死にたくない……)
社長「ただいまー」
P「社長!!危ない!!」
社長「危ないって何が?」
泰葉「社長さぁん。今からちょっと用事があるので片付けますねぇ……」
社長「用事って?」
泰葉「まゆちゃんを殺すことに決まってるじゃないですかぁ」
社長「じゃあ、止めるしかないじゃないか」
泰葉「無理はしない方がいいですよぉ」
社長「大丈夫、もう無理しているバカが目の前にいるから」
泰葉「え?」
P「まゆに傷一つ負わせはしない。泰葉、お前にもだ!!」
泰葉「Pさぁん。まゆちゃんを庇うんですかぁ?」
P「そ、そうだ。お前にも殺人は犯させない!!」
社長(足が震えてなければ合格点だったのになー)
泰葉「あれ、動けない……?」
P「?」
まゆ「や、泰葉ちゃん思いとどまってくれたんですかぁ?」
社長「いや、そうじゃない。まゆは確かにストーカー癖があったり、独占欲が強い女の子だ。でもな、まゆは誰かを傷つけてまでPを奪おうとする。そんなことは絶対にしない!!これは断言できる。命を賭けたっていいね。」
泰葉「そ、そんなことぉ…関係ありませんよぉ……」
P「関係あるよ。だって、動けないってことはまゆのことを『理解してくれている』ってことだろう」
泰葉「ううっ……、そんなの……、動いてよ、"私"」
まゆ「泰葉ちゃん……」
泰葉「今、元に戻ったところで何になるの?私は大切な居場所を壊したのに……」スッ
P「カッターナイフを手首に……」
泰葉「さよなら……、大好きな人、大好きな所、大好きな友達……」
社長「やめろよ、早まるなよ」
まゆ「あ……ああ……」
泰葉「"私"はこの世から去ります。私は"私"が嫌いでした……、他のどんなことよりも……」
P「や、泰葉ーーーーーーーーーーーーーー!!」
まゆ「イヤッ!!」ガシッ
泰葉「まゆちゃん、離して!!」
まゆ「嫌、どうして離さないといけないんですか!?」
泰葉「どうして、そんなの、あなたを傷つ……ハッ!」
まゆ「泰葉ちゃん……」
P「泰葉、その、正気に戻ったのか?」
泰葉「……、どうして、でしょうね。私は普通の女の子でいたかったのに。みんなと同じ普通の女の子。私が望んでいたものはそれだけだったはずなのに……」
まゆ「泰葉ちゃんは普通の女の子ですよぉ」
社長「普通の女の子だよ。恋もするし、失敗もするし、やり直すことだってできる。友達、いや、仲間だっている。な、P」
P「ああ、泰葉は普通の可愛い女の子だよ」
泰葉「ごめんなさい……、ごめんなさい……」
晶葉(失敗か。まあ、いい。新しい薬は山ほどできている。まだ、私達の復讐は終わっていない。精々、楽しんでくれたまえよ。助手。)
泰葉編終了です。時間かかりすぎですね。次はちえりん書きます。残り28人ですね。前より少なくて安心しました。
日菜子、木場さん、きらり、凛はサイコアイドルでの再登場で許してください。オナシャス。
未央「えーと、しぶりん5位でしまむーが29位か……。え、私?いや~、その~、まあ、いいじゃん。そういう話はナシにしてさ。ちょっ、しつこいよ、さすがに私でも怒るからね!!ふぅ~、でも一番じゃないと満足できない子もいるのかもしれないね。だから、今私の順位は関係ないでしょ!!」
サイコアイドル 第三話 4-3=1
先日、事務所で神崎蘭子の遺体が発見された。その遺体はただの遺体というにはあまりに残酷な形だった。顔がハンマーのような鈍器でぐしゃぐしゃに潰されていたのだ。第一発見者の輿水幸子の話によると、犯人はハンマーを片手で振り回すような大男だったらしい。幸子は血だまりの中で泣いていた。
そして、本日、二人目の犠牲者が出てしまった。この前、事務所に入ったアナスタシアだった。この連続殺人犯は総選挙の順位に則って殺害を繰り返しているのではないかと推測された。それで、私ことPは第3位の高垣楓さんと一緒に公園にいる。警察からのおとり捜査の依頼だ。一応、犯人の顔を目撃している幸子も一緒だ。
楓「不安です……」
P「だ、大丈夫ですよ」
幸子「……」
楓「もう、多分私死んじゃうと思います」
