小鳥「あたしが行き遅れだという風潮」 (54)
【たるき亭】
小鳥「どういうことですかっ!」 ドンッ!
P「あー、あー、もう酔いすぎですよ……?」
小鳥「これが酔わずにいられますかっ!」
P「……また言われたんですか?」
小鳥「えーそーですよ! お父さんもお母さんもたまに電話したら『結婚はまだか』『いい人はいないのか』って」
小鳥「もー聞き飽きたっていうんですよっ!」 ドンッ!
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小鳥「だいたい、今の日本はどんどん晩婚化が進んでるんですよ?」
P「あー、そういえばそんなニュースも聞きましたねぇ」
小鳥「それでいながら、10代の出生率はどんどん上がっているって話ですよ!?」
小鳥「後先考えずにズッ婚バッ婚する連中が平均年齢下げているのに」
小鳥「それなのに晩婚化が進んでいるっていうんです」
小鳥「つまり、真っ当な社会人であるあたしのような女性の結婚年齢はどんどん下がってるんです!」 ビール グイー
P「……おかわりします?」
小鳥「もちろん!」
>>2
下がってるんです! ⇒ 上がってるんです!
小鳥「だいたい、お父さんもお母さんも自分たちの時代の考えでものを考えすぎなんです!」
P「そういうもんですかねぇ。なんやかんや言って小鳥さんの事が心配なんですよ」
小鳥「どーだか。あたしの心配よりも自分たちの世間体を心配してるんじゃないですかね?」 グビー
P「あぁ、どんどん悪酔いしていく……」
小鳥「と・に・か・く! あたしが行き遅れだなんていう風潮には断固として首を縦に振りませんからねっ!」
P「小鳥さんはそう言いますけどね……」
小鳥「なんですか……? 言いたいことがあるならハッキリと……」
P「そろそろ現実を受け入れましょうよ」
P「10年前から言ってることおんなじじゃないですか」
小鳥(3X歳)「……」
P「10年前ならそうですね、と同意はしたかもしれないですよ?」
P「でも、さすがに今となってはナントカの遠吠えにしか聞こえませんからね?」
小鳥「アーアーキコエナーイ」
P「またそうやって現実逃避する……」
P「もう10年前にいたアイドルだってみんな結婚するか婚約するかしてるんですからね?」
P「今でも独り身なのは小鳥さんと俺くらいなもんですよ?」
小鳥「分かってます、分かってますよぉ……」
小鳥「もう子供のいる元アイドルの子が事務所に遊びに来たりするじゃないですか」
小鳥「幸せそうでよかったなぁ、と思うと同時に、あたし何やってんだろ、って惨めな気持ちにもなるんですよ?」
P「それは俺だって同じですけどね」
P「昔はやれハニーだの、やれあなた様だの言ってた子たちが、今は他人の嫁かと思うとね」
P「なんだか娘を嫁にやったような気分になるんですよ」
小鳥「ほら、やっぱり寂しいんじゃないですか」
小鳥「だったらお互いに傷を舐め合って……」
P「それとこれとは話は別です」
P「みんながそれぞれ幸せな家庭を築こうとしてるのならそれでいいじゃないですか」
小鳥「あたしはそこまでスパッと割り切れなくて……」
P「そうは言っても、この先何度も現実を突きつけられるんですよ?」
P「盆暮れ正月に実家に帰れば、また同じこと言われるんですからね」
P「それだけじゃないですよ、これからだって元アイドルのみんなはちょくちょく顔見せに来るだろうし」
P「年賀状とかに家族の写真が貼られるなんて事だってあり得るんですからね?」
小鳥「うぅ……」
P「とにかく、今の俺たちに必要なのは社会を呪うことじゃないですよ」
P「せっかく身の回りにこんなに幸せな実例がゴロゴロしてるんです」
P「みんなの今を見て、幸せになるにはどうすればいいのか、参考にしましょうよ」
小鳥「わ、分かりましたよぅ……」
P「それじゃ早速春香のとこから考えてみますか」
小鳥「春香ちゃんは潔かったというか、思い切りがよかったというか……」
P「トップアイドルに登りつめて、やりたいことをやりきったんでしょうね、あの引退宣言は度肝を抜かれましたよ」
小鳥「あれがもう6年前でしたっけ……? 月日の経つのは早いものですねぇ」
P「それからは芸能界からスパッと縁を切って、学校行ったりして年頃の女の子の青春も満喫したみたいですし」
