ネロ「...うわぁぁっ!!」がばっ!
パトラッシュ「わんっ!?」
ネロ「ごめんよパトラッシュ。変な夢を見たもんだから飛び起きちゃった」
パトラッシュ「わん?」
ネロ「知りたいのかい?いいよ教えてあげる。...コンクールで優勝出来なかった夢だよ。そのせいで家賃を払えずに家を追い出されて、僕たち教会でルーベンスの絵を見ながら凍死しちゃうんだ。...それにしてもアレは夢とは思えなかったな」
パトラッシュ「わん!」
ネロ「そうだね、夢が現実にならないように頑張るよ。コンクールまであと3日あるしね」
ネロ「とりあえず>>3をしようかな?」
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フランダースの犬かぁ…
アロアのお父さんに仕事をもらう
ネロ「ねぇ、パトラッシュ。あの夢を見たせいかコンクールで優勝する自信が薄らいじゃった」
パトラッシュ「わん」
ネロ「このまま向こう見ずに絵を描き続けて落選しちゃうとこの家を追い出されちゃう。...僕たちに今必要なモノは仕事だ。怖いけどコゼツ旦那に縋りに行こう。凍死だけは嫌だし」
パトラッシュ「わん」
※※※
ネロ「ごめんください!」
がちゃっ!
コゼツ「何しに来たネロ!?アロアに何かするつもりなら容赦はせんぞ!」
ネロ「違います。あの...実は仕事を貰いにきたんです」
コゼツ「なんだと?わたしの風車を燃やしたお前がわたしに仕事を?」
ネロ「このままだと家賃を払えそうにないんです。家を追い出されて冬の街で凍死だけは嫌なんです。だからお願いします、僕に仕事をください。人が憚る仕事でも構いませんから」
パトラッシュ「わんっ!」
コゼツ「うーむ...>>6」
家事代行
コゼツ「それならば家事代行をやってもらうぞ。人手が足りずに猫の手も借りたいとこだったんだ。...ネロには頼むつもりはなかったが」
ネロ「でも何故家事代行?」
コゼツ「男世帯の者達からの声があってな。部屋が散らかりぱなしでどうにかならんのかと。そこで家事代行というわけだ」
ネロ「わ、わかりました。ありがとうございますコゼツさん!」
コゼツ「その代わりもう娘には関わらんでくれ」
ネロ「...は、はい」
※※※
ネロ「明日から家事代行か。なんだかワクワクするねパトラッシュ」
パトラッシュ「わん!」
ネロ「これでコンクールに落ちても凍死だけは免れるよ。最悪の事態は回避できたんだ!」
パトラッシュ「わん!」
ガチャっ!
アロア「ネロ、パパから聞いたわ!明日から家事代行のお仕事を始めるんでしょ!」
ネロ「あ、アロア」
ネロ(もうアロアとは関わっちゃいけないんだ...。もしもコゼツ旦那にこの事が知られたらきっと...家事代行の仕事が無くなってしまう)
アロア「黙っちゃってどうしたのネロ?具合悪いの?」
ネロ(でもアロアを無視なんて出来ないし...どうすればいいんだ?)
ネロ「>>8」
僕は家事手伝いの仕事なんです、お嬢様……
ネロ「僕は家事手伝いの仕事なんです、お嬢様……」
アロア「ど、どうしてハンスさんみたいな言い方なの...?」
ネロ「僕はコゼツ旦那と雇用契約を結んだんです。...残念だけどもう以前のようには行かなくなったんですお嬢様」
アロア「うわーんっ!ネロのばかーっ!!」ダッダダっ
パトラッシュ「わんっ!わんっ!」
ネロ「...さよならアロア」
※※※
ネロ「お、終わりました...家事代行がこんなに大変な仕事だったなんて」
コゼツ「誰もやりたがらない仕事だからな。これが報酬だ」
ネロ「あ、ありがとうございます。...あれ、報酬の額が思ったよりも少ない」
ハンス「それは家賃を引いた分だよ」
ネロ「ってことは...」
ハンス「あぁ、家から追い出されずに済んだってわけだ。けっ、首の皮一枚で繋がりやがって」
コゼツ「ところでネロ。おまえ、アロアと昨日何かあったのか?」
ネロ「お嬢様とは何も...僕とは住む世界が違いますから」
コゼツ「ふふ、そうか。ならいいんだ、明日も頼むぞ」
ネロ(嬉しそうな顔してる...。なんかちょっと腹立つな。でも雇用主に逆らえば失業しちゃうし)
がちゃっ!
アロア「>>10」
ネロの雇用契約の権利を買いに来たわ!
アロア「ネロの雇用契約の権利を買いに来たわ!」
どさっ!!
