【ダンガンロンパ】苗木「パニックホラーの世界へ」【安価進行】 (66)

『行方不明者情報』

名前:江ノ島 盾子
えのしま じゅんこ

身長:169cm

特徴:金髪ツインテール、クマの髪飾り

行方不明日時:2010年11月25日

行方不明場所:希望ヶ峰学園旧校舎付近

備考:「超高校級のギャル」として入学

連絡先
○○警察署行方不明者相談室 00―0000―0000


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1616873261

江ノ島「ねぇ苗木」

江ノ島「悪いこと言わないからさ。このガッコー辞めたほうがいいよ」

江ノ島「いやいや。アンタのことがキライとかそういうんじゃなくて」

江ノ島「近いうちにここ、地獄みたいなことになるからさ」

江ノ島「アンタみたいなパンピーがいたって死ぬだけだよ」

江ノ島「…は?ちげーって。葉隠みたいに変な電波受信したわけでもねーから」

江ノ島「アタシのことなんだと思ってんの?殴るよ?」

江ノ島「まぁいいや。とにかくさっさと逃げなよ苗木。いきなりこんなこと言われても困るだろうけどさ」

江ノ島「……もし、それでもここに残るって言うんなら」

江ノ島「そのときは」

苗木「待ってッ!!」ガタッ

大和田「うぉっ!?」

苗木「え?」

舞園「な、苗木君…?」

山田「いったい何事ですかな!?」

苗木「……あ」

苗木(ゆ、夢?)

セレス「うふふ。どうやら居眠りしていたようですわね?」

朝日奈「なんだぁ。寝ぼけてただけかぁ」

苗木「あはは…そうみたい。ごめんねみんな」

石丸「授業中にけしからんぞ苗木君ッ!君というヤツは!」

苗木「ご、ごめんってば」

桑田「まぁいいんじゃね?センセーちょうど外してるし」

石丸「そういう問題ではないぞ桑田君!そもそも我々学生の本分はだね!」

大和田「ほどほどにしとけ兄弟」

大神「苗木よ。疲れているのではないか?気持ちはわかるが…あまり気を張りすぎるなよ」

苗木「うん。ありがとう大神さん」

霧切「………」

クラスメイトの江ノ島さんがいなくなってから、もう一ヵ月が経とうとしている。

警察はその足取りを全くつかめていない。

霧切さんも個人的に捜査しているようだけど、やっぱり難航しているみたいだ。

突如姿を消した「超高校級のギャル」。

誘拐か、神隠しか、恋人との駆け落ちか…憶測は憶測を呼び、メディアはセンセーショナルに騒ぎ立てた。

夏に学園内で起こった殺人事件と結び付けて、陰謀論を唱える人たちもいる。

真相はボクなんかにはよくわからないけど…とにかく今は、無事を祈るしかない。



そして、戦刃さんは今日も学校に来ていない。

江ノ島さんが行方不明になった翌日から、もうずっと来ていない。

彼女も江ノ島さんを捜索しているのだろうか。

この学校は実技試験さえ通れば卒業できるため、授業に出る義務はない。

それでもクラスメイトとしては心配だ。

せめて、どこでなにをしているのかわかればいいんだけど。

苗木「もう放課後かぁ」

苗木(どうしよっかな…特に予定もないし)

苗木(クラスの誰かを誘って学園内を散策しようかな)

苗木(えっと、今クラスに残ってるのは)

1安定の舞園さん
2ほんのちょっとだけデレつつある…?十神クン
3珍しく昨日お風呂に入ったっぽい腐川さん
4内臓は売らないよ葉隠クン

指定忘れ、>>7でお願いしますね。

3

腐川「な、なによぉ…なに見てんのよぉ…」

苗木「えっ?」

腐川「なんでこんなドブスが教室にいるんだろう?吐き気が止まらないからやめてほしいなぁって…」

腐川「そんな顔してるわね!!」

苗木「してないよ!?」

腐川「ふふん…う、嘘ね…あたしにはわかるんだから…」

腐川「でもね、別にいいの…あんたからの評価なんて、いくら悪くてもどうでもいいの…」

腐川「あ、あたしには……白夜様さえいればぁっっっ!!!」クワッ

十神「二度と口を開くな。空気が汚染される」

腐川「………」

苗木「………」

十神「おい何をしている愚民。早くそいつを連れ出せ」

苗木「アッ、ハイ」

葉隠「十神っちは相変わらず容赦ねえなあ」

舞園「あれも十神君なりの愛情表現なんですよ」

十神「おぞましいことを口にするなよ貴様…」

腐川(こ、これは……違う男に想い人を預ける、寝取らせプレイ…!!)

腐川(はぁあああああ…そ、そんな…白夜様…あたしは・・・白夜様だけがいいのにぃい……)ハァハァ

苗木(なんかめちゃくちゃ興奮してる!?)

成り行きで腐川さんと行動することになった…。

苗木「もうすっかり冬だね。外のイルミネーションが綺麗だよ」

腐川「ふんっ、く、クリスマスだとか言って、どいつもこいつも浮かれすぎよ…馬鹿みたい……あ、暑苦しい夏よりは、マシだけどね……」

苗木「腐川さんはなにか予定あるの?」

腐川「…ないわよ……暗くてジメジメした部屋で、ひ、ひとり寂しく執筆作業するわよ…悪い!!?」

苗木「い、いやそうじゃなくって…執筆ってことは、また新作書いてるの?」

腐川「まぁね…今度のは、ちょ、ちょっとサスペンスっぽい展開も入ってるわ……」

苗木「へぇ~!楽しみだなぁ。腐川さんのサスペンスってちょっと想像つかないけど、どんなのだろう?」

腐川「くふふ…な、なかなかエグいわよ……あんた、蠱毒って知ってる?」

苗木「こどく?」

腐川「なによぅ、知らないの?…れ、歴史上に実在した呪法よ」

腐川「一つの容器に大量の虫を集めて、お、お互いに殺し合わせるの……」

腐川「そ、そうして生き残った虫には神霊が宿ると言われているから…そこから採取した毒を使って、た、他人に害を与えたり、思いのままに富を得たり……とにかく、呪詛の媒体にするのよ」

