かのん「お互い素直じゃないけどお互いに意識してるからあぁやって衝突するんだと思うんだよね」

かのん「っていうかそもそも大体の場合可可ちゃんがすみれちゃんにちょっかいかけるのが始まりだし」

かのん「可可ちゃんがすみれちゃんを好きすぎるのが問題っていうか！」

かのん「すみれちゃんも満更じゃなさそうで、可可ちゃんとじゃれあってる時が一番楽しそう！」

かのん「はぁ、尊い……」

恋「そうなのでしょうか？」

かのん「もう、恋ちゃんはわかってないなあ」ﾌﾟﾝﾌﾟﾝ

恋「はあ……。かのんさんがそこまで言うならそうなのでしょうか……」

千砂都「はあ、かのクゥ尊いなあ……」

恋「かのくぅですか？」

千砂都「あ、恋ちゃん。ほら見て。かのんちゃんと可可ちゃん」

千砂都「まっすぐな可可ちゃんにかわいいって言われて真っ赤になってるかのんちゃんかわいいよね」

千砂都「可可ちゃんってかのんちゃんのこと大好きだから」

恋「しかし、かのんさんは可可さんはすみれさんのことが好きだと」

千砂都「あー、かのんちゃん鈍感だからなあ」ｱﾊﾊ

千砂都「あんなに好き好きオーラ出されて気付かないなんて、可可ちゃんかわいそうだよね」

千砂都「でもかのんちゃんも絶対可可ちゃんのこと好きだし！」

千砂都「歌うことを諦めてたかのんちゃんにもう一回歌の道を示してくれた可可ちゃんには感謝してると思うし」

千砂都「かわいいとか綺麗な歌声とか言われて嬉しくないわけないし！」

千砂都「でも、可可ちゃんはすみれちゃんが好きなんだなあって勘違いして夜に部屋で一人涙をこぼすかのんちゃん――」

千砂都「かのんちゃんは自分が可可ちゃんを好きだってことにも自覚がないからなんで自分が泣いてるのかわからずに戸惑っちゃう！」

千砂都「泣いてるかのんちゃんに寄り添うかわいいマンマル！」

千砂都「あああああああああああ！ 尊い！」

恋「当のかのんさんはクゥすみ尊いとか言っていた気もしますが……」

恋「というかマンマルさんは関係あるのでしょうか」

可可「はあ……」

恋「可可さんは何を見ているんですか？」

可可「かのちぃデス」

恋「かのちぃ……。かのんさんと千砂都さんですね」

恋「可可さんも尊いというやつですか？」

可可「トウトイ？」

可可「それはワカリマセンが、可可はかのちぃを見て癒されているだけデス」

恋「癒し、ですか？」

可可「オサナナジミだからあの2人ってとーってもナカヨシ」

可可「でもお互いを思い合うあまりすれ違うこともありマス」

可可「それこそ最初に千砂都をスクールアイドルに誘おうとした時、かのんは『これ以上無茶は言えないよ』と言って千砂都を誘いませんデシタ」

可可「その時の千砂都の微妙な表情、可可は見逃しマセンデシタよ！」

可可「ホントはかのんと一緒に活動をしたい千砂都。千砂都のことを思って誘わなかったかのん――」

可可「きっとあの時千砂都は可可に嫉妬してマシタ」

可可「本当は同じ気持ちなのにすれ違っていたのデス！」

恋「つまりお2人は好き合っていると？」

可可「さすがレンレン！ わかってマス！」

恋「似たような話を聞いてきたので……」

可可「可可は思うのデス。千砂都はマンマルが好きだってかのんの家に遊びにいきマスが」

可可「本当はかのんと会いたくて行ってるのデス！」

可可「かのんが千砂都のたこ焼きを買いにいくのも千砂都に会いたいカラ」

可可「かのんママに聞きマシタ。かのんは千砂都のお店で買ったたこ焼きを食べないことがあると」

可可「それが示すものはたこ焼きが目的ではなく本来の目的は千砂都であるというかのんの本心デス」

可可「オサナナジミだからお互いを家族のように思ってマス」

可可「けど、同時に2人とも家族では抱かない感情に戸惑っているハズデス！」

可可「じれったい！ けどそれがいいのデス！」

可可「レンレンも温かく見守ってあげてクダサイね」ﾆｺｯ

恋「は、はい」

可可「そうだ、レンレン。今日の授業で分からないとこがありマシテ」

恋「古文ですか？ 実は私も数学で難解な問題がありまして、可可さんに教えてもらいたかったんです」

可可「レンレン先生、ヨロシクお願いシマス！」

恋「こちらこそ。可可先生、よろしくお願いします」

すみれ「はぁ……」

すみれ「やっぱりクゥれん尊いったら、尊い……」

かのん「あっ！」

かのん(やっぱりすみれちゃん、可可ちゃんのこと見てため息ついてる)

かのん(恋ちゃんと一緒にいるからやきもち妬いてるのかな？)

かのん(がんばれすみれちゃん……！)ｸﾞｯ

千砂都(かのんちゃん、可可ちゃんとすみれちゃんを交互に見てる)

千砂都(そういえば恋ちゃんが、かのんちゃんは可可ちゃんがすみれちゃんのこと好きだと思ってるって言ってたよね)

千砂都(だからすみれちゃんを見て握りこぶしなんて……！)

千砂都(大丈夫だよ、かのんちゃん。可可ちゃんはかのんちゃんのこと大好きだから！)

千砂都(もしかするとすみれちゃんは可可ちゃんのこと好きかもしれないけど、可可ちゃんの気持ちはかのんちゃんのものだから……！)

可可(千砂都、かのんにあんな熱視線を送って――)ﾁﾗｯ

可可(かのんもすみればっかり見てないで千砂都の方向いてあげてクダサイ！)

可可(っていうかなんですみれを見てるんですデスか、かのん！)

可可(愛する人は後ろにいマスよ！)

可可(じれったい、でもそれがいいのデス！)

恋「……可可さん？ どうしました？」

恋「お勉強に身が入っていないようですが……」

可可「そ、そんなことないデスよ！？ レンレンとの勉強楽しいデス！」

恋「ふふ、お勉強を楽しめるのも可可さんの素敵なところですね」

すみれ「っ！」

すみれ(あれはもしかして「私だけを見て」っていうこと！？)

すみれ(危なかったわ、危うく気を失うところだった……)

すみれ(恋ってば結構ヤキモチ妬きなのね)ｸｽｸｽ

かのん(さっき可可ちゃん、すみれちゃんの方見てた！？)

千砂都(可可ちゃんちらちらとかのんちゃんのこと見てたよね！？)

可可(千砂都、かのんを見て幸せそうデス)

3人(尊い……)

可可(癒されマス……)

おわり