八幡「やはり俺達は雪ノ下さんに踊らされている」 (168)
八幡「…」ペラッ
雪乃「…」ペラッ
八幡「…ふぅ」チラッ
八幡「(…材木座が書いたラノベ読んでたらもうこんな時間かよ…)」
雪乃「…もう19時ね。今日はここまでにしましょう。」ガタッ
八幡「ああ…(相変わらずひどい設定だったが何故最後まで読んでしまったのか。)」
八幡「(ぼっち設定の癖に完璧美少女と処女ビッチ女にせまられる主人公ってなんだよぼっちなめんな)」
八幡「(べ、別に何かの参考にしようと思ったんじゃないんだからね!)」
雪乃「…忌避谷君。早く出てくれないかしら…戸締りできないのだけれど」
八幡「…なんでお前漢検の時期にはやる俺のあだ名知ってんの?漢検協会の人なの?いや直接言われたことないけど」
雪乃「知らないわよそんなの…いいから出なさい」
八幡「…」ガタッ
八幡「…お前がこんな文章を読みふけるなんてな」スタスタ
雪乃「…奉仕部に来た依頼だからよ。別に…参考にしようなんて…」ボソッ
八幡「え?何だって?」
雪乃「…なんでもないわ。じゃあ…その……さよなら」フリ
八幡「…お、おう」フリ
奉仕部の部室の前で雪乃下と別れる。文化祭が終わり数日、秋という事もあり19時にもなると日は落ち辺りは暗くなってきている。
今日はいない由比ヶ浜はというと、奉仕部に自筆の小説を持ち込みに来てドアの前でうろうろしていた材木座を見て三浦達とカラオケに行く約束を思い出したらしい。
挙動不審の材木座を見れば誰だって約束を思い出す。俺だって思い出す。今日はたまたま友達と約束がなかったので仕方なく奉仕部に行くしかなかった。友達いないけど
生徒昇降口で上履きから外履きに履き替えながらそんな事を思い出していると、正門の前に止まっている一台のリムジンが見えた
八幡「(雪ノ下の迎えだろうな。そうに違いない。車の前で手を振ってる知ってる人影なんてない。きっとない)」
???「ひゃっはろー!比企谷君!」
八幡「(やっはろーとひゃっはろーでどうしてこう違うんだろな。小町が言うと天使なのにあの人が言うと消毒されそう。ヒャッハー!)」
陽乃「おや~?テンション低いねぇ比企谷君。雪乃ちゃんにちょっかい出し損ねた?」
八幡「…ども」
陽乃「ノリ悪いな~。まぁいいや」
陽乃「比企谷君にちょーっと頼みたいことあるんだけど。お姉さんの頼み、聞いてくれない?」ニコッ
八幡「(いやな予感しかしねぇ…)」
―――――――3分後―――――――――
???「…そこでなにをしているのかしら…姉さん」スタスタ
陽乃「お!奇遇だねぇ雪乃ちゃ~ん」
雪乃「…しらじらしい」
雪乃「そこで、彼と、何をしているのと聞いているのだけれど」キッ
陽乃「所有物宣言入りましたー!雪乃ちゃんの彼、比企谷君!今の気持ちをどうぞ!」サッ
八幡「これ重いんでおろしていいっすか」
陽乃「は~い、雪乃ちゃん重い発言きましたー!彼と彼女の今後に注目ですね!」
雪乃「…からかわないで頂戴。…比企谷くん、あなたの持っているその小包はなにかしら」
八幡「…k陽乃「あ、それお姉ちゃんが比企谷くんに宅配頼んだんだよー。…雪乃ちゃんの家までね」ニヤッ」
八幡「(この姉妹の会話入り込む余地がないんだけど。余地は俺の味方だったはずだ。字面的に)」
雪乃「…姉さんが何を考えているのか知らないけど何故比企谷くんに頼んだの?」
陽乃「だーって雪乃ちゃん私が直接お家に来ても絶対出てくれないじゃない?」
陽乃「お姉ちゃんからのプレゼントだって送っても受け取ってくれた試しないじゃない?」
雪乃「…」
陽乃「だ・か・ら、そこに偶然通りかかった比企谷くんに頼んだのでしたー☆」
雪乃「しらじらしい…」