腐川「中国では法令で禁じられていたこともあるんだとか…そ、それくらい、業の深い呪法なのよ……」

苗木(ずいぶん物騒な話を聞いちゃったなぁ)

苗木「そんな呪いの儀式があるんだね…でも、それと腐川さんの小説にどう関係が?」

腐川「み、南の島に集められた16人の高校生たち……」

腐川「蠱毒に見立てて次々と起きる、殺人事件……最後の一人になるまで止まらない…」

腐川「試される仲間の絆……進展する探偵と助手の恋……」

苗木「おぉ!それはワクワクするね!」

腐川「追い詰められた状況で行われる、ほ、放置プレイ……」

苗木「ん?」

腐川「被虐の快楽に悶える女……背徳感を感じながらも、嗜虐を加速させる男…」

苗木「ちょ、ちょっと」

腐川「そしてついに行われる、こ、公開調教……!!」

苗木「官能小説じゃないか!!?」

腐川「はぁ!?き、急になに言いだすのよ…こ、この、スケベ!変態!ヤリチン!」

苗木「やめてよ!あまりに理不尽な罵倒だよ!」

腐川「こ、こまるに言いつけてやるんだから…!」

苗木「それはマジでやめて」

その後も腐川さんのとんでもない妄想を聞きながら過ごした…。

コトダマ:『蟲毒』をゲットしました。

苗木「と、とんでもない目に遭ったよ…」

苗木「そろそろ食堂で夕飯を食べようかな」

苗木「えっと、今誘えそうなのは…」>>12

1霧切さん!
2入学当初より丸くなった大和田クン
3元気いっぱい朝日奈さん
4野球への愛を隠さなくなってきた桑田クン

4

桑田「よーっす苗木!お前もメシか?」

苗木「うん。いっしょに食べてもいいかな?」

桑田「あたりめーだろ。いちいち断んなくてもいいよ」

苗木「ありがとう。じゃあ隣に座るね」

桑田クンとご飯を食べることになった…。


桑田「そういや苗木さぁ、例の祭りは誰か誘うんか?」

苗木「うーん、まだ決めてないや。ひとりでブラブラするだけかもね」

桑田「おいおい。んなこと言って、ちゃっかり舞園ちゃんあたりと約束してんだろ?知ってんだぜオレは」

苗木「いや本当だって。それに、舞園さんは収録のお仕事があって来れないみたいだよ」

桑田「ゲッ!マジかよ!?」

桑田「あーあ!行く価値半減!いやほぼゼロだねこりゃ!もう部屋で寝てるわオレ!」

苗木「言い過ぎじゃないかな!?」

桑田「ちぇー、つまんねえなぁ」

苗木「しょうがないよ。舞園さん超売れっ子だし」

桑田「…まぁそれもそうか」

桑田「保護者の可愛いおねーさん狙いに切り替えるぜ!」

苗木「………」

桑田「んだよその目は…」

桑田「んだよその目は…」

桑田クンの言う祭りとは、学園祭としては異例の時期である毎年12月25日に開催される、希望ヶ峰の学園祭のことだ。

今日は23日だから、明後日ということになる。

上級生の出し物や外部からの出店を、その年入学した一年生…今年で言うボクたちが堪能するのが習わしになっているみたい。


桑田「家族とか来ねえの?…そういや写真見たことあるけど、妹さん結構可愛かったよな…よし苗木、呼べっ!」

苗木「も、ものすごい下心を感じる…妹も親もちょうどその日に予定入っちゃってるから来ないよ。フリーなのはボクだけさ」

桑田「そっか。まぁウチも似たようなもんだな。2個下の従妹は来るけどよ」

苗木「えーっと、いとこなのに桑田クンにずっと告白してくるっていう子だっけ…」

桑田「そそ。もし会ったら仲良くしてやってくれや。めちゃくちゃ変だけど悪いヤツじゃねえし」

苗木「あはは。わかったよ」

桑田「…あっ!そーだ!」

桑田「お前ヒマならオレらと回らねえ!?てか、回ろうぜ!頼む!」

苗木「えっ。い、いきなりなんなのさ」

桑田「いやいや、あいつマジでしつこいんだって。二人っきりになったら確実にマシンガン告白攻撃が始まっちまうんだよ。そうなったらナンp…学祭どころじゃねえ」

苗木「今なにか聞こえたけど」

桑田「だからお前を、かんしょーざい?にしてうまいこと切り抜けようってわけ!おっ、今のオレ、マキシマム賢くね?だはは!」

苗木「そういう雰囲気になるたびボクが気を利かせて話題をそらせってこと?」

桑田「さっすが苗木さん。理解が早いぜ」

苗木「うーん」

桑田「頼む!苗木先生!この通りだ!」

苗木「…わ、わかったよ。暇してるのは事実だし」

桑田「おっ!やったぜ!サンキューな!」

苗木(その子とは桑田クン自身がちゃんと向き合った方がいいと思うんだけど)

桑田「へへっ、そうと決まれば気が楽だな。これでナンパに身が入るってもんよ!」

苗木(言っても聞いてくれなさそうだなこれは…)

桑田クンと学園祭を回る約束をした…。

翌日…。

苗木「今日は一限から体育だから面倒だ」

苗木「体操服って寒いんだよなぁ」

苗木「…文句言ってても仕方ないや。早いとこ教室に行こう」

苗木「あっ。あそこにいるのは」>>17

1餃子大好きセレスさん
2可愛さカンスト不二咲クン
3今日もいい筋肉だね大神さん
4たまには野菜も食べなきゃダメだよ山田クン

3

苗木「おはよう大神さん」

大神「お早う苗木よ。昨夜はよく眠れたか?」

苗木「うん、もう大丈夫。心配かけてごめんね」

大神「ならば良し。良質な睡眠は、肉体のみならず精神の充足にも不可欠」

大神「明日の祭りにも支障はなさそうで何よりだ」

苗木「大神さんは誰かと約束してるの?」

大神「朝日奈と二人でな。中央広場の出店を全て回るとはりきっている」

苗木「朝日奈さんらしいや。ドーナツのお店なんてあったら全部食べつくしちゃいそう」

大神「…冗談では済まぬぞ苗木よ」

大神「これを見るのだ」ペラッ

苗木「パンフレット?」チラッ

・新商品ダブルチョコリング発売!むちゃウマドーナツが中央広場にやってくる!

