かのん「…」ｼｬｺｼｬｺ…

ｽﾏﾎ ﾎﾟﾁｯ

かのん「…Lスタグラムはと…」

…みんな更新無しか…

まあ、休日だもんね…

お母さんもありあも、どっか行っちゃってるし…

…すみれちゃん…も、更新無しかな…

ﾎﾟﾝ♪

かのん「お？…噂をすれば、すみれちゃんだ」ｶﾞﾗｶﾞﾗ…


ハッシュタグ、今日は休日

ハッシュタグ、どこか行こうかな


かのん「ぺっ…すみれちゃん、どっか行ってるのかな」ｽｯ

あ、歯磨き粉無くなりそう…

…後で買いに行かないと

かのん「さて…」

部屋に戻って、作曲でもするかな…

ﾎﾟﾝ♪

かのん「ん…すみれちゃん更新してる」


ハッシュタグ、雨の日

ハッシュタグ、出鼻をくじかれた


かのん「ハッシュタグ…今日はお休みだった」

かのん「ん？この看板…」

あっ、もしかして！？

ﾄﾞﾀﾀﾀ…

ｲｯﾀｧｯ!!ﾀﾞﾚ?!ｶｲﾀﾞﾝﾆﾋﾟｯｸｵｷｯﾊﾟﾅﾉ…!!

ーかのんの部屋ー

ﾊﾞｧﾝ!!

かのん「窓っ！！」ガチャ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「休みったら休みなのね…まあ普通か…かの、今日は休日だし」

「じゃあ…どうしようかしら」ｽﾀ…


ﾊﾞｧﾝ!!

「すみれちゃあん！！！」

「ぎゃらっ！？」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ー店内ー

かのん「Lスタ見てなかったら気づかなかったよ～」

すみれ「お邪魔します、ごめんなさい、お休みの日なのに」

かのん「いーのいーの、すみれちゃんなら」

すみれ「あら、あたしは特別なのかしら？」

かのん「うんっ、そうだよ！」

すみれ「ふふ、臆面もなく…ありがと」

かのん「…ままま、座ってよ。何にするー？」

すみれ「重ね重ね本当に良いの？幾ら休日だからって…」

かのん「んもー硬いなぁすみれちゃんは。そんなんじゃショウビジネスの名が泣くよ」

すみれ「ショウビジネスの名が泣くって何よ…じゃあ、カフェオレを頂ける？」

かのん「はーい！私も同じやつにしよ…あ、ホット？アイス？」

すみれ「ホット…あいや、アイス…？」

すみれ「湿気で少し暑いからアイス…でも日陰は寒いからホットの方が…」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

