ドラえもん「え、ええ~!? 本物のポケモンを出してくれってぇ!?」 (85)

「ドラえもん×ポケモン」のクロスオーバーです

投稿は不慣れなので、何かマナー違反等あればお教えください
駄文ですが、よろしくお願いしますm(_ _)m

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第1話 ポケモン! きみにきめた! ▼

~ある日~

のび太「お願いっ!」

ドラえもん「そ、そんな無茶な!」

のび太「無茶でもなんでも! そこをなんとかっ!」

ドラえもん「できないよ!」

のび太「できるよ!」

ドラえもん「できないっ!」

のび太「できるよ、ドラえもんならできる! できなきゃ困る!」

ドラえもん(こ、この剣幕は一体……)

ドラえもん「僕にだってできないことはある! それに、今は君なんかより、こっちの方が困ってる! 君の無茶ぶりに困ってるんだ!」

のび太「そ、そんなこと言わないでさ! ホントのホントはできるんでしょお? ね、ね、ね?」

ドラえもん「もうっ、無理だってば!」

のび太「……」

のび太「……ホントのホントに?」ボソッ

ドラえもん「ホントのホントに!」

のび太「う……うぅうぅ……」ポロポロ

ドラえもん「わっ、な、何泣いてるんだよ?!」

のび太「お願いだよドラえもぉん……じゃないと僕……僕、裸で校庭一周して、その上、へそで茶を沸かさなきゃいけないんだあ!!」ウワァァン!

ドラえもん「ッ!?」

ドラえもん「い、一体全体、なんだってそんな話になったのさ」

のび太「ぐ……ひっぐ。そ、それは……だってジャイアンとスネ夫のやつが?──」

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~学校(放課後)~

ジャイアン「?──やっぱ、俺様のカイリューの強さったら無いよなあ!」

のび太「……」

スネ夫「けど、僕のポケモンだって負けてない! ペルシアンの【きりさく】は強力だし、それにゲンガーなんか、この前ジャイアンのポケモン3タテ」

ジャイアン「フンッ!」ボコッ!

スネ夫「いッ!!? 痛いじゃないかジャイアン!」

ジャイアン「うるせえ! 【さいみんじゅつ】なんて卑怯な技使ってきたお前が悪い!」

スネ夫「あれは、ちゃんとした戦略」

ジャイアン「まだ言うか!」ボカッ!

スネ夫「う、うう……酷いよお」グスン…

のび太「あ、あのお……」

ジャイアン「いいか? 戦略だかコンニャクだか知らないが、今後一切、ああいったコソクな技使うの禁止だかんな!」

スネ夫「そ、そんなあ~……」

のび太「あ、あのさ!」

ジャイアン&スネ夫「「ん?」」

ジャイアン「なんだ、お前いたのかぁ」

スネ夫「どうしたんだよ、のび太?」

のび太「そ、そのう……」

ジャイアン「……」

スネ夫「……」

のび太「ぼ、僕、ゲームばっかりじゃ不健康だと思うんだ!」

ジャイアン「はあ?」

のび太「だ、だからさ……そのう」

ジャイアン「……」

スネ夫「……」

のび太「……え~と、その」

ジャイアン「ったくもう! イライラするなあ! 男なら、グズグズしないでハッキリ言えよな!」

のび太「あ、あの、だからぁ……」

のび太「た、たまには野球とか! どうかな~なんて……思ったり……してみたり」ハハ…

ジャイアン&スネ夫「「野球~??」」

スネ夫「なんで君みたいなグズでノロマで?」

ジャイアン「その上、運動ウンチのやつが野球なんかやりたがるんだ?」

のび太「そ、そんなに言うこと?──」

スネ夫「ジャイアン、ジャイアン。それを言うなら‘’運動音痴”だよ」

ジャイアン「あ、そっかそっか」ダハハハハッ!

のび太「う……うう」

スネ夫「」チラッ

スネ夫「あ、そっかあ! わかったよ、ジャイアン」

ジャイアン「ん? 何がだ?」

スネ夫「のび太が、野球なんて柄にもないこと言った理由」ニヤ

のび太「っ!?」ギクッ

ジャイアン「へえ、そりゃなんだ?」ニヤ

スネ夫「のび太、お前話に入れなくて寂しいんだろ~?」

のび太「そ、そんなこと!」

スネ夫「でもしょうがないよ。だってお前、ポケモンどころかゲームボーイすら持ってないんだから!」ウフフフフ!

ジャイアン「えー? のび太、お前ゲームボーイも持ってないのかよぉ! おっくれてんなぁ」ニヤニヤ

スネ夫「ま、持ってないものは仕様がないし、のび太くんの成績じゃあ、親に買ってもらうのも厳しいだろうしさ」ニヤニヤ

ジャイアン「そりゃそうだw」

ジャイアン&スネ夫「「ゲハハハハッ!!」」

のび太「う……ぐうぅう」

スネ夫「ジャイアン、ジャイアン。こんな奴ほっといて今日の放課後も通信対戦しようよ。また新しい作戦考えたんだ」

ジャイアン「ほーう、そりゃいいや。どんな作戦だろうと、俺様自慢のパワーポケモン達で蹴散らしてやるぜぃ!」

のび太「あ……え。ちょっと、野球は」

ジャイアン「野球~?」

ジャイアン「おい、のび太。流行りものは流行ってるうちにやるもんだぜ」

スネ夫「そうそ、野球は後でもできるし」

ジャイアン「悔しかったら、お前もポケモン買えよな!」

スネ夫「それとゲーム機もねw」

ジャイアン「ああ、そうだったそうだったw」ダハハハハッ!

ジャイアン「ま、頑張れよ! じゃあな~w」

スネ夫「バイバ~イ」

のび太「う、ううう…ぬぐぅううう!」

のび太(なんだいなんだい、たかがゲームひとつ持ってないくらいで……それだけのことじゃないか!)

