玄「……なんてね？」

宥「へ？」

玄「冗談だよ、お姉ちゃん」

宥「じょ、冗談なの……？」

玄「ねえ、そんなことよりさ」

玄「これ見てよこれ」

宥「……準決勝の映像？」

玄「うん！特にこの場面を見てほしいんだ」

宥「？」

玄「ここだよここ」

玄「私がレイプ目してるとこだよ」

宥「あっ、あれは…その…嫌な事件だったね……」

玄「これ全国で流れたんだよね？」

玄「あーあ、今頃ネットにレイプ目ドラ川ロー児ｗｗｗｗとか書かれてるだろうなぁ」

宥「く、玄ちゃん……？」

支援

玄「……くそ」

宥「え？」

玄「阿知賀一美少女の私が……」

玄「この私が…なんであんな醜態を晒さなきゃいけないのさ」

玄「むかつくのです…イライラするのです……」

玄「きっと決勝でもボコボコにされるのです……」

玄「うっ…うう…あああああああ！！」

玄「おねえちゃぁ…助けて……」

玄「私もうあんな思いはたくさんだよぉ……うわああああん……」

宥「玄ちゃん……」

宥「安心して玄ちゃん」

玄「……」

宥「いっぱい点棒奪われてもお姉ちゃんが取り返してあげるから……ね？」

玄「だめだよ」

宥「えっ」

玄「それじゃあ、結局私はまた戦犯顔を晒すことになるんだよ……」

宥「で、でも」ｱﾜｱﾜ

玄「お姉ちゃん、お願いなのです！」

玄「弘世さんに頼んで宮永照を始末してほしいのです！」

宥「し、始末……？」

玄「うん！だってお姉ちゃん、ネットじゃ弘世さんと出来てるって噂あるし」

玄「それくらいお願いすれば大丈夫だよね？」

宥「それはちょっと……」

あそこの毛を毟り取れば、能力が激減する様な気がする

玄「……死のう」

宥「えぇ！？」

玄「みんなには悪いけどもう私疲れちゃった……」

玄「お母さん、今そっちに行くからね……」

宥「あわわわ。だ、ダメだよ。簡単に死ぬなんていっちゃ……」

玄「はぁ……」

宥「わ、わかったよ。なんとかしてみるよ……」

玄「お願いしますのだ……」

宥(はぁ……)

宥(玄ちゃんにはああ言ったけど……)

宥(始末するなんて無理に決まってるよね……)

宥(どうしよう)

ﾊｧ

菫「ん？あれは……阿知賀の松実宥？」

菫「やあ」

宥「あ、弘世さん……はぁ」

菫「どうした？ひどく溜息をついてるようだが」

宥「実は……」ｺﾞﾆｮｺﾞﾆｮ

菫「いきなりおもちなんてただの飾りと言いだしたと思ったら」

菫「次は照を始末してほしい？」

宥「はい……」

菫「……妹さんはひどく病んでいるな」

宥「私がいけないんです……」

宥「私がいつも玄ちゃんを甘やかせてきたから……」

菫「ふむ。一理あるかもしれないな」

宥「やっぱり……」

菫「照を始末することは出来ないが」

菫「妹さんのその腐ったメンタルを鍛え直すことなら手伝えるぞ？」

宥「ほ、ホントですか！？」

菫「ああ」

宥「あ、ありがとうございます！」

宥「私もこのままじゃいけないと思ってたんです！」

菫「ははは。気にするな。では早速妹さんのとこへ向かおうか」

宥「はい！」



灼「あ、宥さん……あれ？」

灼「何で白糸台の弘世さんと一緒に……」

灼「とりあえず写真、写真……」ﾊﾟｼｬ

灼「そしてアップロード、アップロード……」

出かける前支援

玄「きょうもおそらはきれいだなー」ﾎﾞｹｰｯ

玄「あ、ちょうちょさんまってー」ﾖﾀﾖﾀ

菫「あ、あれが妹さんなのか？」

宥「はい……」

菫「……もう手遅れなんじゃ――」

宥「うぅ、玄ちゃん。どうしてこんなことに……」

菫「ま、まあ私も全力を尽くしてみるよ……」

菫「妹さん」

玄「ふぇ？」

玄「あ、あなたは弘世さん！宮永さんはもう始末したんですか！？」

菫「いや、やってないしするつもりもない」

玄「……はっ！？」

玄「ま、まさかお姉ちゃんとグルになって私を始末するつもりですか！！」

玄「ひどいよ……こんなのってないよ！！」

玄「うわあああああああああああああああああん！！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

菫「お、おい落ち着け！」

ｻｯ

宥「玄ちゃん、目をつぶって」

玄「？」

ﾊﾟｰﾝ!

