【ウマ娘SS】ゴールドシップ「年末の主役といえばゴルシちゃんだぜ!」 (44)


~トレセン学園:廊下~


トレーナー(ゴールドシップのトレーナーになって数か月……なかなか意思疎通が上手くいかないな……)

トレーナー(今日こそトレーニングを! と思っても、変な洞窟や孤島で宝探しをする日々……それなのにゴールドシップは共同通信杯や皐月賞など重賞レースを次々と制覇……)

トレーナー(はぁ……俺って必要なのかな……暇つぶしに使われてる気しかしない……)

トレーナー(今日だってオフを言い渡したはずなのに、ゴールドシップの方から『大事な話がある』ってトレーナー室に呼ばれたし……)

トレーナー(……いや! そんな弱気になってどうする! もしかしたら今日こそは真面目にトレーニングをする気になったのかもしれないだろ!)

トレーナー(『ウマ娘とトレーナーは二人三脚の関係』だって、養成所でも習ったじゃないか!)

トレーナー(まあ、ゴールドシップの『大事な話』、前回は『アタシ、超能力が使えるんだぜ! 今からこの横ジマのハンカチを縦ジマにしてやっから!!!』で、前々回は『なぁ……ライスがライスをおかわりする時って「ライス、ライスおかわりで……」ってちゃんと言うのかな……気になってアタシ授業中しか眠れねーよ……』だったけど……)

トレーナー(と、とにかく! 今は力不足でも、あのポテンシャルに相応しいトレーナーになるんだ!)



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~トレーナー室~


ガチャ


トレーナー「ゴルシ、いるか?」

パーン!!!!!

トレーナー「!?」

ゴールドシップ「おめでとう!!! オマエは今日2人目の来場者だ! 1人目はアタシな!!!」

トレーナー「びっくりした……いきなりクラッカーを鳴らすなよ……」

ゴールドシップ「じゃあ予告したら何してもいいのか? いいぜ! 次のレースで勝ったらドロップキックしてやんよ!」

トレーナー「毎回してるだろうが!」

ゴールドシップ「まあまあ、そう怒んなって。今日オマエを呼んだのは他でもねえ……」

トレーナー「今日こそ真面目な話なんだよな?」

ゴールドシップ「おいおい、それじゃあまるでアタシがいつもふざけてるみたいじゃねえか。アタシはいつも真面目にお宝を探してるし、律儀についてくるオマエを見て『ヒマなのかな……』って思ってるぜ?」

トレーナー「帰っていいか?」


ゴールドシップ「とりあえず聞けって。アタシたちの次の目標は何だ?」

トレーナー「次? えっと、次のレースは……来月、9月下旬の神戸新聞杯だから、それに勝つことで……」

ゴールドシップ「喝ーーーーーッッッ!!!」

トレーナー「いちいち声がでかいんだよ」

ゴールドシップ「誰が次のレースを教えろって言ったんだよ!? 違え違え!!! 艦これとアズールレーンくらい違えんだよ!!!」

トレーナー「例えが全然ピンとこないんだけど」


ゴールドシップ「アタシたちはそんな目先のレースに勝つために頑張って宝探しをしてるわけじゃねえんだ!」

トレーナー「目先のレースに勝つためだとしても宝探しはおかしいだろ」

ゴールドシップ「まだ夏が明けてもない時期だが、アタシはすでに”その先”を見てんだよ……」

トレーナー「その先……?」

ゴールドシップ「っか~! ここまで言ってもわかんねえか!? 欲しがりさんめ! これ以上のヒントが欲しいならギブミーチョコレートと言え!!!」

トレーナー「チョコ求めてヒントが降ってくるのはコミュニケーション的には失敗じゃない?」

ゴールドシップ「しょうがねえ……アタシが見据えてんのは、あの”年末の大勝負”だよ」

トレーナー「年末の……はっ! まさか……!?」

トレーナー(この世界で年末の勝負と言ったら……そうだ、有マ記念しかない!!!)

トレーナー(確かに、今後出場を予定している神戸新聞杯、そして菊花賞で優秀な成績を収めれば、有マ記念のファン投票に選ばれるのは必須……!)

トレーナー(この時点で既にグランプリを見据えているなんて……やっぱりゴールドシップはふざけてバカをしているだけの考えなしの暴れウマじゃなかったんだ……!)