のび太「ち、ちょっと待てよ!」

ジャイアン&スネ夫「「……?」」ピタッ

ジャイアン「なんだよ、のび太」

のび太「君らはゲームの中のポケモンとしか触れ合えないじゃないか!」

スネ夫「のび太はゲームすら持ってないけどねw」

のび太「うるさいうるさーい!」

のび太「確かにゲームは持ってないさ、ああ、持ってないよ! でも──」

ジャイアン&スネ夫「「??」」

のび太「僕は本物のポケモンに会える! 餌だってやれるんだ! 本物だぞお! どうだ、羨ましいだろ~!」

ジャイアン&スネ夫「「はああ!?」」

スネ夫「そんなの出来るわけあるもんか。負け惜しみに嘘言うなよ!」

のび太「嘘じゃないぞ! ホントだい!」

スネ夫「ホントにホントか?」

のび太「ホントにホント!」

ジャイアン「嘘じゃないっての?」

のび太「しつこいぞ!」

スネ夫「じゃあ、仮に嘘だった場合、お前どうするんだよ」

のび太「……もし嘘だったら?」

スネ夫「そうだとも」

のび太「それは、そ…の……は、裸で校庭一周する……とか?」

スネ夫「それじゃ足りないね」

のび太「ええ!?」

スネ夫「そうだなあ……比喩じゃなく実際にへそでお茶を沸かして見せてよ」

ジャイアン「そりゃいいな」

のび太「っ!?」

のび太「そっ、それは」オドオド

スネ夫「どうしたの? できないってわけ?」

ジャイアン「てことはやっぱり」

のび太「ぬうぅうぅう……!」ギンッ

のび太「やる! やってやる! もちろん嘘じゃないけど、もし嘘だったら喜んでやってやるよ!」

ジャイアン&スネ夫「」ニヤニヤ

スネ夫「ふうん。じゃあ、約束だぜ」

スネ夫「楽しみにしてるよ」ニヤニヤ

ジャイアン「へへ、俺も俺も」ニヤニヤ

のび太「」ダラダラダラ…

スネ夫「ああ、そうだ。予定も決めとかなきゃね」

のび太「え?」

スネ夫「だってそうだろ? 無期限なんて言って、忘れた頃に見せられたって困るもんな」

スネ夫「とりあえず、今度の土曜の昼、僕ん家に連れてきてよ。ジャイアンはそれでいい?」

ジャイアン「ああ、良いぜ」ニヤニヤ

のび太「え、ち、ちょっ! 待っ──」

ジャイアン&スネ夫「「そんじゃあな~、のび太w」」

のび太「待ってよ……うう……こんのお!」

のび太「吠え面、かくなよな!!」

\カッカナイヨーダ!! ダッハハハハ!!/

ヒュウゥゥ…

のび太「……」ポツン…

のび太「……」

のび太「……カ」

のび太「バカ!」

のび太「僕の! バカ、バカ、バカァ!」

のび太「なんであんな約束しちゃったんだよお……! いくらなんでも無理だ!」

のび太「本物のポケモンだって? ゲームすら持ってないんだぞお、無茶だよ!」

のび太「う、く……ううぅ」

のび太「はあぁ……」

のび太(でも、今更謝るなんてもっと無理だしなあ……)

のび太(あー、どうしようどうしよう!)

のび太「もう、どうしたらいいんだよお~!!」

のび太「ドラえもぉおぉおぉぉぉ~~ん!!!!」


♪♪テレレテレレテレレテレレテレレテレレテレレレン(以下略)♪♪

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~家~

のび太「ってわけなんだよお」ハア…

ドラえもん「……」

のび太「ドラえもん?」

ドラえもん「のび太……僕は君をこれほどまでに嘆かわしく思ったことは無い……」

のび太「へ?」

ドラえもん「バカだバカだと思ってきてはいたけど、まさかここまでとは……!」

のび太「え? え? え?」

ドラえもん「ああ、なんだって君はこう……」ハアア…

のび太「ち、ちょっと」

ドラえもん「……」

のび太「ねえ、ちょっと!」

ドラえもん「……」

のび太「なに勝手に諦めてるのさ! ねえ、ドラえもん! ドラえもんってばあ!」

ドラえもん「……何?」

のび太「何じゃないよ! 僕と君との関係性の?──」

のび太「い、いや、違う違う! 今はとにかくポケモンの話だ!

ドラえもん「ポケモン……?」

のび太「そうだよ、ポケモンの話! 君はこのまま僕が酷い目にあってもいいのか?!」

ドラえもん「……一度、痛い目みるのもいいんじゃない?」

のび太「は、はああ??! 良いわけあるもんか! 絶対の絶対の、ぜ~ったいに嫌だい!」

ドラえもん「ふ~ん」

のび太「」カッチーン!

のび太「……なんだよ『ふーん』って。だいたいさ、君冷たいぞ! 親友がこ~んなに困ってるのに、その態度はなんだよ! この、寸胴たぬき!」

ドラえもん「な、な、な……」カッチーン!

ドラえもん「なんてこと言うんだ!」

のび太「本当のことじゃないか、メタボ!」

ドラえもん「むぅぅぅ~……! こ、この、メガネザル!」

のび太「赤っ鼻!」

ドラえもん「間抜け面!」

のび太「短足!」

ドラえもん「君にそれを言われたくない!」

のび太「けど、君よりゃ長い!」

ドラえもん「僕は猫型ロボットだもの、張り合うのが間違ってる!」

のび太「タヌキ型の間違いだろ!」

ドラえもん「い、言ったなあぁ~!! ボクは狸なんかじゃないぞ!!」

のび太「ああ、言ったさ! 言ったからなんだってんだよ!」

ドラえもん「じゃあ、僕だって言わせてもらうけどね! 君がゲーム機だのカセットだのを買えないのは、元はと言えば貯金できない君に問題がある!」

のび太「っ!!」

ドラえもん「お年玉とかまとまったお金が入る度、欲しい漫画やら、どうせ作りもしないプラモデルなんかにも手を出してさ! それさえなきゃゲームなんか買えてたはずだ!」

のび太「そ、それは今は関係」

ドラえもん「関係ある! ちゃんと買えてりゃ、僕らが喧嘩することもなかったんだ!」

ドラえもん「だいたい、君は軽々しく『出せ』だの、『無ければつくれ』だの言うけどね? 新しい種を創るってのは、そう簡単なことじゃないんだよ」

のび太「……どういうこと?」

ドラえもん「ペガやグリ達のこと、覚えてる? アレがいい例だ」

のび太「っ!!」ドキッ!

ドラえもん「彼らはまだ生態を予想できるからいい方だ。けど、ポケモンなんて……まるっきり分からない」

のび太「……」

ドラえもん「ね、分かっただろ? 君の思うより、これは深刻なことなんだよ」

のび太「……でも」

ドラえもん「でもじゃない! とにかく、無理なものは無理だからね!」

のび太「……」

ドラえもん「……」

のび太「……」スック

のび太「ちょっと……外行く」

ドラえもん「……」

のび太「バカ……」ボソッ

ドラえもん「……」

のび太(ドラえもんのバカ……)

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~裏山~

のび太「……はあ。うまくいかないなあ」

のび太(ドラえもんのバカバカ! あんなに厳しく言うことないじゃないか……あんなに)シュン…

のび太「やっぱり無理なのかなあ」

のび太(ペガ…グリ…ドラコ……元気にやってるかなあ)ハア…

のび太「……会いたいな」

のび太「……」

チュンチュン……チチチチチ……!

のび太「……鳥が鳴いてる……」

のび太(もしもあの鳥がポッポとかだったら、こんなふうに悩むことないのに……)

のび太「……」

のび太「……?」

のび太「『もしも』……?」

のび太(もしも、もしも……)

のび太「っ!」ハッ!

のび太「そうだ、そうだよ! 『もしも』だよ!」

チ? チュン! バサバサバサッ!

のび太「もしもボックスがあるじゃない!」

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~ふたたび家~

ドラえもん「言いすぎたかな」

ドラえもん「いくらなんでもペガ達のこと言うのは……のび太くん落ち込んでたな」

ドラえもん「やっぱり言いすぎてたな」

ドラえもん「……」

ドラえもん「しょうがない、一肌脱いでやろ。僕も一緒に謝って、もしダメなら、やることの半分だけでも引き受けて─?─」

ドタドタドタドタ!!!!

ドラえもん「ん? なんだ?」

のび太「ドラえもん、ドラえもん、ドラえもおぉん!」

ドタドタ!!

のび太「ドラえもん!」ダキッ!

ドラえもん「なんだなんだ、なんだあ!?」

のび太「いいこと考えた! いいこと考えた! 本当にコレは名案だよ!」

ドラえもん「い、いきなり抱きついてきて、一体なんなんだ!!」

のび太「だから、だからね!? もしもボックスだよ、ドラえもん!」

ドラえもん「もしもボックス? それがどうしたのさ」キョトン

のび太「だから、もしもボックスにお願いするんだ! 『もしも、ポケモンの世界になったら』って!」

ドラえもん「へ?」

のび太「だって、そうすれば生態(?)とか、難しいこと考える必要ないでしょ? 」

ドラえもん「……」

のび太「……」ドキドキ

ドラえもん「……」

のび太「ど、どうかなあ」ドキドキ

ドラえもん「ふーむ。そうか……」

ドラえもん「のび太くん、ナイスアイデア!」

のび太「」パァァ!