かのん「…すみれちゃん、意外と優柔不断？」

すみれ「し、仕方ないじゃない！せっかく頂けるなら最高の物を…！」

かのん「はいはい、じゃあアイスねー」ﾌﾟｼｭｰ

すみれ「勝手に決められた！？…ありがとう」

かのん「ふふ…少々お待ち下さいねー♪」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ｺﾄｯ

かのん「はいっ、お待たせしましたっ！かのんスペシャル！」

すみれ「かのんスペシャルて…わっ、凄い美味しそうね？」

かのん「うちのカフェオレは、少しだけチョコをふりかけてるんだ」

すみれ「…少し？」ﾕﾋﾞｻｼ

かのん「あは～…久しぶりに作るからかけすぎちゃって…さ、サービスサービス！！」

すみれ「サービス過剰ね、でも最高だわ」

かのん「えへへ、ありがと！私は普通のカフェオレ…と」ｺﾄｯ

すみれ「…」ｽﾏﾎｽｯ

かのん「…」ｽﾏﾎｽｯ


ﾊﾟｼｬﾊﾟｼｬ…

すみれ「ハッシュタグ、友達が作ってくれた…」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

かのん「ハッシュタグ…上手く出来た…」ﾎﾟﾁﾎﾟﾁ

すみれ「…よし、と…」

かのん「何か…時代だね」

すみれ「曲がりなりにも私達は発信者だからね…」

かのん「うん、SNSばんざいだね」

かのん「じゃあ、頂きま…何その手」

すみれ「え？乾杯待ちだけど」

かのん「コーヒーで？？？乾杯するの？？？」

すみれ「ショーウビジネス界じゃあ、常識よ？」

かのん「そうなんだ…聞いた事ないけど…」

すみれ「良いから、ほれ」ｽｯ

かのん「はいはい…」ｽｯ


ｷﾝ…


https://youtu.be/UzGZ02LptuQ

すみれ「…うん、とっても美味しい」

かのん「お粗末です…うまっ」

すみれ「久しぶりに良いコーヒーだわ…」

かのん「でも、雨なのにお出かけするなんて…暇だったの？」ｽﾞｽﾞ…

すみれ「うーん、まあね…暇な時は家にいたくないタイプなの」

かのん「外出するタイプかぁ…私は家の方が良いかな」

すみれ「作曲とかあるものね」

かのん「いやいや、いつもやってる訳じゃないよー。何だかんだ現代っ子なものでして、もっぱらLチューブばっか見てるよ」

すみれ「私も最初はそうだったけど…Lトック見てて、気付いたら3時間くらい経ってた時にヤバいって思ったわ」

かのん「ある。それはホントあるよ」

すみれ「皆そんなもんよね…」ｽﾞｽﾞ…

かのん「よっぽどアンインストールしようかと思ってた…出来なかったけどね！」ｽﾞｽﾞ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ﾊﾟﾀﾀﾀ…

