◆最初に
※咲-Saki-とウルトラマンシリーズのクロスオーバー
※京太郎もの
※基本平成
※地の文多め、かも
※麻雀関係あるようなないような、これウルトラファイト
※>>1以外はsageでお願いします
※“1話に1回ぐらい”安価
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1635702994
◆プロローグ
須賀京太郎、15歳、高校一年生
夏、自らの在籍している清澄高校のインターハイでの団体戦優勝を見届けた
もちろん、自らが親友【宮永咲】の個人戦優勝すらも
過ぎゆく平和な日々
そして夏が過ぎ―――光と闇の混沌とした戦いが始まる
・【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」咲「光よ!」
[【咲-saki-】京太郎「ウルトラマンの力」咲「光よ!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1630256552/)]
やってくっすー
タイラント終了からってことで
前スレのやつ『漫絹』『戒能さん』『松実丼』は進行してったらやるっすー
まぁ絹も玄も良子さんもいないから登場してからになるけどもー
―――次回予告
京太郎:かわいい
胡桃:おっぱい大きければなんでもいいんでしょ!
デスレ星雲人:終わらせる
豊音:京ちゃんって、呼んで……いいかなー?
京太郎:好き
デスレ星雲人:獄炎の中、塵と消えるがいい!
京太郎:俺は尻も良いと思う!
塞:え~こまっちゃうなぁ~えへへ~
次回【萌えろ!燃えろよ!】
トシ:特異課は婚活会場じゃないんだよ?
京太郎:微塵も思ってねぇわ!
もう10月末、そろそろ肌寒い季節になり青い葉は紅葉へと変わって行く
あれから数日、京太郎は一人起きた熊倉家から特異課基地へとやってきた
時刻は9時過ぎ、欠伸を噛み殺しながら基地のロビーへと入る
京太郎「トシさん、起こしてくれてもいいのになぁ」
塞「重役出勤ってやつ?」
横に現れた塞の言葉に顔をしかめる
京太郎「うっ……そのぶん働きますよ」
塞「いや逆にそれはなぁ、働きすぎっていうか京太郎無茶するからなぁ」
京太郎「そうっすか?」
塞「そうでしょ」
他愛ない話をしながら、京太郎はエレベーターのボタンを押す
とりあえずトシと話をするためだ
着いたエレベーターに乗り込む京太郎と塞
塞「でもありがとね」
京太郎「へ、どしたんっすか?」
戸惑いながら、
塞「いやっ、ふ、普通に……私たちのために色々頑張ってくれてるし」
京太郎「……あとは葵さんっすね」
塞「そのために残ってる?」
京太郎「まさか、それもありますけどそのためだけじゃないっすよ?」
塞「……京太郎って、優しいよね」フフッ
京太郎「え、なにそれ口説いてます?」
塞「く、口説いてないよ!?」カァッ
京太郎(そんなに勢いよくこなくても)
塞「そ、それに口説くならもっと、その……」ボソボソ
京太郎「?」
妙な雰囲気のまま、エレベーターの扉が開く
京太郎と塞が降りると、たまたまなのか胡桃と白望が作戦室の前で立っていた
京太郎「胡桃さーんシロさーん」
その声に反応して二人が京太郎の方を向く
塞「おはよー」
京太郎(あれ、いつも通り)
白望「ん、おはよ」
胡桃「作戦室?」
京太郎「はい、二人は?」
白望「私たちも」
そう言って、白望が気怠そうに京太郎の横に行ってからよりかかる
もちろん体が触れ合うのでドキッと、するのだが平静を装う
装えるだけ、成長したなと実感した
白望「ん、よりかかりやすい」
京太郎「かわいい」
そう言ってから、止まる
京太郎(しまった!)
装えてなかった
白望「そ……」
京太郎(ちょっと赤い?)
胡桃「……おっぱい大きければなんでもいいんでしょ!」
京太郎「ちょぉ!!?」
白望「……触りたい?」
京太郎(触りたい!!)
京太郎「ご、誤解を生みますよぉ~」
―――???
真っ暗な空間
ただ麻雀卓だけが置かれた空間で、座っているのは咲
そしてその隣には“ぐったりとしている和”と、対面にはデスレ星雲人がいた
咲「まだ?」
デスレ星雲人「奴は必ず殺す。次はない」
咲「次はないってのは、こっちの台詞だけど」
デスレ星雲人「……」
なにを応えるでもないデスレ星雲人
それもそうなのだろう
“本来の主”とはまた別の存在なのだ―――自分もまた然り、なのだが
デスレ星雲人「今度こそは、終わらせる」
第22話【萌えろ!燃えろよ!】
作戦室へと入った京太郎たち
そこにいるのは熊倉トシ―――それと“姉帯豊音”だった
軽く手を上げると、豊音は嬉しそうな表情をしてかけてくる
豊音「京太郎くーん」ギュッ
京太郎「うぼっ」
その身長で抱きしめられた京太郎
当然顔は胸に埋まるのだがた、それはそれで……ありである
京太郎(むしろ僥倖!)
豊音「えへへ~」
パッと離されると、京太郎はフッと微笑む
京太郎「好き」
豊音「……ふぇっ!!?」カァッ
京太郎「あ! 間違えた!」
塞「このばかっ!」ポカッ
京太郎「あいた!」
胡桃「……」ジトー
白望「……」ジトー
京太郎「ち、違う違う違うんですっ!」
豊音「え、えっとまずは村長にご挨拶からぁ~」
トシ「よし、とりあえず全員座れ」
京太郎が“とりあえず”神妙な顔つきで座る
塞と胡桃とシロがジトっとした視線を向けてくるが気づかないふりをする
豊音は相変わらずニコニコしていた
京太郎「トシさん、今回はなにを?」キリッ
トシ「うん、まぁ……宮守麻雀部をなんとかしてもらって、ここでやることはあと一つ」
京太郎「?」
トシ「デスレ星雲人を倒す」
京太郎「ああ、あれ」
そう返事をする京太郎だが他の面々はわかっていない
トシがキーボードを叩くとモニターにデスレ星雲人が表示される
塞「ああ、こいつ」
トシ「まだ力が集まっていないならやりようはいくらでもある」
京太郎「……こいつを倒す、ですか」
白望「どうやって探すの?」
トシ「いや、次に京ちゃんが往来にでも出ればあっちから出てくる……はず」
胡桃「はずって」
塞「てか京太郎があぶないんじゃ?」
京太郎「なるほど、今日中にどうにかできると?」
トシ「そういうこと……たぶんね」
豊音「京ちゃんが心配だよー」ナミダメ
京太郎「京ちゃん?」
豊音「あ、京ちゃんって、呼んで……いいかなー?」
首をかしげてはみかみつつそういう豊音を前に、京太郎は冷静を装おう
装いながら―――
京太郎「好き」
豊音「ふぇっ!?」ボンッ
京太郎「ああちがっ! と、友達としてね!?」
―――装えてすらいなかった
◆安価!
1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、臼沢塞
14、小瀬川白望
15、鹿倉胡桃
16、姉帯豊音
◇1↓から10分間でコンマが一番高い選択肢を採用
7、辻垣内智葉
作戦室を出て、京太郎は休憩所にいた
突如、腕につけていた端末が鳴る
腕時計型のそれを開くと、ボタンを押した
京太郎「智葉さん?」
智葉『ん、久しぶり、だな』フフッ
その声に、京太郎も微笑む
京太郎「どうしたんっすか?」
智葉『なにかないと、連絡しちゃだめなのか?』
京太郎「え、あ、いや」
智葉『……冗談だ』フフッ
京太郎「ちょっとやめてくださいよぉ」
智葉『真面目な奴ほどからかいたくなるものだろ』クスッ
笑う智葉に、京太郎は苦笑を返す
智葉がそういう風にからかかうのが珍しく、少しばかり京太郎は新鮮味を感じた
智葉『……その』
京太郎「ん?」
智葉『前の……』カァッ
京太郎「ああ、智葉さんが会いたいって言ってくれた」
智葉『よく普通に返すなっ!?』
端末のモニターに赤い顔の智葉が映る
笑う京太郎に、智葉が不満そうに頬をふくらます
京太郎「……俺も、会いたいっすよ」フッ
智葉『ふぇぁっ!?』マッカ
別になんのきなしに言葉にする京太郎
シンプルに、ただ単純に会いたいと思ってるからこその言葉だ
智葉と同じ気持ちだと―――思っている
京太郎「徐々に、状況は進んできてますから」
智葉『そう、かもしれない……こちらも、そうだから』
東京の方も、徐々に状況が好転してきてはいるのだろう
仲間たちも取り返すことができているのかもしれない……
京太郎「やばそうだったら言ってくださいね、すぐに行きますから」
智葉『……』
京太郎「俺が、俺のために守りたいんです。前も言ったけど」
智葉『その、わ、私を……?』
京太郎「はい、智葉さんを……」フッ
その言葉に、智葉の顔が一気に赤くなる
京太郎「それに明華さんやネリー、他にも」
智葉『ととと、とりあえずまた、ぜったい会いにくるようにっ!』
京太郎「え、あ、はい」
智葉『ま、待ってるから……今後は、う、うちに』
京太郎「へ、なんて?」
智葉『う゛っ……そ、それじゃまた連絡するっ!』
それだけ言うと、智葉が通信を切った
首をかしげる京太郎だが、フッと笑みを浮かべて頷く
京太郎「全部終わったら、もっと楽しそうだな」
◆安価!
1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
×、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、臼沢塞
14、小瀬川白望
15、鹿倉胡桃
16、姉帯豊音
◇1↓から10分間でコンマが一番高い選択肢を採用
3、福路美穂子
智葉との通信を終えて、京太郎は街を歩いていた
目的も別段ないパトロール
雀荘めぐりと言っても過言ではないのだが……
京太郎(あまり客いなかったなぁ……)
雀士失踪時間も徐々に噂になっているせいかもしれない
京太郎(さてと、ともすればどうするかなぁ)
上を向いて、日光の眩しさにサングラスをかける
すると、腕時計型の端末が鳴った
京太郎「美穂子さん?」
ピッ
京太郎「美穂子さん」
美穂子『あ、京太郎……繋がってるわよね?』
京太郎「声聞こえてれば」
美穂子『良かったぁ』
そう言って息をつく美穂子に、京太郎は笑みがこぼれる
相変わらず機械音痴のようでいまだに端末の操作もあやふやらしい
京太郎「おはようございます」
美穂子『もうお昼よ?』
京太郎「……ほら、業界内じゃいつもおはようって言うじゃないっすか?」
美穂子『テレビの人になるの?』
京太郎「すんませんそのつもりはないっす」
会話をしながら歩く
美穂子『あ、でもはやりさんが京太郎をテレビにーって言ってた気がするわ』
京太郎「丁重にお断りするぜ」
美穂子『でも、京太郎ってかっこいいから似合いそう』クスッ
京太郎「美穂子さんがカッコいいって言ってくれるだけで十分っすよ」フッ
美穂子『あぅっ』カァッ
京太郎「?」
美穂子『ず、ずるぃ』
京太郎「え、あ……臭かった?」
美穂子『き、嫌いじゃないけど、ね?』
京太郎「あ~、ははは……」
京太郎(危うく好きになるところだったぜ!)
今回はここまででー
続きは明日やれると思うー
明日22話終わればいいなぁー
そんじゃまたー
やってくーミツバンバン!
安価取ったら落ちてくシステムー
取らなくても落ちてくキャラもいる……まぁ多少はね!
美穂子との会話を終えて歩く京太郎
デスレ星雲人―――ベリアルの仲間に同族が存在した
ダークネスファイブ、その一人だ
京太郎(デスローグさん、か)
人通りの多い大通りに出てしまい、ため息をついた
さすがにここにデスレ星雲人が来るとも思えない
やはり雀荘で怪獣メダル持ちを倒してあぶりだすしかないのだろう
京太郎(俺も敵の気配感じるとかできれば……)
??「あれ、そこにいるのは!」
京太郎(この声は……)
ゆっくりと振り返ると、そこには―――
京太郎(げぇ! 西田ぁ!)
順子「お久しぶりですね!」
大介「どうも」ペコ
京太郎「ど、どうもお久しぶりです」アハハ
西田順子と山口大介
ウルトラマン関係の事件を探っている記者二人だ
しかし、まだばれていないはずだ
息をついてかけているサングラスの位置を整える
そうそうにこの場を離れたい
大介「仕事ですか?」
順子「長野から岩手なんて大変ねぇ」
京太郎「まぁ色々と……」
順子「守秘義務?」
京太郎「そういうことっす……それにしても、どうしてこちらに?」
軽く質問を返す
この問答を終えてさっさとそこを去ろうと決める
このまま宮守の誰かを見られても厄介だ
順子「ほら、長野でベリアルが消えたじゃない?」
京太郎「……そうっすね」
順子「それから出てきた怪獣と戦う怪獣、あれを追っててね」
京太郎「なんでまた」
順子「ベリアルに似てない? どっか」
京太郎「……さぁ、関係あるんですかね」
あまり話してると墓穴を掘りそうだ
京太郎「俺は仕事なのでこれで」
順子「えーそんなこと言わないでよ!」
順子が京太郎の腕に抱き着く
その感触に顔を赤らめながらも離れようとする
だが、いかんせん腕を掴む力が割かし強い
京太郎「ちょっ」
順子「須賀京太郎くん?」
京太郎「ッ!」
順子「ね?」
腕を組まれたまま止まっている京太郎
サングラスの下から、視線だけを順子の方に向ける
ニヤリと笑みを浮かべる順子に眉をひそめた
京太郎「……俺が須賀京太郎だからって、なにか問題でも?」
順子「シラ切らないの?」
京太郎「下調べしてるんでしょ?」
順子「まぁねー」
そう言う順子を相手に、京太郎は眼を細める
京太郎「……で、なにか聞きたいことでも?」
順子「ええ、色々とそっちの組織のことと……ウルトラマンについてとか?」
京太郎「ウルトラマンについては知らないっすよ」
順子「ホントに?」
京太郎(面倒だな……トシさんとか出てこねぇかな)
そんなことを思っていると声が聞こえた
塞「あれ、京太郎?」
京太郎(塞さんは出てこなくていいから!)
順子「あれ、宮守の……」
京太郎(しまった……)
白望「?」
胡桃「女の人と腕組んでる!?」
京太郎(ややこしくなりゅ!)
固まる京太郎、そして空気
京太郎「……えっと」
順子「はは~ん、雀士失踪事件の詳しいこと聞きたいわね。怪獣との関係とか?」
京太郎「え~っと」
白望「京太郎?」
塞「大人の女がそんなにいいのか!」
京太郎「ちげぇから!」
塞「よく考えれば白築さんにもデレデレしてた!」
京太郎「してねぇ!」クワッ
豊音「あ、京ちゃんだ!」ダキッ
順子とは反対側の腕に抱き着く豊音
もちろん京太郎より高いので背の順で並んでいるようになっている
順子「さて須賀君、色々聞かせてもらおうかしらぁ?」
京太郎「丁重にお断りさせてもらうんですが」
胡桃「修羅場だ」
京太郎「ちげぇから!」
白望「犯罪ですよ、大人が高1相手に」
順子「ち、違うから!」
京太郎(これもしや攻勢に出れるのでは……?)
塞「で、ダブルで腕組まれてる色男は、どうすんの?」ジトー
京太郎「いや俺はなにも悪くない」
順子「と、とりあえず犯罪はマズイ……宮守のこととか聞きたいけど」スッ
京太郎(しかしまぁ、こうなると言い逃れとか……)
瞬間、周囲の人々の動揺する感覚を察する
そして同時に、自分に対する敵意と殺気
そちらに視線を向ければそこには―――
京太郎(そっちから来たか……)
デスレ星雲人「須賀ぁ、京太郎ォ……」
白望「目ぇつけられてない?」
京太郎「そうっすね……」
スッと、豊音も組んでいた手を離す
京太郎「!」
即座に、ガッツハイパーを抜いてトリガーを引く京太郎
他の宮守の面々もガッツハイパーを抜こうとするが圧倒的に京太郎の方が早かった
放たれた弾丸を、デスレ星雲人は左腕で弾く
デスレ星雲人「その程度でやれると思ったか!」
京太郎「チッ!」
この場で余計なことを喋らせるわけにはいかないと、さらに数発を放つ
だが、それもデスレ星雲人が火球を放ったことにより溶かされ―――さらに火球は京太郎に迫る
京太郎「ッ!!」
素早く、順子を大介の方に付き飛ばして自分は豊音と共に横に跳ぶ
火球が京太郎たちのいた場所を通って壁にぶつかり爆散する
豊音を庇うように倒れている京太郎の背中に瓦礫がぶつかっていく
京太郎「ぐっ……」
デスレ星雲人「獄炎の中、塵と消えるがいい!」
大したダメージでもなく、すぐに顔をデスレ星雲人の方に向ける
視線を動かせば大介と順子が見えた
京太郎「さっさと記者さんたち逃がして!」
そう言って、上体を持ち上げる
塞「りょ、りょうか……」
胡桃「あー!」
京太郎「何事っすか!」
白望「……」ジトー
京太郎「?」
だが違和感を感じる。主に右手に……
京太郎「……」チラッ
豊音「ぁ、ぁぅぅ……」マッカ
京太郎(俺の右手がなぜか豊音さんのおっぱいにー! こういうラブコメイベントあるんっすか俺の人生!!?)
豊音「きょ、きょぉちゃぁん……」
涙目で、ほんのりと赤らんだ顔の豊音
心臓がバクバクと音を鳴らすのを感じつつ、京太郎はハッとする
京太郎「そんな場合じゃないから!」
豊音「あぅっ、わ、私の村、来てくれる?」
京太郎「ちょ、話は後にしましょう!」
豊音「あっ……ぅ、うんっ♪」ニコッ
京太郎(かわいいかよ……)
起き上がった京太郎はそっと豊音の手を取って起き上がらせる
身長に比べて体重が軽いなぁと思わないでもないが、その胸は豊満であった
頭を振るって、その感触を忘れるよう努める
京太郎「とりあえずさっさと散開して……」
塞「やっぱおっぱいなのか!」
胡桃「おっぱい星人!」
京太郎「ち、ちがっ! お、俺は尻も良いと思う!」
―――沈黙、ただ空気が凍った
京太郎「……」
塞「……え~こまっちゃうなぁ~えへへ~」デレッ
胡桃「私は納得してないよ!」
塞「え~まぁいいじゃんかぁ~」
胡桃「下半身デブ!」
塞「!!?」
胡桃「とりあえず逃げるよ!」
塞「あ、はい」
胡桃と塞が豊音を連れて、順子と大介と共に避難しようとする
京太郎はガッツハイパーを構えたまま立っていた
デスレ星雲人「ふざけた件を見せられたが」
京太郎「そりゃ失敬、こっからは真面目に」
白望「京太郎」
京太郎「え、早く塞さんたちと行ってくださいよ!」
白望「……頑張って」
京太郎「……うす」
そう応えて頷く京太郎を見ると、白望は頷いて塞たちと共に避難していく
1人残すことに抵抗したような塞の声が聞こえるが……
京太郎「サンキューっす」
そっと、ゼットライザーを取り出す
デスレ星雲人の体から闇が溢れだす
今までとは明らかに違う感覚に、京太郎は顔をしかめた
敵は目の前―――
デスレ星雲人「今回で終わらせる。オレも本来の力でな!」
京太郎「上等ォ!」
トリガーを引き、ゲートが出現する
デスレ星雲人「オォォォッ!」
巨大化するデスレ星雲人
溢れだす闇をその身に受けたまま、京太郎は勢いよく地を蹴り真上のゲートへと入り込んだ
―――【インナースペース】
そこに立つ京太郎が、左手にゼットライザー、右手にカードを持つ
素早くアクセスカードを挿入
『kyotaro Access Granted.』
メダルホルダーを開き三枚のメダルを取り出す
敵は火を使う、ならば選ぶべきは―――
京太郎「どくろ怪獣、古代怪獣、ベリアルさん!」
挿入された『レッドキング・ゴモラ・ベリアル』メダル
それらを挿入すると、ブレードを可動させる
『Red King.Gomora.Belial.』
京太郎「これでオーラスだ!」
『Skull Gomora.』
ベリアル融合獣―――スカルゴモラ
現れたのはスカルゴモラ
その正面にはデスレ星雲人
睨み合う二体の“宇宙人”たち……
京太郎『……ここで』
デスレ星雲人『終わらせる!』
顔の発光体から火球が放たれる
京太郎『そんなもんでェ!』
まっすぐ走り出したスカルゴモラが正面からその火球を受け爆散
だが、デスレ星雲人は素早く両腕を構えた
その爆煙の中から飛びだしてくるスカルゴモラ
京太郎『スカル超振動波ァ!!』
突進するスカルゴモラを受け止めるデスレ星雲人だが、その角から放たれた攻撃によりデスレ星雲人が後ろに下がって行く
立ち止まるスカルゴモラから放たれる振動波を勢いは殺せないまでもしっかりと凌ぐ
デスレ星雲人「ハアァッ!」
両腕を振るうと、振動波が拡散し周囲の住宅が吹き飛ぶ
すかさずデスレ星雲人が火球を放つ
先ほどよりも強力なその火球を、スカルゴモラは正面から受ける
スカルゴモラ「―――!」
京太郎『ぐぅっ!』
タイラントのデスファイヤーを耐えたスカルゴモラでさえこのダメージ
今までの火炎とはレベルが違うのだろう
さらにデスレ星雲人が巨大な左手を真上へと上げた
デスレ星雲人「デスインフェルノ!」
京太郎『上かッ!』キュピンッ
スカルゴモラの上空、時空が歪む
5つほどの波紋から放たれる火炎が一斉にスカルゴモラへと降り注ぐ
真上を向いていたスカルゴモラが頭部から超振動波を放つ
京太郎『三つが関の山かっ!』
デスレ星雲人「塵となれ!」
残った二つの火球が直撃、そして爆発
爆煙が晴れるが、そこにはボロボロのスカルゴモラが立っている
京太郎『っ……!』
デスレ星雲人「まだ立っているか」ハハハハ
サンダーキラーもバーニング・ベムストラも相性故にどうにもならないだろう
炎に対する防御力ではスカルゴモラのはずだが、攻撃力ではバーニング・ベムストラ
しかし、そちらに変われば瞬く間にやられる
京太郎『どうする……!』
デスレ星雲人『もう一度受けろ!』
さらに、上空に5つほどの波紋が広がる
そちらに視線を向けるが、現状のスカルゴモラでは―――
―――【インナースペース】
瞬間、京太郎は妙な直感でメダルを取る
そのメダルは―――
京太郎「豊音、さん……」
―――タイラント
だがその力は凄まじい
デスレ星雲人をもってして、素晴らしい素質を持った者でなければ使えない力だ
京太郎「七体の怪獣の力、いや合計して八、それからベリアルさん」
それだけの力を使えばどうなるかわからないが……
?『須賀ァ!』
京太郎「ッ葵か!」
葵『五発くる、三発やってよね!』
京太郎「了解!」
タイラントメダルを握りしめて真上を見る
とりあえずやるべきは―――
京太郎「スカル超振動波ァ!」
―――【市街地】
スカルゴモラの振動波攻撃が上空に向かって放たれた
変わらず、三発の火球を消し飛ばす
残り二発は先ほどと同じく直撃する―――
京太郎『葵!』
葵『慣れ慣れしく余分じゃないよ!』
―――ことなく、別方向から飛んできた二つの火球によって相殺された
デスレ星雲人「なに!?」
京太郎『葵さん……』
向いた方向にいたのは、異形の怪獣
胴体までは普通の怪獣のように見えるがその頭部に眼は存在せず、口のみがあった
そして両肩から伸びる二つの―――犬の頭
京太郎『……じゃねぇ!』
葵『ガルベロスで援護するから、やってみせなよ須賀!』
京太郎『なんとでもなれだ!』
怪獣ガルベロスが咆哮を上げてその両肩の犬頭からデスレ星雲人に火球を放つ
大きな左手を振るって火球を凌ぐ
デスレ星雲人が火球を放つが、ガルベロスがそれを紙一重で回避する
京太郎『タイラント、力を借りるぞ……!』
記憶の中にダークネスファイブと共にタイラントの姿が蘇る
―――【インナースペース】
手に持ったのは三つのメダル
バチバチと音を立てるタイラントメダルから、強い力を感じる
眼を閉じてそれを握りしめると、ニッと口元に笑みを浮かべた
京太郎「面子は揃った!」
ベリアルメダルを弾くと、周囲に闇が広がって行く
京太郎「古代怪獣! 暴君怪獣! ベリアルさん!」
落ちてきたメダルを取ると、三枚をセット
さらにブレードを可動させていく
バチバチと赤い稲妻が周囲に奔る
『Gomora. Tyrant. Belial.』
ゼットライザーを構えると、その赤い瞳が輝く
赤い雷に晒されながらもその笑みを崩さない
京太郎「これでオーラスだ!」
ゼットライザーを真上へと掲げる
京太郎「ベリアァルッ!」
『Strong Gomorant』
顕現するはベリアル融合獣―――“ストロング・ゴモラント”
―――【市街地】
巨大な翼を広げて、現れるのは大怪獣ストロング・ゴモラント
凄まじい咆哮と共に足を地に叩きつける
それだけで凄まじい衝撃が周囲に奔った
葵「須賀っ」
ビルの屋上にいた葵がふらつきながらもそちらを確認する
ガルベロスを後ろへと下げた
デスレ星雲人も動揺するように一歩後ろに下がる
京太郎『この力はッ!』
デスレ星雲人「タイラントの力を御した!?」
京太郎『!』
ドラゴンのような姿のストロング・ゴモラントが尻尾で地を叩く
その尾先はバラバの両腕の武器が融合したようになっていた
腹部にはベムスターのアトラクタースパウトもある
京太郎『こいつでぇッ!』
デスレ星雲人「消え去れベリアルの系譜ゥ!」
終わらせるつもりだったけど今回はここまでー
次回はストロング・ゴモラントでの戦いから
ちなみに選んでた場所によってメダルの取得順も変わるので色々変わる感じっすー
スカルゴモラの上位互換のため制約つくけど
次は水曜の夜ー
そんじゃまたー
おつ
上半身も下半身も貧相な胡桃はどう戦えばいいのか
乙
安定のおっぱい星人だった
また知らない融合獣出たのと葵は怪獣使い疑惑?
やってくー
ダークネスヒールズLiliも結構進んできてなーとか
ちなみに終われば移動が待ってますよーぉ
これでエンドマークっすわ
>>53
京ちゃんをロリコンにするとか!
>>54
ストロング・ゴモラントはゲームに出たベリアル融合獣っす
怪獣使いだとインスタンス・ドミネーションしそう……まぁ葵はなんやかんや
デスレ星雲人が炎を放つも、ストロング・ゴモラントが横に回転
そのバラバテールにて炎を四散させた
さらに、勢いよく方向をあげるとその口に炎を溜める
京太郎『ハイパーデスファイア!』
デスレ星雲人「火を撃つ!?」
ストロング・ゴモラントが口から強力な炎を放つ
デスレ星雲人自身に対する炎攻撃に、驚愕しながらもデスレ星雲人も先ほどよりも強力な火球を放った
二つの炎がぶつかり、相殺
すかさずデスレ星雲人は左腕を真上に掲げる
デスレ星雲人「デスインフェルノで消し炭になれェ!」
京太郎『また上かよしつこいっ!』
上空に波紋が広がる
京太郎『バカの一つ覚えがっ!』
デスレ星雲人『さらにっ!』
葵『させないっ!』
ガルベロスが火球二つを吐きだすも、デスレ星雲人は左腕でそれを凌ぐ
葵『ガルベロスっ!』
京太郎『ッ、そういうことか!』
さらに、強力な火球を作り出すデスレ星雲人
明確な隙だが、上から降り注ぐ火球を放置するわけにもいかない
京太郎『ええい! ハイパーデスファイヤー!』
五発の火球を、口からの炎で一掃する
先ほどできなかったことが、今は可能だ
それほど強力な力、ならば……
京太郎『ぐっ!』
わずかに怯むストロング・ゴモラント
デスレ星雲人「消え去れベリアルの残滓!」
京太郎『器の次は残滓扱いかよッ!』
放たれる巨大な火球が、ストロング・ゴモラントへと迫る
迫る火球はストロング・ゴモラントを―――すり抜けた
デスレ星雲人「!!?」
葵「ばぁか」ハッ
デスレ星雲人は素早くガルベロスの方を向く
ガルベロスの幻影を見せる能力
ビルの上にいた葵が笑みを浮かべる
デスレ星雲人「ならば奴は!」
瞬間、その背中にバラバテールがぶるかった
吹き飛んだデスレ星雲人が地に転がる
デスレ星雲人「ぐおぉっ!!?」
京太郎『葵ィ!』
葵「わかってるよ……!」
ビルの上にいた葵が、右上を掲げた
掲げた腕から闇が溢れだし空へと昇ると、それがデスレ星雲人とストロング・ゴモラントを囲う
もちろん葵も……
葵「ダークフィールドGで!」
その囲まれた空間の中にいたストロング・ゴモラントとデスレ星雲人、さらに葵が異空間へと跳ばされる
巨大な岩などが落ちているフィールド
起き上がろうとするデスレ星雲人を相手に、ストロング・ゴモラントが咆哮する
京太郎『ここならァ!』
巨大な翼を翻し、ストロング・ゴモラントが飛ぶ
ふらつくデスレ星雲人を掴みそのまま上空へ
デスレ星雲人「なんのつもりだ!」
京太郎『オーラスを打つんだよ!』
勢いよく、上空でデスレ星雲人を離す
デスレ星雲人「落下ダメージ程度で」
京太郎『……超重獄でぇ! グラビトロプレッシャー!』
ストロング・ゴモラントの角が輝く
直後、超重力がデスレ星雲人へと襲い掛かり、勢いよく地上へと叩きつけられた
クレーターができあがる
京太郎『連荘ッ!』
地上へと叩きつけられたデスレ星雲人に、さらにもう一度重力波が放たれた
それがさらに巨大なクレーターを作り上げる
ダークフィールドGの悍ましい闇を背景に、ストロング・ゴモラントが咆哮
デスレ星雲人「ぐおおおぉっ!」
京太郎『まだまだァ!』
重力が止むと、デスレ星雲人が弱々しく起き上がる
デスレ星雲人「デスインフェルノォ!」
京太郎『当たるかァ!』
ストロングゴモラントが翼を振るった
その巨体をものともせず、上空を飛ぶ
地上へと向かって飛びながら、上から降り注ぐ火球を回避していく
デスレ星雲人「ぐっ、このような脆弱な地球でぇ!」
地上スレスレで、ストロング・ゴモラントは地面と水平に飛ぶ
真っ直ぐに―――デスレ星雲人へと向かって
デスレ星雲人が、火球を放つもストロング・ゴモラントはそれを真正面から受けながら飛行
京太郎『立直だ!』
ストロング・ゴモラントはデスレ星雲人へとその角を突き立て―――飛ぶ
デスレ星雲人「ごおぉっ!!?」
脚と尻尾を地上へと着け、減速
凄まじい砂煙をあげながら、止まる
角に突き刺されたままのデスレ星雲人は宙に持ち上げられていた
京太郎『そしてこれでぇ!』
デスレ星雲人『どちらにしろっ、粛清かッ!』
ストロング・ゴモラントの口が赤く光る
京太郎『ハコ割れだァ!』
デスレ星雲人『闇の皇帝よぉ!』
京太郎『ハイパーデスファイヤー!』
放たれた獄炎が、デスレ星雲人を塵へと還す
破壊された街、もちろん人気は無い
そこに暗い闇の柱と共に現れる京太郎
両足で地に立ちそこにいるが、すぐに膝がガクリと曲がる
京太郎「ぐッ!」
体に痛みが奔り顔をしかめた
胸あたりも痛むと、口を押える
京太郎「けほっ! ごほっ!」
鉄分の風味に顔をしかめつつ、手を見れば僅かに血液
京太郎「……タイラントメダルのせいか?」
やはり強大な力を無理矢理に使用した代償なのだろうと理解しながら、なんとか立ち上がる
少しばかり離れた場所に歩いていくと、落ちていた【デスレ星雲人】のメダルを取り上げた
京太郎「例の怪獣も、消えてるか……」
ガルベロスは既にいない
葵に礼を言おうにも、どこにもいないしコンタクト方法もわからない
ならば、次に出会う時は自分を助けてくれる“アンノウンハンド”が現れた時だろう
京太郎「……」
「京ちゃ~ん!」
京太郎「豊音さん……」
軽く駆けてくる三人、と歩いている一人が視界に入り、フッと笑みを浮かべる
なにはともあれやるべきこと、やりたいことは終えた
やってくる四人の後ろに、周囲を見回している順子と大介も見える
京太郎(まぁなにも見つけてないようでなによりだけど……)
―――【特異課岩手基地:作戦室】
あれから三時間ほどして、帰ってきた京太郎たち
血はバレないようにしたものの、擦り傷などもあって軽く応急処置はされた
話と言う話はないが、そっと取り出したメダル
トシ「それは……」
京太郎「終わったみたいです」
豊音「メダルだーわかりやすくていいねー」
胡桃「戦国武将が首とってくる的な?」
塞「恐い表現するね」
白望「んー」
トシはそれを確認して頷く
京太郎はといえばそれをメダルホルダーにおさめた
ずいぶんメダルも集まってきたが使えるものもは少ない
それを考えながらも体を伸ばそうとして、痛みに顔をしかめる
京太郎「痛てて……」
白望「あんま、無理しないでね」
京太郎「……まぁできる限りは?」フッ
隣に座る白望が椅子のまま寄って、そっと手を伸ばす
その手が京太郎の頬に触れられた
張ってある絆創膏を上からそっと撫でる
白望「心配するから……安心してゴロゴロできないし」フッ
京太郎「う、うっす」カァッ
少しばかり顔を赤らめながらも、京太郎も笑みを浮かべた
塞「え、なにそれ!?」
胡桃「いつの間になにしてんの!」
豊音「なんか良い雰囲気でどきどきするよ~」エヘヘ
京太郎「や、やめてください別になんでも!」
塞「おっぱいに弱いし美人によわいしでしょ京太郎!」
京太郎「その理論なら塞さんたちにも弱くなるでしょ!」
塞「……えへへ~しょうがないなぁ」
胡桃「!?」
豊音「え~胡桃と私は~?」
京太郎「可愛いっすよ」フッ
豊音「えへへ~」
胡桃(ま、まぁそういうなら許してあげても……うん)
豊音「おっぱいも触られちゃったしぃ、可愛いって言ってもらちゃったー」ニコニコ
京太郎「!!?」
忘れていたわけではないが、無かったことにしようとしてきらいがある。悪党である
京太郎「え~っと」
豊音「けっこん?」
京太郎「早まらないでっ!」
豊音「そ、そうだよね、まずはお付き合いしてー、同棲してー」
京太郎「まだ早い! マッハ5!」
白望「……」クイクイ
袖が引かれる
京太郎「?」
白望「おっぱいがいいの?」
京太郎(すき)
豊音「シロも京ちゃんと結婚ー?」
なんだかややこしいことになってきた
トシに助けを求めるために、そちらに視線を送る
お互いの目が合い、頷き合う
トシ「特異課は婚活会場じゃないんだよ?」
京太郎「微塵も思ってねぇわ!」
塞「一夫多妻制!?」
胡桃「そんなのありなの?」
京太郎「時を戻したいッ!」
◆どこへ向かう!
1、奈良(阿知賀・晩成)
2、東京(臨海・白糸台)
3、大阪(千里山→姫松)
×、岩手(宮守)
5、北海道(有珠山)
6、長野(滞在)
7、福岡(新道寺)
×、鹿児島(永水)
9、東京(プロ・アナウンサー)
◇10分間で安価 1↓からコンマが一番高い選択肢
1、奈良(阿知賀・晩成)
―――【特異課岩手基地:休憩所】
とりあえず岩手、遠野の地の安全はしばらく保障される
熊倉トシはそう言っていたので、それを信じて次の目的地を決めた
トシ「ん、奈良か」
京太郎「ああ……宥さんがちょっと」
トシ「松実宥、なるほどねぇ」
京太郎「なんか知ってます?」
トシ「いや、どうだろ……んー」
わからないようだった
彼女のわかる場合とわからない場合も、よくわからない
だがハッキリと口にしたことは信用できるだろう
トシ「あ」
京太郎「ん?」
トシ「……熱とか、火か?」
京太郎「もう炎はお腹一杯なんですけど」
トシ「まぁまぁ……古代から蘇った恐竜とかだって火ぃ吐くからね」
京太郎「吐かないでしょ」
トシ「吐く」
京太郎「あ、はい」
トシ「とりあえず頑張りな……あとこれ」
京太郎「ん、これは?」
トシ「キングジョーメダル、破片使って作った奴」
京太郎「……どうもっす」
トシ「どういたしまして」フッ
―――【岩手:旅館】
借りている一部屋
あぐらをかいて自身が撮った写真を見ている順子が怪訝な表情を浮かべる
そっと視線を動かして大介の方を見た
順子「ちょっとこれ見て……」
大介「?」
彼の方も自分が撮った写真を確認していたようだった
順子「どう思う?」
大介「女の子、ですか?」
順子「そ、ビルの上にいたのが見えてめいっぱいズームして撮ったんだけど……」
ボロッとした制服姿の少女が、そこにはいた
少しばかり崩れてはいるが真ん中分けしていたであろう長い黒髪
怪獣の方に向けて何かを叫んでいるようでもあった
順子「この子、どう思う?」
大介「関係はありそうですけど……」
順子「怪獣を操ってるとかない?」
大介「これだけじゃ判断できないっすよ」
そう言ってその少女を見る
順子「……よし、調べましょう。見たところ十代後半、高校生とかっぽいし」
大介「こんな子供が、怪獣を……?」
順子「なにはともあれジャーナリストとして真実を暴く。それだけよ!」ニッ
良い笑顔を浮かべる順子に、眉をひそめる大介
大介「……この制服、どっかで見たことないっすか?」
順子「確かに」
大介「う~ん」
第22話【萌えろ!燃えろよ!】 END
―――次回予告
宥:おかえりっ
京太郎:ただいま
晴絵:イチャついてんじゃねぇよ!
穏乃:私も戦ってるよ。ここで!
憧:ありがとう、それとよろしく
灼:猛暑ってレベルじゃないとおも
京太郎:この時期に水着回!!?
次回【偽りの赤き日輪】
晴絵:ヴァージョンアップを見せてよね
京太郎:熱い奴で頼みます!
今回はここまでー
次回は奈良編STARTってことでー
憧とか灼とか全開絡みがなかった二人共なんやかんや
たぶん金曜の夜にでもー
そんじゃまたー
遅くなったしちょっとだけどやってくー
葵に関してはバレるよねそりゃ
あれから一日
昼過ぎに京太郎は吉野の地に到着した
背を伸ばし、ベンチに腰かけるとケータイを取り出す
京太郎「……んー」
??「なぁにしてんの?」ヌッ
京太郎「うおっ!?」ビクッ
横からの声に驚きそちらを見る
真横には赤土晴絵
ニコニコ笑いながら、回り込んで京太郎の横に座す
京太郎「もうちょっと普通に登場してくださいよ」
晴絵「もうちょっと鋭くならないとだよー?」
京太郎「精進しますよ……ところで」
晴絵「車はあそこ、ほら行くよ」
親指で差す方向にワゴンが一台
頷いた京太郎は立ち上がってそちらへと向かう
京太郎「ところで、こっちは」
晴絵「なんもないよ。ちょっと怪獣が出て晩成の生徒を助けたよ」
京太郎「ガイアが?」
晴絵「そ、ガイアが」ハッ
正体を知っている晴絵はバカバカしそうに笑った
晴絵が運転席に乗り込み、京太郎は助手席へ
シートベルトを付けたところでバックミラーに少女を見る
京太郎「のわっ!!?」ビクッ
晴絵「ビビッてばっかだな京太郎」
京太郎「一回目は晴絵さんが悪いでしょ!」
そう言いながら、後ろを振り向く
京太郎「えっと、お久しぶり……で良いんですかね、鷺森さん」
灼「私ははじめまして、須賀京太郎くん……灼で良いけど」
京太郎「それじゃ灼さん、俺も京太郎で良いです」
灼「……ん、それと」
京太郎「?」
灼「……ありがと」
京太郎「いいえ」フッ
晴絵「私を忘れてイチャつかないでよ?」
京太郎「そんなことするわけないじゃないっすかー」
灼「須賀君、じゃなくてきょ、京太郎はただの恩人だから」
晴絵(寝取られものでありそうなセリフ回しをしてからに)
それから、雑談を交えながら晴絵の運転する車は特異課奈良基地へとたどり着く
ガレージ、というより駐車場に車が止まる
京太郎「なんか久しぶりだなぁ」
晴絵「なんか静かですね~」
灼「阿知賀の戦力は軒並み」
京太郎「ちょっと待ってよくない流れ」
車から出る京太郎と晴絵と灼の三人が、基地内に入る
すぐそばにあるエレベーターを使い、最上階へのボタンを押す
晴絵「にしても、京太郎がこっち来れるとはねぇ」
京太郎「呼んだの晴絵さんでしょ」
晴絵「ほら人気者だからさ、京太郎ぉ」クスッ
京太郎「尾ひれついた噂のせいでしょ」
灼「そうでもないとおも」
京太郎「……意外と評価高めですか?」
灼「実際助けられてるからね」
京太郎「俺じゃないっすけど」
灼「……す、京太郎のおかげって聞いてるけど」
京太郎「え~誰からっすか」
灼「穏乃と宥」
京太郎「……あの二人、俺をかいかぶりすぎだ」
晴絵「そーでもないと思うけど?」
京太郎「なら良いんですけど」
エレベーターが止まり、少しの浮遊感の後に扉が開く
そして正面のベンチには―――
京太郎「宥さん」
宥「京太郎くん」
エレベーターから出る三人
立ち上がった宥が柔らかな、笑みを浮かべる
京太郎「……」
宥「えっと……おかえりっ」ニコッ
京太郎「ただいま」フッ
連絡を取っていたし、晴絵と比べても身近に感じていた相手だ
だが、いざ顔を合わせるとまた変わった感覚
晴絵「イチャついてんじゃねぇよ!」
京太郎「なっ!?」
宥「い、イチャついてなんてっ」カァッ
晴絵「ついてんじゃねぇか!」
灼「ハルちゃん落ち着いて!」
晴絵「これが落ち着いてられるか!?」
京太郎「と、ともかく作戦室いきましょ! ね!?」
宥「う、うんっ、そうした方が!」アセッ
晴絵「たまには私に勝たせろよぉ!」
灼「ハルちゃん!!?」
晴絵をなだめて作戦室に入る
灼が先に扉を開けて、晴絵、宥、京太郎と入った
前と変わらぬその場所に、前とは違い見知った顔
京太郎「穏乃……」フッ
穏乃「京太郎! おかえり!」ニッ
京太郎「ああ、ただいま」コクリ
穏乃「色々あったみたいだけどさ……」
その言葉に、少しばかりの重みを感じた
それもそうだろうと頷く
穏乃「私も戦ってるよ。ここで!」
京太郎「ありがとな、ここを守ってくれて」
穏乃「みんなと、京太郎も帰ってくる場所だからね」ニッ
爽やかに笑う穏乃
そっと、京太郎はその隣の少女に視線を向けた
誰かは知っている
京太郎「新子憧……」
京太郎(ウルトラマン、アグルの偽物だった者、か)
憧「え、えっと……新子憧、です」
立ち上がってそういう憧に、京太郎は笑いかける
京太郎「知ってるよ。和の友達だし、俺は須賀京太郎」
憧「う、うん……」
少しばかり、緊張しているようにも見えた
だがそっと深呼吸をすると、憧は頷いて笑顔で京太郎の方へと向く
憧「ありがとう、それとよろしく」
京太郎「ああ、こっちこそよろしく」
座る京太郎、隣には灼と宥
モニターの前に立つ晴絵が、リモコンを片手に持つ
ボタン操作をするとカーテンが閉まり、部屋が暗くなる
晴絵「さてと、京太郎を呼んだ理由はほかでもない」ピッ
モニターに表示されるのは……
京太郎「マップ、ここらへんの?」
晴絵「そう、それで」ピッ
京太郎「……この何個もある赤い点は?」
灼「目撃情報だって」
京太郎「目撃……」
宥「うん、玄ちゃんたちの」
その言葉に、なぜ晴絵が自分を呼んだのか理解した
京太郎「……絞れました?」
晴絵「ある程度だけどね」
憧「和も見たとか」
京太郎「和、根源破滅天使ゾグが……」
穏乃「うん、まだ生きてたみたい。和を早く取り戻さないとッ!」
右拳を左手のひらにぶつける
灼「それに小走さんの目撃情報もあったとか」
憧「初瀬……」グッ
宥「玄ちゃん……」
それぞれ、取り戻したい相手がいるのだろう
京太郎は静かに息をついた
京太郎「やりましょう、計画は?」
晴絵「足で探す。そんだけ」
京太郎「……もうちょっと作戦」
晴絵「それしかないっしょ。それで見つからないようなら……そこから色々情報あつめてやるよ」
京太郎「情報第一なタイプでしたっけ?」
晴絵「私は元々そうだよ。非能力者のできることをやってきた結果ね」ハッ
京太郎「……俺はそういうとこ、好きですよ」
晴絵「ふぇあっ!?」
灼「ハルちゃん……!!?」
宥「むぅ」
短いけど今回はここまでー
安価だし丁度良い
次は明日というか今日の夜やってくけどちょっと早めにやれるはずー
◆安価!