ドラえもん「確かにこれは名案だ! もしもボックス、そうだそうだ、もしもボックス!僕は どうしてこれを忘れてたんだろう!」

のび太「でしょお~!?」

ドラえもん「うんうん!」

のび太「じゃあ、あの、その……」

のび太「道具使ってもいい、かなあ?」

ドラえもん「え?」

のび太「いや、だって……その」

のび太「いつも頼ってばっかりで……」

ドラえもん「」ウフフ

ドラえもん「うん、大丈夫。良いよ!」

のび太「ドラえもん……! あ、ありがとう……!」

のび太「じゃあ、今すぐ?──」

ドラえもん「待ってのび太くん」

のび太「え?」

ドラえもん「気が急くのはわかるけど、どうせなら今夜にしようよ。明日は土曜だし、一日の始まりから新しい世界って方がキリがいい」

のび太「そう? そうかな」

ドラえもん「そうだよ」

のび太「じゃあ、そうしよっか!」

ドラえもん「うん!」

のび太「……」

ドラえもん「……」

のび太「……ごめんね、ドラえもん。嫌なこと沢山言って」

ドラえもん「ううん、良いんだ……僕も君を傷つけるような態度とっちゃった。ごめんよ、のび太くん」

のび太「別にいいよ」

ドラえもん「じゃあ、これで」

のび太「うん、これで」

ドラえもん&のび太「「仲直り!」」ギュッ

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~夜~

ドラえもん「じゃあ、いくよ?」

のび太「う、うん」

ドラえもん「もしもボックス~」テッテレテッテテーテッテー♪

のび太「よし、中に入ってと」ガチャ、バタン

のび太「じゃあ言うよ……」

ドラえもん「……」ゴクリ

のび太「……」

ドラえもん「……」

のび太「……」

ドラえもん「……??」

のび太「ああ、緊張するなあ……!」

ドラえもん「あらら……」ズコ~

ドラえもん「それじゃあ、しょうがない、僕が?──」

のび太「へ!?」

のび太「いーや、ダメダメ! この大役は僕に任せてくれ!」

ドラえもん「そう言うと思った」ウフフフ

のび太「……」スゥー

のび太「もしも……! ポケモンの世界になったら!」


ジリリリリリリリリリリリリン!!


ドラえもん「……」

のび太「……」

ドラえもん「……来たね」

のび太「……うん」

ドラえもん「……」

のび太「あのさ、一応なんだけど……来れたんだよね?」

ドラえもん「うん!」ニコッ

のび太「そっか、そうだよね……そうだそうだ」

のび太「……来た、来たんだ。本当に来れた」

のび太「やった、やったあ……! ポケモンの世界だ、ドラえもん、ポケモンの世界だよ!」

ドラえもん「ああ! そうだとも!」

ドラえもん&のび太「やったやった、やったった!」トットコトットコ、ドスンドスン!


\ウルサイワヨ!!/


ドラえもん&のび太「「」」ビクッ!!

ドラえもん&のび太「「……」」

のび太「……もう寝る?」

ドラえもん「うん、寝よ寝よ」

のび太「よーし!」フトン シキシキ

ドラえもん「よいしょ、んしょっと」オシイレ ハイリハイリ

ドラえもん「カーテンをめくるのはまた明日にして、今日はもう寝ましょ~う!」

のび太「お~う!!」


\イマナンジダトオモッテルノ!/


ドラえもん&のび太「「はーい!」」


カチッ…(消灯)


のび太「……それじゃ、おやすみ。ドラえもん」

ドラえもん「おやすみ。のび太く?──」

のび太「」クゥクゥ…

ドラえもん「あらら、もう寝ちゃってるよ」

ドラえもん「……」ウフフ

ドラえもん「よっぽど楽しみなんだ……おやすみ、のび太くん」

まだ一話の途中なんですがキリがいいので中断しようと思います
また明日、再開しますのでよろしくお願いします

ちょっと見直して思ったんですが、罫線がところどころバグっちゃってますね、なんででしょう?
謎です笑

再開します

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?ーーー
?ー



~朝~

???「??ーーさい! のび太! 早く起きなさい! のび太!」

のび太「う、うう~ん……ん?」

ママ「のび太!」

のび太「うわっ!?」バサッ

のび太「マ、ママ!? ど、どうしたの?」

ママ「どうしたの、ですってぇ……?」ワナワナ

ママ「何を悠長なことを言ってますか!! 今日がなんの日か覚えてないの!?」

のび太「なんの日って……」

のび太「なんの日?」

ママ「この、おバカッ!」

ママ「今日はあなたが独り立ちをする日! あなたが自分のポケモンを貰う日です! どう、思い出した!?」

のび太「え……」

のび太「えええぇええ!?」

のび太「な、ななな、何時から!?」

ママ「まったくもう……8時よ」ハァ…

のび太「」ソー……

時計「8:05」

のび太「は、はち、はちはち、8ぃぃッ!?」

のび太「も、もしかして……もう遅刻してる……?」ダラダラ

ママ「もしかしなくても、よ!!!」

ママ「分かったら、早く用意なさい……!」スクッ

のび太「う、うん!!」

ママ「」スタスタ…ピタッ

のび太「?」

ママ「……のび太」

のび太「な、何? ママ」

ママ「もしもよ? もしも」ゴゴ

ママ「これでポケモンを貰えなかったなんてことにでもなってみなさい……」ゴゴゴゴゴゴ

のび太「」ゴクッ…

ママ「ママはぜったいに許しませんからね!!」

のび太「は、はいぃッ!!」

ママ「フンっ」スタスタ

のび太「……」ボーゼン


ガラッ


ドラえもん「うーん、一体どうしたってんだよ、朝からうるさいなあ」

のび太「……」

ドラえもん「ん~? どうした、のび太くん?」

のび太「ド、ドラえもぉ~ん……どうしよお」グス

ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー



ドラえもん「エッホッエッホッ! ああ、まったく、こりゃ大変だ!」タッタッタッタッ

のび太「大変なんてもんじゃないやい!」タッタッタッタッ

のび太「もしこれでポケモンを貰えなかったら……ああ、考えなくない、考えたくない!」プルプル

ドラえもん「心配するなよ、家追い出されたってさ、いざとなったらまた原始時代にでも住めばいいんだ」

のび太「そ、そういう問題じゃなぁい!」ハアハア

ドラえもん「しっかし、君も運がないよなあ」

のび太「うう……言うなよお! 気にしてんだから」ハアハア

のび太「」ハアハア

ドラえもん「」エッホッエッホッ

のび太「……う、うう」ハアハア…ゼェハァ

のび太「うううぅう……!」ゼェ…ゼェ…ゼェ…

のび太「ああ、あああ! もう無理ぃ……もう限界! 僕ぁもう、一歩だって走れな~い!」バタン…

ドラえもん「ち、ちょっと……! おいこら、のび太!」

ドラえもん「もう! 君の進退がかかってんだぞ? 今走らないでどうする!」

のび太「だってぇ~」

ドラえもん「だってじゃないよ! ったくもう!」

???「あれ、のび太? のび太じゃん!」

のび太「ん……んぇ? だ、誰?」キョロキョロ

ドラえもん「あ、のび太くん! あそこ!」

のび太「え?」

ジャイアン「よお!」

のび太「ジ、ジャイアン……!」

ジャイアン「のび太、お前どうしたの? こんなとこで」

のび太「べ、別に……」

ジャイアン「ま・さ・か」ニヤーッ

のび太「な、なにさ」

ジャイアン「いやな? まさかとは思うけどさ、これから学校行こうってんじゃないよなあって思ってよ」

のび太「っ!」ギクッ!