P「え、縁起でもない…」
楓「私、言いたいことがあります」
P「楓さん?」
楓「ずっと好きです。死んだとしてもこの気持ちは変わりません」
P「……」
楓「答えないでください。今、答えを聞いたら死にたくなくなっちゃうかもしれません。私はみんなのために覚悟を決めてきたのに……」
P「楓さん……。俺、絶対楓さんを死なせません!!絶対に生きて帰りましょう!!」
楓「でも、もう終わりみたいです。ほら、パトカーの音があんなに遠い……」
P「な、何を、って、パトカーがここから離れていってる!?」
幸子「ボクが言ってあげたんですよ。さっき犯人を公園そばで見かけたって」
P「幸子、それは本当か?」
楓「ええ、カワイイボクの話を聞いて警察の皆さんはすぐにボクが言った場所に駆けつけてくれました」
P「良かった……」
幸子「ええ、本当に良かった。ここで第三位を殺せるんですからね」
P「幸子!!か……」
言う方が遅かった。楓さんの頭からは血が吹き出していた。笑っていたのか、泣いていたのか、最期の顔はわからなかった。幸子は両手で大きなカナヅチを振り回し、何度も何度も楓さんの顔を潰した。
幸子「ふぅ……、これでカワイイボクが一番になれました」
いつもの幸子だ。こんなとき、普通じゃない幸子だったら説得とかできたはずなのに。どうして、どうして、いつものお前なんだ!!
幸子「蘭子ちゃんも災難ですね。カワイイボクのノートを見たいなんて言わなければ死なずに済んだのに。アーニャさんもそうです。幸子、かわいそうって言わなければ死なずに済んだ。楓さんは自分の不幸を呪ってください」
P「な、なんで……」
幸子「こっちのセリフですよ。最初は買い物に付き合ってくれたのに……。最近ではスカイダイビング?びしょ濡れ?いじられ役?どうしてプロデューサーさんはボクに厳しくなったのか、ずっと考えたんですよ!!」
P「いや、その、それは……」
幸子「そこで、ボクは考えました。多分、一番じゃなかったから。ボクが総選挙で一番カワイイって証明できなかったから、プロデューサーさんは厳しくなったんだってね!!」
P「幸子、違うぞ!!」
幸子「これでボクが一番カワイイ。プロデューサーさんも優しくしてくれますよね」
P「あ…ああ……」
幸子「ボクのノートです。見てください。プロデューサーさんにしてもらったこと全部、全部書いてあるんですよ!!」
P「幸子、ごめん……、謝るから、もう、こんなことは……」
幸子「その怯えた顔も可愛いですよ、プロデューサーさん。ん、カワイイ?」
幸子はいつもの幸子から殺人鬼の幸子へと形相を変えて、ハンマーを振り上げた。
その直後、鈍い音が響いた。
智絵里「くんかくんか」
凛「智絵里の活躍でプロデューサーの使用済みの軍手を手に入れられたのはラッキーだね」
まゆ「うーん、でも、あんまり匂いはしませんねぇ……」
凛「確かに。軍手というのは作業時間や内容によって需要が大きく変化するアイテムの一つ。でも、この軍手は貴重。プロデューサーがトイレに行った後『濡れてなかった』軍手だからね」
まゆ「!!」
凛「分かってくれて嬉しいよ、まゆ」
まゆ「それはつまり、プロデューサーは『手を洗わなかった』ってことですよねぇ」
凛「たぶんね。智絵里が言うには公園の清掃ボランティアをやった時に使ってた軍手らしいから洗ったあと乾かしたという確率は極めて低いと考えるよ」
まゆ「しかも、ボランティア。自然乾燥までの時間、軍手を付けなかったとは考えられない。作業している人から怒られますもんねぇ」
凛「はかどらない?」
まゆ「はかどりますねぇ」
社長「社長室ではかどられても困るんだけど。ワイシャツ嗅いでる智絵里連れてさっさと出てってくれないかな」
智絵里「ありがとうございます。ワイシャツを……、その……」
凛「いいよ、別に。仲間が増えるのはうれしいことだからね」
智絵里(凛ちゃん、かっこいい……)
まゆ「どうせババアとクッキー焼いてるんですよぉ。だから、智絵里ちゃんが気にすることはありませぇん」
