ちひろ「デビルメイクライにアイドル達のボディガードを頼んだ」 (173)

※デビルメイクライとモバマスのクロス

※ダンテとネロがモバマスのアイドルとユニットごとに駄弁ったりするだけ

※『』内は英語

※妄想垂れ流しなのでキャラ崩壊してるかも

※亀進行

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1414518610

CG事務所


ちひろ『こっちです、ネロさん』

ネロ『どうも』

ダンテ『よう坊や。久しぶりだな』

ネロ『……やっぱりいたか、ダンテ』

ちひろ『おや、二人は知り合いですか?』

ダンテ『マブダチだ』

ネロ『腐れ縁だよ』

ちひろ『はあ……』

ダンテ『ま、いいさ。早速ビジネスの話にしようぜ』

ちひろ『分かりました』

ダンテ『じゃあ坊や、後は任せた』ダラーン

ちひろ『』ズコー

ネロ『このッ……』

ダンテ『普段はトリッシュに任せてんだ。そういう難しい話はパス』

ネロ『ったく』

ちひろ『あのう……ネロさん、いいですか?』

ネロ『あぁ……』

ちひろ『ええと。まずは二人とも、これを食べていただけますか?』


ブルン


ネロ『なんだこれ』

ダンテ『知ってるぜ。ニッポンのソウルフードで、コンニャクってやつだ』モグモグ

ネロ『食うの早えよ!』

ちひろ『躊躇ないですね……』


ダンテ「並の毒なら通用しないからな」


ネロ『……?』

ちひろ(効果出るの早ッ! さすが池袋印!)

ネロ『ダンテ、今なんて言った?』

ダンテ「!」

ダンテ「おっほ、こりゃ、すげぇな……」

ネロ『???』

ダンテ(それ、食え)ジェスチャー

ネロ『……?』モグ

ダンテ「覆水盆に返らず」

ネロ「なっ……」

ダンテ「さすがニッポンだ。こんなヘンタイテクノロジーを隠してやがった」ケラケラ

ネロ「まじかよ……」

ちひろ「えっと……まあ、そういうモノです」

ちひろ「大丈夫ですよ。これ、丸一日しか効果ないですから」

ちひろ「副作用はネイティブの英語を使う人と話せなくなるくらいですし、帰りにはコレを食

べなければいいだけで」

ネロ「なるほど……」

ダンテ「金の切れ目が縁の切れ目」

ちひろ「」ビクゥ

ネロ「何言ってんだ?」

ダンテ「ことわざ遊びってやつだ」

ちひろ「……で、ええと。とりあえずはこれを読んで頂けると」ピラ

ネロ「どうも……」

ネロ「……っ」

ダンテ「なんだ?」ジロ

ダンテ「!」

ダンテ「ハッハッハ……まいったね、これは」

ちひろ「え? ど、どうかされましたか?」

ネロ「英語で書いてある……。読めないぞ」

ちひろ「えっ、マジですか?」

ダンテ「いっぺん、そのコンニャクを作った奴に会ってみたいね」

ネロ「ああ……」

ちひろ「じゃあ日本語で説明しますね……」

ネロ「頼むよ」

ダンテ「」ダラーン

ちひろ「我が社は貴方達デビルハンターに、できるだけの協力をするつもりです」

ちひろ「アイドル事務所のアイドルのボディガード。それが二人にやってもらう、建前として

のお仕事です」

ちひろ「建前とはいえ、もちろん、我が社のアイドルは守ってもらいます。お二人の力量を

見込んでのことです。信頼していますよ」

ちひろ「その代わり、こちらでは貴方達の悪魔狩りの協力をします。衣食住の提供も行い

ます」

ちひろ「……こんなところですかね」

ネロ「破格の待遇な気がするな……。いいのか?」

ちひろ「悪魔に対しては普通の人間はどうしようもないですから……。これでも安い気が

してきますよ」

ネロ「なるほど……。こっちは悪魔を狩るのが第一だ。協力、ありがとう」

ちひろ「いえ。我が社のアイドル達をよろしくお願いします」ペコリ


ダンテ「zzz」

ネロ「ボディガードのネロだ。よろしく」



卯月「わぁー」

未央「おおー」

凛「ほぉ……」ジロジロ



ネロ「な、なんだ?」



卯月「あのう、白髪なんですか?」

未央「脱色!」

凛「良い色のコートだね。よろしく」b



ネロ「……」

ネロ(帰りたい……)

凛「……」グイグイ

ネロ「引っ張るな!」

凛「……」ショボーン

ネロ「落ち込むなよ……」アセアセ



卯月「ネロさんになついてるね、凛ちゃん」

未央「なんか、蒼! って感じのコートだもんね」



ネロ「まいったな……どうすりゃいいんだ」

凛「……」

凛「じゃあ、そのコート着させて」

ネロ「は?」

凛「……」ショボン

ネロ「わ、分かったって」



未央「ネロさん女性経験うすそー」

卯月「あはは、たしかにー」



ネロ「なんか言ったか!」



未央「わっ、聞こえてた!」

卯月「ごめんなさーい!」



凛「いいね。良い蒼だよ。ネロ」ダルダル

ネロ「そ、そうか」

凛「じゃあ、残していこうか、私達の足跡」

ネロ「……」

ネロ(帰りたい……)

ネロ「……」←コート無し

卯月「あれ、ネロさんお疲れですか?」

ネロ「まあ……主にあの二人のせいだな」

卯月「あはは……」

ネロ「ウヅキは二人と違うな」

卯月「へ?」

ネロ「ニッポンのスタンダード・ガールって感じだよ」ナデ

卯月「わわわ……」

ネロ「おっと。悪かった」

卯月「あ、いえっ! 悪くないです!」

ネロ「なんだそりゃ」

卯月「あはは……」



未央「うづきんは知ってるのかな? 自分とネロさんが同い年くらいだって」

凛「知らないんじゃない?」ダルダル

未央「しぶりん、それいい加減返してあげなよ」

凛「嫌」

未央「なかなか強情だね……」

未央「この腕って仮装?」サワサワ

ネロ「触るなっ」

未央「むっ、つめたーい」

ネロ「ったく」

未央「ねえねえ、その腕で戦うの?」

ネロ「……」

未央「ねー」ムギュ

ネロ「お、おいっ」

未央「おやぁ? ネロさんカッコいいのに、オンナ経験ひとつもないわけ~?」

ネロ「あー! あっちいってろ!」

未央「つれなーい」ブー



卯月「未央ちゃんすごいね! もうネロさんと打ち解けてる!」

凛「あれは打ち解けてるっていうの?」ダルダル

卯月「……凛ちゃん、コート返してあげないの?」

凛「嫌」


***

某スタジオ・控室


ネロ「本当にアーティストだったのか」

未央「えへへ、見違えたでしょ?」

凛「確かに一人前ではないよ。でもいつかトップアイドルになってみせる」ダルン

卯月「トップアイドル目指して頑張ってます!」

ネロ「なるほどな」



ネロ「さて……」

ネロ「リン、コートを」

凛「嫌」

ネロ「ステージにそんなボロなんか持っていけないだろ!」

凛「……」ムスー

未央「しぶりん、プロ根性!」

卯月「ネロさんも困ってるよ?」

凛「む……。あとで返してよ」

ネロ「そもそも俺のだろ……」





「…………」




ネロ「……」

未央「スタジオ見学とかできるんじゃない? ボディガードでーす、って言ったら大丈夫だよ」

ネロ「……悪いな。俺は俺でやることがあるんだ」

凛「何?」

卯月「お仕事ですか?」

ネロ「仕事だ」

未央「えー」

卯月「残念です……」ショボン

凛「……」

ネロ「じゃあな」ガチャ



未央「ちぇっ、ネロさんをノーサツできるチャンスだと思ったのに」

卯月「仕方ないよ。お仕事だもん」

凛「私達だって仕事だよ。真剣に臨んでいこう」

未央「はーいっ」

卯月「えへへ、頑張りましょう!」

凛「うん、頑張ろう」

凛「……」

凛(……何か、嫌な感じ)

ネロ「ハン……」パンパン

ムシラ「」

ネロ(雑魚だったし一体だけだ。こんなの、大したことはない)

ネロ(だが油断はできないな。一匹、人目についただけでも面倒なことになる)