・実家のような安心感!?オールドリング、中央広場にて販売決定!急いで買え!

・みんな大好きポポポンリング!中央広場にて特別価格80円!今すぐ買え!

・これはまるで王者の味わい。異色のドリアンリング、降臨。さっさと買え!



苗木「Oh……」

大神「ここにあるドーナツ全20種とその他諸々を味わい尽くすまで、ヤツは止まるまい」

苗木「じ、じゃあしばらくは中央広場にいるんだね?」

大神「そうだな。我らに何か用があれば来てみるといい」

苗木「はは…覚えておくよ」

大神さんと朝日奈さんの居場所をゲットしました。

大神「苗木の方はどうだ?」

苗木「桑田クンとその従妹の人といっしょに回ることになったよ」

大神「…なにやら不純な動機の香りがするが」

苗木「まぁ、うん。お察しの通り」

大神「桑田め。級友を利用するなど…不届き千万…!」ゴゴゴゴゴ

苗木「!?」ビクッ

苗木「だ、大丈夫だから!ボクもちょうど暇だったし!だから覇気を鎮めて、ねっ!?」

大神「……お主がそう言うなら」スッ

苗木(あ、焦ったーー!!)

苗木(自分が怒られたわけじゃないのにメチャクチャ怖いんだよなぁ)



狛枝「やぁ。楽しそうなお話をしているね」

狛枝「ボクも混ぜてほしいなぁ」



大神「!」

苗木「あなたは確か、えっと…」

狛枝「狛枝だよ。77期生の狛枝凪斗。一応キミたちの先輩にあたるわけだけど、畏まる必要は全くないからね」

狛枝「よろしく、苗木誠クン」

苗木「ど、どうも」

狛枝「そちらは『超高校級の格闘家』大神さくらさんだね?いやぁ凄いなぁ。お会いできて光栄だよ」

大神「うむ…」

苗木(狛枝先輩。噂に疎いボクでも聞いたことがある)

苗木(一切の悪気なく、他の生徒たちを引っ掻き回して問題ばかり起こしているっていう札付きの問題児)

苗木(そして)

狛枝「一日が始まって早々、こんなところでキミたちに出会えるなんて」

狛枝「やっぱりボクはツイてるね」ニコッ

苗木(名ばかりのボクとは違う、本物の……超高校級の幸運)

狛枝「ボクみたいなゴミクズとの会話で時間を取らせるのは申し訳ないから、単刀直入に言うね」

狛枝「今ね、ボクはとある事件を調べているんだ」

大神「事件だと?」

狛枝「そう」

狛枝「キミたちの同期である『超高校級のギャル』、江ノ島盾子さんの行方不明事件」

苗木「!!」

大神「…なぜ、お主がそんなことを調べている」

狛枝「いろいろ事情があるんだけどね。まぁとりあえずは、探偵の真似事ってところかな」

狛枝「もちろんボクなんかには霧切さんのような卓越した観察眼も捜査知識もないけれど、ひとよりちょっとだけ運がいいのは確かだからね」

狛枝「たまたまでもいいから、なにか少しでも役に立つ情報を拾えないかな…そう思って、こうして地道に聞き込みしているのさ」

大神「………」

狛枝「さて…苗木クン」

苗木「えっ?」

狛枝「キミ、なにか知っていることはないかな?」>>22

1知っていることを答える
2何も知らない
3この場から逃げる
4その他自由記述

4 1+一緒に事件を調べる事に協力してほしい

苗木「警察の人にも何度か同じことを話したんだけど、そんな情報でよければ」

狛枝「いやいや、ありがたいよ」

狛枝「パズルっていうのは、小さなピースひとつひとつが埋まっていって完成するものだからね。どんな些細な情報も見逃せないよ」

狛枝「お願いしようかな。苗木クン」

苗木「わかった」

苗木「江ノ島さんはあの日…」



狛枝「なるほどね」

狛枝「江ノ島さんはその日の放課後…教室でいつものようにクラスメイト達と談笑したあと、そのうちの一人と共に外へ出ていった」

狛枝「目的は南地区にあるコンビニへの買い出し。みんなで食べるためのお菓子を買いに行くために、二人で他愛のない会話をしながら歩いていた…その道中」

狛枝「江ノ島さんはいきなり走り始めた。女の子とは思えないような速力で、弾かれたように北地区、つまり旧校舎の方へと」

狛枝「同行したクラスメイトではとても追いつけず、すぐに見失ってしまったけど、それでも妙な胸騒ぎを覚えたその子は必死に同じ方向へと走った」

狛枝「しかし、たどり着いた旧校舎の周辺には誰もいなかった。教室にいた他のクラスメイト達とその後いくら捜索しても、江ノ島さんどころかその持ち物すら発見できなかった」