小鳥「今の旦那さんとの出会いって同窓会でしたっけ」
P「そうそう、久しぶりに地元の同窓会に出て、小学校の時の同級生に再会してそこから……って言ってましたっけ」
小鳥「馴れ初めとしては驚くほど普通なのが春香ちゃんらしいですよね」
P「で、3年前に結婚して……今、お嬢ちゃんが1歳半でしたっけね」
小鳥「初めて歩いた時にあたしの携帯に報告です、ってメールが来てましたね」
P「いいお母さんしていそうで何よりですよ」
P「千早のとこはもう公私共にパートナーになってますからね」
小鳥「千早ちゃんの歌にかける姿勢をあそこまで理解してくれた男性は旦那さんとプロデューサーさんくらいじゃないですかね」
P「それは褒められてると受け取っていいんですかね」
小鳥「今でこそ世界的な歌姫と、それをプロデュースする旦那さんとの夫婦で有名になりましたけどね」
小鳥「そこへバトンタッチしたのがプロデューサーさんだと思えばいいんじゃないですか?」
P「まぁ、確かに千早の歌の成長に俺がだんだんついていけなくなったとこはありますけどね」
P「だからこそ、より千早のレベルアップを、と考えて海外のプロデューサーに託したのが8年前だっけか」
小鳥「4年前に向こうでいきなり籍を入れました、って連絡が来た時はびっくりしましたね」
小鳥「ビックリ、といえば雪歩ちゃんですよね。みんなの中で一番最初にゴールインしちゃったんですから」
P「実家のお弟子さんが惚れ込んだらしくて、猛アタックかけてきたって話ですしね」
小鳥「トップアイドルになっても、男性恐怖症がなかなか治らなくてどうなるかとは思いましたが」
P「アイドル・萩原雪歩じゃなくて、一人の女性として見てもらえたことも良かったんでしょうね」
小鳥「それでゴールインが7年前で、結婚を機に旦那さんの仕事のサポートに、って引退を」
P「あの時の世間の反応は凄かったなぁ……俺たちもアイドルの引退・結婚への対応も馴れていなくて大変でしたねぇ」
小鳥「惚れた弱み、と言いますか、今じゃ旦那さんは雪歩ちゃんに頭が上がらないらしいですよ?」
P「とは言っても、雪歩も旦那さんも頑張って、昨年ついに萩原組から暖簾分けして独立ってのもいいニュースでした」
小鳥「たまに子供を2人連れて遊びにくるんですよね。お茶の美味しさにますます磨きがかかってましたよ」
P「雪歩は結婚を機に引退しちゃったけど、やよいの方は今や一流ママドルになりましたねぇ」
小鳥「結婚したのは春香ちゃんと同じ頃でしたよね、確か3年前でしたね」
P「芸能人同士のカップルだと、とやかく言われたりすることも本来なら多いんでしょうがね」
小鳥「相手がジュピターの御手洗翔太でしたからね」
P「妹系アイドルと弟系アイドルのカップルって事で割と微笑ましく見てもらえたってことですかね」
小鳥「正直、あたしは雪歩ちゃんの時みたいな反響が来るんじゃないかって覚悟してましたけどね」
P「最初の子がもうすぐ2歳でしたっけ。他のママドルにはない昔からの純真さが今でもお茶の間の熱い支持をうけてますよね」
小鳥「6人姉弟に育った、ってこともあるんですかね。この間のトーク番組では『あと5人は欲しいです』っていい笑顔で言ってましたよ」
P「翔太は相当頑張って稼がないといけないですね」
小鳥「アイドル同士、と言っていいのか微妙ですけど、律子さんのところもそうですよね」
P「あの電撃記者会見が2年前ですか……確かに法的には結婚出来る相手ではありましたけれども」
小鳥「まさかまさかの従姉弟、秋月涼とでしたからね」
P「いや、でも涼くんは20歳になるあたりからグッと男らしくなってきましたから」
小鳥「新撰組のドラマで沖田総司役に抜擢されたんですよね、あまりの凛々しさに危うく惚れるとこでしたよ」
P「律子からしてみれば、今まで弟みたいに思ってきた涼くんをだんだん一人の男として意識しだしたのかもしれないな」
小鳥「とはいえ、なかなか昔からの上下関係は染み付いているみたいで、やっぱり律子さんが主導権を握……」
P「ところがどっこい、夜の営みは涼くんの方がリードしているらしいぞ」
小鳥「わーお」
P「身近な相手が続いたとこだが、そこへいくと伊織はワールドワイドでしたね」
