アイドルマスターミリオンライブ!のSSです。
一部キャラ崩壊があるかもしれませんので予めご了承ください。
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P「こんにちは、765プロダクションのプロデューサーです」
雪歩「は、萩原雪歩ですぅ……」
P「今日は篠宮可憐の自己肯定感を爆上げしていこうと思います。よろしくお願いします」
雪歩「でもプロデューサー、一体どうして急にこんなことを……?」
P「それではこちらの映像を御覧ください」
テロップ【ある日のこと】
P「可憐、新しいオファーが入ったぞ!」
可憐「ほ、本当ですか? 嬉しいです……!」
可憐「どんな仕事なんですか?」
P「水着グラビアの仕事だ。風花も一緒に」
可憐「ふ、風花さんと一緒に!?」
可憐「そ、そんな、私……できません!」
P「一体どうしたんだ可憐」
可憐「だ、だって、風花さんみたいにスタイル抜群の人と一緒にグラビアなんて……!」
可憐「しかも水着だから、派手な服装で誤魔化すのも難しいですし……」
可憐「私は地味だから、風花さんの隣に並んだら地味すぎて何もできなくなって……」
可憐「きっと皆さんに迷惑をかけてしまいます!」
P「……あー」
可憐「プ、プロデューサーさん……」
P「うーん」
可憐「プロデューサーさん……?」
P「あぁそういえばこの仕事もう受けちゃったんだ絶対外せないんだったごめん一大丈夫大丈夫絶対上手くいくから一緒に頑張ろうな可憐」
可憐「そ、そんなぁ!」
P「——というわけです」
雪歩「これは酷いですぅ。ひんそーでちんちくりんでダメダメな私ならともかく、可憐ちゃんみたいにスタイルが良い人がこんなに自己肯定感が低いなんておかしいですぅ」
P「……」
雪歩「……どうかしましたか、プロデュ-サー」
P「いえ、なんでもないです。雪歩も今度グラビア頑張ろうな」
雪歩「えぇ!? どうしてですかぁ!」
P「というわけで、篠宮可憐も日々新しいことに挑戦して頑張ってくれてはいるのですが、今一つ自己肯定感に繋がっていないので、ここで我々が彼女の自己肯定感爆上げの後教えをしてあげようという企画になります」
雪歩「アシスタント兼解説の萩原雪歩ですぅ。今日は可憐ちゃんの先輩として、なんとか自信を持ってもらえるように頑張りたいと思います」
P「時に萩原雪歩さん。彼女の自己肯定感を上げてあげるにはどうすれば良いと思いますか」
雪歩「自己肯定感を上げるために必要なこと、それは……」
雪歩「それは……」
P「それは……?」
雪歩「いっぱい褒められることですぅ!」
デデン!
テロップ【いっぱい褒められること】
P「思ったより普通のことだった」
雪歩「基本は大切ですぅ」
P「でも俺も可憐の担当プロデューサーとして、出来る限り褒めてあげるようにしているんだけどな……」
雪歩「でも『この人は私に自信を付けさせるために褒めてくれてるんだな』と思われるようではだめですぅ。一旦そう思われてしまうと、折角褒めても素直に受け取ってもらえないんです」
P「そういうものなのか?」
雪歩「そういうものです。ダメダメな私はこういうことには詳しいんですぅ」
P「……」
雪歩「どうかしましたか、プロデューサー」
P「いや何でも。じゃあ、とにかく褒めるとして、心から素直に褒めてくれる人と一緒に過ごしてもらえばいいんだな。いや俺も心から褒めてるんですけど」
雪歩「そう、人選が大切ですぅ。可憐ちゃんが変に勘ぐったりしないで、ひたすら褒めてくれるような人……」
雪歩「しかも本人にはこの企画を一切伝えないで、それでもたくさん褒めてくれる人じゃないといけません」
P「えぇっ!? 確かに可憐を褒める人は多いが、それでは企画の趣旨が……!」
雪歩「私の人選を信じてください、プロデューサー」
P「こういうところは自信あるのな」
雪歩「それでは事務室の中継に切り替えますぅ」
可憐「……」