のび太「べ、別に関係ないだろ!」

ジャイアン「へへ、そりゃあな。関係ないっちゃないけどさ」

ジャイアン「」ニヤニヤ

のび太「……なんだよお」

ジャイアン「そんな身構えんなってば。いやな? これからお前、必死こいて走るんだろうなあと思うとさ」

ジャイアン「そんな可愛いそ~な、の~~び太くんを一言応援してやるのも漢気だなって。俺様の心意気よ」ニヤニヤ

のび太「……どの口が」ブツブツ

ジャイアン「いいか? じゃあ、心して聞いてくれよな」ユビサシ ビシッ!

ジャイアン「のび太! 今日遅刻するようじゃあ、お前はポケモントレーナーとして最初っからコケってる!!」

のび太「へ?」パチクリ

ドラえもん「のび太くん……君今バカにされたんだよ!」コソコソ

のび太「え?……あ」カアァッ!

ジャイアン「ふっ、くく、く……ガッハハハハハ!」

のび太「な……ん」

のび太(ま、またバカにしてぇ!!!?)

ジャイアン「ヒッヒヒヒヒ、ハハハハハッ!」

のび太「……そ、そうやって僕のこと」

ジャイアン「?ん?」

のび太「僕のことバカにするんだから、君はよっぽどすっご~いポケモン受け取ったってことでいいんだろ!! それを見せてみろよ!」

ジャイアン「なんだぁ?」

のび太「だってそうだろ!」

ジャイアン「……へえ、言うじゃんよ」

のび太「言うよ、ああ、言ってやる! ジャイアン、覚悟しろっ! もしも、これで君のポケモンがショボいのだったら!」

ジャイアン「へえ、ショボいのだったら?」

のび太「ショボいのだったら?……え、え~と……うんとぉ」

ドラえもん「な、何も考えてなかったのか!?」

のび太「だ、だってぇ~……」

ジャイアン「俺様のポケモンがショボかったら、一体全体どうするんってんだよ、ええ? 言ってみろよ、のび太!」

のび太「そ、それは……」

のび太(こ、怖い……でも、このままバカにされてばっかりで居られようか……! よーし、言ってやる……! 言ってやるったら、言ってやるんだ!)グッ!

のび太「よ、よよよ容赦しないぞって、そう言おうとしたんだ! 君のポケモンがもしショボいのだったら、その時は僕に誠心誠意、心の底から謝れよな!」

ドラえもん「えらい! のび太くん、よく言った!」

のび太「おうとも!」フンスフンス

のび太(こんだけ言えば……)チラッ

ジャイアン「へえ、言うじゃん?」ニヤニヤ

のび太(あ、あれぇ、やけに自信ありげだぞぉ? イヤな予感……)

ジャイアン「おい、のび太!」

のび太「ふえっ!? な、なに」

ジャイアン「じゃあ、俺様のポケモンがショボくなかったら、お前どうすんだよ!」

のび太「え……それは」

のび太「ええっとお~……」

ジャイアン「なんだよ、何も考えてないっての?」

のび太(た、確かに、ここまで言って、もしジャイアンのポケモンがよっぽどのやつだったら……どうしよう)

のび太(間違いなく、酷い目に……)ダラダラダラ

のび太「……あ、あのう、そのお……やっぱり」

ジャイアン「ん?」

のび太「今の無しってことにはーー」

ジャイアン「なると思う?」

のび太「じ、じゃあ、容赦しないのは僕じゃなくて、ドラえもんがってことにはーー」

ドラえもん「え、ええッ!? 何言ってるんだよ!」

のび太「いや、その……」アハ、アハハ…

ドラえもん「君ってやつは! カッコつけるなら最後まで責任もってやれ!」

のび太「だ、だってぇ~」

ドラえもん「だって、じゃない! 君はボクをなんだと思ってるんだ!使い勝手のいい人形かなんかと勘違いしてるんじゃない??!」

のび太「そ、そんなこと思っちゃいないよ! 君は僕の親友だ! ただ……ただ、勇気を出しきれなかっただけなんだよお」

ドラえもん「今更、親友なんて、白々しくて聞いちゃいらんないや!」プイッ

のび太「ごめんよ、ごめんってばあ」

ドラえもん「ふんっ!」

のび太「ちょっとドラえもぉん!」

ドラえもん「ふんったら、ふ~んっ!」

ジャイアン「……」

ジャイアン「」ゴホンッ

のび太「ちょっと、ねえ、ドラえもん。ホントに本気で怒ってる? ね、ね?」

ドラえもん「見て分からないの。怒ってる」

のび太「ねえ、僕が悪かったからさ許してくれよお。君のこと傷つけるような事しないって約束するからさ」

ドラえもん「ボクはそんな口先だけの謝罪じゃぜ~ったいに許さない! 尻軽じゃないぞぉ!」

のび太「そりゃ、体型的に見ても尻は重ーー」

ドラえもん「」ギロッ!

のび太「つ、つい本音が……じゃ、なくてだね?」

のび太「頼むよ、口先だけなんて思わないでおくれよ。ここ数日で君には迷惑かけ通しだけど、ホントに僕は……」

ドラえもん「」ツーン

のび太(参ったなあ、すっかりへそ曲げちゃって……いや、そうだ、こんな時は)

のび太「どら焼き! いろいろお礼したいしさ、後で奢るよ!」

ドラえもん「」ピク…

ドラえもん「……ホントに?」

のび太「ホントに!」

ドラえもん「……約束する?」

のび太「約束する」

ドラえもん「……何個?」ボソ

のび太「う……2個、とか?」

ドラえもん「2個ぉ?」

ドラえもん「はーあ……いーんだいーんだ、別にいーんだ。君の誠意がそんなもんなら……ボクは、やっぱりーー」

のび太「わっわっわっ! 待って待って! じゅっ、10個買うよ!」

ドラえもん「……もう一声」

のび太(しょうがない!)

のび太「に、20個ッ!」

ドラえもん「のび太くん……」

のび太「……」ドキドキ

ドラえもん「ほんと~う!?」パァアア…!

のび太(ま、満面の笑みだ)コクコク

ドラえもん「よ~し、許してやる!」

のび太「あ、ありがとう?」

のび太(で、良いんだよね……? これは……)

ドラえもん「」ウフフフッ!