社長「聞こえてんぞ!!んな訳ないだろ!!みんなの予定作ってんの俺だぞ!!」
凛「艦これとかやってない?」
社長「俺に対して厳しいよね。みんな、俺に対して厳しいよね!!」
まゆ「なんか威厳がないんですよねぇ」
凛「友達みたいに話せるみたいな?」
智絵里「なんだか親戚のおじさんみたいで……」
社長「聞かなきゃよかった。もうすぐPが来るから、まゆと凛は仕事の準備しろよ」
まゆ「分かりました」
凛「ま、頑張るよ」
智絵里(Pさん、またすぐ行っちゃうんだ……)
智絵里「……」zzz
晶葉「新発明のモルモットがこんなところにいるとは。茄子程ではないが私も幸運ということだな」
智絵里「Pさん…、ずっと一緒……」
晶葉「普段はプロデューサーと呼んでいるのにな。結構な重症じゃないか。いいデータが取れそうだ」ニヤァ
晶葉「ふっ、これは気化したヤンデレールだ。効果時間も内容もほぼオリジナルと同じだ。制御が効かないのが難点だがな」
智絵里「すーすー」
晶葉「良かったな。これで想いが伝えられるぞ」シュー
智絵里「うっ……うーん」
智絵里「なんか、悪夢を見たような……」
P「お、どうした?」
智絵里「え、プロデューサー!?」
P「どうやらぐっすり眠ってたみたいだな。社長はまだ残るみたいだから送って行こうか?」
智絵里「い、いいんですか?」
P「ああ。任せてくれ」
智絵里(久々にPさんと一緒……,二人きり……)
智絵里「Pさん、実は私相談したいことがあって……」
P「ん、なんだ?」
智絵里「実は私が住んでるアパートの周りをうろついている人がいるんです」
P「な、何!?」
智絵里「一人じゃ不安なので、一緒に来てくれませんか?お部屋に入ってこられたら……」
P「わかった。今日は智絵里のうちに泊まろう。幸い、パパラッチは今のところ智絵里に目をつけてないみたいだしな」
智絵里「ありがとうございます!!」
P「智絵里、何でも相談してくれ。俺に出来る事なら何でもするからな!!」
智絵里(何でも……?じゃあ、えへへ……)
智絵里「Pさん、今日は泊まっていってくれますか?」
P「さ、流石にそれは……」
智絵里「ほら、あそこ。うろうろしてるのが見えますか?」
P「あ、本当だ。うーん、管理人さんとかには言ったのか?」
智絵里「はい……。でも、お部屋から出なければ大丈夫だ、って」
P「事が起こってからじゃ遅いな」
智絵里(あれは管理人さんが日課のパトロールをやってるだけ。ちょっと悪いことしちゃったかな)
P「俺が智絵里を守る。だから、安心して眠っていてくれ」
智絵里「は、はい」
智絵里(もっともっと甘えたいな……)
智絵里「Pさん、あの……、一緒にご飯を……」
P「ああ、いいぞ」
智絵里「あーん、してください」
P「お、おお……」
智絵里「ちょっと、抱っこしてもらっていいですか」
P「ま、まあ少しくらいなら」
智絵里「一緒にお風呂に……」
P「そ、それはさすがに……」
智絵里「じゃ、じゃあ……、お洋服を脱がせてください」
P「ちょっとまて!!さすがにおかしいぞ!!」
智絵里「あ、すいません。Pさんについ甘えたくなって……」
P「智絵里、さすがに甘えるといっても限度があるぞ……」
智絵里「じゃあ、朝起きるときにいつもおはようって言って起こしてくれたりとか、お昼ご飯をあーんして食べさせてくれたりだとか、不安になったときに抱っこしてくれたりだとか、いつも一緒に添い寝してくれないんですか?」
P「おい、智絵里……」
智絵里「バレンタインのチョコや料理やバースデーケーキをいつもおいしいって言って食べてくれないんですか?智絵里はいい子だね、っていつも頭を撫でてくれないんですか?」
P「智絵里、子どもじゃないんだから……」
智絵里「子どもでいいです。一生、Pさんに甘えられるなら!!ずっとこのままで!!」
P「おい、話を聞いてくれよ」
智絵里「イヤ、イヤです。甘えたいんです。こんな風にずっとずっとPさんと一緒にいたいんです。ダメなんて聞きたくありません。イヤ、イヤ、イヤーーーーーーー!!」