すみれ「…いいわね…雨音聞きながらのコーヒーってのは…」

かのん「窓の外側に、小さい屋根をつけて雨音がよく鳴る様に設計したんだって。お父さんが」

すみれ「良いセンス過ぎるわね」

かのん「大雨の時はうるっさいけど」

すみれ「仕方ないわよそれは」

かのん「ずっどどどどどって…」

すみれ「ぷふっ、わざわざ口で言わないでくれる？笑っちゃうから」

かのん「ずべべべべべ」

すみれ「あははは！！よく言えるわね！？」

かのん「ふふふっ」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

https://youtu.be/EDfyuglz8uU

すみれ「あー、笑った…」

かのん「すみれちゃん結構沸点低いね」

すみれ「誰のせいよ…そういえば、このお店は音楽はかけないの？」

かのん「いつもかけてるよー！あ、何か聞く？そこの棚がCDとかレコードとかの棚だよ」

すみれ「へぇ、開けてもいいかしら？」

かのん「どーぞどーぞ」


ｶﾞﾗｯ


すみれ「…すっご」

かのん「殆どお父さんの趣味だねー、少しお母さん」ｽﾞｽﾞｯ

すみれ「結構なもんよこれ…うわっ、ハンク・モブレーにロイ・エアーズ…デイブ・ブルーベックまで…」

かのん「おおう、知ってるんだ」

すみれ「お父さん色々聞くわね、ジャズだけじゃなくてR&Bもソウルも…」

かのん「ブラックミュージック系はお父さんかな、ジャズはお母さんだと思う」

すみれ「うっは、スタン・ゲッツにビル・エヴァンス、マイルス・デイヴィスは外さないわね…」

かのん「…すみれちゃーん、帰ってきてー」

すみれ「うわ、チャック・ローブ？小林香織と来て、アース・ウィンド・アンド・ファイアーと来ますか！？キャー！！カーメン・マクレエにエリカ・バドゥ…！！」

かのん「…すみれちゃんっ！！」ｷﾞｭｯ

すみれ「ギャラクシー！？な、何よ！？」

かのん「何よじゃないよ！せっかく2人で会ってるんだから私とも話してよ！！」

すみれ「だ、だって…うわファーサイドにザ・ルーツ、ソウルズ・オブ・ミスチーフて…」

かのん「むーっ！！」ｷﾞｭｳｩ…

すみれ「ぎゃああぁぁらくしぃぃぃ！！！分かった分かったせめて緩めて力をぉぉぉ！！！」

かのん「…」ｽｯ

すみれ「は、ハグは辞めてくれないのね…」

かのん「力緩めてとしか言われてないもん、すみれちゃんもハグして」ｷﾞｭｯ

すみれ「ほんっと…魔性ねアンタ」ｷﾞｭｯ


ｻﾞｰｯ…

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ｼﾄｼﾄ…


「こういうの、誰彼構わずやってないでしょうね…？」

「ちーちゃんには…」


ﾊﾟﾀﾀﾀ…


「まあ、リエラ内だけなら…良いのかしら？」

「あんまりやると勘違いされるわよ、ただでさえ人気出てきてるんだから…」

「…すみれちゃんにしかしないもん」

「…え…？」

「…なんてね！」ﾊﾟｯ

「あ…」


ｻﾞｰｯ…


「…コーヒー、冷めるよ？飲もっ」

「…ええ…まだ熱いくらいだけど」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

かのん「ま、こういう時位は私だけ見ててねって事」

すみれ「まぁた勘違いされそうな事を…」

すみれ「…分かったわよ、あんただけ見てる」

かのん「え…ほんと？」

すみれ「こういう時、はね？限定よ」

かのん「むー、いつもにしてよ」

すみれ「常設はしませーん、アップデートをお待ち下さい」

かのん「すみれちゃんのアルファ版」

すみれ「それ悪口？」


ｶﾗﾝｶﾗﾝ…


かのママ「はーっ、雨止まないわね…」

すみれ「はっ！？」

かのん「あ、おかえりお母さん」

かのママ「あら、誰かがいるとは思ってたけど、すみれちゃんね？いらっしゃい」

すみれ「す、すいません！ご無理を言って、休日にお邪魔してしまって…！」

かのママ「かしこまらないでよ、かのんといつも仲良くしてくれてるんでしょ？この位モーマンタイよ！」

すみれ「あ、ありがとうございます…！」

かのん「あはは、ガチガチのすみれちゃんだ」

すみれ「当然でしょ、目上の方なんだから」

かのママ「ま、彼氏でも連れて来てたら引っぱたいてたけど」

すみれ「怖っ！！」

かのん「あっはっは…」ﾁﾗｯ

すみれ「…？」

かのん「…因みにどっちを引っぱたくの？」

かのママ「え？そりゃ両方よ」

すみれ「！？」

かのん「ひえー…怖い怖いっ」

かのん「じゃ、気をつけないとね？すみれちゃん」

すみれ「何であたしに振るのよ！？」

かのママ「あら、すみれちゃんが？うちのかのんを宜しくお願い致します」ﾍﾟｺｯ

すみれ「いやいやいやおかしいですよね！？何でそうなるんです！？」

かのママ「あっはっは！まあ、ゆっくりしていって頂戴、良かったらホットケーキでも焼く？」

すみれ「いやいや、流石にそこまでお手数お掛けするわけには…」

かのママ「いーのっ、じゃあ作ってくるわ」

すみれ「あ、ちょっ…もう、有難いけど申し訳無さ過ぎるわ…」

かのん「…ほんとなら良いのに」ﾎﾞｿｯ


すみれ「…え？」


かのん「ほんとに私の相手は、すみれちゃんだったらいいのになー♪って！」


すみれ「あんたね…冗談でもそういう」

かのん「冗談、じゃないけど」


すみれ「…っ！」

かのママ「すみれちゃーん？メロン乗っける？」ﾋｮｺｯ


すみれ「えっ、あっ、はいお願いしますっ！」

かのママ「素直で宜しい！えーとリンゴはどこだったかしら～っと」ｽﾀｽﾀ…

かのん「…」

すみれ「…アンタんむっ」


ﾋﾟﾄｯ


かのん「しーっ…今はホットケーキ、食べよ」

すみれ「…」ｽｯ


ｸﾞｲｯ

かのん「え」


ﾁｭｯ


すみれ「…今は、ほっぺたが精一杯」

かのん「…すみ、れちゃ…」


「やっば温度上げすぎたかもぅあっちち！！かのん！！牛乳持ってきて！！」

かのん「あ、うん…」

すみれ「ほら行ってきなさい」

すみれ「…私は、アンタを待ってるから」

かのん「…うんっ」


「あれ？！チョコどこ置いたかしら！？ちょっと、かのーん…！！」