「男さーん」男「えっ」ビクッ (171)

一人きりの部屋。

一人きりの空間。

人目を気にせずに、趣味や習慣をこなす。

誰に気を遣う必要もない、安らぎの時。



そんなとき、どこからか気配を感じることはありませんか?

この部屋には自分しかいないはずなのに。

この家には今、確かに自分一人のはずなのに。





彼らはあなたを見ています。






SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1372076722

男「ふぃー、今日も疲れたなっと」ガチャッ

男「腹減ったし、お湯沸かしてカップ麺でも食うか」ジャー

男「一人暮らしってのは気楽だけど、バイト終わりでも自分でなんでもやらなきゃいけないのは面倒だなあ」

男「あ、洗濯物取り込まないといけな


「男さーん」


男「えっ」ビクッ

男「……なんだ、誰だ今の」

男(部屋の中から聞こえた、のか?)


「男さーん」


男「!」

男(やっぱり、中から聞こえるな)


「おかえりなさーい」


男「!!」ビクッ

男(な、なんだ? 誰か俺の部屋に侵入してるのか?)

男(鍵はかけておいたはずなんだけど)

男(……空き巣でもなさそうだな)

男「お、おい! 誰かいるのか!」

男(あれ? 俺の部屋に人が隠れられる場所なんてあったか?)


「……え?」

「男さん、私の声が聞こえてるんですか?」


男「えっ」

男(何言ってんだこいつ)

「え? ほ、ほんとに?」


男(こっちの方から聞こえるな……)


「私の言葉がわかるの?」


男(ここら辺かな)


「ほんとにっ? ほんとのほんとですかっ?」


男(……筆入れ)


「やだ嘘っ! 私、言いたいことがたくさんあったんです!」


男(父さーん、母さーん、ごめんなー。あんたらの息子、筆箱から声が聞こえてるよー)

「ずっと、ずっと前から言いたかったんです!」


男(どどど、どうする俺)


「本当は、こんな風に隠れながら言うのは卑怯なのかもしれませんけど……」


男(おいなんだこの空気! 何言い出す気だこいつ!)


「あのあの、私っ!」


男(よし、一気に開けるぞ! うん。大丈夫だ!)


「その、私、男さんのこと……///」


男(おっし、いくぞー!)

男「うりゃあああ!」ジーッガバッ!!





四色ボールペン「ずっと見てましたっ!//////」





男「うわああああああああ
あぁああ!!!」

四色ボールペン「きいぃやあぁあああぁぁあ!!?//////」

男「うお、お、おっ、おおお、おおぉお!!??」

四色ボールペン「え、あ、ええっ! えええっ!!??//////」

男「おま、な、何!! 何なの!!」

四色ボールペン「ぼっ、ボールペンですが!! 四色の!!」

男「見りゃわかるよ馬鹿っ!!」

四色ボールペン「ええっ!? 理不尽です!!」

男「なんでボールペンが喋ってんの!!」

四色ボールペン「こっちが聞きたいですよ!!」

男「ええっ!?」

四色ボールペン「男さんに想いを伝えたくて、私、ずっと話しかけ続けてきたのに!」

四色ボールペン「今まで私の声は、男さんには全く届かなかったんです!」

四色ボールペン「ずっと、ずっと叫んでいたのに……」

男(お、おお。なんか、悪いことした気になってきたんだけど、)

四色ボールペン「筆入れの中から……」

男(状況がシュールすぎてどうにも……)

四色ボールペン「ずっと考えていました! どうしたら、男さんに私の声を届けられるのかっ!」

男(しれっと言ってるけど、脳とかあんのか?)

四色ボールペン「宿題をやっている時も、授業を受けている時も、テストで悩んでいる時も、男さんの手の中で!」

男「テストで四色ペンは使わねえよ」

四色ボールペン「私を……普通はありえない、あんな所やそんな所に擦り付けて愉しんでいる時も……!//////」

男「壁や机にも落書きしましたね」

四色ボールペン「もちろん、私だって一本前のボールペンですからねっ! 思考しながらも仕事は完璧にこなしてましたよ!」

男「お前よく掠れてたけどな」

四色ボールペン「少しでも男さんの気を引こうと、文房具なりに努力してきました!」

男「あ、まさかお前!」

四色ボールペン「えっ?」ビクッ

男「こないだ体育が終わって教室戻ったら、教科書に赤、緑、青、黒でぐちゃぐちゃに落書きされていた!」

男「あれはお前か!」

四色ボールペン「ボールペンが自力で落書きできるわけないでしょ。 何言ってるんですか?」

男(何こいつ折りてえ)

四色ボールペン「それは単に、男さんがいじめられ

男「そんなことはねえよ! それじゃ俺が、現実が辛くて幻聴聞こえ始めたやつみたいじゃねえか!」

四色ボールペン「とにかく! 私は今までもずっと、あなたに話しかけていたんですっ!」

男「お、おう」

四色ボールペン「だからさっき、初めて男さんに私の言葉が届いて、私本当に嬉しかったんですよ!」

男「そ、そうか。……で、なんで突然?」

四色ボールペン「知りませんよ!!」

男(結局わかったのは、俺の生活がこいつに見られてたって事だけかよ!)

男「あーもう、わけわかんねえよ」

四色ボールペン「お、落ち着いてくださいっ!」

男「無理だろ、普通」

四色ボールペン「私も混乱しているんですよ? 突然こんなことになって」

男「そうは見えないがな」

四色ボールペン「ポーカーフェイスでしょう? ふふんっ」

男「そもそも顔がねえよ」

四色ボールペン「ありゃ、こら一本取られましたなー!」

男(こいつのキャラが掴めねえ……)

四色ボールペン「ボールペンだけに! なっはっはっ!」

男「」イラッ

四色ボールペン「ちょ、そんな強く筆入れ握りしめなっ、あ、折れちゃう! 折れちゃうっ!」ミシミシ

四色ボールペン「全く! 酷いです!」

男「知らん」

四色ボールペン「もうっ! あ、そういえば赤がもうすぐ切れますよ。替え芯はありますか?」

男「ええっ!? こないだ入れ替えたばっかだろうが!」

四色ボールペン「えっと、言いにくいんですが……」

男「なんだよ」

四色ボールペン「驚かずに聞いてくださいね?」

男「これ以上驚くことがあるかよ」

四色ボールペン「その、私!」

男「なんだ」




四色ボールペン「感情が昂ぶるとインク漏れするタイプでしてっ!///」ドロッ




男「だから筆入れの中が真っ赤に染まってんのかあああ!!」

四色ボールペン「てへっ///」ドロッ

男「ひょっとして、今までも時々インク漏れしてたのは……」

四色ボールペン「お恥ずかしながらっ///」ドロリ

男「てめえええ!!」

男「なんでボールペンが照れるんだよ!」

四色ボールペン「むっ! 生理現象なんだから仕方ないじゃないですか!」ドパー

男「とりあえず興奮するのやめろお前!」

四色ボールペン「そうは言われましても、私、昔から照れ屋な上にすぐ興奮してしまうたちなもので……///」ドロ

男「欠陥品じゃねーか!」

四色ボールペン「失礼な! 品質は保証しますよ!」ドロドロッ

男「わかったから興奮するな! なんの説得力もない!」

四色ボールペン「あっ」

男「えっ?」

四色ボールペン「いえ、なんでもありません」

男「そ、そうか」

四色ボールペン「私としたことが……こんなに粗相してしまい、大変ご迷惑をおかけしました……」

男「お、おお?」

四色ボールペン「本当に、なんとお詫びしてよいか……」デロー

男「青! 青インク出てる!」

四色ボールペン「ううう……」ドバー

男「おいこれもうどうすんだよ」

付喪神の一種かな。期待

短いですが、今回はここまでとさせていただきます。


というわけで、人間とボールペンのハートフルストーリーです(大嘘)。


書き込み終わってからPCで確認したんですが、
驚くほど見づらいですね。

これ以降も今回同様にiPhoneからの投稿になりますが、
できる限り改善していくつもりですのでご容赦ください。


書き溜めはありませんので、
非常にゆっくりとした更新になると思います。


また、これから先も、可能な限り質を上げていくつもりですが、
しばらくは稚拙な文章から変化ないと思います。


それでもよろしいという方は、
お付き合いいただけたら幸いです。

>>11

レスありがとうごさいます。


えーと、実はその辺り、よく考えていません。

細かい設定を一切決めずに勢いでこのスレを立てました。

見事に見切り発車です。


加えて、ご覧の通り自分は、文章を書くことに全く慣れていません。

なので、今後おかしな点が度々生まれると思いますが、
質問していただければその都度言い訳、
もとい解説をさせていただきたいと思います。


これ以降はSS投下以外の書き込みではトリップを外しますので、
SSだけ読みたいという方がいらっしゃいましたら、
トリップでページ内検索していただければと思います。