小鳥「お相手はフランスの方でしたっけ。名前がシャルルだとかドナテルロだとかじゃないのが残念でしたけど」
P「何を変なとこで残念がってるんですか。5年くらい前から拠点を向こうに移しちゃってますから、なかなか会えないですが」
小鳥「ご実家の力を使わずに、自分のブランドを向こうで立ち上げよう、としてるから忙しいですしね」
P「そのブランドがある程度軌道に乗るまではあくまで婚約で、結婚はその後、と決めているあたりが伊織らしいと言いますか」
小鳥「最近事務所で購読してるファッション誌の片隅にチラチラと伊織ちゃんのブランドを見かけるようになりましたよ」
P「ということは、ゴールインも秒読み、ですかね。もっとも、事実婚みたいな状態かとは思いますが」
小鳥「そんな伊織ちゃんと一緒に頑張ってたあずささんですけど……」
P「雪歩や貴音に先を越された時は小鳥さんみたいな顔もチラッと見せましたけど」
小鳥「道に迷って辿り着いた見知らぬ町で、あずささん曰く、運命の人と出会えたそうですからね」
P「その時、その町まで迎えに行きましたけど、どうやったらこんなとこに行き着くんだ、ってくらいに辺鄙なとこでしたよ」
小鳥「今じゃ、旦那さんと農業に精を出しながら、折を見ては上京して女優としても頑張ってますからね」
P「なんか最近そういう女優さんが増えたような気がしますよね」
小鳥「季節の折々に採れたての野菜や果物が送られてくるんですけどね。これがまた美味しいんですよ」
P「ある意味ではあずささんと旦那さんとの愛の結晶とも言えますからね、不味いわけがないです」
P「あの時最年長だったあずささんの次は、最年少だった亜美・真美ですか」
小鳥「と言っても、ついこの間式を挙げたばっかりですけどね、二人揃って」
P「その相手も双子で、しかも医者の家だというんだから、世の中って狭いですよね」
小鳥「アイドル引退してから二人揃って看護学校に行ったじゃないですか、そこで医学部の学生と合コンがあって……ってのがきっかけって言ってましたね」
P「でも、別に政略結婚とかそういうわけじゃないんですよね。両方の家とも個人病院ですし」
小鳥「真美ちゃんがお婿さんを取って、亜美ちゃんがお嫁に行ったんですよね」
P「双子だからかなんなのか知らないけど、夫婦ゲンカのタイミングまで一緒らしいんですよ。それもまったく同じしょーもない理由で」
小鳥「で、二人揃って家出してもう片方の家に駆け込む、みたいですね。いくつになっても2人とも根っこは変わらないんでしょうね」
小鳥「家出しても駆け込めるとこにいる亜美ちゃん・真美ちゃんとは違って真ちゃんは遠くに行っちゃいましたねぇ」
P「と言っても、それは今年からじゃないですか。海外に挑戦するっていうサッカー選手の旦那さんと一緒にドイツに行っちゃって」
小鳥「結婚自体は5年前で、あずささんと近いくらいの時期でしたっけ」
P「スポーツ選手とアイドルという組み合わせもよくあるっちゃありますけど、真の時は雪歩並みに反響が大きかったですね」
小鳥「その大部分は女性ファンからの怨嗟交じりの声でしたけどね。でも、今や日本代表のエースストライカーが相手ですから、これ以上ないくらいお似合いじゃないですか」
P「千早や伊織が海外へ、ってのは想像がつくけど、真の場合はその辺大丈夫なんですかね」
小鳥「向こうで伊織ちゃんや千早ちゃんとちょくちょく会っているみたいですよ? 子育ても向こうでするみたいですし、もう覚悟は決まっているんじゃないですか?」
P「そんな真よりも1年先にゴールインしたのが美希ですよ」
小鳥「メンバーの中じゃ唯一の未成年でのゴールインですよね、といっても19歳でしたから限りなく20歳に近いっちゃ近いですけど」
P「10年前はあんなにハニーハニー言ってたんですけど、変われば変わるもんですよね」
小鳥「もちろんプロデューサーさんのことも好きだったんでしょうけど、潜在的に年上の……というか大人の男性に憧れていたのかもしれませんよね」
P「確かに結婚相手が8つ年上の一般男性でしたっけ。年の差を考えれば多分メンバーの中で一番開きがあるんじゃないですか?」
小鳥「年上の旦那様に刺激されたか、美希ちゃんはママになってから本当に大人っぽく綺麗になりましたよね」
P「いつまでも子供かと思っていたけど、事務所に遊びに来た時にバッタリ会った春香との子育て談義が聞こえてきた時は感慨深いものがありましたね」