ゴールドシップ「今なんか失礼なこと考えなかったか?」

トレーナー「気のせいだよ」


ゴールドシップ「まあいい、オマエもようやくわかったみたいだな? あの勝負に出るには人気が必要だ……!」

トレーナー「そうだな、選ばれなきゃ始まらないからな……!」

ゴールドシップ「1950年代から続く伝統のある戦い……!」

トレーナー「そこに名を刻めるように……!」

ゴールドシップ「覚悟はいいかー!!!」

トレーナー「ああ……! そうと決まれば一緒に頑張っていこう!!!」

ゴールドシップ「そう来なくっちゃな! それでこそゴルシちゃんのトレーナーだ!」

トレーナー「そう言ってもらえると光栄だな! よし! 早速特訓だ! 目指すは……!!!」

ゴールドシップ「おう! 目指すは……!!!」


トレーナー「有マ記念!!!」
ゴールドシップ「紅白歌合戦!!!」


トレーナー「……」

トレーナー「……」

トレーナー「は?」


ゴールドシップ「よしよし! 今までで一番、心が通じ合った気がするぜ!!!」

トレーナー「い、いやいや、待て待て」

ゴールドシップ「とにかく選ばれなきゃいけないからなー。まずどうする? Mステか? ミュージックフェアか? 局を考えるとNHKの歌番組には出ておきてえけどな」

トレーナー「待て待て待て!!! こ、紅白歌合戦!? 有マ記念じゃなくてか!?」

ゴールドシップ「ああ!? 人気が重要で1950年代からって言ったら、1951年スタートの紅白に決まってんだろうが!!! オマエが言ってるレースは1956年開始だろ!? 歴史が違えんだよ!!!」

トレーナー「どっちも1950年代始まりなのかよややこしいな!!!」


ゴールドシップ「ってかさっきから有マ有マって何だよその表記は! 電マじゃねえんだぞ!!!」

トレーナー「女の子が電マとか言うんじゃありません!!! 今〇さんに言いつけるぞ!!!」

ゴールドシップ「〇浪さんは関係ねえだろ!!!」

トレーナー「点が2つしかない『馬』って漢字がアプリ外じゃ出せねえからしょうがねえんだよ!!!」

ゴールドシップ「そうやって機器のせいにすんのか!!! ジョブズが地獄で泣いてんぞ!!!」

トレーナー「ジョブズあれだけの功績あんだから天国行かしてやれよ!!!」

ゴールドシップ「ま、ひとまず『馬』でやり過ごさねえ? いちいち『有馬』って打ってから1文字消して『有マ』に変えんの面倒なんだよ」

トレーナー「誰目線なのかわかんないけど、そうしておくか……」

ゴールドシップ「とにかく、アタシは紅白に出るって決めたんだ。この決意は考え事をしてるスズカくらい動かねえぜ」

トレーナー「めちゃくちゃ動くじゃん。左回りに」


トレーナー「というか、別に日程が被ってるわけじゃないんだから、どっちも目指すのはダメなのか……?」

ゴールドシップ「馬鹿野郎!!!!!」ベシーン!!!!!

トレーナー「な……っ……」

ゴールドシップ「……」

トレーナー「なん……で……」

ゴールドシップ「……」

トレーナー「なんで今そこに置いてあったトーセンジョーダンのぬいぐるみを引っぱたいたんだよ。俺がビンタされたのかと思っただろ」

ゴールドシップ「そこにあったからだ」

トレーナー「自信満々に言われても」


ゴールドシップ「そんなことよりオメー! もう一度言ってみろ!!! 『日程が被ってるわけじゃないからどっちも目指すのはダメなのか』だって? もう一度言ってみろ!!!」

トレーナー「完全に復唱できてんじゃねえか! これ以上言う必要ないだろ!!!」

ゴールドシップ「その意見!!! 一理あるな!!!!!」

トレーナー「急に物分かりがよくなる」


ゴールドシップ「確かに、レースに勝てばセンターでライブできるしな……紅白に出るためのアピールには最適か……」

トレーナー「そんなモチベで走ってるやつ見たことないけどな」

ゴールドシップ「よしわかった、あくまで紅白のためだが、有馬も勝ってやろうじゃねーか!!!」

トレーナー「有馬で勝っても1年が終わらないウマ娘、お前くらいだよ」


トレーナー「とにかく、有馬を目指すなら、今日こそちゃんとトレーニングに……」

ゴールドシップ「喝ーーーーーッッッ!!!」

トレーナー「隣の部屋からうるさいってクレーム来ても俺は謝らないからな?」

ゴールドシップ「甘い……甘すぎるぜとっつあん……」

トレーナー「誰?」

ゴールドシップ「減量中のマックイーンの前で食べるショートケーキくらい甘えぜ……」

トレーナー「やめてあげて?」


ゴールドシップ「目標は決まっても、そこに至るまでのアプローチ方法がブレてちゃあダメだろ?」

トレーナー「アプローチ……確かに……?」

ゴールドシップ「がむしゃらな努力も、方向が間違ってちゃあ水の泡だ」

トレーナー「それはまあ、一理あるな……」

ゴールドシップ「ってなわけで、ゲストをお呼びしております! こいつならアタシたちの進むべき道を占ってくれることでしょう!」

トレーナー「占って……まさか!」

ゴールドシップ「どうぞ!」


ガチャ


マチカネフクキタル「こんにちはー! マチカネフクキタルです!」

トレーナー「フクキタルちゃん!」

パーン!!!!!