四色ボールペン「いやー! 赤の替え芯、ありがとうございますっ!」

四色ボールペン「おかげ様で落ち着きましたよー!」

男「あー、そりゃ良かったなー。くそ、俺の筆入れ……」フキフキ

四色ボールペン「やっぱり四色揃ってないと! 私、四色ボールペンですしね!」

四色ボールペン「赤がなくなったからといって、すぐに捨てるなんて論外ですよ?」

四色ボールペン「青も黒も緑も、
電話中にちょっとメモをとるには関係ないですからね!」

四色ボールペン「チラシの裏に落書きをするにも便利ですよ!」

四色ボールペン「例え百円で二本入りの安物だとしても、
きっちり最後まで使ってあげてくださいよー?」

四色ボールペン「あ。でもでも、
私は好きな色の芯を選んで使えるカスタマイズタイプですから!」

四色ボールペン「リストラとは無縁ですけどねっ! フッハッハッハ!」

男「落ち着けよ」

四色ボールペン「え? 私は落ち着いてますよっ?」

男「どの口がそんなことを」

四色ボールペン「ボールペンに口なんてないですよ。何が見えてるんですか一体」

男「」イラッ

四色ボールペン「ああっ! クリップ! クリップを折ろうとするのはやめて!」ミシミシ


四色ボールペン「ま、まあ、芯の出口が口と言えなくもないですね!」

男「下手くそなフォローとか要らねえよ! あーくそ、明日の学校どうすんだよ……」

四色ボールペン「どうする、と言いますと?」

男「学校にお前を持っていったら大騒ぎになるだろ」

四色ボールペン「なんでですか?」

男「へ?」

四色ボールペン「なんで私を持っていくと騒ぎになるんですか?」

男「文房具は普通喋らないからだ」

四色ボールペン「それなら大丈夫ですよ!」

男「なに?」

四色ボールペン「私の声は、男さんにしか聞こえません!」

男「そんなわけあるか!」

四色ボールペン「あります!」

男「それ、確かなんだろうな? 理由を言ってみろ」

四色ボールペン「はい! なぜなら!」

男「なぜなら?」

四色ボールペン「私が、男さんにだけ聞こえて欲しいと思っているからですっ!」

男「……」

四色ボールペン「フフンッ」

男「明日どうすんだよ……」

四色ボールペン「あれ、ちょ、あれっ? 男さん? あれ!?」


男「他に赤ペン持ってないしなー。この時間じゃ、もう文房具屋も空いてないし」

四色ボールペン「私を使えばいいじゃないですか!」

男「すぐにインク漏れするわ喋るわウザいわ、そんなペンなんか持っていけるか」

四色ボールペン「酷い!
こんなに若くて美しいボールペンを捕まえて、ウザいだなんて!」

男「若さも美しさも俺には伝わらないんだが」

四色ボールペン「ふっ、見る目がありませんね……」

男「やっぱりお前ウザいわ」

四色ボールペン「むー。わかりました、ではこうしましょうっ!」

男「今度はなんだよ」

四色ボールペン「私の芯に、セロハンテープを巻いてください!」

男「は?」

四色ボールペン「いいから早く! 間に合わなくなりますよ!」

男「意味わかんねえ……」


「あ、もっと先までしっかり巻かないとダメですよ」

四色ボールペン「あー! ちょっと!
ボール部分まで巻いたら書けなくなっちゃいますよ!」

男「……これでどうだ?」イライラ

四色ボールペン「あー、いいですねー。いい仕事してますねぇ」

男「で、これでどうなるんだよ」

四色ボールペン「これでインク漏れの心配はありません!
安心して私を持っていってください!」

男「……」

四色ボールペン「どや?」

男「コンビニで赤ペン買ってくるわ」

四色ボールペン「あっ、ちょっと、ごめんなさい!
なんで、待って! あの、待ってっておい! 待ておいっ!」


男「なんなんだよ……」

四色ボールペン「こっちが聞きたいですよ!」

男「インク漏れの問題がなくなったところで、喋るボールペンなんか誰が持っていくか」

四色ボールペン「私じゃ……ダメなんですか?」

男「駄目でしょ」

四色ボールペン「私の色気が通じない!?」

男「色気なんかどっから出てたんだよ」

四色ボールペン「まあ、ペン先でしょうね。
私、ボールペンですし! 四色完備してますよ?」

男「お前もう絶対持っていかねー」

四色ボールペン「なんでですかちょっとぉー!」

男「お前、授業中だろうと関係なくこのテンションで騒ぎそうだし」

男「俺以外に聞こえなくても、俺が集中できない。よってお前はリストラだ」

四色ボールペン「ガーン!
二年近くお役に立ってきた私を、こんなにも軽々とリストラするなんて!」

四色ボールペン「ペン情もへったくれもありませんね、あなた!」

男「おう。俺、ペンじゃねえしな」

四色ボールペン「ううう……。
日本人は物を神様のごとく、畏れ敬い、崇めながら扱うと聞いていたのに……」

男「ひでえ誤解だ」


四色ボールペン「え? 付喪神ってそういうことじゃないんですか?」

男「長いこと使ってる物に勝手に神様が宿るって話だ。
別に物を神格化する言い伝えじゃないぞ」

四色ボールペン「なんだよー! 結局人間は自分の都合しか考えてねーのかよー!」

男「否定できない」

四色ボールペン「文房具の神は仰っていますっ!」

四色ボールペン「悪いと思っているのなら、わt彼女を学校に連れていきなさい。
さすれば全ての罪を許しましょう(裏声)」

四色ボールペン「……と!」

男「別に許して欲しくないんで大丈夫ですね」

四色ボールペン「ちょっと! 人の好意は受け入れなさいよ!(裏声)」

四色ボールペン「この条件だってすごい好条件なんですからねっ!(裏声)」ヌトッ

四色ボールペン「本来途中リストラは、
免罪に替え芯各色5本ずつ奉納が必要な大罪なんですから!(裏声)」ドロー

男「ずいぶん安っちいな、お前らの大罪」

四色ボールペン「替え芯はボールペンの新しい命なんですよ!?
安っちいなんて失礼にもほどがありますっ!」(裏声)ドパー

男「わかったからその気持ち悪い声をとっととやめろ」

四色ボールペン「よっしゃ!」

男「で、さっきからインク漏れしてるんだが、テーピングに意味はあったのか?」

四色ボールペン「どうやら、なさそうですね」

男「結局垂れ流しかよ……」


男「仕方ないから持っていってやるけど、学校では黙ってろよ?」

四色ボールペン「おや、"持っていかせてください"じゃないのかね? ん?」

男「ちょっとコンビニ行ってくるわー」

四色ボールペン「おふっ、冗談ですって! 冗談!」

男「話が進まねえだろうがよ! さっきから下らねえ冗談ばっか言いやがって!」

四色ボールペン「文房具ジョークってやつですよ」

四色ボールペン「いやー、どうも勝手に口を衝いて出ちゃうんですよー」

四色ボールペン「あ、もちろん実際に口はないんですけどねっ! ハハ!」

四色ボールペン「あれ? 男さんそんな恐い顔し、あっちょっと!
ガチャガチャしないで! 壊れる! バネが弱る!」


男「学校では黙ってろよ?」

四色ボールペン「はい」

男「インクも漏らすなよ?」

四色ボールペン「善処します」

男「もう文房具ジョークとかいうムカつく冗談は言うなよ?」

四色ボールペン「それは保証しかねる」

男「このやろう……」

四色ボールペン「四色ボールペンは陽気なんですよ!」

四色ボールペン「ボールペン属の中で最もおしゃべりが好きなのは、
四色ボールペンだと思いますね」

男「どいつもこいつもこんなに騒がしいのか、四色ボールペンは」

四色ボールペン「どうなんでしょうか」

男「おしゃべり好きってことは、
要するに騒がしいやつが多いってことかと思ったが、そうでもないのか?」

四色ボールペン「いえ。私の産まれた工場は皆さん無口だったのか、
私以外の製品からは声すら聞いたことありませんので」

男「やっぱ喋れるのお前だけじゃねえか!」

四色ボールペン「まっさか~!」

四色ボールペン「確かに生産ラインでも、輸送途中でも、店頭や男さんの学校でさえ」

四色ボールペン「他の文房具さんが話してるところを見たことはありませんが!」

男「もう確定だろそれ!」


四色ボールペン「まあ、積もる話はまだまだありますが、
明日に備えて今日のところはこのくらいにしておいてあげましょうっ!」

男「へし折りてえ」

四色ボールペン「そんなこと言ってないで男さん、もういつも寝る時間すぎちゃってますよ?」

男「げっ、まじかよ。まだ晩飯も食ってないのに……」

四色ボールペン「御愁傷様です」

男「他人事みたいに言いやがって」

四色ボールペン「私はご飯を摂る必要ありませんからねっ!」

男「そういえば、お前ってどうやって考えたり喋ったりしてるんだ?」

四色ボールペン「……」

男「?」

四色ボールペン「……」

男「おい」

四色ボールペン「男さん。世の中にはね? 知ってはいけないことも、あるんですよ?」

男「……わからないんだな?」

四色ボールペン「そうとも言います!」


男「よーし、明日の準備終了!」

四色ボールペン「今日も一日お疲れ様でした!」

男「誰かさんのおかげでいつもの数倍疲れたな。頭が痛えよ」

四色ボールペン「むむっ! けしからんやつですね!」

男「雑なボケしやがって……よし、もう電気消すぞ」

四色ボールペン「いや、ちょっと待ってくださいよ」

男「なんだよ、早く寝ないと明日が辛いんだけど?」

四色ボールペン「さっき男さんは、明日は終わったと言いましたよね?」

男「言ったな」

四色ボールペン「話がしやすいように、
鞄の口を開けておいてくれたことには感謝しています!」

四色ボールペン「しかしなぜ! 私はビニール袋に入れられているんですかあ!!」

男「また筆入れの中を汚されたら困るからな」

四色ボールペン「ぐぬぬ……」

男「そんじゃ、おやすみさん」

今日も短いですがここまでです。


ちゃんとした作品をハイペースで書ける方々はすごいですね。



正直、我ながらあまりにもな出来なのでこのスレは落として、
また別の作品を、今度は完結させてからスレ立てしようか検討しています。


もう少し書いてみてやはり自分の中の妥協点に達していないようでしたら、
このスレは落とそうかと思います。


――――――――――――――――――
――――――――――――
――――――



男「う……」

四色ボールペン「男さん! 起きましたか!」

男「ああ。……なんだ、昨日のは夢じゃなかったのか。嫌になるな」

四色ボールペン「ベタな軽口を叩いてるところ悪いんですが、体調は大丈夫ですか?」

男「え?」

四色ボールペン「いえ、なんだかうなされていたように見えましたので」

男「俺が?」

四色ボールペン「はい、僅かにですが。
寝返りが多かったですし、少し辛そうな顔をしていましたよ」

男「うーん、特に不調ってわけでもなさそうだけどなぁ」

四色ボールペン「それならいいんですが。悪い夢でも見ましたか?」

男「子どもじゃないんだからよ……」

四色ボールペン「でも、大人は時計を読めますし、時間を守らなければいけませんよ?」

男「なに? げ、もうこんな時間かよ! 早く準備して行かねえと!」



男(確かに、何か夢を見た気はするんだけどなあ。思い出せそうにないか……)