小鳥「子供産んだのが美希ちゃんの方が早かったですしね、悩む春香ちゃんに的確なアドバイスしてるのを見てちょっと驚いちゃいましたよ」
小鳥「そんな美希ちゃんにまた一人教えを請おうとしてる子がいますよ」
P「あぁ、響のところはもうすぐでしたっけ。元々家事全般は長けてましたけど、結婚は2年半前でそんなに早くなかったですよね」
小鳥「アイドルを引退して沖縄に帰ったのが5年前、それから向こうでアクターズスクールの指導者になったんでしたっけ」
P「響はダンスやってましたもんね。で、そこで同僚のインストラクターと職場結婚でしたね」
小鳥「旦那さんも動物好きだそうじゃないですか。今年のお正月に来た年賀状の写真、ペットの種類がさらに増えてましたよ」
P「そこに、今年の秋に一人加わることになる、と。ますます賑やかになりそうですね」
小鳥「無事に生まれてきたらお祝い持って行ってあげましょうか」
P「響は分かりやすかったですけど、貴音のところは……ねぇ」
小鳥「7年前に突如として芸能界の表舞台から姿を消したかと思えば……4年前公の場に姿を現した時に子供を抱えてましたからね」
P「どこぞのスケーターよろしく、当然のように父親が誰なのか、ってのは"とっぷしーくれっと"みたいですけどね」
小鳥「でも、あの透き通るような銀髪は間違いなく貴音ちゃんのDNAを引き継いでますよね」
P「父親が誰か明かされなかったせいで、俺が疑われたこともありましたけどね」
小鳥「謎は謎のままですけど、貴音ちゃんの言うことを信じるなら別に別れたわけでも出来婚でも無いみたいですし」
P「貴音のミステリアスな部分がさらに引き立ったのか、スキャンダルというよりも再ブレイクのきっかけになりましたしね」
小鳥「えーと、これで全員ですか……」
P「どうです? 何か自分たちに反映できる材料はありましたか?」
小鳥「えー……そうは言われましても、みんなそれぞれに個性的過ぎて」
小鳥「ただの事務員のあたしじゃとてもとても真似できないような気がしますよ……」
P「いや、そこまで卑下することも無いんじゃ……」
小鳥「いいんですっ! あたしが結婚しないおかげで他の誰かが結婚出来るんです!」
小鳥「あたしはそういうことに幸せを感じることに、今決めたんですっ!!」 グビー
P「あぁ、またお酒が進み始めたよ……こうなると俺一人じゃ手に負えなくなってくるぞ……」
P「……あいつもどーせ一人だろうし……呼び出して付き合わせるか」 ポパピプペー
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冬馬「……で、俺が呼び出された、と」
小鳥「あー! あまとうじゃないれすかー! こんなとこでなにしてんのよー!」 ヒック
冬馬「だいぶ出来上がってるじゃねえかよ。つか、なんでお宅の事務員にあまとう呼ばわりされなきゃなんねえんだ」
P「まぁまぁ、同じ独身仲間の戯言と思って聞き流してくれよ」
小鳥「はっ! こ、これは961プロのいんぼーね! きっとあたしがおかされちゃうんらー! たーすーけーてー!」
冬馬「……この人の時計は何年前で止まってるんだ?」
P「それは言わない約束だ」
冬馬「だいたい、俺をまだこんな行き遅れ軍団と一緒にすんなよ。まだ27だぞ?」
P「いやいや鬼ヶ島羅刹くん、ここからの10年なんてあっという間だぞ?」
冬馬「誰が鬼ヶ島羅刹だ。そのネタも何年引っ張ってくつもりだよ」
小鳥「だーれーがー、いきおくれれすってー!?」
冬馬「反応が微妙に遅えし、ホント面倒くせえことになってるぞこの人」
P「ここまで来たらもう酔い潰れて寝るのを待つしかないだろ」
冬馬「そろそろ内臓どっか悪くするぞ」
P「まぁ、でもみんなゴールインしたか、秒読みかのうちと違ってジュピターはそうでもないよな」
冬馬「まぁ、確かに俺たちのとこは翔太だけだしな」
P「北斗なんかいいのか? あいつももう30代になったんだろうに」
冬馬「この前言ってたんだが、もういっそこのまま第2の石○純一ポジを目指すとか言ってたぞ」
P「そこは狙って目指せるポジションなのか?」
冬馬「とても一人には選べないみたいなことも言ってたような」
小鳥「リアじゅー、ばくはつしろー!」 ヒック
