健夜「ホスト通いやめる」京太郎「で、うちに来るんですか」 (23)


~東京某所~


「名前…また間違えた…。〇〇って誰よ!」

「す、すいません」

「どーせ私なんか金づるくらいにしか思ってないんでしょうっ」

「ああっ、姫!」







京太郎(あー、寒っ。バイト終わって家帰ったらもう0時過ぎてんだろ?そんで明日も1限とかかったる)

京太郎(…あれ、なんかあそこに人が倒れてる。酔っ払い?)

京太郎「あの…そんなところで寝てると風引きますよ」

健夜「うぅ…うっぷ…」

京太郎「うげ…やっぱ酔っ払いか。流石にこの時期に外でほっとけねーしな…」



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京太郎(結構運ぶの重かった…)

京太郎「六畳しかないんで狭いですが、適当に寝てください」ドサッ

健夜「……? ありがとう…?」ボー

京太郎(なんか布…和にもらったブランケットでも掛けとくか。ちょっとサイズ足りないけど)

健夜「うぇ…吐きそー…」フラッ

トコトコトコ  キィィ…バタッ

京太郎(トイレの場所言ってないのにほば無意識で向かってったぞあの人…)

京太郎「やべ、明日早いしもう寝なきゃ」

ウェェ… ゲー

京太郎(めっちゃ吐いてる音するわ。いや、これ以上は面倒見切れないって…)

京太郎「……」ムクッ

トコトコトコ  ジャー トコトコトコ

京太郎「ほら、水。飲めますか?」サスサス

健夜「………」スッ ゴクン

京太郎(ぐで〜ってトイレの床で横になってる…寒そうだし暖房の温度上げるか)

京太郎(次に吐き気の波が来た時に便器に顔上げるの間に合わないかもしれないしビニール袋も持ってくるか)


京太郎(結局朝まで寝れなかった…。 横になってもたまに苦しそうにするから目が離せなかったんだよな)ボー

京太郎「やべ、そろそろ家出ないと…その前に」





「あのー、起きれますか?」

健夜(あれ、なんか背中さすられてる…)

健夜(寒い…眠い…寝相悪くて布団どかしちゃったのかな)

「俺もう家出ないとなんで、そろそろ起きてもらえますかー?」

健夜(なんか呼ばれてる…けど誰?)

健夜(こーこちゃんじゃない…というか男の人っぽかったけど)

健夜(……もしかして泥棒…? ……っ!)ガバッ

京太郎「あ、おはようございます」

健夜「!?!?!?」ズササッ

京太郎「うわっ」

健夜(えっ!? 誰!? ここどこ!?)

京太郎「あー…、昨日のこと覚えてますか?」

健夜「き、昨日っ? え、と」

健夜(酔っ払って歩いてたことしか覚えてない…けど)

健夜(も、もももしかして、この人にお持ち帰り、されちゃったとか!?)


京太郎「なんか道端で倒れてたんで介抱したんですが、あんまり飲みすぎない方がいいですよ」

健夜「は、はい。ありがとうございます…」

健夜(なんか変なこととかされてないよね?服とか念のため確認……うわっ、よだれとかで色々汚れてる)

健夜(軽いチェックけど、そういうことは起きてなさそうで安心。けど、じゃあ余計に申し訳なさが…!)アワアワ

京太郎「それじゃ、俺そろそろ家出るんで支度できましたら出てってもらえますか?」

健夜「あ!は、はいっ! あ、あれ?荷物…というか服も汚れて…ど、どうしよ〜」

京太郎「……」

京太郎(これ、ほっとけないよなぁ)



ポチポチポチ

『和、今日の一限同じ講義だっけ?』

『おはようございます。はい、そのはずですが?』

『悪い、俺が欠席すること教授に伝えてくれるか』

『何かあったんですか?』

『寝不足と疲労で体調崩した』

『わかりました。伝えておきます』

『さんきゅ!今度なんか奢るわ』

『結構です。そんな余裕があったら体調を崩さないようにバイトを減らしてください』

『( `ー´)ノ』



京太郎(和チャットだと話早くて助かるな…。 …さてと)

京太郎「あー、急かしちゃってすみません。俺の勘違いです。今日講義入れてないんで休みでした」

健夜「ふぇっ!? が、学生さんだったの!?」

京太郎「む、そんなに驚くほど俺って老けてます?」

健夜「そ、そうじゃなくて…雰囲気が落ち着いてるというかなんというか」

健夜(というか未成年? だったらこの状態まずいような…!)