キーンコーンカーンコーン


ガラガラッ

友「お。男、ギリセーフだな」

男「はぁ~、よっしゃ!」

友「よう、遅刻ギリギリなんて珍しいじゃん」

男「おっす。昨日は寝るのが遅くなっちゃってさ」

友「大方、またゲームでもやってたんだろ?
毎度毎度ホームルームに遅れるおばちゃんにも、今回は感謝だな」

男「あ、ああ。まあそんなところだ」

友「ん? なんだ、微妙な返事だな」

男「なんでもねーよ」

友「男がゲーム以外で夢中になることって言ったら……まさかお前、
おん、あ……いや、すまん。なんでもねえ」

男「え? なんだよ。なんて言ったんだ?」

友「あーいや、なんでもねーから。気にすんなよ」

男「そう言われると気になるじゃんかよー」

友「いやー、ほんとなんでもな


ガラッ


担任「はーい。席に着いてー」

友「ほら、おばちゃんきたぞ。話は終わりだ」

男「なんだよ全く」


国語


男「……」

四色ボールペン「……」



英語


男「……」

四色ボールペン「……」



日本史


男「……」

四色ボールペン「……」



体育


四色ボールペン「……」





友「男、食堂行こうぜ」

男「おう。財布財布っと……あ」

友「ん、どした? 早く行かないと混むぞ?」

男「あー、友、悪いけど先に行っててくれ」

友「は!?」

男「いやちょっと野暮用忘れてたわ」

友「なんだよー」

男「悪い悪い」

友「じゃあ、先行って席とっておくからな、早くこいよ?」

男「おう」



男「さて……」


トイレ


男「……」

四色ボールペン「……」

男「おい」

四色ボールペン「なんですか」

男「ほんとに何も喋らないんだな」

四色ボールペン「男さんがそう言ったんじゃないですか」

男「いや、そうなんだけどよ。なんて言うか……意外だったわ」

四色ボールペン「ふっ、この四色ボールペン、約束は破らない、尽くす女ですからねぇ……」

男「使い切りタイプってことか?」

四色ボールペン「違いますよっ! なんでそうなるんですか!」

男「はは、なんだ。黙ってるからどうしたのかと思ったけど、元気じゃないか」

四色ボールペン「もちろんですとも! 私に不調の文字は関係ありません!」

男「あと二時間ちょっとだから、頑張って堪えてくれよ?」

四色ボールペン「余裕ですっ!」

男「……おう、頼むぜ」


食堂


男「待たせたな」

友「おっ。おせーよ」

男「悪いな」

友「まーいいけどよ。から揚げ一つ奢りな」

男「仕方ねえなー」

友「ほんで、なんの用だったのよ?」

男「ちょっと職員室に。この間休んだところを聞きにな」

友「あー、でも俺のノート貸してやったろ?」

男「お前、あのノートで理解できると思ってんの?」

友「なんだよーわかんねえなら俺が教えてやるって!」

男「お前に聞くくらいなら、お前のシャーペンに聞くね」

友「ちょお前! 俺お前より成績いいからな!?」

男「でもお前、教えるの下手じゃん」

友「ぐぅ……」

男「ま、とりあえず飯買いに行こうぜ」

友「くっそ! から揚げな!」

男「うるせーな、わかってるよ」


男「ふー、食った食った」

友「学食ってのは安くて量あるのが売りだからな」

男「いつもお世話になってるわ」

友「よっしゃ、教室戻ろうぜ」

男「もうちょい休憩させてくれよな……」



6限終了後



友「あー、今日も疲れたな!」

男「金曜日の時間割はハードだよな」

友「さっさと帰ろうぜ、男」

男「あ、俺、今日は寄るとこあるからパス」

友「おいおいなんだよ一体」

男「すまんな」

友「んー、まあ仕方ないか。んじゃ、また来週な」

男「うーっす」


トイレ


男「よう」

四色ボールペン「あら、もう帰宅したんですか……
って、また学校のトイレじゃないですか。下痢ですか?」

男「乙女の名が廃るなぁおい」

四色ボールペン「じゃあなんですか。あ、ハルンケアが必要ですか?」

男「誰が頻尿だコラ」

四色ボールペン「さて、気が済みましたか?」

男「やりたい放題やってくれるじゃねーか」

四色ボールペン「で、なんの用です?」

男「いやな、帰りに文房具屋に寄ろうと思ってな」

四色ボールペン「はあ」

男「で、もしかしたらお前みたいに喋れる文房具がいるかもしれないだろ?」

四色ボールペン「ははーん。それで、私に一緒に探して欲しいと?」

男「まあ、要するにそういうことだ」


四色ボールペン「私としても仲間が見つかれば嬉しいので、別に構いませんが。
でも、どうして突然? 私一人でも騒がしいんじゃなかったんですか?」

男「あー、その、なんだ」

四色ボールペン「なんだか言いにくそうですね」

男「昼飯前の会話なんだが、
お前は、学校にいる間ずっと黙っているのを余裕だと言ったよな?」

四色ボールペン「言いましたね」

男「なんか無理に我慢してるように見えてな。仲間でも探してやろうかと思った」

男「お前、今まで誰とも話せなかったんだから、やっぱりもっと話したいだろ?」

男「話したいのに話せないってのは意外と辛いもんだからな」

四色ボールペン「男さん……」

男「あー違うぞ、全然そういうのじゃない!
ほら、お前があんまり使えないもんだから、新しいペンでも買いに行こうかと、な!」

四色ボールペン「くっ、臭いです!」

男「へ?」

四色ボールペン「臭すぎますよ、男さん! やっぱり下痢でしたかぁ!?」ドバババー

男「落ち着け! インク漏れてるから! 赤と青!」

四色ボールペン「くそー、便所の臭いが目に染みます!」ダバー

男「汚ねえなあ、おい!」

四色ボールペン「まあ私、ボールペンなんで目なんてありませんけどね!」ドー

男「とりあえずそのインクを漏れなんとかしろよ。ハルンケアが必要か?」

四色ボールペン「いっ、インク漏れはそういうのじゃありませんから!」デー

おお……レスがありがてえありがてえ……。


今回も短い上に、展開のない回でした。

あと、だいぶ汚ないですね。


前回の投下から数日、じっくり考えました。


ストーリーの流れは大体固まってきましたので、
やはりこのスレは落とさず、完結まで続けたいと思います。


優柔不断、構ってちゃん、と言っていただいても構いませんが、
お暇な方は最後まで見ていただけたら嬉しいです。

乙です
このスレの影響で、学校で青ボールペンがインク漏れしたときに、なぜか嬉しくなりました

レスありがとうございます。

>>39
大事にしてあげれば、今週末辺り声が聞こえてくるかもしれませんねえ……。


iPhoneからだと改行などの加減がわからないので、次回からはパソコンで投下したいと思います。

今まで手探りでやってきましたが、
改行のタイミングや量などはこのままで大丈夫でしょうか?


アドバイスをいただけると助かります。


男「落ち着いたか?」

四色ボールペン「は、はい。どうもお騒がせしました」

男「うわあ、こりゃひでえな。手がドロドロだ」

四色ボールペン「うう……申し訳ないです」

男「ま、ちょうどトイレでよかったってとこだな」

四色ボールペン「面目ない……」

男「別に責めてるわけじゃない、安心しろよ」

四色ボールペン「はい。それじゃとりあえず私も綺麗にしてもらっていいですか?」

四色ボールペン「あ、あと文房具屋で替芯もお願いしますよ?」

四色ボールペン「そうだ、ついでに焼きそばパンも買ってこいよ」

男「反省しなくていいってことではないんだが」

四色ボールペン「本当に……本当にすみませんでした……」タラー

男「どうすりゃいいんだよ! 落ち着けよ!」


四色ボールペン「はい、悪乗りしすぎました。今は反省しています」

男「全く、すぐに調子に乗る」

四色ボールペン「返す言葉もない」

男「結局、文房具ジョークとやらもがっつり使ってるしな」

四色ボールペン「そこはやっぱり、持って生まれた性質ですからね」

男「生産ライン上のどこでそんな性質が付くんだよ」

四色ボールペン「ふっ。人の性格ってのはな、一時だけで形成されるわけじゃ、ないんだぜ?」

男「持って生まれたものじゃなかったのかよ。お前ペンだし」

四色ボールペン「あ、大量生産ですし、全製品が私と同じ性格かもしれませんね!」

男「即刻、生産中止しろ」

四色ボールペン「私と同じ製品を買い占めれば、男さん、ハーレムが作れますよ!」

男「地獄絵図だな」

四色ボールペン「毎日、朝から晩まで私とイチャイチャ……」

男「ただの文房具マニアじゃねーか」


四色ボールペン「さあっ! 一段落ついたところで、いざ文房具屋へ!」

男「調子のいいやつめ」

四色ボールペン「早く行きましょうよー。そろそろ替芯がないと不安ですよー」

男「昨日替えたばっかりだろうが!」

四色ボールペン「男さんがインク漏れを誘発させてるんじゃないですかっ!」

男「お前の反応が極端だからいけないんだ!」

四色ボールペン「むむむ……」

男「ぐぐぐ……」

四色ボールペン「とにかく、もう行きましょう!」

男「あーもう、わかったよ。胸ポケットに入れていくから、静かにしてろよ?」

四色ボールペン「了解です!」

男「お前のインク漏れで俺の制服が真っ赤に、とかやめてくれよ?」

四色ボールペン「そ、そうならないよう頑張りますっ」


道中


四色ボールペン「で、どこにあるんですか、その文房具屋」

男「あー、文房具屋って言っても、デパートのワンフロア、しかも一部だけだからな」

四色ボールペン「なるほど。ということは、駅の方まで出るんですね?」

男「そうだな。学校から駅までが30分くらいだから、あと……大体20分かな」

四色ボールペン「遠っ!」

男「そうか?」

四色ボールペン「駅まで自転車で30分って! どこの田舎ですか!」

男「うーん。俺にとってはこれが普通だから、なんともなー」

四色ボールペン「私は都会生まれですからねっ!」

男「生まれっていうか……」

四色ボールペン「まだまだ着きそうにありませんし、しりとりでもしますか」

男「何が悲しくてボールペンとしりとりしなきゃならないんだよ」

四色ボールペン「今更ですよ、それ」


四色ボールペン「では、基本の文房具縛りでいきましょう!」

男「それ、どこの世界の基本なんだよ」

四色ボールペン「文房具界では一般的ですよ?」

男「……自分以外の喋れるやつに会ったことはなかったんじゃないのか」

四色ボールペン「……」

男「おい」

四色ボールペン「ではしりとりの『り』からー」

男「おい待て!」

四色ボールペン「り、リング綴じノート!」

男「こら!」

四色ボールペン「『と』ですよー?」

男「待てって言ってんだろうが!」グイッ

四色ボールペン「あがががががが!?」キュィィィン!!


四色ボールペン「あんたアホか! 鬼か!」

男「お前が人の話を聞かないからだ!」

四色ボールペン「だからって走行中のタイヤに擦りつけないでしょ普通!」

男「ちゃんとスピードは緩めてたろ」

四色ボールペン「ここ下り坂だから! 全然だわ!」

男「まあそんなに熱くなるなって」

四色ボールペン「物理的に熱いよ! 体が燃えるようだよ!」

男「しかし、あれだけやってほとんど傷もつかないなんて、大したもんだな」

四色ボールペン「そうでしょう! これで私が高品質だとわかっていただけましたか?」

男「おう。やっぱり高級品は違うなあ」

四色ボールペン「はっはっはっは! そうでしょうそうでしょう!」

男(あ、こいつすげー扱いやすい)