八幡「(ハチマンもそーもう)」
雪乃「…」ハァ
雪乃「比企谷くん、その小包渡してちょうだい」
八幡「ン…」チラッ
陽乃「ん?いいよー渡しちゃって、もともと雪乃ちゃんへの荷物だし」
八幡「…ホラよ」スッ
雪乃「どうも」スッ
ピトッ
八雪「「!」」バッ
陽乃「(…思ってた以上にに初々しいわーこの二人)」
陽乃「おや~?どうしちゃったのかな二人ともぉ」ニヤニヤ
雪乃「ッ・・・な、なんでもないわ」
雪乃「…って、これ…結構重いわね」ズシッ
陽乃「…そぉーいえば雪乃ちゃん。その荷物、どうやって持って帰る?」
雪乃「それは車で……ッ!」
陽乃「車で?よし!お姉ちゃんと姉妹仲良くお喋りしながら帰っちゃう?ちゃう?」
八幡「(…リムジンは雪ノ下さんが乗ってきたものだろう)」
八幡「(雪ノ下の性格を考えるとここで雪ノ下さんの提案には意地を張って応じない)」
八幡「(この展開…まさか)」
雪乃「そ、それは嫌よ…」
陽乃「嫌かー。嫌われちゃってるなー」
陽乃「じゃあ歩いて帰るの?それでもいいんだろうけど女の子の一人夜道は危ないわよー」
陽乃「それに…雪乃ちゃんの体力で、その重い荷物を家まで運べるかなぁ?」ニヤ
八幡「(…やっぱりか)」ハァ
雪乃「それは…」
雪乃「……………」
雪乃「………」
雪乃「…ひ、比企谷くん、お願いしたいことがあるのだけれど…」
八幡「…なんだ?」
―――――――――――――――
シャー
八幡「…」
雪乃「…」
八幡「…なぁ」
雪乃「…なにかしら」
八幡「包の中、なんだろな」
雪乃「…なんでしょうね」
八幡「…」
雪乃「…」
件の小包は今、俺のママチャリの籠の中におさまっている。
そしてそのママチャリには二人の男女が搭乗し…つまり俺と雪ノ下が二人乗りしている
…あの人はわざわざこの展開に誘導したんだろうな。
あの後行き場を失った雪ノ下がしたお願いは、荷物と一緒に自分を送ってくれという旨のもの。
もちろん雪ノ下さんが仕組んだ事と気づいた以上あそこでそのお願いを断る選択肢は俺にはない
断ったらもっと悪い展開に持ち込まれたに違いない
八幡「…雪ノ下」
雪乃「…なにかしら」
八幡「…どこでもいいから俺に掴まってくれ。お前のバランス感覚が規格外だろうが不安でしかたない」
雪乃「…わかったわ」キュッ
そういって雪ノ下は俺のブレザーの裾をつまむ。いつもならここで罵詈雑言のバーゲンセールになるところだが今回は雪ノ下も負い目があるようで素直に従った
っていうか結局掴んでる感触しねぇよ。腕を前まで回して抱きついてくれれば確かな感触が…いや多分感じないわ。主に背中
雪乃「…なにか邪なことを考えているように感じるのだけれど」ゴゴゴ
八幡「…気のせいだ」
ホントなんでこの姉妹は人の思考を勝手に読むの?日本政府は早く読心ライセンスを発行して制限すべき。独身ライセンスは勘弁してあげてください
雪乃「…そう」ギュッ
ビクン
八幡「…いきなり肩を掴むなよ」
雪乃「…あなたが掴めと言ったんじゃない」ギュッ
八幡「…」
雪乃「…」
八幡「…そろそろ着くぞ」
雪乃「そうね・・・」
ポタ・・・ポタ・・・
八幡「(雨…おい・・・まさかこれ)」
雪乃「ッ!?」バッ スタッ
ポタ・・・ザ―――――――――――!!!
八幡「」ザー
八幡「っなんだよこれ!バケツひっくり返したってレベルじゃねぇぞ!」ザー…
八幡「(エロゲ展開きた!これで勝つる!このまま雪ノ下の家で一緒にお風呂ですね分かります!)」シーン
八幡「…は?」
八幡「(もうやんでる…のか?)」
雪乃「…比企谷君、上を見てみなさい」タッタッタッ
八幡「は?」
雪ノ下はいつの間にか後部座席から降りていてこちらにむかって走ってきている。…上?