狛枝「そして江ノ島さんと同行したっていうそのクラスメイト…それが」

狛枝「苗木誠クン。つまりキミってわけだね」

狛枝「うん。改めて情報を整理してみても、難解な事件だね」

狛枝「旧校舎の周りには隠れられるような遮蔽物はないし、旧校舎そのものは厳重に施錠されていて誰も入ることはできない。窓ガラス等が割られた形跡も無し」

狛枝「外部からの誘拐犯って線も薄いよね。警備員に気付かれずに侵入して、さらに苗木クンが来るまでの短時間で江ノ島さんを捕らえて立ち去るなんて…現実的とは言えない」

狛枝「江ノ島さん本人の意思でどこかへ逃げたにしても、わざわざそんなタイミングで決行する意味がわからないなぁ。さっき言った警備員の問題もあるしさ」

狛枝「これはもう神隠しだとか…なにか超常的な存在の介入がないと成り立たないんじゃないかな」

苗木「疑わないの?ボクのこと」

狛枝「ん?」

苗木「いやだってさ、この話に出てくる人物で一番怪しいのは…どう考えたってボクだよ」

苗木「実際、警察の人たちだってボクのところに何度も来て、あの日のことをしつこく聞いてきたんだし」

狛枝「じゃあ苗木クンが犯人なのかな?」

苗木「そ、それは違うよ」

狛枝「あはは、疑えって言ったり容疑を否定したり。面白いねキミ」

苗木「ッ……」

狛枝「大丈夫だよ。ボクにはわかるんだ」

狛枝「この事件はそんな生易しいものじゃない。もっと悍ましい絶望が…みんなの希望を試すのに相応しい試練が…待ち受けてるってね」

苗木「絶望……?試練?」

大神「いきなり何を言い出すのだお前は」

狛枝「…あぁ、ごめんごめん。とにかく、キミのことは疑ってないよ」

狛枝「だいたい、ボクたちは超高校級の幸運なんて言われてるけどさ。能力的にはただの凡人なわけでしょ?そんなのが人間を何の痕跡も残さず消し去るなんてできるわけないよ」

大神「能力以前に、苗木がそのような凶行に手を染めるなどあり得ん」

苗木「大神さん…」

大神「我だけではない。クラスの者たち皆、お主を信じている。あの十神ですらな」

狛枝「苗木クンはずいぶん信頼されてるんだね。ボクとは大違いだ」

苗木(それはどっちかというと狛枝クン自身の問題じゃ)

狛枝「うん。さっきの証言をメモにまとめたことだし、ボクはここらへんで失礼するよ。ご協力ありがとう」

狛枝「ボクなんかが真相にたどり着けるかはわからないけど…せいぜい頑張ってみるよ」

大神「我らもそろそろ行こう苗木よ。授業が始まってしまうぞ」

苗木「ちょっと待って大神さん」

苗木「…狛枝クン」

狛枝「ん?なにか用かな?苗木クン」

苗木「ボクも捜査に協力させてほしいんだ」

大神「!?」

狛枝「……へぇ」

――――――――――
―――――――
―――――

苗木「ふぅ、もう放課後か。今日も疲れたな」

苗木(狛枝クンはボクが捜査に加わることをあっさりと了承した)


狛枝『一人より二人の方が効率的だからね』

狛枝『他の情報収集はボクがやるからさ。苗木クンは事件の当事者として…同じクラスの人たちからそれとなく聞き込みしておいて。ボクじゃ警戒されやすいみたいだからね』

狛枝『明日の学園祭…ボクは自分たちの教室で出し物やってるんだ。何かわかったことがあったら知らせに来てほしいな』

苗木『わかったよ。ちなみに、なんの出し物やってるの?』

狛枝『メイド&執事喫茶』

苗木『そ、そうなんだ』

狛枝『ちなみにボクはメイドね』

苗木『』

狛枝クンの居場所をゲットしました。


苗木(…なんだか非常に行きづらいけどしょうがない)

苗木(よし、聞き込みするぞ)

苗木(えっと、今クラスに残ってるのは…)

1熱心に明日の予習をしている石丸クン
2読書している霧切さん
3水晶玉をご機嫌で磨いている葉隠クン
4ドーナツ祭りにワクワクしている朝日奈さん

またまた指定忘れ…>>28でお願いします!

4

朝日奈「あっ!苗木だ~!おっすおっす!」

苗木「上機嫌だね朝日奈さん」

朝日奈「えへへへ。なんでかわかる?わかっちゃう?」

苗木「学園祭にドーナツのお店が来るから…だよね」

朝日奈「さっすが苗木!ピンポンだよ!」

朝日奈「さくらちゃんといっぱい食べるんだぁ」

苗木(遠足前日の小学生みたいなワクワクっぷりだなぁ)

苗木「そんな朝日奈さんにちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

朝日奈「いいよいいよ!何でも聞いて!」

朝日奈「あっでも…え、えっちな質問とかは駄目だからね!?」

苗木「聞かないよそんなこと!」

朝日奈「うんうん。ならいいいよ!どんとこーい!」

苗木「えっと、じゃあ」

苗木「今から一か月前。江ノ島さんがいなくなった事件のことなんだけど」

朝日奈「えっ?」

苗木「ってわけなんだ」

朝日奈「そっか。霧切ちゃんだけじゃなくて苗木も調べてるんだね」

苗木「なにか知ってることや気付いたことはないかな?どんな些細なことでもいいんだ」

朝日奈「うーーん、私あの日の放課後はずっとプールで練習してたからなぁ」

朝日奈「事件のウワサはいくつもあるみたいだけど、なんだか江ノ島ちゃんがオモチャにされてるみたいで…嫌な気持ちになるからなるべく聞かないようにしてたんだ」

朝日奈「だから私が知ってることはほとんどないかも」

苗木「わかったよ。ご協力ありがとう」

苗木(やっぱり最初から上手くはいかないか)

朝日奈「ごめんね?お役に立てなくって」

苗木「謝ることないよ!こっちこそ、楽しい学園祭の前にイヤな話思い出させちゃってごめん」

朝日奈「学園祭、みんないっしょがよかったのにね」

朝日奈「どこで何してるんだろ。戦刃ちゃんも学校来なくなっちゃったしさ」

朝日奈「二人もいなくなると寂しいよ…」

苗木「今はまだわからない。でも」

苗木「ボクが、ボクたちが必ず明らかにしてみせる」

朝日奈「!」

朝日奈「…ほんと?」

苗木「本当だよ。約束する」

朝日奈「………」ジーッ

苗木「あっ」

苗木「さ、流石にクサかったかな?あはは…」

朝日奈「苗木!あんたすっごいよ!」ギュッ

苗木「もががっ!?」

朝日奈「かっこいいよ苗木!本気なんだね!」ギューッ

苗木「ぐぇ…あ、あさひなしゃん…ぐるじ……」

朝日奈「あ、ごめんごめん」パッ

苗木「うぇっ!げほっげほっ」

朝日奈「とにかく、私も全力で協力するよ!なんかあったらいつでも呼んで!」バンバンバン

苗木「いでっ!いででっ!」

葉隠「朝日奈っち、もうちょい自分の馬鹿力考えてスキンシップしたほうがいいべ?」

朝日奈「えぇっ!?あんたに馬鹿とか言われたくないんだけど!」

苗木(うぅ…気持ちは嬉しいけど、これじゃボクの身体がもたないよ…)