ネロ「銃と剣が使えりゃあ、楽なんだが」

ネロ「……ダンテはどうやって戦うんだ?」


***


事務所


ダンテ「どうも」


さくら「わぁー」

亜子「おおー」

泉「ふむ……」


ダンテ「なんだ?」


さくら「ダンテおじさん、これからお世話になりまぁす!」

亜子「なんや金回りの悪そうなオッサンやなぁ。ま、よろしゅうお願いしますわ」

泉「あなた、ホントに人間? 少し違うような気がするんだけど……」


ダンテ「……」

ダンテ「うめえな、日本のピザは」モッチャモッチャ

さくら「あっ、おじさんピザ食べてまぁす! わたしも食べたい!」

ダンテ「やらねえぞ」

さくら「ひどい!」

ダンテ「ほれ。取ってみろ。ほれ」

さくら「わぁぁん!」

ダンテ「Hahahaha」

さくら「イズミーン! アコちゃーん!」ビエエ



さくら「えへへ、ダンテおじさん優しいでぇす♪」パクパク

ダンテ「……まあな」

さくら「お礼にサイン書いてあげまぁす」キュポン

ダンテ「いらな」

亜子・泉「……」

ダンテ「……」

ダンテ「……」

ダンテ「将来が楽しみだよ」

さくら「任せてくださぁい!」ポム

さくら「いつかこれ一枚で、ひゃくまんえんの価値にしてみせまぁす!」

ダンテ「……期待してるぜ」

亜子「おっ、ボディガードのおっちゃん元気か?」

ダンテ「……」

亜子「逃げんなや!」

ダンテ「Damn…」

亜子「うわっ、このオッサン分からんと思って英語で暴言吐きよったで! 訴訟や訴訟!」

ダンテ「……」ソソクサ

亜子「にーげーるーなー、ゆーとるやん!」

ダンテ「……」

亜子「んもー!」


さくら「おじさん、アコちゃんのこと嫌いなの?」

泉「彼が過去に交際した女性と、亜子が似ていた。とか」

さくら「えー。みんな仲良くがいいです」

泉「彼の一方的な苦手意識みたいだから、きっと大丈夫」

さくら「むぅー」


亜子「待たんかいごらぁっ! ケツの毛一本残さず毟り取ったる!」

ダンテ「……」


さくら「いずみぃん」

泉「多分、大丈夫……」

泉「やっぱり、普通の人間と違うんだね」

ダンテ「あ?」

泉「データとか科学じゃ分からないこと。不思議とかってあんまり信じたくないんだけど」

ダンテ「ほう?」

泉「正直に言ってみてよ。本当はボディガードなんて建前。何か別のお仕事があるんでしょ?」

ダンテ「悪魔狩り」

泉「えっ?」

ダンテ「デビル・ハント。分かったか?」

泉「あ、アクマ?」

ダンテ「悪魔」

泉「あ、あ……」

泉「」

ダンテ「おーい」


さくら「あれっ、イズミンが煙吹いてまぁす」

亜子「キャパ越えしたんやろな。わかるで」

さくら「そろそろラジオのお仕事でぇす!」

ダンテ「ほー。いってらっしゃい」

亜子「オッサンも行くんやで」

ダンテ「なに?」

泉「ボディガードとして、悪魔から守ってくれるんでしょ?」

ダンテ「あー。こんな昼間に悪魔はあんまり出ねぇんだが……」

泉「そうなの?」

ダンテ「そうさ。この稼業は夜が本番なんだ」ニヤ

泉「はぁ……」

亜子「うわ、セクハラ親父丸出しやな」

さくら「???」

ダンテ「へっへっへ」

街中


ダンテ「三人とも帽子にサングラスって、変装としてどうなんだ」

亜子「じゃかまし! 先輩方が色々試して、これがいっちゃん効果があるらしいんや」

さくら「イズミンのデータ収集のたまものでぇす!」

泉「ふふ」ドヤァ

ダンテ「はーん」

ダンテ「……アイドルなのに徒歩で移動なんだな」

泉「有名じゃないから。デビューしてから時間も経ってないし、あんまり騒がれない」

ダンテ「厳しい世界だねェ」

さくら「まだまだこれから、ですよぉ!」

ダンテ「なるほどな。……というわけで、頑張るアイドル達にチヒロがご褒美をくれたぞ」

亜子「ゴホウビ!」

ダンテ「これで帰りに好きなモン食ってこいとさ」つ[5000]

亜子「ほいさ!」バッ

ダンテ「……」つ

さくら「わぁ、アコちゃんすごい!」

亜子「アタシの前で札を出す方が悪いんやで?」ピラピラ

泉「亜子、さすがに返さないと」

ダンテ「ま、ニッポンの店なんて知らないからな。ピザの美味い店に案内してくれや」

亜子「らしいで?」

泉「む……。本人がいいなら良いけど」

ザワザワ ザワザワ


さくら「あの人だかりはなんでしょうかぁ?」

亜子「人の集まる所に儲け話あり! 行ってみようや!」

さくら「そんな時間ないよぉー?」


泉「……なにこれ。凄く気味が悪い感じ……」

ダンテ「よく分かるじゃないか。悪魔の瘴気ってやつだ」

泉「これ、ダンテがなんとかしてくれるの?」

ダンテ「当然」

泉「……」

泉「分かった。二人を呼び戻してくるね!」ダッ

ダンテ「ああ」

ダンテ「さあて、何が出てくるやら」

亜子「マジであのオッサン悪魔狩りやっとんたん?」

さくら「すごい! 見てみたぁい!」

泉「駄目。何かあったら大変だし、ダンテの責任になるでしょ」

さくら「えぇー」

亜子「ぶぅー」

泉「あそこで待ってて、って。早く行こう」

さくら「はぁーい」

亜子「泉、なんやオッサンがえらいお気に入りみたいやな?」ニヤ

泉「……そうかな」




スケアクロウ「……」



ザワザワ ナニアレ ウゴイテル キモチワルーイ


ダンテ(野次馬共が遠巻きにスケアクロウを取り囲んでいる……)

ダンテ(スケアクロウはフォルトゥナで見たヤツらよりも小さい。まだ弱い証拠だ)

ダンテ(……もっとも、人間ひとりを殺すには十分だが)


シャメトロウゼ サワッテミル? オマエガイケヨ


ダンテ「……」

ダンテ「……ジャパニーズは危機感ってのがないのかねェ」

ダンテ「よっ」ピョン



モブ「なんだあれ、宇宙人?」

モブ「気持ち悪っ」

李衣菜「んん~? へんな袋みたいなのが動いてる?」

モブ「だんだんこっちに近づいて来てね?」


ダンッ!


李衣菜「え?」

モブ「なんだ?」

モブ「赤?」




ダンテ「さーて、騒いでくれるなよ。野次馬さん達」スゥ

スケアクロウ「……!!」ギラリ

ダンテ「Keep still」パッチン


***


ダンテ「おら!」


ズガガガガガガ!


スケアクロウ「」プシュウウウ…


ダンテ「物足りねェな……」フー

ダンテ「……そうも言ってらんねえな、さっさとトンズラだ」ビュン


***


ザワザワ ザワザワ ザワザワ


李衣菜「あれー?」

李衣菜「赤いのも袋も消えた……?」

李衣菜「ん~?」コツ

李衣菜「? なにこれ」ヒョイ

レッドオーブ「やあ」ブサイク

李衣菜「」




ダンテ「よう」

さくら「あっ、おかえりなさぁい!」

亜子「もう時間ないで? 急がんと!」

ダンテ「急かすなって」


泉「……ダンテ?」

ダンテ「なんだ」

泉「どうだった?」

ダンテ「いつも通りさ。悪魔を見つけて狩るだけだった」

泉「そうなんだ……」

ダンテ「急ぐんだろ? 二人を追い掛けた方が良いんじゃないのか」

泉「うん。行ってくる」タッ


ダンテ「……こいつはちょいと、骨が折れるな」

事務所


ネロ「業務日誌?」

ダンテ「めんどくせェ……」

ちひろ「まあまあ。アイドル達のプロデュースにも関係してきますし」

ネロ「へえ。だったら書かないわけにはいかないな」

ダンテ「テキトーでいいだろ?」

ちひろ「ダメです!」

ダンテ「チッ……」


ネロ「ところで、寝泊まりはどうするんだ?」

ダンテ「……」ペンクルクル

ちひろ「あ、ええとですね。今使っていない女子寮がありまして」

ネロ「女子寮……」

ダンテ「使ってないんだから誰もいねェんだろ?」

ちひろ「ええ、まあ」

ネロ「……」ホッ

ちひろ「でも、使ってなかった期間が長くて、なかなかの有様でして……」

ダンテ「なるほどね」

ちひろ「手の空いてるアイドルに掃除させてますから、明日には使えるようになってるはずです」

ネロ(アイドルに掃除を任せていいのか……?)