八幡「…なにしてんだあの人」
いい笑顔で手を振ってる雪の下さんが雪ノ下のマンションの隣の建物の屋上にいた。…手にホースを持って
そりゃバケツひっくり返したレベルじゃないなホースだもん。何?やっぱり消毒しに来たの?
雪乃「…比企谷くん、お疲れ様、助かったわ。」
雪乃「また明日会いましょう」ニコッ
雪ノ下のマンションの前まで着いたことだし、雪ノ下がどこか急かすように別れを告げてくる
八幡「おう、また明日な!」
雪ノ下の言わんとすることを察した俺は普段の爽やかさを5倍にして別れの挨拶を交わす
雪乃「…普段の爽やかさが-なのだから-5倍じゃないかしら」
だからナチュラルに思考読むなよ。お前の意図組んでやってんのにそこそんなに言及したかったの?
そんなことより今はここから早く離れなければならない。
帰りたいんだ…誰よりも速く…誰よりも速く…小町の元に駆けつけて!!文字通り―疾風のごとく!!
陽乃「ごっめーん!比企谷くん、屋上の植物に水やってたら下から雪乃ちゃんの声が聞こえて気になっちゃってついウッカリ☆」テヘペロ
何よりも自爆を得意とする俺が自爆技を披露する前にいつの間にか屋上から降りてきた雪ノ下さんにごめんなさいされた。
あの必殺技ってドMいいんちょのスカートめくって以来使ってないよね。サンキュースパッツ!
ていうかあんたんちじゃないのになんで水やってんの?
八幡「…別にいいっすよ。」
陽乃「やっさしーなー比企谷君は」
陽乃「それに比べて駄目だよぉ雪乃ちゃん」
陽乃「こんな寒い中送ってくれた子をずぶぬれのままかえそうだなんて」
八幡「(あんたが言うな)」
雪乃「…姉さんに言われたくないのだけれど」
あまりの怒りに頬をヒクヒクさせていらっしゃる。
…恐らく雪ノ下さんに踊らされていた事についてだろう
陽乃「まぁそれはそうなんだけどね。でも比企谷くんこのまま帰っちゃうと風邪ひいちゃうかもしれないし」
この人が地上に降りてくる前に俺が帰るべきだった。
陽乃「雪乃ちゃん」
陽乃「比企谷くんにシャワー貸してあげたら?」ニコッ
これでチェック
雪ノ下さんが俺をずぶ濡れにしたわけだし俺が都筑さんの運転する車で送ってもらう手もある。というかそうすべきだが
雪ノ下さんが答えを待っている相手は雪ノ下であり、あの雪ノ下が少しの責任でも放棄するわけもない。ましてや姉相手に。
つまり俺達にはチェックを防ぐ手がないわけで、これで
雪乃「…はぁ」
チェックメイトである。
―――――――――――――――――
ガチャッ
雪乃「いま拭くものを持ってくるから。少し玄関で待っていて頂戴」
八幡「…お邪魔します」
久しぶりの雪ノ下の家である。久しぶりと言っても文化祭の前に一度来ているからそうでもないのだが久しく感じるのはなんでだろうね
雪ノ下の家にいるという事実がある事を思い出させた。
元凶である小包を受け取った時、一緒に渡された手作り感あふれる小袋(注:袋。歌を歌わないものだけを指す)である
金持ちも裁縫とかするのね。八幡ちょっと驚いちゃった。
陽乃『あ、ついでにこれも渡しておくねー。比企谷君にはいつか渡そうと思ってたものだけど』
陽乃『今開けちゃ駄目だよ。雪乃ちゃんちに行ったときにでも開けてね☆』
貰った時は開けるタイミングもうねぇじゃんとか思ってた俺が馬鹿でした。いつか渡そうとか絶対ダウトじゃん
絶対今日のために用意したよね
今これを開けるべきじゃないのは誰にでもわかる
だがこれを開けるべきであることは俺には分かる。だって後が怖いし
八幡「…」スッ
というわけで開けて見た。
八幡「…」スッ
見なかったことにしよう
年上の美人から貰ったブレゼントがピンク色のゴムとかそんなサプライズはいらない
あとパッケージごとゴムに穴があいているのが見える。こんなに命中率を上げる防具はどこのRPGを探してもない
なに?あの人自分の妹をどうしたいわけ?