雪歩「可憐ちゃんは既に事務室に呼び出しています」
P「なるほど、ここにサポーターを呼び出して可憐を褒めさせるわけだな」
雪歩「そういうことです。私たちは見守るだけですぅ」
可憐「……」
P「あっ、可憐が紅茶を淹れ始めたぞ」
雪歩「はうぅ……可憐ちゃん、お洒落でカッコ良くて素敵だなぁ……」
P「雪歩が行けば良かったのでは?」
雪歩「そんな、ダメダメな私が褒めたってダメに決まってますぅ!」
P「……」
雪歩「……」
P「でも一体誰を選んだんですか」
雪歩「もう少し待てば分かります……あっ来ました!」
ガチャ
昴「おーっす可憐……ってうわー! 可憐が紅茶飲んでる!」
可憐「え、えぇっ!?」
テロップ【765プロ所属アイドル、永吉昴(15)】
P「なるほど昴ですか」
雪歩「後は昴ちゃんに任せて、私たちは静かにしていましょう」
昴「うわー、やっぱ可憐はすげーなー。普段からずっと女の子っぽいっていうか」
可憐「え、えっと……どうしたの昴ちゃん……?」
昴「いやだって、紅茶飲もうって発想が出ることがまずすげーし、しかもほら、誰も見てないのにちゃんと姿勢良く飲んでるしさ」
可憐「あっ、これは癖みたいなもので……」
昴「いやいやすっげーって。オレも頼まれたら紅茶淹れることはあるけど、自分一人で淹れようって思わないもんな。あと一人だったら絶対ダラーって脚とか広げちゃうし」
可憐「わ、私はただ好きなことをしてるだけだから……」
昴「その好きなことをキチッとできるのがやっぱ凄いよな。可憐ってその上で自分が苦手なことにもちゃんと挑戦するし」
可憐「で、でもその度にみんなにも迷惑ばっかりかけちゃって……」
昴「そんなことみんな思ってないぜ? 最近の可憐ってすっげー頼れるし、憧れるヤツも多いんじゃないか?」
可憐「そ、そんなこと……」
P「おぉ? これは良い流れなのでは?」
雪歩「むむぅ……」
P「萩原解説員!? どうしてそんなに難しい顔を!?」
雪歩「これはなかなか強敵ですぅ……」
P「なぜです!? このまま行けば可憐の自己肯定感が爆上げされて自らを神と崇め奉る日も近いのでは!?」
雪歩「素人は黙っとれですぅ」
P「!?」
昴「この前のグラビアもすっげーかっこよかったし、やっぱ可憐ってすげーよな。前に音楽番組に出た時だってさー」
可憐「す、昴ちゃんだって!」
昴「え、オレ?」
可憐「そんな風に、人の良い所をいっぱい見つけて、いっぱい褒められるって、すごいことだと思うよ……?」
昴「え、オレそんなに褒めてた?」
可憐「無意識にそういう考え方が出来るの、憧れちゃうな。私は自分のことで精いっぱいで」
昴「や、やめろよ可憐―。なんかハズいだろ」
可憐「でも本当のことだから」
雪歩「あぁっ! やっぱり『いっぱい褒める人すごい現象』が発生してしまいましたぁ!」
P「いっぱい褒める人すごい現象!?」
雪歩「自己肯定感が低い人は一気に褒められすぎてしまうと、『こんなに自分を褒めてくれるなんて、この人は凄い人だなぁ。私なんて……』と考えてしまって、それ以降一切の肯定を受け付けなくなってしまうんですぅ!」
P「なんなのそれ!? 知らん現象が発生してるんだけど!?」
雪歩「くぅぅ……。天空橋さん、春香ちゃんと段階的に褒めていくべきでしたぁ。専門家として恥ずべき失態ですぅ」
P「専門家ってすげぇや」
雪歩「このままではダメですぅ! 昴ちゃんを呼び出して、次の刺客を放ちましょう!」
P「いま刺客って言った?」
ピコン
昴「ん、あれプロデューサーから呼び出された。悪い可憐、また今度な」
可憐「うん、じゃあね昴ちゃん」
ガチャ
可憐「あれ? そういえば私もプロデューサーさんに呼び出されてここにいるはずじゃ……」
美希「やっほー可憐!」
可憐「美希ちゃん!? お仕事忙しそうなのにどうしたの!?」
テロップ【765プロ所属アイドル、星井美希(15)】
美希「雪歩に呼び出されたの。あれ、雪歩は?」