ちひろ「それで、今日だけは事務所の仮眠室で寝てもらえると……」

ダンテ「シャワーはあるんだろ? ならいい」

ネロ「俺も構わないよ」

ちひろ「助かります……」


ちひろ退社後



ダンテ「酒盛りでもするかい、坊や」

ネロ「断る」

ダンテ「チッ、つれないねェ」ゴソゴソ

ネロ「外に出て何を買ってきたのかと思ったら……」

ダンテ「いっぺんニホンシュってのを試してみたくてな」プス

ネロ「へえ……美味いのか?」

ダンテ「ん……」チュウ

ダンテ「不味い」

ネロ「……」


ダンテ「さて坊や、ここからはビジネスの話だ」

ネロ「ん?」

ダンテ「知ってるだろうが、悪魔は夜に活発になる。暗闇に紛れて人を襲う」

ネロ「ああ」

ダンテ「というわけで、夜にも見回りは必要だ。だろう?」

ネロ「……」

ネロ「……本音は?」

ダンテ「トウキョウ見物がしたい」

ネロ「……」アタマカカエ

ダンテ「よし、行くぞ坊や。事務所の鍵は任せた」ガタッ

ネロ「ったく……って、おい!」

ダンテ「Are you ready?」バサァ

ネロ「待っ……!」

ダンテ「Let's ro」ピタ


ドア『壊したら弁償』


ダンテ「……」

ダンテ「……」

ダンテ「……」ガチャ

ネロ「……」

ネロ「あの事務員、やるな……」

二日目


昼 事務所


莉嘉「こんにちわー☆」

ちひろ「こんにちは、莉嘉ちゃん」

莉嘉「ねえねえ、ボディガードの人達が来てるんでしょ? どこにいるの~?」

ちひろ「あ……。えっとね、二人ともまだ寝てるみたい」

莉嘉「えっ? 仮眠室で? もうお昼なのに??」

ちひろ「そうみたい」

莉嘉「じゃあアタシが起こしてくる!」

ちひろ「あっ」

ちひろ「……まあいっか。そろそろロッキングガールのお仕事だし」


仮眠室


莉嘉「どーん☆」バターン

莉嘉「起きろー! もうお昼だぞー☆」


ネロ「……?」 ←ランニングとトランクス

ダンテ「zzz」 ←トランクスのみ


莉嘉「……」

莉嘉「キャー! 下着だけなんて聞いてないよ~!」ドタドタ


ネロ「……なんなんだ」

ダンテ「zzz」

ネロ「結局朝帰りだったからな……。ダンテめ……」

ダンテ「zzz」

ネロ「コイツは……ほっとくか」


顔合わせ


ネロ「ボディガードのネロだ。よろしく」


莉嘉「むー」

李衣菜「おぉー」

かな子「わぁ……」


ネロ「……」


莉嘉「この人、パンツ一丁で寝てたんだよ!」

李衣菜「えっ!?」

かな子「えっ!?」


ネロ「違う! それはもう一人のヤツだ!」

莉嘉「ネロくんネロくん」

ネロ「なんだ?」 ←誤解は解けた

莉嘉「ちょっとこっち寄ってー☆」グイグイ

ネロ「……?」

莉嘉「もーちょっと!」グイ

ネロ「おい、近いぞ……」

莉嘉「こっち向いてね」

ネロ「ん?」

莉嘉「はい、チーズ!」カシャコ

ネロ「なんだ、写真か」

莉嘉「へへ~、待ち受けにしよっと! あ、お姉ちゃんにも送ろ☆」

ネロ「姉がいるのか」

莉嘉「そうだよ☆ お姉ちゃんもアイドルなんだ!」

ネロ「へえ」

莉嘉「スッゴク可愛いから、ネロくん惚れちゃうかも!」

ネロ「どうかな……」

李衣菜「んんん?」ジロジロ

ネロ「……」

李衣菜「ネロさん、腕触ってもいいですか?」サワサワ

ネロ「ああ……」

ネロ(もう触ってるし)

李衣菜「この腕、ロックですね!」

ネロ「はぁ……」

李衣菜「ではこっちのお手も拝借」ニギ

李衣菜「やっぱり! 指先固い! ネロさんギター弾けるんですね!」

ネロ「リーナは弾くのか?」

李衣菜「も、もちろんです!!」

ネロ「へぇ」

ネロ(Fが怪しそうだな……)

かな子「♪」モグモグ


ネロ「……」チラ

ネロ(うまそうに菓子を食べている……)

ネロ(しかし食い過ぎじゃないか?)


かな子「う……。も、もういっこだけ」


ネロ「……」チラリ

ネロ(他の子達より少し太っているような)


かな子「ん……」ノビ


ネロ「……」チラチラ

ネロ(ああ、着太りしてるだけか)

ネロ(出るところが出てるから着膨れしやすいんだろう……)


莉嘉「ネロくんがかな子ちゃんの身体チラチラ見てる! エッチ!」

かな子「えっ……」カアァ


ネロ「……」

莉嘉「ん~☆ かな子ちゃんのクッキーおいし~い!」

かな子「ありがとう、莉嘉ちゃん」

ネロ「……」サクサク

かな子「あ、あのう……。口に合いますか?」

ネロ「ああ、うまいよ」

かな子「よかった……」ホッ

ネロ(キリエが作ってくれたクッキーはどんな味だったかな……)

李衣菜「彼女さんの作るお菓子とどっちが美味しいですか?」

ネロ「ノーコメントで」

莉嘉「え? ネロくんカノジョいるの?」

ネロ「……」

ネロ「……あっ」

李衣菜「引っ掛かりましたねネロさん!」ドヤァ

ネロ「いや、キリエは……」

かな子「どんな手料理を作ってくれるんですか!?」

莉嘉「年下!? 年上!?」

李衣菜「どれだけ愛してるかをロックに語って下さい!」


ネロ(帰りたい……)

ダンテ(CV:ルーベン・ラングダン/森川智之)
シリーズ恒例行事の心臓ぶっ刺さり(※2除く)をしても上半身ごとマミって(未遂)も死なない
スタイリッシュでSmokin'SickStyle!!!な技をお見舞いする伝説の魔剣士スパーダの息子
ただし普段の生活態度はDeadly。ドアは蹴飛ばすもの。好きな食べ物はピザとストベリーサンデー
ちなみにティム・フィリップス氏が演じるダンテはパラレルワールド

ネロ(CV:ジョニー・ヨング・ボッシュ)
機械剣「レッドクイーン」と、大口径の二連装リボルバー「ブルーローズ」。
そして悪魔の右腕「デビルブリンガー」を駆使してデビルハントを営む皮肉屋半魔リア充
デビルブリンガーのおかげで銃刀法に問われることなくデビルハントすることが可能
デビルメイクライ3・1・4・2グラフィックアーツでダンテの甥だと判明

ダンテ「良い朝だな」

ネロ「もう昼だ」


莉嘉「あっ、あのオジサンだよ! 全裸のオジサン!」

李衣菜「うわぁ……」

かな子「不潔……」


ダンテ「なんか吹き込んだな、坊や」

ネロ「いや……」

ダンテ「良い朝だな、坊や」

ネロ「もう昼だ」


莉嘉「あっ、あのオジサンだよ! 全裸のオジサン!」

李衣菜「うわぁ……」

かな子「不潔……」


ダンテ「なんか吹き込んだな、坊や」

ネロ「いや……」

莉嘉「うーん?」クルクル


ダンテ「坊や、知ってるか。こういうおませなガールのことを“ギャル”と呼ぶらしい」

ネロ「へえ……」


莉嘉「二人が並んでると……」


ダンテ「?」

ネロ「?」


莉嘉「親子みたいだね☆」


ダンテ「……」

ネロ「……」



莉嘉「どうしよう! 二人とも固まっちゃった!」

李衣菜「ネロさんめっちゃイヤそう」

かな子「ダンテさんも居心地悪そう……あれ?」

李衣菜「違う! あのオッサンにやにやしてる!」

李衣菜「おおっ!? これはギターケース!」

ネロ「それはダンテのだな。わざわざ持って来たのか……」

莉嘉「ギター? アタシも見たい☆」

李衣菜「開けてもいいですかっ!?」


ダンテ「あー? お好きにどうぞ」モグモグ


莉嘉「李衣菜ちゃん早く早く~!」

李衣菜「じゃあいくよっ。ワクワク!」

ぱかっ

リベリオン「……」

李衣菜「」

莉嘉「」

ネロ「……」


かな子「口についてますよ」フキフキ

ダンテ「すまんね」

かな子「ふふふ……」

ダンテ「ストロベリーサンデーとか作れちゃったりする?」

かな子「えっ? 材料さえあればたぶん……」

ダンテ「最高」


***

ライブ中 ステージ袖


リーナチャーン ワーワー カナコチャーン ワーワー リカチャーン 


ダンテ「でけぇハコでよくやるな、あの子らも」

ネロ「ああ……」

ダンテ「そこはプロ、ってとこだな」

ネロ「……」

ダンテ「……銃は今使えねえな。任せた」

ネロ「……!」

ネロ「おらァッ!」ビュン


ガシッ!


ネロ「一匹!」ビタァン

スケアクロウ「…」モゾモゾ

ダンテ「ふんッ」ザク

スケアクロウ「」ブシュー

ネロ「もう一匹だ!」グイッ

スケアクロウ2「…」ズルズルズル

ネロ「……!」ギュッ

スケアクロウ2「キィィィイイイイ!!!」ブチブチブチブチ

ネロ「黙ってやられてくれよ!」ギュウウッ

スケアクロウ2「」ブシュウ


ネロ「二匹だけか」

ダンテ「ダリィな、さすがに……」

ネロ「……?」

ダンテ「音を出すな、バレるな、ってんだからな。銃の一発もロクに撃てねェ」

ネロ「ハッ……」

ダンテ「坊やもいつもの剣と銃はおあずけだろ? その腕と閻魔刀だけだ」

ネロ「まあな……。……飛行機でそんなデカイ剣とか、銃とか運べるのか?」

ダンテ「あ? あぁ、まあ見てろ」


ダンテ「……」

シュウウウ…

ネロ(リベリオンが消えて玉の形になっていく……)