1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、臼沢塞
14、小瀬川白望
15、鹿倉胡桃
16、姉帯豊音
17、新子憧
18、鷺森灼
◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用
やってく所存ー
ほろ酔いでやってくよーん
18、鷺森灼
9、雀明華
作戦室での会議の後、京太郎は休憩所にいた
見知ったメーカーのコーヒーを啜りながら、静かに息をつく
並べられたメダル、その数は昔の数倍
京太郎「……にしても、だな」
一枚一枚をホルダーに差し込んでいく中、タイラントメダルを見据える
京太郎「……」
凄まじい能力を持つストロング・ゴモラントの力
けれど、やはりその能力に顔をしかめた
その反動、副作用は能力と比例して上がっていく
京太郎(今度、もっと修行しないとか……)
灼「す、京太郎」
京太郎「ん、あれ灼さん?」
灼「ん」コクリ
すっかり女子生徒、しかも先輩を名前で呼ぶのも馴れたものだ
もうちょっと状況が違えば素直に喜べたのだが……
京太郎「どうしました?」
灼「これからパトロール?」
京太郎「はい」コクリ
灼「一緒に、いかない?」
そんな誘いに、素直に頷く
京太郎「喜んで」フッ
車を運転することもないので、二人で街を歩いていく
一ヶ月足らずでだいぶ復旧も進んでいるようで、街並みは最初に来た時とそれほど変わりはないように見えた
しかして、違うものは違ったりもする
吹き飛ばされた花、同じ種を植え直しても結局は違う花なのと同じ
京太郎「……」
灼「私が、壊したんだよね」
京太郎「灼さんじゃないっすよ。入れられたメダルのせいだし、もっと言えば入れた奴のせいだし」
灼「そう、思えない」
京太郎「思ってください。ある程度、入れた相手だかメダルの怪獣に引っ張られるとこあるんっすから」
灼「……入れてくれたのが、京太郎みたいに優しい人だったら良かったのにね」
京太郎(なんかえっちだな……)チラッ
灼「……」カァッ
京太郎(お気づきになられましたか)
街を歩いていると、ボーリング場が横に出た
見覚えがある以上に、灼の雰囲気が少しばかり変わるのを感じる
大体にして、そこらにあるボーリング場なんて一つだ
京太郎「ここが灼さん家っすか」
灼「なんで知ってるの?」
京太郎「いやボーリング場やってるなんて話あったらわかりますよ」
灼「……たしかに」
そう言うと、先に進もうとする灼
京太郎「ボーリングやってきません?」
灼「私に言ってる?」
京太郎「これでも球遊び得意なんっすよ」
灼「なんかやってたの?」
京太郎「ハンドボールを少々」
灼「仕事中だし」
京太郎「じゃあ終わったら!」
灼「……ならいいよ」フッ
その後、灼は約束通り京太郎とボーリングをやった
当然、彼女の方がスコアは上なのだが京太郎も中々どうして食らいついていたようで、灼は意外そうに賞賛
ロビーにて京太郎は灼に敗者として缶ジュースを一本渡す
京太郎「さすがっす」
灼「当然」フフッ
笑みを浮かべる灼を相手に、京太郎も笑みを浮かべる
灼「……気、遣わなくても良いのに」ボソッ
京太郎「ん?」
灼「なんでも……」
そう言う灼が、立ち上がったレジの方へと向かう
レジにいるのは彼女の祖母だ
なにかを話しているようだと思いながらも、京太郎はベンチに座る
京太郎(さて、てかスポーツしたせいか暑いな)
灼「京太郎」
軽く駆けてくる灼
低身長と童顔故か、その姿がどこか可愛らしい
少しばかり赤らんだ顔をしながら、視線を泳がせる
灼「よかった晩御飯、食べて行かないかって……」
京太郎「え、あ……はい」コクリ
灼の家で食事をした後に、京太郎は別れの挨拶をして道を行く
目的地というか、帰る場所は基地なのだが……
人気も少なくなってきた道で、京太郎は唸りながら、ネクタイを緩めてシャツのボタンを二つほど開ける
京太郎「暑いな……」
そうして歩いていると、腕につけていた端末が鳴る
首をかしげて腕時計型のそれを開くとボタンを押す
京太郎「明華さん、どうしたんっすか」
明華『あ、京太郎!』
弾むような声が聞こえてくる
歌を歌っていないものの、透き通るような声
明華『なにもありませんか?』
京太郎「え、なにがっすか?」
明華『いえ、妙な風を感じて……』
さすが“マガバッサー”に適応した者なのだろう
風を感じて読む力、風を巻き起こすはその能力故だったか……
京太郎「なにもないっすよ?」
明華『でしたら、安心ですけど』ホッ
京太郎「わざわざそれで通信を?」
明華『京太郎は私にとっても、大事な人だから……』フフッ
京太郎(俺は正統派巨乳に弱いぞ!)グハッ
咳払いを一つして、歩みを止めることなく口を開く
京太郎「まぁ、またそっちにもお邪魔すると思うんで」
明華『でなければこっちから行くので』
京太郎「なんっすかそれ」ハハハ
軽く笑う
明華『智葉やネリーも会いたがってますよ?』
京太郎「なにそれ嬉しい」
明華『京太郎は、自分のこと過小評価しすぎじゃないですか?』
京太郎「え、そんなことないつもりなんっすけど……正当じゃないっすか?」
明華『それが過小なんですよ』
溜息をつく、端末に映る明華
首をかしげる京太郎は、本当にその自覚はない
そもそも、そういう役回りだったのだ
明華『さっきも言ったように、私は貴方のこと大事に思ってますから……他のみんなも』
京太郎「えー」
明華『だからしっかり、ご自愛を……ね?』
京太郎「……了解」フッ
明華『はい、よろしい』フフッ
灼とのデート(暫定)と明華との密会(電話)を終えて基地へと戻った京太郎
晩御飯も食べて、報告をそのまま部屋からまとめて送った
ケータイでSNSを見ながら、慣れない部屋で眠りにつく
そしてベッドの上で眠りについてから……数時間
京太郎「だぁぁぁっ!!?」
既に陽は昇って、時刻は9時前
学校であれば遅刻、いや会社であっても遅刻である
だがなにはともあれ本日は休日……いや、そんなことはどうでもいい。問題はそこではない
京太郎「あっつい!!」
11月の涼しい、なんなら肌寒い季節
だが昨日からおかしいぐらいに猛暑
部屋の時計を見てそこに表示された温度計を確認する
京太郎「38度!!? この部屋で!!?」
服を脱ぎすてて、即座にシャワールームに飛び込んだ
冷たいシャワーを浴びると、身支度をして部屋を出る
扉を開いた瞬間、そこに少女
昨日会ったばかり、鷺森灼がそこにいる
京太郎「へ?」
灼「おはよ」
扉をくぐった先はさらなる灼熱
廊下の先にある窓の外は、晴天
京太郎「……良い天気、否。気が狂いそうな猛暑ですね」
灼「猛暑ってレベルじゃないとおも」
京太郎「確かに!」
灼(食い気味)
京太郎「で、作戦室っすか?」
灼「松実館いくよ」
京太郎「へ?」
灼「いいから、暑いから早くして」
京太郎「確かに、さっさと行きましょ」
額に滲んできた汗を袖で拭いつつ、灼に着いていく
―――【松実館】
灼の案内でやってきた松実館
熱波の中、5分ほど歩いたがそれだけで十分だった
上着は腕で持っており、既にネクタイはゆるめてボタンも二つ開けている
京太郎「だぁ……涼しぃ」
灼「サラリーマンみたいだね」
京太郎「暑くないんっすか?」
灼「暑いよ」
そう言いながら奥へと進んでいくと、温泉の暖簾をくぐる灼
暖簾には“女”と書いてあり足を止めるが灼が戻ってきた
灼「いいから」
京太郎「こんなことあります?」
暑さのせいだけでなく、京太郎の顔が少しばかり赤くなる
その意図を理解したのか、灼はジト目をむけた
灼「なに想像してるの」カァッ
京太郎「一緒にお風呂ってそれはちょっと」
灼「いいから」
京太郎「え、えぇ~」
灼の後を追って、京太郎は恐る恐る暖簾をくぐった
さらに熱のこもった脱衣所を、靴下を脱いでから抜ける二人
あまりの暑さにさらに汗が噴き出すわ意識が持っていかれそうになるわ
判断力も衰えてきたのかもしれない
せっかくの女湯脱衣所、さらに風呂場もなんの感情もわかずに早く出たいと思うのみ
ガチャッ
灼「ただいま……!」
京太郎「!!?」
露天風呂に出ると、そこには―――水着姿の少女たちがいた
京太郎「この時期に水着回!!?」
晴絵「お~京太郎~」
京太郎「なにやってんっすか!」
晴絵「まぁまぁ」
憧「ちょっ、須賀も来るってきいてないんだけどっ!?」
穏乃「京太郎も入りなよー」
京太郎「なにも聞いてないし」
溜息をつく京太郎
灼「っ!」ヌギッ
京太郎「灼さん!?」
勢いよく服を脱ぎだす灼に驚愕する京太郎
やはり暑さでやられている。判断力とかその他もろもろ
服の下に水着を既に着ていたようで、そのまま“水の溜まった露天風呂”へと飛び込む
水しぶきが京太郎の足元に飛ぶ
京太郎「あ~つめたぁ~」
晴絵「幸せそうだなぁ」
京太郎「いや四人には負けますけど……宥さんは?」
晴絵「そこについての話も……とりあえず、入る?」
京太郎「入……らねぇっす」
さんさん、否ギラギラ輝く太陽の元、京太郎は水の入った桶に足を突っ込んでいる
四人は水風呂に入ったままだ
それぞれが腕につけた端末を開いている
京太郎「太平風土記?」
晴絵「そういうこと、ほれこれ」
穏乃「禍破呑(マガパドン?)」
晴絵「いや、マガパンドン」
京太郎「魔王獣……」
息をついて頷く
どれも強力な力を持った怪獣たち
容易に勝てるわけでもなければ、その災害の規模は通常の怪獣の比でない
京太郎「……まさかこの灼熱も?」
晴絵「そういうこと」
憧「許せないわね……」
京太郎「宥さんが、メダルの?」
晴絵「たぶんね、最近寒いとか言ってたけど、それはそれで例年の比じゃなかったし」
いつメダルを入れられたのか、入っていたのかわからない
顔をしかめてサングラスの奥の瞳を細めつつ上空を見上げる
晴絵「あの偽りの日輪の中に、たぶんいる」
京太郎「それじゃあ」
灼「穏乃の、出番」
穏乃「おっす!」グッ
憧「……」
京太郎は松実館の玄関にいた
そんなガラの悪い男がいたら営業妨害甚だしい
しかして、現状の奈良では営業している意味すらないので特に関係もないだろう
でなければ露天風呂を水風呂になどできない
京太郎「あっちぃ……」
晴絵「暑いって言うなよぉ」
嫌々着替えたのだろう四人が出てくる
とりあえず目的は決まっているのだからと、歩き出す
太陽が、二つ
京太郎「……真上のがマガパンドンか」
晴絵「鬱陶しいったらないなぁ……魔王獣、闇のとかまで出てこないでしょうね」ハァ
京太郎「詳しいっすね」
晴絵「トシさんに仕込まれてるからね」
そう言われては納得せざるをえないだろう
歩き出す面々、すると憧が京太郎の隣を歩きながら口を開く
憧「ホントに、なんとかする方法ないの? シズが戦う以外で」
京太郎「嫌なのか」
憧「友達が命かけて戦うのが嫌じゃない奴がいんの?」
京太郎「そりゃそうだわな……でもこれは、穏乃が望んでることだ」
憧「わかってる。わかってるけど……」グッ
京太郎「……」
―――【特異課奈良基地前】
良く見れば日輪は、案外近くにあるようだった
高度はそれなりにあるようだが、無理でもない
巨大なライフルを持つ京太郎、晴絵
京太郎「二人は無理だろなぁ」
晴絵「まぁ私らでなんとかするしかないっしょ」
穏乃「大丈夫、私がみんなを守るから……!」
懐から、エスプレンダーを取り出す
京太郎「頼む」
憧「怪我すんじゃないわよ」
穏乃「応!」
周囲に人影は―――ない
穏乃「ガイアァァッ!!」
てことで今回はここまー
次回は水曜にでもー
ガイアVSマガパンドンから開幕
それだけで終わらんけども!
そんじゃまたー
水曜できんかったー
やってくー
やえはもうちょい後になるんじゃ!
赤き輝きと共に現れるのはウルトラマンガイアV2
両腕を上に上げて飛び立つ
京太郎たちが頷いているのが見えるも、穏乃―――いや、ガイアのいまの敵は、天にこそいる
ガイア「チャッ!」
その偽りの日輪に腕を構えて、光線【クァンタムストリーム】を放つ
放たれた赤き光線が真っ直ぐに日にぶつかると共に、放たれる熱波
穏乃『グッ! でも……今の私はッ!』
さらに力強く、光線が真っ直ぐに伸びる
偽り日輪が揺れていく
相手は松実宥、熱の力を持つ者
その力は良く知っている。それでも―――!!
穏乃『いけぇぇっ!!』
―――そして、爆発
その偽りの日輪の爆発に、地上の京太郎たちが顔をそむける
すぐに嫌な予感がして京太郎は叫ぶ
京太郎「走れ! 南だ南!」
その言葉に明確な返事がないものの、走り出す音が聞こえる
眼を開いて顔を上げれば、憧が逃げ遅れているようだった
晴絵と灼は既に逃げているようで姿はない
京太郎「ッ!」
憧「ちょ、きゃぁっ!」
即座に憧を抱きかかえて走り出す
京太郎「さっさと逃げるぞ!」
憧「なにがっ……ガイア?」
京太郎「感じるのかよ、お前も!」
走る京太郎の背後、離れた場所に落ちてくるガイア
ガイア「グアァッ!」
その衝撃により京太郎と憧が吹き飛ばされた
京太郎「ッ!」ギュッ
憧「ふひゃっ!?」
できるだけ憧を抱いたまま丸々
吹き飛んだ京太郎が地を転がるも、吹き飛びながらも掴んだ鉄パイプを地面に突き立てる
両足と鉄パイプでブレーキをかけながら、そのまま止まった
京太郎「ッ!」
憧「あ、ありがとぉ」
そっと、憧を降ろす京太郎が鉄パイプから手を離す
肩で息をしながら立ち上がり倒れているガイアの方を見据える
起き上がるも、どこか疲労しているようにも見えた
京太郎「くるぞ、ガイア!」
ガイア「!」
背後を見やるガイア、その視線の先に降りてくるのは……
京太郎「マガパンドン……!」
炎ノ魔王獣マガパンドンは二つの頭を持った鳥獣
咆哮を上げ、その二つの頭の中心にマガクリスタルが輝かせている
ガイアが構えを取った
京太郎「穏乃……!」
放たれるマガパンドンの火球が二発
一つを拳で弾くも、もう一発を防げずに直撃
吹き飛んで、京太郎と憧の前に倒れる
憧「ッ……シズっ!」
京太郎「……」
倒れるガイアが、ゆっくりと起き上がる
少しばかり顔を後ろに向けて視線を京太郎と合わせた
静かに、京太郎は頷く
穏乃『私の、力はぁッ!!』
両腕を真上に上げた
離れた場所に、灼と晴絵がいる
食い入るように“友の戦い”を見る灼
その背後で、晴絵が口角を歪めた
晴絵「ヴァージョンアップを見せてよね」ハッ
そしてガイアは両腕を胸の前にした
輝きがガイアの模様を変え、さらに体系すら変えていく
タイプチェンジとはまた違う
京太郎「ガイアが、ガイアが変わる……?」
憧「スプリーム・ヴァージョン……!」
ガイアが新たな姿へと変わった
京太郎「……ガイアと、アグルの力の融合か」
そう言うと、隣の憧が僅かに反応したのが見える
だが、何を言うでもなくその戦いを見守るのみ
最初期やV2ともまた違う構えを取るガイア
ガイア「チャァッ!」
マガパンドン「!!」
◆BGM:ガイアノチカラ【http://www.youtube.com/watch?v=FYIhZdbyY6U】
再び放たれる二発の火球を、両方とも拳で弾く
接近すると同時に力強い拳でその胴を撃つ
咆哮を上げて、下がるマガパントンにさらに接近し、その体に膝蹴りを放つと胴体を掴んで背負い投げる
マガパンドン「!!?」
ガイア「ダァッ!」
地に叩きつけられるマガパンドンが、そのまま頭を掴まれさらに上空に持ち上げられてから地に叩きつけられた
さらにガイアがマガパンドンを持ち上げようとするも、耐える
超至近距離でマガパンドンが火球を放つ
さすがに魔王獣なのだろう
並の怪獣の比では無い
ガイア「グッ!」
怯むガイアだが、即座に溜めた拳をマガパンドンに打ち込む
マガパンドン「!!」
吹き飛んで、地に倒れたマガパンドンがふらつきながら起き上がる
マガパンドンの周囲のビルが溶けていく
至近距離で戦うこと自体も簡単ではないだろう
京太郎「スプリーム・ヴァージョン、並じゃぁないか」フッ
憧「シズっ」
ガイア「!」
走るガイアが、マガパンドンの火球を弾きながら接近―――マガパンドンを拳で打ち上げる
吹き飛ぶマガパンドンを見据え、両腕を真上で合わせる
輝きをその両手に集めて、腰をすえて足を構えて合掌するように手を前に……
京太郎「……」
そしてガイアが右腕をずらすと、そこから放たれる必殺光線【フォトンストリーム】
消耗が激しいが、絶大な威力を持つその一撃
京太郎「ッ!」
穏乃『ハアァァァァッ!』
空のマガパンドンが放つその火球すらも消し去り、その一撃はマガパンドンを飲み込む
京太郎「あれが―――!」
憧「私、は……」
その光の奔流の中、消し去られていくマガパンドン
今まで通りならばそれでも問題ないはずだ
光線を止めたガイアが、素早く飛び上がる
京太郎「穏乃!」
マガパンドンが“存在した場所にあった光”を受け取ると、京太郎たちの方に降りる
そっとその手を降ろすとそこには―――
京太郎「宥さん……」ホッ
憧「宥ねぇ」
倒れた宥、上着を脱ぐとそれをまくらにして寝かした
ゼットライザーは腰後ろに差し込んでおく
そっと握っている手をほどいて、メダルを取る
京太郎「マガパンドン……」
憧「宥ねぇ、大丈夫なの?」
京太郎「知ってるだろ。メダルの器にされた人間はそこまでの負傷は……」
瞬間、凄まじい音と共にガイアが呻く声が聞こえた
ガイア「グアッ!」
京太郎「シズ!?」
憧「な、なにっ!!?」
ふらつきながら、起き上がるガイア
京太郎と憧もそちらを見やるがそこには―――
憧「ガイア……!!?」
京太郎「偽物が良く出るな!」
離れた場所で、現れたニセガイアを見据える晴絵と灼の二人
突如現れたニセガイアに顔をしかめる晴絵
腕につけた端末が鳴る
晴絵「なに?」
『研究部にあったアパテーとアルギュロスのメダルが盗み出されて……』
晴絵「なるほどねぇ、金属生命体……ミーモス」チッ
現れたニセガイアはV2とは違うが、それでも披露しているガイア相手には十分なのだろう
両腕を額に合わせて、頭を後ろにする
その頭部から伸びるのはフォトンエッジ
京太郎「いきなり決める気か……っ」
憧「ガイアが弱ってるからって!」
ガイアが右腕を真上に上げると、そこから伸びるのは―――フォトンクラッシャー
京太郎が左手にゼットライザーを持つが、既に間に合わないだろう
二つの光線が同時に放たれる
穏乃『ハアァァァァッ!』
ガイアとニセガイアの間でぶつかる光線
しかし二つの力が生み出すのはただの衝撃波だけでなかった
その混じりあった光が、上空へと飛んでいく
ガイア「っ」
二体の光線が止まるが、ガイアが膝をつく
ニセガイアはまだ余力があるようだった
憧「こんな連戦でどうしろって……!」
京太郎「やれることをやるしかないだろ」
息を吐いて頷く
ふと、横になっていた松実宥が、眼を覚ました
たまたま視線が合うと、京太郎が軽く微笑む
憧「やれることって」
京太郎「憧、宥さんを頼む」
憧「須賀!?」
宥「きょ、ぉたろぉ、くん?」
晴絵がミーモスと呼んだニセガイアがゆっくりとガイアへと近づいていく
それはすなわち、京太郎たちに近づいていくに近い
溜息をついた京太郎が、トリガーを引くと正面にゲートが現れる
妙な感覚だが、言いたいことはなぜだか頭の中に浮かんでいた
京太郎「憧」
憧「へ、な、なに?」
上体を起こそうとする宥をささえている憧の眼が、顔だけを横に向けている京太郎と眼と合う
京太郎「お前は、光に選ばれてるんだよ。きっと」
憧「な、なに言って!」
京太郎「……」
真っ直ぐ立った京太郎が、歩き出す
京太郎「そろそろ俺も混ぜろよ!」
―――【インナースペース】
そこに立つ京太郎が、左手にゼットライザー、右手にカードを持つ
素早くアクセスカードを挿入
『kyotaro Access Granted.』
京太郎「さて、こっちも―――熱いやつで頼みます!」
手に持ったのは三つのメダル、ベリアルメダルに語りかける
そのベリアルメダルを弾くと、周囲に闇が広がって行く
京太郎「どくろ怪獣、古代怪獣……ベリアルさん!」
レッドキングとゴモラのメダルを挿入
落ちてきたベリアルメダルを取るとさらにそれを差し込んでブレードを可動させる
『 Red King. Gomora. Belial. 』
その赤い瞳が輝いた
京太郎「これでオーラスだ!」
ゼットライザーを真上へと掲げる
『Skull Gomora.』
スカルゴモラ、降臨
ガイアの前、現れたスカルゴモラが咆哮を上げる
紅蓮の瞳がニセガイアことミーモスを見据えた
背後で膝をついているガイアがその背を見上げる
穏乃『きょ、京太郎……?』
京太郎『下がってろ、連戦じゃこいつはやれないだろ』
穏乃『ずっと、助けてくれてたんだね』
その言葉に返すことなく、スカルゴモラが走り出す
ミーモスがガイアのように手から光弾を放つも、ベリアル融合獣にその程度の攻撃通用するわけもない
ガイアが成長しているように京太郎も成長しているし、相手は消耗もしているのだ
京太郎『舐めるなァ!』
直撃するも、減速することなくそのままミーモスへと突撃
ミーモスが吹き飛ばされてスカルゴモラの背後に倒れた
止まるスカルゴモラが、素早くその脚に火球を出現させて蹴り飛ばす
ミーモス「グッ、ガアアァッ!」
苦しむミーモスにダメ押し
それによりさらに暴れ―――外装がはがれていく
京太郎『化けの皮がはがれたな根源的破滅招来体……!』
ミーモス「!」
立ち上がるミーモス、体のシルエットはガイアの時とまた変わっている
その肩や足に伸びる金属片
その黄色い三つ目でスカルゴモラを“睨みつけ”ている
ミーモス「!」
その体から、金属片が浮遊しブーメランへと形を変える
腕を振るえばその金属片はスカルゴモラへと飛ぶが……
『Eleking. Ace-Killer. Belial.』
京太郎『これでオーラスだ!』
『Thunder Killer.』
ベリアル融合獣の姿が変わり―――サンダーキラーが現れる
口から放つ円刃型の光線と左腕の電撃でブーメランを撃ち落とす
苛立つように両腕を振るったミーモスが走り出した
京太郎『さっきから妙な感覚がする……さっさと潰す!』
暗雲立ち込める空、見上げる余裕はない
接近して腕を振るうミーモスだが、サンダーキラーでそれを受け流す
素早く長い尾をその首に巻き付けた
ミーモス「!!?」
京太郎『さっさと決める!』
その尾に電撃を流しミーモスに攻撃をしながら、さらに左腕を振るう
鉤爪のついたその左手がミーモスの頭を掴む
京太郎『オォォォッ!』
サンダーキラー「!!」
独特の鳴き声と共に、サンダーキラーがミーモスの頭を掴んだまま持ち上げる
バチバチと音を立ててさらに電撃を放つサンダーキラー
京太郎『サンダーデスチャージッ!!』
ミーモス「!!?」
一層激しく電撃が放たれると共に、ミーモスが爆散する
巻き起こる―――爆煙
広がる爆煙が斬り裂かれ、中からサンダーキラーが現れる
憧「す、べ、え、えっと……お、おーい!」
京太郎『憧?』
声のする方を見ると、新子憧がいた
その隣には京太郎のジャケットを羽織っている宥
上を指差す憧、ガイアもそちらを見ている
京太郎『空に……なっ!!?』
上空に―――巨大な渦、いや穴が開いていた
ワームホールのようななにか、原因は理解している
先ほどのガイア同士の攻撃のぶつかり合い
京太郎『ッ、そういや前にベリアルさんが止めてたなっ』
穏乃『あれ、一体……!』
視線を再び宥たちの方へと向けると、そこには―――
穏乃『なっ!?』
京太郎『っ……和!』
和「……」
原村和が、宥と憧の前にいた
鋭い瞳をサンダーキラーに向けたまま、隣に松実玄を連れてだ
地上に立つ和に、攻撃はできない
こうなれば生身の方がやりやすいことこの上ないのだが……
和「ワームホールが開いた……さぁ、ようやく出番です」
玄「はぁっ……んっ、ぅぁっ……」
宥「玄ちゃんっ!」
憧「宥ねぇだめ!」
駆け寄ろうとする宥を止める憧
苦しそうに呻いている玄の口から、涎が垂れる
和こと、ゾグは笑みを浮かべサンダーキラーを見上げた
和「私の勝ちです!」
??「勝手に勝った気になってんじゃぁねぇよ!」
そう言いながら和の背後に現れるのは―――ジャグラス ジャグラー
ジャグラーがその刀を振るうも、和の背後にさらに現れる影
それは、グローザ星系人
ジャグラー「チッ!」
グローザ星雲人「!」
素早く腕を振るうと、ジャグラーは後ろへと下がる
刀を肩に当てながら真っ直ぐに立つ
和は笑みを浮かべたまま、その手に集めた闇を玄の胸に突き付ける
玄「アアァァアアァァ!!?」
和「さぁ蘇りなさい……これで終末です!」
宥「玄ちゃぁん!」
憧「ッ!」
黒い輝きが玄を包み、それは光の柱となって上空―――ワームホールへと伸びて消えて行った
もちろん玄もすでにそこにはいない
どこへ行ったかなど考える必要もない
京太郎『ワームホールを介して、なにが!!?』
ジャグラー「ドラゴンって感じじゃないでしょあれ……」
巨大なワームホール、その向こうから―――巨大な顔が現れた
ジャグラー「ゾーリム……ね」
ドラゴンの頭のようにも、蛇の頭のようにも見える
少なからずその異形は頭だけをそこから覗かせていた
溢れる力はあまりに強大
京太郎『なん、だよ……あれは!』
和「さぁ、根源的破滅をォ!」
ゾーリム「―――!!」
憧「……っ」
巨獣ゾーリムが咆哮し、海を、大地を震わせる
第23話【偽りの赤き日輪】 END
―――次回予告
京太郎:穏乃ォ!
憧:たった一人で!
晴絵:おもしろそうじゃん
穏乃:受け取れ!
京太郎:オレが、オレ達が潰す!
次回【復活の日】
憧:私は、戦いたいっ!
今回はここまでー
そして今回は色々詰め合わせでしたー
タイミングによってはまた色々と変わったりしたり
次は明日ってか今日またやりたいとこー
そんじゃまたー
インスタンス・ドミネーション!
とか言いながらやってくー
円谷の供給過多でしぬ
空を覆う暗雲
サンダーキラーが立ち上がり、ガイアも同じく立ち上がった
地上ではジャグラーを前にグローザ星系人は和を抱えて跳んで消える
ジャグラー「チッ、めんど……」
悪態をつきながら、ジャグラス ジャグラーが空を見上げた
ワームホールから顔を出しているゾーリム
そこに走ってくるのは―――鷺森灼
灼「憧、宥もっ」
憧「灼……」
宥「灼ちゃん、先生は?」
灼「はぐれちゃって……」
そう言う灼が、ジャグラス ジャグラーにガッツハイパーを向ける
肩をすくめるジャグラーを前に、宥が灼の銃に手をそえて降ろさせた
灼「なんで?」
宥「この、トゲトゲ星人さんは悪い人じゃないから……」
ジャグラー「悪い人じゃない、ねぇ……どうかな?」ハッ
憧「……あんた」
瞬間、空のゾーリムが再び咆哮する
ゾーリム「―――!!!」
サンダーキラーで既に廃墟になっている場所へと向かう
被害はなるべく出ないようにしようとする故だ
だが空の敵ともなれば……
京太郎『タイラントか……?』
反動は凄まじい、また増援が来た時に対抗できるかはわからない
だが、かなり疲労しているガイアに空の巨獣を一人で相手させるわけにもいかない
京太郎(この距離からの攻撃……いけるが)
穏乃『京太郎、私が突っ込む! 援護を!』
京太郎『全力攻撃は撃てないだろ!』
穏乃『でもアイツやばいで―――』
京太郎『くるぞッ!!?』キュピンッ
上空のゾーリムが再び地を揺らすほどの咆哮
肌にビリビリとプレッシャーを感じ、京太郎は迷わずメダルを取り出す
リスク管理を考えてられる状況でもない
ゾーリム「!」
空のゾーリムが火炎を吐く
『Gomora. Tyrant. Belial.』
京太郎『ベェェリアァルッ!』
『Strong Gomorant』
現れるはベリアル融合獣、ストロング・ゴモラント
咆哮を上げるとその角を赤く輝かせる
京太郎『グラビトロンプレッシャァァァァッ!』
重力を、下ではなく上に向かって発生させる
放たれた火炎を、無理矢理重力のシールドで凌ぐ
だがその火力故なのか、徐々に押されていく
京太郎(もうちょっと日ぃ空けなきゃ無理かぁっ!!?)
体中に痛みが奔る
穏乃『京太郎!?』
京太郎『終わった瞬間っ、いくぞォ!』
穏乃『お、応ッ!!』
京太郎『オオォォォッ!!』
放たれ続ける火炎を凌ぐ
瞬間、翼を広げてストロング・ゴモラントはゾーリムを見据える
ガイアも、走り出す
京太郎『いくぞォ!』
穏乃『オーッス!』
二体が同時に飛びたつ
上空のゾーリムが、火球を放つ
火炎は消耗が激しいのだろう
京太郎『まだ完全復活って感じじゃあなさそうだな!』
穏乃『いまの、うちに!』
放たれる火球を、ストロング・ゴモラントは口から放つ火炎で相殺する
ゾーリムに接近していくごとに、その大きさを実感させられていく
あまりの巨大さ、ダメージを与えるには―――
京太郎(こんな時にベリアルさんがいればな!)
穏乃『やろう京太郎!』
京太郎『ああ!』
ガイアがフォトンエッジを構える
ストロング・ゴモラントはハイパーデスファイヤーを撃つ構えだ
穏乃・京太郎『ウオォォォォッ!』
憧「あれは、光がっ!」
地上から見ればゾーリムのいる場所に凄まじい輝き
宥「穏乃ちゃんっ京太郎くん……っ!」
灼「っ……!」
だが、ゾーリムは健在
そして、落ちていくガイア
憧「しずっ!!?」
ストロング・ゴモラントはゾーリムの前で浮遊している
落ちていくガイアに、ゾーリムが火球を放つ
京太郎『穏乃ォ!』
その射線上に出たストロング・ゴモラントが再び重力のシールドを張る
京太郎『グゥゥッ!』
歯を食いしばり、耐える
インナースペース内であろうとも汗が止まらないのを理解できた
もう一度放たれた火球によりシールドが破られる
京太郎『!!?』
直撃―――爆発
京太郎『だとしてもッ!』
『Arstron. Bemular. Belial』
京太郎『ベェリアァル!』
『Burning Bemustra』
爆煙の中、落ちていくバーニング・ベムストラ
口部に集まるエネルギー
ゾーリムは攻撃準備すらまだしていない
京太郎『ペイルサイクロォンッ!!』
その一撃が―――ゾーリムへと届く
第24話【復活の日】
―――覚醒
京太郎「!」バッ
眼を覚ました京太郎の視界にまず入ったのは天井
おそらく、いや十中八九特異課の基地内
右腕を動かそうとするも痛みが奔り少しびくつく
京太郎「あ゛~」
痛みに顔をしかめながら起き上がる
すると、そこには―――
京太郎「宥さん……」
驚きながらも、そっと左手を伸ばしてその頭を撫でる
その目元に涙跡があるのがわかり、顔をしかめた
玄を助けられたとは―――思えない
京太郎(だけどここが無事ってことは……)
??「おはよう」
京太郎「……晴絵さん」
晴絵「起きたなら、状況説明しようか」
そう言いながら、晴絵が電気を点ける
眩しさに顔をしかめる京太郎
宥「ん……あ、京太郎くんっ!」
京太郎「おはようございます」フッ
宥「……だ、大丈夫!? どこも痛くない!?」
京太郎「大丈夫ですよぉ」
京太郎(体中痛ぇ……)
晴絵「はい、それじゃ」
晴絵からの状況説明を受けた
ゾーリムに関してはペイルサイクロンを受けた後に、ワームホール内に姿を隠したらしい
だがエネルギー反応は未だ強いようで、回復し次第出てきかねないとのことだ
穏乃は怪我をしていたそうだが無事で意識は既に取り戻している
一番重い部分が左腕の脱臼らしいがそこも数時間もすれば問題ないとのこと
京太郎に関しては全身打撲、一部内蔵に傷があるかもしれないということだった
やはりストロング・ゴモラントの反動ということだろう
京太郎「なるほどなぁ」
晴絵「まぁ大人しくしときなよ。奴でまた現れるまで」
京太郎「了解です」ハァ
晴絵「よそも大変らしいし……どうするかなぁ」ポリポリ
ぼやきながら、部屋を出ていく晴絵
宥「わ、私もいくけど大人しくしてなきゃ……めっだよ?」
京太郎「はい」フッ
宥「それと」
京太郎「?」
宥「私を、助けてくれて……ありがとぉ」フフッ
京太郎「俺じゃないっすけどね」
宥「それでも、だよ……助けようとしてくれた、でしょ?」
京太郎「そりゃ当然」
宥「えへへ、うれしいな」ニコリ
京太郎(結婚しよ)
今回はここまでー
短いけどたぶんまた明日やるー
そんじゃまたー
◆安価!
1、松実宥
2、高鴨穏乃
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、辻垣内智葉
8、ネリー・ヴィルサラーゼ
9、雀明華
10、清水谷竜華
11、江口セーラ
12、愛宕洋榎
13、臼沢塞
14、小瀬川白望
15、鹿倉胡桃
16、姉帯豊音
17、新子憧
18、鷺森灼
◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用
おそくなったけどのっそりと
とりあえず安価は5と17ー
5、東横桃子
―――【特異課奈良基地:休憩所】
ゆっくりと、椅子に腰を下ろしてコーヒーを啜る
ホットコーヒーが喉を通って降りてくる感覚
京太郎「ふぅ」
安静にしているわけもなく、京太郎は部屋を出ている
他の職員や、阿知賀勢以外にも特異課に協力している雀士などともすれ違ったのですぐに宥たちの耳に届きかねない
しかし―――
京太郎「コーヒー飲みたかったしなぁ」
誰もいない休憩所、おそらく対応などを会議していたりもあるのだろう
窓から空が見える
つまりは、ワームホールもだ
京太郎「あれを放っておくわけにもいかないし……」
よそは忙しいとのことだが、このタイミングを狙ってなのだろう
京太郎「ん~……」
ピリリリ
京太郎「お、モモ?」
腕の端末が音を鳴らしていた
すぐに開いて、ボタンを押す
京太郎「おう」
桃子『あ、京さん……ってやっぱ怪我してる!?』
京太郎「やっぱってなんだよ」
桃子『やってる気がしたんっすよねぇ』
京太郎「失礼な、人がやらかしたみたいに」
桃子『やらかしてるんっすよ』ジトー
京太郎「……」メソラシ
バツが悪いという風に、眼を逸らし顔をしかめる京太郎
チラリと視線をモニタに向けると桃子は頬を膨らませて怒っている
京太郎「悪いな、心配かけて」
桃子『いつだって心配なんっすよ……私の目の届かないとこにいるの』
京太郎「母さんのようなことを言う」フッ
桃子『茶化さないでくださいっす!』
京太郎「すまん」
いささか、そこまで心配されるとついつい茶化したくもなる
慣れていないこともある
そもそも自分が傷ついたところで、それほど心配する人間がいるなど思ってもいなかったのだ
京太郎「みんな、言うな……俺に」
桃子『みんな心配してるんっすよ』
京太郎「すまん」フッ
桃子『それでも、私は……』
京太郎「ん?」
桃子『うっ、なんでもないっす』カァッ
京太郎(歯がゆいな)
食い下がって聞いても良いが、そういう雰囲気でもない
桃子『なにはともあれ、ちゃんと安静にしてなきゃダメっすよ。怪我してもすぐ動くんっすから』
京太郎「安静にはするよ。できる範囲で」
桃子『絶対しないやつっす』
京太郎「よくわかってるようで」フッ
桃子『わかる努力はしてるつもりっす』クスッ
京太郎「お前みたいな子にそう言われるとときめいちゃうな」ハハッ
桃子『えへへ、良いっすよ』ニヘラ
京太郎(好きになるわ!)