可憐「見てないなぁ。残り香はあるから朝のうちに来ていたみたいだけど」
P「なるほど、次は美希か。これはどういう作戦ですか萩原解説員」
雪歩「え、可憐ちゃんって残り香で事務所にいたかどうか分かるんですか?」
P「あ、ごめん慣れ過ぎて何も感じてなかった」
雪歩「……こほん。美希ちゃんも基本は昴ちゃんと同じ、褒め倒しです」
P「ふむ、でも美希には昴ほどの褒め褒めパワーは望めないのでは?」
雪歩「そこは対策済みですぅ。美希ちゃんには私たちが冒頭に見た映像を見せておいて、可憐ちゃんを勇気づけて欲しいと伝えてあるからきっといっぱい褒めてくれるはずですぅ」
P「こいつさっき自分が言ったことを秒で覆しやがった」
雪歩「見くびらないで欲しいですぅ。美希ちゃんならきっと可憐ちゃんにそのことを気付かせずに、的確に可憐ちゃんの自己肯定感を上げてくれるに決まってますぅ」
P「丸投げじゃねぇか」
雪歩「まぁまぁ、見ていてください」
美希「あっ、可憐。そういえば雪歩にいっぱい可憐を褒めてほしいって頼まれたの」
可憐「えっ……?」
雪歩「……」
P「……」
P「萩原解説員……?」
雪歩「……」
雪歩「……テヘ☆」
P「……」
雪歩「……」
P「……」
雪歩「あーーーーーーダメですぅ! やっぱりダメダメな私はちっとも可愛くないからこんなことじゃ誤魔化せないんですぅー! 穴掘って埋まってますぅ~!!!」
P「や、やめろ落ち着け! まだワンチャン、ワンチャンあるから!」
可憐「ゆ、雪歩ちゃんがそんなことを……? どうしよう、私なにか心配かけるようなことしちゃったのかな……」
美希「うぅん、そんなことないよ。きっと可憐がグラビアに尻込みしてたからイラッとしたんじゃないかな」
ハナシテクダサイプロデューサー!! ミキチャンヲアナホッテウメマス!!
ヤメロ!! オチツケユキホ!!
ドタンバタン
可憐「ん、あれ。雪歩ちゃんとプロデューサーさんの声が……」
美希「ねぇ可憐。どうしてグラビアに自信ないの?」
可憐「えっ。だって私は地味だから、写真映えとかしないだろうし……」
美希「可憐はおっぱい大きいから全然大丈夫だって思うな」
可憐「えっ、えっ……?」
美希「ねぇ可憐。ミキのおっぱい好き?」
可憐「それは、どういう質問なの……?」
美希「好きか嫌いか、どっちかって言うと、どっち?」
可憐「き、嫌いじゃないけど……」
美希「じゃあ好きってことだね。で、可憐のおっぱいはミキよりおっきいの。じゃあみんな可憐のおっぱいが好きだよね?」
可憐「え、え、そうなの……?」
美希「そうだよ。男の人も女の人も、みんなそうだよ」
P「ひでぇ極論だ」
雪歩「むぐー! むぐー!」
P「おっ、何か言いたいのか雪歩。放送禁止用語を喋らないならガムテープを外してやろう」
雪歩「ぷはぁっ! 大事なアイドルを拘束するなんてどうかしてますぅ!」
P「大事なアイドルを穴に埋めかねない勢いだったからな」
雪歩「それよりも解説です。これが美希ちゃんの伝家の宝刀、『ゴリ押し』ですぅ!」
P「もうちょっと何かなかったのか」
雪歩「理論も理解も必要ない。ただ圧倒的でゴリ押しで『もしかして私って、すごい……?』と思わせることで、上がりにくかった自己肯定感も爆上げです!」
P「さも作戦であったかのように語りますね」
雪歩「当然ですぅ!」
P「自己肯定感のブレ幅すごいっすね」
美希「あと、プラチナスターライブでもしっかりリーダーしてたし、可憐はやっぱり凄いよ」
可憐「そんな、美希ちゃんと比べたら私なんて……」
美希「可憐、ARRIVEのリーダーでWelcome!!を歌ったときのセリフ覚えてる?」
可憐「え、確か『大丈夫、できる』って」
美希「ちょっと言ってみて」
可憐「だ、大丈夫、できる」
美希「もう一回」
可憐「大丈夫、できる」
P「ゴリ押しってすげぇや」
雪歩「このまま行けば大丈夫そうですね」
美希「もっと大きな声で!」