ダンテ「……っと、こういうワケだ。魔具ってのは魔力でいじってやるとこんな形になってくれるのさ」

ネロ「なるほどね……」

ネロ「……」

ネロ「ちょっと待て」

ネロ「そっちの銃は魔具じゃないだろ……」

ダンテ「検問で、こう、チョイとな」

ネロ「ったく……」

李衣菜「ふー! 二人ともお疲れ!」

かな子「お疲れさま~……」クッタリ

莉嘉「ねーねー☆ 二人とも見てくれた? メロメロになった?」

ネロ「あ? ……見てなかったな」

李衣菜「えー! ひどいですよ!」

莉嘉「ネロくんのスカタン~!」


ダンテ「俺は見てたぜ。カナコの背中のボタンが弾け…」

かな子「わ、わーっ! わーっ!?」

ダンテ「……」

ダンテ「それがこれだ」つ◎

かな子「わああああああっ!!?!?」シュバッ

かな子「じゃ、じゃあ! 私は先に着替えてきますねっ!!」ドタドタドタ

ダンテ「……」つ

莉嘉「どしたの、オジサン?」

ダンテ「なんでもないさ」

李衣菜「じゃあ私達も控室に……」ゴツ

李衣菜「んっ?」


レッドオーブ「オォォン…」


李衣菜「」

ネロ「おっと、拾い忘れか」サッ

ネロ(これも一般人に拾われたら面倒だな……)

李衣菜「あ、あのうー?」

ネロ「なんだ」

李衣菜「こ、このブッサイクな宝石みたいなの、なんなんですか……?」

ネロ「……」

ネロ「さっき悪魔と戦った。この舞台袖でな」

李衣菜「えっ!?」

李衣菜(全然気付かなかった……)

ネロ「これは悪魔の血が固まったようなモノだ。当然、普通の人間に扱えるもんじゃない」

李衣菜「は、はぁ~……」

ネロ「……」

ネロ「……」ジロ

李衣菜「な、なんですか?」

ネロ「何か知ってそうな顔だな……」

李衣菜「な! 何も知りませんよ?!」ブンブン

ネロ「……」

李衣菜「アハハ……」

ネロ「……今は疲れてるだろうからいいさ。後で渡してくれ」

李衣菜「はぁい……」

夕方 事務所


李衣菜「おつかれさまでしたー……」

莉嘉「おつかれ~☆」

かな子「お疲れ様でしたぁ~」


ちひろ「お疲れ様、気を付けて帰ってくださいね」

ネロ「ああ、お疲れ……」

ダンテ「ムシャムシャ」

ネロ「おい」

ダンテ「ペチャペチャ」フリフリ

ネロ「汚え!」

ダンテ「サンデーありがとよ」フリフリ


かな子「ふふふ……」

莉嘉「もー、誠意がないんだから!」

かな子「私は、美味しそうに食べてくれるので満足だから……」

莉嘉「かな子ちゃんは優しすぎるよぉ~」

李衣菜「はぁ……」

莉嘉「どしたの、李衣菜ちゃん?」

李衣菜「レッドオーブぅ……」

夜 事務所


ダンテ「ゲフー」ダラーン

ネロ「いい大人が……」

ちひろ「あ、ネロさん。寮はちゃんと掃除しておきましたよ」

ネロ「恩に着るよ」

ちひろ「いえいえ♪」

ダンテ「んー、よし。トウキョウ見物にいくぞ坊や」

ネロ「……」

ちひろ「あ、それで昨日は朝帰りだったんですか?」

ネロ「一応悪魔は夜に出てくるってのもあるんだが……。ダンテはずっと遊んでたな」

ダンテ「人聞きが悪いぜ。悪魔の気配がなかったから遊んでたんだ」

ネロ「確かにそうだが……」

ちひろ「外に出るんですよね? じゃあ、寮の鍵を渡しておきますね」ジャラ

ネロ「ああ」

ちひろ「使えるのは1号室と2号室で、あとキッチンとお風呂とか、一通り使えますよ」

ネロ「なにからなにまで悪いな」

ちひろ「お互い様です♪」


夜 寮 ダンテの部屋


ダンテ「さすがに全部持っていくとかさばるからな」ゴロゴロ

ダンテ「どれにするかな……これだ」ムンズ


アグニ「久しぶりだな、ダンテ」


ダンテ「……なんであるんだ?」


アグニ「汝が我々を質にやったあと、“喋るな”の枷が外れた我々は兄弟水入らずで会話を楽しんでいたのだ」

ルドラ「そうとも。しかし太った男の邪魔が入り、我々は梱包され汝の事務所に返品された」

アグニ「僥倖であったがな。我々が認めたのは汝だけだ。他の有象無象に握られる筋合いはない」

ルドラ「しかし、すっかり忘れ去られていたようだな。我々は束の間の休息を享受したというわけだ。十年ほどか?」


ダンテ「……」


アグニ「この度長期間の遠出というわけで、埃を被っていた我々も目覚めの時がきた。というわけだな」

ルドラ「さあ、敵を打ち倒す準備はできている。いかなる敵でも我の風が敵を切り裂き、」

アグニ「我がその傷口に炎を注ぎ込こみ……ん? 敵はいないようだな」

ルドラ「ならば兄弟二人で話をしよう。十年越しの再会だ、積もる話もある。そうだろう、兄者」

アグニ「おお、もちろんだとも。いかにして固い敵の表皮を傷つけるか考えていたのだ」

ルドラ「我は敵の軍勢を蹴散らす方法を考えていた。まずは鋭い風で相手を惑わせ…」

ドガーン!


ネロ「うるさいぞダンテ!」

ダンテ「俺じゃねえぞ……」

ネロ「だったら……」チラ


アグニ「ふむ、久々に目覚めてから初めての人間だな」

ルドラ「ダンテは数えないのか、兄者」

アグニ「彼は半人半魔だ。一人と数えるのは適当ではないだろう」

ルドラ「なるほど。ではあの男は、我々が目覚めて半分と一人目の人間ということだな」

アグニ「いや、あの男からも人ならざる力を感じる。どれほどの魔力だ?」

ルドラ「ダンテと比べてやや少ないといったところか。フン、我々を操るには足りないな」


ネロ「こいつらか……」

ダンテ「うっかり連れて来ちまった。どうしたもんか」

ネロ「なんとかしてくれ、こっちの部屋まで響いてくる……」

ダンテ「分かった分かった」

ダンテ「おい」

アグニ「どうした。戦いの準備か」

ルドラ「ふむ、だったらさっき兄者が提案した戦法を試しては…」

ダンテ「次喋ったら埋めるぞ」

アグニ「」

ルドラ「」


ダンテ「ほら、黙らせた」

ネロ「……助かったよ」


***


三日目 朝


ネロ「どうも」

ちひろ「あ、おはようございます」

ネロ「今日の担当は?」

ちひろ「莉嘉ちゃんと美嘉ちゃんの二人で、姉妹デュエット特集ですね」

ネロ「リカの姉か?」

ちひろ「ええ。知ってるんですか?」

ネロ「まあ……。リカから聞いた」

ちひろ「なるほど」

ネロ「いつ来るんだ?」

ちひろ「そうですね、そろそろ……」


ガチャッ


美嘉「おはようございまーす★」

莉嘉「おっはよー☆ あ、ネロくんだ!」

ネロ「噂をすればだな……」

ちひろ「おはよう、莉嘉ちゃん、美嘉ちゃん」

ネロ「どうも」


ネロ「ボディガードのネロだ。よろしく」


美嘉「よろしくねー★」

莉嘉「あらためて、よろしくネロくん☆」


ネロ「……」


莉嘉「ど、どしたの?」

美嘉「アタシたち、何かしたかな?」


ネロ(普通の反応だ……)

ちひろ(莉嘉ちゃんとのツーショットで姿を見たから驚いてないんだろうなぁ……)

ネロ「ふぅん……」ジロジロ

美嘉「な、なに?」

ネロ「リカと似てるメイクだな」

莉嘉「アタシのメイクはお姉ちゃん直伝なんだ!」

ネロ「なるほどね……素顔も似てるのか?」

美嘉「姉妹だし、似てるといえば似てるかな?」

莉嘉「そうかなぁ?」

ネロ「今度ノーメイクを見せてくれよ」

美嘉莉嘉「ダメ!」

ネロ「……似てるんだろうな」

ネロ「ギャルってそもそも何なんだ……?」カチカチ

PC「こんなんやで」ウィキ

ネロ「……長い」カチカチ

PC「こういうモンでもある」ゾクゴジショ

ネロ「要するに、元気でファッショナブルな若い女性ってことか」

ネロ(キリエがギャルっぽくなったら……)