京太郎「俺、須賀京太郎っていいます。 ここは〇〇区で、何駅か離れたところの××大学の学生っす」

健夜「へぇ、あそこの学生さんなんだ。…わ、私は小鍛治健夜です。なんか色々…ええ、色々ご迷惑をお掛けして申し訳ございません……」ズーン

京太郎「あはは…」

京太郎(酔っ払いだから心配してたけど、悪い人じゃなさそうでよかった)

京太郎「ところで、小鍛治さんは今日お仕事? 大丈夫なんですか」

健夜「えっと、たしか今日何もなかったはず。 スマホに予定が…あれ、な、無い!」

京太郎「えっ」

健夜「鞄…も、無い…あれれ、落としちゃったのかな…」

京太郎「たしか俺が小鍛治さんを拾っ…出会ったときには何も持ってなかったと思いますが…」

健夜(今拾ったって言いかけなかった!?)

京太郎「す、すみません。俺が落としちゃったかもしれないんで見に行ってきます! その間に部屋ん中探してもらえますかっ」

健夜「えっ、ちょ、そこまでしなくて良い 《ガチャ  バタン!

って…は、はやい」


健夜「探してって言われても、この部屋の狭さじゃ…」

健夜(念のため、玄関チェック。うん、ないよねぇ。トイレとかは…うわっ)

健夜「覚えてないけど、たぶんこれ私が汚したんだよね? 帰ってくるまでに綺麗にしとこ…」


〜15分後〜

京太郎「すみません…ゼェゼェ…み、見つかりませんでした…ハァハァ…」

健夜「い、いいって!」

京太郎「で、でもお財布とか色々…」

健夜「現金は大して持ち歩いてないし、クレカは…まぁ、使えないように申請しないとだけど元から中身ほぼ入ってないもん」

京太郎「えっ?」

健夜「あ、いや違うよ?昨日は…お金使う用事あったから、念のためその分しか入れてない口座のクレカ…しかもデビットの方しか持ち歩いてなかったの」

京太郎「??」

健夜「あー…まあ、そのほか保険証とか、失くして困るような余計なものは全部家に置いてたから。うん、スマホ以外は軽傷で済んだかな」

京太郎「は、はぁ」



健夜「その…この度は色々と助けていただいてありがとうございました」スッ

京太郎「い、いやそんな頭下げなくってもいいっすよ」

健夜「このお礼はいずれ必ずさせてください」

京太郎「そんなのいいですよから、その、敬語やめてくださいよ。年上の方に敬語で話されるとムズムズするんで」

健夜「そ、そう? …わかった、そうするね?」

京太郎「はいっ」ニコッ

健夜「う… ///」

何も話進んでませんが今日は寝ます
Xの某ポストから急に電波を受信して書き始めたんで特にオチとか考えてないです


京太郎(この後どうしようか。 もうここまで来たら今日はこの人に付き合った方が精神的にも楽な気がする…)

京太郎「ところで、その服だと外出れないですよね?」

健夜「う、うん」

健夜(よだれとか戻したものでカピカピだし、早く着替えたいけど…)

京太郎「その、もしよかったらうちで洗濯していきませんか?」

健夜「え、悪いしいいよっ。 タクシー呼べばいいし」

京太郎「そのお金も今ないんですよね?」

健夜「あっ」

京太郎「まあタクシー代をお貸しした方が早いってことならそれでもいいんですが」

健夜(うう…これ以上貸しを作るのも…でもどっちもそれは変わらないような…)

健夜(あっ! というかこーこちゃんの部屋の鍵も鞄の中だから、帰ってもすぐに入れないじゃん!)