男「さて、到着したわけだが」

四色ボールペン「ですね!」

男「まずは新しい赤ペンからかな……」

四色ボールペン「では私は仲間探しですねっ!」

四色ボールペン「あ、そこの知的な定規のお姉さん! 喋れます?」

四色ボールペン「お、そっちの好青年風な鉛筆さん! 私の言葉わかりますか?」

四色ボールペン「クールなシャーペンのお兄さん! 私と、グリップゴムの最適な硬さのついて語らいましょう!」

四色ボールペン「おや、修正テープさんじゃありませんか。私も過去は振り返らないタイプですから、仲間ですね」

四色ボールペン「ああっ、男さん、あれ !ペン回し用ペンですよ! アスリートですよっ!」

四色ボールペン「ん、移動ですか? あれ、こっちの方は文房具のコーナーじゃありませんよ?」

四色ボールペン「え、なんで階段の方に出るんです? ちょ、ちょっと男さーん?」


男「ちょっとは黙れよおい! 学校での見事な沈黙はなんだったんだ一体!」

四色ボールペン「あれは……その、意識を宇宙の彼方に飛ばしていた、というか」

男「素直に寝てたって言えよ!」

四色ボールペン「はい! 寝てました!」

男「素直に言っても許さないけどな!」

四色ボールペン「非道です! この鬼畜!」

男「どうとでも言え」

四色ボールペン「ぐ、なんですかその余裕」

男「店内に戻るから、今度は静かにしてろよ?」

四色ボールペン「むう。しかし、声を出してはいけないのなら、どうやって仲間を探すんですか?」

男「……」

四色ボールペン「おんやぁ~?
まさかそんなことも考えずに、私に対して黙れだのとのたまっていたんですかぁ?」

男「あれだけ騒いで反応がないんだから、そもそもあの店には言葉がわかる文房具はいないんじゃないか?」

男「一応、理解はしていても反応しなかった、もしくは反応する能力がなかったって可能性もあるが」

男「どちらにせよ、あんなにずっと、しかも大声で喋る必要はないな」

四色ボールペン「あ、はい、すいません。なんか、すいません」


自宅


男「ただいま、っと」

四色ボールペン「喋る文房具、いませんでしたねー」

男「まあ、あそこの店だけ探しても、見つかるわけはないか」

四色ボールペン「今までずっとそうだったんですから、そう簡単にはいきませんよね……」

男「まだまだ探す場所はいくらでもあるんだ、気を落とすなよ」

四色ボールペン「そうですね……」

男「……」

男「あー、そうだな。明日は休みだし、デパートの他のフロアを見に行くか」

四色ボールペン「え?」

男「やっぱり色んな場所を探した方がいいだろ。
もしかしたら、文房具じゃなくて喋る家電とかいるかもな!」

四色ボールペン「男さん……」ジワァ

男「おいおい。替芯を買ってきたからって、すぐさまインク漏れとかよしてくれ」

四色ボールペン「今日の男さんは、ずるいですっ!」

男「なんだそりゃ」


男「さて、晩飯の支度でもするかな」

四色ボールペン「あ、私! 手伝います!」

男「は? お前が?」






トントントントン

四色ボールペン『ふふふ、男さん、人参は苦手なのに、
ハンバーグに混ぜるととちゃーんと食べてくれるんですよねー』

グツグツ

四色ボールペン『おや、ビーフシチューもそろそろですかね』

四色ボールペン『男さーん! そろそろ食事ですよー!』






男「いや、無理だろ」

四色ボールペン「うぐっ! その、様式美というか、定番というか」

男「でも無理だろ」

四色ボールペン「うう、正直、自分が料理している姿は全く想像できませんが……!
それでも、言わなければならない気がしてっ……!」




男「いただきまーす」

四色ボールペン「どうぞ召し上がれっ!」

男「全部俺が作っただろうが」

四色ボールペン「しかし意外ですね」

男「なにがだ?」

四色ボールペン「男さんが料理ができるとは思いませんでした」

男「一人暮らししているんだ、これくらい普通だろ」

四色ボールペン「そうでしょうかね? 男さん、あまり器用だった印象はありませんが」

男「気づいたらできるようになってたぞ」

四色ボールペン「むむ、独学でこれですか。益々意外ですねー」

男「ま、俺にかかれば料理くらいチョロいもんよ」

四色ボールペン「うわあ……」

男「おいちょっと待てこら」


男「ごちそう様でした」

四色ボールペン「お粗末様でした」

男「残念だが、露骨なツッコミ待ちには触れたくない」

四色ボールペン「という、スルーに見せかけたツッコミをありがとうございます」

男「本当に人を苛つかせるのが上手いな、お前は」

四色ボールペン「ふふ、褒めても何も出ませんよ?」

男「インクは?」

四色ボールペン「インクは出ますね」

男「でしょうね。あと、褒めてないからな?」

四色ボールペン「でしょうね」


四色ボールペン「さあ、なんやかんやでもう寝る時間ですね」

男「時間が流れるのは速いもんだなあ」

四色ボールペン「おんやおやぁ~?」

男「どうした気持ち悪い」

四色ボールペン「男さん」

男「なんだ」

四色ボールペン「楽しい時間は速く過ぎると言いますよね」

男「……言わない」

四色ボールペン「認めなさい!」

男「嫌です」

四色ボールペン「認めるのです! 私と話している時間が楽しいと!」

男「あーもう寝ないと、おやすみ」

四色ボールペン「ちょっと男さん! ……もうっ」

今回はここまでです。


台本形式だと、場面の転換方法がわかりませんね。



一度の投下量が少ないので週二回は更新したかったのですが、
忙しい時期になったことや、いよいよ話が思いつかなくなってきたことなどの理由で、
更新が遅くなりそうです。



ただ、完結は必ずさせます。


四色ボールペン「男さーん、朝ですよー」

男「ん、あ?」

四色ボールペン「おはようございます!」

男「おお、おはよう」

四色ボールペン「今日は寝覚めスッキリですね」

男「ああ、休みはゆっくり眠れるからな」

四色ボールペン「悪い夢も見なかったようですねっ!」

男「別に昨日も見てない」

四色ボールペン「そんなに強がらなくても、言ってくれれば添い寝くらいしてあげますよ?」

男「俺、寝相悪いからな。寝ている間にどこかに飛ばしちゃいそうだ」

四色ボールペン「前言撤回します。頼まれても嫌です」

男「絶対頼まないから安心しろ」


男「それじゃあ、今日は昼飯を食ったらデパートな」

四色ボールペン「午前中はどうするんですか?」

男「特に考えてないな。かと言って、朝っぱらから外出もしたくないし……」

四色ボールペン「あ、それなら、私とお話しましょう!」

男「ん? 別に、事前に言わなくても話くらい聞いてやるぞ?」

四色ボールペン「ふふふ、今日は、私が今まで暖めていた話を一気にぶちまけてあげますよ?」

男「お手柔らかに頼むぞ」

四色ボールペン「はいっ! 梱包過程から流通経路まで、すべて男さんに教えてさしあげます!」

男「ちょっと待ておい」

四色ボールペン「なんでしょう?」

男「……お手柔らかに頼む」

四色ボールペン「はいっ! 梱包過程から流つ

男「引き下がれよ!」


四色ボールペン「では、お話しさせていただきましょう!」

男「なぜこうなるのか」

四色ボールペン「そうですね。まず私は、都会の工場で作られました! たぶん!」

男「早くも突っ込みたい」

四色ボールペン「やだちょっといやらしい! セクハラですよ!」

男「ボールペン相手にセクハラなんてして何が楽しいんだよ」

四色ボールペン「その発言、良く考えるとかなり危ないと思うんですが……」

男「そんなことより、昨日は都会生まれとか言ってたじゃねえか。なんでたぶんになってるんだ」

四色ボールペン「フッ……。君は、自分が年齢と同じだけの時間生きてきたということを証明できるのかね?」

男「関係がありそうで全くない仮説を持ち出すんじゃない」

四色ボールペン「ぶっちゃけ私、目とかありませんし。見えませんでしたし。
しかも、梱包されたあとはダンボールに詰められて出荷されたので、どんな所で生産されたかなんて見えててもわかりませんよ」

男「お前に対する今までの認識を全部ぶち壊してくれたな」

四色ボールペン「いやー、だってそうでしょう。自然に考えてください」

男「不自然の塊みたいなやつが何を言いやがる」

四色ボールペン「人をそんな化け物みたいに言わないでくださいよっ!」

男「お前人じゃないだろ。どっちかって言うと化け物で正解だ」

四色ボールペン「ぐうの音も出ない……!」


男「それでさ」

四色ボールペン「はい?」

男「目がないから見えなかったって言ったよな、お前」

四色ボールペン「言いましたね」

男「じゃあ、耳がないんだから音も聞こえないんじゃないのか?」

四色ボールペン「それもそうですね」

男「目がないから見えない、でも耳や感覚器がなくても音は聞こえる。また不思議なことで」

四色ボールペン「あー、それなんですけど」

男「なんだ」

四色ボールペン「見えてるんですよね、今は」

男「は?」

四色ボールペン「はっきりといつからか、とかはわからないんですが、男さんに買っていただいた時には見えていたと思います」

男「どういうことなんだよ……」

四色ボールペン「いやー、なんなんでしょうね。耳だけに! はっはっは!」

男「……真面目に考えるのが馬鹿らしくなるな」


四色ボールペン「お昼まで後三時間、お昼ごはんの調理も考えると二時間くらいですか」

男「一気に暇になっちまったな」

四色ボールペン「では今度は、文房具を選ぶ時に注意すべき点などを少々」

男「やめろ」

四色ボールペン「冗談ですよ。そんなもの知りませんし」

男「もう俺にはお前という存在が掴めないよ」

四色ボールペン「こう、ぎゅっとしていただければ」

男「物理的にじゃねえよ。なんというか、キャラが定まってないというか」

四色ボールペン「ふっ、男さん。女っていうものはね、謎めいていてなんぼなんですよ?」

男「他に何かアイデアあるか?」

四色ボールペン「おっふ、ガン無視! んー、そうですね……やっぱりこういう時はテレビが安定じゃないですか?」

男「採用」

四色ボールペン「でもこの時間のテレビってあまり面白いのやってないですよね」

男「自分で言い出した癖に……まあ、何もしないよりはマシだろうよ」


テレビ<今日は、肥満解消に効果があるポーズを――


男「……」

四色ボールペン「……」

男「ほんとにあんなポーズで痩せられんのかよ」

四色ボールペン「試してみようかなー」

男「お前がヨガとか、逆立ちしても無理だろ」

四色ボールペン「ただでさえできないのに、逆立ちしながらなんて無理に決まってるじゃないですか」

男「いや、そういうことじゃないんだが……」

四色ボールペン「というか私、そもそも逆立ち自体できません」

男「あー」

四色ボールペン「……」

男「……」


テレビ<このポーズが完璧にできるようになったら、次はちょっと難しい――


四色ボールペン「うわー見てくださいよあの格好」

男「……ああ」

四色ボールペン「インストラクターさんはプロだから良いとして、タレントさんにまでやらせていいんですかね、あんなの」

男「いや、まあ、仕事だし」

四色ボールペン「ほら、あの女の子なんて完全に照れちゃってますよ。ちょっと赤面してますよ」

男「……うん」

四色ボールペン「あーすごい。ああー、すごい!」

男(なんだこれ)

四色ボールペン「おやおやぁ?」

男「なんだよ」

四色ボールペン「なんで男さんまで赤くなってるんですかぁ?」


男「それは、ほら、朝焼けだよ。朝だし」

四色ボールペン「ごまかし方下手すぎるでしょうよ! もう十時ですから!」

男「くっ」

四色ボールペン「どうして赤面してるんですかぁ? うん?」

男「お、お前のインクが飛んだんだよ!」

四色ボールペン「言うに事欠いて私のせいか! この口下手めっ!」

男「そういえばお前、急にインク漏れしなくなったよな」

四色ボールペン「お、気づきましたか」

男「どうしたんだ?」

四色ボールペン「男さんにご迷惑をおかけしないよう、努力しましたからね!」

男「努力でどうにかなるものなのか?」

四色ボールペン「ふっふっふ。なんとかなりました!」

男「ほー、さすが高級品だな!」

四色ボールペン「ははは、そうでしょうそうでしょう!」

男(こいつ扱いやすいわー)


四色ボールペン「で、なんでですか?」

男(あ、これめんどくさいやつだ)

男「……」

四色ボールペン「……」

男「チャンネル変えるぞ―」

四色ボールペン「ちょ!」

男「大体なんだヨガ特集って! 興味ねえよ!」

四色ボールペン「それはそうなんですが……!」

男「お、最近の変わり種文房具特集だってよ」

四色ボールペン「お、いいですね! 四色以上のボールペンは邪道っ!!」

男(やっぱ扱いやすいんだよなあ)

キルミーベイベー見てたら二週間経ってました!!


こんなに間隔が空いたのに投下量が少なくて申し訳ないです。

忙しい時期が過ぎたので、次回はもっと早く、量も多く投下できると思います。


デパート


男「それじゃあ、どこから行ってみるか」

四色ボールペン「とりあえずペットショップ行きません? 私、猫好きなんですよー!」

男「帰っていいか?」

四色ボールペン「もぉー冗談ですってば!」

男「どうするんだ?」

四色ボールペン「そうですね……まずは、電気屋さんに行きましょう!」

男「よし、三階だな」

四色ボールペン「Here we go!」

男「発音良いなぁおい」

四色ボールペン「何を隠そうこの私、帰国子女ですから!」

男「なんだその粗いキャラ作り」

四色ボールペン「パーツの一部が外国製だとかそうじゃないとか」

男「お前、それで良く帰国子女名乗れたな」

四色ボールペン「ああっ、確かに! 外国製ということは帰国ではなく入国! つまり私は、いわゆるハーフ!?」

男「そういやお前のパッケージに、全ての製造過程は日本で行われているって書いてあったぞ」

四色ボールペン「……こ、高品質の証ですから! ジャパンクオリティ!」


電気屋


男「ところで、なんで電気屋なんだ?」

四色ボールペン「うーんと、そうですねぇ……」

男「ああいや、理由がないなら別にいいんだけどさ」

四色ボールペン「喋る家電、とかそれっぽいじゃないですか?」

男「要するになんとなくってことか」

四色ボールペン「案外、こういう程よく力の抜けた発想の方がいい結果が出たりするものですよ」

男「まあ、頭を捻ってあれこれ推理したところでわかるような問題でもないしな」

四色ボールペン「そうですよ。さあ、探しましょう!」


男(一緒に探す、とは言ったものの)

四色ボールペン「誰か聞こえますー? おーい!」

男(こいつに任せるしかないんだよな)

四色ボールペン「喋る家電さんいませんかー!」

男「俺、暇だなあ……」

四色ボールペン「ちゃんと探してくださいよ!」

男「でも、俺が大声で呼びかけるわけにもいかないし、見ただけで判断もつかないぞ」

四色ボールペン「それはそうなんですが……それでも、一緒に探してくれるってい

「男先輩?」

男「え?」

「あ、やっぱり!」

男「こ、後輩さん?」

四色ボールペン「え? あ、え?」


後輩「あの、どうも」

男「なんか久しぶりだな。前に会ったのはいつだったっけか」

後輩「えっと……先月の24日、ですね」

男「あれ、そんなに最近だっけ?」

後輩「間違いありません」

男「あーそうか、ごめんごめん。最近記憶が混濁しててさー」

後輩「え!?」

男「え?」

後輩「だ、大丈夫なんですか!? 何か異常が見つかったら、すぐに病院に行かないと!」

男「い、いや! 大丈夫だから! 冗談だから!」

後輩「本当ですか?」

男「おう、なんの問題もないぞ」

男(ここ3日くらい、ボールペンとコントを繰り広げてるけどな)


後輩「そうですか……」

男「なんかごめんな。心配かけたみたいで」

後輩「い、いえ! その、私の方こそ取り乱してしまって」

男「まあこの間まで学校も休んでた身だし、おおげさにもなるって」

後輩「すみません……」

男「いやいや、心配してくれたのは嬉しいよ」

後輩「男先輩にもしものことがあったら……」

四色ボールペン「この甘やかな空気を壊したい! そんな私は今空気!」

男(こいつうるせえ!)