ネロ「……」


莉嘉「あっ」

莉嘉「お姉ちゃんお姉ちゃん」コソ

美嘉「どしたの?」

莉嘉「ネロくん、カノジョさんのこと考えてるよ」

美嘉「えっ?」

莉嘉「ちょっと遠くを見て、エッチな顔してるんだ☆」

美嘉「な、なるほど」

莉嘉「ちょーっとウブなんだよね、ネロくん☆」

美嘉「えっ、あのカッコで? ちょっとウケる★」

ネロ「聞こえてるぞ!」

美嘉「ネロさん、カノジョさんの写メとか持ってないの?」

ネロ「写メ?」

美嘉「写真★ 持ち歩いてたりしてないの?」

ネロ「ない」

美嘉「なーんだ」ガッカリ

ネロ「そういうアンタこそ、ボーイフレンドの写真かなんか持ってないのか」

美嘉「へっ?」

ネロ「……ああ、アイドルってのは恋愛はNGだったな。じゃあ持ってないか」

美嘉「そ、そう! 恋愛はムリ! だから持ってないよ★」

ネロ「……ハッ」ニヤ

美嘉「!!!」


ちひろ「バージンとチェリーボーイの熱い煽り合い……」●REC

莉嘉「へ?」

ちひろ「あッ!? な、なんでもないのよ、莉嘉ちゃん!」

美嘉「むむむ……」ジト


莉嘉「ネロくん、お姉ちゃんに何か言ったの?」

ネロ「いや、何も……。何も言ってない」

莉嘉「えー。だってスンゴイ睨んでるよ」

ネロ「さあね……」

莉嘉「うーん?」

ネロ「……」

ネロ「……さっきミカに“さん”を付けて呼ばれたんだ」

莉嘉「へ?」

ネロ「ミカも17歳だろ? なんでわざわざ付けるのかと思って」

莉嘉「えっ、ネロくん何歳なの?」

ネロ「17」

莉嘉「えー! ガイジンさんすっごーい! おっきい☆」

ネロ「……タメのヤツらが呼び捨てにしなかったのはそういうことか」

ネロ「…………というわけで、同い年だから呼び捨てで呼んでくれ」

美嘉「同い年なんだ! ちょっとビックリ★」

ネロ「ウヅキもリーナも、さん付けだったな」

美嘉「ネロくん、身長高いんだもん。190センチありそう」

ネロ「……ネロくん?」

美嘉「えっ、莉嘉がこう呼んでたから」

ネロ「……」

美嘉「……」

ネロ「……」

美嘉「……★」サッ

ネロ(スマートフォン?)


莉嘉「ねえねえ、そのビデオ何に使うの~?」

ちひろ「こういうのって、撮っておくと何かと役に立つんですよ」●REC

莉嘉「へぇー」


美嘉「……」シャシャシャシャ

ネロ(猛烈な指捌きだ……)

美嘉「……そうしん、っと★」ペタ

ネロ「!?」

ネロ「おい! 何を送った!」

美嘉「えー? べっつに~?」ニヤニヤ

ネロ「こ、この……!」


莉嘉「あ、LI●E」ピンポーン

ちひろ「こっちも?」ブーブブー


ネロ「何を送ったんだ! 言え!」

美嘉「ナーイショ★」



昼 事務所


ガチャッ


ダンテ「ハロー」フリフリ

ちひろ「おはようございます、ダンテさん」ペコ

ダンテ「どうも」ペコ

ちひろ「今日担当の子たちはもうすぐ来るはずなんですけど……」

ダンテ「そうか」フーム


バターン!!


ちひろ「噂をすればですね」クス

ダンテ「危ねェな、ドアが壊れるぞ」


『ダンテと杏ときらり』


きらり「にゃっほーい! きらりだよー☆」

ダンテ「……」

きらり「あれあれ? ダンテちゃんだよね? ウワサのボディーガードさんだよね?」ベタベタ

ダンテ「あ、あぁ……」

きらり「きらりよりデッカーイ! ダンテちゃん強いの? 強いのっ?」ペチペチ

ダンテ「まぁ……」

ちひろ(あのダンテさんが気圧されている……)

きらり「にゃは☆ ヤバーい! スゴイ筋肉だにぃ☆」サワサワサワ

ダンテ「……」

ちひろ(ああ、ダンテさんが“なんとかしろ”って目でこっちを見ている……。ごめんなさいダンテさん……)コソコソ



きらり「にょわ」ジロ

ダンテ「……」

ダンテ(ようやく離れたか……)ホッ


きらり「むむむ……」

きらり「……」

きらり「きらりんあたーっく☆」ゴォッ


ダンテ「!?」

ダンテ(速くて避けられねぇ、ロイヤルガード……)

ダンテ(ん?)

ダンテ(……キラリの背中に何かいる)


杏「うわあああああああぁぁぁ……」


ダンテ(……)

ダンテ(やっちまった、ガードが早過ぎた)


バリィン!


ダンテ(マジかよ……割りやがった)

きらり「にょわー! ダンテちゃん強いにぃ、ナデナデしてほめたげる☆」

きらり「むぇ、手を伸ばさないとナデナデできないにぃ」ナデナデ

ダンテ「どうも……」

杏「ぐはー……」

ダンテ「で、キラリの背中にいるのはなんだ?」

杏「……双葉杏でーす……。夢は……のんびり印税生活……」グッタリ

ダンテ「……」

きらり「あれれ、杏ちゃん元気ないにぃ? あっちで休憩すゆ?」

杏「そうして……」


『あいさつ(杏きら)』


ダンテ「ボディーガードのダンテだ。よろしく」


杏「あーい」

きらり「にゃは♪ よろしくねダンテちゃん」


ダンテ(これでどっちも17ってんだからな……)

ダンテ(となると、坊やと同い年ぐらいか)


きらり「にょわっ」スッ

ダンテ「ん?」

杏「握手だってさ」

ダンテ「……」

ダンテ「……」ニギ

きらり「うぇへへへ☆」ギュウウウウ

メキメキメキメキメキメキメシメキ

ダンテ「ヘッヘッヘ……」ギュウウウウ


杏「…………なにこれ」


『ダンテと杏』


ダンテ「……」ダラーン

杏「おっちゃん、ちょっと」

ダンテ「あ?」

杏「そこ、杏がいっつも寝てるソファなんだけど」

ダンテ「ああ、そう……」

ダンテ「あ? おっちゃん?」

杏「え?」

杏「ダンテのおっちゃん」ユビサシ

ダンテ「……」

杏「……えっ?」

杏(やば、地雷踏んだかも)

ダンテ「ふんっ」ガシ

杏「ちょっ」

ダンテ「ヘッヘッヘ……」プラプラ

杏「はっ、離せー!」

ダンテ「ここから先はR指定だ」


グルグルグルグルグルグルグルグル


杏「ぎゃあああああああああああああ!」


『ダンテときらり』


きらり「ねえねえ、ダンテちゃんダンテちゃん」

ダンテ「なんだ」

きらり「さっき杏ちゃんにやってたあれぇ……」モジモジ

ダンテ「アレ?」

杏「」デローン

きらり「かたぐるま、やってほしいんだにぃ」

ダンテ「……なぜ?」

きらり「むぇー……。ゆわなきゃダメ?」

ダンテ「……」クイ

きらり「んーとね。きらり、おっきいからぁ、きらりを肩車できる人ってあんまりいないんだにぃ」

ダンテ「ふうん」


***


きらり「うきゃー! ヤバーい! たのすぃー☆」

ダンテ「度胸があるねェ。怖くねえのかい」

きらり「全然!」ブンブン


グラグラッ


きらり「にょわっ!?」

ダンテ「おっと」


ガシッ!


ダンテ「ハッ、おてんばも程々にしておけよ」クイ

きらり「にょわー……」

きらり(お、お姫様だっこだにぃ……)

きらり「……は」

ダンテ「は?」

きらり「ハズーい!!!」ブゥン

ダンテ「!?」


バッチィイン!!!!!


『ダンテと杏②』


杏「うわ、なにその……立派なモミジ」

ダンテ「あ? ああ、キラリにやられた」

杏「口説いたの?」

ダンテ「まさか」フリフリ

杏「ふーん」

ダンテ「……」

ダンテ「小さい嬢ちゃんは、あのデカイ嬢ちゃんと組んで長いのかい」

杏「え? きらりと? ん……。ま、そうなるかな」

ダンテ「ふぅん」サワサワ

杏「!?」

杏「えっ、な、なにやってんの」

ダンテ「……」グニグニ

杏「あ、杏だって怒る時は怒るよ!」

ダンテ「あ?」

杏「あ? じゃなくて!」

ダンテ(この小さい嬢ちゃん、なかなか丈夫なのかもな)

杏「このセクハラ親父!」

ダンテ「セクハラぁ? ハッ、あと十年経ったら……」

ダンテ「……十年経っても無理そうだな。シッシッ」フリフリ

杏「」ピキッ


ペシーン


『お仕事(ダンテ)』


ダンテ「……」ヒリヒリ

ちひろ「うわっ、どうしたんですか、ソレ」

ダンテ「さあね」

ちひろ「まあ、平気ならいいんですけど……。そろそろお仕事の時間ですよ」

ダンテ「ああ、分かったよ。毎日仕事があるってのは大変だねェ」

ちひろ「なに寝ぼけたこと言ってるんですか。はい、これ。車のキーです」

ダンテ「はいはい。安全運転、安全運転」

ちひろ(何台か破壊してそう……)


***


ダンテ「おーい、仕事だ。準備しろ」パンパン

きらり「はーい☆」イソイソ

杏「えー。もう仕事? だる……」

ダンテ「俺だって、普段は週休六日のところを雇われて働いてやってんだ。文句言うな」

杏「ボディーガードってそんなに休めるの? いいなあ」

ダンテ「職場体験でもするかい?」

杏「やだ。めんどくさそうだし」

ダンテ「賢明だな」


きらり「ダンテちゃんダンテちゃん、準備できたゆ☆」

ダンテ「いや、まだこのチビが……」

きらり「ふんすっ」ガッシ

杏「ぐわあ」

きらり「準備できたゆ?」

ダンテ「ヒュウ。いいね。ついでに俺もクルマの所まで運んでくれよ」

きらり「りょうかい☆」ガッシ

ダンテ「おっ」

きらり「きらりん☆パワーはっしーん!!」


ズドドドドドドド!!!!