朝日奈「…あーっ!!」

苗木「わっ!?」

葉隠「な、なんだべ急に」

朝日奈「ひとつだけ事件に関係するウワサを思い出したんだよ!」

苗木「なにかな?」

朝日奈「髪の毛オバケが出るってウワサ」

苗木「か、髪の毛オバケ…?」

朝日奈「地面まで届くくらいなっがーい髪をした謎の人物が、事件があった旧校舎の近くにときどき出没するって聞いたよ」

朝日奈「確か、事件が起きた翌日からいくつか目撃証言があるんだって。でも、見かけても一瞬で消えちゃうらしいの!旧校舎の周りには隠れる場所なんてないのに!」

葉隠「お、オカルトは信じねえぞ!?」

朝日奈「わ、私だって信じてないよ!全然怖くもないし!ほんとだよ!」

苗木(よくある怪談話の類だよな…これはメモとらなくてもいいかも)


狛枝『パズルっていうのは、小さなピースひとつひとつが埋まっていって完成するものだからね。どんな些細な情報も見逃せないよ』


苗木「!」

苗木「…一応とっておこうかな」

コトダマ:『髪の毛オバケのウワサ』をゲットしました。

葉隠「でもこんなときこそ俺の水晶玉の出番だべ!」

朝日奈「あんたの占いは三割しか当たらないでしょ」

葉隠「ば、馬鹿にすんじゃねーぞ!一流バッターの打率とおなじくらいなんだぞ!」

朝日奈「ん、そう考えたら結構すごいかも…?」

葉隠「だろ?今なら超格安の8万円で」

朝日奈「払わない!あんたにお金はぜーったい払わない!」

葉隠「んなにぃ!?」

苗木「ふたりとも、もうそのへんに…」

霧切「苗木君」

苗木「霧切さん!ご、ごめん、読書の邪魔しちゃった?」

霧切「いいえ、それは構わないわ。それより」

霧切「あなた、あの事件のことを調べているの?」

苗木「うん。狛枝クンと協力してるんだ」

霧切「……狛枝凪斗」

苗木「どうかしたの?」

霧切「苗木君。いきなりこんなことを聞かれても、困るのだろうけど…」

霧切「あなたは神様って信じる?」

苗木「…えっ?」

>>34
1信じる
2信じない
3その他自由記述

信じないし、いたとしても関係ない

苗木「神様かぁ、ボクは信じないかな」

霧切「!」

苗木「子どもの頃からそうなんだ。妖怪とか幽霊とか神様とか、そういう話をどうにも信じる気になれなくて」

苗木「それに、もし仮にいたとしても…ボクなんかには関係のないことだろうね。神様の恩恵にあずかれるほどの立派な善行も、天罰が下るような悪行もない平凡な人生だしさ」

霧切「……確かにね」

葉隠「苗木っちは罰当たりモンだべ!神様は実在するんだぞ!某県のとある村にはな、オヤシロ様の祟りっちゅーもんがあってだな」

朝日奈「はいはいあんたは口突っ込まない!」

苗木「神様がどうかしたのかな?小説の話とか?」

霧切「いえ、なんでもないの。気にしないで頂戴」

苗木「そう?」

霧切「私はやることがあるからもう行くわ」

苗木「あっ、待ってよ霧切さん」

苗木「明日の学園祭、霧切さんも…」

霧切「………」スタスタ

苗木「もう行っちゃった」

苗木「探偵のお仕事かな?ずいぶん忙しそうだったけど」

その後も葉隠クンと石丸クンにも聞き込みをしたけど、成果は得られなかった。

苗木「はぁ、三人聞き込みして得られたのが髪の毛オバケのウワサだけか」

苗木「あんまり順調なスタートとは言えないなぁ」

「どうしたんだい?ため息なんかついて」

苗木「このシブい声は…」

霧切仁「やぁ」

苗木「学園長!」

彼は希望ヶ峰の学園長、霧切仁。苗字からもわかる通り、霧切さんの実父にあたる人だ。

霧切仁「明日は年に一度の学園祭だよ。そんな顔をしてちゃいけない」

苗木「学園長もお店を回られるんですか?」

霧切仁「そうしたいところなんだが、今年は仕事が立て込んでてね。デスクで一日中書類と睨めっこする予定さ」

苗木「そうですか…やっぱり大変なんですね」

霧切仁「まぁね。でも、その大変さを打ち消してあり余ってしまうほどのやり甲斐を感じているよ」

霧切仁「なにせ、輝かしい才能と前向きな意思を持つ君たちを育てることができるんだからね」

苗木「他のみんなはともかくボクに才能なんてないですよ。取り柄があるとすれば、ちょっとだけ前向きなことくらいです」

霧切仁「いやいや。君の存在こそが、あのクラスを繋ぎ止めていると言っても過言ではないのさ」

苗木「えっ…ボクが、ですか?」

霧切仁「君は自分で思っているより大物だよ。狛枝君とも、他の超高校の幸運たちとも違う…何か別の才能が眠っているのかもね」

苗木「う、うーん。どうなんでしょう」

苗木(過大評価にも程があるような…おだてられてるのかな…)

霧切仁「君ならあるいは」

苗木「?」

霧切仁「…いや、なんでもないよ」

霧切仁「じゃあ私はこれで。明日は楽しんできなさい」ポンッ

苗木「ど、どうも」

苗木(言いかけてやめられると気になる…)

苗木「…あっ!」

苗木「学園長にも事件のこと聞いておくんだった!」

苗木(やっぱり霧切さんのようにはいかないなぁ。これじゃとんだポンコツ探偵だよ)