桃子『と、ともかく、みんな心配してるんっすからね!』
京太郎「ああ、俺も心配してるよ。みんなのこと」
桃子『そういうとこっすよね』ボソッ
京太郎「そっちも大変そうだからな」
桃子『ん、まぁ頑張ってくれてますよ。ティガも、みんなも』
京太郎「そうか、また戻る」
桃子『はい、待ってるっす!』ニコッ
そこから数言を交わすと、通信を切る
コーヒーを飲み僅かに痛む体に顔をしかめた
その瞬間―――
憧「だから大人しくしろって言われたのに」ジト
京太郎「どわっ! 急に出るなよ!」
憧「なんか話してたみたいだから」
京太郎「聞いてた?」
憧「最後の挨拶ぐらいは聞こえたけど」
京太郎「そ、そうか……」
憧「なに? 聞かれちゃまずかったの?」ニヤリ
京太郎「んなわけあるかよ」
そう言って息をつく京太郎の向かいに座る憧
少しばかり気安くなっている気もするが……
京太郎「もしかして探しにきた?」
憧「ん、抜け出してるって話は聞いた……宥ねぇはたぶんここにいるって言ってたけど」
京太郎(パターンを読まれてる……)
そこまでいなかった気もしたのだが、そういうものなのだろう
京太郎「宥さんの方も心配だけどな……マガパンドンにされてたんだし」
憧「シズが助けてくれて良かったけどね」
京太郎「そういや穏乃とまだ会ってないな」
憧「あんたら一緒にしたら勝手に出かねないから合流させないって晴絵が」
京太郎「あ~そうかぁ」トオイメ
否定はできない
憧「力を持ってるから、戦いたいたいの?」
京太郎「ん?」
ふと、雰囲気が変わる
その言葉の声音も込められた想いも、先ほどまで会話していた雰囲気とまったく違う
だがわかった。わからざるをえなかった
京太郎「さてな、人によるからな……」
憧「じゃあ、あんたは?」
京太郎「俺は……戦いたかったんだよ」フッ
憧「?」
京太郎「最初は成り行きだけどな、今は違う」
あの日から沢山の自問自答をした
結果、答えは見えた。今も見続けている答えは一つだと、思いたい
京太郎「穏乃は、守るためだ。憧たちを」
憧「それは力を持って」
京太郎「違うよ。ウルトラの光があろうとなかろうとあいつは同じように戦ったよ。命かけて」
その言葉を理解できない憧ではない
だからこそ言葉はでてこなかった
なにかを言いかけては止まるを、三度ほどする
京太郎「まぁ人それぞれ違うからな。自分が戦う意味も、自分が力を持った過程も」
単純【うちはうち、よそはよそ】という理論
なんの解決にもならないが、他人が口を出して解決させるものでもない
ヒントは与えられるがそれ以上はないと、京太郎自身が知っている
京太郎「戦う理由を見つけて、力を手にするか……」
そっと、メダルを取り出す
そこに映るのは、ベリアル
京太郎「力を持った意味を求めて、戦う為の理由を探すか」
外を見て笑う京太郎
どこか寂しそうな笑みを浮かべる彼を見て、憧は頷く
答えは出ていない。だが―――
京太郎「良い顔してる」フッ
憧「……ふきゅっ!? せせせ、セクハラよ!?」
京太郎「そういう意味じゃねぇよ!?」
それから一時間ほど経っただろうか……
こっそりとロビーを出て、街を歩く京太郎
空のワームホールには時折、稲妻が奔っていた
エネルギーが溜まってきているのを感じる
京太郎「厄介なことで」
憧との会話を通して思うところがあったのも事実だった
今更、迷うことなどない
だが―――
京太郎「しつけぇなぁ」
視線の先には、自分自身
京太郎?「言っただろう。俺はお前だって」
京太郎「俺が俺の邪魔するんじゃあねぇよ」
京太郎?「ハハハハハッ!」
自分自身と同じ笑い声のはずだが、やけに癇に障る声だった
右手でガッツハイパーを抜いて迷わず引き金を引く
放たれた弾丸を、“須賀京太郎”は回避する
京太郎「……」
京太郎?「忘れるなよ。俺はいつだっている。お前の傍に……」
そうとだけ言って去って行く
顔をしかめて、ガッツハイパーをホルダーに収めた
上空のワームホールが激しくスパークする
京太郎「くるか……?」
上空のワームホールから、ゾーリムが顔を出した
町中に警報が鳴り響く
瓦礫に囲まれた場所に立つ京太郎
京太郎「痛っ」
顔をしかめながら、ゼットライザーを左手に持つ
上空のゾーリムが火炎を吐く
無差別なのか狙ってなのかはわからないが、京太郎の周囲にも炎が降り注ぐ
京太郎「やるしかねぇだろ……!」
??「無理、するねっ」
京太郎「……お前もだろ、穏乃」
振り返るとそこには高鴨穏乃がいた
左腕を首からかけた包帯で吊るして、顔にもガーゼが張ってある
京太郎「やめとけ」
穏乃「私もそっくりそのままお返しするけど」
京太郎「……」
?「いや二人ともに言いたいわそれ」
穏乃「っ、憧!!?」
そこには、新子憧がいた
京太郎と穏乃に近づいて、立っている
言葉を失う穏乃と、先ほどの会話もあってか苦笑する京太郎
憧「戦うの?」
その言葉に、頷く京太郎と穏乃
憧「昨日はたまたま二人だったけど……でも、いつもあんたたちは!」
グッと拳を握りしめて、力強く言葉を紡ぐ
憧「たった一人で!」
穏乃「一人じゃないよ」
憧「え?」
穏乃「一人じゃない。いつだって私は……みんなと一緒に戦ってたから」
穏やかな笑顔を浮かべる穏乃
きょとんとしていた憧だったが、すぐに笑みを浮かべた
どこか寂しそうでもある
穏乃「私が戦うのは、みんなを守りたいからだから……」
憧「それがあんたが戦う意味?」
穏乃「うん」
憧「力を持った、意味?」
穏乃「わかんないけど、きっと……」
??「おもしろそうじゃん」
ふいに、誰かが現れた
それはジャグラス ジャグラーこと赤土晴絵
しかしてその正体を誰も知らないのだが……
穏乃「トゲトゲ星人……」
憧「トゲトゲ星人、さん……?」
ジャグラー「トゲトゲ星人って呼ぶんじゃねぇよ!」
そう言いながらも、名乗る気はない
ジャグラー「新子憧は、アグルの力を元々持ってたんだ」
穏乃「?」
京太郎「力を、受け渡せると?」
ジャグラー「ご名答」
ネットリとして声音でそう言うジャグラス ジャグラー
その言葉を聞いて、穏乃は顔をしかめた
守りたい者の一人なのだ。自ら戦いに行かせるつもりはないだろう
だが……
憧「シズ……」
穏乃「憧」
その瞳を見て、わかることもある
親友だからこそわかることもあるのだ
京太郎「……」
故に口をはさむでもない
ジャグラス ジャグラーが隣に立って肩に手を置いてくるので軽く払う
その顔は変わっていないはずが、笑っている気がする
憧「私は、戦いたいっ!」
その言葉に頷くと、穏乃はエスプレンダーを前に出す
クリスタルに浮かぶのは赤と青の光
その青い光が、憧へと飛ぶ
穏乃「アグルの力……!」
憧「!」
それを手に取る憧
その右腕に装着されるアグレイター
さらに、赤い光が憧へと飛ぶ
憧「えっ、これは……」
穏乃「憧、受け取れ!」
強い言葉に頷くと、アグレイターで赤い光を受け取った
点滅するアグレイターのクリスタル
腕を前に出し、拳を真上に向ける
憧「アグルゥッ!」
アグレイターが展開し、回転した
そしてその身を光に、ウルトラマンへと変える
青き輝きと共にウルトラマンアグルが現れる
腰を落とし片膝立ちをするような体勢
顔をそっと京太郎たちの方を向けてから、立ちあがった
穏乃「あれが、本当のアグル……」
京太郎「憧……」
その眼はピンク色ではない
前までのアグルと違うのはそこだけでなく、黒いラインも追加されているようだった
◆BGM:アグル降臨【http://www.youtube.com/watch?v=qTa7XrlYBR4】
ウルトラマンアグルV2が空を見上げる
今回はここまでー
次はまた明日できればいいなー
ようやくアグル登場って感じで
京ちゃんも出番あるよー
そんじゃまたー!
昨日できんかったー
今日もできんけど明日はやれるはずー
なんか知らんけど海の女になってしまった憧
でも焼いたアコチャーもみてみたい
遅くなったけどやってくー
がんばるゾイ!
現れたアグルが、上空のゾーリムに向かって構えを取る
神秘的な―――海を彷彿させる青の戦士
ゾーリムが咆哮し、炎を吐く
アグル「ハッ!」
放たれた火炎を、アグルが回避
即座に両腕に青い光を集めて、その手に波動弾を生み出す
アグル「ハアァッ!」
放たれたフォトンスクリューが真っ直ぐに上空のゾーリムに直撃
少しばかり怯ませる
地上で、穏乃がそれを見てガッツポーズをとった
穏乃「よっしゃぁ! ってあいたたっ」
京太郎「落ち着け、とりあえずはダメージを与えたみたいだけど……」
穏乃「ッ! アグル!」
その切羽詰まったような声にハッとしたアグルが、即座にその場から跳んだ
元々いた場所に突き刺さる氷柱
アグルが右腕に光刃ことアグルセイバーを出現させると、さらに放たれる氷柱を斬り裂き、弾く
京太郎「……あいつ」
穏乃「和と一緒にいた宇宙人!」
巨大なグローザ星系人がそこにはいた
グローザ星系人「アグルが現れようと、ガイアとベリアルの器は現れまいよ」
アグル「……」
腕のグローザブレードを構え、走り出す
グローザ星系人がブレードを振るうが、アグルはセイバーで相対する
数度の剣戟の後に、お互いに跳んで下がった
グローザ星系人「……」
目的は見えている
上空のゾーリムが咆哮した
京太郎「……時間稼ぎ、いやゾーリムとの二体一の構図か」
穏乃「そんなっ!」
京太郎「……」
京太郎は、ゼットライザーを手に持ちトリガーを引いた
目の前に現れるゲート
だが、穏乃が京太郎の腕を取る
穏乃「ちょっ! そんな体でっ!」
京太郎「……いかせろ」
穏乃「ダメだって! 宥さんが泣くよ!」
そんな言葉に顔をしかめる京太郎
他人、誰かが泣く、そう言われて躊躇しないわけもない
だがそれでも……
京太郎「今いかなきゃもっと大勢が泣くだろ、それに……オレは、戦いたい」
そう言って笑みを浮かべると、穏乃の手を振り払いゲートに飛び込む
穏乃「京太郎ッ!」
叫び、顔をしかめる穏乃
輝きと共に、アグルの前に現れるのはベリアル融合獣―――スカルゴモラ
もぉ! と悪態をついて穏乃がその場を離れていく
そして瓦礫の影から一部始終を見守っていた赤土晴絵は深いため息をつく
晴絵「京太郎がどうにかなっても、結構泣く奴多いけどね」ハッ
現れたスカルゴモラに、グローザ星系人が氷柱を放つ
頭部から放った振動波で迫る氷柱をすべて破壊
蒸発した氷柱により周囲が僅かに白ずんでいく
スカルゴモラ「!」シュー
周囲の冷気のせいか、スカルゴモラの真っ白の息を吐く
アグル「!」
憧『須賀!?』
京太郎『上のは頼んだ……コイツはオレがやる。オレがやりたいんだよ』
憧『……大丈夫なのね?』
京太郎『なにがなんでも倒すよ』
憧『生きてだから』
インナースペースで、京太郎はハッと笑う
もちろんそのつもりではあったのだが、そう言われるとまた心持ちも変わる
京太郎『当たり前だろ』
憧『……お願い、京太郎!』
アグル「デヤァッ!」
空へと飛び上がるアグル
スカルゴモラは再び白い息を吐きつつ、目の前のグローザ星系人を睨みつける
グローザ星系人は両腕のブレードを輝かせた
京太郎『テメェは、潰す!』
グローザ星系人『貴様になにができる!』
京太郎『できるさ、お前を倒して無事に帰るぐらい!』
走り出したスカルゴモラ
グローザ星系人が口からブレスを放つ
それは地上を氷漬けにしていき、スカルゴモラへと徐々に迫る
京太郎『ショッキングヘルボール!』
助走をつけたスカルゴモラの脚から放たれる赤いボール
それがグローザ星系人に迫るも、相手はそれを両手のブレードで凌ぐ
さらに、ブレードで接近をするグローザ星系人
グローザ星系人「死ねェベリアルの器ァ!」
『Eleking. Ace-Killer. Belial.』
京太郎『こいつでェ!』
『Thunder Killer.』
右腕を振るうグローザ星系人だが、そのブレードはサンダーキラーの鉤爪に凌がれる
さらに左腕を振るおうとするも、サンダーキラーは尾を巻き付けてその手の行動を制限した
京太郎『電撃でェ!』
放たれた電撃を受けるグローザ星系人
グローザ星系人「こんなものぉ!」
至近距離で電撃を浴びながら、グローザ星系人は冷気を放つ
それを受けるサンダーキラー
ここからは我慢勝負―――なのだが
京太郎『ぐぅっ!』
グローザ星系人「その程度ではなぁ!」
さらに冷気のブレスの勢いが増していく
足元から凍って行くサンダーキラー
そのせいか電撃も弱まって行く
京太郎『ぐっ!!?』
グローザ星系人「どうするベリアルの器!」
京太郎『器、器と……オレはベリアルさんの相棒、須賀京太郎ォだァ!』
―――【インナースペース】
脚が凍って行くかのような感覚を覚える
やはりこのレベルの敵となると今の自分で、今のスカルゴモラで勝てるわけもない
ならできることは一つ……
京太郎「っ」
ストロング・ゴモラントに必要な三枚のメダル
凄まじいパワーを感じるタイラントメダル
姉帯豊音でどうにか耐えられたレベルのメダルを自分が使っていること自体が分不相応なのだ
京太郎「でも、だとしても!」
その瞳が紅蓮に輝く
京太郎「タイラント!」
その声に呼応するように、タイラントの咆哮が聞こえる
そして隣のベリアルメダルが輝くと、タイラントメダルの輝きが変わる
メダルに描かれたタイラントの瞳が赤く変わる
京太郎「これは……」
脳裏に浮かぶタイラント
自らの―――
京太郎「ッ、そうか……ならばァ!」
前を向いて、敵を見据える
京太郎「面子は揃った!」
ベリアルメダルを弾くと、周囲に闇が広がって行く
心地いい闇の中、握ったタイラントメダルの赤い瞳が輝く
京太郎「古代怪獣! 暴君怪獣! ベリアルさん!」
落ちてきたメダルを取ると、三枚をセット
さらにブレードを可動させていく
バチバチと赤い稲妻が周囲に奔る
『Gomora. Tyrant. Belial.』
ゼットライザーを構えた
京太郎「これでオーラスだ!」
ゼットライザーを真上へと掲げる
京太郎「ベェリアァッル!」
『Strong Gomorant』
グローザ星系人と組み合いになっていたサンダーキラーが輝く
驚愕するグローザ星系人が吹き飛んだ
両足で着地しながらグローザ星系人がブレードを地に差して勢いを消して止まる
グローザ星系人「あの力をそう何度も!」
京太郎『やれるさ、支えてくれる奴がいる!』
現れたストロング・ゴモラントが咆哮し、尾を振るう
バラバラバテールがグローザ星系人を横から襲う
両腕を横にしてなんとか凌ぐグローザ星系人だが、羽撃たいたストロング・ゴモラントが接近と同時に拳を下から打ち込む
グローザ星系人「ガァッ!!?」
その一撃を腹部に受けたグローザ星系人が飛び上がる
京太郎『追撃ィ!』
同じように空に飛び上がるストロング・ゴモラント
空中で体を回転させてバラバテールでの攻撃
それをブレードで弾くグローザ星系人が冷凍ブレスを放つも、腹部で吸収
京太郎『こいつでぇ!』
さらに口から炎を吐きだすが、空中でグローザ星系人が回避、さらに氷柱を放つ
ストロング・ゴモラントは大きな翼で体を守る
攻撃が止むと翼を広げた
グローザ星系人「死ねぇ!」
目の前に現れたグローザ星系人を前に、ストロング・ゴモラントはさらに空中で縦回転
京太郎『視えてるんだよォ!』
尾での一撃で地へと落ちていくグローザ星系人
舞い上がる砂煙
だが、砂煙を即座に晴らしてグローザ星系人は氷柱のマシンガンを放つ
京太郎『!?』
グローザ星系人「消えろォ!」
凄まじい勢いで放たれるその氷柱に、京太郎が眼を見開く
―――【インナースペース】
真下から放たれる大量の氷柱
空を背にしたストロング・ゴモラント
京太郎は目の前に浮遊するメダルを見る
京太郎「これは……デスレ星雲人のメダル?」
そのメダルが、手元のベリアルメダルと呼応する
タイラントと同じく、赤黒い輝き
そして描かれていたデスレ星雲人の黄色の発光体が赤く変わった
京太郎「ッ!」
そのメダルを掴むとゼットライザーにセット、ブレードを動かす
京太郎「デスローグさん!!」
迫る氷柱はすべてストロング・ゴモラントを目標にしている
だからこそ……
京太郎『ウオォォッ!』
ベリアルのかつての配下【ダークネスファイブ】の一人【炎上のデスローグ】の力
ストロング・ゴモラントの口から放たれる炎
それはハイパーデスファイヤーとはまた別、十字の炎が回転しながら地上のグローザ星系人へと迫る
グローザ星系人「なんだそれは!?」
迫る炎を、グローザ星系人が両腕で凌ごうとするも腕が溶かされて無くなる
グローザ星系人「舐めるなぁ!」
だが即座に、氷がグローザ星系人の腕を再生した
空のストロング・ゴモラントに向かって飛ぶグローザ星系人
変わらず氷柱は放たれていく
京太郎『もうちょっと、借りるぜデスローグさん!』
ストロング・ゴモラントの背後から放たれる火炎弾の数々
それらが氷柱を消滅させていく
接近していくストロング・ゴモラントとグローザ星系人
京太郎『オォォォォッ!』
グローザ星系人『消えろォォォォ!』
今回はここまでー
次は明後日できればいいなーとか
ダークネスファイブ要素っていうかそこらへんも
キャラとの掛け合いももっとしたいなー
そんじゃまたー
相変わらず遅いけどやってくー
だいたいこの時間になりそうねー
そんじゃ頑張るゾイ!
ストロング・ゴモラントとグローザ星系人の二体
放たれる氷と炎、それが凄まじい勢いで蒸発と再生を繰り返していき濃霧を発生させる
そんな姿を後ろに、アグルはゾーリムを相手に手をこまねいていた
憧『にしたってこんなんどうすれば……!』
?『たく、あたしがやれば良いんでしょぉが!』
憧『誰!!?』
黒い光が、アグルの背後から飛んでくる
ゾーリムがその黒い光を相手に炎を吐くが、黒い光はそれを回避しゾーリムの横を通り過ぎていく
憧『あんたなにを!?』
?『たく、なんでまた遭遇しちゃうかなぁ須賀ァ!』
憧『須賀、京太郎の知り合い!?』
黒い光がどこか人型のように代わった
だが、その姿はどこか“不完全”のようにも見える
憧『あんた一体!』
?『偽物だよ。どこまでいってもただの贋物だ!』
黒い光は、ゾーリムの頭が出現しているワームホールギリギリまで接近すると黒い光を放つ
その一撃が真っ直ぐにワームホールへと入って行くと、その奥で爆発が起きているのが確認できた
ゾーリム「―――!!!」
咆哮するゾーリムだが、それはいつもと違うように聞こえる
憧は意を決すると、その口に飛び込んだ
ゾーリムの口内を奥に突き進んでいき、ある程度の場所で着地する
奥は未だに見えないが、直感的に大丈夫だと思えた
アグルは両腕を真上に上げる
憧『私はやれる。シズと京太郎が守ってくれたなら、今度は私がぁァァァァ!!!』
ガイアがスプリーム・ヴァージョンに変身するのと同じプロセスを辿り―――アグルが変わる
憧『アグルゥゥゥゥッ!!』
そして、アグルの姿は変わった
前よりもマッシブに、そして胸や脇腹から腕にかけて赤い部分が増える
ガイアと同じく、アグルはスプリーム・ヴァージョンにヴァージョンアップした
◆BGM:Beat On Dream On【http://www.youtube.com/watch?v=OdO0lC77eT8】
アグル「ハアァァァァッ!」
両足でしっかりと体を支え、両腕を大きく振るう
そしてガイアと同じく、両腕を真上で合わせた
輝きをその両手に集めて、腰をすえて足を構えて合掌するように手を前で合わせる
憧『これで、終われぇぇぇぇっ!!!』
右腕を縦にずらすと、そこから放たれる絶大の一撃【フォトンストリーム】
ガイアと同じその技は真っ直ぐにゾーリムの奥へ奥へと放たれる
ゾーリム「―――!!?」
―――そして、爆散
炎と氷がぶつかりあった濃霧の中、ぶつかり合う二体
ストロング・ゴモラントとグローザ星系人が組み合っている
両腕を組み合い、その口から氷結のブレスと灼熱のブレスがぶつかり合う
京太郎『墜ちろよォォォ!』
グローザ星系人『凍れェェェ!』
二体が同時に離れた
お互いにブレスを止めて再び次の一手を打とうとしたその瞬間―――空で、大爆発が起こる
それが濃霧を吹き飛ばし、二体を月光の元に晒す
グローザ星系人『ゾーリムが!!?』
京太郎『ゾウリムシだかなんだか知らねぇがァ!』
ストロング・ゴモラント「―――!!」
荒々しく咆哮するストロング・ゴモラントと京太郎
素早く接近したストロング・ゴモラントがバラバテールを振るい、グローザ星系人を真上に吹き飛ばす
ストロング・ゴモラントのその角が輝く
京太郎『グラビトロン・プレッシャーァァァァ!!』
真上からの重力波によって下降していくグローザ星系人
だが、さらに真下からの重力波によってグローザ星系人はその場に固定される
上下からの圧に、グローザ星系人が苦しむ
グローザ星系人『ぐおぉぉぉ!!?』
京太郎『こいつで、トドメェ!』
その胸の紫色のカラータイマーが輝く
京太郎『食らえ大火炎ッ!! ハイパーデスファイヤーッ!!』
放たれる獄炎が、グローザ星系人へと迫る
グローザ星系人『皇帝ィよォォ!!?』
―――消滅
上空に浮遊しているストロング・ゴモラント
その胸に、消滅したグローザ星系人から出現した光が吸収された
ストロング・ゴモラントの前に現れる―――ウルトラマン
京太郎『憧……』
憧『……お疲れ、それと……ありがとう』
アグルSVが頷く
ストロング・ゴモラントは何を言うわけでもするわけでもない
空の彼方へと去って行くアグル
ストロング・ゴモラントは黒い光と共に姿を消した
地上へと降りた京太郎が、膝をついた
ボタボタと落ちる血液
口と鼻から流れるそれを拭うと、歯を食いしばって立ち上がろうとする
京太郎「ッ!」
だが、力が入らずに仰向けに倒れ込んだ
体の奥から這い上がってくるそれを感じて、体を横に向けた
血塊を吐きだして、荒い呼吸のまま這って近くの木に背中を預ける
京太郎「……たく」
タイラントメダルはあの異変により、負担は確かに減ったのだろう
だから“この程度”ですんでいる
京太郎「もうちょっと、休んだら帰るか……」
右手に握っているのはグローザ星系人メダル
なのだが、黒い輝きと紫電、それと共にメダルに描かれたグローザ星系人の目の部分の発光体が赤に変わる
京太郎「……お疲れさん、みんな」
それから数十分は経っただろうか―――
「京太郎!」
そんな声で、ハッとする
自分を呼ぶ声に顔を上げれば、そこには瞳に涙をためている新子憧がいた
驚愕したのは自分にだ
京太郎「悪い、寝てた」
憧「寝てないわよ! 死にかけてたわよ!?」
京太郎「……そっか」
苦笑して、横を見る
そこには赤土晴絵
他にも鷺森灼と高鴨穏乃、松実宥もいた
京太郎「……松実玄、さんは?」
宥「大丈夫、保護されたよ……」
京太郎「なんでここにいるんっすか?」
そんな言葉に、晴絵がグッと京太郎の腕を掴む
晴絵「あんたホント……」
京太郎「なんっすかぁ」
大事な妹が帰ってきたのだ。そう思わざるをえない
晴絵に肩を借りて立ち上がる京太郎
先ほどよりもよほど体調は良い
京太郎(体おかしくなってないか?)
回復が早すぎる
京太郎(まぁ、ベリアルさんの恩恵……か?)
宥「玄ちゃんもね、大事だよ」
京太郎「へ?」
宥「でも京太郎くんも、同じくらい……大切だから」ニコリ
京太郎「……え、好き」
宥「ふぇっ!!?」カァッ
晴絵「勢いでそーいうこと言うんじゃねぇよ!」
京太郎「すみません勢いで!」
灼「酷い話だね」
今回はここまでー
無事戦闘終了ーからの京ちゃんも無事帰還
そして今回もすまんな王者
さすがに強キャラだから許してやってください
ネクサス的な変身負荷
次回場所移動ー
そしてワンチャン明日
◆どこへ向かう!
×、奈良(阿知賀・晩成)
2、東京(臨海・白糸台)
3、大阪(千里山→姫松)
×、岩手(宮守)
5、北海道(有珠山)
6、長野(清澄・風越・鶴賀・龍門渕)
7、福岡(新道寺)
8、鹿児島(永水)
9、東京(プロ・アナウンサー)
◇1↓から5↓まででコンマが一番高いものを採用
めっさ遅くなったけどちょっとやりけるー
2、東京(臨海・白糸台)
―――【特異課奈良基地:休憩所】
あれから一週間が経った
椅子に座ってコーヒーを飲む京太郎
怪我はほぼ完治、すっかりいつも通りだ
京太郎「さてと……」
そろそろ吉野の地を出る
晴絵への報告は済んでいるし、いつ出ても問題はない
それにここは十分任せることができる場所だ
京太郎「……」
?「京太郎くん!」ガッ
京太郎「うおっ!? く、玄、さん!」
玄「おはよ!」ニコッ
松実玄が、そこにはいた
あれから三日ほどして眼を覚まし、今ではすっかり元気満タン
経緯を知ったからか、やけに懐いているようだ
京太郎「ど、どうしたんっすか?」
玄「え~タメ口で良いってば」
京太郎「いやいや」
玄「あ、そう言えばもう行っちゃうって?」
京太郎「え、ああまぁ」
玄「寂しいけど、京太郎くんは忙しいもんね」アハハ
どこか寂しそうに笑っている玄に、僅かに胸が痛む
しかし、京太郎としては気になる情報も得た
ここにとどまるわけにはいかない……
京太郎「すみません、また来ますから」フッ
玄「うんっ」ニコ
玄と別れてから、京太郎はロビーへとやってくる
トシから送られてきたメッセージに返信をすると、ふと気づく
見回りから帰ってきた穏乃と憧に手を上げる
京太郎「おっす」
穏乃「あ、京太郎」
憧「出てくんだって?」
京太郎「まぁな、情報が入ったし」
穏乃「和!?」
京太郎「いや、咲」
穏乃「宮永さん……あの人も」
京太郎「まぁ助けるよ。咲も、和だってな……」
その言葉に、穏乃も憧も安心したようにうなずく
二人のやるべきことはここを守ることだ
守る者であり倒す者を追う、京太郎とはまた違う
京太郎「それじゃ」
憧「連絡、よこしなさいよね」フッ
京太郎「おう」
穏乃「ピンチになったら呼んでね、きっとかけつけるから!」
京太郎「ありがとな、二人共」
赤と青のウルトラマンたち
そんな二人に手を上げると、京太郎は基地を出ていく
道を歩いていると、ふと松実館の前で立ち止まる
何度か世話になった場所であり、宥と玄の家
挨拶をしようとも思ったが、今生の別れでもないと、歩き出そうとする―――だが
「あ、京太郎くん」
京太郎「宥さん……偶然っすね」フッ
自分の行先からやってきた宥は、ビニール袋を持っている
食材かなにかだろうか……
宥「……東京に行くっていうのは聞いたんだけどね」
京太郎「はい」
宥「ちょっとさびしいけど、待ってるからね」フフッ
少し寂しそうだが、送り出そうと笑みを浮かべている
京太郎「まぁ、いつでも連絡は取れますから」
宥「うん、それにまた……帰って来てくれるでしょ?」クスッ
帰ってくるというのが正しいのかはわからないが、宥はそう言ってくれている
ここは自分の帰ってくる場所だと……
帰る場所があるというのはそれだけで、縛りにもなる
彼を良く理解しているからこその縛り
京太郎「はい」フッ
宥「ん、それじゃあ……」
そっと近づく宥が、片手をビニール袋から離してちょいちょいと手でしゃがむように言う
そのジェスチャーを察して腰を落とす京太郎
体勢を低くした彼の傍によると、少しばかり背伸びをして……
宥「んっ」
京太郎「へ?」
宥「そ、それじゃあ……ま、またねっ!」
慌てたように帰って行く宥
頬に手をそえて、京太郎は歩き出す
ふむ、と空を見上げた
京太郎「……やっこい」
駅前で、京太郎は時刻表を確認して息をつく
あと十分ほどは余裕があるようだった
息をついて自動販売機に小銭を入れる
京太郎「どれにー……」
「コーヒーでしょどうせ」ピッ
ガコン
京太郎「……ご察しの通りですよ」
そう言って斜め下に視線を向ける
京太郎「灼さん……」
灼「ん、どういたしまして」
京太郎「ありがとうございます」
晴絵「因果の逆転だね」
京太郎「どういうことっすか」
晴絵「てことで私には?」
京太郎「ない」
晴絵「え~」
抗議しようとする声を聴きながら、小銭を入れる
晴絵の方を見れば、満足そうに笑みを浮かべながら頷く
ピッとボタンを押して飲みものが出てくる
京太郎「灼さんは?」
灼「いいの?」
京太郎「もちろん」
灼「……じゃあ、お言葉に甘えて」
ピッ
三人同時に、缶に口をつけて傾ける
ふぅ、と頷いて時計を確認
空になった缶を放り投げてゴミ箱に入れる
京太郎「さてと、それじゃお世話になりました」
晴絵「ん、それじゃまたね」
灼「……あんまりに帰ってこないと、宥が心配すると思」
京太郎「わかってますよ」フッ
灼「ならよし」フッ
電車がやってくるのが見える
灼「それに、私もちょっとは……」カァッ
京太郎「なにかあったら、呼んでください」フッ
灼「……ん」コクリ
晴絵「それじゃ達者でな、それとあんまり無茶しないように」
京太郎「わかって」
晴絵「って言っても聞かないんだろうけど」
おわかりのようで、と苦笑して歩き出す
軽く手を振ると二人も軽く振りかえした
電車に乗り込んでベンチに座る
京太郎「……さて、次は東京か」
行くべき場所、再びの東京
第24話【復活の日】 END
―――次回予告
京太郎:なんだかずいぶん久しぶりだなぁ
智葉:もう家で飼ってやろうか
明華:たいしたものですね
メグ:ラーメンの話ですか?
京太郎:宇宙?
照:京ちゃん発見伝
京太郎:伝?
次回【銀河よりの正義】
京太郎:正義だろうが……潰す!
今回はここまでー
次回は明日か明後日にでもー
奈良編終了で次は東京にー
そんじゃまたー
今日無理そうやから水曜でー
せっかくやからキャラ安価だけ置いてくー
◆安価!
1、阿知賀(キャラ名を指定で)
2、福路美穂子
3、瑞原はやり
4、東横桃子
5、竹井久
6、辻垣内智葉
7、ネリー・ヴィルサラーゼ
8、雀明華
9、清水谷竜華
10、江口セーラ
11、愛宕洋榎
12、臼沢塞
13、小瀬川白望
14、鹿倉胡桃
15、姉帯豊音
◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用
やってくよーん
安価は美穂子と竜華ってことで
そこまでまだちょっちあるけどー
そういやゾロ目特典みたいなのってやってなかったなぁ
玄ちゃーなんかやるけ
―――【東京】
再び、その地にやってきた京太郎
別段なにかが変わったわけでもないのだが……
京太郎は小さく息をついて鞄片手に歩き出す
京太郎「……」
ドンッ
京太郎「うっ、すみませ」
「ひゃっ!? す、すみませんすみません! 私なにも!」
京太郎「え~」
「……あ、須賀君」
京太郎「どうもっす、宇野沢さん」
宇野沢栞がそこにいた
まぁ金髪高身長サングラススーツの男とぶつかれば焦りもするだろう
そっと、着けていたサングラスをずらし瞳を見せる
京太郎「そんなこわいっすか?」
栞「うん」
京太郎「歯に衣着せてください」
そう言ってサングラスをかけなおす
その瞬間、腕を掴まれた
「おい、あたしの栞になにやってんだ?」
京太郎(面倒な予感……)
金髪の女性がそこにはいた
京太郎はその女性が誰かを知っている
麻雀をやっているのであれば知らない訳もない
京太郎「テレビの人だ」
栞(私やはやりさんもだけど……)
「あ?」
京太郎「渡辺琉音さんっすね。どうも……須賀京太郎です」
サングラスを外してそう言う
この状況で栞と一緒にいて、特異課でないとは思えない
それに特異課にいるのならば、自分を知らないとも思えない
京太郎(なんか有名人みたいな思考になっちまった)
琉音「……あ、須賀京太郎、そういうことか……ふ、ふ~ん」フイッ
京太郎「渡辺さんの宇野沢さんに手を出そうなんてとてもとても」
琉音「うっせぇよ、いくぞ!」
京太郎(見た目こわいなこの人)
琉音(こいつ見た目こえー!)
栞「あ、あはは……ご、ごめんね須賀君」
京太郎「いえいえ……イメチェンでもしようかなぁ」
栞「してもそんなに変わらない気がするなぁ」
京太郎「だから歯に衣着せて、オブラートも」
その後、二人に着いていき近場の駐車場で車に乗り込む
運転席に琉音、助手席に栞
開いた後部座席に……
ネリー「よ!」
京太郎「なぜにネリー」
ネリー「せっかくネリーが迎えに来て上げたんだから喜びなよぉ」
京太郎「わーい」
ネリー「驚くほど棒!」
適当に相手をしながら後部座席に乗り込む京太郎
ドアをしめると、隣のネリーがニコニコしながら京太郎を見ている
小首をかしげて後ろをみた
京太郎「なに、なんかトラップしかけたか?」
ネリー「純粋に会えてうれしがってる女の子にそれ!?」
京太郎「いやぁ、そんな女の子人生にいなかったからさ」トオイメ
ネリー「ネリーだけは優しくしてあげるね」ヨシヨシ
京太郎「好きになっちゃう」
琉音「なに、付き合ってんのか?」
ネリー「つきっ!?」カァッ
京太郎「んなわけないじゃないっすかぁ~」ケラケラ
ネリー「もうちょっと動揺しなよ!」バシッ
京太郎「なぜ!?」
車が動き出す
琉音「仲良いなぁ~」
栞「琉音さんガム食べる?」
琉音「食う」アーン
栞「はい」ヒョイ
琉音「さんきゅー」
京太郎「付き合ってんすか?」
琉音「」カァッ
京太郎「……いやなんか言ってよ」
ネリー「京太郎がどーしてもっていうならネリーもやぶさかじゃ」
京太郎「いや別に言わないけどさ」
ネリー「」
―――【特異課東京基地】
ガレージに車を停めて、四人は作戦室に向かう
京太郎はネリーと共に琉音と栞に着いていく
京太郎「なんだかずいぶん久しぶりだなぁ」
ネリー「そうでもないでしょ?」
京太郎「まぁそうだけど……一日一日の密度が濃くてな」
ネリー「まぁ京太郎はそっかー」
京太郎「そういうこと」
色々とありすぎるのだ。戦いもそうだが……
だが確実に一つ一つ、物事は好転しているのだ
ネリー「怪我ばっかしてるんでしょ?」
京太郎「え、知ってんのか」
ネリー「うん、智葉が凄い心配してた」
京太郎「そりゃ申し訳ない」
ネリー「それに」
京太郎「ん?」
ネリー「ネリーだって心配したんだからね?」
京太郎「……ありがとな」フッ ナデナデ
ネリー「んぅ、うんっ」コクリ カァッ
作戦室の扉が開く
琉音と栞に続いて京太郎も部屋へと入る
アレクサンドラ・ヴィンドハイムが笑みを浮かべていた
見渡して、周囲を確認……
京太郎「お久しぶりっす」フッ
アレク「ん、無事そうでなにより」
京太郎「あはは……」
苦笑して、そっと視線を一ヵ所に向けた
明華とメガンダヴァンとハオ・ホェイユーを超えて……
京太郎「……」
智葉「……」ギロッ
そっと、ネリーに聞こえるような声で言う
京太郎「……俺、智葉さん怒らせるようなことやった?」
ネリー「だから心配してたって言ったじゃん」
京太郎「怒られる?」
ネリー「怒られはしないと思うけど……」
京太郎「ご、ごきげんうるわしゅう、お嬢」
智葉「……誰がお嬢だ」ジト
それぞれが席に座る
決まっているのか琉音と栞、ネリーは迷いない
京太郎も空いている席……智葉と明華と間に座った
智葉「お前っ……聞いたぞ」
京太郎「……よ、吉野での話っすか?」
智葉「それもだけど前も……岩手でも長野でも奈良でもっ」
少しばかり、否、凄まじく不満そうだった
智葉「私がどれだけ心配したか」ジト
京太郎「す、すみません……」
明華「智葉ちゃんのあんな顔はじめて見ました」
京太郎「え、そんなに?」
智葉「そんなに心配した」
ハッキリと言われて、京太郎は顔をしかめた
京太郎「すみません……」
智葉「しっかり自分を大事に」
京太郎「大事にしてるつもりなんっすよ? ただやむを得ないから……」
智葉「もう家で飼ってやろうか」
京太郎「!!?」
衝撃が走る部屋
琉音あたりは空いた口が塞がらない
固まっている京太郎
明華「ほう……男を飼う発言、たいしたものですね」
ネリー「なんて?」
明華「社長令嬢などがよくやる手腕ですね。主にお金持ちにのみ許されるやつ」
ネリー「またお金! お金すげー!」
暴走するネリー
ハオ「なんかこう、智葉ってあんなドロッとしてましたっけ?」
メグ「ラーメンの話ですか?」
ハオ「違います」
アレク「とりあえず作戦会議っていうか、話していい?」
京太郎「どうぞ! はい! すぐ進めて!」
智葉「むぅ」ジトー
京太郎「……」メソラシ
少しばかり部屋が暗くなる
アレクサンドラがキーボードを叩く
そこに表示されるのは―――
京太郎「マップですか」
アレク「ん、そゆこと……でだ」ピッ
マップに赤いマークが表示された
それが数か所……
京太郎「なんっすかこれ」
アレク「怪獣メダルを入れられた雀士が私たち以外に倒されてた場所よ」
京太郎「……このメンツ以外にも戦ってる雀士がいる?」
アレク「そういうこと、それにこの各場所に……妙な感覚もあったらしいし」
京太郎「妙、ですか?」
栞「えっと、カネゴンが言ってただけだけど」
京太郎「そうだった、ここにはカネゴンがいるんだった」
怪獣が言うなら間違いないのだろう
しかし、それが良いのか悪いのかわからない
ならばと京太郎は頷く
京太郎「そこ、行きたいな」
アレク「頼むわ、それと近辺の調査も……」
京太郎「はい」コクリ
その後、京太郎は休憩所にいた
他の面々は既に出かけたようで基地内で活動するスタッフしか見かけない
コーヒーを一杯飲み干したら調査に行くつもりではあるのだが……
京太郎「ん?」
腕につけた端末が鳴る
京太郎「美穂子さん……」
なんだか嫌な予感がした
まぁ予感というか、フラッシュバックだが……
開いてボタンを押す
美穂子『あ、繋がった……』
京太郎「どうもっす」
美穂子『っ京太郎! け、怪我は!? 大丈夫!?』
京太郎「大丈夫っすよぉ、そんな心配しなくても……ほら俺って頑丈じゃないっすか」
美穂子『心配よ、いつも怪我してるんだから……』
京太郎「やんちゃ坊主みたいな扱いしますね」
美穂子『もぉ、心配するんだから』ハァ
京太郎「お姉ちゃんみたいっすね」
美穂子『お姉ちゃんって呼んでも良いわよ?』クスッ
そう言って笑う美穂子は、やはり安心した様子だった
智葉もそうだが、心配をかけている
そういう自覚もあるし、泣く相手も確かにいることも理解してきているのだ……
京太郎(でもなぁ、やめらんないし……)
美穂子『無茶するなとか言っても、どーせするんだろうけど』ジトー
京太郎「う゛っ」
美穂子『だけど、なにかあったら……きっと泣いちゃうから』
京太郎「肝に銘じときますよ」
さすがに自分を心配する相手を泣かす趣味はない
未だ完治には至らないが……変身はなるべくしないつもりだ
タイラントを使っては、だが……
美穂子『あ、それと戻って来たりは、する?』
京太郎「まだ決まってないけど、まぁ近い内には」
美穂子『……そっか』
京太郎「なにか不安事でも?」
自分の偽物が跋扈しているような状況だ
なにがあっても不思議ではない……
美穂子『その……』
京太郎「ん?」
美穂子『竹井さん、最近なんか難しい顔してるから……』
京太郎「そっか……機会があったらこっちから連絡してみます」
美穂子『お願いね。それと……』
京太郎「?」
美穂子『私も単純に、京太郎に会いたいなって』カァッ
京太郎(え、好きになっちゃう)
今回はここまでー
キャラとの絡みが基本な回
次は竜華と電話とか、そのあと色々あったり
それじゃ金曜あたりにでもまたー
やってく所存ー
グリッドマンユニバースも続報来そうでなにより
美穂子との電話を終えて、京太郎は外へと出ていた
電車に揺られて、目的地へとやってくる
そこは、例の雀士が倒されていたという雀荘近く
道を歩きながら、京太郎は今回の件を自分なりに整理しつつ行く
京太郎(つまり、だ……今回の件を知っていて“特異課”に所属していない雀士)
十中八九メダル持ち、とは言えない
現にウルトラマンや自分がいない地方では、雀士がメダル持ちを倒しているのだ
だが……
京太郎(事情を知ってる雀士がいたとして、トシさんが放置するとも思えないし……)
ともすればやはり―――
ピリリリリ
京太郎「うおっ!」
腕に付けた端末が鳴る
考えていればメダル持ち、しかも特殊なタイプ
息をついて落ち着くとボタンを押して通話に出る
京太郎「もしもし、竜華さん」
竜華『あ、京太郎くん?』
―――自覚のないメダル持ち、ミズノエノリュウメダルを持つ清水谷竜華
京太郎「どうしたんっすか?」
竜華『まぁ色々あったからちょっと不安になって』
京太郎「……なにかありました?」
その言葉に、竜華が少しばかり顔をしかめた
竜華『ちょっと洋榎がな、最近元気なくて……』
京太郎「なるほど」
おそらく、戦いの中でなにかがあったのだろう
しかしあの洋榎の元気がないということはよっぽどに思える
竜華『こないだ、奈良の方で色々あったらしいやん?』
京太郎「え、ああまぁ……アグルが頑張ってくれたんっすけど」
竜華『その時、こっちでもなんかメフィラス星人? が、なんかしてたっぽくて』
京太郎「なんかっすか……」
竜華『それに、ニセダイナまで出てきてまうし』
京太郎「偽物、ですか」
思わず苦笑する
あっちもこっちも偽物、やはり定番なのかもしれない
京太郎「大丈夫っす」
竜華『え?』
京太郎「ダイナはきっと乗り越えてくれますよ。それに洋榎さんもなに悩んでるか知らないけど……きっと」
その言葉に、腕時計型端末のモニタに映る竜華が寂しそうな表情を見せた
それに小首をかしげる京太郎
竜華『怜と同じこと言うから……』
京太郎「あ~園城寺さんも同じことを?」
竜華『うん……』
京太郎「じゃあ、信用しても良いんじゃないですか?」
竜華『そういうもん?』
京太郎「そういうもんっすよ……それに」
竜華『?』
京太郎「竜華さんが助けを求めてるなら……園城寺さんも俺も放っとかないっすよ」
その言葉に、モニタの竜華が眼を見開いて、すぐに顔を赤らめて眼を逸らす
小首をかしげる京太郎
ハッキリと物を言った自覚はある
だが……
京太郎「本当のことっすよ。竜華さん」
竜華『わ、わかったから……じゃあ、ピンチのピンチのピンチの連続なったら、頼るかも』
京太郎「俺はウルトラマンじゃないんだからもっと速めに頼ってくださいよ」
竜華『うん、ありがと』フフッ
自分と怜だけではない
マガジャッパの時を思えば、ミズノエノリュウも彼女を守る意思があるかもしれない
今はまだ、そのまま……
京太郎「今度は園城寺さん、紹介してくださいよ」
竜華『ん、約束するっ』ニコッ
京太郎「はい、それじゃ……また」フッ
竜華『またな、京太郎くんっ♪』ニコリ タユン
京太郎(正統派おもち美少女とか死ぬわ俺)
竜華との電話を終えて、再び歩き出す
目的地はないが、雀荘に入っては数局打って他の店へ
それを繰り返すのみだ
京太郎(気配を感じたらそっち行って……だろうな)
ベリアルと分裂したものの、感覚は研ぎ澄まされた
第六感的、超人的ななにか……
京太郎(人間から離れてるとか、じゃないよなぁ)
宇宙的な感覚か、宇宙に触れた人間的な進化か……
妙な考えをしてしまうのはやはり、正気を侵食されすぎたのかもしれない
非常識に脳が着いて行かなくなかった、か……
京太郎「特別に浸りすぎだな……」
「宇宙的?」
京太郎「そうそう宇宙……宇宙?」
ふと、聞いたことはあるが聞きなれてはいない声
バッと頭を振ってそちらを見る
同じ高さの目線にはなにもない、が視線を下げる
赤い髪、見覚えのある瞳、見慣れた制服
京太郎「……照、さん?」
宮永咲の姉、宮永照
照「京ちゃん発見伝」
京太郎「……伝?」
◆???