健夜「…服の洗濯、お願いしてもいいかな?」ウワメヅカイ

京太郎「っ! りょ、了解っす!」

京太郎(い、今まで意識してなかったけどこの人めちゃくちゃ可愛いんじゃ…っ)


京太郎「こんなのしかないですが、洗濯の間これ着てください」スッ

健夜「ありがとう」

健夜(シンプルなスウェット…この子背も高いし似合うんだろうなあ)

京太郎「というか、そのままじゃ気持ち悪いでしょうしシャワーも使ってってください」

健夜「えっ…」

京太郎「あ、いえ変な意味ではなくっ」

健夜「そ、そうだよね。ありがたく、シャワーも使わせてもらうね」





京太郎(あれから普通にシャワー浴びてるし…あれが大人の余裕なのか~)

京太郎(というか知らない人が家にいるって、なんか現実感がないというか)

京太郎「ふぁ…ねむ…」

京太郎(小鍛治さん出てきたら…午後は…)

京太郎(なかなか出てこないな小鍛治さん……ふぁあ)zzZ


健夜(緊張して丁寧に洗ってたら結構時間経っちゃった)

健夜「ふぅ…お借りしましたー。 ってあれ、須賀くん寝てる」

健夜(起こしちゃ悪いよね。 昨日から? 介抱してくれてたみたいだし)

健夜「……」

健夜(もう10時…この後何しなきゃいけないか考えまとめておかないと)

健夜(はぁ…こーこちゃんの部屋、東京にいる間だけ間借りするつもりだったのに鍵落としたなんて言ったら怒るだろうなぁ)

健夜「携帯借りてこーこちゃんに連絡、鍵の作り替えとカード無効化申請、あと一応警察に落とし物の届け出…」グー

健夜(う、おなかすいたなぁ)

スタスタスタ

健夜(勝手に冷蔵庫開けるのは論外だけど、今お金持ってないしUb〇rはなぁ…)

健夜「…段ボールに入ってるカップ麺くらいなら後で返せばいいかな?」チラ

京太郎「グー…スカー…」

健夜(やっぱり、須賀くんが起きるまでは待とう)


京太郎「すみません、俺寝ちゃってたみたいで…」

健夜「ううん、30分くらいだし気にしなくていいよ」

京太郎「そろそろお昼ですし、適当に用意しますが食べますか?」

健夜「うんっ、ありがとう。いただきます」

京太郎(うーん、冷蔵庫ん中何もないし、米だけ炊いてこの前通販で買った牛丼のパック出せばいっか)ゴソゴソ

健夜(あ、あれ私も買ったやつだ。セールで買ったのかな)







京太郎「そういえば、昨日あんなになるまで飲んでた理由って聞いても?」

健夜「あー…えーと」

京太郎「あ、ただの興味本位なんで無理にってわけじゃないです」

健夜(このくらいの子に本当の事言うのも恥ずかしいけど、たぶん茶化すような子じゃないしいいよね)

健夜「ちょっと、ホストクラブに通ってて」

京太郎(え)

健夜「昨日は推しの昇格祭だったからタワーまで準備したのに」

京太郎(昇格…?タワー?)

健夜「そいつに、名前間違えて呼ばれたのっ」

健夜(思い出したらなんかムカムカしてきた…!)

健夜「ありえる? もう1年半も通ってたのに今更名前間違えるって!」

健夜「だいたい昨日のシャンパンタワーにいくら掛かるか知ってるの!? 300万よ300万!」

京太郎「―――」

健夜「挙句の果てに…言い訳すらまともに出てこないで、『姫』呼びって。 もう思い出す気もないじゃん! 誰でもいいんじゃん!」

健夜「もうっ! まったく…」プンプン

京太郎(………オトナって色々あるんだな)


健夜「ごちそうさまでした」

京太郎「こんなのしか出せずすみません」

健夜「ううん。私も結構こういうの好きだし、家で自炊も全然しないし…」

京太郎「一人暮らしだとなんだかんだ面倒になってきますしね」

健夜(う、私実家暮らしなんだけど…)