ていうかあの人がこれを渡したということは…
雪乃「比企谷くん、このタオルを使って頂戴。体も冷えているでしょうからシャワーを使って」
雪乃「制服は浴室の前においていて頂戴。洗濯して乾燥機にかけるから」
雪乃「…下着は女の一人暮らしを隠すために外に干している男ものがあるのだけれど、それでいいかしら?」
雪ノ下はしっかりとした貞操観念を持っているようであのゴムが入り用になることはないだろう。心配ゴム無用である。
ていうかあれはゴムの役割果たせないよね
八幡「…ああ」
いざ雪ノ下家、浴室へ…!
―――――――――――――――――――――
カポーン
やはり俺の青春は間違っている 第22話「カポーンって擬音は誰が考えたんだろう?スゲーよね」
すげーよね。
俺は今雪ノ下家の浴室の椅子に腰かけている
その雪ノ下家の浴室はすごかった。
ホテルにあるような浴室である。アメニティグッズも高級ホテルでも使われてるものだろう。何故分かるかというと文字が読めないから
文字が読めないくらい複雑なものは大体高級品であるというのは定説である
何これ俺みたいな庶民が使ってもいいの?
コンコン
八幡「…おう」
雪乃「ここに着替えを置いておくから。あとご家族には連絡したかしら?」
八幡「…忘れてた。後で連絡するわ」
雪乃「なるべく早い方がいいでしょう。ご家族も心配されるわ」
あの家族に限ってそれはないだろう。どうせ夜中に腐った目をしていて補導でもされたと考えているだろう
でもラブリーマイエンジェル小町には心配されたい。超されたい。八幡的にポイント高い。八万点くらい
やべっちょっと息子が反応してきた。裸の状態で女子と会話しているというこの状況に興奮している自分の変態さが怖い。
しかも愛する妹の事を考えてしまったのだ。これはちかたないね。
八幡の兄ちゃん、妹はハンザイだよ!ちかたなくないよ→
>>41
千葉の兄妹だからいいんだよ
雪乃「私から事情を説明しておきます。あなたの家の電話番号を教えて頂戴」
浴室には明かりが灯っており、すりガラス一枚隔てた雪ノ下がいる洗面所に明かりはついていない。
つまり軽く影絵ができる状態である。そして今比企谷八幡が横を向いている影絵は通常の人体側面影絵にでっぱりが一つ増えている状態である。
これに気付いた俺は前かがみになるなどという愚行には走らない。雪ノ下レベルになるとそれだけで察してしまう可能性がある。
ここで俺はあえて雪ノ下に堂々と向かい合って自分の家電の番号を伝えた。…なおも息子の成長は止まらない。裸で正面向いて会話してるんだもん
雪乃「…わかったわ。連絡しておくわね」
歩いて去ろうとする雪ノ下だが一つ気になる事を思い出し呼びとめる
八幡「…雪ノ下」
雪乃「なにかしら?」
八幡「あの小包の中身、なんだった?」
雪乃「…まだ開けていないわ。気になるけどあなたがいない時に開けるのもなんでしょう?」
八幡「別に開けていいぞ。お前宛てなんだし俺を気にする必要はない」
雪乃「…そうね。じゃあ開けてみるわ」
今度こそ雪ノ下は浴室の前から去る。ここで体の向きを戻すのは馬鹿かエロゲー主人公だ。次に雪ノ下が来るまでこの状態で待つのが正解である
一度かたくなるをしたポケットモンスターの防御力は一戦終えるまでもとに戻らないものであり俺のポケモンも例外ではない。
…ここで一戦一人相撲をしてもいいのだが背徳的すぎる。いや興奮するけど
キャー――!!! キャンキャン!
八幡「(っ!雪ノ下か!?)」
一人の少女と何か動物の鳴き声がリビングの方から響いてくる。ってなんでanimal?what?