後輩「あの、先輩?」

男「ん、どうした」

後輩「ひょっとして、怒ってます?」

男「いや、そんなことはないけど」

後輩「そうですか……なら良かったです」

男「なんで突然?」

後輩「なんだか、表情が硬いような気がしたので」

男「ああ、さっきからどうも頭が痛くてな」

後輩「やっぱり病院に

男「いやいやいや! ほんと大丈夫だから!」

後輩「無理はしないでくださいよ?」

男「おう、肝に命じておくよ」


後輩「あの、先輩!」

男「ん?」

後輩「えっと、その……」

男「?」

後輩「……すみません、なんでもないです」

男「そ、そうか」

後輩「……」

四色ボールペン「ぬぬぬ……」

男(気まずい!)

男「後輩さんは、今日は何を買いに来たの?」

後輩「いえ。私、このお店でバイトしているんです。今日は二時からですね」

男「へー、感心だなあ」

四色ボールペン「むむむむ……」


後輩「先輩は何を買いに来たんですか?」

男「え?」

後輩「男先輩、休日はあまり出かけないじゃないですか。
それがこんな時間に電気屋に来るってことは、何か急ぎの用じゃないんですか?」

男「いや、あの、そのー」

後輩「私、これでも店員さんなので! お力になれると思います!」

男(やる気満々だよこの子、参ったなあ)

四色ボールペン「男さん、そういえば炊飯器が壊れてましたよ」

男「え?」

後輩「え?」

男「あ、ごめん。気にしないで」

後輩「は、はい」


四色ボールペン「この機会に買っちゃえばいいじゃないですか」

男「いやしかし、出費が……」

後輩「……先輩?」

四色ボールペン「とにかく、早くごまかさないと!」

男「ぐぐ……」

後輩「あの」

男「……炊飯器」

後輩「はい?」

男「炊飯器が壊れててさ。すっかり忘れてたよ」

後輩「電気屋まで来て目的を忘れていたって、やっぱり病院に

男「もうほんと大丈夫なんで。病院病院言われるとなんか深刻になっちゃうんで」


後輩「そうですか?」

男「大丈夫です、はい」

後輩「それならいいですが……炊飯器ですよね? 機能やお値段の希望はありますか?」

男「安目で炊きあがりが速いのがいいかな」

後輩「先輩は一人暮らしだから、容量は少なくていいですよね?」

男「いつも一、二食分しか炊かない」

後輩「わかりました。後は、予約や炊きあがりを声でお知らせするお喋り機能が付いたのもありますよ?」

四色ボールペン「なんですと!?」

男「家電が喋る……」

後輩「あれ、ちょっと気になります?」

男「い、いや別に! 変な機能だなって思っただけだよ」

後輩「ふふ、ですよね。正直私も、喋る家電なんて要りませんし」

四色ボールペン「あ゛ぁ?」

男「は、はは……」

後輩「それじゃあ、炊飯器のコーナーに行きましょう」


炊飯器コーナー


後輩「先輩の要望に一番沿っているのはこの型ですね」

男「値段も手頃だし、これでいいか」

後輩「レジまで運んじゃいますね」

男「え、あー、うん」

後輩「歯切れが悪いですね。どうしました?」

男「やっぱり、買うのは今度でもいいんじゃないかなーって」

後輩「お金がないんですか?」

男「そういうわけでもないんだけど」

後輩「でも、炊飯器壊れているんですよね?」

男「そうなんだけど……」

後輩「ご飯が炊けないからって言い訳して、カップ麺ばっかり食べてるでしょ?」

男「なんという推理力」

後輩「体に悪いですからね。今日買っていって、ちゃんと自炊してください。
男先輩はただでさえだらしない生活を送っているんですから、食生活くらいはしっかりとしないと

男「あーもう! レジには俺が運ぶからな!」

後輩「あっちょっと先輩、待ってくださいよ!」


後輩「毎度ありがとうございます!」

男「これ、自転車のかごに入るかなあ……」

後輩「では私、そろそろ時間なので」

男「ああ、ありがとな。バイト頑張れよ」

後輩「はい!」

男「どうもありがとうな」

後輩「あ、先輩!」

男「なんだ?」

後輩「その、あの……」

男「うん?」

後輩「……いえ。またおこしください」

男「おう、またな!」

四色ボールペン「……」


男「あーあ、本当に買っちゃったよ」

四色ボールペン「……」

男「ずいぶん静かだな」

四色ボールペン「……雌狐の臭いがします」

男「なに?」

四色ボールペン「あの女、何を企んでいるんでしょうか」

男「はぁ? 後輩さんが? なんでまた」

四色ボールペン「だって明らかにおかしいでしょう、さっきの会話!」

男「そうか?」

四色ボールペン「男さんの情報を知りすぎですよ!」

男「そういえばそう……かな。生活習慣まで見切られてたし」

四色ボールペン「むむむ、嫌な予感がしますね」

男「そんなに気にするようなことか?」

四色ボールペン「さすがに気にした方がいいレベルだったと思いますが」


男「とりあえず一度家に帰って、これを置いて来るか」

四色ボールペン「持ったままでいいじゃないですか」

男「嫌だよめんどくさい」

四色ボールペン「男さんの感覚は分かりませんね」

男「あ」

四色ボールペン「どうしましたか?」

男「ごまかすために炊飯器買ったじゃん?」

四色ボールペン「はい」

男「別に電池とかでもよかったよな」

四色ボールペン「……」

男「……家、帰るか」

四色ボールペン「……はい」

誰だよ、忙しい時期が過ぎたから投下頻度も量も改善されるとか言ったやつ!


今回はここまでです。

毎度毎度量が少なくてすみません。


デパート


男「さあ、二回戦といきますか」

四色ボールペン「とんだタイムロスでしたね」

男「次はどこに行く?」

四色ボールペン「さっきは私が決めましたから、今度は男さんが決めてください」

男「そうだな……ペットショップ、行くか?」

四色ボールペン「え?」

男「ほら。お前、行きたいとか言っていただろ」

四色ボールペン「男さん……」

男「なんだ、俺の懐の広さに感動でもしたか?」

四色ボールペン「遊びじゃないんですよ? ちゃんと考えてください」

男「てめえこの野郎」

四色ボールペン「野郎じゃありません!」

男「しかし駄目か。そうなるとどこにしたもんか……」

四色ボールペン「ま、まあ、男さんがどうしてもというのなら、いい行ってあげてもいいですよ? わ、私は懐が深いですからねっ!」

男「懐とかないだろお前」

四色ボールペン「い、いいいいかから行きましょうよ、ね、ほほら、早く行きましょう? ね? ね?」

男「わかったから。とりあえず落ち着け」


ペットショップ


男「着いたな。やっぱり休日は混んで

四色ボールペン「うっひょおお!!」

男「うわっ!」

店員「ど、どうかなさいましたか?」

男「いや! 大丈夫です、すみません!」

店員「は、はあ」

四色ボールペン「うっひょうっひょ! 猫っ! 猫ですよっ! 男さん!」

男「うるせえ! 見りゃわかるわ!」

店員「ひえっ!?」

男「あ、いやその、違うんです、すみません!」

四色ボールペン「猫! にゃんこ! にゃんにゃんにゃにゃんこ!!」

男「お前は黙ってろおお!!」

店員「ええ!?」

男「お前もうるせええええ!!」

店員「はいいい!?」

男「あー! いや、だからあの、違くて!」

四色ボールペン「にゃんこにゃにゃんこにゃんにゃんこ!!!」

男「うおおおおお!!!」

店員「うわあああああ!!!」


雑貨店


男「はあ……」

四色ボールペン「猫、可愛かったですねえ!」

男「おかげ様でここのペットショップには金輪際行けなさそうだがな」

四色ボールペン「いやー。ほんと、食べちゃいたいくらい可愛かったです!」

男「どちらかと言うと食われる側だろ、お前」

四色ボールペン「猫はボールペンなんて食べませんよ。男さんじゃあるまいし」

男「俺も食わねえよ」

四色ボールペン「ちなみに男さんの場合、食べるというのは経口摂取の意味ではありませんよ?」

男「どっちにしたって食わねえよ!」

四色ボールペン「え~? 本当ですかぁ?」

男「なんなんだその無駄すぎる疑り深さ」


男「というかお前、せっかく休み返上で来てやったんだから、ちゃんと仲間探しをしろよ」

四色ボールペン「ぬぬ! 私のような麗人とデートができるというのに、休み返上とはなんたる言い草!」

男「何が麗人だよ。人ですらねえよ」

四色ボールペン「れ、麗ペン!」

男「更に言うと、四色ボールペン自体、ペンの中ではあんまり見た目の良い方じゃないよな」

四色ボールペン「なっ!? なんたる屈辱! この怒りをどこにぶつけたら良いのでしょう! 教えて、神様っ!」

四色ボールペン「怒りに溺れてはいけません。彼の歪んだ心を、あなたの優しさで少しずつ正していくのです(裏声)」

四色ボールペン「ああ、神様……。それが、私の生まれた意味なのですか……」

男「お前、ほんと楽しそうだな」

四色ボールペン「それはもちろん、男さんとデートだか

「あれ、男?」

男「え?」

「お、やっぱり」

男「友!」

友「昨日振りだな」

四色ボールペン「これなんかデジャヴュぅ!!」


男「何してんだ?」

友「いや、普通に買い物だけど。男は誰かと一緒なのか?」

男(き、聞かれてた?)

男「え、な、なんで?」

友「だってよ、……あー、うーんと」

男「どうした?」

友「なんつーか、女と一緒にいる時みたいな顔、してたからさ」

四色ボールペン「なんと! これが世に聞く慧眼ってやつですか!」

男「女?」

友「うっ、ち、違くて! そういうあれがほら、な?」

男「いや、女って。誰だよそりゃあ」

友「誰ってお前、そりゃあ……」

男「はは。安心しろ、一人だ」

友「そ、そうか」


友「でもさっき、誰かと話してなかったか?」

男(結局聞いていたのかよ!)