P「いいからもう無理しないで寝といてください」
P「よくよく考えてみれば、確かに男性アイドルって結婚が遅いイメージがあるな」
冬馬「ジャ○ーズとか特にそうだろ。あそこの連中は既婚者を数える方が早いくらいだからな」
P「S○APはキムタクだけだし、V○もイノッチだけか。T○KI○だと山口くんだけか?」
冬馬「最後のグループの伏せ字が意味を成してねえぞ」
P「○に至ってはもうすぐ全員30代になるのに全員独身なんじゃないか?」
冬馬「一文字グループを伏せ字にすると訳分かんねえな、いや分かるか」
P「そういう意味じゃ、男性アイドルが結婚する方が色々障害は多いのかもしれないな」
冬馬「俺はそんなに気にしちゃいないが、やっぱりファンの反発が男よりも女の方が大きいのかもな」
P「言われてみりゃ、真の時が確かにそうだったような気もするな」
冬馬「昔っから、一世を風靡した女性アイドルグループだってそうだろ」
冬馬「誰か一人がひっつけば、そっから先は結構立て続けに結婚したりするんじゃないか?」
P「う~ん、ウチはグループってわけじゃないが、なんやかんや何年も結婚ラッシュだったしなぁ」
冬馬「だろ? まぁ、母数からすれば男性アイドルより女性アイドルの方がはるかに多いしな」
P「男性ファンの大部分は、すぐに次のアイドルへと乗り換えてる、ってことか?」
冬馬「かもな。765の元アイドル連中はそこまで人気が落ちたってわけでもなさそうだが」
小鳥「zzz……」
冬馬「やっと酔い潰れて寝たか」
P「やれやれ、ってとこだな」
冬馬「なぁ……アンタに聞いてみたいことがあったんだがな」
P「……ん?」
冬馬「なんでこの事務員さんと別れちまったんだ?」
P「な、なんで、ってお前……」
冬馬「だってそうだろうよ。俺が聞いた話じゃ、アンタと、この事務員さんが付き合いだしたのって8年くらい前だって聞いたぞ?」
冬馬「アンタに少なからず気があっただろうアイドルたちも、事務員さんなら仕方ないか、ってそれぞれに吹っ切って新しい相手を見つけたんじゃねえのか?」
冬馬「それをダラダラと6年半も引きずって? 大方が結婚したか、相手が固まったかした頃になって破局、って」
P「それは言うなよ……散々みんなにはその件で問い詰められてるんだからよ。『何してんの!?』って」
P「……まぁ、今にして思えばズルズル6年半も引きずったのがいけなかったのかもな」
P「なんて言うか、仕事でもプライベートでもずっと一緒だと、逆に結婚をどんどん意識しなくなってな」
P「そんな風に考えていくうちに、じゃあいい年して一緒にいる意味ってなんだ、って」
P「このままダラダラ惰性で付き合い続けるのはお互いの為にならないんじゃないか、って話になってな」
冬馬「そういうもんなのかね」
P「まぁ、別にどっちが浮気したとか、そういう話じゃないからな。元通り、いち同僚の関係に戻った、と思えば」
冬馬「まぁ、ここまでボロボロに酔い潰れたのを晒せるんだから、いち同僚以上の関係な気はするがな」
P「……そうだ」
冬馬「どうした?」
P「確かお前、フィギュア収集が趣味だったよな」
冬馬「悪いかよ」
P「そこの小鳥さんは妄想が趣味でな。俺も付き合ってた頃はたまに暴走する妄想についていけない時があって」
冬馬「……で?」
P「同じ匂いを感じるお前なら、きっと小鳥さんの妄想も受け止められるんじゃないか、と」
冬馬「アンタは俺をどんな目でみてやがるんだ」
冬馬「ま、俺はまだあんたらと違って時間はあるし、のんびりやっていくさ」
P「どーかな。さっきも言ったが、こっからの10年はホントあっという間だからな?」
冬馬「理想的な反面教師がそこにいるし、いい参考にさせてもらうさ」
P「どこかな」 キョロキョロ
冬馬「アンタだアンタ」
小鳥「だーれーがー、はんめんきょうしれすってー!?」 ガバッ
P・冬馬「いいから寝といてください、マジで」
こうして独り身の夜は更け行く
おわれ
途中から自分が何をしたいのか分からなくなってきたよ 即興って怖いね
とりあえず、3X歳はともかくとして、2X歳はまだまだ行き遅れじゃないと思うんだ、うん
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