のび太「」エ、エヘヘ………ハァ

のび太(漫画…おやつ…我慢しなきゃなあ……)

ジャイアン「……なんだこりゃ」

ジャイアン「……」

ジャイアン「俺のこと置いてけぼりにしてやんの」

ジャイアン「」ゴホンッ

ジャイアン「……」

ドラえもん&のび太「「あ……!」」エヘヘヘ

ドラえもん「ごめんごめん、そうだった、すっかり忘れてたよ」ウフフフ

のび太「うん、僕もごめんよ。ジャイアン」ヘヘ

ジャイアン「……話戻すけど、いい?」

ドラえもん&のび太「「いいよ、いいよ!」」

ジャイアン「」ゴホンッ

ジャイアン「では」スゥー…

ジャイアン「のび太だろうがドラえもんだろうが、俺様にとっちゃあ屁の河童よお! 容赦しなけりゃしないでいいぜ!」

ジャイアン「ま、とにかくだ! こんだけせがまれてんだもん、俺様のポケモン見せるっきゃーー」

ドラえもん「なにを勘違いしてるんだ! 僕ら別にせがんじゃいないやい!」

のび太「?そうだそうだ!何言ったって、 どうせ見せびらかす気だったんだろうしさあ。ちょっと自意識過剰なんじゃないの~?」

ジャイアン「いーんだよ! 展開上、そーゆうことにしとくの!」

のび太「あーんなこと言ってら」

ドラえもん「しょうが無い、自慢したがりなんだよ」

ジャイアン「うるせぇッ!! 俺が見せるったら見せるの! 余計な茶々入れんなよな! ったくもう!」

ジャイアン「よーし! ほんじゃあ、目ん玉(※耳)かっぽじってよ~く見てろよぉ!」

ドラえもん&のび太「「……!」」ゴクリッ

ジャイアン「行くぜぇ!! 俺様の、あいッぼぉぉおぉうッ!」

ピカッ!!

???「ピィィィイイィ!!!」

ドラえもん「おお!」

のび太「あ、あれは!」

ジャイアン「へへ、どうだ? この俺様の! 文句なしのレアモン、その名もミニリュウだぜいっ!」

ミニリュウ「ピィ! ピィィイイ??」

ドラえもん&のび太「「……」」

ジャイアン「……? どうしたんだよ」

ドラえもん&のび太「「いやさ」」

ドラえもん「まあ、何というか……あんなに君が言ってくるもんだから?ーー」

のび太「ど~んな凄いのが出てくるかと思ったら?ーーねえ?」

ドラえもん&のび太「「これぇ???」」

ミニリュウ「ピィ?」パチクリ

のび太「な~んだいなんだい! こ~んなにちっちゃいじゃないか!」

ドラえもん「それに、あんまり強くなさそうだね」

のび太「ち~っとも怖くないしさ! これじゃあ、まるっきり口だけだね」

ジャイアン「な、何をぅ……!」

ジャイアン「だったら、さっき驚いてたのは何だったんだ!」

のび太「えーと……雰囲気かなあ。ドラえもんもだろ?」

ドラえもん「うん」

ジャイアン「な……ん……ぐぅ、ううぅうぅう……! 言わせておけば……!」ワナワナ…!

のび太「こりゃあ、さっきの話も僕の勝ちかな~」ハハハハ!

ジャイアン「ーーッ!!」

ブチッ!

ドラえもん「!?」ビクッ

ドラえもん(なんか今、切れた音が……)

ジャイアン「……」ユラ…

ドラえもん(な、なんだかまずそうだぞお……!?)ダラダラダラ

ジャイアン「」ギンッ!

のび太「へ~んだ! 凄んだって無駄だい!」

ドラえもん(の、のび太のバカ! これ以上煽ってどうすんだ!)

ジャイアン「目にもの…見せて、やる」ギリギリギリ

ジャイアン「う……うおぉ、おぉおぉぉおッ! ミニリュウッ! 【ふぶき】ッ!!!!」

ミニリュウ「ピィイ…!」キィィイイィ!

のび太「……ん」

のび太「なんだろ、首の珠が光って……?」パチクリ

ミニリュウ「ピィッ!」キンッ!

ビュウッ! ブゥオオオオオォォオォッ!!!!

のび太「ーーふぇっ!??」

のび太「な、なな、な、なぁああっ!?」ダッ! ミカワシ!

ゴォオオオオオォォオォッ!!!!

ドラえもん「……ん? ちょっと、ええ!? 何で!!」

ドラえもん「ふわッ!? うわあぁあ!!」ビュオッ! ピッキーン!

ドラえもん「う…うぅ」

ドラえもん「さ、寒……い……」カチッコチ

のび太「へ……へえぇぇあぁ……」ヘナヘナ…

のび太(道路までカチコチに……た、助かった)

ジャイアン「へ、へへ……! やっぱし大枚はたいてでも、わざマシン買って良かったぜ……!」ゼェ…ハァ

ミニリュウ「ピィ」スリスリ

ジャイアン「ん? ああ、よーしよし」ナデナデ

ミニリュウ「ピィ! ピィイ!」ニコニコ

ジャイアン「おつかれ、戻っていいぞ」

ミニリュウ「ピィ」

ピカッ!

ジャイアン「……さてと」

ジャイアン「どうだ、お前ら。まいったかっ!」

ドラえもん&のび太「「うう……」」

のび太「まいったあぁ~……」

ドラえもん「まい……り……ましたぁ……」カチッコチ

ジャイアン「今度また俺の相棒を貶してみろ、そしたら、こんなもんじゃないぞ、ギッタンギッタンのメッタンメッタンにしてやるからな! 分かったか!」

ドラえもん&のび太「「はあぁあ~い……」」

ジャイアン「ふんっ!」

ジャイアン「ホントは【はかいこうせん】でも撃ってやりたいとこだけど、それはさすがに可哀想だ。ここいらで勘弁しといてやらあ!」

ジャイアン「あばよ、のび太ぁ!」


オッレ-ハジャイアーン ガァキダッイッショーウ♪


のび太「……」

ドラえもん「……」

のび太「……行った」

ドラえもん「い……行った……みたいだね」カチッコチ

のび太「ふう~」ドサッ

のび太「はあぁああ……ビックリしたあ」

ドラえもん「……」

のび太「……しっかし」

のび太「凄かったねえ、あれ。【ふぶき】って言ってた」

ドラえもん「うん…そうだね」カチッコチ

のび太「ねえ、ドラえもん? 僕の貰うポケモンもあんなに強いのかなあ」

ドラえもん「ど……う……だろうね……」カチッコチ

のび太「けど、強いだけじゃダメだな。僕ぁやっぱりカッコいいのが欲しいなあ」

のび太「ねえ、ドラえもんはどんなのがいい?」

ドラえもん「ボクも…カッコいいのが良いけど……そうじゃなくて……のび太くん……ちょっと」カチッコチ

のび太「可愛いのもいいなあ」

ドラえもん「ちょっと…のび太くんってばあ……!」カチッコチ

のび太「なあにぃ~?」

ドラえもん「ボ……ボクのこと……たす……けてくれよお……!」カチッコチ

のび太「え……ああッ!! わ、忘れてたっ!」トビオキッ

ドラえもん「ひ…酷い……」カチッコチ

のび太「ごめんよお。何か、道具を使えばいいよね?」

ドラえもん「う、ん」

のび太「……」

ドラえもん「……」カチッコチ

のび太「……う、う~ん」

ドラえもん「……どう……した?」

のび太「凍っちゃってて、ポケットが開かないんだよ……ど、どうしたもんかなあ」

ドラえもん「……そ…それは……どうしたもんか」

ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー



~学校 校門付近~

のび太「ようやく校門が見えてきたあ!」タッタッタッ! ハァッハァッ!

のび太「それにしたって、まったくもう! ジャイアンのせいでとんだ道草食ったもんだ!」タッタッタッ! ハァッハァッ!

ドラえもん「ああ、まったくだ」タッタッタッ!

のび太「」ハァッハァッ!