1~50 普通
50~98 おや?
ゾロ目 ???
◇1↓のコンマ
(なんとなくやったらマジか……
【ゾロ目 MAX】
そこにいたのは―――宮永照
中学からの馴染みである宮永咲、その姉
実際に会ったのはインターハイ終了後なのだが、なんだか妙に仲良くなってしまった相手ではある
京太郎「どうもっす」
照「久しぶり、だね」フッ
微笑を浮かべる照に、見惚れそうになる……
だが思い出す
京太郎「メッセージ送りましたけど」
照「ショートメールにしてよ」
京太郎「あっちのが楽でしょうに」
確認不足、故に返事無しである
京太郎「まぁ、安心しましたけど」
咲の姉の照がまともにしている
怪獣メダルにとらわれていないというのは僥倖だった
怪獣メダルに囚われていたとして、逆に誰が助けられるのかという問題もある
照「しょうがないからいいよ」
京太郎「なにが?」
照「再開のチューして」
京太郎「せんわ!」
照「大人になったね」
京太郎「子供のころからしない自信ある」
ページ更新されてなかった
すみませぬ
(寝落ちしてた!
照が、ポケットからチョコを取り出すと包まれていた袋から取り出し口に入れる
コロコロと、口内でそれを弄ぶ
徐々に溶けて、しみだしていくチョコ
照「せっかくの再開にはおあえつらえむきの甘み」フフフッ
京太郎「ついでに俺の言葉も噛みしめていただくと嬉しい」
照「ん」コクリ
一ミリも話そい聞いていない
ポリポリとチョコをかじる
保護をどうか……
京太郎(放っといていいかなぁ……元気そうだし
照「?」
京太郎「ああいえなにも」
だめだー今回はここまでー
明日やれたらやりたいなーとかとか
まさかのゾロ目ーとかとか
未だに呪われてるとは思わなんだ
そんじゃまたー
>>241
ええねんでー
おっし遅ればせながらー
照照まさかのゾロ目クリティカルヒット
色々変わる
噂はそのうち流れそう……
淡はおもちパラドックス
とくに行く場所もないが、歩く京太郎
とりあえず腰を据えて話がしたいところである
白糸台の面々とは誰一人として連絡が取れないと聞いた
京太郎「ところで、照さんはいままでなにを?」
照「ん、なんかみんなおかしくなっちゃって……」
十中八九メダルのせいだろう
各所の雀士を狙っていた異星人が白糸台を狙わない理由がない
照は相変わらず読めない表情で、京太郎を見る
照「京ちゃんは」
京太郎「はい」
照「大丈夫なんだね」
その言葉に、苦笑する
京太郎「大丈夫じゃなかったですよ。麻雀で負けて死にかけました」
照「……」
そこで、照が表情を変える
眼を見開いて、驚愕しているように見えた
心配はするだろう、そりゃ妹の親友を……いや自らの想い人である
京太郎「まぁ結果無事なんで」
照「それもメダルの力?」
京太郎「ご察しの通りで」ハハッ
照「……そっか」
京太郎「その、咲なんですけど」
照「ん、そんな気はしてた。というか最近、一度会った」
京太郎「え、大丈夫だったんですか?」
照「うん、メビウスの力のおかげで」
京太郎「え?」
照「え……あ」
京太郎「え~……」
なんとなく、察しはした
照のこの感じ、そして自分とは違うと本能的に察する
彼女は……
京太郎「ウルトラマンの力、ですか」
額に汗を浮かべ、そう言う
照は眼を逸らしながら口の中のチョコを転がす
京太郎「……いや言い逃れ無理でしょ」
照「むぅ……」
京太郎「まぁ似たような人、知ってますから」
その言葉に、照は顔をしかめる
コロコロと表情を変える照を見るのが新鮮で思わず笑みが零れた
照「……女の子?」
京太郎「え、はい」
照「浮気者」ユビサシ
京太郎「なにが!?」
京太郎は思い返してみる
彼女となにがあっただろうか、数ヶ月前のあのインターハイ
その中でも、確かに一番話をした相手といえば照にはなる
京太郎(だからってここまで懐かれるか?)
部員全員での顔合わせ、なぜか参加した京太郎
いたたまれなくなりもしたが、その後に咲と二人で照に会いもした
やはりその時だろうか……
京太郎(だからといって、ここまで好意を向けられるようなこと……)ジー
照「……しょうがないなぁ」カァッ
京太郎「え、なにが?」
照「チューしたいんでしょ?」
京太郎「絶対違う」
照「!!?」
京太郎「そんな驚くこと!?」
照「……私と結婚しとけば将来安泰なのに」
京太郎「それはすばらっすけど」
照「しょうがないなぁ」
京太郎「まってYESとは言ってない」
そんなやりとりを繰り返しながら港を歩く二人
そろそろ喫茶店にでも入ろうかと周囲を見回す
そして小首をかしげる照
照「……ほ、ホテルはちょっと」カァッ
京太郎「違うよ」
だが、やはりわからないのである……
そこを考えている途中で、ハッと気づく
京太郎「それより!」
照「?」
京太郎「その、メビウスメダルはどうやって」
瞬間、轟音が響く
驚愕に二人同時に肩を跳ねさせ、そちらへと向く
この感覚は知っている
こうまでならないと感じない自分に情けなさを感じながらも……ガッツハイパーを取り出した
京太郎「あれは……!」
照「怪獣……」
海獣キングゲスラ
京太郎「あれはっ……!」
照「……いく」
京太郎「照さん!?」
照「見ててね京ちゃん……きっと、惚れ直すよ」
京太郎「照さん!」
走り出す照
京太郎「直すもなにも別に、惚れてないっす……」
立ち止まった照が、倉庫を破壊するキングゲスラを見据える
怪獣とは麻雀時にしか戦ったことはない
だが、要領は理解しているつもりだった
照「京ちゃんを、守る……咲も、取り戻す……!」
彼は理解していないだろう
だがそれでも、自分にとって彼は大事な人間なのだ
何気ないことだったかもしれないが、それは自分を救うに値する言葉だった
それを、大切な妹の大事な友がかけてくれたのだ
照「だから……」
左腕をかざすと、そこに現れるブレスレット
そこについたボールに右手をかざすと、勢いよく右腕を引いて左腕を真上へと向けた
照「メビウス……!」
そして、宮永照は光と共に、ウルトラマンメビウスに変わる
離れた場所で、京太郎はそちらを見据える
光りと共に、その眩い輝きと共に現れた巨人
ウルトラマン―――メビウス
京太郎「新たな、ウルトラマン……」
だがその姿に、どこか既視感を覚える
京太郎「ベリアルさんの記憶か……?」
赤と銀のウルトラマンがキングゲスラの前に立った
そこで、戦いを見守る京太郎
その隣に駆けてくる影
智葉「あれはっ! 新しいウルトラマン!!?」
京太郎「智葉さん……」
智葉「っ……京太郎」
はっきりと京太郎を認識すると、その手を掴む
京太郎「へ?」
智葉「怪我させないために、一緒に行動するぞ」ジト
京太郎「あ、はい……」
これが見られて戦況に影響なければ良いな、と思う京太郎だった
メビウスが先手を取り光弾を放つ
その一撃を受けて、キングゲスラが怯む
だが、即座に反撃のために突進していく
メビウス「!」
港の先、京太郎たちがいるであろう方にかせるわけにはいかない
メビウスはキングゲスラを受け止めるも、その体表の棘がダメージを負わす
メビウス「グアッ!」
キングゲスラ「!」
その突進を止めたものの、その棘の毒によりもだえるメビウス
現実世界での初戦闘、それにしてはセオリーから反す戦闘スタイルの敵だ
それを見ていた京太郎は顔をしかめる
京太郎「毒か!」
智葉「なに?」
京太郎「ごめん智葉さん!」
バッと手を振り払って走り出す京太郎
驚愕して追うこともできない、それに走ったところで京太郎には追い付けないだろう
智葉「っの! バカぁ!」
その声は、京太郎に届かない
メビウスがどうにかキングゲスラを弾き飛ばす
だが毒により膝をついてしまった
近づく京太郎
メビウス「!」
照『京ちゃん……!?』
ガッツハイパーをキングゲスラへと放つ
少しばかり怯む海獣
京太郎「毒だ! むやみに接近戦しないで!」
メビウス「!」
京太郎「それと……弱点は、たぶん頭のヒレのほう!」
その言葉に、立ち上がったメビウスがキングゲスラの方を向く
京太郎はそこから離れるために走りながら銃撃
ガッツハイパーを顔に受けて、視線を京太郎へと向けるキングゲスラ
京太郎「そうだ、こっちこいよ……!」
目的はこれだ
キングゲスラの頭部のヒレが弱点、ともなればメビウスの方に気を取られているようではやりづらい
ならば、やるべきことは一つ……
京太郎(融合獣になってもいいが……反動も心配だしな、これでやれるならこれで……!)
メビウス「!」
キングゲスラが京太郎へと走り出す
おそらく射撃攻撃はないという妙な確信
だからこそだが、外れていれば終わりだっただろう
京太郎「照さぁん! 外すなよ!」
メビウス「!」
その声が届いたか否か、京太郎へと迫るキングゲスラへとメビウスが跳ぶ
上空でアクロバティックに回転しながら、キングゲスラの頭部のヒレを掴むメビウス
すかさず、京太郎は振り返りつつ跳び、高火力なカートリッジを差したガッツハイパーを撃つ
京太郎「ッ!」
キングゲスラ「!!?」
メビウス「タアァッ!」
怯むキングゲスラ、その勢いのままメビウスは頭部のヒレを引きちぎる
キングゲスラ「!!?」
叫ぶキングゲスラ
背を地に打ち付けると、京太郎は即座に起き上がる
少しだけ離れた隣に立つメビウス
京太郎(まさか、こんな形で並び立つとはな……チャンピオン、照さん)
メビウス「!」コクリ
京太郎の方を見て頷くメビウスに、京太郎もまた頷き返す
京太郎「あとは頼んだぜ、照さん……!」
その場を離れるために、京太郎走り出した
弱った様子のキングゲスラを前に、メビウスが構える
変身時に使用した左腕のブレスレットのボールを再び回転させる
両腕を左右へ開いた後、垂直にした右手に水平にした左手を、十字に重ねた
必殺の一撃、ウルトラマンを知る者たちはそれを察する
照『メビュームシュート!』
放たれた光線が、真っ直ぐにキングゲスラを撃ち―――爆散
メビウス「……」
真っ直ぐと立つメビウス
そのカラータイマーが点滅を始める
両腕を上空に、勢いよく飛び上がったメビウスが空へと去って行く
地上、一人で立つ京太郎は空を見上げ口元をほころばせた
京太郎「照さん、メビウス……か」フッ
そこに立つ京太郎、前からやってくる照
笑みを浮かべる照に、京太郎も笑みを浮かべる
すっとピースサインを差し出してきた
照「……チューしてもいいよ」
京太郎「だからしないって!?」
照「冗談」クスッ
京太郎「わっかんねぇ」
そう言って顔をしかめる京太郎
後頭部を掻きつつ、照の方を見ると、顔をしかめていた
小首をかしげる京太郎
京太郎「なんっすか?」
照「……浮気者」
京太郎「へ?」
突如、右腕が引かれる
京太郎「……さ、智葉さんっすか?」
智葉「勝手に走り出した挙句に女、しかも宮永とはな……」ニコニコ
京太郎「あ~あはははは」
笑みを浮かべているのに圧倒的な圧を感じる
顔をそらしつつ、照の方を見る
相変わらず……
照「浮気者」
智葉「浮気者って? ……宮永となのか!?」
京太郎「違います」
照「婚約者です」
京太郎「混乱させるんじゃあないよ!?」
第25話【銀河よりの正義】
ということで今回はここまでー
次回はなんやかんや照と合流その後
なんか色々ごちゃごちゃしてきたけども!
そんじゃまたー
お待たせいたしたー!
色々たてこんでてこのザマっすわ
なにはともあれやっていく所存ー
まぁ安価をとればなんとなくヒロイン力が増す気がしないでもなし
その後、宮永照を連れて京太郎と智葉は特異課基地へと帰ってきた
事後処理班とも軽く会話をしたものの、照については触れさせないようにだ
そして―――作戦室
京太郎、照、智葉、明華、ネリー、ハオ、メグ、アレクサンドラがそこにいる
京太郎「……」
照「ん」
京太郎「……近くない?」
照「近いよ?」
京太郎(なんで? どうして俺がおかしいみたいな表情できんの?)
ほぼ密着、椅子すらくっつく距離で照は京太郎に体重を預けている
明華「ち、近いです! 近すぎ! ダメダメ! えっちすぎです!」
ネリー「それは違う気が……でもネリーもそういうのここでは良くないと思うな」
京太郎「ほら照さん、離れて」
照「京ちゃんがそういうなら」
常識的な距離を取る
京太郎「パーソナルスペース死んでるんですか?」
照「これが私と京ちゃんのパーソナルスペースだよ」ドヤッ
京太郎(頭うったかな?)
智葉「ともかく!」ダンッ
京太郎「!」ビクッ
智葉「宮永、どうしてあそこにいたか説明してもらおうか……それに最近、怪獣メダルを持った雀士がやられている件についても!」
ウィン
琉音「お、照じゃねーか」
照「ん」コクリ
栞「本当だ、よかったぁ~一番心配だったからぁ」ホッ
照「一番、心配……!?」
京太郎「一番驚かないでほしいとこっすね」
そうして全員そろったところで、ようやく話を進めようと動く大人組
琉音も栞もさもなければ照のせいで脱線するという予感を拭いきれない
アレク「で、だ……宇野沢に渡辺、どうだった?」
琉音「お、そうだった。例の怪獣は亦野誠子が……おそらく怪獣メダルでなったもんだな」
京太郎「亦野誠子、さん」チラッ
照「……」ホッ
京太郎「照さん」フッ
栞「えっと、これかな」ピッ
キーボードを操作すると、画像が出る
眠っている亦野誠子がそこに映された
だが、そこでひとつ京太郎にとっては大事なことを質問する
京太郎「メダルは?」
琉音「ん、いいとこに気づくな」
京太郎「……なかったんですね?」
だからこそ“おそらく”なのだ
栞「うん、くまなく捜索して……まだ捜索はしてるけど」
京太郎「たぶん出ないな……」
琉音「確証あんのか?」
京太郎「まぁ経験上」
おそらく、メダルは持って行かれたのだろう
ともなれば……
京太郎(こっちには確か、テンペラ星人がいたか……)
照「……なにか、わかるの?」
京太郎「わっかんねーっすよ」ポリポリ
智葉「京太郎でもわからないか」フム
京太郎「過剰評価してないっすか?」
智葉「正当な評価さ」フッ
京太郎「……ご期待に応えれるよう頑張りますよ」ニッ
照「……辻垣内さんと、できてる?」
京太郎「できてない」
智葉「ででで、でででででで!!?」
メグ「智葉はホの字だゾイ」
琉音「デデデみたいに言うな」
栞「えっとぉ……」
京太郎「続けてください」
栞「あ、うん」コクリ
話し辛そうにしている栞を促す京太郎
照と智葉が睨み合っているが……おそらくライバル意識だろうということにしておく
あえて気付かないということも大事なのだ
ハオ(智葉ってあんなポンコツでしたか)
栞「アレクサンドラさんも一緒だと思うんだけど、聞きたいことは怪獣メダル持ち雀士を倒してたのって……」
照「ん、私」コクリ
あっさりと答える
照「……メビウスメダルがそう言うから」
京太郎(あっさり言うなおい!!?)
智葉「メビウスメダル?」
照「ん、私が……咲との麻雀に負けた時に、飛んできて助けてくれたメダル」
京太郎「ッ……咲に、ですか」
照「うん」コクリ
あっさりと口にしたが、そういうことなのだろう
自分と同じとはまた違うが……麻雀に負けて、照の場合はおそらく
京太郎「メダルを入れられそうになったんですか?」
照「ん、その時に光が助けてくれた」
京太郎「その光が」
照「メビウスメダル。それから変身できるようになって……」
智葉「待て待て待て、情報量が多くてついて行かない!」
明華「そ、それにウルトラマンに、人が?」
照「……」チラッ
京太郎(言ったらまずかった? って顔してんじゃないよ!)
京太郎「……驚きですね」キリッ
全員がなにを言おうかと思いあぐねている―――その時
非常時を告げるブザーが鳴る
モニターに赤い文字が表示されると、栞が素早くキーボードを叩く
表示されるのは、映像
京太郎「あれは?」
照「ロボット……」
京太郎「いやそりゃわかりますけど」
街の映像、そして街中に立っているのは一体の怪獣
竜のような機械の怪獣だ
白い装甲、金や黒の装飾や模様……
京太郎「あれは……」
照「行く」
京太郎「へ?」
照「……怪獣だから」
その言葉に、照に合わせて京太郎も立ち上がった
他の面々も同じく立ち上がる
栞「一人じゃないよ……」
智葉「ああ、私たちも戦う」
照「……ん、お願い」
彼女なりの受け入れ―――そして肯定的な返事
アレク「よっし、出動! 怪我しないようにな!」
京太郎「んな無茶な」
アレク「さっきだって誰も怪我してないだろ。同じだよ」
京太郎「……努力しますよ」フッ
一台の車が勢いよく停車する
そこから出てくる京太郎と照の二人
運転席の智葉は、窓を開けて二人を見る
智葉「すぐに合流するから先走るなよ!」
照「ん……」メソラシ
眼を逸らしたまま、走り出す
智葉「おい宮永!」
京太郎「じ、自分が!」ダッ
智葉「なっ、京太郎まで!?」
二人が去って行くのを見ると、智葉は怪獣の方を見る
すぐに停める場所を探すべく車を走らす
走り出した照へと、すぐさま追い付く京太郎
隣を軽く走りながら、目的地を確認……したいのだが、その前に
京太郎「え、照さんも運動能力上がってますよね?」
照「ん」コクリ
京太郎(遅くないでしょうか……)
照「あれ、機械? ドラゴン?」
京太郎「ドラゴン型機械じゃないっすか?」
照「ドラゴン、か……」
京太郎「玄さんなら助けましたよ」
照「ん、みんな……怪獣メダルに囚われてるんだね」
京太郎「……暗黒の皇帝」ギリッ
立ち止まる二人
動かない―――怪獣
京太郎「……」
??「ギャラクトロンねぇ」
京太郎「ッ……!」
聞きなれない声、そちらを向けば……
京太郎「ジャグラス ジャグラー……」
照「ん? トゲトゲ星人っていうの?」
京太郎 ジャグラー「言ってねぇ!」
ジャグラーが刀を肩にかつぎながら怪獣を見上げる
ギャラクトロン、そう言っていた
知っているのはなぜだろう
京太郎「あんたは、宇宙人……なのか?」
ジャグラー「んなことどーでも良いでしょ、それよりも、強敵だよ?」
京太郎「でしょうね、なら……」
照「ん、ここは私がいく」
京太郎「戦って5時間も経ってないっすよ?」
その言葉に、照は迷わず頷いた
左腕にメビウスブレスが現れると、それをキングゲスラとの戦いの時のように構える
ならばと、京太郎は頷いて下がった
京太郎「やばそうなら行きますから」
照「ん」コクリ
ジャグラー「ハッ、せいぜい頑張れよ……光に選ばれた戦士、宮永照」
京太郎はジャグラーと共に照から離れる
右手をメビウスブレスのボール部分にそえた
照「……メビウス!」
現れるウルトラマン―――メビウス
キングゲスラの時と同じく、ギャラクトロンの前に立ち拳を構える
だがギャラクトロンがなにかをする様子がなく、首をかしげて戸惑い気味に構えを解いた
地上で、京太郎はジャグラーと共にそれを見る
京太郎「攻撃してこない、というよりさっきから止まってるけど……まさか故障?」
ジャグラー「違うな、たぶん待ってたんでしょ」
京太郎「待ってた、なにを?」
ジャグラー「ウルトラマン」
その瞬間、ギャラクトロンの瞳が輝きぎこちなく動き出す
ギャラクトロン「!」
突如、駆けだしたギャラクトロンがメビウスに拳を振るう
即座にそれを受け止めるメビウス
京太郎は驚愕しながらギャラクトロンの方を見る
京太郎「なんだアイツ!」
ジャグラー「元々は平和を守るために作られたんだとよ」
京太郎「へ?」
ジャグラー「結果いらないのは……知的生命体だとか思っちゃうような兵器」
京太郎「作った奴も問題だなそれ」
ジャグラー「やっぱ京太郎もそう思う?」
京太郎「思うよ」
ジャグラー「だってよ、どう思う?」
京太郎「この感覚っ」キュピンッ
ジャグラーが見た方向に視線を動かす
そこには―――
京太郎「宇夫方さん……」
葵「嫌なのに会っちゃったらしいね」
ジャグラー「初対面なのに」
葵「一応、ね」
ジャグラス ジャグラー
宇夫方葵
妙な感覚に、顔をしかめる京太郎
その二人に対してとはまた違う……
京太郎「なんだ、この感覚……」
別段、宇夫方葵となにがどうあったと言う話ではない
ともなれば原因は明確だ……
京太郎「メダル。オレのレイブラッド、いやベリアルさんメダル。それともオレの中のデビルスプリンター?」
ジャグラー「どれもだよ。メダルとデビルスプリンター、ベリアルの要素が濃いから感じるんじゃない?」
京太郎「なにを?」
ジャグラー「宇夫方葵のダークザギと」
京太郎「ダークザギ?」
葵「さてね、私もいまいちわかってないけど……」
ジャグラー「まぁ似た者同士ってことで、あたしとも……それにギャラクトロンとも?」
顔をしかめる葵は本能というか、メダルの性質故なのか……
葵「……たく、なんでこんなとこきちゃったかなぁ」
ジャグラー「無意識に復活を求めてるせいでしょ」
葵「んなこと」
ジャグラー「まぁ吉野で助けてくれた礼はあるけど」
京太郎「え、吉野で?」
葵「余計なこと言うな……」チッ
京太郎「……もしかしてゾーリム?」
ジャグラー「そ、ツンデレだから……ツンデレ破壊神?」
葵「やめて……てかあんたもそろそろまともに」
ジャグラー「もーちょっと遊ばせてよ」
京太郎「さっきからオレそっちのけで話して……てか」
三人が同時に視線を動かす
メビウスが、ギャラクトロンにより吹き飛ばされた
凄まじいパワーの機械竜
京太郎「やるか……?」
ジャグラー「ま、そろそろだろうなぁ」
京太郎「?」
短いけどここまでー
明日もやりたい所存ー
せめてちゃんと一話終わらせたいなぁ
そんじゃまたー
また遅くなってしまったー
やってくけどもー
ギャラクトロンは左腕の大型ブレードを展開し、メビウスに振るう
それをすんでのところで回避するメビウス
だが、その背後のビルが真っ二つに斬り裂かれる
メビウス「!」
ギャラクトロン「争いを、止め……リセット……我が、正義……」
壊れたラジオの如く、途切れ途切れに言葉を発するギャラクトロン
メビウスは左腕に光を集めるが、ギャラクトロンの後頭部から伸びた鉤爪ギャラクトロンシャフトがその首を掴む
右腕でギャラクトロンシャフトを掴むもその強靭なパワーにメビウスは追いつめられていく
メビウス「ッ……テヤァ!」
だが、左腕から伸びた光がようやく光剣を生成した
メビウス「タアッ!」
その左腕の光剣、メビュームブレードにてギャラクトロンシャフトを弾く
拘束から抜け出したメビウスが素早くブレードを振るうも、ギャラクトロンは左腕のブレードでそれを凌いだ
メビウス「ハアッ!」
そのまま素早く蹴りを放つと、それを受けたギャラクトロンが後ろに後ずさった
綺麗に着地をしたメビウスが素早くメビュームブレードを構える
メビウスとギャラクトロンが戦う姿が見える離れた場所
ビルの屋上に立つ二人の少女、一人は宮永咲、そしてもう一人は―――
咲「そちらも動いてたんだ」
なにを言うでもなく、長い金髪を風になびかせる少女
その紅の瞳が、咲の方へと向けられた
左手になにかアイテムを持ち、右手には―――
咲「スパークドールズ、ね」
?「終わりだよ」
怪獣の人形、スパークドールズの足底部分に手に持ったアイテムの先端をつける
メビウスが、ギャラクトロンの鉤爪のついた右腕を斬り落とす
飛ばされた右腕が吹き飛び、地に落ちる
さらに腕を返してメビュームブレードを振るうが、ギャラクトロンは眼から光線を放つ
メビウス「!?」
直撃と共に、吹き飛びビルを破壊しながら倒れる
痛みに耐えながらも立ち上がるメビウス
素早く構えを取るも、そんなメビウスの背後に新たな―――敵
メビウス「!?」
気配に振り向くとそこには新たな機械怪獣
少し離れた場所からその光景を見た京太郎が、顔をしかめた
ギャラクトロンという強敵で苦戦しているというのに“さらに二体”の機械怪獣
顔をしかめた京太郎がゼットライザーを取り出す
ジャグラー「えっとあれはぁ……ぐ、グローカーボーンだってさ」
京太郎「グローカーボーン、ね……」
葵「メダルの記憶あると強いね」
ジャグラー「頭おかしくなりそうだけど」
笑うジャグラス ジャグラーが、刀で自らの肩をポンポンと叩く
ジャグラー「スペースリセッターとシビルジャッジメンター、ね」ハッ
葵「なんか、嫌な感覚だ……敵が、どこかに?」キョロキョロ
京太郎「敵がいるならあぶりだす、なにはともあれやることは!」
ゼットライザーのトリガーを引く
正面に現れたゲートに、飛び込む京太郎
ゲートが閉じると、そこに残されるのは宇夫方葵と―――赤土晴絵
晴絵「なんか嫌ぁな立ち回り方だなぁ……結局あたしらの敵ってなんだろね」
葵「知らないよ。ただ私は……」
自らを苛む破壊衝動に、顔をしかめる
葵「……帰る」
晴絵「どこに?」
葵「……」
なにも言わずに歩き出す葵
溜息をつきつつ、晴絵はそのあとを追って歩き出す
―――【インナースペース】
京太郎が、左手にゼットライザー、右手にカードを持つ
素早くアクセスカードを挿入
『 kyotaro Access Granted. 』
京太郎「機械が相手なら―――こいつで決める!」
手に持ったのは三つのメダル
ベリアルメダルを弾くと、周囲に闇が広がって行く
ふぅ、と深く息をつき眼を開く
京太郎「宇宙怪獣、異次元超人―――」
エレキングとエースキラーのメダルを挿入
そして落ちてきたベリアルメダルを取ると―――
京太郎「ベリアルさん!」
さらにそれを差し込んでブレードを可動させる
『 Eleking. Ace-Killer. Belial. 』
赤い双眸が輝く
京太郎「これでオーラスだ!」
ゼットライザーを真上へと掲げ、トリガーを引く
『 Thunder Killer. 』
メビウスに向かい、二体のグローカーボーンが両腕の砲門から光弾を放つ
だがそれがメビウスに直撃するよりも早く、現れた闇よりの使者がそれを凌ぐ
メビウス「!?」
ベリアル融合獣サンダーキラーが、光弾を凌いだ大きな左腕を降ろす
サンダーキラー「―――!」
咆哮するサンダーキラーの体から迸る電撃
それがギャラクトロンと二体のグローカーボーンを攻撃
大きなダメージでもないが、無視できるものでもないのかギャラクトロンが後ろに下がる
京太郎『やるぞ照さん!』
照『うん、京ちゃん……!』
サンダーキラーとメビウスが、同時に構えをとった
終わらんかったけどここまでー
次回こそ、次回こそはぁ……
たぶんまた明日やるっすー
そんじゃまたー!
おっしやってくよー
金髪キャラはまぁそのうち、たぶんすぐ出る
円谷も色々きて楽しみやなー
スパロボのDLCのウルトラマンも!
サンダーキラーがグローカーボーンに、メビウスがギャラクトロンへと走り出す
共に戦う二体が、背を向けて敵に向かい走る
ギャラクトロンへと走るウルトラマンメビウスが、素早くその胴体に蹴りを打ち込む
メビウス「タァッ!」
炎を纏ったその蹴りを受けて怯むギャラクトロンを、さらにメビウスは左腕のブレードを振るう
その一閃がギャラクトロンの胴体を傷つけ、火花を散らす
一方のサンダーキラーはアスファルトを砕き、土を巻き上げて走る
グローカーボーン二体が放つ光弾を体から放つ電撃で相殺し、接近
今更その程度の敵が二体で、怯む京太郎でもない
京太郎『弾けろォ!』
巨大な左腕でグローカーボーンの頭部を掴むと、そのまま稲妻を放つ
黒い煙をあげるグローカーボーン
そして頭部を掴んだその左腕を振るって、もう一体のグローカーボーンへとぶつける
サンダーキラー「―――!」
禍々しい咆哮を上げながら、さらにサンダーキラーは口部からカッターのような光線を放つ
その一撃で、倒れているグローカーボーン一体の片腕が吹き飛んだ
さらにもう一撃をくわえようとするが、倒れたまま両腕が健在なグローカーボーンが光弾を放つ
京太郎『ッ!』
素早く背後へと下がり回避するも、サンダーキラーは稲妻を放つ
二体のグローカーボーンがさらに怯む
弱くは無いが、やはり二体は厄介
京太郎『ッ!』
メビウスが、メビュームブレードを振るう
ギャラクトロンはその一撃を自身のブレードを受け止めた
鉤爪のついた右腕を振るおうとするギャラクトロンの、それをメビウスは凌ぐ術をもたない
照『まずい……!』
京太郎『まずくねぇ!』
その腕を凌いで、弾き返すのはサンダーキラー
ギャラクトロンとサンダーキラーが向かい合う
素早く鉤爪のついた左腕を引くサンダーキラー
照『京ちゃん!』
京太郎『一緒にやらせていただく!』
サンダーキラーの左拳と、メビウスの右足が同時に突き出される
その打撃を打ち込まれ、後ろへと下がるギャラクトロン
メビウスとサンダーキラーのがら空きの背中に、グローカーボーン二体が同時に光弾を放つ
片腕がないグローカーボーンがいるので計三発の光弾
京太郎『照さん!』
照『わかってるよ、京ちゃんッ!』
振り返ると同時に、メビウスがブレードを振るって三発の光弾を斬り裂く
サンダーキラーの背を向けて立つメビウス
再び、二人が同時に動き出す
ギャラクトロンへと、左腕を振るう
その左腕の攻撃を尾を使って凌ぐサンダーキラーはさらに素早く、口部からの光線を放つ
ギャラクトロンは目から光線を放ち相殺
京太郎『こいつはやるッ!!』
さらに、サンダーキラーは尾から電撃を放つ
相性故なのか、ギャラクトロンが明らかなダメージを受けている
サンダーキラーが左腕を振るいさらにギャラクトロンにダメージを与えた
京太郎『かってぇなぁ!』
電撃でのダメージを与え続けつつ、ギャラクトロンに攻撃をくわえていく
劣勢ではないものの、優勢とも言いづらい
その装甲を貫く一撃をくわえなくてはならない、故に……
京太郎『だったらァ!』
左腕を振るい、さらに斬撃を与える
ギャラクトロン「―――!」
独特の機械音と共に、その後ろ髪のようなパーツの先端についたクローがサンダーキラーの右腕を掴む
だが、サンダーキラーは電撃を与えるのを忘れない
万力のように締め上げられる右腕
京太郎『照さんと一緒に戦えるなんてなぁ、当時は想像もしてなかったよなァ!』
サンダーキラーが咆哮、そして左腕でギャラクトロンの右腕を掴む
そして、足をギャラクトロンの胴体にかける
京太郎『この、ポンコツがァァ!』
勢いよく力を込めると、ギャラクトロンの右腕を引きちぎり、放った
宙を舞うブレードのついた右腕が、地に突き刺さった
サンダーキラー「―――!!」
―――咆哮
メビウスが、左腕を振るう
その一撃がグローカーボーンの片腕を落とす
両腕がなくなったグローカーボーンと両腕が残ったグローカーボーン
照『京ちゃんと一緒に戦える、こんな機会を……』
両腕が残ったグローカーボーンが光弾を放つも、メビウスはその体を燃やす
その炎が、放たれた光弾を燃やし尽くす
照『邪魔、するな……!』
こんな戦いを共にしたかったわけではない、だがそれでも……
メビウスの姿が、変わる
照『バーニングブレイブ!』
“本来のメビウスバーニングブレイブ”の過程を通っていない変身
だが、志を持ってはいるはずだ
仲間たちとの絆、此度の“燃える勇者”は確かにそれを知っている
照『バーニングメビュームダイナマイト!』
走り出したメビウスがグローカーへと取りつくと、そのまま―――爆散
二体のグローカーボーンはメビウスごと木端微塵
メビウスは赤い粒子が集まり炎と共に不死鳥よろしく復活、その姿はメビウスバーニングブレイブ
だが、その消耗は激しいのかカラータイマーが激しく点滅する
照『ッ京ちゃん……』
サンダーキラーが、さらに襲い掛かるギャラクトロンシャフトを口部の光刃で斬り裂く
さらに地上に落ちるギャラクトロンシャフト、残った鉤爪のついた右腕を振ろうとするもサンダーキラーの尾がその右腕を拘束
電撃を浴びせながら、左腕でギャラクトロンの頭部を掴んだ
京太郎『サンダァデスチャァァジィッ!』
その腕から放たれた電撃がギャラクトロンの頭部を爆散させ、吹き飛ばす
京太郎『潰れろォォ!!』
そして―――爆散する
短いけどここまでー
明日またやるけどもー
そんじゃまたー!
やってくー
てかギャラクトロンの右腕斬られたのに京ちゃん引きちぎっちゃった
なんか再生しとる……
爆煙を払い、現れるのはサンダーキラー
メビウスの方を見れば、お互いに頷き合う
宮永照は限界なのか空に飛び立つでもなく、光の粒子となって消えた
京太郎『俺も……ッ!』キュピンッ
妙な感覚がして、そちらを見る
遠く離れたビルの上に……金色の髪をなびかせる少女がいた
青い瞳が、サンダーキラーを、京太郎を貫く……
京太郎『大星、淡……!』
淡?「ベリアル……」
遠くにいる少女の呟き、だがはっきりと聞こえた気がした
確かに聞いたことがある大星淡の声だった
淡?「……」
大星淡が右手に先ほどと同じくアイテムを持っている
そして左手に……スパークドールズと呼ばれる人形
淡「……ギャラクトロンMKⅡ(マークツー)」
右手のアイテムをスパークドールズの足につける
そして、黒い輝きと共に現れる―――
闇と共に、現れるのはギャラクトロンMK2
先ほどのギャラクトロンとは違い、両手の武装は消えておりギャラクトロンシャフトすらもない
だがその手は人のようで、後頭部には巨大な斧が装備されていた
京太郎『次から次にと……!』
メビウスが消えた場所を見れば、照がいる
片膝をついて、辛そうにしている様子だ。そんな彼女を出させるわけにもいかない
咆哮するサンダーキラー
京太郎『オレが、スクラップにしてやるよ、ガラクタァ!』
ギャラクトロンMK2の後頭部の斧が射出され、それは手持ち武器になる
大斧を握ったギャラクトロンMK2が走り出す
遠くビルの上で、大星淡の口元が綻ぶ
その青い瞳が赤く輝いた
淡「今はまだ、だが……いずれすべてをスパークドールズへと変える」
右手に持った“ダークスパーク”を強く握る
淡「すべての生命体の時を、止める……」
ギャラクトロンMK2が斧を振るう
それを受け止めるサンダーキラーだが、電撃を流すよりも早くパワー負けする
力任せに吹き飛ばされ、サンダーキラーが背中からビルに倒れ込む
京太郎『グアアァッ!』
激痛に顔をしかめつつも、迫るギャラクトロンMK2から距離を取ろうと離れる
素早く尾を伸ばして電撃攻撃をしようとするも、ギャラクトロンMK2が斧を振るう。その一撃が、サンダーキラーの尾を切断した
例えようのない痛みに顔をしかめる京太郎
ギャラクトロンは『ラー』と歌うような音を発しながらサンダーキラーに接近していく
ギャラクトロンMK2「―――」
京太郎『ッ―――ならなぁ!』
遠距離から、電撃と共に口からカッター光線を放つ
だが、ギャラクトロンMk2の両肩と両膝が輝くとバリアを作り出す
京太郎『相性的には、接近戦……なら!』
―――【インナースペース】
赤く輝く京太郎の瞳
そして目の前に浮くのは三枚のメダル
勢いよく、その三枚のメダルを掴む
京太郎「面子は揃ったァ!」
やばねむなのでここまでー
明日もやるつもりー
戦闘終わらせて日常回とかもやりたいとこー
次は新フォーム、フォームって言うのかな
そんじゃまたー
やってく所存ー
握りしめた三枚のメダルの中の一枚。ベリアルメダルを弾くと、周囲に闇が広がって行く
赤い瞳が爛々と輝く
京太郎「奇機械改竜、宇宙ロボット―――」
今しがた手に入れたギャラクトロンメダルと、トシから預かったキングジョーメダルを挿入
そして落ちてきたベリアルメダルを取ると―――
京太郎「ベリアルさん!」
さらにそれを差し込んでブレードを可動させる
『Gyarakutoron. King-Joe. Belial. 』
音声が鳴り響き、紫電が周囲に迸る
京太郎「これでオーラスだ!」
ゼットライザーを真上へと掲げ、トリガーを引く
『 Kingu Gyarakutoron.』
京太郎「ベェリアァル!」
暗い光と共に現れる巨大な怪獣
先ほど戦った怪獣、ギャラクトロンと似た姿のベリアル融合獣
ギャラクトロンがキングジョーの装備を纏ったような、姿だがやはりその端々にはベリアルの面影
京太郎『この力ならァ!』
咆哮をあげるキングギャラクトロン
左腕には鉤爪、右腕にはペダニウムハードランチャー
京太郎が戦ったキングジョーは装備していなかったカスタムパーツの一つ
京太郎『MK2だかなんだか知らないがぁ!』
キングギャラクトロンがギャラクトロンMK2へと接近していく
ギャラクトロンMK2が胸部からビームを放つものの、キングギャラクトロンは右腕のペダニウムハードランチャーからビームを放った
二つの光線がぶつかり合うものの、ぶつかりあいにすらならず、ペダニウムハードランチャーはギャラクトロンMK2の光線を消し去りそのまま直撃
吹きとび、倒れるギャラクトロンMK2
京太郎『なんて火力だよ!』
一歩一歩、倒れているギャラクトロンMK2に接近していくキングギャラクトロン
起き上がることもなく、キングギャラクトロンが目からレーザーを放つ
そのレーザーもやはりキングギャラクトロンの方が火力が高く、その頭部を損傷させる
京太郎『オォォォッ!』
立ち上がったギャラクトロンMK2が斧を振るうも、左腕の爪でそれを弾く
ギャラクトロンMK2が弾かれた腕でもう一度、斧を振るうより速くキングギャラクトロンは左腕に虹色の魔法陣を纏いて突き出す
それが魔法陣を通して高速で突き放たれる。何度も何度も連続で……
京太郎『ペダニウムパンチング!』
連続して突きだされる左腕
その連打を受けて体を浮かすギャラクトロンMK2が、さらなる一撃で上空へと吹き飛ぶ
真上へと打ち上げられたギャラクトロンMK2に、キングギャラクトロンは右腕を向けた
京太郎『こいつでラストシューティングだ!』
右腕のランチャーの銃口に、エネルギーが集まる
先ほどまでと比べ物にならないほどのエネルギー
バーニングベムストラのペイルサイクロンとはまた違った高火力ビーム砲
京太郎『ペダニウムハードランチャーァ!』
放たれた一撃が上空のギャラクトロンMK2を貫き―――粉々に爆散させる
地上に立つキングギャラクトロンは、咆哮と共に暗い闇と消えていく
地上、黒い粒子共にそこに現れる京太郎
静かに息をついて体の状態を確認して頷く
やるべきことはやれたし、彼女たちの心配する怪我もない
京太郎「あとは、照さんか……」
そう呟くと、ポリポリと音が聞こえて視線を下げる
そこには……
京太郎「照さん、なにお菓子くってんっすか」
照「ん、栄養補給……疲れちゃったから」
京太郎「そっすか」
苦笑を浮かべながら頷くと、歩き出す
京太郎「帰りますか……今回は怒られないと良いっすけど」
照「大丈夫だよ、たぶん」
京太郎「たぶんが怖ぇなぁ……」
第25話【銀河よりの正義】 END
―――次回予告
京太郎:愛ですか?