ダンテ「……」ガツンガツン

杏(身体が大きいせいであちこちぶつけてる……)

ダンテ「おい、小さい嬢ちゃん」ガツンガツン

杏「なに?」

ダンテ「コレ、どうやったら止まる?」ガツンガツン

杏「さあ。杏じゃ止めらんないよ」

ダンテ「ふーん……」ガツンガツン

ダンテ「……」サワッ

きらり「うきゃっ!?」ピタッ!

杏「おお、止まった」

ダンテ「ナイステクだろ」ニヤリ

杏「さ、サイテー」

きらり「……セクハラはめっ!」ブン


ゴシャアン


杏「うわ、痛そー」

きらり「だ、だってダンテちゃんがぁ……」ウルウル

杏(あのエロオヤジどこ触ったんだ)

『ダンテとネロと杏ときらり』


控え室


ダンテ「よっ」

ネロ「げ」

ダンテ「こっちも仕事場が同じだったってワケだ。嫌そうな顔するなよ」

ネロ「チッ……」


きらり「むむむ~?」

杏「……」プラーン


ネロ「ん? 今日のダンテの担当か?」

ダンテ「あ? ああ」


きらり「おっすおっす☆ えーとぉ、ネロくん、だにぃ?」

杏「……んぁ? ああ、ネロくんね、よろしく……」


ネロ「……」

ダンテ「人気者だな、坊やくん」

ネロ「ミカめ……」


***


ダンテ「……」

杏「おっちゃん、それアメ? 杏にもちょーだい」

ダンテ「あ? やだね」

杏「むっ、じゃあサボっちゃうもんね」

ダンテ「イモリ焼いたので作ったロリポップだぞ」

杏「……やっぱいらない」


きらり「うきゃー☆ ネロくんもかーわいいにぃ!」ナデナデ

ネロ「……」

きらり「むむう?」サワサワ

ネロ「お、おい」

きらり「ネロくんも強いの?」

ネロ「は?」

きらり「きらり、ネロくんと腕相撲したいにぃ」

ネロ「腕相撲って、あの腕相撲か?」

きらり「うゆ?」

ネロ「冗談だろ……」ハッ

きらり「……」

きらり「ダンテちゃんは強かったにぃ」フッ

ネロ「」カチン

きらり「腕相撲、すゆ?」

ネロ「ああいいさ、やってやるよ。じゃあ左手を……」

きらり「……」ジー

ネロ「……」

きらり「……」ジー

ネロ「……右手を出せよ。一瞬で終わらせてやる」

きらり「……」ニヤリ


ゴゴゴゴゴゴ


杏「ネロくんの右腕、どーなってんの?」

ダンテ「さあね。特殊メイクってやつじゃねえの」

杏「へー……」ペロ

杏(あ、意外とおいしい)


***


きらり「じゃあ、お仕事いってきまーす☆」

杏「うあー……」プラーン


ダンテ「はいはい、気をつけて」

ネロ「……」


きらり「よーっし、きらりん☆ぱわー!」

杏「あ、ちょ、なるべくゆっくり……」


ズドドドドドド!!!


ネロ「……」

ダンテ「まあ、そう落ち込むなよ。次負けなきゃいいだろ」

ネロ「……」

ダンテ「……」

ネロ「……」

ダンテ「踏ん張る女の子の胸の谷間を見てうろたえ」

ネロ「黙れ!」

プロデューサー(CV:武内駿輔):190cm前後?
ダンテ:190cm (※アニメの設定画より) 
諸星きらり:186.2cm (※京町乙女+以降)


『ダンテとネロと城ヶ崎姉妹』


ネロ「そろそろ、入れ替わりで戻って来る頃だな」

ダンテ「坊やの担当か?」

ネロ「ああ……」ゲンナリ

ダンテ「写真で見たぜ、ヤマンバってやつだろ。いっぺん実物を見てみたかったんだ」

ネロ「それ、間違ってないか?」


ガチャッ


莉嘉「ふーっ、いい汗かいた! ねっ、お姉ちゃんっ☆」

美嘉「ほらほら、ちゃんとシャワー浴びないと風邪ひくよ」

莉嘉「はーい!」


ネロ「お疲れ」

ダンテ「ハロー」フリフリ


莉嘉「あれ?」

美嘉「んっ?」

莉嘉「あーっ、もしかして!」

美嘉「ネロくんのお父さん!?」


ネロ「」

ダンテ「ハッハッハ」


***


ダンテ「ふーむ」

ダンテ「ほほう」

美嘉「うん? もしかして見とれちゃったかな?」ニヤ

ダンテ「ナイスヤマンバ」グッ

美嘉「」

ダンテ「違うのか? したら、ウワサのハラジュク・スタイルってやつか?」

美嘉「ち、違っ」

ダンテ「んー?」ヌッ

美嘉「ちょ、近い!」グイッ

ダンテ「いて」

ダンテ「……」

ダンテ「……」

ダンテ「坊やも……」チラ


ネロ「あ? なんだよ」


ダンテ「……」

ダンテ「……」ジロ

美嘉「な、なに?」

ダンテ「プッ」

美嘉「!!?」


ネロ「今、コケにされた気がするな……」

莉嘉「やまんば……」ワナワナ


***


ダンテ「リカもハラジュクに詳しいんだろ」

莉嘉「ええっ、原宿っ?」

ダンテ「うまいサンデーの店とか、ピザの店とかねえの? ハラジュクの」

莉嘉「原宿限定!? え、ええっとー」ワタワタ

ネロ「おい、からかうのもいい加減にしろ」

ダンテ「ん? ああ、悪いな」ナデナデ

莉嘉「うあー……」


美嘉「……あ」

美嘉「確か……」スマホ

美嘉「えーと。あった★」シュシュ

美嘉「ねえオジサン!」


ネロ「フッ」

ネロ「おい、呼ばれてるぞ」

ダンテ「あ?」

ネロ「ん」クイ

ダンテ「?」クル



美嘉「あ、オジサンやっと気付いた。ピザのことなんだけどね」

ダンテ「……」

美嘉「ん? オジサン聞いてる?」

ダンテ「あぁ……」

ダンテ(さすがにセクハラだな……やめとこう)

美嘉「このお店に美味しいピザあるんだって★」

ダンテ「ピザ」ピクッ

美嘉「これ、チョコチャンクピザ★ 一回食べたことあるんだけどね、チョー美味しいよ!」スッ

ダンテ「……」

ダンテ「……」

ダンテ「」ガッシ

美嘉「へ? ちょ、やっ」


グルグルグルグルグルグルグルグル


美嘉「いやあああああああああああああ!!」



莉嘉「あ、ちょっと楽しそう」

ネロ「やめとけよ……」


『ダンテと城ヶ崎姉妹』


ネロ「!」

ダンテ「……」

ネロ「俺が行く。そのまま戻ってくれ」

ダンテ「オーケイ」


ネロ「……」コソコソ

莉嘉「あれ、ネロくんどこ行くの?」

ネロ「ちっ、トイレだよ」

莉嘉「ネロくんデリカシーなーい!」

ネロ「ふん」スタスタ


ダンテ「甘いピザねえ、うまいのかねえ?」フーム

美嘉「……」

美嘉「ね、オジ……ダンテさん」

ダンテ「ん?」

美嘉「ダンテさんも、ネロくんと同じ仕事なんでしょ?」

ダンテ「まあな」フアー

美嘉「これまでいらなかったボディガードを雇うってさ、なんでなのかなーって」

ダンテ「聞きたいか?」

美嘉「えっ」

ダンテ「上にはな、ナイショにしろとは言われてないんだ。裏で俺らが何やってるか、知りたいかい?」

ダンテ「ヘッヘッヘ……」ギラリ

美嘉「」ビクビク



莉嘉「あっ、ダンテくん、お姉ちゃんにセクハラしてるー!」ガバッ


ダンテ「いてっ」

莉嘉「いけないんだー☆」ギュー

美嘉「ちょ、ちょっと。莉嘉っ」

莉嘉「ネロくんがね、なるべくダンテくんのそばにいろって」

美嘉「えっ……?」

ダンテ「ふうん」

莉嘉「ねえねえ、なんでー?」

美嘉「……」

ダンテ「さあね」

莉嘉「えー?」


『ネロと…』


都内某所 路地


ネロ「ふん……」

死体「」ブシュウウウ

ネロ(現界に失敗してズタズタになった、悪魔のなれの果てだった)

ネロ(さっさとオーブを回収して、事務所に戻るか……)


?「……」コツ

ネロ「!」バッ

?「ひゃっ」ビクッ

ネロ「……」

ネロ(女……。見られてないだろうな……)

?「あれ、お若い」

ネロ「は?」

?「白髪でしたので。ご年配の方かと。うずくまっていらっしゃったし」

ネロ「はあ……」

?「すみません、とんだ勘違いでした」ペコ

ネロ「ああ、いや。誤解させたこっちが悪いんだ。わざわざどうも」

?「ふふ、ありがとうございます。それでは」コツコツ

ネロ「ああ……」

ネロ「……」

ネロ(オッドアイ? カラーコンタクトか?)