のび太(そういえば、今何時なんだろ……ああ、なんだか考えただけで不安になってきた……!)

のび太「ねえ、ドラえもん? 今何時かわかる?」ハァハァ

ドラえもん「ええ? 走りながらそれ聞く? まったくもう、ちょっと待ってくれよ……」ゴソゴソ

ドラえもん「あっ、あったあった! 普通の目覚まし時計ぃ~~」

のび太「んなことやってる場合か!」ハァッハァッ

ドラえもん「いいの、いいの。ファンサービスなんだから」

ドラえもん「そんなことより。え~と、どれどれ? 今はねぇ……って! うわぁっ、もう8時半過ぎだ!」

のび太「8時半……!? う、嘘でしょお!?」ピタ…

ドラえもん「嘘なもんか、ほら、見ろよ!」ピタリ

時計「8:35」

のび太「僕の目がおかしくないとすると、確かにこれはどう見ても……」

のび太「わ、分かっていたこととはいえ、先生怒ってるだろうなあ」

ドラえもん「まあ、そうかもね」

のび太「考えてもみろよ……今日みたいな日に遅刻なんて、廊下に立たされるだけで済めばもう奇跡だ。それに、もしこれでポケモン貰えなかったらママが……」

ドラえもん「鬼になるって?」

のび太「そうだよ、その通りだよ! ジャイアンやスネ夫だってバカにしてくるだろうし……しずかちゃんにまで情けないとこ見られて」

のび太「はぁあ……」

ドラえもん「もうっ! そうやって悪い方悪い方って考えるの君の悪いとこだぞ!」

のび太「でもぉ……」

ドラえもん「でも、じゃない! 遮二無二やるっきゃない!」

のび太「ううう……わかったよお!」

タッタッタッ

ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー


~教室~

先生「?ーーいやはや、本当に面目次第もありませんで……せっかくここまで御足労いただいたのに……」

???「いえいえ、お気になさらず。ままある事です」ハッハッハッ!

先生「そう言っていただけると……いやしかし」

先生(まったく、野比のやつめ。よりによってこんな大事な日に遅刻などしおって!)

ダダダダダダッ!!!!

先生「ん?」

ガラッ!!!!!

ドラえもん&のび太「「とうちゃ~くっ!!」」

先生「っ!?」ビクッ!

のび太「は~! つかれたよぉ~」ヘナヘナ…ドサ

ドラえもん「おつかれ、のび太くん!」

ドラえもん「ん~?」パチクリ

先生「……」

ドラえもん「あっ! これはこれは先生方、本当にお待たせしてしまいまして、どうも」ニコニコ

ドラえもん「ほら、のび太くん! 君もあいさつ!」

のび太「そうだったそうだった」

のび太「おはようございます、先生! あと、遅れちゃってホントにごめんなさいっ!」

先生「……むぅう」ワナワナ

ドラえもん(こりゃ、まずい!)

ドラえもん「あ、あのお!」

ドラえもん「のび太くん、確かに寝坊はしたんですけど、でも一生懸命走ってきてたんですっ! 今日をずっと楽しみにしてて……」

のび太「ごめんなさい、先生」ペコッ

先生「」ムッ

先生「……簡単に謝るが、君は?ーー!」

???「まあまあ、先生。どうやらこの子も反省しとるようですし」

先生「し、しかし! 私一人ならまだしも、博士までーー」

???「いやいや」

???「この子のせっかくの門出です。先生としてもどうせなら、と思わんことも無いでしょう?」ニコ

先生「それは …!」

先生「……」ハァ

先生「それを言われると……弱いですなあ」

???「」ニコニコ

のび太「……」

先生「顔を上げなさい、野比」

のび太「」ビクッ

のび太「なっ、なんですか?」

のび太「」ピシッ!

先生「ハァ……」

先生「……そう身構えんでよろしい」

のび太「は、はあ」

先生「博士もこう仰られていることだし、今日のところは勘弁しよう」

のび太「え?」

のび太「そ、それってーー」

先生「ただし??!」

のび太「」ビクッ

先生「遅刻はいかん! 待つのが私だけならまだしも、今日のような日には来てくださった方に失礼になる! わかるかね? 返事は!」

のび太「は、はい!」

先生「以後、気をつけるように!」

のび太「はいっ!」

ドラえもん「許してもらえてよかったじゃない」

のび太「うん」

のび太(ホントに、良かったあ~)

のび太(あとはポケモンを貰うだけ…どんなのがあるのかなあ……!)クフフ

先生「では博士。さっそくお願いできますか?」

???「ええ、そうですな。では?──」ゴソゴソ

のび太(よーし、いよいよ…!)

ツンツン

ドラえもん「のび太くん、のび太くん」ヒソヒソ

のび太「ん?」

ドラえもん「しっかし、僕ら運がいいね」ヒソヒソ

のび太「え? なんで?」ヒソヒソ

ドラえもん「なんでって……」キョトン

ドラえもん「ひょっとして君気づいてないの? ほら、あの人、たぶんオーキド博士だよ」ヒソヒソ

のび太「オ、オーキド博士ッ!? この人が?」

ドラえもん「わっ、声が大きいっ」

先生「何かね、野比くん! いきなり大声なぞ出して」

のび太「い、いえ! なんでもありません」エヘ、エヘヘ…

ドラえもん「」ハァ…

のび太「で、この人がホントにあの?」ヒソヒソ

ドラえもん「本当に気づいてなかったのか……」ヒソヒソ

のび太「君が気づいたのの方が驚きだい」ヒソヒソ

ドラえもん「ん? 別に驚くほどのことじゃないよ」ヒソヒソ

のび太「え?」ヒソヒソ

ドラえもん「ポケモンと言えば、22世紀でもまだまだ人気な作品なんだ。それこそ、僕のような子守りロボットの?ーー」ヒソヒソ

オーキド博士「?ん、んん? ありゃあ?」

ドラえもん&のび太「「……?」」

先生「どうされました、博士?」

オーキド博士「いや、そのですなぁ……なんと言って良いやら」

ドラえもん「どうしたんですか?」

のび太「ま、まさか、もうポケモンが残ってない……とか」

オーキド博士「ああいや、いるにはいるんじゃが……」

のび太「え? それならどうして……」

オーキド博士「いや、その……ちと問題が」

ドラえもん「問題ですか?」

オーキド博士「今回、坊やたちに配るポケモンを用意するにあたって、扱いやすいものを中心に集めたんじゃが……どうにもワシのうっかりで、妙なのが紛れ込んでしまったみたいでなあ」

オーキド博士「あまり扱いやすいとは言えない奴なんじゃが……どうしたものか」

のび太「それをください!」

オーキド博士「ん?……いや、しかしなあ」

のび太「遅刻した僕にも問題があります! それに、どうせなら今日、胸張って旅立ちたいんです!」

のび太(貰えるならどんなのでもいい! ここでポケモンもらえなきゃ、えらいことだぞ! ママに殺されちゃうよお~!)

ドラえもん(なんて、考えてるんだろうな)

オーキド博士「ふ~む」

オーキド博士「少し日数をくれれば、またポケモンを選ぶ機会は与えてやれんことも無いんじゃが……坊や、それでもか?」

のび太「はい!」

オーキド博士「意志は固い、か……よかろう! ならば!」

ピカッ!