明華:愛のようですね
智葉:なぜそこで愛!
ハオ:絡みありましたっけ?
メグ:またラーメンの話ですか?
ネリー:一回もしてないよ
照:京ちゃんお菓子
京太郎:俺はお菓子じゃない
テンペラー星人:人の話を聞けぇ!
次回【須賀京太郎、抹殺指令】
京太郎:社会的に殺される!
また短いけどここまでー
マジでゆっくりじっくり書ける日そろそろ欲しいとこ
とりあえず箸休め回のようなそうでもないような
一応本筋は進んだりしたり
そんじゃまたー
やってくよー
ウルトラも色々と新情報尽きなくてすげーわ
スパロボ30のDLえかった
―――数ヶ月前【東京・雀荘】
雀荘で、宮永照が前のめりに雀卓に倒れ込む
雀牌が散らばるが、起き上がろうとするもその体に力を込めることもできない
照「っ……」
呼吸はか細く、対面の“敵”を向いたその状態で視線を動かす
同じ卓を囲んでいた右の“多治比真佑子”はすでに意識はないようだった
左にいる“弘世菫”も同じく、のようだ
照「さ、き……」
咲「……」
赤い瞳を輝かせ、対面にいるのは“敵”こと宮永咲だった
麻雀をすることになった。ただそれだけだ
照「な、に、これ……」
咲「さすがにこの力じゃ無理か」
そう言いながら、手に持ったメダル二枚を投げる
メダルは数秒間宙に浮かんだその後、勢いよく二人の体に入り込む
照「っ……」
咲「姉、宮永照……幹部クラスになるだけのポテンシャルはあるな」
照「咲を、返せ……わた、しの、妹、を……ッ」
咲「……」
何を応えるでもなく、宮永咲はメダルを取り出し投げる
照「ッ」
だがその瞬間、どこからか飛んできた一枚のメダルが投げられたメダルを弾く
咲「なに!?」
照「ひ、かり……?」
投げられたメダルを弾いた、輝くメダル
その明るい光、暖かく、希望の満ちるそのメダル
描かれた赤と銀の……
照「うるとら、まん……」
咲「メビウス……!」
そのメダルから溢れる光が、照を包み込んだ
―――現在【特異課東京基地】
勢いよく起き上がる照
暗い部屋、ベッドの上で荒く呼吸をしつつ周囲を見渡す
状況は理解している
照「……」
少しばかり力を込めて出現させたメビウスブレスを見やった
照「咲、必ず……」
だがそのオーラと本能的なもので感じた
あれは今までの敵の比では無い
麻雀とリアルとで戦ってきはしたが、レベルが違う
照「メビウス、力を貸して……私に」グッ
メビウスブレスに手をそえて、立ち上がる
窓に近寄りカーテンを開く
空に浮かぶ月を見上げた
照「……やるべきことは、わかってるよ」グッ
強い眼差しで、月を見上げる
―――朝【特異課東京基地:休憩所】
椅子に座った京太郎は、一口飲んだコーヒーのカップをそっとテーブルに置く
息をついて周囲を見るが、人はまばら
早朝ということもあるだろう……
京太郎「……」
スタッフたちが周囲で食事をしたり休憩をしたり
京太郎(俺だけが暇か……)
有事の際にはもっとも前線で戦うことにはなるのだが、知らぬ者は知らぬ話だ
京太郎「……」
???「あれ、こんな早く珍しい」
京太郎「ん、ネリー……と、カネゴン」
少女が一人と、怪獣が一体
京太郎「俺はちょっと夢見が悪くてな、そっちこそ早いな」
ネリー・カネゴン「早起きは三文の徳!」
京太郎「ちょっと意味が違う気もするけどな」
そう言いながら、コーヒーを啜る
京太郎(東京、これまでの傾向なら……テンペラー星人か?)
ネリー「ちゃんと考えてそうな顔してるね」
カネゴン「ねー」
京太郎「ちゃんと考えてんの!」
短いけどここまでー
明日はもーちょっとやりたいとこ
そんじゃまたー
◆安価!
1、阿知賀(キャラ名を指定で)
2、臨海(キャラ名を指定で)
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、清水谷竜華
8、江口セーラ
9、愛宕洋榎
10、臼沢塞
11、小瀬川白望
12、鹿倉胡桃
13、姉帯豊音
◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用
やってくでー
年末はやだなー
そういえばウルトラマンに刀って新鮮ね
6、竹井久
2、臨海(辻垣内智葉)
ネリー、カネゴンが去り、京太郎は再び一人
静かにコーヒーを啜りつつ手にあるメダルに視線を向けている
京太郎(ベリアルさん……)
皇帝ベリアル、そのメダル
漆黒の―――陛下のメダル
京太郎(まぁ、今やることは咲の中の奴……そいつを炙り出すことか)
瞬間、手首の端末が音を鳴らす
小首をかしげてモニターを開くと、そこには竹井久の表示
意外なところだと思いつつも、そろそろ自分から連絡するつもりでもあったので丁度良いと頷く
ピッ
京太郎「はいはい」
久『ん、須賀君……久しぶりね』クスッ
京太郎「そうっすか?」フッ
久『まぁ色々と濃い日々だからね。無茶してることも知ってるのよ?』
京太郎「え~っと、あはは」ポリポリ
画面内の久は困ったように笑う
久が聞いていたようなおかしな部分は見えない
だが、感覚的ななにかではやはり……違和感を感じた
京太郎「なんか、ありました?」
久『ん?』
京太郎『いや、一応……』
久『なにもないわよ。良いことならいくつか』
その言葉に、小首をかしげた
端末の向こうから聞こえる声に聞き覚えのあるものが混じっている
京太郎「まこ先輩?」
久『そういうこと……ウルトラマン様様ね』
そう言いつつ苦笑する久
京太郎「嫌だったんですか?」
久『ん、いいえ……ただ、なんでかなって』
京太郎「この状況が、っすか?」
久『ううん』
首を横に振るう久
久『須賀君は、ずっと私たちと一緒にいると思ってた』
京太郎「一緒ですよ。そのつもりですけど」
久『一人で戦ってる。今は……私たちの手の届かないところに行っちゃった気がする』
京太郎「一緒っすよ」
久『え?』
京太郎「いや、なんでも……」
なんだか、妙な気分だった
自分が感じていた疎外感、それとはまた別のなにかがあるのだろう
みんなが先に行っていたと感じていた。だが今は違う……自分は並んで戦っていると思っていた
京太郎「部長」
久『ん?』
京太郎「伝えたいことがあるんっすよ」
久『なに?』
京太郎「大事なことなので、ちゃんと会ってからで」
その言葉に、久が―――ソワソワとしだした
頬を紅潮させて眼を泳がせている
久『う、うんっ……』コクリ
京太郎「それじゃあ、また」フッ
久『うん、怪我しないでとは言わないけど……大事なく、帰ってきてね』
京太郎「はい、必ず……」
久との通話を終えてから、京太郎は朝食を終えて街へとくりだそうとする
雀荘いくつかに目星をつけて、そこへと行くつもりだ
麻雀を打ちたい気持ちもある
京太郎「フリーで適当に入って確かめないとなぁ」
今のご時世、雀荘はそこそこ多いし需要もある
故に、当たりが探しにくい
感じるものも近くにいかなければ意味がないしベリアルがいない今、それなりに接近する必要もある
京太郎「……ま、いいか」
とりあえず出ようと廊下を歩いていると、後ろから腕を掴まれる
振り向けばそこには―――
京太郎「智葉さん……」
智葉「また一人で、この前だって宮永と二人で怪我して帰ってくるし」
ギャラクトロンMk2との戦いのことだろう
なんとか、この場を納めようととりあえず口にするのは……
京太郎「あ~一緒に行きます?」
智葉「当然」ジト
京太郎「あ~あはは……」
腕をグイッと惹かれる
智葉「とりあえず作戦室、新情報があるかもしれないしな」
京太郎「うっす」コクリ
―――【特異課東京基地:作戦室】
中にいたのは琉音、明華、ハオ、メグの四人
そこに入ってくるのは京太郎
京太郎「おはざ~す」
智葉に腕を掴まれたまま、否。智葉に腕を組まれたまま入る京太郎
京太郎の中ではただ単純な“拘束”ではあるのだが……
琉音「なんでいちゃつきながら入って来てんだよ」
智葉「いちゃっ!?」カァッ
京太郎「そのつもりないんっすけどね」
そう言いながら、面々を確認する
琉音「ラブじゃねぇかよ」
智葉「ち、違いますっ」バッ
智葉が離れると、京太郎は首を押さえながら歩いてキーボードを叩く
モニターに表示される雀士が行方不明になった場所や、メダル持ち雀士がいた場所
顔をしかめつつめぼしい場所を確認していく
琉音「いいよなぁそういうの」
京太郎「なに言ってんすか、人目もはばからずイチャイチャするくせに」
琉音「し、してねぇよ」
京太郎(してるだろ)
智葉(してる)
明華(してます)
ハオ(してますね)
メグ(ラーメン)
四人からの視線を感じて、バツが悪そうな表情を浮かべて立ち上がる琉音
出口の方へと歩いていく
琉音「そんじゃあたしはこれで」
ウィーン
栞「あ、琉音さん!」
入ってきた栞が琉音の腕に抱き着く
ハオ「ラブですね」
京太郎「愛ですか?」
明華「愛のようですね」
琉音「ちが! おいなんか言え!」
栞「愛なんですか?」
琉音「おい!」
智葉「なぜそこで愛!」
それから数十分後
作戦室にいるのは明華、ハオ、メグ、ネリーの四人
琉音と栞も、京太郎と智葉も出ている
ネリー「ん~あ、GPS確認できるってことは、京太郎たちどこいったかわかるやつだ」
ハオ「やめてくださいよ、変なとこ行ってたら逆に恐いんで」
明華「変なとこ!?」
ハオ「反応しないでください」
そう言いながら、なにかPCのキーボードを叩くハオ
ハオ「プライベートもなにも……ってこれ臨時しか使えないじゃないですか」
ネリー「え、なに見ようとしてんの」ジトー
ハオ「な、一応昨日の確認のためですよ!?」
メグ「まぁまぁ」ズルルー
ラーメンをすすりながら自分の前にあるPCのモニターを確認するメグ
そうしていると、扉が開く
アレクサンドラかと思いきや、そこにいたのは……
メグ「ん、宮永サン」
照「ん、おはよ」
ネリー「昼前だよ?」
照「ん……京ちゃんは?」
明華「智葉ちゃんと出かけましたよ」
照「ッ! ……出遅れた」ムゥ
ネリー「京太郎のなにがそんなに良いんだろ」
明華「まぁ、顔は良いですよね。性格も……まぁ、ちょっと視線が胸にいきがちですけど」クスッ
ネリー「……」
照「……」
明華「……え、なんですか?」
照「脈あり?」
明華「なっ!? ち、違いますよ!」
わたわたと焦ったように弁明する
しかし、それが余計によろしくないのだろう
ネリー「まぁジュース奢ってくれるから良い奴だけど」
明華「チョロすぎないですか?」
ハオ「確かに」
そんな言葉に、今度はネリーがハッとする
ネリー「ジュース奢ってくれる人以上でも以下でもないよ!」
照「かわいそうな京ちゃん」
ネリー「しまった! 言いすぎた!」
泥沼である
そんな会話を聞きながらメグはラーメンをすすりながらモニターを見ていた
すると、少し驚いたような表情を浮かべて画面から目を離す
メグ「意外な人物見つけましたよ」
照「……」
そう言うと、モニターに表示されるメグが見つけた画像
どこかの監視カメラ。そこにうつる人物は……
照「ん、いく」
明華「……心配ですし私も」
照「ん」
ネリー「咲と一緒で方向音痴なんだっけ?」
照「おばあちゃんが言っていた。私が世界の中心だと」
ネリー「絶対嘘でしょ」
明華「とりあえず行きましょう照ちゃん」
照「ん」コクリ
二人が出ていく
ハオ「あの二人、絡みありましたっけ?」
メグ「またラーメンの話ですか?」
ネリー「一回もしてないよ」
―――【渋谷】
駅から出て、静かに息をつく京太郎
見渡す限りの人、人、人だ
隣には辻垣内智葉、長い髪をなびかせながらそこに立つ
京太郎「人酔いしそう」
智葉「大丈夫か?」
京太郎「まぁ……さてとりあえず」
近場の雀荘をチェックする
京太郎「適当に行きますか」
智葉「せっかくだし打って行こうか」フッ
京太郎「ですね、勝ってりゃ向こうから来る可能性もあるし」
テンペラー星人、釣るべき相手はそれだ
京太郎「いきますかぁ」
智葉「手でも握ってやろうか?」
京太郎「遠慮しておきますよ。好きになっちゃうんで」ハッ
智葉「そ、それはそれで悪くは……」ボソボソ
京太郎「行きますよー」
智葉「ん……あ、ああ」コクリ
今回はここまでー
また明日やりたいとこー
そろそろ戦闘あるようなないような
そんじゃまたー
今日は無理やー
明日やることとしまするーぅ
いま帰った! ちくせう……
明後日には今度こそやりてぇなぁ……
明けましておめでとうございますー
連絡なしでしばらくお休みしてしまってたー
忙しくてどうにもこうにも……って言いつつちょっとやってくー
第26話【須賀京太郎、抹殺指令】
―――【???】
真っ暗な空間、そこにテンペラー星人がいた
そしてその向かいには椅子に座す“宮永咲”、その隣には原村和
さらに、金色の髪をなびかせる少女“大星淡”がいる
和「ギャラクトロン二体も、グローカーも役には立たなかった」
テンペラー星人「ええい、また須賀京太郎か!」
咲「騒がしい……」
その一言で、テンペラー星人が黙る
咲「……メビウスもだ」
テンペラー星人「メビウス、そういえば聞いたことがある。我が同胞や貴様をやった」
咲「……次は、どうする?」
テンペラー星人「しっかり手は打っている」
淡「……」
肩を震わせながら笑うテンペラー星人が、両手を大げさに広げる
テンペラー星人「暗殺を行う!」
咲「へぇ……」
テンペラー星人「フフフ、そしてベリアル因子を手に入れさえすれば……フフフフ」
和(ダメそうですね)
テンペラー星人「頼んだぞ、我が刺客よ」
―――【渋谷】
雀荘から出てくる京太郎と智葉
体を伸ばして腕を回すと、京太郎は息をついて後ろの智葉を見た
京太郎「さすがっす」フッ
智葉「なにを言ってる。大したものだあそこまでやれるとは」
京太郎「まぁ修羅場くぐってますから」
勝たなければいけないのだ
経験は確かにものになっている
京太郎「さて、次の雀荘に向かいますか」
智葉「ああ」フッ
京太郎「まさかあの辻垣内智葉と麻雀やる日がくるとはなぁって思っちゃいますね」
智葉「私も半年前は清澄の男子と麻雀をすることになると思ってなかった……それに、その、色々とはじめてが、おおいし、な」カァッ
京太郎「?」
智葉「き、気にしなくて良い……いくぞっ」フイッ
京太郎「うっす」コクリ
先を行く智葉を追って、歩き出す京太郎
そして、そんな二人を遠くビルの屋上から見る影
長い髪をなびかせる少女は―――弘世菫
菫「……」フッ
口元に浮かぶは、笑み
菫「バ~ロバロバロバロ! 須賀京太郎! 抹殺してやるでバロッサぁ!」
―――【渋谷駅:構内】
1人、赤い髪をなびかせ立つのは―――宮永照
照「……」
共に来たはずの雀明華はどこにもいない
照「……どこ、ここ?」
―――【渋谷:街中】
再び、一件の雀荘から出てくる男女
嬉しそうに笑う京太郎と、そんな彼を微笑ましそうに見る智葉
京太郎「いやぁ、智葉さんに勝てるとは……」
智葉「役満をツモるとは予想外だったな」フム
京太郎「今日、ツイてるかも」
智葉「それは結構」フッ
一方、ビル屋上
弘世菫がライフルを片手にスコープから須賀京太郎を見る
トリガーにかけた指に、そっと力を込めた
菫「その綺麗な顔吹っ飛ばしてやるバロ!」
そして、引き金が引かれ銃弾が放たれる
そんなことに気づかず意気揚々と歩く京太郎
だが足元に、突如転がってくる空き缶
見事にその空き缶に足を乗せて、バランスを崩す
京太郎「どわっ!?」
智葉「京太郎!?」
体勢を崩す京太郎と、支えようとする智葉
そして人知れず放たれた弾丸は京太郎の頭のあった部分を通り過ぎる
受け止めた智葉と、なんとか体勢を整える京太郎
ビル屋上の菫が地団駄を踏む
菫「バロバロォ!? なんでどうして!?」
弘世菫が再びスコープを覗いている頃
意図せず、抱き合っているような形になる京太郎と智葉の二人
凛々しい智葉の、柔い感触に京太郎は顔を赤らめる
京太郎「あ゛……」
智葉「ッ!」バッ
二人が同時に離れて眼を逸らす
そして知れず二人の間を通り過ぎていく銃弾
京太郎「す、すみません」
智葉「い、いや……へ、平気っ」ウツムキ
京太郎(耳まで真っ赤やないですか)
突如、京太郎の脛が強打される
まるでつま先が突き刺さったかのような……否、しっかりつま先に突かれていた
即座にうずくまる京太郎
京太郎「ぐおぉ、なぜだ照さんっ」
照「京ちゃんが私置いてった」
そして再び、人知れず銃弾が京太郎の頭があった場所を通り過ぎていく
京太郎「え~」
明華「ちょっと宮永さんっ、宮永さん見つけるだけでも大変だったんですからもう単独行動は……あぁ、智葉ちゃんに京太郎君」
京太郎「明華さんも?」
智葉「……むぅ」
ビルの屋上、弘世菫が再び地団駄を踏む
菫「バロバロォ! こうなれば接近戦で手籠めにしてやる!」
ギラギラと瞳を燃え上がらせる菫
そしてそんな彼女の肩に、手がポンと置かれる
菫「?」
振り返れば、警備員が二人
警備員A「君、ここでなにやってんの?」
菫「黙るバル!」ゴッ
警備員A「ぐふぅっ!」
警備員B「めっちゃ綺麗なドロップキック!」
菫「やってやるバルゥ!」ダッ
走り去って行く菫
警備員B「もう冬なのに頭湧いてるJKがいる!」
警備員A「夏でも頭湧いてるJKはいねぇよ!」
公園で四人
白い息を吐きながら、ホットコーヒーを飲む京太郎
他の三人もホットの缶を持っている
京太郎「でも四人だと雀荘行っても四人固まっちゃいません?」
照「それじゃ別れよ。京ちゃんと私、他二名」
明華「他二名って」
智葉「なっ、ずる……じゃなく、さ、最初の組み合わせで問題ないと思うが!!?」
明華「……まさか」
照「……ガイトさん」
智葉「知らない呼び方するな」
京太郎「えーっと」
もうジャンケンとかで良いんじゃないかとも思う
どうするかと頭をひねってみる
そもそもおびきよせたいのは―――
菫「見つけたバロッサァ!」
京太郎「そうそうああいう奴……」
照「菫だ」
京太郎「飛んで火に入った!」
菫「このムサシンソードの錆びにしてやるバル!」
明華「夏の虫ってレベルじゃねーですよ!?」
刀を持って突っ込んでくる弘世菫
だが京太郎たちの前に立つのは、智葉
いつから持っていたのかどこにひそませていたのか、小刀でその刀を受け止め逸らす
智葉「ッ!」バッ
菫「忍者!? シノビの者!?」
京太郎「智葉さん……」
智葉「私の大事な仲間を傷つけさせないっ!
強い瞳で、バロッサ星人を睨む智葉
その後ろ姿を見る京太郎、その裾を引く照
京太郎「?」
照「女子高生忍者ってエッチだね」
京太郎「ちょっと黙っててください」
わからんでもないのだが……
>>368 間違えてないけど間違った
×バロッサ星人
〇菫
しかし、刀と小刀での戦力差は明らかだ
菫の中に入っているのが何メダルかはわからないが、おそらく身体能力も強化されていることだろう
智葉の隣に立つ京太郎
京太郎「俺だってやりますよ。むしろ俺がやる」
そう言いながらガッツハイパーを構えた
智葉「なっ、下がっていろ!」
京太郎「お断りなんっすよね、そういうの」
鋭い瞳を菫へと向ける
照は、その京太郎の背後に黒い何かを感じ取った
彼の力の由来を考えれば、それもそのはずなのだが……
照「ん、私もやる」
京太郎「ウルトラマンが味方とは心強い」
照「……」ジト
京太郎「ははは」
明華は端末で応援を呼んでいるようだった
菫「バルバルゥ……」
京太郎「てかなんだあれ、なんのメダルだ」
照「ん……えっと、バロッサ星人、な気がする」
智葉「知っているのか!?」
照「ぼんやり」
京太郎「バロッサ星人か」
菫「宇宙海賊バロッサ星人様バル!」
京太郎(愉快なタイプの異星人)
菫「こうなれば……!」
真っ直ぐに立つ弘世菫ことバロッサ星人
どんな動きをしてくるかわからないと、面々が構える
だが、次の瞬間―――
菫「撤退バルー!」
京太郎「……」
智葉「……」
照「……」
京太郎「……逃げたァ!」
智葉「お、追うぞ!」
京太郎「了解!」
二人が走り出すと、明華は続いて状況を報告
走り出した二人に合わせて照も走り出すのを視界に入れるのだが……
照「!」ドテッ
明華「負傷者あり! 宮永さんがこけました! 顔面から!」
照「……ぃたぃ」
早いけど今回はここまでー
菫はバロッサ星人メダル、ろくでもない役回りでございやした
まぁいいことある、たぶん
そんじゃまたー
ちょっとやってくー
バロッサ星人こと弘世菫を追う京太郎と智葉の二人
怪獣メダルが入った人間の身体能力というのは異常であり、徐々に距離を離されていく智葉
しかし、須賀京太郎はベリアル因子、所謂デビルスプリンターを濃く持った存在
京太郎「失礼!」
智葉「きゃぁっ!?」
所謂“お姫様抱っこ”で智葉を抱えた京太郎が―――加速する
京太郎「ッ!」
一歩一歩が確実に地を捉えて跳ねるように加速して菫を追っていく
菫「バロッサぁ!!? はえぇっ!!?」
京太郎「逃がすかぁ!」
菫「こうなりゃ逃げないでやってるバル!
振り返った菫が再び“ムサシンソード”を持ち、立ち止まる
砂煙をあげて止まる京太郎が、赤い顔をした智葉を降ろす
智葉「ッ!」
なにかを言いたそうにしているも、我慢して小刀を構えて菫を見やる智葉
京太郎も懐からガッツハイパーを出して構える
止まっている菫に、智葉が走り出す
菫「!」
だがしかし、所詮は人に毛が生えた程度の強さ
バロッサ星人は、振るわれるその刃をムサシンソードで受け流す
京太郎「一人じゃぁないんだよッ!」
ガッツハイパーから放たれるエネルギー弾を、ムサシンソードで弾く
しかしその隙に接近した智葉が蹴りをその腹部にみまう
吹き飛んで転がる菫だが、受け身をとって立ち上がる
智葉「こいつっ!」
京太郎「二人でもうちょい!」
「やらせるものかぁ!」
ハッとして京太郎が後ろに振り返って両腕で“次の衝撃”を受ける
吹き飛ぶも、地に着き転がるよりも早く両足で着地、智葉のすぐ後ろに立つ
そこにいるのは―――
京太郎「テンペラー星人!」
テンペラー星人「抹殺してやる!」
背中合わせの京太郎と智葉
テンペラー星人とバロッサ星人に挟まれて絶体絶命というところだろう
しかし、どうするもこうするもない
京太郎「逃げろって言ったらどうします?」
智葉「どうやって、と聞く」
京太郎「ハッ、違いない……」
鼻で笑うと、静かに深呼吸
智葉も同じように深呼吸、そして―――息を吸う
それと同時に、ほぼ同時に足で地を蹴る
京太郎「!」
地を蹴って跳ぶようにテンペラー星人に接近しつつ、回転し蹴り
それを腕で凌ぐテンペラー星人を、力任せに吹き飛ばす
しかし、後ずさらせるのが関の山
京太郎「力技じゃぁな!」
テンペラー星人「わかっているならば消えろ!」
右腕ハサミから炎を拭きだすが、体勢を低くして接近、その腹部に蹴り
ひるませてから銃弾を数発放つも、左腕のビームウィップでそれらを弾き、ついでに京太郎へも攻撃
地を蹴り跳ねて距離をとりつつそれを回避、さらに追ってくるも壁を蹴ってさらに回避
テンペラー星人「バッタか!」
京太郎「ライダーって柄でもねぇだろ!」
菫に接近した智葉が小刀を振るうも、ムサシンソードがそれを弾く
大きく腕を上げさせられるも、即座に体をひねって体を地に平行にして次の横一線を回避
上手く腕を使ってその腹部に蹴りを入れて吹き飛ばす
菫「バルッ! ただの人間がよくやる!」
そう言いながらも、やはり強化の影響かすぐに攻撃に転じる
智葉へと接近するために地を蹴るも、上からなにかが降ってくるのを察して止まった
目の前に現れるのは―――
菫「刀ァ!?」
落ちてきたのは―――智葉の刀、かつては錦田小十郎景竜という妖怪退治の専門家である剣豪の刀だ
智葉は即座にそれを握り、振るう
後ろに下がる菫の毛先が僅かに切れる
智葉「許せよ弘世ェ!」
刃の向きを変えて、さらに一歩前進しつつ刀を振るう
しかし、菫はそれを回避
菫「刀とか呼吸とか! 流行に便乗するなバロッサぁ!」
智葉「刀なのはお互い様だろ!」
しかして、相手は異星人
ムサシンソードで智葉の攻撃を受け止める
しかし、智葉のほうがやはり非力―――弾かれた
智葉「ッ!」
次の斬撃を受け止めるも、防戦一方
智葉「まだ足りないか!」
だが次の瞬間、なにかが現れる
その影が、菫の腹部に蹴りを打ち込んで吹き飛ばす
凄まじい勢いで地を転がる菫
菫「バルゥ!!!?」
智葉「はぁっ、はぁっ……」チラッ
そこにいたのは、長い黒髪の少女だった
テンペラー星人へと銃撃をするも、それらがウィップで弾かれる
さらにそれが京太郎を追うも、走り出し回避
走って回避しながら銃撃を放つ
テンペラー星人「ちょこまかと!」
京太郎「でなきゃ勝てるか!」
地を蹴り壁を数歩―――走る
テンペラー星人「運動部か!」
京太郎「そのとぉぉりッ!!」
壁を蹴り飛ぶと、ビームウィップの間を縫うように接近、テンペラー星人のその顔面に蹴りを打ち込む
吹き飛ぶテンペラー星人が壁にぶつかる
着地した京太郎へと、向かいダメージを受けながらも火炎放射
京太郎「!」
回避しようとするも、目の前に影
京太郎「へ?」
炎が―――斬り裂かれる
京太郎「ッ―――トゲトゲ星人!」
ジャグラー「だからジャグラス ジャグラーだって! まぁ偽名だけど」
刀を持つ怪人、トゲトゲ星人がそこには立っていた
ハッとして智葉を見れば、離れた場所に転がっている菫
智葉の前には―――宇夫方葵がいた
四体一、否二体一が二組
しかも未知数なのが宇夫方葵
情報がまったくなく、テンペラー星人もどうするかとこまねいているものの……
ジャグラー「あ~、破壊神チャン的にはどう?」
葵「その呼び方やめて」
そう言う葵のその胸に、赤い光がぼうっとうかび上がる
それは、カラータイマーのようにも見えるが今まで見てきた物と形がやけに違った
京太郎は首をかしげる
テンペラー星人「ダークザギ!」
葵「うるっさいなぁ!」
智葉「っ!」
その瞳すら、赤く輝いた
ビクッとする智葉と菫
菫「こうなればぁ……!」ゴゴゴゴ
葵「ッ!」
菫からあふれ出す黒いオーラに、葵は顔をしかめて智葉を肩にかついで走り出す
テンペラー星人がビームウィップを振るうも、それらを刀で弾いてジャグラス ジャグラーも走り出した
合わせるように京太郎もガッツハイパーを撃ちつつ撤退
テンペラー星人「ええい、バロッサ星人!」
菫「バールバルバルバル! 芋羊羹の方が好みバル!」
そして菫は、どこからか取り出した“タピオカミルクティー”を啜る
巨大化したのはバロッサ星人
その中に、弘世菫はいるのだろう
刀を振るって、ビルを一つ斬り裂いた
バロッサ星人「バールバルバル! 早く出ろバロッサァ!」
そんなバロッサ星人から離れた場所で立ち止まる京太郎と葵
いつのまにやら現れるジャグラー
葵が智葉を降ろす
智葉「あ、ありがとう……」
葵「どういたしまして」
そう言ってバロッサ星人の方を見る葵が、顔をしかめる
その胸は既に輝いていない
バロッサ星人に合わせて、テンペラー星人も現れた
京太郎「たく、やるか……!」
ゼットライザーを取り出すと、智葉の方をチラッと見る
視線が合うが、智葉は心配するような顔をするもすぐに笑みを浮かべて頷く
トリガーを引けば、ゲートが真上に現れる
京太郎「潰す……!」
照「私も同行しよう」
京太郎「照さん!」
鼻に絆創膏をつけた照が、そこには立っていた
左腕にメビウスブレスを出現させ、構える
二人が同時に頷いた
京太郎「!」
ゲートが京太郎に振ると、そのまま消える
照はメビウスブレスに添えた右手を、振るう
照「メビウス!」
―――【インナースペース】
そこに現れた京太郎が静かに息をつき、眼を見開く
その瞳の赤を輝かせ、ベリアルメダルを弾く
周囲に広がって行く赤い稲妻を纏う闇
京太郎「奇機械改竜、宇宙ロボット―――」
ギャラクトロンメダルとキングジョーメダルを差し込む
そして落ちてきたベリアルメダルを取ると―――
京太郎「ベリアルさん!」
それを差し込んでブレードを可動させる
『Galactron. King-Joe. Belial. 』
音声が鳴り響き、紫電が周囲に迸る
京太郎「これでオーラスだ!」
ゼットライザーを真上へと掲げ、トリガーを引く
『 King Galactron. 』
京太郎「ベリアァァル!」
バロッサ星人とテンペラー星人の前方、現れるのはベリアル融合キングギャラクトロンと、ウルトラマンメビウス
まだ明るく、陽も昇っている
避難していく人々、警報が鳴り響く
京太郎『ぶっ潰す!』
照『京ちゃん、野蛮』
京太郎『上等ォ!』
走り出すキングギャラクトロンとメビウス
バロッサ星人がムサシンソードを片手に突っ込んでくる
メビウスが、メビュームブレードを展開させてそれを迎え撃つ
テンペラー星人「ベリアルは私が倒す!」
京太郎『やってみろよォ!』
テンペラー星人がはさみから放つのは―――ビーム
京太郎『ペダニウムハードランチャー!』
キングギャラクトロン「!」
それに合わせるよう魔法陣を纏う右腕から離れるレーザー
必殺技たるその一撃はテンペラー星人の放ったビームと相殺
爆発を起こし、メビウスとバロッサ星人を吹き飛ばした
京太郎『この威力ッ!!?』
テンペラー星人「私のウルトラ兄弟必殺光線を相殺する威力とは!?」
京太郎『ウルトラ、兄弟?』
テンペラー星人『ならば!』
ビームウィップが振るわれる
それらをキングギャラクトロンが目から放ったビームと左腕で弾きつつ接近していく
街中が破壊されていくが、それでも……
京太郎『さっさと潰す!』
テンペラー星人「ベリアルの器、闇の因子……我々の方に来ればいいものを!」
京太郎『願い下げだよ!』
接近したキングギャラクトロンが左腕を振るう
テンペラー星人がその攻撃を凌ぎ、二体は硬直状態へと陥る
吹き飛んでいたメビウスとバロッサ星人が同時に起き上がる
ハッとしてから同時に刀とメビュームブレードで再び戦いが始まった
鍔競り合っていたキングギャラクトロンとテンペラー星人が同時に後ろに跳んだ
目と右腕から放ったレーザーを、テンペラー星人がハサミからのレーザーで相殺させる
テンペラー星人「ぐっ、消耗が激しいか……ならば!」
接近するめに走り出すテンペラー星人
だが、輝くキングギャラクトロン
京太郎『宇宙怪獣、異次元超人、ベリアルさん!』
『 Eleking. Ace-Killer. Belial. 』
現れるのはサンダーキラー
そのまま走り出し、テンペラー星人へとぶつかる
二体が怯む
『 Thunder Killer. 』
京太郎『さすがに幹部か!』
テンペラー星人「ぐぅ、一体一だというのに!」
京太郎『ウォオォッ!』
今回はここまでー
次回は明日か明後日かー
そんじゃまたー
こんな時間になってしまった……
明後日にするっすー
新年会でやばい
まじ新年はやばみなのでまた次ぃ……
よっしやってくー
お待たせしゃした!
とびだしたサンダーキラーが左手の鉤爪を振るう
それを右手のビームウィップで弾き、テンペラー星人は続けて左手で正拳突き
腹部に受けて怯むサンダーキラーだが、即座に尻尾をテンペラー星人の首に巻きつかせる
京太郎『ッ、離さねぇ!』
テンペラー星人「さすがは器と言ったところ、だがなァ!」
京太郎『器器と、いつまでもォ!』
電撃を放ちテンペラー星人に攻撃をしかける
しかし―――
テンペラー星人「ウオォ! 真ウルトラ兄弟必殺光線!」
―――放たれた光線が、サンダーキラーを吹き飛ばす
その一撃でテンペラー星人に巻き付けていた尻尾も外れ
そのままサンダーキラーはビルへと打ちつけられて倒れる
京太郎『ガアァッ!!?』
テンペラー星人「フハハハハハッ! これが真のウルトラ兄弟必殺光線、先ほどまでの低燃費のものとはわけが違う!」
大声で笑うテンペラー星人
京太郎は歯を食いしばりながら、痛みに耐えつつそちらを見据える
バロッサ星人が刀を弾かれる
メビウスのメビュームブレードがさらに振られて、バロッサ星人が火花を散らして下がる
しかし、すぐにどこからか新たな剣を取り出した
照『次はなに……?』
バロッサ星人「聞いて驚け! これぞレギュラン星人が使っていた例の風車バロッサァ!」
照『誰?』
バロッサ星人「なぜ聞いたぁ!」
地団駄を踏んでから、飛びだすバロッサ星人
メビウスが腰をかがめて、攻撃にそなえる
だが―――
バロッサ星人「これでどうバル!」
照『!!?』
ぶつかる直前、向けられるのは光線銃
避けようとするが遅い
引き金が引かれてその光線銃は直撃
メビウス「ウァッ!」
火花を散らしてその攻撃を受ける
さらに、接近したバロッサ星人が風車でメビウスを攻撃
怯むと共に膝をつく
バロッサ星人「バ~ルバルバル!」
照『ッ!』
追いつめられたメビウスにさらに近づくバロッサ星人
接近戦ではなく、光線銃を向ける
だが、照の瞳は死なない―――
照『こんなところで……まだ、菫を取り戻すために、仲間を……!』
バロッサ星人「?」
照『ハアァァァッ!』
腕に竜巻が巻き起こる感覚、それが体中へと広がっていき―――炎を纏う
メビウス「ハアァッ!」
バロッサ星人「ばろっさぁ!?」
そして現れるのは、新たなメビウス―――バーニングブレイブ
陽の力、火を纏う不死鳥、勇者の新たな姿
その姿のままメビュームブレードを展開させ、構える
照『様子見は私の特権、次からは連続和了で決める……!』
バロッサ星人『せいぜいほざくバルぅ!』
走り出したバロッサ星人へと、メビウスは構えた
再び放たれた光線銃をブレードで弾くと、さらに接近するバロッサ星人が振るう風車の持ち手を掴んで凌いだ
さきほどとは―――違う
照『言ったはず……!』
バロッサ星人「ばるぅっ!?」
迫るテンペラー星人に、サンダーキラーが立ち上がる
その姿はボロボロ、今にも崩れ落ちそうな体
そしてその中の京太郎もまたしかり―――それでも
京太郎『悪い、申し訳ないと思うよ。でもなァ!』
咆哮するサンダーキラー
そして京太郎
―――【インナースペース】
タイラントメダルを握りしめると、周囲の雷の勢いが増す、闇の濃さもだ
京太郎の赤い瞳が輝く
体が悲鳴をあげるも、浮かぶビジョン
京太郎「テンペラー星人にタイラント、ね……」フッ
それはベリアルの、ダークネスファイブの記憶
京太郎「古代怪獣! 暴君怪獣! ベリアルさん!」
メダル三枚をセット
さらにブレードを可動させていく
激しい雷、二体の怪獣ではない
タイラントという合体怪獣の強大な力
『Gomora. Tyrant. Belial.』
ゼットライザーを構えた
京太郎「これでオーラスだ!」
ゼットライザーを真上へと掲げる
京太郎「ベェリアァアァッ!」
『Strong Gomorant』
現れるのは、巨獣―――ストロング・ゴモラント
咆哮をあげ、その赤き角を輝かせその紅蓮の如き瞳でテンペラー星人を射ぬく
テンペラー星人がわずかに後ずさる
京太郎『燃費が悪いもんでな、速攻で決める!』
テンペラー星人「タイラントの力を使おうと―――ウルトラ兄弟必殺光線!」
放たれた光線を、ストロング・ゴモラントは腹部で吸収
さらにそのまま腹部から跳ね返すように放つ
だが、それをさらにウルトラ兄弟必殺光線で相殺
京太郎『ただのバカじゃぁないか!』
テンペラー星人「当然、舐めるな須賀京太郎ォ!」
京太郎『テンペラー星人、ダークネスファイブのヴィラニアスさんの同族、舐めるわけないさ!』
走り出したストロング・ゴモラント
テンペラー星人は思考する―――まず炎と交戦は無意味と
ならばやれることは―――
テンペラー星人「ハアァ!」
振るわれるビームウィップ
それを受けつつ、接近していくストロング・ゴモラント
驚愕するテンペラー星人
テンペラー星人「化物か!」
京太郎『耐えられりゃその呼び名も納得するんだが、なぁ!』
接近したストロング・ゴモラントが体をひるがえしバラバテールでテンペラー星人を吹き飛ばした
空中に吹き飛ん多テンペラー星人が体勢を整えて、両腕から炎を放つ
ストロング・ゴモラントの角が輝くと共に炎は直撃するより早く、超重力で地上へと落ちて行きそれと共に消え去る
テンペラー星人「ここまでとは!」
京太郎『ぐっ……まだァ!』
空へと飛び上がるストロング・ゴモラント
空中のテンペラー星人へと突っ込むが、寸前で回避
過ぎて行ったストロング・ゴモラントが止まり振り返る
テンペラー星人「決着をつける!」
京太郎『こっちの台詞なんだな、これが!』
空中でぶつかりあうストロング・ゴモラントとテンペラー星人
一方で、地上のメビウスはバロッサ星人を追いつめていく
防戦一方のバロッサ星人が光線銃を放つも、それすらも斬り裂き蹴りで手を打ち光線銃を弾き飛ばす
さらに振るわれる風車を根元からバッサリ斬り裂くとさらに一撃
後ろへと下がるバロッサ星人
バロッサ星人「バルバルゥ! こうなったらぁ……」
右手をバッと前に出すもメビウスは再び、即座に体を翻すと蹴りでその手を弾く
バロッサ星人「シャイニングフィンガーがばろっさぁ!」
照『なにそれは』
バロッサ星人「ぐぬぬぅ!」
照『終わらせる……!』
上空のストロング・ゴモラントが放つ炎が、ビームウィップで斬り裂かれる
ハサミから放たれる炎を腹で吸収して吐き出すが、テンペラー星人はウルトラ兄弟必殺光線で相殺
京太郎はインナースペース内でデスレ星雲人―――否、デスローグメダルを使う
京太郎『炎で消え去れェ!』
テンペラー星人「バカの一つ覚えばかりなぁ!」
地上方向から上るように放たれる火炎弾
状況を機にしないのであれば四方八方から炎の雨をプレゼントしても良かった
しかして避けられた時のリスクを感がるとそういうわけにはいかない
だからこそ―――
京太郎『牽制で使うぜデスローグさん、今は!』
ストロング・ゴモラントが翼を翻し―――猛スピードで飛ぶ
その先はもちろん、テンペラー星人の咆哮だ
真下からの炎、下手に動けずにいるテンペラー星人
京太郎『ここでぇ!』
テンペラー星人「バカ正直に真っ向から、ならば――――真ウルトラ兄弟必殺光線!」
向けられたハサミ、発射されようとする光線
インナースペース内で、京太郎はグローザ星系人メダルを握る
黒い闇が、メダルを包み赤い雷がそのメダルに力を宿す
京太郎『グロッケンさん!』
ダークネスファイブ、グローザ星系人グロッケン
メダルが、それに変化した―――
今回はここまでー
よーやっと進みそうやー
また明日、少しだけでもやりたいとこ
そんじゃまたー
乙
京ちゃん性格荒くなってる?