あの雪ノ下が悲鳴を上げるのは異常すぎる。助けにいこうと立ち上がるが
八幡「(早く行かねぇと…って無理だわ)」
すでにたってたの忘れてた。おとなしく座る。
ダッダッダッ ガラッ
雪ノ下「ひ、比企谷くん!」
八幡「ちょっおまっ」
浴室のドアが開かれる
雪ノ下「!?ひ、比企谷くん!?」
そして雪ノ下雪乃、裸比企谷八幡、向かい合って邂逅である。
もちろん雪ノ下には俺の息子が見えているわけでして…
キャー!ノシタさんのえっちー!などと被害者のセリフを叫ぼうとした瞬間
タッタッタッ キャンキャン!
雪ノ下の後ろに小さな影が見えた。
雪乃「ひっ…こっ来ないで・・・!」
雪ノ下が俺の背中に隠れようと浴室に足を踏み入れる。
雪乃「きゃっ!」
こんな時のド定番としてこける。もちろんあの雪ノ下でさえもこける。だって風呂場だし濡れてるじゃん
八幡「あぶっ…!」
間一髪、抱きとめる。
が、第2波
犬「キャンキャンキャンキャン!」バッ
どっかで見たような犬が俺の顔に飛びかかってくる。
ここで避けるのは3流。避けた先でバランスを崩し雪ノ下を押し倒している未来しか見えない
顔で受け止めるのは2流。痛そう
1流のぼっちであるところの俺が出した解、それは
八幡「あー…」
突然の事に呆然とし顔にワンパン食らってひっくり返り浴槽に頭をぶつけた。犬だけに。足だけど
―――――――――――――――
ここで気絶するのは3流。ってもうさっきこれやったね
とりあえず気絶はしなかったものの状況は最悪。
俺の胸の中で震えている雪ノ下。の腹を押し上げるそそりたつ肉の棒。
雪ノ下は俺の息子など気にも留めず一心不乱に震えている。ちょっと気持ちいい
最後に俺の顔に張り付き尻尾を振るどっかで見た犬。この程度では防御力は下がらない
まず状況を打開すべく顔の犬をひっぺがす。
犬「キャンキャンキャン!」
目と目が合うー
しゅーんかんいーぬだと気付ーいたー
いや犬は分かってた。問題はこの犬に見覚えがあること。
この人懐っこさには覚えがある。名前は…サブ・・・サブ・・・サブちゃんか!
だがこの犬はそばかすも礼儀もない。顔に張り付く配達員なんて聞いたことない。
この犬とは衝撃的な出会いをした気がする。物理的な意味で
しかもすぐに記憶から消えてしまう点については同じクラスの川島を思わせる
川島?
そういやこいつ…
八幡「…由比ヶ浜んとこの…サブレ、か?」
犬「キャンキャンキャン!」ペロペロ
サブレが俺の顔中を舐めまわす。そして雪ノ下が震えて俺の息子を刺激する。
何これどこのサービス?
このままじゃ話が進まないので犬を浴槽の中に放りいれる。水をはっていないのでサブレは浴槽の底で脱出しようともがくだけである。
俺と雪ノ下は依然向かい合わせで折り重なり倒れている
八幡「…おい雪ノ下。犬はもう戦闘不能にしといたから離れてくれ…」
雪乃「…本当?」
雪ノ下が胸元から半泣きの目で見上げてくる。泣くほど怖かったのかよ…
八幡「本当だから。…そろそろやばいからどいてくれ」
雪ノ下が安心したように体をすこし浮かせる
自分の息子と久しぶりのご対面。戦い抜いた自分の息子に羨望のまなざしを注いだ。
だが理性の方はいまにも爆発しそうである。
雪乃「…?何をみているの?」
雪ノ下が俺の視線に気付き不思議そうに自分の腹部…つまり俺の息子に手を伸ばす。
八幡「お、おいお前」
さっき俺の見ただろ!どうなってるか分かってるだろ!忘れるほどの衝撃だったのかサブレ。
そのまま雪ノ下の手は進み俺の息子に…
触れた。
雪乃「!!」
触れた瞬間雪ノ下を思い出したように目を見開いた。おせぇよ…
ついに俺の理性
ではなく俺の懐の二世が今まで溜めてきたものを爆発させ雪ノ下のアゴを目にも止まらぬ速さで打ち抜いた。
…この一行だけ見ると親子二代で仇敵と対峙したガルーラが戦いの中で成長しメガ進化して
息子が自分の懐から飛び出し相手に一発をお見舞いしたようにも見受けるが
実際はただの高校生が同級生の家の風呂場で股間を膨らませたのち顔射しただけである。
メガ進化ガルーラはずるいよね。ずっと身代わり状態じゃんあれ。しかもかわいそうで攻撃できない
雪乃「…」
八幡「…」
雪ノ下は顔から白い液を滴らせながら何とも言えない表情でこちらを見つめていた。
――――――――――――――――――
カポーン
やはりこのカポーンは浴槽に湯を張っているほうが似合う
俺と雪ノ下は浴槽の中背中を向かい合わせて湯につかっていた。
どうしてこうなった…
俺の精液で顔を汚した雪ノ下に風呂を勧めたのだが
雪乃『あなたも…その、自分ので汚れているでしょう。その状態で居間にいられても困るわ』
雪乃『…あと、あなたが私の後に入ったら、私は居間で由比ヶ浜さんの犬と二人きりになってしまうから…』
雪ノ下は文化祭準備の一件以来人に甘えられるようになった。そのことはいいと思うがこの甘えかたはおかしい。
えっちなのはいけないと思います!