四色ボールペン「男さん、まずいですよ! ごまかさないと!」

男「しかしだなあ……」

友「え?」

男「あ、いや、気にするな」

友「お、おう」

四色ボールペン「とにかくやるしかありません!」

男「……よし、任せろ」

四色ボールペン「男さんならやってくれる、そう信じていますよ?」

友「ど、どうした」

男「あー、げ、幻聴――みたいな?」

四色ボールペン「やってくれたよ! 悪い意味でやってくれたよ!」

友「幻聴?」

四色ボールペン「案の定怪しまれた! 頼みますよ! こっからなんとか方向修正を

男「ほ、ほらその、最近四色ボールペンから女性の声が聞こえるんです――みたい、な?」

四色ボールペン「ッカミングアーウ!!!」


友「は、はあ?」

四色ボールペン「ほらもう変人を見る目つきになってる! 男さん、なんとかしなくちゃ」

男「な、なんか、ちょっとウザくて間が抜けてるお調子者キャラの女の子――的な?」

四色ボールペン「まさかの詳細説明だよ!!」

友「お前……」

四色ボールペン「うわあ!! なんかもう、むしろ怖い目つきになってる!!」

男「いやいや! あ、あれだよほら、何の根拠もないのに自信満々ないわゆる元気系お馬鹿キャラ――とか?」

四色ボールペン「どれだよ!! もう何がどうしたいんだよ一体!!」

友「おい男」

四色ボールペン「怖い! そのシリアストーン怖い!」

友「病院、行こう」

四色ボールペン「本日二度目のお誘いだあああ!!」


男「いやもうホント。ホント大丈夫なんで、はい。冗談っす。全部冗談っす」

友「ほんとに大丈夫かよ、お前」

四色ボールペン「男さん、心配されすぎじゃないですか? なんかもう病院に行った方がいい気がしてきたんですけど」

男「大丈夫だって」

友「まあ、お前がそう言うんなら信じるしかないけどよ」

男「はあ。今日は心配されすぎて逆に疲れたよ」

友「ということは、俺以外にも誰かに会ったのか?」

男「ああ、さっき後輩さんにな」

友「後輩ちゃんか……なんでまた?」

男「ここの電気屋でバイトをしているんだそうだ。事ある毎に病院行けだの無理するなだの言われて、参っちゃうよな」

友「……まあ、彼女が心配するのも仕方ないだろ」

男「それにしたってちょっとなあ」

友「ま、体に気をつけて精々俺達に迷惑をかけないように尽力してくれたまえよ」

男「あれ、どこに行くんだ?」

友「だーかーら、俺は買い物に来たのよ。この後は予定が詰まっていてな。すまんが、また明後日な」

男「仕方ねえなあ。じゃあ、また明後日」

友「うーす」


デパート前


四色ボールペン「なんと言うか……今日はすごく疲れましたね」

男「友と別れてから全フロア回ったけど、結局お前の仲間も見つからなかったしな……」

四色ボールペン「まあ、そうたくさんいられても私のアイデンティティが失われてしまいますからね」

男「仕方ない。とりあえず今日はもう帰宅するか」

四色ボールペン「今日の晩御飯はお米ですねっ! 楽しみです!」

男「お前食えないし関係ないだろうが……」

「あれ? ひょっとして……」

四色ボールペン「この感じ――っ!」

後輩「何やってるんですか先輩」

男「え゛」

四色ボールペン「出よったな雌狐め!!」

後輩「何か買い忘れですか?」

四色ボールペン「男さん、お得意のごまかしタイムですよ! そういえばトースターの調子が

男「で、電池。電池買うの忘れてましたあ」

今回はここまでです。

あまり長編にするのも(自分が)アレなので、そろそろ完結に向かって行きたいですね。



『―――くん』

男(なんだ?)

『男く――ごめ―――い』

男(この声、あいつか?)

『――しのせいで――こくん―つら――――をさせ―』

『わた―――と―わす――くだ――』

男(よく聞こえないな)

『もうわた―――らわれ―い―――さい』

男(何を言っているんだ?)

『頑――てく―――ね』

男(クソ、全然わからねえよ)

『おと――んなら――丈夫――』

男(ああ、でもなんだか)

『わ――は――たを――いま―』

男(……落ち着くな)



――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――
――――――――



「男さん!」

男「ん、あ……」

四色ボールペン「大丈夫ですか? すごい汗ですよ」

男「ああ、大丈夫だ」

四色ボールペン「全く、また悪い夢を見たんですか?」

男「……わからん」

四色ボールペン「わからない、ってどういうことですか」

男「あんまり内容を覚えていないんだよ。別に悪夢ってわけじゃあなかったと思うが」

四色ボールペン「夢って、起きちゃうと思い出せなかったりするものですよ」

男「お前、夢とか見たことあるのかよ」

四色ボールペン「……そう、聞きまし
たね」


男「そういえば、確か女性の声が聞こえた」

四色ボールペン「女性ですか」

男「お前の声みたいだったな」

四色ボールペン「なんと! 夢にまで私を求めるなんて、もうっ! 男さんったら!」

男「お前が勝手に出てきたんだろうがよ! しかし、なんというか……」

四色ボールペン「なんですか?」

男「少し懐かしい、声だったな」

四色ボールペン「お、男さん?」

男「どうした?」

四色ボールペン「なんで、泣いているんですか?」

男「え?」


四色ボールペン「落ち着きましたか」

男「取り乱していたわけでもないんだが……」

四色ボールペン「やっぱり、夢のせいですか?」

男「どうだろうな。さっき言った声ってのが、なんだかノイズが走ってるみたいな感じで何を言っているか聞き取れなかったんだ」

四色ボールペン「その声以外には何かありました?」

男「いや、真っ暗だった」

四色ボールペン「それ、幻聴じゃないですか?」

男「嘘から出た真ってか。勘弁してくれよ」

四色ボールペン「悩み事があるなら、話くらいは聞きますよ?」

男「特にない、はず」

四色ボールペン「私の相談料は安くないですけどね!」

男「しないから関係ねえよ」

四色ボールペン「あ、でもでも、男さんなら特別割引で、そうですね……三割負担でいいですよ?」

男「客って俺しかいないだろうが! 実質全額負担じゃねえか!」


四色ボールペン「しかし気になりますね」

男「夢なんざいちいち気にしたって仕方ないんじゃないか」

四色ボールペン「案外、何かの暗示かもしれませんよ?」

男「暗示って、何のだよ」

四色ボールペン「確か、私の声が聞こえたんですよね?」

男「聞き取りづらかったし、ほとんど思い出せないから断定はできないけどな」

四色ボールペン「そこから察するに――なるほど。わかりましたよ」

男「聞かせてもらおう」

四色ボールペン「つまりその夢は、男さんが私と結ばれる未来を示しているわけです!」

男「は?」

四色ボールペン「情景を思い浮かべてください! 男さんと私が、真っ白な教会で式を挙げる姿を!」



リーンゴーン  リーンゴーン



『汝、健やかなる時も、病める時も――』

四色ボールペン『――誓います』


『おめでとう!』
『おめでとうございます!』
『幸せになー』

後輩『男さん』

男『後輩さん。来てくれてありがとう』

後輩『いえ、先輩からのお誘いですから。……悔しいけど、お二人、すごくお似合いですよ』


四色ボールペン『投げますよー! えいっ!』

『ブーケは私の物よ!』
『ちょっとアンタ、まだ若いんだから譲りなさい!』
『自分でその発言はどうなんですかね』


四色ボールペン『男さん』

男『なんだ?』

四色ボールペン『幸せに、してくださいね?』

男『ああ、任せろ』



男「……うわあ」

四色ボールペン「どうです! 私との挙式が、脳裏に鮮明に浮かんだでしょう!? さあ、結婚です!」

男「シュール過ぎて笑えないギャグ、って感じだった」

四色ボールペン「ちょっと、ギャグって! 真面目に想像してみたんですか!?」

男「挑戦はした」

四色ボールペン「真っ白な教会は? 真っ白なウェディングドレス! 真っ白な私達!」

男「燃え尽きてんじゃねえか! そんでもってドレス着れねえよお前!」

四色ボールペン「そんな! ウェディングドレスを着させてもらえないなんて……あ、神前派?」

男「体型だよ! 寸胴とかいうレベルじゃねえよ!」

四色ボールペン「ええっ! 最近ボディラインを気にして、食事を減らしているのに……」

男「永久に変わんねえだろうな! そもそも食えもしねえしな!」

四色ボールペン「シェイプアップのために、ちょっと恥ずかしいけどヨガも……」

男「ヨガなんてどうあがいてもできねえだろ!」

四色ボールペン「私、あがくとかできないんですけど。じたばたするとか。ボールペンですし」

男「昨日もそうだが急に馬鹿キャラになるの止めろ! 素なのかボケなのかわかりづらいんだよ!」


四色ボールペン「今朝のウォーミングアップはこんな感じでいいですか?」

男「起床一時間でグロッキーだよ全く……」

四色ボールペン「さて、今日はどうします?」

男「あー、どうするかね。またデパートで探索か?」

四色ボールペン「そうしましょうか」

男「でも、もう調べる場所もないしなあ」

四色ボールペン「しょ、食品売場とか」

男「喋る食い物とか、見つかってもどうすればいいんだよ。食品は駄目だ。色々と駄目だ」

四色ボールペン「むむむ……」

男「やっぱり今日は、家でゆっくりするかなあ」

四色ボールペン「まあ、男さんの具合も心配ですから、今日のところは勘弁してやろう」

男「お前、どんどんキャラが崩れて来てるよな」


四色ボールペン「……」

男「……」


テレビ<見てくださいこの大きな海老!


四色ボールペン「結局、テレビなんですよね」

男「お前、動けないしな。ゲームも何もできないんだから仕方ない」

四色ボールペン「古今東西、ボールペンメーカーの名前!」

男「ゼブラ」パンパン

四色ボールペン「ぺんてる……あっ」

男「なんだ?」

四色ボールペン「手拍子、できないんですけど」

男「あー……」



テレビ<どうですかこのきれいな白身!


四色ボールペン「……」

男「美味そうだな、刺し身」

四色ボールペン「しりとり! 『り』ですよ!」

男「最終的に既出の言葉かどうかわからなくなって、有耶無耶に終わるパターンしか見えない」

四色ボールペン「そ、それなら絵しりとりはどうです?」

男「絵とか描けないだろお前」

四色ボールペン「私が男さんに伝えて、男さんが絵を描くとか」

男「それもう何のゲームなんだよ」



テレビ<こうすることで卵がふわふわに仕上がるんですねー


男「……」

四色ボールペン「美味しそうですね、親子丼」

男「親子丼いいなあ。炊飯器も買ってきたことだし、今夜は親子丼にしようかな」

四色ボールペン「いやらしい!」

男「突っ込み所が多いな」

四色ボールペン「被せてくるなんて! いやらしい!」

男「今晩は親子丼かなー」

四色ボールペン「う、スルー……男さん、結構料理上手なんですよね」

男「あの程度ならすぐできるようになるだろ」

四色ボールペン「そんな物ですかねえ」

男「卵も鶏肉もないし、買い物に行くか」

四色ボールペン「お供しましょう!」

男「よっし」



スーパー


男「卵……豚肉……三つ葉……」

四色ボールペン「喋る豚肉……喋る牛肉……喋る鶏肉……」

男「最悪、鶏肉だけは勘弁な。親子丼食えなくなるから」

「あれ?」

四色ボールペン「は?」

男「こ、後輩さん!」

後輩「男先輩! すごい偶然!」

四色ボールペン「嘘だろおい!! ファッキュー運命の女神!!」


後輩「2日連続、三度目のゲストですね!」

男「とんでもない低確率引いちまったなあ」

後輩「先輩もお買い物ですか?」

男「ああ、晩飯の食材を買いに」

後輩「そうなんですか。あ、炊飯器の具合はどうですか?」

男「……まだ使っていない、です」

後輩「ちょっと、まだインスタント食品だけで生活しているんですか?」

男「い、いや、だから今日は親子丼を作ろうとしてだな」

後輩「いやらしい!」

男「え?」

後輩「……すみません、早急に忘れてください」

男「お、おう」

四色ボールペン「唐突に下ネタを投げ込み、しかし照れて清純キャラをアピール!? ――こいつっ!」


後輩「お、親子丼なら得意ですよ!」

男「ほー」

後輩「な、なんですかその顔」

男「後輩さん、料理とかできるんだ。意外」

後輩「失礼ですね! 私だって一応女の子なんですよ? 料理くらいできます」

男「あ、一応とか言っちゃうんだ……」

後輩「むしろ、友達の間では料理上手で通ってますから」

男「いや、なんか全然想像できないんだけど」

後輩「ぐっ――いいでしょう」

男「何が?」

後輩「先輩の晩ご飯、私が作ります」

男「なぁ!?」

四色ボールペン「ないわー! ないわー!」


後輩「ああまで言われたら、私が料理を作って証明するしかありません」

男「そこまで酷く言ってないよね!?」

後輩「いえ、ガラスの十代なマイハートは傷つきました」

男「ごめん、そのワードチョイスから若さは感じられないわ」

後輩「あ、親に連絡しておかないと。お会計お願いしますね」

四色ボールペン「こいつ……こいつ!」

男「許してください、ただ平穏な夕食を望んでいるだけなんです」

後輩「それは私の作った料理で穏やかならざる状況になる、という解釈でいいんですか?」

男「い、いやそういう意味じゃなくて――」

後輩「とにかく、早くお会計済ませてください」

四色ボールペン「許さん……許さんぞ!」

男「どうすりゃいいんだよこれ……」



自宅


男「はあ……」

四色ボールペン「くっそ! くっそ!!」

後輩「~♪」トントントン

男(自宅なのに落ち着かねえ……)