やってくー
>>403
ご察しの通り!
テンペラー星人「なにをしようと今更ァ!」
放たれた光線それが氷の壁に阻まれる
少しばかり弾くも、その氷の壁は見る間に貫かれた
そしてその向こう、ストロング・ゴモラントを―――
テンペラー星人「消え去れぇ!」
―――貫く
テンペラー星人「いや!」
だが違う、貫き砕け散ったそれは……
テンペラー星人「氷の虚像!!?」
ハッと背後へと向きストロング・ゴモラントを確認
真ウルトラ兄弟必殺光線を放とうとするも、ストロング・ゴモラントが懐へと飛び込む方がはやい
紅の角がテンペラー星人の鳩尾部分に突き刺さる
テンペラー星人「ぐおぉぉお!!?」
京太郎『こいつでぇぇぇぇ!』
さらに冷気が集まる
ストロング・ゴモラントの角から氷が伸び、巨大な剣角を形成
テンペラー星人の体に大穴を開ける
テンペラー星人「べ、ベリアルがいないというのに……み、見事だ」
テンペラー星人を貫いた氷部分から、さらに氷が広がる
それがテンペラー星人の全体を氷漬けにした
京太郎『……』
なにかを言おうとするも、すぐに口をつぐむ
そして赤き瞳を鋭く細め力を込める
ストロング・ゴモラントが頭部を振るうと、氷の剣角ごとテンペラー星人の体が粉々に砕け散る
京太郎『……ふぅ』
周囲に散るダイヤモンドダスト
ストロング・ゴモラントはその中心で白い息を吐く
京太郎『次ッ!』
バロッサ星人の方に視線を向ける
すでに追い込まれているようで、地を蹴り飛び上がった
光りの羽を広げてメビウスから逃げようとするも、ストロング・ゴモラントが素早くその前に飛んだ
京太郎『逃がすかぁ! 弘世さんを!』
照『仲間を、返してもらう……!』
地上のメビウスが炎をメビウスブレスから胸へと集め、火球を生成した
上空のストロング・ゴモラントが角を赤く輝かせて咆哮、重力を発生させる
落とせないまでも、動きを封じた
バロッサ星人「バルゥッ!? しゃ、シャープシュートもできないばろっさぁ!」
京太郎『させるかよ! さらに……もう一回お借りします。デスローグさん!』
ストロング・ゴモラントの前方に火球が生成されていく
二つの巨大な火球がバロッサ星人を狙う
バロッサ星人「二体一とは卑怯じゃなイカ!?」
だが、聞く耳持たず
京太郎『このダブロンで、ハコ割れだァ!』
バロッサ星人「大きなお耳が必要なんじゃなイカバルぅ!」
そして、メビウスとストロング・ゴモラントが同時に火球を放つ
照『メビュームバースト!』
京太郎『ブレイズヘヴィキャノン!』
放たれた二つの火球が、真っ直ぐにバロッサ星人へと迫る
前方にも後方にも自分とほぼ同等の大きさの火球
バロッサ星人「俺が死んでも第二第三の……ってメダルだからいないばろっさぁ!」
そして―――爆散
ゆっくりと地上へと降りるストロング・ゴモラント
メビウスと視線を交差させる
頷くメビウスに、ストロング・ゴモラントはなにを言うわけでもない
メビウス「……テヤッ!」
飛び上がるメビウスが空へと消えていく
ストロング・ゴモラントこと京太郎が視線を動かす
レイブラッド星人メダルを投げた男が、遠くで自分を見ている
京太郎(あれは……!)
だが、次の瞬間に視界から消えた
追おうとするも変身を解けばどうなるかなど理解している
だからこそ今は諦めた
京太郎(咲、和……ちょっとずつだが、確実に追い込んでいるか?)
暗い光と共に、ストロング・ゴモラントが消える
地上へと立つ京太郎
歩き出そうと一歩を踏み出すが、ふらつく
なんとか耐えようとするも、前のめりになった体勢では―――
「おっと」ギュッ
京太郎「……智葉、さん?」
智葉「ん、お疲れ」フッ
抱き留められていることに気づく
離れようとはするも、体の違和感と痛みに顔をしかめる
鼻から血がボタボタと垂れた
京太郎「毛細血管が……」
智葉「ん、そこに座ろうか」
数適が智葉の服に付着するも、気にする様子もない
そっと手で鼻を押さえつつ、智葉の助けを借りて近くのベンチに腰掛ける
こみあげてくる感覚に手を口に当てるも、咳と共に血を吐きだす
京太郎「えほっ」
智葉「な、なんでっ!」
京太郎「あの姿、負担が凄いんっすよ……いや、いかんせん強敵だったもんで」ケホッ
智葉「っ……」
涙を浮かべる智葉が、そっと京太郎の頭を抱く
驚愕で、その柔らかな感触を満足に感じることもできない
京太郎「さ、智葉さんっ!?」
智葉「ごめん、それと……ありがとう」ギュッ
京太郎「……俺がやりたいことっすからね。俺のために」
智葉「それでも、だ」
京太郎「うっす……」フッ
笑みを浮かべ返事をする京太郎の口元の血が、智葉の服にしみる
突如、智葉が引きはがされる
智葉「うおっ」
照「……なにおっぱいで京ちゃんのぬくもり感じちゃってるの?」
智葉「み、宮永っ! そ、そういうわけじゃっ」カァッ
照「くっ、強い」
京太郎(なんの話?)
しかし、とりあえず戦いが終わったことは確かだ
照の背後には菫が寝かされている
やはりウルトラマンのメダルが入っている影響で筋力なども高まっているのだろう
京太郎「お疲れさん、です」
照「京ちゃんもね……むしろ京ちゃんの方が」
京太郎「まぁ、ウルトラマンの力を借りてるわけじゃあないっすからね、多少は」
そう応えて、口の中の鉄の味に顔をしかめる
京太郎「戻りますか……」
照「ん、無理しないで、お迎え待とう」
京太郎「……ん」コクリ
京太郎(ダークネスファイブ、三人目……)
その左手にあるのはテンペラー星人メダル
存在しないはずの記憶にあるのは……テンペラー星人、ヴィラニアス
ベリアルの“仲間”の一人
京太郎(ベリアルさん、引き続きお力……借りますよ)
―――【特異課東京基地:廊下】
智葉と共に歩いていると、服の裾が引かれる
そちらを見ればもちろん宮永照
照「ところで京ちゃん」
京太郎「はい?」
照「私もこけて鼻血出た……一緒だね」フッ
京太郎「……?」
照「?」
二人して首をかしげる
京太郎「え、俺が悪いんっすか?」
智葉「いや、宮永が悪い」
照「!!?」
智葉「そんなんだったか?」
照「……いつまで京ちゃんの血がついた服抱いてるの?」
先ほどのスーツから着替えた智葉
京太郎の血の付いたワイシャツを抱えているのだが、その顔が真っ赤に変わる
智葉「ちがっ、洗濯しようと!」
京太郎「すみません、新しいの買いましょうか?」
そう聞くと、智葉はギュッと服を握りしめる
智葉「いや、いぃ……」フイッ
照「……あざとい」
智葉「あ、あざとくない!」
京太郎「ちょっとグッとくるのでそういうのやめてもらっていいですか?」
智葉「!?」マッカ
照「京ちゃん……」ゲシッ
京太郎「一応負傷者なんだから脛蹴らないでっ」
ネリー「なにやってるのあれ」
明華「むぅ」
ハオ「お熱いことですね」
メグ「今ラーメンの話しました?」
ネリー・明華・ハオ「してない!」
第26話【須賀京太郎、抹殺指令】 END
今回はここまでー
久々にちゃんと進んだ
ガイトさんのヒロインムーブ
たぶんちゃんと再開できるのは明後日かなーって感じで
安価置いてそんじゃまたー
◆どっちへ向かう!
1、長野
2、鹿児島
◇1↓から5↓まででコンマが一番高い方の選択肢を採用
ちょっち次回予告のみ
続きは22時頃やるー
2、鹿児島
―――次回予告
京太郎:異様な感覚だなぁ
慕:いらっしゃい
晴絵:色々渦巻いてるねぇ
霞:彼が須賀京太郎……
京太郎:くるか!?
晴絵:くるね
葵:きやがった……ッ!
京太郎:花田さん!
煌:これが絆で受け継がれた光です!
次回【獣-Beast-】
京太郎:光を塗りつぶす漆黒の闇でェ!
おっし続きはじめてくー
―――【???】
テーブルに置かれているのは雀牌
その一つを、軽く指で弾くのは―――宮永咲
麻雀卓にバラバラに置かれている牌、弾かれた牌は開いている天窓に落ちていく
咲「デスレ星雲人、グローザ星系人、テンペラー星人……よくもまぁここまで」
息をつきながら、どこか不敵に笑う
咲「……そろそろ力は、戻った?」
そう言って視線を右に動かす、その先には原村和
和「手痛い攻撃を受けましたからね」
咲「使えないなぁ」
和「……そんな喋り方でしたか、あなた」
咲「お互い様、力が強いこの器に引っ張られている」
顔をしかめてそう言う咲の赤い瞳が揺れる
そして、その先には新たな影
暗い部屋、対面にいるのは―――男。しかし視えない
咲「……まぁ私は私のやりたいようにやる」
和「私もまた然り、です」
咲「道中は同じ、着地点が違う。そろそろ集まってやるのもよくないかもね」
?「お互い、な」
咲「……で、須賀京太郎はどうするの?」
?「自分の始末は自分でつけなければな、私がやる……」
咲「ふぅん、で……次は鹿児島か」
和「誰かいくなら私は別の場所で動かさせてもらいます」
咲「どうするの?」
それぞれが立ち上がる
今やるべきは一緒、しかしてこれからは……
?「奴を倒す―――それも私だ」
男はメダルを弾いて見せた
―――【鹿児島県:霧島市】
空港を出る京太郎
相変わらずのスーツ姿で、アタッシュケースを持っている
なにかしようものなら今にも止められかねない
京太郎「異様な感覚だなぁ」
淀んでいるようにも感じるが、どこかで感じたことのあるタイプの違和感ではある
最近、最も近く感じた時はいつだったか……
京太郎「……奈良、か?」
顎に手を当てて呟き、すぐに頭を振る
考えるのは後にしようと頷いてすぐに動き出す
腕時計型の端末を開いて、送られてくる位置を確認
京太郎「さてと……」
今回、須賀京太郎が鹿児島へとやってきたのは、咲や和の目撃があったからではない
怪獣が出現したということ、それも何度も……
京太郎「怪獣が途中で消える現象、それと―――ウルトラマンの確認、か」
歩いて合流地点まで行くと、すっかり見慣れた顔を見つけた
女性の長い髪が揺れている
眼が合うと、手が振られるので京太郎も手を振りかえす
京太郎「どうも、慕さん」フッ
慕「ん、いらっしゃい」フフッ
車の助手席に乗り込む京太郎、運転席には慕
走り出した車の中、京太郎は視線を動かす
京太郎「さて、今回はなにが出ますかねぇ」
慕「怪獣じゃないかなぁ」
京太郎「やっぱり?」
慕「うん」
溜息をつく京太郎は顔をしかめる
智葉たちにもたっぷり絞られた、あまり反動が強い力は使いたくはない
だが、それでも……
京太郎(やるしか、ないかぁ)
だがそれでも、今の自分にはそれがやりたいことなのだ
走り去って行く慕の運転する車
それを見送るように視界を動かして“赤土晴絵”は一歩前に出た
顔をしかめるのは、京太郎と同じ理由か……
晴絵「色々渦巻いてるねぇ……」
葵「……」
晴絵「相変わらず無愛想なんだから」
葵「放っといて……」
すでに小さくなっている車の影を見て、葵は上空を見上げる
葵「嫌な感じ、たぶん二人と違うけど」
晴絵「そなの?」
葵「ん……これは、メダルの怒り? 嫉妬?」
晴絵「大変だねぇお互い、変なメダル入っちゃってさ」
その言葉に、なにを返すでもなく葵は歩き出す
晴絵はそのあとを追って歩いていく
―――【特異課鹿児島基地:駐車場】
そこそこに大きな施設だった
ガレージではなくしっかりと駐車場が存在している
車から降りる京太郎と慕の二人
京太郎「ちゃんとしてる」
慕「まぁ神代のお膝元だしね」
その言葉に、なるほどとうなずく
京太郎「とりあえず作戦会議ですか、なにかわかんないっすけど」
慕「そうだね……一応、目撃情報があるからそこの調査、お願いしようかな」
京太郎「慣れたもんですよ」ハハハッ
そんな二人を、基地の最上階―――五階から見つめる人物が三人
一人は熊倉トシだ
トシ「ん、きたか」フッ
?「彼が須賀京太郎……」
―――【特異課鹿児島基地:】
京太郎は静かに息をついた
慕の後を追って作戦室に入った京太郎は座っている
二人だけだとは思っていなかったが……
京太郎「えっと、初めまして須賀京太郎です」
圧倒されていた。その存在感に―――石戸霞に
霞「石戸霞よ」タユン
京太郎(おぉう超弩級……玄さんにも見せてやりたかったぁ)
トシがコホン、と咳払いをする
ハッとした京太郎が頷いて立ち上がった
隣にいる霞だけに自己紹介をすれば良いわけでは無い
京太郎「えっと、須賀京太郎です。今回は応援という形で一応―――長野支部からの出向、的な?」
トシ「まぁ京ちゃんに限ってはどこ所属とかはないんだけど、形として長野支部所属にはなってるね」
京太郎「そうだったんっすか?」
頷くトシ、まぁなんでも良いだろう
京太郎「まぁなにはともあれお願いします」ペコリ
そう言うと、他の面々が頷いた
まずは薄墨初美、そしてとなりの滝見春
初美「よろしくなのですよー」
春「ん、よろしく」ポリポリ
京太郎(あ、やっぱ黒糖食べてるんだ……)
トシ「それと京ちゃんと同じくこっちに来てる……」
京太郎「花田さん」フッ
煌「花田煌です、すばらな再開です」ニコッ
軽い自己紹介を終えると、京太郎は座る
部屋が軽く暗くなると慕がリモコンのようなものを操作
モニターに映るのは、怪獣―――そして、ウルトラマン
京太郎「なんかやけにリアルっぽい怪獣ですね」
トシ「スペースビーストってとこだね。でもこの感じみたことない?」
京太郎「……」
似た系統の怪獣というのであれば―――ガルベロス
京太郎「で、それが一体?」
トシ「まぁこの怪獣が出てくるとこの―――ネクスト、いやネクサスと言おうかね。このウルトラマンが出てくる」
京太郎「なるほど、それから消えると……」
トシ「そーゆーこと」
京太郎「率直な感想を言っても?」
慕「ん、どうぞ」
京太郎「……こっちがなにもしないってわけにもいきませんけど、現状安定しているならば俺が手伝うもなにもないんじゃ?」
トシ「いや……」
慕がさらにリモコンのスイッチを押す
映し出されるのは……
京太郎「……なるほど」
そうつぶやいて霞、初美、春に視線を向けてからモニターに視線を戻す
京太郎「神代小蒔と野依理沙、ですか」
トシ「……」コクリ
慕「この二人が目撃されたのちにスペースビーストの出現が確認されてるらしいの」
京太郎「なるほど、ねぇ」ハァ
煌「数々の事件を解決しているという須賀君のお力、お借りしたいと思っているということです」
京太郎「……俺なんかでよければ」フッ
霞たちも安堵したように息をついた
京太郎(しかしまぁ、この異様な感覚も……放っておけないしな)
今回はここまでー
次回は明後日とか明々後日になる予定っすー
やってきた鹿児島、まぁまた色々大変って感じで
そんじゃまたー
◆安価!
1、阿知賀(キャラ名を指定で)
2、臨海(キャラ名を指定で)
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、清水谷竜華
8、江口セーラ
9、愛宕洋榎
10、臼沢塞
11、小瀬川白望
12、鹿倉胡桃
13、姉帯豊音
14、宮永照
15、亦野誠子
16、弘世菫
17、石戸霞
18、薄墨初美
19、滝見春
20、白築慕
◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用
日本保守右派系の大嘘
「太平洋戦争は白人に対するアジア解放の戦いだった」
↓大嘘です
https://news.yahoo.co.jp/byline/furuyatsunehira/20200815-00193356
すべての侵略戦争にあった「大義名分」
「アメリカの経済制裁が気にくわないから」という理由だけでは対米開戦としての大義は弱いので、
日本は対米開戦にあたり「アジア解放(大東亜戦争)」をスローガンに掲げたのである。
当時アメリカの自治国であったフィリピン(フィリピン・コモンウェルス=フィリピン独立準備政府)は
アメリカ議会からすでに1945年の独立(フィリピン・コモンウェルス成立から十年後)を約束されており、
日本軍の侵攻による「アジア解放」というスローガンは全く無意味として映った。
よって南方作戦で日本軍に占領されたフィリピンでは、そもそも日本の戦争大義が受け入れられず、
またアメリカの庇護下のもと自由と民主主義、そして部分的には日本より高い国民所得を謳歌していたフィリピン人は、
日本の占領統治に懐疑的で、すぐさまゲリラ的抵抗や抗日活動が起こった。
日本は、アメリカとの戦争の際「アジア解放」を掲げていたが、それよりさらに前の段階で、
同じアジア人に対し攻撃を加えていたのであった。よって多くのアジア地域では日本の戦争大義「アジア解放」は、美辞麗句で空疎なものと映った。
「アジア解放」を謳いながら、片方で同じアジア人である中国を侵略するのは完全な矛盾である。
「日本のおかげでアジア諸国は戦後独立した」
大嘘です。大日本帝国と関わりない中東やアフリカも独立してます。
「人種的差別撤廃提案で日本は唯一差別と戦った。白人は人種差別を支持した」
大嘘です。フランスやイタリアも日本に賛成してます。
https://w.wiki/4i4Q
日本国民自らが中国人を差別していることを思い起こすべきと主張し、吉野作造も日本が中国人移民を認めるだろうかという問いかけを行った。
事実、賛成しているのはどちらかと言うと移民を送り出す側の国であり、反対しているのが移民を受け入れる側の国である(イギリスも本国としては賛成だったが、オーストラリアの意向をくんで反対に回っている)。
「アメリカはドイツは人間として扱い、日本人を人種差別で化け物扱いした」
大嘘です。ドイツはアメリカに騙し討ちをしてませんから当然です。
開戦前に真珠湾奇襲で多くのアメリカ人を無差別攻撃した日本のイメージが最悪だっただけです。
https://w.wiki/4i4Z
原爆投下前に日本の風船爆弾でアメリカの民間人妊婦が殺害されています。ドイツより日本を恨むのは当然です。
「1945年5月5日、オレゴン州ブライで木に引っかかっていた風船爆弾の不発弾に触れたピクニック中の民間人6人(妊娠中の女性教師1人と生徒5人)が爆死した」
そもそも日本側も、アメリカとイギリスだけを鬼のように扱っていました。日本と開戦した連合国国家は他にもあります。(棚上げ)
日本の戦争犯罪は戦場経験者でもある水木しげるさんが証言して漫画にしてます。
詳しくは「水木しげる 姑娘」「水木しげる 慰安婦」で検索してください。
他には「スマラン慰安所事件」「バンカ島事件」で検索。
まったりやってくよー
鹿児島編、これ終わったらまた色々ある
17、石戸霞
3、福路美穂子
―――【特異課鹿児島基地:休憩所】
作戦室を出てからしばらくして、京太郎は休憩所にいた
コーヒーを一口飲んで、息をつく
京太郎(味が違うな、美味いけど……)フゥ
とりあえずやるべきことは、野依理沙と神代小蒔の捜索
それと後手に回るしかないものの怪獣かウルトラマンが出るのを待つ
京太郎(こっちから攻めたいけど、できることは怪獣メダルが完全に覚醒する前に、雀士を潰すってことか)
今の京太郎であれば並以上の雀士であれど倒すことも無理ではないだろう
誰かと組んでいれば、勝率はさらに上がる
京太郎「しかしまぁ、感慨深いもんだなぁ」
あの永水の生徒たちにまで名前が知れ渡っている
数ヶ月前のあの時であれば考えもしなかったであろう状況
望んでいた形ではないものの、やはり思うところがある
京太郎(にしても結局、なんで家に……いや、なんで親父がゼットライザーを持ってメダルまで……)
わからないことが、多すぎる
となれば……
京太郎(やれることを、やるしかか……)
ピピピピ
京太郎「ん、なんだろ……って福路さん?」
連絡先を確認して、端末を開く
周囲には誰もいないということを確認してから通話する
モニターに映し出される美穂子
美穂子『あ、京太郎』ホッ
京太郎「どうもって……怪我してんじゃないっすか!」
美穂子『まぁ大した怪我じゃないのよ? ちょっと怪獣相手に事故っちゃって』
京太郎「え~大丈夫っすか?」
京太郎(機械音痴だし、てか車って機械に含むのか? というより生きててなによりだけど)
頭に包帯を巻いた美穂子
美穂子『まぁ大した怪我じゃないから、跡も残らないそうだし』
京太郎「美穂子さんの綺麗な顔に傷ついたらたまったもんじゃないっすよ」ハハハ
美穂子『っ、もぉ……からかわないの』
京太郎(からかったつもりはないけど……)
美穂子『でも京太郎も無事そうでよかった……東京では無茶したって聞いたけど』
京太郎「あ~」メソラシ
美穂子『そこ以外でもね』
京太郎「う゛っ」
美穂子『もぉ、心配するんだから……ね?』
京太郎「……はい」コクリ
少しばかり、画面の向こうの美穂子の表情が曇ったように見える
そういうところに敏感になってきたのか、京太郎は察して少しばかり黙る
迷った様子で、美穂子は口を開く
美穂子『それにね……』
京太郎「?」
言い淀むような様子、だがそれでも……
何度も話をして何度も一緒に戦った京太郎だからか、頷いて話す
美穂子『色々と、迷っちゃって』
京太郎「そんなことが?」
美穂子『……私って、どっちだろうなって』
京太郎「へ?」
美穂子『光として生きた方がいいのか、人として生きた方がいいのか』
そんな言葉に、京太郎は応えようとして……口を紡ぐ
他人がどうこういう問題だろうかというような、そんな悩みより先に……
“自分が答えるべきか”という考えが浮かんだ
自分はウルトラマンではない。ハッキリとそう言える
京太郎(俺は俺のために、戦ってるだけだしな……)
ベリアルは自分がウルトラマンではないと言っていた。京太郎もまたウルトラマンになれるタイプではないと……
既に自分としても自覚はある
自分にやれることとは……
京太郎「探してくしかないっすよ。俺も……美穂子さんも」
美穂子『そっか……なら、やっぱり早く会いたいな』
京太郎「へ?」
美穂子『やっぱり直に会って、直に京太郎を感じたい、かな』ニコッ
京太郎「……」
美穂子『きょ、京太郎?』
京太郎「あ、すみません……俺も早く、美穂子さんに会いたいかな」フッ
美穂子『うんっ……ありがとうっ』ニコッ
京太郎(あぶねー! あやうく好きになるところだったぜ!)
美穂子との通話を終えて、京太郎は街を見て回ろうとロビーに出る
しかし、どうにも動き方を見誤った
一人で見知らぬ街に出るわけにもいかないだろう
京太郎(花田さん、頼めば良かったな……いや、花田さんもわかるのか?)
彼女とは片岡優希、原村和と関係で話したことがある
知り合いではあるし話しやすい相手なので、少しは話をしても良かったなとも思う
京太郎「まだいるかなぁ花田さん」
?「花田さんを探してるの?」
京太郎「……石戸さん?」
霞「さっきぶりね」クスッ ドタプン
京太郎(超弩級……)
霞「?」
咳払いを一つ、落ち着きを取り戻す
とりあえずは頷く
京太郎「知り合いってトシさん慕さん花田さんしかいないんで……出かけようにもって感じっすね」
霞「花田さんなら一人で行ったみたいよ」
その言葉に頷く
京太郎「なら……」
霞「私が案内しましょうか、雀荘とかなら」フッ
京太郎「じゃぁお言葉に甘えて……」
霞「ええ、行きましょう」フフッ
その言葉に、少しばかり感慨に浸る
京太郎(まさか石戸さんに案内されることがあるなんてな……人生なにがあるかわからんぜ、咲)
石戸霞と死闘を繰り広げた自らの親友を思い出して、口角を緩める
霞の後を歩きながら、京太郎は静かにあの夏を思い出す
―――【鹿児島:街中】
霞と二人で歩いていると、やはり思うところがある
しかしまぁ、現状はそれどころでもないのだが……
京太郎(まずは、ここにいる奴だ……今ままでの傾向からして指揮官って言うかボスっぽいやつがいるはずだ)
デスレ星系人、グローザ星雲人、テンペラー星人
おそらく大阪ならばメフィラス星人
京太郎(……長野ってどいつになるんだ? レギュラン星人、とは違うか、スヒュームもまた違う気がする)
ならばゾグだろうか
京太郎(わかんねぇな……)
霞「須賀君?」
京太郎「へ?」
気付けば、霞の顔がすぐ傍にあった
驚いて後ろに仰け反りバランスを崩すも、どうにか体勢を整える
ハッとして霞の方を見るが眉をひそめて笑っていた
京太郎「えっと……」
霞「少し怖い顔してたから、色々考えることあるのかもしれないけれど」
京太郎「ああいや、すみません」
霞「ううん、いいのよ……私たちも、たぶん貴方に期待をし過ぎてしまってるから……たぶん、プレッシャーよね」
京太郎「いやそういうんじゃないんですよ。元々の性分もありますし」
霞「……」
京太郎「本当ですって、ただちょっと……仲間のことが」
霞「そっか、それは私もわかるわ」
そう言ってやはり眉をひそめて笑う霞
どこか儚いその笑顔に、今度は京太郎が眉をひそめた
京太郎(こんな良い人に、こんな顔させて……)
―――【特異課鹿児島基地:作戦室】
そこにいるのは、熊倉トシと白築慕
二人して難しい表情をしながらモニターを見つめる
そこには先ほど京太郎たちが見たウルトラマン、とはまた少し違うウルトラマン
トシ「ネクスト、そしてネクサスってとこか……」
慕「?」
トシ「いや、これが確認されたのは確か……」
慕「ん、福岡ですね」
トシ「……」
眉をひそめて考える様子を見せてから、笑う
トシ「なるほどね、結局因果は因果か……まともじゃいられないねぇ」
慕「へ?」
トシ「いいや、白水たちは?」
慕「白水哩さん、安河内美子さん、江崎仁美さんは未だに意識不明みたいです」
トシ「鶴田は?」
慕「えっと、行方不明だそうで……一時は発見情報あったんですけど、あっそれで言うと広島のちゃちゃのっ、佐々野いちごさんも」
トシ「……受け継がれる絆、ね」
慕「へ?」
トシ「いいやなんでも……とりあえず今後も注目してくべきなのと」
慕「……アレですか?」
トシ「そ、アレの完成具合は?」
慕「いやぁ、急場で頑張りましたよ」
トシ「そりゃそうか……でも、いずれにせよだね」
慕「いっつもわけわかんないこと言いますね」
トシ「あんたはたまに遠慮なくモノ言うね」
―――【鹿児島:街中】
雀荘から出てくる京太郎と霞
背を伸ばした彼と、その後ろで一息をつく霞
さらに後ろから担架で運ばれていく少女、そしてスーツ姿の男性が数人出てくる
京太郎「ビンゴでしたね」
霞「ええ……」
京太郎「怪獣メダル、回収と」
その手にあるのはゴキグモンの怪獣メダル
メダルホルダーにそれを納めて、端末で次の目的地を確認する
横へとやってきた霞が京太郎の端末を覗いた
京太郎(おっぱい当たる……)
霞「次は、ん~近くの駅から電車に乗って10分ぐらいね」
京太郎「うっす」コクリ
霞「それにしても、本当に強いのね。話題になってなかったのが驚くぐらい」
京太郎「最近、ですからね」
ベリアルと融合して、麻雀を何度もやった
正規の方法ではないが、それで強くなった
言えはしないが……今は確かにその力を引き継いで自分なりに上手くやっているつもりだ
京太郎「さて、次ですね」
霞「ええ……」
京太郎「……の前にお昼でもいきますか」
霞「あ、もうそんな時間……それじゃあ私のおすすめのお店行きましょう。ここらへん詳しいのよ」クスッ
京太郎「それじゃあエスコートお願いしますよ。お姉さん」フッ
霞「お姉ちゃんでも良いわよ?」クスッ
京太郎「魅力的ですけど遠慮しときます」ハハ
―――【???】
花田煌が、走っていた
雑木林の中、木々をかきわけて辿り着いた開けた場所でガッツハイパーを構える
その銃口の先には―――
煌「ここまでです。野依理沙さん……」
理沙「……」
煌「終わらせます。佐々野さんと姫子から受け継いだ光で」
右手にガッツハイパー、左手に謎の銃を持つ
両方から放たれる光弾を、野依理沙は懐から取り出した黒いロッドのようなもので弾く
虚ろな瞳の野依理沙が、花田煌をしっかりと視界に映す
煌「闇の力に飲まれて、野依さん!」
理沙「……!」
ロッドの先端が煌に向けられると、そこから光弾が放たれる
それを転がって回避する煌だが、起き上がった煌にさらに“銃口”が向けられた
光弾が放たれようとしたその瞬間―――黒い影が迸る
煌「!!?」
理沙「!」
すぐにその場から退こうとする理沙だが、既に遅い
?「アァァアァァッ!」
腹部に拳が突き立てられ、そのまま理沙が吹き飛び地を転がる
そしてそんな理沙を攻撃した本人は―――“赤い瞳”を爛々と輝かせていた
なにかに耐えるように歯を食いしばり、そこにいる
煌「ッ……誰ですか!」
?「人の、いやこのメダルの……力を勝手に!」
煌「闇の、力……?」
?「闇、だけどっ……明け透けに物を言う!」
本来なら真ん中分けされていた髪が垂れる
?「赤土っ、あの人また勝手に……!」
そして“宇夫方葵”は立ち上がる野依理沙を今一度―――睨みつける
―――【鹿児島市:街中】
一軒の定食屋を出る霞と京太郎の二人
楽しげに笑みを浮かべる二人を見る人が見れば、勘違いもするだろう
趣味も一緒、目的も、職業も一緒―――特異課という共通点があれば会話も弾む
京太郎「ごちそうさまです。おいしかったぁ」
霞「満足いただけたようでなによりよ」クスッ
京太郎「正直、高級至高な人だと思ってました。神代家の関係者ですし」
霞「そうでもないわ。ただの女子高生よ」クスッ
京太郎(女子高生感皆無だけどね)
霞「余計なこと考えなかった?」ニコリ
京太郎「いいえ決して」メソラシ
とりあえず話をそらすために次の目的地を確認する
緊急連絡などもまだ来ていないようだった
そうしていると気配を近くに感じる
京太郎「ちょっと近」
晴絵「よっ」
京太郎「ドワォ! 晴絵さん!?」
晴絵「ん、丁度近くよったからね」
京太郎「近く寄っても会うのはまた別でしょうに」
晴絵「確かにそりゃそっか」
霞「えっと、赤土晴絵さん? 阿知賀の?」
晴絵「お、私ってば有名人」
京太郎「そりゃそうでしょレジェンド」
晴絵「え~そ~お~?」ニヤリ
満更でもなさそうに笑う彼女に、京太郎は苦笑を浮かべる
京太郎「てか何用ですか?」
晴絵「ちょっとね、て用しかないんだよねここ」
その言葉に、ひっかかる
彼にとって赤土晴絵はなんでもない、特異課のメンバー
そして穏乃たちの先生なのだから……
京太郎「赤土さん」
ピピピピ
京太郎「端末、緊急通信!?」
第27話【獣-Beast-】
今回はここまでー
まぁわかる人はサブタイでわかる感じの話
と見せかけてちょっとひねりはあるよー
明日もできるかもー
そんじゃまたー
やってくよー
トリガー最終回よかったのー
映画も楽しみー
緊急通信に応えるべく、京太郎はボタンを押す
モニターに映ったのは白築慕だった
彼女がわざわざ緊急通信でかけてくるということは、それなりの状況なのだろう
慕『高エネルギー反応が京太郎くんたちの近くの、神社に! 異常だよこれ!』
京太郎「神社!? 雀荘じゃなくてか!」
慕『わかんないけど、でも確かに神社、どんどん膨れ上がってる』
マップが出てくると京太郎は霞の方を見る
少しばかり迷った表情をして、頷いた
小首をかしげる霞
京太郎「霞さんに切り替えて!」
慕『あ、うん』
霞「え、ええ」
通信を霞の方の端末に切り替える
霞が腕時計型端末で慕への通信を引き継ぐのを見ると、霞に近寄った
晴絵が驚いたような表情をするが、いたしかたないのだ
京太郎「移動しながら話しましょう」
霞の方と膝裏に手を回して、抱えると走り出す
霞「ちょ!? 須賀君っ!?」カァッ
慕『な、なにしてるの!』
京太郎「しょうがないでしょ! マップ開いて!」
開かれたマップを見て、そちらに走り出す
確かに霞を連れて走るよりも速いだろう
異常な身体能力だが、見せるのも戸惑われるがいたしかたない
京太郎「その神社なんか特別なんっすか!?」
晴絵「龍脈ってあるじゃん?」
霞「レイライン?」
京太郎「えっと、地脈がどーたらとか?」
晴絵「そうそう、そういう“力”が集まるのが……神代の本殿なわけなんだけど」
慕『こっちも結構な数が通ってる!』
晴絵「そゆこと」
京太郎「どうでもいいけど晴絵さん運動能力高いっすね」
隣を走る晴絵にそう言う
晴絵「まぁ雀士だからねぇ」ケラケラ
その言葉に、京太郎は少し考えを巡らすも―――中断する
やるべきことは今は赤土晴絵について考えることではない
神社の誰か―――神代小蒔か野依理沙を確保することだ
京太郎「どうなってます!」
慕『依然変わらずだよ。いや、突然変わらなくなった? これって……』
晴絵「収束をはじめてる、か……」
そう言って止まる晴絵と京太郎
見上げるのは階段、その上にいる
そして凄まじい力を感じる……
京太郎「石戸さんはここで!」
晴絵「私もここで」
霞「なっ、私もせめて手伝うくらい」
晴絵「まぁまぁここはベテランに任せようよ」
霞「赤土さん!?」
驚愕する霞の方に手を置いて笑う晴絵
京太郎は顔をしかめるも、すぐに頷く
察してくれたということは理解した
京太郎「お願いします!」
そう言って、地を蹴り数段を飛ばして階段に足をつくと、さらに蹴って数段を飛ばして跳ぶように昇って行く
霞「っ……」
晴絵「まぁ大丈夫でしょ、こっちには“ウルトラマン”がいるでしょ?」
霞「……はい」コクリ
―――【鹿児島:???】
開けた林の中、煌と葵が退治する野依理沙
体を前のめりにして肩で呼吸をする葵は目を見開いて野依理沙の“中心”を見つめる
“メダル”が入っているからこそ理解できるもの……
煌「何者ですか! デュナミスト!?」
葵「ハッ、オリジナルぅ……それより先に、こいつか!」
飛び上がった葵が爪を立てた腕を理沙へと振り下ろすが、理沙はロッドことダークエボルバーでそれを凌ぐ
理沙がダークエボルバーを振るうと、葵は吹き飛ぶも空中で体勢を整えて着地
口から白い息が吐かれ、その口の端から涎が垂れる
煌(普通じゃない! それにこの妙な感覚っ)
理沙「……ダークザギ」
葵「わかってるならさっさと返しなさいよっ、私の力ァ!」
前へと跳びだそうとした瞬間、葵は咄嗟に後ろに跳ぶとそこに銃撃
すぐに着地して、そちらを見ればそこには―――
煌「仮面の、男?」
葵「お前も、嫌な感じするなぁ……」
そこに立っているのは仮面をかぶった男だった
四つの目が描かれた白き歪な仮面
仮面の男「闇の皇帝も根源破滅天使すらも、か……まぁここは私のフィールドとしよう」
煌「誰なんですか一体……!」
仮面の男「……須賀京太郎はいないか」
煌「須賀君!?」
葵「お前かっ、中途半端なダークザギメダル入れてからにっ」
仮面の男「暴走しなかったのは予想外だが、そろそろか」
葵「ッ!」
仮面の男「野依理沙、出番だ」
野依理沙が、ダークエボルバーを両手で持って前に出す
瞬間、葵と煌が同時に距離をとった
そして野依理沙は両手でダークエボルバーを―――引く
―――【鹿児島:神社】
階段を上り、鳥居をくぐる
そしてそこにいる人物を見て、遅かったことを理解した
いたのは―――神代小蒔
京太郎「神代、小蒔さん……」
腕時計型端末から声が聞こえる
視線の先にいる神代小蒔はいつも結わいている髪がほどけて黒髪がなびいていた
そして虚ろな瞳は、なにを映しているのか……
京太郎「なら……ッ!」バッ
ゼットライザーを取り出す京太郎
神代小蒔が凄まじい光を発すると共に、光の柱を生み出す
それが高く上り―――
京太郎「ゲートオープンだ!」
トリガーが引かれ、京太郎がゲートの中に消える
そして光の柱が消えると共に現れる―――怪獣
離れた場所で、霞と晴絵がそちらを見る
ハッとした表情をする霞の肩にてを置く晴絵
晴絵「大丈夫だよ」
霞「須賀君がっ」
晴絵「まぁあの子はベテランだから……にしてもそうか、そういうこと」
顔をしかめる晴絵、その視線の先に現れた怪獣
晴絵「マガゼットン……!」
―――【???】
そして同時刻、現れるのは黒い巨人
地上に着地すると―――煌と葵を見下ろす
赤い瞳の黒い巨人は、右腕に鉤爪を持って雄叫びを上げるように両腕を広げて上空をむいた
煌「あれは……」
葵「ダークメフィスト……」
煌「佐々野さんが倒したのにっ」
葵「所詮はメダル、それと“力”さえあればいくらでも後継者をつくれる。メダルを回収しとくべきだったね」
その言葉に、煌が顔をしかめた
ダークメフィスト見上げて顔をひきしめる
やるべきは一つ―――
煌「ならもう一度、何度でも……それが受け継いだ私の!」
ガッツハイパーをしまうと、謎の銃を持つ
それ―――“エボルトラスター”を鞘から抜き放つ
銃のように見えたそれは短剣に近いように見える
煌「絆-――ネクサス!」バッ
そしてそれを、真上に掲げた
ごめんミスったー
銃(ブラストショット)とエボルトラスターが一緒のもんみたいに書いちゃったけど別物っすね
ちょっち修正する
(>>461 の修正
―――【???】
そして同時刻、現れるのは黒い巨人
地上に着地すると―――煌と葵を見下ろす
赤い瞳の黒い巨人は、右腕に鉤爪を持って雄叫びを上げるように両腕を広げて上空をむいた
煌「あれは……」
葵「ダークメフィスト……」
煌「佐々野さんが倒したのにっ」
葵「所詮はメダル、それと“力”さえあればいくらでも後継者をつくれる。メダルを回収しとくべきだったね」
その言葉に、煌が顔をしかめた
ダークメフィスト見上げて顔をひきしめる
やるべきは一つ―――
煌「ならもう一度、何度でも……それが受け継いだ私の!」
ガッツハイパーをしまうと、謎の銃のようなものをしまい新たな鞘に収まった短剣のようなものを持つ
それ―――“エボルトラスター”を鞘から抜き放ち、下に振りかぶる
煌「絆-――ネクサス!」バッ
そしてエボルトラスターを、真上に掲げた
―――【鹿児島:街中】
神社に現れた怪獣“マガゼットン”が顔面の赤い“マガクリスタル”を輝かせる
火球を放つマガゼットンだが、その射線上に黒い光が立ち上りその火球が消え去った
『 Red King. Gomora. Belial. 』
『Skull Gomora.』
闇の中から現れたベリアル融合獣スカルゴモラ
マガゼットンはその場で立ったまま、軽く火を放つ
それを真正面から受けるものの、相性がいいのか別段問題はない
京太郎『本気でかかられたらやべぇか……?』
借りにも魔王獣、その強さは良くわかっている
おそらくストロング・ゴモラントを使うことになりかねないが、ギリギリまではこちらの姿で戦うべきだろう
地を軽く蹴って構えるスカルゴモラ、【光ノ魔王獣マガゼットン】がマガクリスタルを輝かせる
京太郎『ッ、この感覚! くるか!?』
晴絵「くるね」
―――【???】
マガゼットンとスカルゴモラが退治する場所から離れたその地に現れる巨人―――ネクサス
白銀の体を持ち、カラータイマーの代わりに赤いエナジーコアを持つ巨人
花田煌が変身したそのウルトラマンは静かに両腕を構える
ネクサス「ハァア……」
ダークメフィスト「グウウウウッ!」
そして地上の葵が、顔をしかめる
葵「っ……」
その胸には赤い光、ネクサスのエナジーコアと同じ形
光が点滅しているが、それがおさまった時に真上を見上げる
妙な感覚、特殊な力で“マガゼットン”の復活を予感した
仮面の男「マガゼットン、予定通りだな」
葵「きやがった……ッ!」
仮面の男「起きろ“この地球の怪獣たち”よ!」
―――【特異課鹿児島基地:作戦室】
モニターを見ていた慕が驚愕に表情を浮かべる
すかさずキーボードを叩いてモニターに映像を表示させる
共にいた熊倉トシが眉をひそめた
トシ「わかってはいたけど、マガゼットンの影響か……」
慕「怪獣が各地に出現しました。けどこれっ」
トシ「ああ……“元々この地球で眠っていた怪獣”だろう?」
慕「そんな、聞いてません!」
トシ「ほんとはまだまだ眠っていたはずのやつらだ」
そう言うトシが、各地で目覚めた地球怪獣たちを見据える
慕「っウルトラマン出現、メビウスとダイナ、他の怪獣たちのところにも!」
トシ「とりあえず自分たちのとこは自分たちでやってもらうしかないね」
慕「?」
トシ「援護ってわけにもいかない。とりあえず通信できる子たちは回収を急ぎ」
慕「りょ、了解です!」
トシ(頼んだ京ちゃん、花田……それにたぶん、動き出したね。奴も)
―――【鹿児島:街中】
ぶつかりあうスカルゴモラとマガゼットン
殴り合いの打撃勝負となっているが、流石に魔王獣、マガゼットンの方が優位に見える
避難する人々、霞もその中にいた
霞「赤土さん! どこに……!」
避難しろとだけ言って去ってしまった晴絵を探しながら基地の方へと走って行く
そしてそんな霞とすれ違うように怪獣の方へと走って行く影
それは―――西田順子だった
順子「でたあの怪獣、とうとう見つけた! やっぱりなんか法則があるはず!」
大介「ちょっとあぶないですって!」
順子「絶対なにかあるはず! 特異課が隠してるなんかを見つけるチャンスなのよ!?」
大介「命あってのもんでしょうに!」
順子「ちょい! はなっ、はなしなさいよぉ!」
大介「逃げますよ!」
順子「あ~すくーぷー!」
―――【???】
ネクサスが腕を真上に上げた
光線が真上に上ると拡散、同時にドーム状に形作られていく
ハッとする葵が胸に手を当てる
ネクサス「!」
そしてフィールドが変わる―――フェイズシフトウェーブにより転移
戦闘用不連続時空間メタフィールドを展開し周囲に被害が及ばない場所へと、戦場を切り替える
その場にいるのはネクサスとダークメフィスト、そして葵
前に葵が形成したダークフィールドGと同じような空間
ネクサス「!」
ダークメフィスト「!」
だがダークメフィストが腕を上げると、その“メタフィールド”がダークフィールドGと同じ姿に変えられてしまう
それは闇の力が、ダークメフィストが戦いやすい空間
ネクサスはパワーダウンを感じるようで少しばかり怯む
葵「あのダークメフィスト、パワーが!」
晴絵「よ」
葵「っ」
隣に現れるのはジャグラス ジャグラーの姿をした赤土晴絵
日本刀を肩にかついでいる
葵「……手も貸せないでっ」
晴絵「まぁ本来の役目じゃないし良いんじゃないの」
葵「本来とか関係ないでしょっ」
晴絵「違いないね。私も、私の生徒が守れればなんでも良いってだけだし」ハッ
そして、駆けだしたネクサスとダークメフィストがぶつかりあう
―――【鹿児島:街中】
京太郎『インフェルノ・マグマ!』
スカルゴモラの口から放たれた火球
だがマガゼットンが消えるとスカルゴモラの背後に現れる
火球はマガゼットンがいた場所を素通り、背後に現れたマガゼットンはスカルゴモラの背後から拳を打ち込む
京太郎『がっ!?』
吹き飛んだスカルゴモラが地上に転がる
即座に起き上がるも、今度はマガゼットンが火球を放つ
それを受け止めるものの、先ほどまでとは比にならない威力にそれを受け止めたまま後ろに下がっていきビルにぶつかる
京太郎『っ!?』
スカルゴモラ「―――!」
火球は凌いだものの、ダメージに顔をしかめる
マガゼットンは強力だしこの感じからしてスカルゴモラで勝てる相手でもない
京太郎『ならッ!』
黒く輝くスカルゴモラ
『Galactron. King-Joe. Belial. 』
『 King Galactron. 』
現れるのはベリアル融合獣、キングギャラクトロン
開幕、ペダニウムハードランチャーを放つも、マガゼットンはシールドを展開してそれを防御
だが爆煙でその視界は曇る
マガゼットン「……」ピピピピ
京太郎『もらったぁ!』
爆煙の中、接近したキングギャラクトロンがマガゼットンとの間に魔法陣を展開
引き絞った左腕を下からすくいあげるように振るう
魔法陣を通して、その左腕の連打がマガゼットンに直撃する
京太郎『ペダニウムパンチング!』
マガゼットン「―――」
拳の連打を受けて吹き飛んだマガゼットンが地上に倒れる
さらにペダニウムハードランチャーを構えた、その瞬間―――火球が背中に直撃する
京太郎『がっ!? な、にっ!?』
そちらに顔を向ければそこには―――パンドンがいた
性格には左手と右足が機械になった改造パンドン
そしてその傍のビルの屋上に立つ“仮面の男”
京太郎『誰だっ!』
仮面の男「須賀京太郎、マガゼットンはいましばらく怪獣を出現させる役目がある。邪魔をしてくれるな」
京太郎『勝手なことをっ……!』
互いに聞こえない距離のはず、だが会話が成立する
不思議な力だがおそらくそれも仮面の男の力なのだろう
体勢を整えたキングギャラクトロンが、ペダニウムハードランチャーを改造パンドンの方に向け、放つ
京太郎『チャージできなかろうと!』
仮面の男「無駄だ」
だがその一撃が改造パンドンを貫くことはない
改造パントンの前に現れたマガゼットンがシールドでそれを凌いだ
顔をしかめた京太郎、だがすぐに両足を地につけて、シールドが消えるより速くその砲口にエネルギーを集めていく
京太郎『こいつで!』
仮面の男「……チャージなどさせるものか」
その声と共に、マガゼットンが押しのけられ改造パンドンが火球を放つ
完全な直撃コース
京太郎『くそがッ!』
だがその瞬間―――なにかがキングギャラクトロンの前に現れた
京太郎『!?』
そのなにかが、火球を弾く
上空へと飛んでいく火球
キングギャラクトロンの前に現れたそれは―――立ち上がった
京太郎『ウルトラマン……!』
ウルトラマン―――ネクサスがキングギャラクトロンの前に立った
仮面の男「ダークメフィストは、まだパワーを出し切れていないか……」
ネクサスがマガゼットンと改造パンドンを前に構えを取る
煌『ベリアルさんですね。ネクサスの力を借りている者です』
京太郎(花田さん!)