???「ヤァ……ドォーン」

先生「ま、まさか」

ドラえもん「こ、これを初心者ってのはーー」

のび太「そんな! これって?ーー」

のび太「ーーなんてポケモン?」エヘヘヘ

ドラえもん&先生&オーキド博士「「「ハァ……」」」

のび太「え、な、なになに? なんでみんなそんな目で見てくるのさ」

先生「まったく…カントーのポケモンといえば3年までに習う内容だというのに」

ドラえもん(まあ、ゲームもしたことないんだ、知らなくても無理はないけど)

オーキド博士「じゃあ……ワシから説明しようか」

のび太「」コク

オーキド博士「コイツはヤドン。別名、まぬけポケモン。その名の通りマヌケでのろく、反応も遅い。いつもボーッとしているせいで意思疎通もしにくい」

のび太「そ、それじゃあ、バトルは」

オーキド博士「当然、弱い」

ヤドン「ヤァ?」

のび太「……」

オーキド博士「やはり、やめるかね?」

先生「野比、これは流石にーー」

のび太「いえ! 僕やっぱり行きます、ヤドンと一緒に!」

オーキド博士「ふーむ」

のび太「……」ドキドキ

オーキド博士「……そうか、男に二言はないか!」ニッ!

オーキド博士「偉いっ!」

のび太「え、ええ!?」

のび太「そ、そんな、僕なんか」

オーキド博士「いやいや、一度決めたことを貫くというのは、これでなかなか難しい」ニコニコ

ヤドン「ヤァ」

オーキド博士「ほれ、ヤドンも喜んでおるようじゃ」

のび太「え?」

ヤドン「ヤ!」

トテ…トテ…トテ

ヤドン「ヤァヤァ」

のび太「どうしたの?」シャガミ

ヤドン「ヤァヤァン」

のび太「ん~?」ナデナデ

ヤドン「ヤァ」ペロペロ

のび太「わっわっ! 舐めてきた、舐めてきたよ、ドラえもん!」 パァア…!

ペロ…ペロ

のび太「もう、くすぐったいよぉ」エヘヘヘ

ドラえもん「いいなぁ、僕にも触らせてよ」

のび太「えー」

ドラえもん(露骨にイヤな顔)ムッ

ドラえもん「なんだいなんだい、のび太のケチンボ!」

のび太「ケチンボなんて、そんなあ。ちょっとした冗談じゃない」ハハハ!

ドラえもん「むう……」

のび太「ほら、どうぞ」

ドラえもん「ありがと」ナデナデ

ヤドン「ヤァ?」

ドラえもん「……かわいいね」

のび太「でしょお!?」

ドラえもん(嬉しそ~な顔しちゃって、まあ)

ドラえもん「でも、なんでかなあ、似てるよね。のび太くんと」

のび太「え? どこが?」

ドラえもん「さて……うーむ、顔かなあ、雰囲気かなあ」

のび太「ええ~? それって褒めてるの? それとも、ノロマって言ってるの?」

ドラえもん「さあ、どちらでしょ~か」ウフフ

のび太「ちぇっ……」

のび太「ま、似たもの同士、頑張るさ。ねー、ヤドン」

ヤドン「ヤァ…!」

ドラえもん「」ウフフ

オーキド博士「さて、そろそろ」

のび太「あ、ごめんなさい」

オーキド博士「ふふ、いやいや。それで、だ。旅立ちにあたって餞別を」ゴソゴソ

オーキド博士「まずはモンスターボール。ヤドンのボールと、余分に5つ渡しておこう」ヒョイ

のび太「おっとっと」パシッ

のび太「へえ、これがモンスターボール」

ドラえもん「僕にも見せて」

のび太「うん」ヒョイ

ドラえもん「へぇ~、ボールって大きさ変えられるんだ、凄いや」カチッカチッ

のび太「うわっ、ホントだ!」


ワイワイ


オーキド博士「」ゴホンッ

ドラえもん&のび太「「……あ」」

オーキド博士「喜んでもらえたようで何より。しかし、餞別はまだもうひとつあるぞ? それはな、このポケモン図鑑じゃ!」

のび太「ポケモン図鑑?」キョトン

オーキド博士「なに、知らんのか? 」

のび太「は、はい」

オーキド博士「……」チラッ

先生「……」ワナワナ

オーキド博士(やれやれ…)

オーキド博士「ならば、説明しよう。こいつの操作は簡単。しかし、それでいて相当な優れもの。知りたいポケモンにかざすだけで──例えば、このように」スッ

ヤドン「ヤァン?」

ピコンッ!

ポケモン図鑑「ヤドン まぬけポケモン。いつも ボーッとしていて なにを かんがえているか わからない。しっぽで エサを つるのが とくい」チカチカ

オーキド博士「基本的な図鑑説明に加えて、覚えている技なども見ることが出来る。他の機能については図鑑内にある説明書を読むといい」

のび太「わぁ、ありがとうございます!」

先生「私からも、本当にありがとうございます。他の生徒と同様、こんなにも良くしていただいて」

オーキド博士「いやいや、礼には及びません」

オーキド博士「さて、野比くんだったね?」

のび太「はい!」

オーキド博士「ポケモンを受け取った以上、君は大人への一歩を踏み出したことになる。しかし、まだまだ一人前にはほど遠い。冒険の中で経験を積み、常に己を研鑽することを忘れずにいなさい」

のび太「あ、ありがとうございます!」

オーキド博士「うんうん」

先生「野比くん」

のび太「はい、先生」

先生「ここからの旅の進み方で提案がある。聞くかね?」

のび太「お願いします!」

先生「うむ、では。まずは、ニビを目指して北西へ向かうといい」

のび太(トキワ? 町、だよね?)

先生「ニビでは遠すぎると思うなら、南下してタマムシに行くのもありかもしれんが……周りに生息するポケモンのレベルから見て危険度が高すぎるし、その先のヤマブキには不穏な噂もある」

先生「それに、もしジムの攻略を目標にするなら、尚のこと、ニビからハナダへ回って行った方がいい」

先生「まあ、まずはご両親と相談してみなさい」

のび太「わかりました!」

※ のび太の住所は練馬区とのことなので、タマムシ(世田谷想定)の北西あたりにある小さな町(タウン)という想定です

先生「それと近頃、物騒になってきているからね。もし何かあれば、直ぐに交番に駆け込むんだ。分かったかね?」

のび太「はい!」

先生(返事だけなら、一丁前だな)ハァ

先生「ま、よろしい」

先生「なら、後は早くお家に帰ってご両親に君のポケモンを自慢するだけかな」ニコ

のび太「え?」

先生「おおかた、急かされてきたんじゃないのかね?」

のび太「え、あ……それはそのお」カァ…

先生「ほら! だったらなおのこと!早く帰ってあげなさい!」

のび太「は、はい!」ペコッ

のび太「失礼します!」タッタッタッタッタッ

ドラえもん「あ、ちょっと、のび太くん待ってよ!」

ドラえもん「まったくもう、しょうがないんだから!」

ドラえもん「先生、博士、今日は本当にありがとうございました。のび太くんもきっと?──」

\ドラエモォーン! マダァー? /

ドラえもん「今、大事な挨拶してるんだから少し待っててよ!」

\エ! ゴメーン、ワカッタヨォ! /

ドラえもん「あ、あのお…」

先生「早く行ってやるといい」ニコ

ドラえもん「」パァア…!

ドラえもん「えへへ、それじゃ、僕もこれで」ペコリ

タッタッタッタッタッ

\ モウッ! オソイジャナイノサ! /

\キミガセッカチスギルンダ! /

先生「まったく、うかれおって」

オーキド博士「余程、楽しみだったようじゃ」

先生「ええ、そうなんでしょうが」

オーキド博士(ふーむ、しかし、あの青い……ポケットが付いていたことからしてガルーラ、いや、ラッキー?)