後輩「すぐできますからね、先輩」

男「なんか、何もしなくて申し訳ないな」

後輩「好きでやってますから。気にしないでください」

男「そうか、悪いな」

後輩「いえいえー」ジュワァー

四色ボールペン「なんだこの空間! くっそ!」

男(落ち着かねえよ……)


後輩「どうぞ!」コトン

男「お、美味そう」

四色ボールペン「こ、これくらいなら私でも!」

男「無理だろ普通に」ボソッ

後輩「え、なんですか?」コトン

男「あ、いや、なんでもない――ってあれ? 後輩さんも食べて行くの?」

後輩「先輩は私に、料理だけ作って帰れと言うんですか? オオ、ヒドイヒト……」

四色ボールペン「うわ、さすがにドン引きです」

男「違うって! ああもう、いただきます!」

後輩「ふふ、召し上がれ」


男「ふぅー、ごちそうさまでした」

後輩「お粗末様でした。で、私の自信作の出来はどうでしたか?」

男「とりあえず、俺より上手いことは理解した。あの卵の加減は完璧だわ」

四色ボールペン「くっ、料理上手は高ポイントですね……!」

後輩「喜んでいただけて何よりですよ。洗い物して来ますね」

男「ああ、洗い物は俺がやるよ」

後輩「そんな、私がやりますよ」

男「飯を作ってもらって洗い物までさせたんじゃ、俺の気が休まらないからさ」

後輩「あ! じゃあ部屋の掃除をさせてください。男さん、自分じゃあまりしないじゃないですか」

男「え、いや、それはちょっと……」

後輩「おや? まさか先輩、見られてはいけないような物が?」

男「ないない! ないから! 好きにしろ!」

後輩「ふっ……」

四色ボールペン「こいつ、手練か!」


男(はあ……なんだか、上手くしてやられた感じだな)ガチャガチャ

四色ボールペン「なっ、この雌狐、そんな所まで!?」

男(どんな所なんだよ)ジャー

四色ボールペン「止めなさい! そんなに奥までかき回して、変な物が出てきたらどうするんですか!」

男(ねーよ。色々とねーよ)

四色ボールペン「あん? それは……」

男(何も出ねえって)

四色ボールペン「ちょ、ちょっと? 突然どうしたんですか?」

男「ん?」

四色ボールペン「男さん! カモン! カムヒア!」

男(なんで英語なんだよ……)キュッ


男「洗い物終わ――!?」

四色ボールペン「あわわわ」

後輩「……」

男「あの、後輩さん? なんで泣いていらっしゃるんですかね?」

後輩「こ、これ――」

男「髪の、毛?」

四色ボールペン「これは女性の髪の毛、ですかね?」

男「なんでそんな物が……後輩さん、どうし

後輩「すみません、今日は、帰らせてもらいます」

男「え、でも、落ち着いてからの方がいいんじゃ」

後輩「いいんです。ちょっと……一人で、泣きたい気分ですから」

男「なんでそんな……髪の毛なんかで」

後輩「なん、か?」


後輩「なんかってなんですか?これを見ても何も思わないんですか!?」

男「いやでも、誰のかもわからないし」

後輩「……もういいです。今日は、帰ります」

男「お、おい待ってくれよ! 何かまずいことを言ったなら謝るから!」

後輩「いえ、先輩は悪くありません。……そう、先輩は悪くないんです。お邪魔しました」ガチャン

男「……」

四色ボールペン「お、おおっふ……」

男「なあ」

四色ボールペン「はい?」

男「俺、何が悪かった?」

四色ボールペン「答えるのは簡単ですが、私が教えた答えに意味がありますかね」

男「……自信がないのか」

四色ボールペン「……否めないです」

男「はあ……」

非常に長いことお待たせしてしまいましたので、EXシリアスぶっぱです。


関係ないことですが、結婚式について調べていたら絶命しかけました。

乙です
今までとは変わった展開でしかもそのまま続くとか……
これは次回更新が早いってことですよね?wwww
ひょっとして結婚準備中とかなら祝福しつつ気長にお待ちしてます

>>120
いつもありがとうございます。

>>103を書くために結婚式について調べ出す

甘やかな雰囲気に1悶絶

なんだか惨めになりながら怒りのEXシリアスぶっぱ

言葉足らずでしたね。すみません。

乙です
四色ボールペンが可愛い過ぎて辛い
四色ボールペンの口はどこですか?



『―と―く―』

男(ん……?)

『―げな――』

男(またお前かよ、誰なんだ)

『前――て―きて――――』

男(昨日よりも聞き取りづらい、か?)

『―――――わた――――にいま―』

男(……なんだか、眠いな)

『――しは、――た―――い―す』

男(これ、夢の中なのにな。はは)

『大――で――おと―――』




『―と―く―』

男(ん……?)

『―げな――』

男(またお前かよ、誰なんだ)

『前――て―きて――――』

男(昨日よりも聞き取りづらい、か?)

『―――――わた――――にいま―』

男(……なんだか、眠いな)

『――しは、――た―――い―す』

男(これ、夢の中なのにな。はは)

『大――で――おと―――』





――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――
――――――――



男「!!」

四色ボールペン「良かった、起きましたか」

男「うぁ……もうこんな時間か……」

四色ボールペン「だいぶうなされていましたよ?」

男「また、同じような夢だった」

四色ボールペン「というと、例の女性の声が聞こえたんですか」

男「ああ。でも、昨日よりも声が聞き取りづらかったな」

四色ボールペン「やっぱり、何かの暗示なんですかね」

男「今度はなんだ、俺とお前の新婚生活とかか?」

四色ボールペン「いえ、真剣な話です」




――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――
――――――――



男「!!」

四色ボールペン「良かった、起きましたか」

男「うぁ……もうこんな時間か……」

四色ボールペン「だいぶうなされていましたよ?」

男「また、同じような夢だった」

四色ボールペン「というと、例の女性の声が聞こえたんですか」

男「ああ。でも、昨日よりも声が聞き取りづらかったな」

四色ボールペン「やっぱり、何かの暗示なんですかね」

男「今度はなんだ、俺とお前の新婚生活とかか?」

四色ボールペン「いえ、真剣な話です」

やだ何これちょっと! 恥ずかしい!

PCの調子が悪いのでiPhoneから投下します。


四色ボールペン「2日連続で似たような夢を見るなんて、ちょっと変ですよ」

男「……そうは言ってもなあ」

四色ボールペン「定番通りに行くと、それが予知夢だったりするわけですが」

男「漫画の読みすぎだな」

四色ボールペン「漫画なんて読んだこともないですよ」

男「じゃあそれは何の定番なんだよ」

四色ボールペン「よくわかりません」

男「なんだそりゃ」

四色ボールペン「というか、自分自身でもよくわからないことばかりなんですから。今更です」

男「なんと言うか、卑怯な逃げだな」

四色ボールペン「事実ですからね、仕方ありません」


男「さ、学校に行かないとな」

四色ボールペン「大丈夫なんですか?」

男「変な夢を見ました、って理由で休むわけにいかないだろ。体調も特に悪くないし」

四色ボールペン「それはそうですが……」

男「心配しすぎだろ。どうせ大したことないって」

四色ボールペン「はあ」

男「しばらく休んでいたんだ、また休んだら授業に追いつくのが面倒だろ」

四色ボールペン「もう好きにしてください。どうせ言っても聞かないでしょうし」

男「そう怒るなって。今日も仲間探しを手伝ってやるからさ」

四色ボールペン「気持ちは嬉しいですが、無理はしないでくださいよ?」

男「問題ない問題ない。さあ行くぞ」


学校


男「おっす」

友「おう! あれ、なんかお前顔色悪いな。どうした?」

男「あ、ああ。ちょっと寝不足で気分が悪くてな」

友「……なんだよ、またゲームか?」

男「つい熱が入ってな」

友「何やってんだか。授業で寝てもノートは貸さないぞ?」

男「ね、寝なければいいんだろ?」

友「どうだかな」


昼休み


友「おい男、食堂行こうぜ」

男「あー悪い、今日も先に行っててくれ」

友「おいおい、なんだ?」

男「ちょっとな」

友「……俺も一緒に?」

男「駄目です」

友「から揚げゴチになりまーす」

男「マジですか」

友「マジでーす」



トイレ


男「よう」

四色ボールペン「はい」

男「今日もちゃんと静かにしているな」

四色ボールペン「ただでさえ不調の男さんに、余計な迷惑はかけられませんからね」

男「あー……うん、ご配慮どうも」

四色ボールペン「ふふんっ! これくらいは当然の気遣いですよ!」

男「普段からそれくらいしてくれればな」

四色ボールペン「こういうのはたまにするから相手がありがたみを感じるんですよ」

男「打算まみれじゃねえか! 汚れた気遣いだなおい!」

四色ボールペン「しかたありませんよ。世界は打算で動いています」

男「弁解もできないのが情けない」


男「今日は一昨日のとは別のデパートに行くか」

四色ボールペン「ペ、ペットショップはあるんですか?」

男「おい」

四色ボールペン「いや、その、喋る動物とか」

男「えらくファンシーだな。まあ、一昨日の所よりは小さいが、あるにはあるぞ」

四色ボールペン「猫は! 猫はいるんですか!」

男「……」

四色ボールペン「あ、はい、すみません」

男「……猫くらいならいるぞ」

四色ボールペン「うっしゃあ!!」

男「趣旨を忘れてんだろお前!」


男「まあそういうわけで、あと昼休みと二時限分だけ我慢してくれ」

四色ボールペン「任せておいてください! 私はボールペン属でも優秀な四色ボールペン種ですからねっ!」

男「ボールペンってそういう区分方法なのか?」

四色ボールペン「知りませんよ、適当なので」

男「この野郎……」

四色ボールペン「まあ、野郎じゃありませんけどね!」

男「とにかく、そろそろ食堂に行かないと。友が待ってるからな」

四色ボールペン「そうですね。では、私は引き続き黙っています」

男「頼むわ」

四色ボールペン「任せてください! 私はボールペン属でも優秀な

男「それはもういいって」

「おい」

男「!!」

四色ボールペン「!!」


男(まずい、誰か来た!)

四色ボールペン「弱りましたね」

男(なんとかなる、か?)

四色ボールペン「!」

四色ボールペン「あー……なんというか、厳しいですね、これ」

男(なんだよ一体)

四色ボールペン「男さん、後ろを見てください」

男「――!!」

「……男」

男「――友」

友「……」

どうも失礼しました。
二回も連投してしまうとは想定外だったので、かなり混乱しています。

なんだか締まりませんが、恐らく次回の投下で完結できると思います。


>>122
それはもう、下のお口でしょう!