ネロ(!?す、すごい大金だ。あのルーベンスの絵を見たとしてもだいぶ余りそうだ)
コゼツ「そ、そんな大金をどこで・・・それにネロの雇用契約の権利とは・・・」
アロア「そのままの意味よ!このお金でわたしがネロの雇用主になるの!」
コゼツ「ダメだダメだ!ネロなんかと一緒に居てはならん!!おまえにはもっと相応しい男性がいるはずだ!」
アロア「その相応しい男性がネロなのよパパ!!」
ネロ「あ、あのぉ、ぼくコンクールの絵を仕上げないといけないのでお暇します...」
ネロとパトラッシュが去った後も2人の言い争いは続いた。2人がネロが立ち去ったことに気付いたのは朝が明けた頃だったという。
※※※
ネロ「...よーし、完成したよパトラッシュ!コンクールに出す僕の絵」
パトラッシュ「わん?」
ネロ「どんな絵を描いたのか気になる?それはね...」
ネロ「>>12だよ」
パトラッシュ
ネロ「僕がここまで生きてこれたのはパトラッシュ...君のおかげだよ。感謝の念を込めて君の絵を描いたんだ」
パトラッシュ「わん!」
ネロ「正直、もう結果は求めてないんだ。ただ僕は君の絵を多くの人に見てもらいたいからコンクールに出すんだ」
パトラッシュ「わん」
ネロ「そっか、ありがとう喜んでくれたんだね」
ネロ「でもコンクールまで残り2日ある。それまでは家事代行で稼ごう」
※※※
それから2日後。
ネロとパトラッシュはコンクール会場に居た。
ネロ「うわぁ、綺麗な絵がたくさん飾られてる。画材も絵具も筆も上質な物ばっかだ」
パトラッシュ「わん!わん!」
ネロ「ごめんごめん。どの絵が選ばれてるかを見に行かなきゃね」
1人と1匹はコンクールで優勝した絵が飾られてる壇上に辿り着いた。
豪奢な額に収められた絵を見て、ネロは目を見開いた。
ネロ「え・・・うそ!?」
ネロの見た絵は>>14
1.ネロの描いた絵
2.アロアの描いた絵
3.見ず知らずの参加者の絵
2
ネロ「あの絵に描かれてるのは僕とパトラッシュだ。でも誰があの絵を・・・」
アロア「あたしよネロ!」
ネロ「あ、アロア...いやお嬢様があの絵を?」
アロア「そうよ。ネロの役に立つために絵の勉強を頑張ったの!賞金は全部ネロにあげる。これで今まで通りの関係に戻れるわね」
ネロ「あ、ありがとうアロア。でもちょっと1人にさせてくれないかな?予想外すぎて心が追いついてこないや」
アロア「えぇ、わかったわネロ!なら後でうちに寄ってクリスマスパーティを一緒に楽しみましょ」
ネロ「う、うん...」
※※※
ネロ「予想外過ぎて空いた口が塞がらない...まさかアロアの絵が入賞するなんて...なんか自信なくなるな」
ネロ(僕も学校に行ける金が有れば...賞で優勝出来たのかな。...ダメだダメだ、結果に拘らないってパトラッシュに言ったじゃないか!!...でも悔しいな)
パトラッシュ「わんっ!」
ネロ「どうしたんだいパトラッシュ...ってその袋は」
チリンチリン
ネロ「す、凄いぞ金貨だ!100歳まで豪遊できるだけの金貨が袋に詰まってる!?」
ネロ(これがあれば学校に...)
ネロ「あれ袋に名前が...えーと...コゼツ?コゼツ旦那の名前だ。ってことはこれはアロア達のお金なのか」
ネロ「>>16」
これは届けに行くしかないな!
コゼツ「あぁ...ぁっ!わたしはもうおしまいだ...」
アロア「パパはどこに落としたのかしら財布」
エリーナ「まったく...あれだけ飲み過ぎないでって言っておいたのに」
コゼツ「面目ない...。しかし、女には分からない話だが、酒の付き合いというモノは商談を左右する」
エリーナ「...酔っ払ってないでまた探しに行ったらどうですか?」
コゼツ「そ、そうしよう」
ガチャっ
ネロ「こんばんは。コゼツさん、居ますか?」
コゼツ「わたしを笑いに来たのかネロ!!上等だ、サシで殴り合おうか!」
アロア「パパ、ネロに手を出さないで!?」
エリーナ「この人は酔っ払ってるのよ!危ないから早く帰りなさいネロ」
ネロ「クリスマスだから酔いたくなりますよね。...あの、林道でパトラッシュがコレを見つけました」
コゼツ「おぉっ!わたしの金貨だ!一つもなくなっていない!!ね、ネロ...ありがとう」
ネロ「用はそれだけです。それではこれで」
コゼツ「>>19」
待て、タダで返すにはいかん!
何でも好きなものをくれてやろう
コゼツ「待て、タダで返すにはいかん! 何でも好きなものをくれてやろう」
ネロ「ほんとうにいいんですか?」
コゼツ「勿論だネロは私達の恩人だ。是非、お礼をさせてくれ」
ネロ「ならちょっとついて来てください」ぐいっ
コゼツ「ひ、引っ張ってどこに連れて行く気だ!」
エリーナ「あなた!!」
アロア「私達も行きましょう!」
※※※
寒気が篭った教会。
そこでネロとコゼツ一家はルーベンスの絵を仰いでいた。ネロは感極まって両手を潤ませている。
ネロ「あぁ...コゼツさん。ありがとうございます。これで思い残すことはありません」
コゼツ「縁起でもないことを言うもんじゃない」
ネロ「でも僕にはもう生き甲斐は...絵の学校に通いたかったけど貧困層の僕にはお金が・・・」
コゼツ「そのことなんだが君を我がコゼツ家の養子に取ろうと思う」
ネロ「え!?」
エリーナ「いい考えですね、あなた」
アロア「これでネロとずっと一緒に居られるのね!」
コゼツ「君には絵の才能がある。わたしは養父として君の才が開花していく過程を見守っていきたい。...どうだろうか?」
ネロ「>>21」
と、と言うと僕はアロアの弟か兄に?
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