オーキド博士(見たことの無い姿、そして人語まで解するとは……研究用にサンプル採取を?──)

先生「ところで博士、この後のご予定はありますか?」

オーキド博士(いや、そもそもポケモンなのかすら分からんのがなあ)

先生「あの、博士? 博士」トントン

オーキド博士「ん?」パチクリ

オーキド博士「あ、ああ、これは申し訳ない。少し考えごとをしていたもので。それで、なんでしたかな?」

先生「この後のご予定なんですが……」

オーキド博士「予定? いえ、特には。それこそ、昼飯にどこか美味い定食屋でもさがそうかな、などと思っておったくらいでして」ハッハッハ

先生「ちょうど良かった! それなら、ここの近くに良い店があるんです。もし宜しければどうでしょう?」

オーキド博士「ほお、そりゃあ良い! 是非、行きましょう」ニコニコ

先生「それに、博士に少し相談したいこともありまして。実は、家で飼っているガーディなんですが、最近?──」

オーキド博士「それは確かに。ちなみに?──」

ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー



~のび太の家 居間~

ママ「石鹸持った? 着替えは? 歯磨きセット忘れてないわよね? あと、インスタント食品、日持ちしないのは持ってけないし、それから?ーー」

のび太「マ、ママ」

ママ「あとは、炊事用のゴム手袋と、そうそう、洗濯干す用のロープも買ってあったから持ってくるわね。その他には、えーっと?ーー」

のび太「ちょっと、ママってば!」

ママ「何、のびちゃん?」

のび太「こんなに持ってけないよお」コンモリ

ドラえもん「おわぁ、山になってるよ」

ママ「持っていけなくても、持っていくのよ。人間、がむしゃらにやる気を出せば無茶なんてものはありません」

のび太「そんなぁ」

ママ「情けない声出すんじゃないの。旅先でどんなトラブルがあるか分からないのよ?」

ママ「いっくらドラちゃんが付いてくれていても、あなたって子は大事な場面で必ずひとつ抜けの出るような子だってことを忘れちゃいけませんよ。用意周到、常備不懈、胸中に成竹ありとは昔の人もよく言ったものよねえ」

ママ「うーん……そういえば、お皿も20枚かくらい、お茶碗も20個くらい入れたほうがいいかしらねえ? 確かおかっての方に使わないものがあったような?ーー」スタスタ

のび太「ド、ドラえもんっ、あんなの全部持ったら潰れちゃうよ!」

ドラえもん「うーん……仕方ない、後でスモールライト貸してやる」

のび太「ありがと~う! 持つべきものは親友だねぇ~え」ウルウル

ドラえもん「君ってやつは調子がいいなあ」



ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー



~玄関前~

のび太「じゃ、行ってきます。数日中には連絡するけど、パパによろしく言っといて」

ママ「ええ、分かったわ。道中くれぐれも気をつけるんですよ」

のび太「うん、分かったよ」

ママ「じゃあ、ドラちゃん、のび太のことお願いね。あなたもちゃんと体に気をつけて、くれぐれも病気しないようにね、いいわね?」

ドラえもん「はい、ママ」ニコ

ママ「それじゃあ、2人とも。行ってらっしゃい」

ドラえもん&のび太「「行ってきま?ーー」」

\オォーイッ! チョットマッテクレェ!/

ドラえもん&のび太&ママ「「「?」」」

???「はぁはぁ……良かった、間に合った……!」

のび太「パ、パパっ!?」

パパ「はぁ~……疲れたあ~」フゥー…

ママ「あ、あなた、どうして?」

パパ「いやあ、早退してきたんだ。のび太にとって大事な日だからね。それに、渡したいものもあったから?」ゴソゴソ

のび太「なになに?」

パパ「見て驚くなよお?──じゃじゃ~ん、ポケギア~!」

のび太「ポケ……ギア?」

パパ「あれ、知らないかい? これを使えばポケモンセンターからでなくても電話ができるんだ。ラジオも聞けるっていうんで、お隣の地方からどんどん広まってきてるんだよ」

パパ「折角ならと思ってね、プレゼント」

ママ「でも、高かったんじゃない?」

パパ「小遣いの中から少しずつ貯めてたんだ、心配ないさ」ハハハ

のび太「パパ、ありがとう……僕、頑張るよ」

パパ「ん? ああ。でもね、のび太」

のび太「……?」

パパ「頑張るのはいいけど、あんまり気負わないように気をつけるんだよ。折角、色々なところを回るんだ。将来とかそんなことは二の次で良いから、一生懸命、楽しんでおいで」

のび太「うん……うん!」グス

ドラえもん「のび太くん。良かったね」

のび太「うん」

ママ「これ、使いなさい。ね」ハンカチ ヒョイ

のび太「ありがと、ママ」

ドラえもん「別れは惜しいけど、のび太くん。そろそろ」

のび太「そうだね……うん、そうだ」ゴシゴシ

のび太「よーし……! 行こう、ドラえもん」

ドラえもん「うん!」

のび太「それじゃあ?──」

ドラえもん&のび太「「行ってきま~す!」」

パパ「はい、行ってらっしゃい!」

ママ「体調にはくれぐれも気をつけるのよ~!」

タタタタタッ!

パパ「……」

ママ「……」

パパ「もう見えない、か。なんだか寂しいね」

ママ「ええ……」

パパ「二人のこと、心配かい?」

ママ「そうなんだけど……ううん、違うのよ」

パパ「……」

ママ「……もう、二人とも居ないのね?」

パパ「うん、大丈夫」

ママ「そう……良かった」

ママ「ダメね……あの子の門出なのに」グス…

パパ「そんなことないさ。君だって、たまには良いんだよ……ね?」ニコ

ママ「……ありがとう」



??ーーーこれはまだまだ、少年のび太が辿るお話の、その始まりに過ぎない。
ポケットモンスター、縮めてポケモン。
いま旅立つ二人と一匹の前に壮大なポケモン世界の謎と冒険が待っている……とは言うものの、今の彼らはまだまだちっぽけ。
彼らの明日に待っているのは光……それとも闇……
ゆっくりと、しかし着実に歩みを進める先の未来は……!
その答えを知る日は、遥か先に君を待つ?ーーー

ーーーーーーー
ーーーーー
ーーー



ママ「誇らしいような……なんとも言えないわね」

パパ「ああ、そうだねえ」

ヤドン「ヤァ」ポロポロ

ママ「ん? あらあら、ヤドンちゃんも泣いちゃって……」

パパ「ハハ、ホントだ……ん?」

ママ「……ん?」

ママ&パパ「「……」」

\チョット、ノビタ!! マチナサイ、ノビタァー!!!/

のび太「ん?」



?ーー君を待つ……?


               ? TO BE CONTINUED?

一話目が終わりということで…すぐにでも二話目に行きたいところですが…
実を言うと『第二話』以降はまだまだ書けていません
今年、なかなか余裕がないので投稿できても何ヶ月か先になりそうです。忘れたころにやってきますので、その時にはまたよろしくお願いします

※補足
魔界大冒険を見るに、他世界線のものを元の世界に持ってくることもできなくはないかなと思うので
とりあえず冒険した後にポケモンをタイムマシン経由でスネ夫たちに見せびらかすのが、のび太の計画です

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