長い間放置して本当に申し訳ありません。
保守レスありがとうございました。

もうこれまでの内容を忘れてしまっているかも知れませんが、今回の分を投下させていただきます。


男「よ、よう。先に食堂に行ったんじゃなかったのか?」

友「……」

男「そっ、そんな怖い顔してどうした?」

友「なあ」

男「なんだ?」

友「便所なんかで何していたんだ?」

男「……そりゃあ、便所なんだから用足しだろうよ」

友「話し声が聞こえたんだけど」

男「ちょっと電話をな」

友「携帯なんて出してなかっただろ」

男(ごまかせない、か)


友「男さあ」

男「ああ」

友「ここ数日ちょっと変だったよな」

男「そんなこと

友「まあいいから聞けよ」

友「お前が一ヶ月振りくらいに学校に来てさ、嬉しかったんだよ。
そりゃあやっぱりこたえてたみたいだったけど、やっと立ち直れたのか、って」

友「でもよ、それから何日か経って、お前の様子がおかしくなった」

男「……」

友「無理して明るく振舞っているわけでもなさそうだったな。まるで、全部忘れちまったみたいな風だったよ」

友「それで、今日までお前のことを見ていてわかったんだ」

友「お前の言動が、あいつがいた時と全く同じものだって」


男「ど、どういうことだよ。何を言っているんだ?」

友「お前が一番知っているはずだ」

男「何をだよ」

友「なあ、もうわかってるんだろ? お前は逃げているだけだ」

男「わかんねえよ、全然わかんねえ!」

友「お前が自分で認められないなら、俺が言ってやるよ。よく聞け」

男「……やめろ」

友「あいつは、いつもお前にひっついてはあしらわれていた」

友「お調子者な癖に照れ屋で律儀で、後輩だからってお前に対していつまでも敬語で話していた」

友「料理が上手でお前に料理を教えていた。家事が得意でお前の部屋に行っては世話を焼いていた」

男「おい」

友「あいつは、いつもお前のことを考えていた。いつもお前のことを見ていた」

男「やめろよ」

友「あいつはもういない」

男「やめろ!!」



友「――女はもう死んだんだ」



友「お前が見て聞いているそれは全部本物じゃない」

男「……」

友「お前、ここ数日は体調も悪そうだったよな。今思えばそれも、お前の態度が変わったのと同じタイミングだ」

友「女のことを無理やり忘れようとしたけど結局は精神の方に負担がかかってしまっていた、ってとこか」

友「後輩ちゃんも気づいているはずだ。あの子、お前らのことに関してはやたらと敏感だったからな」

男「……」

友「もう、ごませないぞ」

男「……俺は」

友「……」

男「……」ダッ

友「な、おい男! 待て!」


男「!」

後輩「あれ、先輩?」

男「後輩さん……!」

後輩「先輩、そんなに急いでどうしたんですか?」

友「男! 待て!」

男「……くっ」ダッ

後輩「あっ! 友先輩、どういうことですか!」

友「悪い、説明は後でな!」

後輩「ちょっと! 待ってくださいよ!」


男「くそっ!」ガチャガチャ

友「あの野郎チャリで逃げやがった! 参ったなクソ」

後輩「ハァ……ハァ……ちょ、ちょっと、説明、してくださいよ!」

友「全部言ってやった」

後輩「全部って……それで、どうだったんですか」

友「この有り様だよ」

後輩「もう! だから刺激しないように、って言ったじゃないですか!」

友「悪い、我慢できなくなっちまった。とにかく今はあいつを追いかけよう」

後輩「でも、私たち自転車ないですよ?」

友「それでも追いかけねえと! あんな状態で放っておけるかよ!」

後輩「私、友達に自転車借りてきます!」

友「ああ、俺もそうする。あいつのアパートに向かってくれ。そこで落ち合おう!」

後輩「わかりました!」


男(わかってんだよ)

男(女はもういない、そんなことわかってる)

男(それでも、わかってても)

男「認めてたまるかよおおおお!!」

男(あいつらのことだからきっと俺を探しに来る。とにかく人のいない方へ……)

男(逃げてどうなるわけじゃない。だけど――)

ギッ!

男「!!」

ギギッ!

男「ブレーキが、止まれなっーー!!」

ガッ!



――――――――――――――――


男「うっ、いっつ……」

男(ここはどこだ? 人気のない方に逃げてきて――)

男(ああ、川に落ちたのか……あの崖からか?)

男(うわ、頭から血ぃ出てるわ)

男(あー寒い。俺、これやばくないか?)

男(なあにやってんだろうなあ、二人に心配かけて)

男(女の思いも裏切って)

男「女ぁ……」


友「後輩ちゃん!」

後輩「友先輩!いましたか?」

友「ハズレだ。あいつのことだから部屋に逃げ込んでいると思ったんだがなあ」

後輩「男先輩、早まったことしていないといいですけど……」

友「とにかく手当たり次第に探すしかないか。今度は

「――――――」

後輩「!!先輩、今の!」

友「……ああ、俺にも聞こえたよ」

「――――――」

友「向こうだ!」

後輩「こんなことって……」


男(足、折れてるのかこれ)

男(こんなとこ人も来ねえよなあ)

男(携帯、は水没か……)

男(ん、あれ? ボールペンが……途中で落としちまったか?)

男(あー、後で怒られるだろうな)

男(……今度は本当に喋ってくれねえかなあ)

男(女ぁ、もうすぐ会えるかもしれないぞー)

男(今度はもう少し長く一緒にいられるといいなあ)

男(ああ、もう……)




――――――――
――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――



『男くん』

男「!」

『久しぶりですね』

男「女! ……本当にすぐ会えたな」

女『はい。すぐにもう一度お別れなんですけどね』

男「ってことは俺、まだ死んでいないのか」

女『友先輩と後輩ちゃんが必死に探してくれていますよ。それと、私も少しお手伝いしました』

男「そうか……」

女『男さんには私の分まで生きていてもらわないと!』

男「はは。寂しいけど、今度は逃げないよ」

女『男さんなら大丈夫ですよ!』

男「まーたお前は根拠のないことを」


女『大丈夫、いつも私が見守っていてあげますからっ!』

男「どこぞのボールペンかお前は」

女『ふふ。だって、私をイメージしていたんでしょう?』

男「でも、やっぱり本物が一番だ」

女『当然です! さあ、もう起きる時間ですよ』

男「ああ、また会えるのを楽しみにしているよ」

女『案外、すぐに会えるかもしれませんよ?』

男「おいおい、最後にずいぶん不吉なことを言ってくれるじゃねえか」

女『フッフッフ、言葉の真意はいかに、です』

男「ああ? うわ、体が――」



――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――
――――――――



男「うっ」

友「男!」

後輩「男さん!」

男「友、後輩さん……」

友「お前よ、逃げるにしてももっとわかりやすい所にしろよな」

後輩「男先輩、崖下の川に滑落していたんですよ? 一歩間違えたら死ぬところでしたよ!」

友「頭から血ぃ流して気持ちよさそうに寝てやがって、俺ぁもう駄目かと思ったよ」

男「ああ、色々あってな……」


男「というかお前ら、良く俺を見つけられたな」

友「ああ、それはな」

後輩「ちょっと目撃者がいたというか」

男「あんな人気のない場所でか?」

後輩「いや、人というかその――

「男くーん!」

男「えっ」ビクッ

友「……まあ、そういうことだ」

男「なんで……」

四色ボールペン「男くん!」

男「なんでボールペンが喋るんだよ!」

四色ボールペン「あなたがそれを言いますか!?」


男「いや、本当になんで……というかお前、女か?」

友「俺たちがお前を探してお前の部屋に行った時に、馴染みのある声が聞こえてな」

後輩「声のする方に行ったら、道端に女ちゃん(?)が落ちていたわけです」

四色ボールペン「そういうわけです!」

後輩「で、男先輩が自転車ごと崖から落ちたと聞きまして」

友「案内してもらって急いで駆けつけたってわけよ」

男「あの言葉はそういう意味だったってことか」

四色ボールペン「です!」

友「あの言葉?」


男「あーいや、その……ん? でもおかしくないか?」

後輩「何がですか?」

男「こいつは俺の部屋の近くにいたんだよな?」

友「だな」

男「なんで俺が崖から落ちたって知っているんだ?」

後輩「! それを知っているってことは、彼女は少なくとも崖の近くにいないと……」

友「そもそも男は学校を出て川の方に向かったんだ。ほぼ逆方向にある男の部屋の近くにこいつが落ちていたってのはおかしいな」

男「おい、どういうことだ?」

四色ボールペン「まあその、あれですよ

男「どれだ」

四色ボールペン「頑張ったら動けた、みたいな?」

男「は?」


四色ボールペン「動けると思ったら動けました。コロコローって」

男「根拠のないことを実現させる、まさしくお前だな」

友「にわかには信じられないな」

後輩「そもそもこれが女ちゃんだっていうことが信じられませんよ」

男「で、なんで四色ボールペンに取り憑いたんだ?」

四色ボールペン「男さんが妄想の種にしていて、ちょうど良かったからです!」

男「語弊を生む言い方はやめろ」

友「えーっと、俺が学校の便所で男と話した時は?」

男「まあ、俺のセルフ幻聴というか、想像だ」

後輩「男先輩が崖に落ちたあとで、女ちゃんが取り憑いたってことですか」

四色ボールペン「その”取り憑く”っていうの、なんかなあ。いや、正しいんだけど、なんかなあ……」


男「まあどうにも現実離れした話だが、とにかく助かったよ。三人ともありがとうな」

友「おう。食堂のから揚げ、奢りな。五個くらい」

後輩「男先輩が無事で良かったです。女ちゃんにも、姿は違いますが久しぶりに会えましたし」

男「お前ら……」

四色ボールペン「大団円、ですね!」

男「そういえばお前、ずっとこのままこっちにいるつもりなのか?」

四色ボールペン「言ったじゃないですか」



四色ボールペン「私は、ずっとあなたを見ています!」



以上でこの話は終わりです。

スレの初めの方で思わず漏らしてしまったとおり、内容に納得がいかず一度スレを立て直そうかとも思いました。
しかしせっかくの初ssですし、
何より数人でも読んでくださる方がいてくださったので、ここまでやろうと思いました。
本当にありがとうございました。

長くお待たせした上にこのような展開で皆さんがどう思うかわかりませんが、
感想や助言等いただけたらと思います。



――――――――――――――――


男のアパート


男「ようやく帰って来られたな」

四色ボールペン「まだ杖つきですけどね」

男「この程度で済んで良かったよ。また学校の勉強が不安だけどな」

四色ボールペン「男さんなら大丈夫ですよ!」

男「まーた根拠のないことを……さて」

男、四色ボールペン「ただいまー!」ガチャ

男「そういえば事故の前日、お前の髪の毛が出てきたんだよ」

四色ボールペン「どんだけ掃除していなかったんですかちょっと! だいたい男くんは

「おかえりー」

男「……あ?」


四色ボールペン「……なんか、聞こえましたね」

男「すげえデジャヴュなんだけど」

「朝帰りどころか何日振りの帰宅や、って話やねんな……」

四色ボールペン「キッチンの方ですね」

男「勘弁してくれよ……」

「あー全く、ワイも不幸やなあ」

「冴えへんにーちゃんに買われたかと思うたらまともに使ってももらえんし」

「これやったら電気屋のめんこいねーちゃんといられた方が幸せやったかなあ」

四色ボールペン「うわあ……」

男「腹立つわあ……」


男「……開けるか?」

四色ボールペン「正直私も嫌なんですけど」

「お? 久しぶりに帰ってきたか思うたらもうワイの出番か?」

「なんや、電気屋のねーちゃんに言いこめられて来たんか?」

「なんにせよええ心がけや!」

男「うっさんくせえ……」

「よし、今日はワイが最高の米炊いたるさかい、任しt

男「……」パカッ

炊飯器「……」

四色ボールペン「……」

男「おらあぁああぁああ!!!」

炊飯器「なんとおおぉぉおぉお!!?」

四色ボールペン「私のアイデンティティいいぃぃい!!!!」





彼らは、あなたを見ています。


といった感じで、蛇足を添えておきます。
いつか続きを書きたいですね。
次回もこのトリップで書こうと思います。もし見かけたらまたよろしくお願いします。

html化依頼は明日出しておきます。
ありがとうございました。

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