苗木「まぁ気にしてても仕方ないか。また後で会ったときに聞こう」

苗木「ちょうど夕食どきだから、ご飯がてら食堂にいる誰かに話を聞こうかな」

苗木「えっと、今食堂にいるのは…」>>40

1セレスさん
2十神クン
3不二咲クン
4大和田クン

2

無事復旧してなによりです。更新は明日となります。
しかしこのまま何もしないのもアレなので、出してほしいキャラを2人まで募集しようと思います(初代の16人と狛枝は既に確定)。
2、アニメ3、V3の名ありキャラなら誰でも可です。>>42>>43にどうぞ。

復旧記念かな
罪木で

田中で

苗木「おーい十神クン。いっしょに食べてもいい?」

十神「フン、誰かと思えばお前か」

苗木「ダメかな」

十神「食事中の俺に話しかけ、あまつさえ同席を願うなど…本来は許されないところだが」

十神「運がよかったな愚民よ。今の俺はさほど機嫌が悪くない。好きにしろ」

苗木(十神クンもずいぶん柔らかくなったよなぁ)

十神クンとご飯を食べることになった…。


十神「…ほう、お前が例の事件をな」

苗木「何か知っていることはないかな」

十神「ないな。あの日、俺は終日自室で過ごしていた」

苗木「うん、それは知ってるよ。授業に出席してなかったもんね」

苗木「だから十神クンに聞きたいのは、この事件の『裏』の情報なんだ」

十神「なに?」

苗木「十神クン、確かジェノサイダー翔の正体が明らかになったとき言ってたよね?」

苗木「自分は世界を支配する一族の当主として、世界中で起きた未解決事件や報道されない真実なんかの『決して表には出ない情報』にも通じているって」

苗木「キミならもしかしたら…この不可解な事件の情報をなにか知っているんじゃないかと思ったんだ」

十神「……」

苗木「お願いだよ、なにか知っているなら教えてくれないかい?」

十神「先ほども言ったが、事件の真相など俺は知らん。ずいぶんと熱心に捜索していた警察どもも、今や完全にお手上げとなっているようだからな」

苗木「そっか…」

十神「だがな、被害者についてのキナ臭い情報なら掴んであるぞ」

苗木「被害者?それって、つまり」

十神「江ノ島盾子のことだ」

苗木「!!」

十神「なんのつもりだか知らんが、ヤツはある期間から予備学科に出入りしていたようだな」

苗木「よびがっか?って?」

十神「そのくらいは自分で後で調べろ」

苗木「ご、ごめん」

十神「それだけじゃない。俺たちの一学年上、つまり77期生の何人かとも定期的に接触している」

苗木「!」

苗木(77期生ってことは狛枝クン達だ)

十神「ククク、人目を警戒していたようだが…俺の情報網を甘く見るなよ。俺が入学するにあたって、学園には十神家の密偵たちを送り込んであるからな。怪しい動きはすぐにわかる」

苗木「それって…江ノ島さんがなにかやましいことをしていた…ってコト?」

十神「さぁな。なんの目的があってそんなことをしていたのかはわからん」

十神「ただの仲良し会と言うにはずいぶんと違和感のある動きだった、それだけだ。事件とは全く関係のないことかもしれない」

苗木「…わかった。とりあえず記録しておくね」

コトダマ:『江ノ島盾子の情報』をゲットしました。

十神「もういいだろう。俺は帰るぞ」

苗木「あ、待ってよ十神クン」

苗木「明日の学園祭、もし時間あるなら十神クンもいっしょに回らない?」

十神「なんだと」

苗木「ボクは桑田クンとその従妹さんと約束してるんだけどさ、ちょっとボクひとりじゃ手に負えなさそうって言うか…たはは」

十神「察するに、あの阿呆に面倒ごとを押し付けられたといったところか。お前もなかなかに苦労しているようだな」

苗木「そ、そうなんだよ!だから」

十神「だが断る」

苗木「」

十神「学園祭などというガキのレクリエーションに興味はないからな。明日はやかましい外には出ずに、自室で読書でもして過ごすつもりだ」

十神「じゃあな凡人探偵。せいぜい足掻いてみせろ」スタスタ

苗木「………」

苗木(や、やっぱり十神クンは十神クンだ…)

十神クンの居場所をゲットしました。

その翌日。

学園祭当日。

そして



事件当日。

桑田「おっ!来た来た!おーい苗木!」

苗木「桑田クン、思ったより早かったんだね。いつも待ち合わせには遅れてくるのに」

桑田「いやぁオレももうちょい寝てたかったんだけどさ、こいつが朝から鬼電かけてきやがってからに…」

花音「レオンお兄ちゃんが言ってた苗木さん?なんかフツーだね!思ってたより100倍はフツー!」

苗木「あはは、よく言われるよ。キミが桑田クンの言ってた子かな?」

花音「そーそー!アタシ仲島花音!レオンお兄ちゃんのいとこで、しがない野球部のジャーマネだよ!シクヨロ!!」

苗木「う、うん…よろしく…?」

桑田「そのヘンなギャル語やめろって言ってんだろ…10年は軽く古いんだよオメーのセンス」

花音「そんなことどーでもいいでしょ!早く回ろうよお店!」グイグイ

桑田「うわっ!ひっぱんなよ!てか腕絡めんな!動きづれえ!」

苗木(元気な子だなぁ。なんだかんだで桑田クンと似た者同士かも)

花音「苗木さんも早く早く!置いてっちゃうよー!?」

苗木「はーい」

苗木(この子の猛攻から桑田クンを守り切るのは……ボクじゃ無理そうだ)