ちなみにサブレは陽乃さんから預かった小包を開けたら飛び出してきたようだ。なのでもとに戻しておいた
一緒に同封されていた陽乃さんからのメッセージカードには
【近所でなんとかヶ浜ちゃんの犬を見かけたから保護しておきました☆彡
あんまり元気でうるさいからちょーっと調教して暗いとこでは静かになるようにしておいたよ!
明日にでも返しておいてあげてね☆ byお姉ちゃん】
ちょーっと調教ってなんだよ。サーカスレベルの調教の間違いだろ
どおりで小包の中でおとなしいわけだ
雪乃「…湯加減はどうかしら」
八幡「ちょうどいいぞ」
雪乃「…そう」
八幡「ああ」
雪乃「…」
八幡「…」
気まずい。俺の知り合いと…気まずすぎる。某ラノベをパロろうと思ったけど登場人物少なすぎた
雪乃「…そ、その…ありがとう」
八幡「俺は何もしてねぇよ」
雪乃「したのよ。…でも何故あの犬は私を追ってきたのかしら…」
八幡「…あれはお前を追ってきたんじゃないと思うぞ」
雪乃「…?」
どういうこと?といわんばかりに小首をかしげる。その動作やめろ。かわいいから
八幡「由比ヶ浜んちの犬は俺の匂いを嗅ぎつけて風呂場に走ってきたんだろ」
八幡「…その軌道上にお前がいただけだ」
雪乃「…随分なつかれているのね」
八幡「…お前のおかげでな」
雪乃「…ふふっ」
こんな皮肉を言っても笑いあえる仲になっている
今の関係を俺は心地よいとまで思えるようになった。ていうか顔射の後にこんな雰囲気になれる関係ってなに?
雪乃「話はかわるのだけれど、比企谷くん」
八幡「な、なんだ雪ノ下?」
目が笑っているし口元も笑っている。完璧な笑顔なのだが何か寒々しいものを感じる。
雪乃「あなたの制服のポケットにこんなものがはいっていたのだけれど?」
雪ノ下が持ってきたタオルから取り出される子袋、青ざめる俺
もちろんその中には陽乃さんがなぜか俺にプレゼントしたゴムが入っている。
八幡「…違うぞ雪ノ下」
雪乃「何が?」
八幡「別に由比ヶ浜とどうこうとかじゃなくてだな」
雪ノ下が言い出しそうな事を先回りして言い訳する。
雪乃「…そんな事毛ほども疑っていないわ」
その信頼が逆に悲しい
雪乃「…これは姉さんから貰ったものでしょう?」
八幡「…よく分かったな」
雪乃「姉さんが作る小物なら分かるわ。…姉妹だから」
実はこいつ陽乃さんの事大好きなんじゃないかと思う。
雪乃「…比企谷くん、あなたはこれを今日使うつもりだったのかしら」
八幡「…」
どうこたえるべきだ。俺は使うつもりなんて毛頭もなくむしろ封印するつもりだった。
だが答えによってはこのまま、雪ノ下と次のステージに進むことができるかもしれない
雪ノ下も満更じゃない。…と思う
だがそうでないとき、この関係はなかったことになる。
俺が心地よく思っている場所がなくなる。
八幡「…いや」
だから俺は自分の居場所を守ることを選択した
雪乃「…そう」
雪ノ下は分かっていたと言わんばかりにうなずいた。
雪乃「私は使うつもりよ」
…
八幡「…は?」
は?