煌『こちらも少し手こずってしまいまして』
そうは言うものの、倒し切れてはいない
途中でダークメフィストには逃げられてしまっている
だからこそ、余力を残したままこれたのだが……
仮面の男「些細な変更か、まぁ良い……」
改造パンドンと組み合うネクサス
そしてマガゼットンへと射撃を行うキングギャラクトロン
仮面の男が、金色のメダルを握る
『Absolute Tartarus』
現れる金色のゲート、次元の扉
仮面の男「光の巨人……宇宙の調停者、そして守護神たる存在」
京太郎『お前は一体……!』
仮面の男「彼らは超絶的な破壊力と深い慈悲の心を併せ持ち、悠久の時を生きている……まさに神を具現化した存在と言えよう」
京太郎『ウルトラマンはっ』
仮面の男「私は宇宙の調停者となる」
そして、次元の扉の中へと消える
京太郎『くそっ!』
煌『須賀君ですか!?』
京太郎『今更っすか、ともかく……やるぞ!』
煌『ッ……了解!』
赤い改造パンドンに相対するネクサス
光弾を放つも、改造パンドンはそれを受けても多少怯む程度
接近した改造パンドンが鉤爪になった左手を振るうも、ネクサスは転がってそれを回避
煌『これが絆で受け継がれた光です!』
立ち上がったネクサスが片腕を振るう
それと共にその姿が―――青いジュネッスブルーへと変わった
煌『姫子、この姿を借りる!』
◆BGM:青い果実【http://www.youtube.com/watch?v=P020SANNcGs】
ネクサスが腕を上げると再び、フェーズシフトウェーブが放たれる
それは改造パンドンと、マガゼットンとキングギャラクトロンを包んで怪獣たちを異空間、メタフィールドへと飛ばした
ダークフィールドGと違うその空間に驚愕する京太郎だが、次に飛んできた火球を避けてすぐに意識を切り替える
煌『須賀君、そっちは任せます!』
京太郎『任された!』
各々と戦いが始まる
今回はここまでー
だいぶ話が動いた感じっす
まぁまだ不明なことも一杯だけどもー
そんじゃまたー
ちょっちやってきますー
ネクサス関係は話結構進んでるというかなんというかって感じでー
ネクサスが素早く改造パンドンに走って行く
放たれる火球を、体操選手のように軽い身のこなしで回避していき、接近し回し蹴りを放つ
煌『まだ!』
それを改造された右手でガードする改造パンドンだが、メビウスは蹴りを放った方とは逆の足で改造パンドンを蹴り腕を上げさせる
ネクサス「タアッ!」
空中でパンドンから離れつつ、右腕に装備されたアームドネクサスから光弾を放つ
それを受けて改造パンドンが再び怯むも、すぐに火球を放ち反撃
ネクサスは同じくアームドネクサスから出現させた光剣でその火球を斬り裂いた
煌『強い……!』
だがそれでも、負けるわけにはいかないのだ
煌『まだまだ!』
キングギャラクトロンが目部分からレーザーを放つ
マガゼットンはそれを輝くバリアで防御すると、火球を放つ
魔法陣を展開して、防御するキングギャラクトロン
京太郎『こいつ、いつまでも……!』
バリアを張られるよりも速く、低出力でハードペダニウムランチャーを放つ
マガゼットン「!」
その一撃は、直撃
威力を絞ったというのもあってか、ひるみ確かなダメージになるも致命傷にはならない
そもそも、ハードペダニウムランチャーならば必殺で撃たなくては意味がなかった
京太郎『ともなれば仕方ないかッ!』
やるべきことは一つ、バカの一つ覚えと言われればそこまでだが……
京太郎『今の俺の、最強の力で!』
―――記憶の中、魔王獣を探る
魔王獣とは火・水・風・土・光・闇の六つの属性を持つ怪獣たち
災害を引き起こすまさに魔王というにふさわしき獣
ベリアルから引き継いだ断片的な記憶
京太郎『マガゼットン、光ノ魔王獣……!』
だが、それを思い出したとてやることは一つ
京太郎『光を塗りつぶす漆黒の闇でェ!』
―――【インナースペース】
タイラントメダルを握りしめ、赤き瞳を輝かせる
周囲の雷の勢いが増す、闇の濃さもだ
体が悲鳴をあげる感覚、そのダメージが最後に跳ねあがることも理解していた
京太郎「古代怪獣! 暴君怪獣! ベリアルさん!」
メダル三枚をセットしブレードを可動させる
激しい雷、その輝きと共に京太郎の姿にベリアルがかぶった
『Gomora. Tyrant. Belial.』
京太郎「これでオーラスだ!」
ゼットライザーを真上へと掲げ、トリガーを引く
京太郎「ベリアァルッ!」
『Strong Gomorant』
―――【メタフィールド】
現れたストロング・ゴモラントが雄叫びを上げる
マガゼットンが放った炎を腹部から吸収――――そして放出
京太郎『自分の炎をくらえ!』
マガゼットン「!」
頭部を光らせながら、バリアを張る
だが自らのバリアより攻撃の方が上だったのか、バリアが砕けてその直撃を受ける
吹き飛んで倒れるマガゼットン
京太郎『よーやくちゃんとしてやった感でたな!』
マガゼットン「!」
逆戻しするように起き上がったマガゼットンが、消える
ハッとするが、わかりきったことだ
他の形態ならわからないが、ストロング・ゴモラントの火力ならば可能なことがある
京太郎『後ろだろ!』
バラバラバテールを振るいながら振り返ると、背後にテレポートしていたマガゼットンはその一撃を受け止めて見せた
だが、完全にダメージを消すことができなかったのか受け止めつつも後ろに下がる
京太郎『マガバッサー、マガジャッパ、マガパンドン……次はお前だァ!』
バラバラバテールを受け止めたマガゼットンに対して、ストロング・タイラントが咆哮を上げる
そして京太郎は一枚のメダルをゼットライザーに入れて使う
京太郎『グロッケンさん!』
『Glocken』
京太郎『グローザコールドバスター!』
ストロング・タイラントの口から放たれた冷凍ビーム
その蒼き一撃がマガゼットンへと直撃、並の怪獣であれば貫かれるほどの攻撃だが、さすがに魔王獣
マガゼットン「―――!」
京太郎『わかってんだよ、んなことォ!』
だが確実に、ダメージによって弱ってきている
ならばと、バラバラバテールを振るう
吹き飛んだマガゼットンが―――改造パンドンにぶつかる
京太郎『煌ェ!』
煌『すばらです!』
倒れているマガゼットンと改造パンドンが、同時に起き上がる
そして、空中でその二体を見据えるネクサス
右腕を真っ直ぐに伸ばし、左腕をまげて添える
煌『姫子の技で……!』
アームドネクサスから光剣を出したまま、その左右からさらに光が新たな姿を形作る
それは弓のようで、添えた左手を手前に引くとそのまま光剣動く
動こうとするマガゼットンと改造パンドンだが、直後その二体に対して超重力が襲い掛かる
京太郎『動くなよ!』
ストロング・ゴモラントの赤き角が輝いていた
そして上空のネクサスの右手がひときわ輝く
煌『オーバーアローレイ・シュトローム!』
そして、放たれた一撃
マガゼットンがどうにか動きだし、バリアを張った
オーバーレイ・アローシュートが改造パンドンを貫き、さらにマガゼットンを貫こうとする
だが―――
煌『耐えて見せる……!!?』
京太郎『ッ!』
改造パンドンが爆散―――爆煙の中、バリアを解くマガゼットン
京太郎『終わりじゃねぇぞ!』
爆煙の一部が晴れ、なにかがマガゼットンの目の前に何かが現れる
京太郎『これでオーラスだァ!』
『Arstron. Bemular. Belial』
京太郎『ベェリアァル!』
『Burning Bemustra』
それは―――バーニング ベムストラ
咆哮をあげて口部から放つ一撃
京太郎『ペイルサイクロォン!』
ほぼゼロ距離で放たれた一撃が、マガゼットンを上空へと吹き飛ばす
必殺技の連続に、マガゼットンはボロボロだ
しかし―――倒すに至っていない
京太郎『だから! 連続和了って奴だァ!』
『Gomora. Tyrant. Belial.』
京太郎『ベリアァルッ!』
『Strong Gomorant』
暗い光が上空へと飛び上がると、それはストロング・ゴモラントへと変わった
口に獄炎が集まって行く
さらに京太郎は新たなメダルを握りしめる
京太郎『極悪のヴィラニアスさん!』
『Villanias』
ベリアル配下のダークネスファイブが一人、テンペラー星人“極悪のヴィラニアス”のメダルの力
そしてかつてはヴィラニアスとタイラントのコンビは無二のコンビネーションを誇っていた
赤き瞳のタイラントとテンペラー星人、極悪宇宙人と暴君怪獣
京太郎『極暴タッグの力、お借りします!』
ストロング・ゴモラントの口の炎に、新たな光が宿る
京太郎『必殺のォ!』
マガゼットンがバリアを張るがそれは中途半端で、この一撃で十分貫くことができるであろう
胸のカラータイマーが激しく点滅している
京太郎『必勝大火炎、ハイパーデスファイヤーァッ!!』
放たれた紫色の光が混じった獄炎が、バリアを貫きマガゼットンへと―――直撃した
―――【鹿児島:神社】
市内、マガゼットンが現れた神社
マガゼットンが現れた影響で本殿も半壊、さらに地上もクレーターができている
だがそんな中、破損していない石畳の上に倒れている少女が一人
京太郎「っ……神代、小蒔」
神代小蒔が、そこにいた
現れた京太郎は、ボロボロである
服こそ破損していないものの、体中から血が流れているし、両目からも血が流れていたようだった
京太郎「ッ……」
近づいて、横に膝をつく
体中を労りながら、そっと上着を脱いで小蒔の後頭部に敷いた
荒く呼吸をしながら、ワイシャツの袖で目元や鼻、口の血を拭う
京太郎「こういう感じじゃぁないだろぉ……」
つぶやきながら、傍に落ちている三枚のメダルを拾う
それは―――
京太郎「マガゼットンじゃ、ない」
―――ゼットンメダル
通常のゼットンと、漆黒のメダル、そして何も描かれていないメダルだ
なんのメダルかはわからないが、漆黒のメダルからは嫌な感覚がする
京太郎「なっ」
突如、何も描かれていないメダルに映し出されるマガゼットン
京太郎「そうか、ゼットンメダルと黒いメダルで、マガゼットンを出現させて……マガゼットンメダルを手に入れるため、に」
つまり漆黒のメダルは
京太郎「魔王獣?」
????「大魔王獣だ」
京太郎「ッ!」
突如の衝撃に、後ろに数メートル吹き飛ぶ
転がった京太郎が痛みをおして即座に起き上がる
手に握られているメダルは、一枚だけだった
京太郎「お前っ!」
仮面の男「マガゼットンメダル、生まれたか……」
京太郎「やっぱ……!」
小蒔の傍にたつ仮面の男の手には、漆黒のメダルとマガゼットンメダル
残ったゼットンメダルを握りながら、京太郎はしっかりと立ち上がる
手に持つのはガッツハイパー
仮面の男「無理をするな。そもそもウルトラマンのなりそこないが扱える力ではない」
京太郎「ベリアルさんに感謝だよ……」
仮面の男「父親が残したメダルか」
京太郎「ッ、親父のことっ!」
その言葉に、応えるでもなく仮面の男はなにかを察したのかまた金色のゲートに消える
首をかしげる京太郎が、膝から崩れ落ちた
さすがに限界なのだろう
朦朧とする意識、もやのかかる視界の先、神代小蒔が見える
「須賀君!」
京太郎「あぁ~?」
声が聞こえた
誰の声かはわからないが、聞きなれた声ではない
なにはともあれが
京太郎「世界全快、おーるおっけー」
「どこが!?」
そして、真っ暗な闇に意識を落とした
とりま今回はここまでー
次回は明後日ぐらいになるかもー
話進んできたー
ごめんなさいー
今日はお休みでー
申し訳程度に安価おいとくー
◆どうする?
1、長野に帰る
2、鹿児島に残る
◇1↓から5↓まででコンマが一番高い方の選択肢を採用
久しぶりにやってくっすー
コロナにかかっておったよ、死ぬかと思た
京ちゃん大ピンチからのー
2、鹿児島に残る
―――【???】
いつだったかの記憶
父も母もまだ家をそれほど空けていなかった頃だ
テレビの前で座っている幼い京太郎―――を見ている今の京太郎
京太郎「ここ……」
確かな家、そして父と母も笑っている
父に何かを話す自分、そして父は笑って頷いていた
京太郎「なんで今更……」
溜息をついて頭を掻く
その瞬間、景色が止まり―――暗い穴に沈んでいく
浮遊感に戸惑いながらも、京太郎は抵抗はしない
所詮、泡沫の夢だ
次に眼を覚ませば、天井
そのままじっとしているものの、すぐに起き上がる
痛みに顔をしかめて上体だけを起こすと、左腕につながった点滴が気になった
京太郎「そんな重傷だった?」
「ええ、とても」
京太郎「あれ、花田さん……」
煌「……須賀君も、色々あったようですね」
その言葉に、顔をしかめて笑う
あまり深くは言葉にできないし、彼女もそれを察してかそれ以上はなにも言わない
煌「とりあえず起きたことを報告してきますね」
それだけ言って立ち上がり医務室を出ていく煌
近くにあった端末を取って開く
メッセージなども来ていたようだがそれらを一旦無視して、日付を確認
京太郎「……一日は眠ってなかったみたいだな」
せいぜい16時間程度
日は跨いだが、大した問題ではなさそうだ
しかしまぁ……
京太郎「もうちょっとここかな」
―――1時間後【医務室】
精密検査などをしてから京太郎は霞などから小言をもらっていた
まぁ無茶をしたのは確かだ、初美と春にも心配をかけたとは思う
もちろん煌や慕にも……
煌「ところで須賀君」
京太郎「はい?」
いま、ベッドにて上体を起こしている京太郎
そのベッド横で座っている煌
医務室には二人だけだ
煌「黒髪の女性、御存知じゃないですか?」
京太郎「一杯いますけど」
煌「うーん、前髪が長い……」
京太郎「まだ範囲が広いっす」
煌「う~ん……」
京太郎「……どういう人でした?」
煌「助けてくれたんですけど、どこかずっとしんどそうというか……獣みたいな雰囲気でした。でパワーも」
ふと、頭によぎる相手が一人
京太郎「宇夫方さんか、赤土さんもいたしあの二人関係が?」
煌「知っていましたか、あの方は?」
京太郎「全然わかんないっす。神出鬼没だし、そろそろまとまりたいとこなんっすけどね」
煌「妙な感覚なんですよ。あの人」
京太郎「……特別に?」
煌「はい、すばらな感覚ではないように感じますが……」
そう言って取り出すのはエボルトラスター
煌「それでも私は―――絆でつないだ光で、戦うのみです」
京太郎(知ってはいたけど、光の人だなぁ)フッ
第27話【獣-Beast-】 END
―――次回予告
トシ:本格的に作るよ
京太郎:なにを?
トシ:戦闘機!
煌:私が戦うべきは!
晴絵:じゃじゃーん!
葵:殺す!
京太郎:戒能良子!
良子:ウジュイカ、レエガミヨ……
次回【亡霊-GHOST-】
煌:諦めるな!
―――【特異課鹿児島支部:作戦室】
あれから4日ほどが経った
怪我も治り、小蒔も起きた
京太郎(にしても、だ)
チラリと視線を動かす
初美、春、小蒔、霞が並んでいる
京太郎(基本 デ カ い ! )
心の中で強く頷く
椅子に座ったまま、京太郎はトシと慕の話に耳を傾ける
トシ「あれから四日なわけだけど、各地での怪獣被害が後を引いてるね……まぁ同時多発だったから当然だけど」
煌「ウルトラマンも手が回らなかったわけですか」
トシ「そういうこと、ティガ、ダイナ、ガイア、アグル、メビウス……それにコスモスとマックスも戦ってくれたようだけどどうにもね」
京太郎(にしてもコスモスとマックス、知らなかったウルトラマンだな……)
マガゼットンの出現の影響で蘇った“この地球の怪獣たち”の討伐
とりあえずはその日の内に倒すことはできたようだが……
トシ「まぁ結果、防衛費ってものがね……ついでにこっちにも恩恵が」
京太郎「へぇ……」
トシ「昔どっかの研究者が言ってたんだけどね、怪獣と宇宙からの脅威については」
煌「笑い話に、されたわけですか」
トシ「まぁそれは置いといて……本格的に作るよ」
京太郎「なにを?」
トシ「戦闘機!」
京太郎(正気か?)
慕「正気ですか?」
トシ「もちろん」
小蒔「カッコいいと思います!」
京太郎(まじかぁ)
とりあえず今回はここまでー
まだ全快じゃないらしいっすわー
ちょくちょく新情報出しつつー
そんじゃまたー
◆安価!
1、阿知賀(キャラ名を指定で)
2、臨海(キャラ名を指定で)
3、福路美穂子
4、瑞原はやり
5、東横桃子
6、竹井久
7、清水谷竜華
8、江口セーラ
9、愛宕洋榎
10、臼沢塞
11、小瀬川白望
12、鹿倉胡桃
13、姉帯豊音
14、宮永照
15、亦野誠子
16、弘世菫
17、石戸霞
18、薄墨初美
19、滝見春
20、神代小蒔
21、花田煌
22、白築慕
◇1↓から5↓まででコンマが一番高い上位二つを採用
ちょっちやってくー
これいつ全快になるんやろか
3、福路美穂子
17、石戸霞
―――【特異科鹿児島基地:休憩所】
何の気なしそこに立ち寄り、何の気なしにコーヒーをすする
ただ普通に、日常的にそうしていた
視界の端に―――“自分が映る”までは
京太郎「ッ!」
立ち上がったガッツハイパーを構える
誰もいないその場で、ただ自分だけがいた
京太郎?「おいおい、そろそろ見慣れてほしいもんだな」
京太郎「見飽きてるんだよ……」
そう良いながらトリガーに指をかけるも、止まる
京太郎(いつもみたいに実体がないのだとしたら……)
いつだって攻撃は奴をすりぬける
いつだって奴はふと消える
京太郎(ならばこいつ……)
京太郎?「あれ、気づきかけてるか?」
京太郎「……お前、まさか」
京太郎?「言ってるだろ。俺はお前だよ」
そうとだけ言うと―――水色にぼやけて消えた
京太郎「……」
ガッツハイパーをしまうと、息をついて座りなおす
京太郎「そろそろガチでなんとかしないとな」
?「どうしたの?」
京太郎「っ……霞さん」
霞「ええ」ニコリ
向かいに座る霞は、手に温かい緑茶を持っていた
それを両手で持ち暖を取りながら京太郎に笑いかけつつ、霞は窓から外を見つつ口を開く
霞「姫様が戻ってきて……京太郎くんが取り戻してくれて、かな」
京太郎「俺は大したことできちゃないですよ」
霞「いいえ、大けがしながらとりもどしてくれたじゃない」クスッ
自分がベリアルだということはバレていないはずだ。おそらく……
状況が状況だしバレてもおかしくはないし、別にそこまで隠しておかなければならない事情だとも思っていない
しかし、やはりバレないほうが良いこともある
京太郎「怪我してただけっすよ」
霞「見ず知らずの人のために……?」
京太郎「見ず知らずってことないっすよ。うちの優希が世話になったし、永水の方たちには」
霞「大事な仲間、なのね」
京太郎「みなさんと一緒、っていうと厚かましいか……隣に立ててない人間が言うことじゃぁないか」
笑ってコーヒーを一口
霞「麻雀、強いのに?」
京太郎「今強くたってですよ。やっぱりみんなの隣で戦ったって胸張って言いたいんっすよ」
霞「案外気にしてるの京太郎くんだけだったりしない?」
京太郎「……たぶんそうです」フッ
霞「なら」
京太郎「あ~霞さん相手だとべらべら話してしまう……」
霞「信頼されてるってことかしら」フフッ
京太郎(年齢らしからぬ抱擁感のせいとは、言いづらいな)
背中を伸ばすと、骨が鳴る
京太郎「あ~、今日はどうするんっすか霞さんたち?」
霞「そうね。特にこれといって……」
小蒔の方は、父も行方不明ということもあり忙しくしている
霞、春、初美はそれぞれ小蒔をサポートしているようでもあるが……
霞「今日は小蒔ちゃんも落ち着いてられるようだし」
京太郎「ん、それじゃ小蒔さんたちといる感じっすか?」
霞「京太郎くんは?」
京太郎「俺は……まぁいつも通り雀荘めぐりっすかね」
動いている人物ということもあれば煌や晴絵あたりと合流することもできる
霞「それじゃあ、私も行こうかしら」
京太郎「俺とっすか?」
霞「ええ……デートね」クスッ
京太郎「う、うっす……」
素直に照れてしまう
霞「……ひ、否定してもいいのよ」カァッ
京太郎(自爆してるのかわいいな)
少しばかり照れくさそうにする霞に、京太郎は頬を緩ませた
京太郎「それじゃいきますか、デート」
霞「も、もぉ、からかわないでっ」マッカ
京太郎(かわいいやんけ……)
霞と二人で出かけることとなり、昔ならば小躍りもしたこの状況
京太郎は一人でロビーのベンチに腰かけていた
霞を待っているのだが、色々とあるのだろう……
京太郎(変わったのは状況か、俺か……)
ふと、腕時計型端末を開いて通信履歴を探る
京太郎「履歴も結構多いけど……」
何人かには怒られている
理由はもちろん無茶して怪我したことにあるのだが……
京太郎「あ、美穂子さん」
ふと、通信をかけてみた
数十秒ほどの待機音の後、繋がる
京太郎「あ、美穂子さん」
美穂子『京太郎から連絡くれるなんて、珍しいこともあるのね』クスッ
京太郎「そういわれると音信不通のひどい奴じゃないっすか」フッ
美穂子『みんなに心配かけるのが良い子なのかしら?』
京太郎「う゛っ……」メソラシ
美穂子『ふふっ、冗談……』
そう言って笑う美穂子に、妙な違和感を抱いた
京太郎「なんか、ありました?」
美穂子『……ううん、平気』フッ
どこか儚げに笑う少女を前に、京太郎は眉をひそませた
絶対に、確定で、なにかはあるのだろう
京太郎「なにかあったら周り、頼るんっすよ?」
美穂子『京太郎に言われると思わなかった』クスッ
京太郎「俺は頼りますよ。なんでも……」
美穂子『そう思ってるの京太郎だけよ?』ジト
そんなはずはない。つもりだ
京太郎「ま、まぁまぁ、そっちには部長だって池田さんだっているでしょ?」
美穂子『……うん、みんな良くしてくれる』
京太郎「?」
今どこか、美穂子の表情が曇った気もした
京太郎「……行きますから、近々」
美穂子『いいのよ、京太郎忙しいの知ってるから』
京太郎「そうでもないっすよ。だからいきます」
美穂子『……そっか、うん』
その言葉をかみしめるように、笑みを浮かべた
美穂子『待ってる……』
京太郎「はい」フッ
美穂子『あのね。そうしたら、帰ってきたら……』
京太郎「?」
美穂子『ぎゅ~って、してね』カァッ
京太郎「っ……ど、努力します」
京太郎(ぐおぉ! 好きにされる! 好きになってしまう!)
美穂子『なにそれ』クスッ
京太郎「色々あるんっすよ、男には」
照れくさそうに頭を掻いて、京太郎はぼやいた
美穂子との通信を切ってから、京太郎は背を伸ばす
そうして腕を伸ばしたその先で―――なにか柔らかなものにあたった
京太郎「へ?」
ふと腕をおろして、後ろを振り返る
そこには―――
霞「っ……」マッカ
京太郎「……すみませんっした」
つぶやくような謝罪だけが、口からこぼれた
赤い顔のまま、霞が咳払いをして頭を振るい、深呼吸
霞「お、お待たせ」フフッ
京太郎(なかったことにした。こっちにしちゃありがたいけど……やらかかったぁ、弾力えぐい)
霞「ど、どうして黙ってるの!?」ワタワタ
京太郎「ああいえ、すみません」
霞「だ、大丈夫、だからっ……」
真っ赤な顔で視線を泳がす霞を見ていると、妙な感情が生まれそうにもなるがそれを封印
京太郎「それじゃ、行きます?」
霞「う、うんっ」コクリ
街中を歩く二人
結局、やることはいつもと変わらぬ探訪だ
それが一番成果も出るし、それがなによりも精神衛生上にも良い
霞「そういえば、さっきの通信は……その、恋人?」
京太郎「っげほ! ごほっ!」
動揺に、むせる
霞「図星?」
京太郎「ち、違いますよ。俺みたいなのがあんな人……」
霞「……京太郎くんがそこまで言う人なんだ」クスッ
京太郎「いやいや、俺の周りには俺にはもったいないような人ばっかだから」
そう言いながら顔をしかめる
美穂子が恋人……かつては憧れもした相手ではある
原村和だってそうだ
京太郎「まぶしすぎて目がくらみますよ」
霞「相手が京太郎くんの隣を選んでも、同じこと言うの?」
京太郎「まさか、俺みたいなの好きになる人なんて……」
そういう京太郎は、嘘偽りない本心を話しているようだった
実際にそうなのだが、霞にとって彼はそこまで自分を卑下する理由がわからない
霞「……なんだか大変そう」
京太郎「へ、なにがっすか?」
霞「京太郎くんを好きになる子」
京太郎「……いればっすよ」
霞「案外いるかも」
京太郎「まさか……」
霞「私は、かっこいいと思うわよ。見た目、も含めて……見ている限り」フフッ
京太郎「へ?」
霞「……」
すぐに大胆なことを言ったと気づいたのか、霞の顔が茹蛸のごとく赤くなった
それからしばらく歩き、雀荘めぐりもした
やはり霞と打っているという事実に、ほんのりとした昂揚感を抱きながらも京太郎は店を出ると続いて霞も出る
昼過ぎということもあり冬場と言えども日差しに温かさを感じた
京太郎「ふぅ……寒くないっすか?」
霞「ええ、ありがとう」コクリ
スーツのネクタイをゆるめて顔をしかめた
サングラスの奥の瞳を細めて周囲を確認
京太郎(妙な感覚……)
霞「少しコンビニ、寄ってくるわね?」
京太郎「うっす」コクリ
近くのコンビニへと向かうと霞はそのまま店内へ
京太郎はコンビニに入ることなくその前で待つ―――つもりだった
そう、異様な気配を感じるまでは
京太郎「ッ!」キュピンッ
禍々しい力を感じて、ケータイを取り出し霞に一言を送ってから走り出す
京太郎(覚えがある……これは!)
―――【公園】
走って勢いのまま腰ほどまである柵を飛び越えて、敷地内に入った
人気がやけに少ないその地で、スライディングするように止まる京太郎
そこには―――
京太郎「煌さんッ!」
煌「須賀くん!」
花田煌が立っており、さらに数人の影
晴絵「あ~あ」
葵「須賀っ……!」
京太郎「晴絵さんに葵さん、それに……!」
視線の先には、野依理沙
京太郎「戒能良子!」
滝見春の従姉妹、神代の関係者である女性
明らかに雰囲気が違うし禍々しい感覚は、怪獣メダルのものだ
もちろん、それだけではないが……
京太郎「デビルスプリンター……ベリアルさんの破片かっ!」
理沙「……」
良子「ベリアルの縁者……いいや、元器か」
京太郎「ご説明どうも」
ガッツハイパーを抜いて銃口を理沙と良子の方へと向ける
煌も手に謎の銃、ブラストショットを持っていた
晴絵と葵はなにも持っていない
良子「ダークザギ、本能に抗うか?」
葵「うるっさいんだよ。いちいちと!」
戒能良子が不敵に笑うと、葵は顔をしかめて吠える
葵「ノアをつぶせって、今はんなことやってる場合じゃないのに!」
晴絵「面倒なメダル持ってるからに」
葵「お互いさまでしょっ」
京太郎「晴絵さんも?」
晴絵「ほらぁ、余計なこと言うから」
葵「遅かれ早かれだよ」
そういう葵に肩をすくめる晴絵
煌はどこか焦っているようにも見えるが、京太郎は静かに息をつく
やるべきことは理沙と良子の制圧
京太郎「……」カチッ
迷わず引き金を引くと、放たれたスタン弾は理沙の持つダークエボルバーで弾かれる
良子「迷わず引くか、やはり光の戦士の戦い方ではないな」フッ
晴絵「光の戦士の戦い方とか腹立つから言わないでくれる?」
良子「……」
晴絵の言葉に、一瞥するのみで戒能良子は反論するでもない
良子「良いのか花田煌、いやノア……ダークザギを放っておいて」
京太郎(ダークザギ、葵さんだよな。放っておいて良いのかってどういう……?)
煌「もちろん貴方たちです。私が戦うべきは!」
良子「つまらん役者だな、所詮は光の戦士か―――そのあり方は人でありながらウルトラマンに近い」
瞬間、煌の背後になにかが接近する
京太郎が銃口をそちらに向けようともするが……
京太郎?「よぉ」
京太郎「ッ!」
目の前に現れた“京太郎”によりタイミングを失う
京太郎「てめっ」
視線の先、煌の背後から現れた仮面の男
それが手を煌の背中へと向けている
彼女も気づいたが、間に合うわけもない
煌「ッ!」
晴絵「!」
だがその瞬間、晴絵が黒い影となり、仮面の男を弾き飛ばす
弾かれた仮面の男が数メートル下がって着地
そして煌の背後には晴絵―――否、ジャグラス ジャグラー
京太郎「晴絵!?」
晴絵「じゃじゃーん、今明かされる衝撃の真実~」
そう言いながら、夢幻魔人ジャグラス ジャグラー魔人態こと赤土晴絵は人の状態に戻る
刀を肩にかつぎながら、その切っ先は仮面の男へと向けた
軽口をたたきながらも、その瞳は真っ直ぐに仮面の男を捉える
仮面の男「時空を操作するノアの力も手に入れるつもりだったが……欲をかいたな」
葵「殺すッ!」バッ
仮面の男へと飛び出した葵だが、その手の先の仮面の男は“ビームサーベルのようなもの”を取り出し葵を弾く
その攻撃を受け流す男もだが、相殺されるような葵も葵だ
怪我はなさそうだが、その瞳は鋭い
仮面の男「ダークザギの力か、厄介だな」
葵「ノアは私が潰す!」
仮面の男「……」
『Absolute Tartarus』
金色のゲートが現れると、男はその中へと消えていく
京太郎「逃げるな! お前一体!」
京太郎?「わからないか?」
京太郎「知るかよっ」
消えた仮面の男、葵と煌と晴絵は良子たちの方へと向き直る
一方の京太郎は自分自身と相対していた
だが、どこかおかしい……
京太郎(この違和感の正体は……!)
葵「須賀はさっきから余計なもの見えてる!」
京太郎「!」
その言葉にハッとする
そもそも“自分自身”が見えるようになったのはいつか、初めて見たのは東京での夜
敵は魔頭鬼十郎、そして―――
京太郎「腕、こいつか!」
腕時計型端末を外して投げると、晴絵が刀を振るう
バラバラになった端末から落ちる黒い影―――
京太郎「!」
それは小さな肉片のようで、それがガンQと同じような笑い声と共に消えた
京太郎?「お前は俺、俺はお前だよ!」
青白い光となって、偽の京太郎は離れた場所で巨大に変わる
それは―――怪獣
巨大異形獣 サタンビゾー
京太郎「根源的破滅招来体……」
晴絵「精神生命体か、どぉりで」
京太郎「終わらす……!」
第28話【亡霊-GHOST-】
良子「こちらもだ……」
理沙「……」
野依理沙がダークエボルバーを両手で持ち、引く
それと共に、上空に現れたのは―――ダークメフィスト
京太郎と煌が隣に立つ
煌「お互い、妙な因縁のようですね」
京太郎「まぁそれもここで断ち切りますよ……!」
煌「そうですね。決して断ち切れない絆の力で!」
エボルトラスターを鞘から引き抜き、振りかぶってから真上へと上げる
京太郎はゼットライザーのトリガーを引きゲートへと消えた
残された葵と晴絵の二人
晴絵「どうする?」
葵「こっちのセリフだけど、ね……」
正体がばれたというのに、晴絵はどこか楽しそうに笑っている
晴絵「さて、厄介なことになりそうだなぁ……とりあえずアブソリュートタルタロスメダル、没収しちゃわないと」
葵「できたら苦労しないでしょ、あたしたちの―――変身も」
―――【インナースペース】
京太郎が、左手にゼットライザー、右手にカードを持ち素早くアクセスカードを挿入
『 kyotaro Access Granted. 』
京太郎「新しい手でいくぜ……!」
手に持ったのは三つのメダル
ベリアルメダル、ベムスターメダル、そして―――ゼットンメダル
京太郎「小蒔さん……!」
前回回収したゼットンメダルを、握りしめる
タイラントの時ほどではないにしろ、強い力を感じた
京太郎「面子はそろった!」
ベリアルメダルを弾くと、周囲に闇が広がって行く
ふぅ、と深く息をつき眼を開く
周囲に赤い雷が奔る
京太郎「宇宙大怪獣、宇宙恐竜―――」
ベムスターとゼットンのメダルを挿入
そして落ちてきたベリアルメダルを取り差し込む―――
京太郎「ベリアルさん!」
さらにそれを差し込んでブレードを可動させる
『 Bemstar. Zetton. Belial. 』
赤い双眸が輝く
京太郎「これでオーラスだ!」
『Bemuzedo.』
上空でダークファウストと相対するネクサス
地上のサタンビゾーの前に現れるべリアル融合獣―――ベムゼード
ゼットンのような雰囲気を持ちながら体型はどことなくベムスターに近いようにも見える
京太郎『精神寄生体、ずいぶん長いことくっついてくれたもんだな……!』
サタンビゾー『お前は俺。俺はお前だ……お前の中の闇。力を持ったお前の象徴』
その言葉の意味が“まったくわからない”ほどの子供であれば、子供でいられれば楽だったのだろう
しかしてそうはいかなかった。環境がそうはいさせてはくれなかった
京太郎『消えろ―――いや、消す!』
サタンビゾー『ハハハハハハッ!』
自らと全く同じ声で、笑いながらその左腕のカギ爪で襲い掛かってくるサタンビゾー
その一撃を、ベムゼードの爪で凌ぐ
即座に、もう片方の手でその胴体に爪撃を放つと、蹴りを打ち込んで距離を取った
京太郎『俺のわりに弱いじゃあないか!』
サタンビゾー『そうだ。今は闇の力で強くなったじゃないか、なら共に目指せばいい!』
京太郎『共に? なにを……』
サタンビゾー『仮面の男と同じように新たな人類の祖を!』
京太郎『新たな、人類……?』
上空でぶつかりあうネクサスとダークメフィスト
銀と黒がぶつかっては離れる
お互いに放った光弾も、当たることなく一進一退を繰り返す
煌『野依さん……! どうして今度は貴女が!』
悪態をつきつつも、高速で飛びダークメフィストからの光弾を回避していく
左腕を振るうネクサスから波紋のようなものが広がる
それと共に、ネクサスは赤い姿へと変わった
煌『佐々野さん、力を借ります!』
赤いネクサスが素早く光弾を放つと、ダークメフィストは右腕のメフィストクローで光弾を弾いた
だがその隙をついて接近したネクサスの拳を受けて、ダークメフィストは地上へと落ちていく
煌『被害が出る前に……!』
着地するダークメフィスト、それとほぼ同時にネクサスも降り立つ
近くで組み合っているベムゼードとサタンビゾー
ネクサスが腕を上げると輝く柱と共に―――メタフィールドが生成される
京太郎『これは!』
煌『メタフィールドに移行します!』
理沙『……無駄』
メタフィールドに移動するネクサス、ダークメフィスト、ベムゼード、サタンビゾー
次の瞬間、ダークメフィストが腕を振るいメタフィールドを自らのダークフィールドGへと変えてしまう
被害を出さないために仕方ないとはいえ、自ら敵のフィールドに入りこまなければならない
煌『それでも、佐々野さんも姫子も戦って見せた!』
ネクサスが構えを取ると、ダークメフィストは方向するような動作をしてから、走り出す
二体の人型が組み合っているその近くで、サタンビゾーが頭頂部からビームを放つ
ベムゼードの左腕をだし、その掌にあるアトラクターパウターからそのビームを吸収、右腕で放つ
サタンビゾー『無駄だ!』
京太郎『んなわきゃねぇだろ!』
そのビームをカギ爪で弾くサタンビゾーへと接近したベムゼードがタックル
よろけるサタンビゾーへすかさず尻尾を振るうと、その一撃でサタンビゾーが吹き飛び岩にぶつかる
一回転してサタンビゾーの方へと体を向けたベムゼードが頭部からビームを放った
サタンビゾー『なぜ新人類の祖となることを拒否する! 選ばれたのに!』
京太郎『選んでくれとも頼んでねぇよ!』
サタンビゾー『特別に、スペシャルに憧れていただろ!』
京太郎『よく御存じで!』
半年前の夏、確かに特別なものに憧れていた
間近で見ていたから余計に、なのだろう……
サタンビゾー『お前は今、特別だ! だから俺が生まれた、生んだ!』
京太郎『それでもっとスペシャルに、か……笑わせるんじゃねぇよ!』
ベムゼードが近くの岩を原資分解し左手から吸収、右手から岩の弾丸を放つ
それを受けてサタンビゾーが怯んだ
京太郎『お前が俺だって言うなら理解してみせろよ!』
―――スペシャルや特別を求めていたのも確かだ。でも本質は違う
その身を焦がすほどの嫉妬や憧憬を持って、ベリアルと共に戦ったからこそ認められることがある
京太郎『俺が望んだのは、ただ―――隣にいれることだ!』
今回はここまでー
進んだ!