どこへ行こうか?>>50
1大神さんと朝日奈さんのところへ
2狛枝クンのところへ
3特にあてもなく歩いてみる
4その他自由記述

2人に行きたい場所がないか聞いてみる

桑田「で、どこ行くよ」

苗木「ボクはどこでもいいよ。二人は行きたいお店ないかな?」

花音「アタシはレオンお兄ちゃんの行きたいところでいいや」

桑田「おいおい、オメーらには自分の意思ってもんが」グゥー

桑田「あっ…」

苗木「桑田クンおなか空いてるんだね」

桑田「しゃーねーだろ!朝からコイツの相手してたんだからよぉ!」

花音「へへへ」

苗木「それじゃまずはご飯食べよっか」

桑田「おう」

花音「お祭りってご飯って言ったらやっぱりアレだよね」

苗木「アレって?」

花音「バーソーキーヤー!」

苗木「??」

桑田「焼きソバね。フツーに言えっての」

花音「レッツゴー!」

本校舎前

ガヤガヤ ワイワイ ニギニギ

花音「ん~おいし~~」モグモグ

苗木「結構人来てるんだね」

桑田「なんたって希望ヶ峰の学祭だからなぁ。そこらの高校とは違うぜ」

大和田「おうお前ら、楽しそうだな」

桑田「よーっす大和田」

苗木「大和田クンも来てたんだね」

大和田「ん、まぁな。つっても暇だったからちょっと歩いてただけだぜ」

大和田「こういう浮ついたイベントあんまり興味ねーからよ」

桑田「相変わらず硬派気取ってんなぁオイ」

苗木「でも大和田クンらしいや」

石丸「兄弟!楽しみにしていた綿菓子を買ってきたぞ!一緒に食べよう!」

不二咲「りんご飴もあるよぉ。大和田くん食べたいって言ってたもんねぇ」

大和田「」

苗木「」

桑田「プッ」

桑田「ぶわははは!な~にが興味ねーだよ!思いっくそ楽しみにしてんじゃねえか!ぎゃははははは!!」

大和田「………」ビキビキ

桑田「ぐぁあ~~…いってぇ~~……」ズキズキ

苗木「でっかいタンコブだね…」

桑田「あのヤロー本気でやりやがったな…しばらく治んねえぞコレ」

花音「今のはお兄ちゃんが煽りすぎたのが悪いね」

桑田「オメーな、こういうときは大好きなお兄ちゃんを庇ってくれよ」

花音「アタシは好きな人を甘やかさない主義なんだよ!」ドヤッ

桑田「あっそ」

苗木「次はどこ行こうか?」

桑田「舞園ちゃんのとこ…」

花音「ワガママ言わないの!」

桑田「うるせえな、大和田のせいで身も心もボロボロなんだよ!癒されてえの!」

花音「こらっ!めっ!」

ざわ……ざわ……ざわ……

苗木「うわっ、なんか人が増えてきたね」

花音「ステージの近くまで来ちゃったみたい」

桑田「ステージだぁ?芸能人でも来るってのかよ」

舞園『みんなー!お待たせー!!』

苗木「!!???」

桑田「アポ………?」

舞園『舞園さやかサプライズライブ!始めるよー!!』

ワァアアアアアアアアアアアア

桑田「き、奇跡だ……神が齎した恵みだ……」ボロボロ

苗木「うぉおおおお!!今行くよ舞園さんんんん!!!」ダッ

桑田「てめぇ抜け駆けか!!?オレも行くぞおおお!!!」ダッ

花音「えっ…なにそのテンション…怖…」

山田「やれやれ、三次元にうつつを抜かすなどまだまだですな」

花音「キミは誰かな?」



桑田「いやぁ良かった良かった!HP全回復だわ~」ツヤツヤ

苗木「まさか新曲までやってくれるなんてね。もう思い残すことはないや」ツヤツヤ

花音「そんなに言うほど?」

桑田「さぁ花音。行きたいところを言ってごらん?レオンお兄ちゃんが連れて行ってあげよう」ニコッ

花音「うぅ…機嫌が良すぎてキモイよぉ…ちょべりばだよぉ…」



霧切仁「あぁ、構わない」

霧切仁「始めてくれ」



校庭

桑田「へへっ、まさかここまでオレにおあつらえ向きのモンがあるとはなぁ!」

苗木「優勝景品はハワイ旅行二泊三日だって!頑張って桑田クン!」

花音「いっけえお兄ちゃん!」

桑田「オラッ!」ビュン

155km/h ピコン

桑田「どりゃあっ!」ヒュッ

161km/h ピコン

桑田「どっせええい!!」ズバン

167km/h ピコン

司会「スピードガンコンテスト優勝は超高校級の野球選手・桑田怜恩~!!2位以下を20キロ以上突き放すダントツの記録!もう二度と来ないでくださ~い!!」

桑田「はっはっは」

桑田「どうよお前ら!オレの勇姿!見た?見た!?」

苗木「……」

花音「……」

桑田「なんだよ、二人してよそ見しやがってよぉ」

苗木「いや…なんか…」

花音「空、赤くない……?」

桑田「え?」

花音「まだお昼過ぎだよね…?なんでこんな夕方みたいに赤いの?」

桑田「雲ひとつねえな。気持ちわりいくらい真っ赤な空だぜ」

苗木「何だろう、この嫌な感じ」

苗木「ここにいちゃダメだって…頭の中のなにかが訴えかけてくる感じが……」



江ノ島「あーあ、だから言ったじゃん」

江ノ島「早く逃げろってさ」



苗木「ッッッ!!」ゾクッ

苗木「桑田クン!仲島さん!!」ガシッ

桑田「うぉっ!?」

花音「なになに!?」

苗木「早く逃げ―――」

強烈なイヤな予感に従い、逃げようと一歩踏み出したのと同時に…。

ぐるぐるとボクの視界が歪み始めた。

ぐるぐるぐるぐるとすべてが飴細工のように混ざり合い、その次の瞬間には。

ただの暗闇。それが始まり。日常の終わり。この時点でボクは気付いても良かったのかもしれない。

ボクが希望ヶ峰学園に来たのは、超高校級の幸運なんかじゃなくって…。

超高校級の不運だったってことに…。

苗木「………ん」パチッ

苗木「ここ……は…教室?」

苗木「ボクは校庭にいたはずじゃ…」

桑田「あっ!目覚ましたか苗木!」

苗木「桑田クン、これはいったい」

桑田「しっ!」

苗木「?」

桑田「あんまり声出すんじゃねえ、気づかれちまう」

ぐちゃ… ぐちゃ… ぐちゃ…

苗木「…?」

苗木(なんだこの音?廊下から聞こえるけど)