可憐「大丈夫、できる!」
美希「可愛く!」
可憐「大丈夫、できる♪」
美希「セクシーに!」
可憐「大丈夫、キミならできるよ」
美希「くるっと回って~!」
可憐「……」クルクル
美希「ミキの学校の宿題も?」
可憐「大丈夫、できる!」
可憐「……えっ?」
美希「うん、可憐ならきっとできるの! じゃあこれ、お願いね♪」
可憐「み、美希ちゃん~!」
美希「後でまた取りに来るの~!」
ガチャ
可憐「えぇ……」
P「やりやがった……」
雪歩「やっぱり穴掘って埋めておかなきゃだめでしたね」
可憐「ど、どうしよう……うぅん……」
可憐「あっ、そういえばプロデューサーさんと雪歩ちゃんが劇場にいるんだった。探しにいかないと」
可憐「くんくん……あっちかな」
P「まずいぞ雪歩、可憐に索敵されてる! こっちに近づいて来てるぞ!」
雪歩「どどどどどうしましょう~! 私は地中に逃げるとして、プロデューサーは気合いで何とか」
P「可憐の索敵範囲は半径2 kmだ。迎撃するしかない!」
雪歩「くっ、この手は使いたくなかったんですけど……」
雪歩「最後の手段ですぅ~!」ポチッ
シュタッ
瑞希「お呼びですか、萩原さん」
テロップ【765プロ所属アイドル、真壁瑞希(17)】
雪歩「あの方法で、可憐ちゃんの自己肯定感を爆上げしてきてくださいぃ!」
瑞希「承りました。しゅばば」
P「この劇場って忍者が居たんだぁ」
雪歩「私は草葉の陰から見守ってますー!」
P「頼むから死なないでくれ」
瑞希「篠宮さん、はろー」
可憐「わっ。瑞希さん。どうしたんですか……?」
瑞希「突然ですがこの五円玉を見てください」
可憐「えっ、五円玉……?」
瑞希「ゆーら、ゆーら……」
可憐「……」
瑞希「あなたは段々自己肯定感が高くなーる。高くなーる……」
可憐「……」
P「催眠術じゃねぇか!」
雪歩「もうこれしかないんですよう!」
P「い、いや、でもあの様子はもしかして」
雪歩「や、やりましたか!?」
P「フラグを建てるな」
瑞希「さて、篠宮さん。二三質問をします」
可憐「……」
瑞希「あなたは、自分のことが好きですか?」
可憐「はい、大好きです」
瑞希「それでは、自分の良い所を挙げて頂けますか?」
可憐「自信が無くて臆病な自分が嫌だったのに、そんな自分を変えたいと努力し続ける強さがあります。更に、街を歩けば道行く人の目を奪うレベルで顔が良いです。どんな派手な服装でも完璧に着こなすことができます。あとドヤ顔が可愛いです」
瑞希「やりました萩原さん。ミッションコンプリートです」グッ
雪歩「ナイスです瑞希ちゃん、褒めて遣わしますぅ!」
P「もはや雪歩がどういう立場なのか分からん」
可憐「そして私は抜群にスタイルが良いです。上から90-59-90です」
瑞希「ぐっふぉぁ」
P「あぁっ! 瑞希が謎のダメージを受けて死んだ!」
雪歩「ま、まずいですぅ! 自己肯定爆上げ可憐ちゃんを止められる人類なんてこの世に」
可憐「あっ雪歩ちゃん。そこにいたんですね♪」
雪歩「ひぃっ!」
可憐「私のこといっぱい褒めたかったってことは、私のことが好きで好きで仕方ないんですよね……?」
雪歩「ひぃぃ! 助けてくださいプロデューサー!」
可憐「プロデューサーさんは私の香りが大好きだから、私の香りを嗅いだらもう動けなくなるんですよ?」
P「はい」
雪歩「うわぁんプロデューサーの役立たず!」
可憐「ねぇ雪歩ちゃん。私の好きなところ、たくさん言ってもらって良いですか? 私のことが大好きなんだから、簡単ですよね?」
雪歩「ひ、ひぃ、近い、近いですぅ!」
可憐「早く私のこと好きって言ってください。ね、雪歩ちゃん」
雪歩「もう自己肯定爆上げ可憐ちゃんはコリゴリですぅ~!」
おわり
おわりです。HTML依頼出してきます。
自己肯定感爆上げ篠宮さんかわいい……。
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