玄「……えっ」

玄「……」ﾋﾘﾋﾘ

玄「…………」ﾋﾘﾋﾘ

玄「私が……ビンタされた……？」

玄「優しいお姉ちゃんから……ビンタをされた？」

菫「お、おい松実さん……」

宥「私が玄ちゃんをいつまでも甘やかせたのが悪かったんです」

宥「もう私逃げません！姉として妹をしっかり面倒見ます！！」

菫「……そうだな」

菫「それが一番いいと思うよ」

宥「はい！」

宥「じゃあ玄ちゃんは決勝戦に備えて私と一緒に対宮永さんの練習しよ？」

ﾎﾟﾂｰﾝ

宥「あ、あれ？」

宥「玄ちゃんが……消えた！？」

菫「窓だ！窓から私達が会話してる隙に逃げだしたんだ！」

宥「あわわわわわ」

玄「あう……ひどいよお姉ちゃん」

玄「弘世さんと組むは私を殴るは……」

玄「もう怒ったのです！知らないのです！」

玄「お姉ちゃんのばかばかばかばか！！！」

ﾄﾞﾝｯ

玄「うわわっ」

？「いたっ……」

玄「す、すみません！考え事をしていたもので――」

照「あ、こちらこそすみません」


玄「あ」

照「？」

玄(ど、どうしよう……)

玄(まさかこんなとこで宮永さんと遭うとは思わなかったよ)

玄(殺る準備もしてないし……あわわわわわ)

照「……大丈夫？」

玄「あ、は、はい……」

照「……ん、準決勝の人？」

玄「そ、そうです……」

照「なんか元気ないね」

玄「……」

玄(言えない)

玄(宮永さんが原因だなんて言えないよ……)

玄(あ、そうだ。お姉ちゃんとケンカしたってことにしよ。実際ビンタされたし)

玄「あの、実は……」

照「うん」

玄「私、お姉ちゃんとケンカしたんです……さっき」

照「……」

玄「で、逃げてる内にあなたとぶつかっちゃって……」

照「私も……」

照「私も妹とケンカした……」

玄「へ？」

照「咲の野郎……！私を舐めプして遊びやがって……！」

玄「さ、咲？」



それから私は宮永さんの愚痴を小一時間聞くはめになった

照「あいつ、私が嶺上開花教えると狂ったようにリンシャンツモしやがって」

照「あげくのはてにはプラマイ０で遊んで私をおもちゃ扱い！」

照「……悔しかった」

照「何でもすぐに吸収して私をあっという間に越えていく妹が」

照「目ざわりだった。うざかった。殺したかった」

照「嫉妬で狂いそうだった。優秀すぎる妹が私の存在を否定してるようだった」

玄「……」

照「でもホントはそんな風にしか妹を見れなかった自分が一番嫌だった」

玄(うぅ、いきなり饒舌に話だしたよ……)

照「ぺらぺらぺらぺら」

玄(はあ……)

玄(でも、あの宮永さんにもコンプレックスがあったなんて)

玄(……意外だなあ)

玄(私と……私と同じだったのかな？)

玄(私が宮永さんをそう思ってたように、宮永さんも妹さんを……)

照「ふぅ」

玄(あ、やっと終わった)

照「……すっきりした」

玄「はぁ」

照「咲のやつ、決勝で待ってろよ！次はコテンパンにぶっ潰してやる！」

照「今日はありがとう。私の愚痴を聞いてくれて」

照「……じゃ、また」ﾌﾗﾗ

玄「は、はい……行っちゃった」

玄(……何だか毒気抜かれちゃったよ)


玄(でも宮永さん、最後に決勝で待ってろって言ってた)

玄(きっと正攻法で妹と向き合おうとしてるんだね)

玄(それに比べて私はおもちおもちーとかぶっ殺すとか)

玄(しょーもないことばっかり考えて……)

玄(…………)

玄(……………………)

玄(私も……私ももうちょっとだけ頑張ってみようかな)

玄(宮永さんが頑張ってるように私も……)

玄「……」ﾎﾞｰｯ

ｸﾛﾁｬｰﾝ!

玄「この声はお姉ちゃん？」

宥「はぁはぁ…く、玄ちゃん……」

玄「お姉ちゃん……」

宥「ゴ、ゴメンね？さっきはビンタなんかしちゃって……」

玄「……ううん。私こそゴメン」

玄「私どうかしてたよ」

玄「ちょっと2回戦と準決勝の結果がひどかったからって」

玄「めちゃくちゃなこと言い出して……」

宥「うん」

玄「お姉ちゃんにいっぱい迷惑かけちゃった」

玄「ゴメンね、お姉ちゃん」

宥「私は大丈夫だよ」

宥「それに玄ちゃんも不安だったんだよね」

宥「決勝でまた大量失点してしまうんじゃないか、」

宥「チームのみんなに迷惑かけちゃうんじゃないか」

宥「すごく心細かったんだよね」

玄「うっ…おねえちゃぁ……」

玄「おねえちゃうわああああああああああああん」

宥「よしよし」

宥「いっぱい泣いて一緒に成長しようね、玄ちゃん」

玄「うわあああああああああん」


――――――――

――――

――

―

疲れたんで終わりー

キャラ崩壊ごめんなさいでしたー

支援