次は終わって長野までいけるといいなー
そんじゃまたー
のっそりやってく所存ー
まぁ本編と違う感じの怪獣とかがいてもメダルパワーとかってことでここはひとつー
ネクサスとダークメフィストの蹴りがぶつかり合う
お互いが同時に離れて、ダークメフィストが放った光弾に合わせてネクサスも同じく光弾を放つ
それが相殺されるも、飛びかかってくるダークメフィスト
煌『そのぐらい!』
ネクサス「シュワッ!」
体を後ろに倒して、飛びかかってくるダークメフィストの腹部を下から蹴り上げる
真上にとんだダークメフィストを追って飛ぶネクサス
ダークメフィスト「オォオッ!」
咆哮と共に、光弾が放たれるもそれを拳で弾くとさらに接近
空中で組み合う形となるも、ダークメフィストがネクサスを蹴り飛ばす
回転しながら落下していくも、地上につくよりも早く体制を整えた
煌『野依さん、闇の力に飲み込まれないで!』
理沙『ウアァッ!』
煌『くっ!』
地上のベムゼードが、左腕から再び岩を原資分解し吸収
右腕を向けると、放たれる岩石の弾丸
それをサタンビゾーが左腕のカギ爪で弾こうとするも―――凌ぎきれない
サタンビゾー「!」
京太郎『こいつで、終わりだァ!』
サタンビゾー『俺と一つになれ、こっちにこい』
京太郎『しつこいんだよ。やっぱお前は俺じゃあないな!』
そう叫ぶ京太郎、ベムゼードの頭部に集まるエネルギー
ゼットンの必殺攻撃、これにて何人ものウルトラマンたちが追い詰められてきた
その知識を、京太郎は今もっている
京太郎『トリリオンインフェルノ!』
放たれた火球が、サタンビゾーへと直撃―――そして、爆散
サタンビゾーの残骸が周囲へと散らばる
そこにいたベムゼードが空中のネクサスの方へと顔を向けるが、すぐにサタンビゾーのいた方へと向き直った
その内側で、京太郎は顔をしかめる
京太郎『戒能良子!』
その視線の先にいるのは、戒能良子だった
両腕を前に出して組むと彼女は瞳を青く輝かせる
良子「レイブラッド……レイオニクスの真の力、見せてくれる」
彼女の身体からあふれる負の力が、サタンビゾーの残骸を青い光へと変えた
数多の光が上空へと舞い上がり、さらにどこからか現れた青い光がさらに集まっていく
良子「ウジュイカ、レエガミヨ……」
京太郎『まさか!』
思考ではなく、感覚で理解できた
なにをするのか、なにができるのか……
そして青い光が形を無し、サタンビゾーと戒能良子の力が怪獣を復活させる
良子「ビゾーム!」
サタンビゾーに似ながらも、もっと人に寄った怪獣―――ビゾームが現れた
ビゾームは両腕に鋭い爪を持っている怪獣だ
単純に先ほどの二倍の攻撃が襲い掛かってくると思って良い
だからこそ、近くの岩を再び吸収、右手から射出
京太郎『スマッシュパウター!』
放たれる岩の弾丸を、ビゾームは素早く回避
ベムゼードが素早くそちらを向く
京太郎『テラービーム!』
頭頂部から放たれる光線
だが、ビゾームは右手に光剣を出現させてその光線を切り裂き弾いた
さらに攻撃をしかけようとするベムゼードだが、ビゾームが走って接近してくる
京太郎『チィッ!』
いつの間にか、戒能良子は消えていた
接近してくるビゾームの光剣を、爪で凌ごうとするがその一撃は爪を破壊してその身体を切り裂く
火花が散り、後ろへと下がるベムゼード
ベムゼード「―――!」
京太郎『ッ!』
ベムスターとゼットンの鳴き声を合わせたような声を出しながら、ふらついたベムゼードへともう一撃斬撃
さらに後退させたベムゼードに、ビゾームがさらに光剣を振るう
だがその瞬間、京太郎の瞳が紅に輝く
―――【インナースペース】
右手のゼットライザー、左手には三枚のメダル
京太郎「面子は揃った!」
ベリアルメダルが弾かれると、周囲に赤い稲妻が迸った
さらに、手にあるゼットンメダルが闇の力を溢れさせる
京太郎「宇宙ロボット、宇宙恐竜―――ベリアルさん!」
三枚のメダルをセットすると、ブレードを可動させていく
『King-Joe. Zetton. Belial. 』
その紅の瞳を爛々と輝かせ、ゼットライザーを前に構える
京太郎「これでオーラスだ!」
そして、トリガーを引く
京太郎「ベェリアァルッ!!」
『Pedanium Zetton.』
ビゾームの光剣が―――空を斬った
目の前にいたはずの敵が、京太郎がいない
ハッとして背後へと振り返った瞬間、衝撃と共に吹き飛ぶ
ビゾーム「―――!」
倒れたビゾームの、顔を向けた先に立っているのは新たなべリアル融合獣―――ペダニウムゼットン
ゼットンの身体にキングジョーの装甲が食い込んでいるかのような禍々しい容姿
もちろんカラータイマーはついているが―――すでに点滅をしている
ビゾーム『ゼットンのテレポート能力……』
京太郎『悪いけどこいつも消耗が激しいみたいでな、速攻で決める!』
ストロング・ゴモラントと比べればそれほどではないものの、やはり体は悲鳴をあげていた
強力な融合であるのは確かだが長時間、さらに能力を使えば使うほど消耗もフィードバックもすさまじいだろう
京太郎『もうかわす言葉もねぇ!』
ビゾーム『闇の力を持っていながら、お前は闇だよ。真っ暗な闇だ。永遠の闇だ。だからこそ破壊と』
京太郎『光だ闇だ!? そういうのはとっくに終わってんだよ!』
ベリアルと共に歩んで、自らが破壊したいものを破壊し、自らが戦いたいから戦っている
そこに光も闇も無い。今は闇が強いから使っているというだけだ
力であるならば光も闇も無い
京太郎『稲妻でぇ!』
角から放たれる電撃を光剣で凌ごうとするが、それは不可能
その一撃を受けてビゾームが後ずさる
さらにテレポートを使い接近、拳を打ち込み吹き飛ばす
ビゾーム『それほどの力を持ちながら、スペシャルになりながら……』
京太郎『だからこそやりたいことをやってんだよ』
ビゾームに馬乗りになったペダニウムゼットンが拳を何度も打ち込む
攻撃を受け続けるビゾームに、至近距離で赤いレーザーを放った
ビゾーム「―――!」
バラバラに爆散するビゾーム
だが、京太郎は理解していた
京太郎『まだだな!』
立ち上がったペダニウムゼットン
バラバラになったビゾームの破片が、小さなビゾームを作り出す
その数は10体にも及ぶ
その10体のビゾームが、ペダニウムゼットンを囲み頭部から光線を放つ
京太郎『無駄だァ!』
ペダニウムゼットンがバリアを張り、それらを凌ぐ
さらに角から電撃を全方位に放ちビゾームの群れを一瞬で消し炭に変える
ビゾーム『お前は俺、俺はお前だ……!』
京太郎『そうは思わないな! その程度で、オレだなんてなぁ!』
残った一体のビゾームが周囲の青い光を集めて再び通常のサイズに戻った
ただ一体残ったビゾームを、京太郎は憐れむような表情で見る
京太郎『お前にはなにもないな、仲間もなにも……』
ビゾーム『お手手つないで仲良しこよし、そんな連中にぃ!』
京太郎『やっぱお前、オレじゃぁねぇわ』
走り出すビゾーム
ペダニウムゼットンの両腕に集まる炎が火球を作り出す
ベムゼードの放った火球、それが二つ
京太郎『オレの本質はそこにあるんでなァ!』
ペダニウムゼットン「―――!」
京太郎『ペダニウム・メテオ!』
放たれた火球が、ビゾームへと直撃―――巨大な爆発が広範囲をけし飛ばした
そこに立つペダニウムゼットンの頭部が発光し、独特の音が鳴り響く
上空で組み合い、格闘戦をくりひろげるネクサスとダークメフィスト
同時に相手を蹴って距離を取ると、ダークメフィストの方がしたを確認する
大爆発と共に、巨大なクレーターができああっていた
理沙『……ベリアル』
煌『野依さん!』
理沙『……』
ダークメフィストが、突如現れた黒い渦へと消えていく
煌『なっ!』
そのまま、戻ることは無い
気配もすっかり消えたようで、ネクサスは地上へと降りて腕を振るう
それによりメタフィールドは消え去り、ネクサスも共に光となって煌へと戻る
京太郎『……終わった、か』
ペダニウムゼットンの中で顔をしかめる京太郎
街中に突如現れた怪獣、ペダニウムゼットンは黒い光の粒子となって消えていく
街中、元居た公園に現れる京太郎
ふらつきながらベンチの前で膝をついて上体をベンチに預ける
鼻から血が滴った
京太郎「くそっ、やっぱこうなんだよなぁ」
それを拭い、立ち上がろうとすると突如、引かれる
思ったより簡単に体が起き上がり驚くも、そちらを見れば……
京太郎「煌さん……」
煌「いつもボロボロですね」
京太郎「すんません、強いのを使うとどうにもね……」
煌「確かにすさまじい力ではありましたね。べリアル融合獣……」
そう、ウルトラマンすらもその気になれば圧倒できるであろう力
元々ベリアルにプラスで怪獣の力が加わっているのだから強くて当然ではあるのだ
だがベリアルなしで、人間の身一つでそれを扱っている反動というのはどうにも消せない
京太郎「ものにもよるんだけどなぁ」
煌「?」
京太郎「いいや、なんでも……」
そういうと、ベンチに座る
隣に座る煌が、息をついた
煌「京太郎君……」
京太郎「いやな予感がする」
煌「私もです」
京太郎「……まぁ、ここ最近はいつだって良いことの方が少ないけど」
煌「違いありませんね」ハハッ
少しばかり、口の中に上ってきた鉄の味を感じて顔をしかめる
そうしながらも、煌の方に視線を動かし、口を開く
京太郎「そろそろ、去ります」
煌「色々と忙しいみたいですね。こちらは任せてください」
京太郎「煌さんなら安心っす」
そう言って笑みを浮かべて、息をついて口の中の鉄の味を吐き出す
煌が一瞬だけ驚いたような表情を浮かべるも、ハンカチを取り出して京太郎の口周りを拭う
京太郎「……ありがとうございます」
煌「はい」フフッ
京太郎「闇のもんなりにやれることをやりますんで、頼みます」
煌「……私も元々はウルトラマンじゃなかったんですよ」
京太郎「?」
煌「佐々野さん、そして姫子から受け継いでいまここにある光―――絆、ネクサス」
そう言って拳を握りしめる
京太郎「……そうか、受け継がれる力、か」
煌「京太郎君」
京太郎「……?」
煌「今度、あの方……宇夫方葵さんに会ったときに伝えておいてほしい言葉があるんです」
京太郎「ええ……」
煌「諦めるな! ……と」
京太郎「煽りになりません?」
煌「それは、彼女次第ですね」ハハッ
でも、どこか大丈夫だと信じているような表情で笑う
そんな煌を見て京太郎も、こじれたらこじれたでフォローしようと心に決めた
息をつき、空を見上げる
京太郎「……さ、私利私欲のために戦うか」
煌「それは、すばらです」フッ
京太郎「どーも」
離れたところ、公園の入り口に霞が見えた
見間違うわけもない。間違いない
京太郎「あ~怒られる気がする」
煌「仕方ありませんね」
京太郎「……そうっすね。ありがたくお説教を、お受けします」フッ
自らから香る血の匂いに顔をしかめつつ、苦笑を浮かべた
第28話【亡霊-GHOST-】 END
―――次回予告
美穂子:それを返して!
???:光の力を使うことによって!
久:そうやって自分だけが特別だって思ってるのよ!
美穂子:片岡さん!!
和:さぁ、今こそ!
???:現れろ、闇の眷属よ!
久:光よォォ!!
次回【影を継ぐ者】
美穂子:私は、人だから!
今回はここまでー
次回は長野へ帰還ー
ついでに色々あったり
そんじゃまたー
あいだ空けちゃって申し訳ないー
明日はやりまするー
おっしやってくー
えいえいむんっ!
【特異科鹿児島基地:作戦室】
―――京太郎は、土下座していた。
京太郎「すみません!」
霞「別に、ちょっと目を離した隙に花田さんとベンチで座ってても怒ってないわよ?」
京太郎(絶対怒ってるじゃん)
煌「あ、怪しい人がいたもので、その……ね?」
京太郎「!」ブンブンブン
初美(すげー勢いで頷いてるのですよー)
いや、石戸霞とて理解はしているのだ
そういう仕事であると
霞「……ほんと、怒ってないから」ハァ
京太郎「ほんとっすか? めっちゃ怖い笑顔してましたよ?」
霞(あの時に怒ってなかったかと聞かれると怒ってた気もするわね……)
小蒔「もしかしてその、二人は、大人な関係ということですか?」
場が凍った
京太郎「」
霞「こ、小蒔ちゃん!?」
京太郎「ち、違いますよ! 俺が霞さんとなんて恐れ多い!」
霞「むぅ」ムッ
京太郎「か、霞さんもなんとか言ってくださいよ」
霞「私、そこまで格式高い人間でもないけど?」ジトー
京太郎「え、いやいや!」
煌「……」ポン
京太郎「へ、煌さん?」
煌「……すばらくない」
京太郎「なんでっ!!?」
第29話【影を継ぐ者】
【長野・???】
福路美穂子が、一人草木が多い茂った山道を行く
上下共にスーツだが、山道を来たせいか汚れているし、もう昨晩から基地に戻っていない
上着の前ボタンはすべて外れていて、髪は後ろで一つに纏められている
美穂子「はぁっ……」
息を吐きつつ、登りが終わったことを理解しつつ置いてあるベンチに腰掛けた
頂上ではないようで階段がまだあったが、開けてい場所で木々のざわめきと鳥の鳴き声が耳に心地いい
美穂子「……こっちの方、よね?」
腕の端末を開くが、既に機能していないようだった
そもそも、機械音痴の美穂子にそこまで使いこなせるわけではないのだが……
美穂子「……」
なぜこうなっているかを、思い出す
ことの始まりは五日前、怪獣が大発生した日だろう……
【五日前:長野:市街】
ティガがぜぺリオン光線を放って超古代怪獣ガルラを撃破した
空へと飛び去っていくティガ、それと共に、地上では光と共に美穂子が現れる
美穂子「ッ!」ガクッ
膝をついた美穂子の額を流れる汗が、そのまま地面に垂れる
怪獣の弱点を見つけることができなければ詰みだっただろう
美穂子「でも、やれた……」
今までの怪獣と違う感覚、そもそも地面を突き破り出てきたという異例
美穂子「まさか、この地球の怪獣……?」
???「その通り!」
瞬間、横からの衝撃に吹き飛んで転がる美穂子
下から蹴り上げられたのだと理解しつつ、倒れている美穂子は荒い呼吸のまま起き上がろうとする
視線を動かせば、そこには―――
美穂子「っ……原村さん、片岡さんっ」
原村和、片岡優希、そして……
美穂子「宇宙人……」
和「ヒッポリト星人、周囲の警戒を」
ヒッポリト星人「なぜ貴様が命令している。まぁ構わんが、私の目的はこのあと、フッフフフ」
長い鼻のようなものを持つ宇宙人が肩を揺らして笑う
そこに立っている片岡優希は何も言わないが、原村和と共に美穂子へと近づく
呼吸を整えつつ、美穂子は懐から素早くガッツハイパーを抜いて和へと向けようとした
だが、それはかなわない
和「無駄!」ガッ
美穂子「うあっ!」
和が足を振るいガッツハイパーを弾き飛ばす
それでも素早く、美穂子は立ち上がった和に手を伸ばすもその拳が頬を打つ
ふらついた美穂子の腹に優希が蹴りを打ち込む
美穂子「がっ」
転がった美穂子が、あおむけに倒れる
口内が切れたのか口の端から血が垂れ、痛々しい姿でその表情は苦悶にゆがむ
起き上がるのも困難なのか、動こうとするが体中に痛みが奔る
美穂子「うぁっ、ぐっ……」
和「さて……」
倒れた美穂子へとまたがった和が、上着に手をかけるとボタンごと引きちぎり開く
そして内側に入っている“ソレ”を手に取った
和「スパークレンス、これですね」
美穂子「っ!」
和「行きますよ」
そう言って美穂子の上から退いた和の足を、美穂子が掴む
美穂子「それをっ、それを返して!」
和「邪魔です。器……いえ、代わりの中身」
掴まれていない方の足が、振るわれる
美穂子「っ!」
【長野:山道】
その後、ボロボロの美穂子が見つかり治療を受けた
しかしスパークレンスも無く、どうすれば良いかと思っていたところで昨日ボイスメッセージが届いたのだ
誰かはわからないものの、確かに聞き覚えのある男の声だった
『探し物は一緒に添付したポイントにあります。福路美穂子さん、貴女が光を継ぐ者であるならば……向かってください』
なんとか一緒に添付したというポイントを導き出して、山を登りここまでやってくることに成功
今は向かっている最中なのだが……
美穂子「信じるしか、ないものね……」
いずれにせよ道は残っていないのだ
ティガの力を、取り返すためには……
美穂子「もうちょっと……」
近くにあった洞窟へと足を運ぶ
地下へと続く道
美穂子「……」コクリ
【???】
原村和、ヒッポリト星人、片岡優希
三人がそこに立っていた
暗い空間で、ヒッポリト星人がなにか機械をいじるとその“洞窟内”をライトが照らす
和「へぇ……これが」
そう言いながら、手にあるスパークレンスを軽く振るう
二人と一体の前にあるのは、巨大な石像
その形はウルトラマンティガに酷似していた
和「片岡優希を中身としましょうか、貴方の計画に乗った甲斐があればいいのですけれど」
ヒッポリト星人「光コンバーターシステムを完成させたのだ、不可能ではない」
そう言いながら、巨人像のそばにある装置に近づく
和も同じく近づいていき、その装置にスパークレンスを設置する
ヒッポリト星人「フッフフフフ、必要なのはデータだ。その片岡優希を素材に巨人を蘇らせることができればそれでいい。即座にやられようともな」
和「……まぁ、拝見させてもらいましょうか、足を引っ張らなければなんでもいい」
【特異課長野基地:休憩所】
美穂子がいなくなって一日
自ら出て行ったこということはわかっているのだが……それでもなお、仲間は混乱の色を隠せない
明らかに落ち込んでいる面々も少なくはなかった
久「……」
だが竹井久は違う
どちらかといえば―――イラついていた
近頃の美穂子はどこかおかしかった
久「……」チラッ
こんな時に限って瑞原はやりも熊倉トシもいない
華菜「キャプテン……気づかなかった、きっとなにか抱えてたのにっ」
未春「華菜ちゃん……」
純代「必ず帰ってくる。きっとひょっこり」
星夏「そうですよ。案外熊倉さんあたりと!」
四人の姿を見て、顔をしかめる久
休憩所を離れて廊下を歩いてガレージの方へと向かった
そこにある車に拳を打ちつける―――
久「……あなたは、そうやって自分だけが特別だと思ってるのよ!」
【長野:山中洞窟】
美穂子が洞窟内を下っていく
ガッツハイパーを構えつつ、洞窟内を照らす明かりに警戒しながらゆっくりと……
美穂子(ここに、なにか……)
例のメッセージを信じるならばスパークレンスを取り戻す術かそれに近しいなにかがある
そして、たどり着いたのは空洞
一際まぶしいライトの光と共にそこにあったのは……
美穂子「ティガ……じゃ、ない?」
ティガに似た形状のウルトラマン、その石像
あの日みたそれに似たなにか……隣には怪獣の石像もあった
美穂子「……これ、は?」
???「どうやってきたのかはわからんが、ようこそ!」
美穂子「っ! ひ、ヒッポリト星人……!」
ヒッポリト星人「その通り、だがせっかくだから見ていくと良い!」
美穂子「な、なにを……片岡さん!」
坂の上、巨人の膝下ほどの高さの場所に立っている原村和と片岡優希
そしてヒッポリト星人と謎の装置、そこにはスパークレンスが設置されている
美穂子「なにをする気なの!?」
ヒッポリト星人「ウルトラマンをこちらに呼び込む、光の力を使うことによって!」
美穂子「なっ、邪悪な心を持ったまま巨人になるというの!?」
和「邪悪な心を持ったウルトラマンの前例がなかったわけではありませんから……ね」
脳裏によぎる黒い姿
ベリアル、京太郎が一つになっていたウルトラマンだ
ヒッポリト星人「それを今、見せてやろう……この光遺伝子コンバーターを使って!」
和「見ものですね」
ヒッポリト星人「少しばかり時間がかかるが、問題あるまいよ」
装置を操作し、起動ボタンを押す
スパークレンスを設置した装置が輝きだした
顔をしかめる美穂子がガッツハイパーを持ったまま、走り出す
美穂子「そんなことさせない! 光の力はッ!」
だが、坂を上る途中―――体中を突き刺すような電撃が美穂子を襲う
美穂子「ぐっ、う、ああぁっ!!?」
吹き飛び、坂を転がり落ちる美穂子
ボロボロになった美穂子が上体を起こすと、坂の両端に装置が設置してあることに気づく
それが電撃を発生させていたのだと気づくとそちらにガッツハイパーを向ける
和「大人しくみていなさい」
原村和が美穂子に手を向けると、そこから放たれた波動弾が美穂子に襲い掛かる
それに気づき、横に転がって回避した美穂子、だが―――
ヒッポリト星人「ふん!」
美穂子「っ!?」
接近してきていたヒッポリト星人が腕を振るうと、美穂子が吹き飛んで倒れた
起き上がろうとするも、近づいてきていた和が美穂子の腹を踏み躙る
ぐりぐりと足を動かすと、美穂子がうめき声をあげた
美穂子「ううぅっ!」
和「そろそろ邪魔ですよ。ウルトラマンティガ……眠りにつくときです」
手を美穂子の顔に向ける
美穂子「くぅっ……!」
瞬間―――銃撃
和「!」
即座に後ろへと跳んだ和
そちらを見やると、目を細める
和「……竹井久」
美穂子「ひ、久っ……?」
久「……」
ガッツハイパーを構える久
どうしてここにいるのか、どうやってここに来たのか……
ヒッポリト星人が腕を久の方に向け光弾を放つ、その瞬間―――
???「ったく危ないな」
ヒッポリト星人「ジャグラス ジャグラー!」
ジャグラー「よぉ……ご無沙汰」
和「……」
眉を顰めた和がジャグラス ジャグラーに手を向ける
波動弾を放とうとしたその瞬間、横に跳ねた
次の瞬間―――和がいた地面に拳が突き刺さり、破砕される
和「ダークザギっ!」
葵「チィッ!」
着地した和へと、追撃をかける葵
視線を一瞬、優希の方へと向けるも葵と共に別の道へと消えていく
ヒッポリト星人も、ジャグラス ジャグラーと共に別の道へと消える
久「優希……!」
坂の上、片岡優希が装置から放たれる光にさらされていた
今にも駆け寄らんとする久の腕を掴む美穂子
美穂子「ダメっ! そこから先にいけば電撃を食らうっ」
久「なんて用意周到」
美穂子「それに私が、私が行かないとっ……!」
久「っ、貴女は自分が特別な人間だと思いすぎなのよ!」
美穂子「そんなことっ」
久「じゃあ貴女はウルトラマンの、光の力をなんのために使ってるの!」
美穂子「ッ……人々を護る、仲間たちと護っていくための、そんな力だと思ってるわ」
その言葉は本心からのものだ、それを久は理解した。否、理解していた
彼女は本心からそれを言う、言える女性である
久「……」
美穂子「だから、私がやらなきゃ!」
久「やっぱり、貴女は特別よ」
美穂子「え?」
久「美穂子……貴女は光でウルトラマン」
自嘲するように、久は笑う
巨大空洞からずいぶんと離れた洞窟の中、宇夫方葵が振るった拳が壁を粉砕した
その両手には黒い光、そしてその瞳が赤く輝く
和「ダークザギの、闇の力ですか……」
葵「うるっさいんだよ。闇だとか光だとか」
和「事実、私達と同じ闇の力のはずです。まぁ私に限ってはまた違ってきますが」
葵「しつこいなぁ、私はなんの思い入れもないんだ。殺せるぞ原村ごとォ!」
和「模造品にできますか? 本物である私を……」
葵「私のことじゃないのに、イラっつくんだよォ!」
笑みを浮かべる和へと、葵が跳んだ
和が放つ波動弾
直撃コースのそれを、葵は両腕で受け止める
葵「ぐっ!」
両足を地に付けた
その威力に後ろへと下がっていくが、止まる
それと共に波動弾も消えた
葵「力が戻ってきた……いや、私が変わってきたのか」
和「そろそろ、時間ですね……」
葵「なに?」
葵と和が戦っているのとは別の道
ジャグラス ジャグラーこと赤土晴絵がヒッポリト星人とぶつかりあう
振るわれた刀を受けて、火花を散らしながら地を転がるヒッポリト星人
晴絵「こんなもんか、地獄星人は名前負けじゃないか?」
ヒッポリト星人「フッフッフフフフ……言っていれば良い」
そう言いながら立ち上がるヒッポリト星人
劣性にも関わらず余裕な様子
魔人態から人間の姿へと戻る晴絵
晴絵「……なに?」
ヒッポリト星人「時は来た!」
和「さぁ、今こそ!」
ヒッポリト星人「現れろ、闇の眷属よ!」
【長野:大空洞】
優希「アアァァアアァァッ!」
美穂子「片岡さん!!」
久「優希ッ!」
スパークレンスから放たれる光、装置から放たれる光
その二つが優希の身体を光へと変換し、それは―――石像の怪獣へと吸収されていく
驚愕する美穂子と久
だが次の瞬間、石像の怪獣が色と命を取り戻す
????「―――!」
犬が吠えるかのような鳴き声
超古代狛犬怪獣ガーディーが出現する
ガーディー「!」
久「これは……?!」
美穂子「ウルトラマンじゃぁ、ない……」
今回はここまでー
ヒッポリト星人くんこれは恥ずかしい
とりあえずなんやかんや起こります
次は近々やりたいなー
やってきたいー
マナカケンゴ帰ってきたしイッチも帰ってきたよ
巨大な像が怪獣へと変わり、咆哮と共に突如、後ろへと下がる
それと共に壁にぶつかり洞窟全体が揺れた
美穂子「きゃっ!?」
久「くっ!」
その振動にふらつく二人
怪獣の視界に映る前に久と美穂子は撤退しようとはするのだが……
美穂子「出口がっ!」
久「チィッ」
美穂子「え、待って……あの怪獣……」
ガーディーは襲ってはこない。そんな雰囲気でもない
ともなればと、久はそちらをじっと見る
あれの中身を理解しているからこそ……
久「まさか、優希?」
美穂子「片岡さんなの!?
ヒッポリト星人「なぁにぃ!?」
突如響く声に、そちらを見ればヒッポリト星人と原村和
あの二人はどうしたのだろうかとも思うが、突如出てきて突如消えたので敵か味方かもわからない
そんな不確定要素に頼ってもいられない
和「やってしまいましたね、貴方……」ジト
ヒッポリト星人「くそ、なぜだ! 洗脳した状態だったはずだ。なぜとけた!?」
和「御託は良いので、この顛末は貴方がなんとかしなさい」
ヒッポリト星人「わかっている!」
和とヒッポリト星人の会話から、美穂子が頷く
美穂子「片岡さんの、洗脳が解けてる……ならっ」
久「待ちなさい、あの電撃のバリアは!?」
美穂子「それでも、私がやらないと!」
久「やっぱり貴女は自分を特別と思いすぎなのよ……!」
言い争いをしている間に、ヒッポリト星人はバリアの向こうへ
和は消えた
久「っ!」
美穂子「片岡さん逃げて!」
ガーディーが戸惑うような様子を見せる
ヒッポリト星人「消し去ってくれる失敗作!」
そう言うと、ガーディーの背後の壁が崩れ―――奥からなにかが現れる
ガーディー「!!?」
ヒッポリト星人「オルタナティブティガ……あの像を壊すわけにはいかん!」
奥から現れた“怪獣”がガーディーを背中から掴むと、翼を広げた
ヒッポリト星人が跳び、その怪獣の肩へと着地する
ヒッポリト星人「飛べ、ゴルバー!」
その怪獣、ゴルバーが咆哮を上げて空へと飛び立つ
天井をつきやぶり、ガーディーと共に……
久「優希!」
美穂子「片岡さぁぁぁん!」
和「……もうそろそろ、ようやく」
闇のゲートに入った和が消え去る
残されたのは二人、久がすぐに腕に装着されている端末を開く
通信でガーディーのことを説明するためだろう
久「出てよね……!」
ピッ
??『よーやく連絡きおった!』
久「きた! まこ、怪獣が出たはず!」
まこ『ああ、それで連絡したかったんじゃ! おんしいまどこに!』
久「そんなの良いから、二体のうち一体は良い怪獣だから! 犬のほう!」
まこ『はぁ!? 怪獣は一体じゃろ!?』
久「ッ、まだいないか!」
まこ『ちょぉ待ちんさい! なに言って……いや、新しい怪獣! 犬ってあの抱えられてる方か!』
久「そういうこと、優希なの!」
まこ『ハアァァッ!!?』
久たちがいた洞窟の最も近い街
そこには一体の怪獣が現れていた
赤い体を持つその怪獣はモンスアーガーだ
モンスアーガー「―――!!」
咆哮し、手から赤い光弾を撃ち口部から火炎を放つ
ビルが破壊されていく中、特異課の面々が銃撃
モンスアーガー「!」
桃子「ヤバくないっすか!?」
ゆみ「いつだってやばい……!」
智美「ワハハ違いないなー」
後退しながら銃撃をする面々
未春「キャプテン、大丈夫かなっ!」
華菜「きっとすぐにかけつけてくれるし」
星夏「かけつけるといえば、ティガは!?」
純代「む……」
佳織「あ、空に……」
睦月「ウルトラマンか?」
透華「いいえ、あれは……!」
空から落ちてくるのは、怪獣
凄まじい勢いで地上に叩きつけられ、地面が揺れた
それぞれがバランスを崩す
衣「些か、まずいな……」
一「落ちてきたのも怪獣、それにもう一体!?」
落ちてきたのはガーディー、そして降り立つのはゴルバー
走って合流してくる染谷まこが、面々の前に立ってガッツハイパーのカートリッジを交換する
まこ「みんな、あの落とされた怪獣を援護じゃ……あいつは、片岡優希じゃ!」
よろけながら、ビルに手を置いて立ち上がるガーディー
ハッとしてゴルバーの方を向いて、さらにモンスアーガーの方にも視線を向けた
迫る二体の怪獣に、後ずさる
ガーディー「!!」
焦る様子のガーディーに、ゴルバーの肩に乗っているヒッポリト星人が、ガーディーに手を向けた
ヒッポリト星人「やれぇ! 失敗作を消し去れば私の経歴は成功例のみ!」
ゴルバー「!」
モンスアーガー「!!」
光弾を放つモンスアーガーと、光線を放つゴルバー
その二体の攻撃を避けることもできず、直撃を受けるガーディー
ガーディー「!」
鳴き声をあげて、ガーディーがビルをなぎ倒しながら倒れる
横になるガーディーの視界には迫るモンスアーガーどゴルバー
だが突如、その二体の怪獣に光線や光弾が弱弱しくぶつかる
ヒッポリト星人「この地球の防衛隊か!」
華菜「オラァ! あたしらも混ぜろよぉ!」
ヒッポリト星人「下等生物が、そのような攻撃二体の巨大怪獣に!」
巨大なレーザーライフルを数人が持ち、放つ
怯むゴルバーに、乗っていたヒッポリト星人が焦る
ヒッポリト星人「そんなに死にたいか、いけ!」
モンスアーガーが特異課の面々の下へと歩き出す
ゴルバーはそのままガーディーの方へ、だ
倒れているガーディーが弱弱しく起き上がろうとする
ガーディー「―――」
弱った犬のような鳴き声をあげるガーディーの顔の近くに、誰かが走ってきた
ガーディー「!」
まこ「優希、優希なんじゃろ!?」
ガーディー「……」
頷くガーディーを見て、まこが頬を緩ます
まこ「逃げろ! わしらが時間稼ぐぐらいしたる!」
そう言いながら、手に持ったレーザーライフルをモンスアーガーに放つ
だが、ダメージが入っている様子はない
顔をしかめながらも、まこは続いて撃つ
まこ「大丈夫じゃ、はやく逃げろ……!」
ガーディー「……ッ!!」
立ち上がったガーディーは……前に出る
まこ「なっ!?」
ガーディー「―――!」
まこ「優希、よせ!」
―――【洞窟】
端末に映るのは、ガーディーがゴルバーに立ち向かい戦う姿
攻撃に苦しめられている姿を直視できずに、美穂子は目をそらす
美穂子「みんなが、戦ってる……!」
視線を向けるは、スパークレンス
走り出した美穂子が、電撃バリアにぶつかる
美穂子「あ゛ぁ゛っ! ぐっ、うぅっ、がっ……」
身体を押さえて、苦しむ美穂子
全身を刺し貫くような痛みに、涙さえ浮かぶが、それでも立ち上がろうとする
肩で呼吸をしながら、美穂子はもう一度、一歩を踏み出す
美穂子「わだしっ、が……私、が……!」
久「やめなさい、死ぬわよ」
うつむいた表情でそう言う久に、美穂子は笑みを浮かべる
見えてはいないだろう。それでも……
美穂子「私は戦うわっ、ここに生きる、人だから……!」
意を決して、走り出す
そして再び、電撃に晒される
美穂子「あ゛っ、う゛ぁ゛あぁぁっ!」
片腕が、そのバリアを抜けるが美穂子は限界だろう
久「ッ!」
腕は腕時計型端末を外して、地面に放り投げた
そしてそのまま、美穂子の下へと走っていく
ギリッと歯ぎしりをして、そのまま美穂子へと走る
久「退きなさい!」
美穂子を掴むと後ろへと下げ、そのままそこに久は突っ込む。
無理矢理、足を踏み込み……美穂子が腕を貫いたところを狙って体を全力で前に出す
ボロボロになりながらも―――抜ける
久「がっ!」
美穂子「ひ、ひさっ……! ば、バリア、解除する方法をっ」
久「はっ、ハハハッ……ハハハハハ!」
美穂子「ひ、ひさ……?」
久「ひっ、ひひっ……ハハハッ!」
抜け出した久が、バリアの向こうで笑う
片手を顔を当てて、背をそらして笑う久
美穂子「ひさ、なにがっ……」
久「クッ、ハハハ……はぁ~」
そのまま手を離すと、その瞳は―――冷たく感じる
久「そーやってまた戦おうとしてる。自分が特別だから、ティガになれるから?」
美穂子「ひさ、なにを……」
久「違う!」
美穂子「ひさ……!」
久「違う違う! 私も戦う! 私だって戦う! 人は誰でも光になれるはずよ!」
美穂子「なにをする、の?」
久「だって、呼んでたもの、さっきから」
そう言いながら見上げるのは二人には聞こえていなかったがヒッポリト星人が“オルタナティブティガ”と呼んだもの
久「まだ、起動できそうね」
近くにあったスイッチを押し込む
機械が再起動し、輝くスパークレンスと機械
先ほど優希がいた場所に、久が立つ
美穂子「な、なんでっダメ……久っ!」
久「ハハハッ、ハハッ! 美穂子っ、見てなさい。私が助けて見せるわ。優希を!」
美穂子「ど、どぉして……」
今にも気を失いそうな表情で、美穂子は呟いた
スパークレンスの輝きが、優希の時よりも激しくなっていく
そして久が、両腕を広げる
久「光よォォ!!」
美穂子「久ァァァッ!!」
一際激しい輝きと共に、久はそこから―――消え去る
―――【街中】
モンスアーガーが一歩一歩を踏み出す
特異課の面々が銃撃をするが、やはりダメージは見られない
モンスアーガーが光弾を放つ
ゆみ「しまっ!」
桃子「っ!」
回避はできない。
だがその瞬間、黒い光と共に現れるナニか
華菜「怪獣!?」
星夏「あれって!」
上空から特異課の面々の前に現れたのは―――スカルゴモラ
咆哮を上げて、モンスアーガーと組み合うも、即座に頭突きで怯ませてから蹴りで距離を離す
さらに、胸を叩いてから咆哮するスカルゴモラ
変身者は―――。
京太郎『帰ってきて早々にこれたぁなァッ!!』
京太郎が視線をもう一体の怪獣、ゴルバーの方へと向ける
犬型怪獣、ガーディーと戦っているようだがガーディーは劣勢だ
京太郎『とりあえず……こいつをぶっ潰せばいいんだろォ!』
モンスアーガーが火炎を吐くが、スカルゴモラはなんともないという風に体を払う
両手を構えるモンスアーガーを前に、スカルゴモラは地を踏みしめる
マグマを纏った岩が、スカルゴモラの周囲に浮遊
京太郎『ショッキングヘルボール!』
スカルゴモラ「―――!」
モンスアーガー「!」
光弾を放たれるも、それを相殺しても余りある溶岩弾がモンスアーガーに直撃、吹き飛ばす
それでもなお、モンスアーガーは立ち上がる
その硬さから並ではないことを理解し、京太郎はさらに一手を取ろうとする
京太郎『ていうか、なんだみんな……あっちの犬怪獣を援護してる?』
そう思いつつも、インナースペースにてゼットライザーとメダルを用意した
ガーディーが、ゴルバーの光線を受けて吹き飛ぶ
再びビルにぶつかり、そのまま起き上がれなくなってしまう
弱弱しく鳴くガーディーに、近くにやってきたまこが顔をしかめた
まこ「優希もういい! 逃げんさい!」
ガーディー「―――!」
それでも、頭を横に振る
倒れたままそうした姿に、まこは涙を流しながらガーディーと同じく頭を横に振った
ゴルバーはレーザーライフルなどで多少怯みはするも、やはり力強く迫る
まこ「なんでこんなっ……わしらが一体なにしたって! わしだって、戦う力があればっ!」
ゆみ「なんだ、あれは!?」
桃子「ティガ!?」
瞬間、上空から光弾が一撃―――ゴルバーに直撃する。
怯むゴルバー、見上げる面々、まこも振り返りそちらに視線を向けた。
ゴルバー「―――!」
ヒッポリト星人「なんだ!?」
空から降り立つ光る巨人が降り立つ
ガーディーから離れた場所、そこに……
華菜「ティガ……?」
佳織「ううん、違う……」
まこ「ティガじゃ、ない!」
ゴルバーの肩に乗るヒッポリト星人がわなわなとふるえる
ヒッポリト星人「なぁぜオルタナティブティガがここに!」
徐々に光が収まっていく
そしてその身体がはっきりと見えだす
ヒッポリト星人「いや、違う。あれは―――」
京太郎はペダニウムゼットンへと変身
ペダニウムゼットン「―――」
独特の鳴き声と共に、放たれる火球ペダニウムメテオ
京太郎『これでヤキトリだァ!』
モンスアーガー「!!?」
その一撃でモンスアーガーが爆散させた
そしてメルバ―の方へとすぐに視線を向けるが、気配は感じていたが巨人がいた
光りが収まったその“ティガによく似た巨人”の色をしっかりと確認、黒と銀
京太郎『ッ……あれ、は』
彼にとっては存在しない記憶
ベリアルが持っていたであろう記憶が、蘇る
黒い巨人が、両腕を構えた
京太郎『―――イーヴィルティガ』
イーヴィルティガ「シュアッ!」
今回はここまでー
よーやっとイーヴィル出せたんであと一人
終われば久々に安価もある
次は近々やりたいとこっすー
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