雪乃「…比企谷くんは学生の身分でいながら避妊もせず性交渉しようと言うのかしら?」
いやいやいやいや
八幡「雪ノ下…お前」
雪乃「全部あの人が仕組んだことでしょう。でもあの人は私たちがこれを使うことになるとは予想していないはずよ」
雪乃「単なるからかい。だから…手のひらで踊らされるなんて癪だから…一矢報いてあげましょう」
雪乃「…でも、そんなのはただの建前でそういうことをしたいのは…本当は…その」
雪乃「…意地でもなんでもないわ。純粋な好意よ」
行為だけにってか。やかましいわ!
八幡「…お、おう」
雪乃「…それだけ?」
八幡「い、いや。違うぞ…うん」
八幡「…俺も雪ノ下が好きだ。できればそういうことだってやりたいと思う」
雪乃「…そ、そう」
八幡「…」
雪乃「…」
八幡「し、しっかり体洗っとかないとな」
雪乃「え、ええ」
八幡「…俺たち、もう付き合ってるってことでいいのか?」
雪乃「…ええ」
――――――――――――――――――――
雪乃「んっ・・・あっ」
風呂をでた俺たちはどちらから言うともなくベッドの上でまぐわい始めた。
雪ノ下は俺に顔射されてからずっとそういう気分だったらしい。えっちな優等生っていいよね!
ちなみに行為の序盤かと思いきやすでに終盤も終盤、陽乃さんから貰ったゴムをつけ破瓜により赤く染まったシーツの上で雪ノ下に腰を打ちつけているところである
時をすり替えておいたのさ!
ちなみに行為途中の雪ノ下がかわいすぎて俺がいじわるしすぎたため行為が著しく停滞しすでに日をまたぎ朝の6時である。
初挿入は丁度24時、そこから何度も愛撫を繰り返し雪ノ下が感じるようになってきた。
まだ一発も射精はしていない。最後の一発に全てを託すのである。いや別に孕ませるわけじゃないけど
昨日の時点で金曜日で今日は土曜。今日はなぜか補習もない。完璧すぎる後付け設定である
八幡「…雪ノ下、そろそろ出そうだ」
雪乃「…ええ…んっ…私もそろそろっ…」
体位はというとみんな大好き対面座位である。みんなが嫌いでも雪ノ下が好きなら喜んでやるんだけどね。
雪乃「んっ・・・!あっ・・・」
雪乃「こ、このまま!お願い…八幡!」ギュー
みんな大好きだいしゅきホールドである。多分雪ノ下が…いや雪乃が好きだから喜んで受け入れる
八幡「雪乃!膣内(なか)で出すぞ!」
もちろんはるのんゴムをつけているから実際になかで出すわけではない。ただそんな雰囲気だった。
…なんか忘れている気がする。ゴムに作為的な何かがあった気がするがそんな事は気にしてられない
今は目いっぱい雪乃を愛するだけだ。
雪乃「来て・・・!八幡…!」ギュー
雪乃が足を締めると同時に雪乃の膣内も締まり一番奥で突き上げた瞬間顔射の時とは比べ物にならない勢いで射精する。
俺の精液が雪乃のなかを満たす。…ん?満たしちゃ駄目じゃね。
雪乃「八幡の…なかにいっぱい………なかに?」
雪乃も我にかえったようだ。
雪乃「…比企谷くん。これはどういうことかしら」
八幡「…お前の姉ちゃんに聞け」
思い出した。あのゴム穴開いてた。恋は盲目ってほんとなんだね。雪乃以外の事考えてなかったテヘペロ
八幡「雪乃以外の事考えてなかった」テヘペロ
正直に言った。つまり俺はこのことを知っていたのを正直に告白した。
雪乃「…」
あ、ちょっと赤くなってるかわいい。
雪乃「…やっぱり姉さんの手のひらの上、なのね」
>>132
これを見に来た
雪乃「…あの人には敵わないわ」ギュー
体力のない雪乃には約8時間の激闘は応えたのだろう。俺に体重を預けてくる。ていうかやりすぎィ!