『ダンテと杏きらと城ヶ崎姉妹』


車中


美嘉「こっちを右ね」

ダンテ「フォークを持つ方?」

美嘉「えっ!? お、おはしを持つ方★」

ダンテ「左だな。どうも」

美嘉「ちょ、ちょっと!」


車「右へ曲がりまーす」ブロロン


ダンテ「なにか?」ニヤリ

美嘉「い、いじわる!」ベシッ

ダンテ「どういたしまして」

きらり「こらっ、女の子をイジめちゃ、めっ! だゆ?」

ダンテ「はいはい」



ダンテ「坊やがフケてくれて助かった。五人乗りだからな」

莉嘉「えっ、ネロくんどうしたのー?」

ダンテ「さあね。腕相撲で女の子に負けて、くやしいんじゃないのかね」

きらり「うゆ。きらり、悪いことしちゃったかにぃ」

莉嘉「きらりちゃん、ネロくんより強いの!? スゴーイ!」

きらり「うきゃっ、照れるー☆」


美嘉「えっと、そこはまっすぐで……」

ダンテ「ミカでも勝てるだろうな」

美嘉「へ?」

ダンテ「腕相撲」

美嘉「アタシじゃムリじゃない? きらりちゃんだから勝てたんであって」

ダンテ「ところがどっこい。実は坊やは実力で負けたんじゃないんだ」

莉嘉「なにそれなにそれー!」

きらり「ど、どゆコトー?」

ダンテ「それはな……」



杏「ぐうぐう……」


『ただいま事務所③』


夕方 事務所


ガチャッ

ちひろ「あっ、おかえりなさい」

ネロ「どうも」

ちひろ「おつかれさまです。お怪我とかは……」

ネロ「ないよ。伊達にコレで飯食ってる訳じゃない」

ちひろ「あはは……」

ちひろ(労災ってどうなるんだろう)アセッ


ネロ「……」

杏「ぐうぐう」 ←ソファを占拠

ネロ「……」グイグイ

杏「な、なにすんだよー」ゴロゴロ

ネロ「ふう」ドッカ

杏「まったく。杏の扱いがヘタだね」

ネロ「あ?」

杏「杏を動かしたいなら、相応のコストがいるってことだよ」ドヤ

ネロ「ふうん」ゴソゴソ

杏「おっ?」

ネロ「食うか?」カラカラ

杏「うっ、サ●マの缶」

ネロ「飴が好きなんじゃないのか」

杏「さっき、おっちゃんにも貰ったんだよ、いらないからって。したら、中身が全部ハッカで……」

ネロ「ハッカ?」

杏「ミントだよ。からーいやつ」

ネロ「なるほど、やりそうだな……」

杏「どれどれ、うん、よかった。メロン味」チュバチュバ

ネロ「……」モグ

ネロ(甘いやつだと思ったらハッカだった……)


***


ネロ「日誌、日誌と……」ゴソゴソ

ネロ「?」

ネロ(視線を感じる……)


きらり「にょわ」ジッ


ネロ「……なんだ?」


きらり「!」サッ


ネロ「……」

杏「えー、なんかしたの?」

ネロ「いや……」

杏「なんでもいいけど、めんどくさいから、早く仲直りしてよ」

ネロ「……」


***


美嘉「莉嘉ー? そろそろ帰るよ?」

莉嘉「はーい!」


ネロ「……」ウロウロ


莉嘉「あれっ? ネロくんなにしてるの?」

ネロ「いや……。なんでもない」

美嘉「んー? ……あっ★」ニヤ

莉嘉「?」

美嘉「きらりちゃんと仲直りしたいんでしょ?」

ネロ「!」

莉嘉「あー、なるほどね☆」

ネロ(あの野郎、言いやがったな!)

ネロ「……」ゴゴゴ

美嘉「ネロくんも可愛いトコあるよね~★」

ネロ「?」

莉嘉「ウブなんだからっ」ツン

ネロ「!?」

美嘉「ワザと負けてあげるなんて、優しいトコあるじゃん?」

ネロ「」ズルッ

莉嘉「でもきらりちゃん、納得してなかったよね? 今度は本気でやってあげなよ~☆」


美嘉「ばいばーい★」

莉嘉「ネロくん、またね~☆」フリフリ


ネロ「……」


ネロ「……」



きらり「にょわー……」ゴゴゴ


ネロ「キラリ……」

きらり「そこの椅子に直るにぃ」

ネロ「あ、あぁ」ストン

きらり「ふんっ」ドッカ

ネロ「……」

きらり「……」スッ

ネロ「……」

きらり「……」アゴクイッ

ネロ「……」スッ

きらり「よーい……」


きらり「どんっ!」


***


きらり「杏ちゃーん? そろそろ帰るゆ?」ユサユサ

杏「えー? だるいし、今日はここで寝るよ」

きらり「よいしょー!」ガシィ

杏「ぬわー……」


***


杏「じゃあ、もう一回やったんだ」

きらり「完敗だったにぃ、くやすぃー! でも嬉しかったにぃ!」

杏「ふーん……」

きらり「ダンテちゃんとネロちゃん、どっちが強いのかなぁ。気になるぅ」

杏「さあねえ」


杏(きらりのおっぱい、大きいもんねえ)

杏(それに、あの時は仕事前で、ステージ衣装だったし)


杏「ま、黙っといてあげるかあ」

きらり「うゆ? 杏ちゃん、どしたの?」

杏「なんでもなーい」

『退社の時間③』


ちひろ「おつかれさまです」ペコ


ネロ「どうも……」

ダンテ「さーて、今日はどこに行こうかな」


***


夕刻 都内某所


ネロ「……おい」

ダンテ「……」

ネロ「遠いぞ……」

ダンテ「分かってるよ。分かってる」

ネロ「行くぞ!」ダッ

ダンテ「了解」タッ

***


?「……」テテテッ

?「……あっ」ドテ

?「あ、あ、あ……」ガクガク


メフィスト「…」ニュル


?「ひ……」

メフィスト「…」

メフィスト「…」ギラリ

?(つ、爪、痛そう。よく切れそう)

?(……怖い)


メフィスト「…」

スパッ

?「う、あ……」ツー

?(ほ、ほっぺた、爪で触られるだけで、切れちゃった……)


メフィスト「…」キュイイ

ドスッ!

?「ひっ!」

?(ゆ、床を刺した?)

ドスッ!

?「ひいっ!」

ドスッ! ドスッ! ドスッ!

?「あ、あああ……」ポロポロ



ドガン!



メフィスト「!」サッ


ダンテ「あー、撃っちまった」

ネロ「別にいいだろ、俺でも撃ってたよ」

ダンテ「そりゃどうも」チャッ



?「あ……」

ネロ「大丈夫か!」

?「……」コクコク

ネロ「アレはあいつが何とかするから、逃げるぞ!」ガシッ

?「は、はいっ」

ネロ「よし……?」

ネロ(右肩……じゃない、左肩に違和感?)

ネロ「安全なところ……ひとまず事務所に戻るか」ダッ




ダンテ「ま、一発撃ったなら、あとは何発撃っても同じだろ」

メフィスト「…」ススス


ドガン! ドガン!


メフィスト「!」ブシャッ

ダンテ「さて、後はどうするか」


ドガガガン! ドガガガガガッ!


メフィスト「キュイイイイ」ベシャッ

ダンテ「細切れにしてやるか」

ダンテ「ふんッ」ズバッ

ダンテ「おら」シャッ


ズバババババババッ


メフィスト「」ブシュシュシュシュ

メフィスト「キシャアアアァァ…」ブシュウゥ

ダンテ「悪魔専用のシュレッダー、今度坊やにも教えてやるか」


ザワザワ ジュウセイ ザワザワ コッチカラ ブルータル!


ダンテ「さて、あの子どもは……坊やに任せておけばいいな」フアー

ダンテ「萎えちまった。帰って寝るか」


***

路地


ネロ「ここまでくればもう大丈夫だろ……」

?「……」

ネロ「降りてくれ」スッ

?「……」ストン

ネロ「大丈夫か? ……うおっ」

?「……え? ……あっ、ち、血が……」ドクドク

ネロ「ああ、くそっ。事務所に戻るか……」

ネロ「もう一回乗ってくれ」スッ

?「う、うん……」

ネロ「飛ばすぞ! しっかり掴まってろ!」ダッ

?「……」

?「……」ギュッ


***


某ビル 屋上


ダンテ「……よっと」タンッ

ダンテ「……」ジロ


ザワザワ ザワザワ ザワザワ ザワザワ


ダンテ「銃の一つですげえ騒ぎだな。テレビまで来やがった」

ダンテ「……」

ダンテ(さっきは運が良かった。あの悪魔が“遊んで”なかったら、あの子は死んでた)

ダンテ「胸糞悪ィな……」

ダンテ「……」

ダンテ「……やっぱり、帰るのはヤメだ」


ダンッ


***


事務所のあるビル 屋上


ネロ「はっ!」スタッ

?「……」

?(ビルとビルの上を飛び移って行くとは思わなかった……)

?(……あれ、ここ、事務所……?)