P(智絵里は足をバタつかせて、まるで小さい子のように駄々をこねた。それを俺はどうしようもできなかった)
ガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャガチャ
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
P(誰かがドアを無理やり開けようとしている。普通なら怖くて怖くて仕方ないはずなのに、これから来るであろう人物のことを考えると、心が不思議と安らぐようだった)
智絵里「ま、まさか、本当にストーカーが……」
P「大丈夫だ、安心しろ」
P(この言葉は自分に向かって言っているようなものだ。顔がにやけているのかもしれない。それでもいいと思うほど安堵している)
智絵里「ううっ……」
P(さっきまで怖かった智絵里が可愛く見える。甘やかしたいのは山々だが、それではいけない。ぐっと我慢しよう)
ガチャ
晶葉「やあ、助手。それとモルモット」
P(まゆじゃないだと……)
晶葉「モルモットのくせに調子に乗るんじゃない。甘えたいだと?何人のアイドルが同じことを思っているのかわかるか?お前は17歳だから甘えられない、とかいう戯言を言うんじゃなかろうな。笑わせる。薬のせいとはいえ、ここまで幼児退行するとは思わなかったぞ」
智絵里「あ、晶葉ちゃ……」
晶葉「ごめんね、言い過ぎまちたねー。ちえりちゃん。私は今から助手と話がある。さっさと退け」
智絵里「そ、そんな……」
晶葉「聞こえないのなら、ガキのように暴力で聞かせてもいいんだぞ。痛いのはイヤでちゅよねー」
P「おい、晶葉!!」
晶葉「おいおい助手。ことの発端の君がそんな態度でいいのか?これは復讐だ。我々アイドルからのな」
P「晶葉、何を言ってるんだ!?」
晶葉「いいか、助手。君はスカウトのとき何と言ったか覚えているか?」
P「ああ。お前ならトップを……」
晶葉「君しかいない。君を見た時から何かを感じていた。こんなセリフを聞かされたら、どんな鈍感でもこう思うんじゃないか。私に運命の出会いがやってきた、と」
P「そんなのまゆくらいじゃ……」
晶葉「うるさい。こんな男にうだうだと時間を割いていたのが間違いだった。ほら、薬の効能を消すスプレーだ」シュー
智絵里「あ、うう……」バタン
P「お、おい、ち、智絵里!?」
晶葉「まだ復讐は終わってないぞ、助手。精々覚悟しておくんだな」
智絵里「ふぅ……、晶葉ちゃんは帰りましたね」
P「ん、どうした?」
智絵里「これで思う存分Pさんに甘えられますね」
P「え!?」
智絵里「もう、ここまできたんですからどうにでもなれって感じです」
P「おい、智絵里……」
智絵里「まあ、響子ちゃんやまゆちゃん、ゆかりちゃんとの同盟規則には反しますが仕方ないですよね。Pさん。でも甘えてばっかりじゃダメなんで私がお料理を作ってあげます。だから、めいっぱい褒めてください。私がPさんのお世話します。だから、頭をいっぱい撫でてください」
P「薬の効果は切れたはずじゃ……」
智絵里「薬なんかでこの気持ちがかわるはずがないです。ずっと好きですよ、プロデューサーさん」
Pはとても智絵里が怖く思えました。でも、可愛いからよしとしました。まゆは助けに来ませんでした。
まゆ「なんでもするって言ったPさんが悪いんですよぉ……、うふっ」
智絵里編終了です。もっと内容があっても良かったかもしれません……。智絵里はヤンデレSS多いので結構かぶらないようによは思って書いているのですが・・・・・・。遅筆が治らない、治らない、奈緒らない。
次は晴ちん書きます。アーニャの口調難しすぎです。
早苗「正義の味方 警察。そんなものに憧れて警官続けてた時期もあったわよ、私も。でも、いつしかノルマをこなすための仕事になっちゃう。いつまで正義の心で動いていたのか、なんて覚えてないわ。いつまでも、正義の心に従って動きたいわね。でも、歪んだ正義っていうのは警察だろうがなんだろうが、どうにもできないわね」
サイコアイドル 第4話 正義のヒーロー