八幡「…すまん」
雪乃「いいわ。今日は安全日だし、私たちを後押ししてくれた姉さんに免じて許しましょう」ニコッ
八幡「…おう。…それで雪乃、順序が逆になってるが…その…」
雪乃「…私も丁度したかった頃よ、八幡」
雪乃が目をつぶる。今までこれ以上のことを散々やってきたはずなのに緊張するのは当然だろう。
八幡「・・・」スッ
雪乃に顔を近づける。そして二つの影は重なり
―――二人は幸せなキスをして終了
陽乃「なんて終わると思った?残念!陽乃ちゃんです!」バーン
…すごい勢いで元凶が玄関を開け放った
雪乃「ね、姉さん?これは…その!」
流石の雪乃でも家族に性行為+キスシーンを見られるのは恥ずかしいのだろう。あわてふためくゆきのんかわいいのん
雪乃と繋がったままキスを見られるなんて頭がフットーしそうだよおっっ
陽乃「よーし、雪乃ちゃん終わったみたいだしお姉ちゃんも混ぜてー♪」ヌギッ
ハ?
雪乃「はぁ?」
八幡「はぁぁぁぁぁぁ!?」
どこぞの3兄弟もびっくりである。これ後半全然やんなかったよね
陽乃「今回雪乃ちゃんがお姉ちゃんに対抗しようとした結果がこれなんだよね?」ヌギヌギ
陽乃「いやー雪乃ちゃんも成長したなーって思って」バサッ
陽乃「それ見てたらお姉ちゃんも成長しなくちゃなーって」スルッ
監視してたのかよこの人…
陽乃「今のとこ私お母さんの操り人形じゃない?」パサッ
陽乃「だからお母さんの予想外の行動で反抗してみよっかなーって☆」
陽乃「私が雪乃ちゃんと同じ男に手篭めにされたらお母さんどう思うだろうね」
陽乃「それにお母さんがどんな手を打っても、私たち三人ならどうにかできると思わない?」
陽乃「だ・か・ら、抱いて?比企谷くん」
負けず嫌いなとこは姉妹で同じようである
雪乃「駄目に決まっているでしょう!」
陽乃「雪乃ちゃん、私はいま比企谷くんに聞いてるんだよ」
雪乃「でも、八幡は私の彼氏で…」
陽乃「いいから、雪乃ちゃんはほんとにわたしが嫌い?一緒に比企谷くんを愛したくない?」
雪乃「それは…」
陽乃「ふふっ、雪乃ちゃんかーわい。ねぇ比企谷くん、心配しなくても私処女だから…ね☆」
陽乃「それに…そんな建前関係なしに君の事が気になるからって言うのもあるし…」ボソッ
八幡「…聞こえてますよ。陽乃さん」
やはりこの姉妹はつくづくにている
陽乃「ありゃー聞こえちゃってた?恥ずかしーなー」
この人には珍しく本気で恥じらっている。そんなところを見せられると愛おしくなり
八幡「…雪乃。お前、いいのか?」
雪乃「…嫌よ。…でも一度だけなら私も我慢できるかもしれない。」
雪乃「…姉さん」
陽乃「何かな?もしかして比企谷くんくれるの?」
雪乃「あなた…私に先を越されて悔しいんでしょう」ニヤ
陽乃「…!い、いやー別にそんなことないよ?年上の余裕?みたいな?」
雪乃「ふふっ、いいのよ強がらなくて…」
雪乃「八幡、二人で一緒に可愛がってあげましょう」
…我が彼女ながら女、しかも姉すらいけるとは感服する。
いや俺だって小町いけるし、後で義妹設定が(俺の中で)追加される予定だし
八幡「…陽乃さん、その仮面はずして上げますよ」
八幡「あなたに貰ったゴムもまだ沢山ありますから…ね?」
陽乃「あ、あれー…こんなハズじゃ」
―――二人は幸せに姉を躍らせて終了
陽乃「なーんて終わると…あっ!ちょぉ雪乃ちゃんそこ駄目ぇ!」
―――終了
このSSまとめへのコメント
素晴らしいけど、終わりどころがもう少し長くてもいいんじゃね?