ネロ「おい」

?「は、はい……」

ネロ「歩けるか?」

?「……」コクコク

ネロ「くそ、血が止まらねえな……」

ネロ「……」ゴソゴソ

ネロ「……」

ネロ(ハンカチとちり紙を入れろ、か……)

ネロ「こっちだ」ガシ

?「わ、わ……」


***


夕刻 事務所


ちひろ「あれ、ネロさん?」

ネロ「どうも」

?「あ……」

ちひろ「えっ、小梅ちゃん?」

ネロ「なに?」

ネロ(知り合いか?)

?「あ、こ、こんばんは……」ペコ


ポタッ


ちひろ「へっ!?」

?「あっ……」

ネロ「悪魔に襲われたんだ。止血と消毒を頼む」

ちひろ「は、はいっ! 小梅ちゃん、こっちこっち!」ドタドタ

?「わ、わ……」トテテテ


***



『ネロとカワイイボクと142's(小梅ちゃん)』


小梅「……」チョコン

ちひろ「痕が残りそうにない傷でよかったですけど……焦りましたよ」

ネロ「悪い」

ちひろ「じゃあ、私は仕事に戻りますね」

ちひろ「適当な時間になったら、小梅ちゃんを女子寮の方に送って行ってあげてください」

ネロ「ああ、分かった」




ネロ「大丈夫か?」

小梅「う、うん……平気……」

ネロ「……」

ネロ(ショックを受けるもんだと思ってたが……見た目に反して肝が据わってるな)

ネロ(それか、強がってるだけなのか)

ネロ「その、悪かった」

小梅「……?」

ネロ「……いや、なんでもない」

ネロ(あの悪魔は、前にも見たことがある)

ネロ(この子が……つまり、人間が脅える様を見て、愉しむ。そういうタチの悪魔だった)

ネロ(もしも、あの悪魔が本気でコウメを襲っていたら、死なせてしまっていただろう)

ネロ(歯がゆい。気が重い……)

ネロ「……」モンモン

小梅「……あ、あのぉ……」

ネロ「……ん?」

小梅「か、肩とか……おも、重くない、ですか……」

ネロ「……」

ネロ「……」


あの子「」ジー


ネロ「……」

ネロ(左肩に何か乗っている……)


あの子「!」

あの子「」サッ


ネロ(目を逸らされた)

ネロ「コイツはなんだ?」

小梅「え、と……その、友達、なんです……」

ネロ「友達?」


あの子「」ペコリ


ネロ「……そうか」

小梅「えへへ……」ニコー

ネロ(なぜ嬉しそうにするんだ)


ちひろ「あっ!」


ネロ「なんだ?」クル

小梅「……?」チラッ

ちひろ「これって……」


テレビ『…夕方六時…銃声…不審な痕跡…』


ネロ「さっきのか……。さすがにバレるのが早いな」

ちひろ「じゅ、銃、使ったんですか!?」

ネロ「……」フイ

ちひろ「あわわわ……」

ネロ「仕方が無かった、ダンテが撃ってなかったらコウメが危なかった」

ちひろ「そ、そうなんですか……」

小梅「わ、私のせい……?」

ネロ「こっちの落ち度だ。油断して二人で固まってたからな」

小梅「う、うん……」ショボン

ネロ「……」ナデ

小梅「ん……」

ちひろ「ど、どうしましょう……」

ネロ「バレちまったもんはしょうがないさ……どうするか考えないとな」

ちひろ「は、はあ……」


***


夕刻

女子寮への道


ネロ(ダンテは色々持ってきてるみたいだが……俺の得物はこの腕と、閻魔刀だけだ)

ネロ(レッドクイーンとブルーローズ無しじゃ、調子が出ねェな……)


小梅「……」ジー

ネロ「……なんだ?」

小梅「あっ……え、えと、その……」

ネロ「右手のことか?」

小梅「う……」

ネロ「……どうってことないさ。悪いモンじゃない」

小梅「そ、そうなんだ……。よかった……」

ネロ「案外、こういうのに理解があるんだな。好きなのか?」

小梅「えっ……。……え、ええと」

ネロ「?」

小梅「……」フイ

ネロ(下を向いてしまった……)


あの子「」シュッ

ゴイン


ネロ「痛ッて! てめえ!」

あの子「」ケラケラ


ネロ「こ、この悪霊が……!」

小梅「……ふふ」ニコ


***


***


『ダンテと高垣楓さん』


夕刻

都内某所 公園


ダンテ「おっ、綺麗なベンチ。さすがニッポン」

ダンテ「ふう……」ドッカ

ダンテ「……」

ダンテ(あちこち回って疲れた。成果もゼロだし、面白くねェ……)

ダンテ(トーキョーってのは、悪魔が多いのか少ないのか、どっちなんだ?)

ダンテ(レディに訊いておけばよかったか? 情報ぐらい仕入れとくんだったな……)

ダンテ「……」スー


?「あの……」


ダンテ「……」パチッ

?「大丈夫ですか?」

ダンテ「……」チラ

ダンテ(帽子を被って、眼鏡をしている女がいる)

ダンテ(……ちょっと分かりにくいが、オッドアイだな)

?「あ、あれ? また随分お若い……」

ダンテ「今晩は、お嬢さん」ニッ

?「あ、こんばんは……」ペコ

ダンテ「よっこらせ」スック

?「それに元気そう……」

ダンテ「何か?」

?「え、えーと……。白髪の方がぐったりしていらしたので、何かあったのかと……」

ダンテ「なるほどね……」


?「すみません……。それに、よく見たら銀髪ですね……」ガックリ

ダンテ「別に構いやしないさ。俺は気にしてない」

?「そう言って頂けると……ありがとうございます」ペコ

ダンテ「今どき、優しいお嬢さん(レディ)だねェ」

ダンテ(優しくないのもいるがね)

ダンテ「じゃ、どうも。良い夜を」フイ

?「あ、ちょっと待って下さい」

ダンテ(そら来た)ピタ

ダンテ「なにか?」

?「……あの、本当にどうでもいいことかもしれないんですが」

ダンテ「……」

?「さっきまでのやり取り、実は、これで二回目なんですよね……」

ダンテ「今日で?」

?「今日で」

ダンテ「ふうん……」

?「最初に私が勘違いした人も、白髪だけど、お若くて……」

ダンテ「……」

?「そういえば、服装もどことなく似てますね。赤と紺で、対照的ですけど」

ダンテ「……」

?「あとで●INEが来たんですけど、その人、私の仕事でちょっと関係がある人らしくて」

ダンテ「……」

?「……もしかして、CG事務所に雇われたボディーガードの二人目の方ですか?」

ダンテ「……」

?「……」

ダンテ「……正解」ニヤ


ダンテ「そういうお嬢さんは、よく見たら……。タカガキカエデじゃないか」

楓「あ、正解です」ニコ

ダンテ「雑誌で見たぜ。本物の方がよっぽど美人だ」

楓「まあ……」

ダンテ「寡黙そうなイメージだったが、案外喋るんだな」

楓「ふふ、ちょっと口が疲れました。途中で、探偵をやっているみたいで楽しくて」


ダンテ「それは……」ゴソ

ダンテ「結構なことで」チャッ

楓「……へ?」

ダンテ「……」

楓「あ、あの。冗談ですよね、それ……」

ダンテ「……」ズイ

楓「ひっ……!」



ダンテ「……」グイッ

楓「きゃ……」

楓「いたっ」ステン

ダンテ「耳を塞いでな、お嬢さん」

楓「えっ?」


ズガァン!


楓「!?」ビクッ


メフィスト「キィッ」ブシュッ


ダンテ「ハン、女の後ろを刺そうなんて気に入らねェ……」

ダンテ「おい、お嬢さん。大丈夫か」

楓「」パクパク

ダンテ「おっと、耳を塞ぎ損ねたな?」

ダンテ(耳を、塞げ)ジェスチャー

楓「」コクコク


メフィスト「!」ギラッ

ガキィン!

ダンテ「お見通しだね」ギリギリギリ


楓(け、剣が一瞬であの人の手に……)


キィン!


メフィスト「…」ヨロッ


ダンテ「お嬢さんを放っていくのもアレだしな、ここからイカせてもらうぜ」

ダンテ「スゥー……」

楓(剣に黒い光が……)


メフィスト「!!」


ダンテ「Drive(突っ走れ)!」ザンッ


メフィスト「!」ブシュッ


ダンテ「One(もう一発)!」ザンッ


メフィスト「」ブシュゥゥッ


ダンテ「Two(いや、二発だ)!」ザンッッ


メフィスト「」シュウウゥ…



ダンテ「おっと、三発目はいらなかったか?」


楓(す、凄い……)

ダンテ「大丈夫か……あー、耳が聞こえないのか」

ダンテ「ん」b

楓「あ……」

楓「ふふ……」b

ダンテ「よし、大丈夫だな」


***


『びっくりドライブ』


第2女子寮 一室


?「フフーン! 今日もボクはカワイイですね!」キメッ

?「満点の星空さんにも、ボクのカワイさを御覧に入れて差し上げますよ!」ドヤァ

?「よいしょ……」ガラッ(開)



三発目のドライブ「」ギュイイイイン



?「フギャー!?」ステン

?「ななな、なんですかアレ!?」

?「あ、あれ……もう見えない」

?「……」

?「……」ガラ(閉)

?「ノートの清書をしましょう……」

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