ぐちゃ…

桑田「……もう行ったか」

桑田「はぁチクショウ。なんだってんだよ…」

苗木「………」

行動選択>>59
1桑田の話を聞く
2教室の外へ出てみる
3持っている情報を整理する
4その他自由記述

苗木「桑田クン、聞かせてくれないかな。ボクが気絶してる間に何があったのか」

桑田「…気絶してたのはお前だけじゃねえ。オレも花音も…あそこにいたやつ全員だ」

苗木「!」

桑田「最初に目が覚めたのはオレだったな。周り見渡したらお前らみんな寝てて、その、カッコワリーけど完全にテンパっちまった。相変わらず空は頭おかしいくらい赤いしよ」

桑田「でもビビッてばっかりもいられねえから、まずはお前を起こそうと思って。声かけて揺さぶろうとしたんだ。そしたら……」

苗木「そしたら?」

桑田「…距離で言ったらたぶん50メートルもねえな。オレの背後に、さっきのが現れたんだ」

苗木「現れた…?それはどこから?」

桑田「わかんねえよ。でも確かにそいつは何の前触れもなくあの校庭に現れて、それで…」

桑田「他の気絶してる奴らを食い始めたんだ」

苗木「!!?」

桑田「ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ、咀嚼音っつーのかな。怖くて後ろなんて振り返れなかったけどよ、確実にそいつは他の奴を食らいながら、オレらの方へと近づいてきてんだよ」

桑田「だからオレはお前と花音抱えて逃げたんだ。もうどうやって逃げたのかあんまり覚えてねえけど、とにかく死ぬ気でな。んで気づいたら校舎の中に居て…今に至る、って感じか」

苗木「そ、そんな…そんなことが……」

桑田「ははっ。二人も運ぶのすげえ疲れたけどよ…案外やれば出来るんだな。火事場の馬鹿力ってやつか…」

苗木(どういうことなんだ……人が、た、食べられるなんて。いきなり現れた?なにが?どうやって…?)

苗木(この学園でいったいなにが起こってるんだ…!!)

桑田「うぅ、チクショウ…チクショウ……」ガクガク

苗木「く、桑田クン!大丈夫!?」

桑田「……花音が」

苗木「仲島さん?仲島さんがどうしたの?」

苗木(そういえば、ボクと彼女の二人を抱えて逃げてきたと言ってたけど…教室の中には見当たらないな)

桑田「……目を覚ましたアイツが、飛び出して行っちまったんだ」

桑田「あのバケモンが校舎うろついてるってのに!武器を取りに行くとか言って!!」

苗木「!!!」

苗木「そ、そんな…!たった一人で!?危険すぎるよ!」

桑田「オレだって止めようとしたぜ!!でも、お前ら二人抱えて逃げるのに体力使い果たしちまって……振り切られちまった」

桑田「あれからもう1時間くらい経ったか…『5分で戻るからこの教室に隠れてて』って言って、まだ戻ってこねえんだ…」

桑田「これってやべえんじゃねえのか!?さっきのバケモンもそうだが…もし同じようなヤツが他にもいるんだとしたらよ……あいつは、もう…!!」

苗木「桑田クン!」ガシッ

桑田「ッ!!」

苗木「仲島さんを探しに行こう!」

苗木「なにが起きてるのかボクにはまだわからないし、みんなみたいに凄い力もないけど…それでも!このまま放っておけないよ!」

桑田「……そうだよな。そうするべきだよな。なにより、お前ならそう言うよな」

苗木「桑田クン!それじゃあいっしょに」

桑田「でもよ」

桑田「オレ、もうダメになっちまったみたいだ」

桑田「大事な家族が…やべえかもしれねえのに……」ブルッ

桑田「ビビッて……動けねえんだッ!!」ブルブル

苗木「ッ」

桑田「体力だってもう回復してる!お前の無事も確認できた!あとはオレが腹くくるだけだ!なのに……それなのに、それがどうしてもできねえんだ…!」ブルブル

桑田「死に物狂いで逃げてる途中もずっとずっと聞こえてくるあの気持ちわりい咀嚼音がっ!耳に残って、頭ン中にこびりついて離れねえんだよぉ…!!」ブルブルブル

苗木「桑田クン…」

桑田「悪い苗木。最低なことだってわかってるんだが……オレはもう無理だ」

桑田「オレのことは見捨てて逃げてくれ…もう、忘れてくれ。こんなクソ野郎のことは……」ガクッ

苗木「…わかった」

苗木「桑田クンのことは置いていく。ボクひとりでここを出ていくよ。でも、条件があるんだ」

桑田「条件…?」

苗木「仲島さんが戻ったら、これからは桑田クン自身がちゃんと向き合うことだよ。大事な家族だってことを自分の口で伝えるんだ」

桑田「な、苗木?」

苗木「ボクは仲島さんを探してくる」

苗木「だから…ここで待っててね」

ガラッ

桑田「あっ、オイ!苗木!?」

桑田「待てよ!!オイ!!」

校舎内・廊下

苗木(見捨てたりなんてするもんか。ボクが桑田クンの分まで頑張って、なんとか仲島さんを見つけるんだ!)

苗木(って、意気込んで飛び出したのはいいんだけど…)

べちょべちょ…

苗木「すごい血痕だな、コレ……そのまま足跡みたいに床に残ってる」

苗木「本当に…人を食べながら進んでいるのか……?」

桑田『ぐちゃぐちゃぐちゃぐちゃ、咀嚼音っつーのかな』

桑田『そいつは他の奴を食らいながら、オレらの方へと近づいてきてんだよ』

苗木「~ッ」ゾクッ

苗木(…今更怯んだってしょうがないだろ!行くしかないんだ!)ダッ



苗木「血痕は階段のところまで続いてる」

苗木「どうやら下の階に行ったみたいだ。上の階へ行く階段には血痕が付いてないから、まだ化け物は下にいる…?」

苗木「どっちに行こうか」>>65

1上の階に行く
2下の階に行く
3情報を整理する
4その他自由記述

4 クラスのみんなの安否を考える+2

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