光「ついに追い詰めたぞ、レイナ!!」
麗奈「な、なあ……、光。やめろよ、こんなことさ。こんなことしたって何の解決にもならないだろ」
光「なあ、これを見てもお前はそう言えるのか?」
『モバイルプロ、プロデューサー アイドルに襲いかかる!!』
光「この記事にはお前がPに押し倒されている写真が載っているな」
麗奈「ち、違うんだ。Pにイタズラしようとしたら、あいつがコケて私に……」
光「麗奈、お前は自分のやったことをわかっているのか?」
麗奈「だって……、だって……」
光「お前のせいでPは会社をやめたんだぞ」
麗奈「あ、アタシだって……」
光「お前はな、Pだけじゃない。他のみんなにも迷惑をかけたんだ」
麗奈「なあ、光。それはとても悪かったって反省してる。だから体に巻きつけられた爆弾を取ってくれよ、な」
光「悪は滅ぼさないといけないんだ。お前みたいな悪は、なおさらほっといちゃいけない」
麗奈「イヤだーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!しにだぐないよぉぉっぉぉぉぉっぉおっぉぉ!!」
光「Pを死ぬより辛い目合わせたんだ。それくらいの覚悟はしておけ」
麗奈「うおえっ、ゲボッ、イヤだーーーーーーーーーーーーーーー、だずげでよ!!」
光「防音室だ。叫んだところで誰も来ないよ」
麗奈「ひがるーーーーーー!!もう、イダズラしない!!なんにも悪いことしないから!!」
光「もうちょっと早く聞きたかったな、その言葉」
麗奈「えっ」
光「じゃあな、レイナ」
ガチャン
麗奈「いややあっややあやっやあああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
翌日の新聞の見出し
『モバイルプロダクションで爆破テロ 犯人はアイドルを狙った凶悪な外国人の可能性!!』
死傷 1名 小関麗奈
軽傷 1名 南条光
晴「光さんと麗奈さんの迫真の演技すごかったな」
社長「麗奈のは演技じゃなくてマジだったらしいけど」
晴「そ、そうなのか!?」
社長「本人は頑なに否定しているけど」
晴「あっ……」
社長「まあ、光もこのドラマの後、考えることはあったと言っていたしな」
晴「え、なんて言っていたのか?」
社長「正義を名乗って悪行を行い、それを善行だと思っている悪が一番の邪悪。自分はもしかしたら、その邪悪に一番近い存在になりつつあったのかもしれない。もし、これが麗奈じゃなくて怪人や怪獣だったらためらいなく私は爆発させていただろう、だって」
晴「やっぱり光さんはかっこいいな。それに比べてオレときたら……」
社長「ああ、バニーのこと?」
晴「拓海さんや涼さんみたいにカッコイイ衣装着たいのに!!」
社長「うーん、なんとも言えないな。プロデュースはPに一任してるし。社長って言っても前職のマネージャーの仕事してるだけだし」
晴「えー、社長が頼みの綱だったのに……」
社長「うーん、出来ることと言ったらW杯の仕事を取るくらいしか……」
晴「それ本当か!?」
社長「ああ、有名になって頑張ったら取れるよ」
晴「よし、オレ頑張る!!可愛い衣装だって頑張って着て仕事する!!」
社長「晴、無理はしないでね……」
P「今、戻りましたー」
社長「お、P。朝からご苦労様。ゆっくりしていって、と言いたいが午後から晴とJリーグの仕事だったよな」
P「はい、そうですね。でも、出発にはまだ余裕があるんじゃないでしょうか?」
社長「うーん、スタジアムだから込むことがあるかもしれないし早めに行っておいた方がいいと思うんだよなー」
P「お昼ご飯を食べる余裕くらいはあるんじゃないですか?」
社長「そうだね。じゃあ、急がなくていいからお昼ご飯食べてきていいよ」
P「はい。実は、お手製のお弁当がありまして……」
晴「なんだ、P?」
P「もやしの炒め物弁当です」
社長「俺、そんな給料渡してなかったかな!?普通のサラリーマンの3倍以上は確実入れたとは思ったんだけどな!!」