健夜「あ、そうだ。 ちょっと連絡取りたいところがあるんだけどスマホ借りてもいいかな」

京太郎「はい、いいですけど…どうぞ」スッ

健夜「ありがとう」


プルルルルル

恒子『はい、もしもし福与ですが』

健夜『もしもし、こーこちゃん?』

恒子『すこやん!? あんた昨日どこ行ってたのっ! 大丈夫!?』

健夜『ごめんね、スマホ落としちゃって連絡できなくて…』

恒子『それはいいけど、じゃあこのスマホは誰かの借りてるってこと?』

健夜『うん…昨日お酒飲みすぎて、気が付いたら鞄もスマホも失くしちゃってたんだけど、親切な人に助けてもらって…』

恒子『はぁ!?』

健夜『その、迷惑かけて悪いんだけど、後で迎えお願いしてもいい? お財布もなくって…』

恒子『それはいいけど…』


健夜「須賀くん、ここってどの辺りだっけ?」

京太郎「高田馬場です。 駅なら西早稲田も近いですね」


健夜『こーこちゃん、高田馬場駅に来れる?』

恒子『ちょ…ちょっと待って、今の声は誰?』

健夜『昨日泊めてくれた親切な人』

恒子『―――。 おっけ、すぐ行くから、駅じゃなくてその人の家の場所教えて』


~しばらくして~


恒子「こんにちはー。 初めまして、そこのすこやんの友達の福与恒子でーす」

京太郎「あ、須賀京太郎です」ペコリ

京太郎(すこやん? どっかで聞いたことあるような…)

恒子「ちょーっと、すこやんこっちに来れるー?」

健夜「え?うん」トコトコ


恒子「あんた昨日ほんとうに何があったの! いつからワンナイトラブなんて大人ぶったことするようになったのよ!」

健夜「えっ、違っ! 昨日はそんなことなかったよ! …なかったよね?」チラッ


京太郎「も、もちろんですっ」


恒子「私悲しいっ、あなたをそんな風に育てた覚えはないわよ!」

健夜「こーこちゃんは私のなんなの…」


健夜「その…かくかくしかじかで―――」


恒子「…事情はわかったわ。 色々言いたいことはあるけど」

健夜「う…」

京太郎「はい…」

京太郎(親に不倫のこと報告する娘の不倫相手みたいでなんか居づらい…)


恒子「すこやん、しばらくホストクラブは禁止ね。 というか私の部屋を使ってる間はダメ」

健夜「ええっ」

恒子「当たり前でしょう。 まったく…そんなことがあったのにまだ通うつもりだったの?」

健夜「でも…もしかしたら緊張して名前忘れてただけかもしれないし」

健夜「あんなに楽しく話せて気の合う異性って初めてだし…」ゴニョゴニョ

恒子「あのねぇ、相手は仕事で接してるだけなんだから、のめり込まない方がいいわよ」

健夜「最初に誘ったのこーこちゃんじゃん」

恒子「そりゃそうだけど、まさかこんなにハマるとは思ってなかったし…」

京太郎(原因この人じゃん!)


恒子(すこやんのお母さんが『この歳になって浮いた話の一つもないのよねぇ』って心配してたから)

恒子(まずは異性に慣れるところからでしょ…って考えたんだけど、劇薬すぎたみたい)

今日はここまでです
このSSは本編から3年後の設定ですが、もうすこやんアラサーじゃないですね


恒子「やっぱりあんたもうホスト通うのやめなさい」

健夜「えぇ…」

恒子「やっぱりお金だけの繋がりなんて良くないって」

健夜「……わかった。ホスト通いやめる」

京太郎「なんか良くわからないですが、その方がいいですよ」ウンウン

健夜「代わりにここに遊びに来る」

京太郎「えっ」

健夜「これからよろしくね、須賀くん!」


カン!

すみません年内に立てたスレなので急いで終わらせました。
続きはありません。皆さんよいお年を~

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