P「FXに手を出したのが間違いだったんです……」
社長「金は貸すから、その「ぬ」と「ね」の区別がつかないような顔やめろ」
P「前借りとかじゃなくてですか!?」
社長「一応、社長だからお金は持ってるんだよ」
P「ううっ……、ありがとうございます……」
晴「その……、P。頑張れよ。いつか返せばいいんだからさ」
P「晴……、ありがとう……」
社長(12歳の女の子にお金のことで大人が慰められてる……)
晴(社長も優しいし、Pも最初はオレに変な格好をさせる嫌な奴かと思ったけど本当に俺のことを考えてプロデュースしてくれてるいい奴だし。よく見るとその……、カッコイイし……)
晴(でも、オレもカッコイイ衣装を着てカッコイイ仕事がしたいな……)
晶葉「ん、どうした?」
晴「晶葉さん?実は……」
晶葉「うーむ、なるほど。私としても解決してやりたいのは山々なんだが……」
晴「いや、話聞いてくれただけでもありがたいですよ。それじゃ、また」
晶葉「そうだ。新しい発明品があるんだが、気分転換に試してみないか?」
晴「面白そうだけど大丈夫なんですか?」
晶葉「なに、大船に乗った気持ちで試してくれたまえ」
晴「分かりました……」
晶葉「では、いくぞ」シュー
晴「うん……、なんだか……」
晶葉(君も悩みを吐き出して素直になりたまえよ。きっと楽しい世界が待っているはずだからな)
晴「涼さんだ……」
涼「お、晴じゃないか。どうしたんだ、こんなところで?」
晴「いや……、別に」
涼「晴、お前ちょっと顔色悪いぞ。どこか調子が悪いのか?」
晴「実はさ、オレ、バニーの衣装着たくなかったんだ。それをPに言っても聞いてもらえないし、社長に言っても頼りならないし、ちひろさんはちひろさんだし、でオレどうすればいいか分からなくて……」
涼「そうか。わかった、私からもPサンには言っておいてやるよ」
晴「本当?ありがとう涼さん」
涼「気にするなって。それじゃあな」
晴「涼さんはカッコよくていい人で、本当にオレの目標(ゴール)みたいな人だよ」
涼「ん?」
バチチッ
涼「くっ、あっ……」
晴「晶葉さんにもらったスタンガン。こんなふうに使えば良かったんだ……。ふふふ……、あはははははは……」
涼(ん、一体何が起こっ……!!)
涼(縛られてるし、その上猿轡まで……!!)
涼「んっー!!、んっー!!」
晴「あ、涼さん。目が覚めたんだ」
涼「ふっー、んっー!!」
晴「ごめんね、涼さん。オレさ、サッカーでさ一番気持ちいい瞬間ってさ、ゴールにボールを入れた瞬間だと思うんだ」
涼「ん?」
晴「涼さんはオレのゴールなんだ。カッコイイアイドルの涼さんは」
涼「!!」
晴「ボールはここにあるから」
涼「んんーっ!!」
晴「Pと一緒にゴールに……、今からでもワクワクするな」
涼(く、狂ってる……、Pサンがバニーとか着せるからこんな風になっちゃったんだ……)
再び書けるようになりましたので、終わらせる勢いで逝きます
晴「ここにボールを置いて……、と」
P「晴、何してるんだ……って、涼!?」
晴「あ、P。ようやく来たのか。今からサッカーをするんだ」
P「おい、晴?何を言っているんだ?」
晴「オレさ、気づいたんだ。Pはオレに可愛い格好をさせたがるだろう。それがPの愛情なんだろう。でも、オレの求めるところからは離れていってるんだ。つまりさ、オレを、オレの目標をぶっ壊すことがPの愛情だったんだ!!」
P「そ、そんなわけないだろう!!」
晴「だから、オレもぶっ壊すんだ。オレの目標であるカッコイイアイドルの涼さんにシュートを決めるんだ!!たぶん、シュートが決まったときは一番気持ちいいと思うぜ」
P「晴、やめるんだ。涼、大丈夫だ。俺が助ける」
涼「んーっ!!」
晴「もう、キックオフの笛の音は鳴ったんだ。もう誰にも止めることが出来ない。オレでもな!!」
P「あ、晴、ボールを蹴るのをやめろーーーーーーー!!」
涼「んーーっ、んっーーーーー!!」
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