マチカネフクキタル「!?」

トレーナー「!?」

ゴールドシップ「おめでとう!!! オマエは今日3人目の来場者だ!」

トレーナー「それ毎回やるの!?」


ゴールドシップ「冗談だよ。紹介するぜ、トレーナー。こいつは……こいつ……は……」

トレーナー「ん?」

ゴールドシップ「こいつは……なんて名前だっけ?」

マチカネフクキタル「最初に名乗りましたけど!?」

トレーナー「お前が呼んだんだよな???」

ゴールドシップ「わりぃ、ド忘れしちまった……いや、ここまで出てんだよ。この耳の付け根までさ」

トレーナー「口を余裕で通り越してんじゃねぇか。ゴール見失ってんじゃねえぞ」

ゴールドシップ「ウイニングランしてんだよ、このデコのあたりでさ」

トレーナー「そういうのいいから早く出てこい」

ゴールドシップ「マチ……マチ……」

マチカネフクキタル「マチカネフクキタルですけど……」

トレーナー「ごめんな、こいつの耳は飾りだから何も聞こえないんだ、我慢してくれると助かる」

マチカネフクキタル「そこまで言わなくても……」

ゴールドシップ「聞こえてんぞ」


ゴールドシップ「なんだっけな……? マチカドクソワロタみたいな名前だよな?」

マチカネフクキタル「脳ミソも飾りなんでしょうか?」

トレーナー「おいめちゃくちゃ怒ってんぞ謝れ謝れ」

ゴールドシップ「すげぇ手のひら返しだな、クソワロタ」

トレーナー「やかましいわ!!!」


ゴールドシップ「冗談だってフクキタル!」

マチカネフクキタル「ならいいですけど……」

ゴールドシップ「そうだ、フクちゃん、あれやってくれよ、あの「うら」から始まって「ない」で終わるやつ!」

トレーナー「占い一択じゃねぇか」

ゴールドシップ「なに決めつけてんだよ!!! 『浦和レッズのサポーターはけっこう治安がよくない』の略かもしれねぇだろ!!!」

トレーナー「お前浦和競馬場行ったらパドックで石投げられる覚悟しとけよ」

ゴールドシップ「かかってこいよ大宮アルディージ○!!!」

トレーナー「敵を増やすな!!! あと最後の文字を伏せ字にしてもほとんど意味ないから覚えとけ!!!」


ゴールドシップ「そんなことはどうでもいいんだよ、なあマッチ! 占いだよ占い! フックー、あれ得意だもんな!

マチカネフクキタル「呼び方がいちいち安定しないのはどうにかなりませんか……?」

ゴールドシップ「ごめんな、悪気はあるんだ」

マチカネフクキタル「一番ダメなパターンでは!?」


マチカネフクキタル「と、とにかく、占いを求めるなら授けるのが使命!どういったことが気になりますか!」

ゴールドシップ「年末のさ、あの”大きな戦い”について知りてえんだよ」

マチカネフクキタル(大きな戦い……!ということは、有馬記念のことですね……!)

トレーナー(絶対に勘違いしてるだろうけど面倒だからこのまま進めてもらおう……)

ゴールドシップ「やっぱりさ、ライブのレッスンはしてるけど、それだけであそこ(紅白)に集うメンバーに遅れを取らずに済むかって言ったらわかんねえだろ?」

マチカネフクキタル(! もうレース後のライブのことまで!!!)

マチカネフクキタル「そうですね……! いくら戦い(レース)に勝っても、ライブの出来はまた別の話ですからね……!」

ゴールドシップ「そうだろ? 戦い(紅白の選考)に勝っても、それだけで結果が約束されるわけじゃねえんだ」

マチカネフクキタル「その通りです……!」

ゴールドシップ「ライブの出来が良くなかったら(自分の組に)投票してくれないかもしれないしな」

マチカネフクキタル(ライブ後に投票……? はっ! まさか、来年の有馬のことまで既に視野に……!? 確かに、同じ舞台での失敗経験はファンの心に否定的に残る可能性も! なんて未来まで見据えた計画……!!!)

ゴールドシップ「でもやっぱ、勝つには最後の方が重要だよな! 印象にも残るし!(トリの歌手的な意味で)」

マチカネフクキタル「そうですね! 最後に劣勢を跳ね返せれば、きっと心にも残ります!(レース展開的な意味で)」

ゴールドシップ「よし! 早速占ってくれ! 国民がお金を払ってまで注目する夢舞台について!!!(NHK受信料的な意味で)」

マチカネフクキタル「はい! 皆さんがお金と夢を乗せる大舞台について、占います!!!(馬券的な意味で)」

トレーナー「噛み合ってんじゃねぇよ!!!!!」バンッッッ!!!!!

マチカネフクキタル「!?」

ゴールドシップ「どーしたんだよいきなり? カルシウム不足か? アタシのおやつのキュウリ食うか?」

トレーナー「キュウリにカルシウムは入ってねぇよ!!!」


トレーナー「はぁ……はぁ……いや、すまない、続けてくれ……」

マチカネフクキタル「と、とりあえず占いますね!」

ゴールドシップ「おう! 支払いはカードでな! 魔法カード発動、死者蘇生!!! ゴールドシップが繰り出すカードは全部ゴールドカードだ! ゴールドカードマーン!!! ムムッ!!!」

トレーナー「気にしないで続けて」

マチカネフクキタル「慣れてますね……」


マチカネフクキタル「ではでは~~~! はいっ!!! 出ました!!! こ、これは!!!」

ゴールドシップ「気になる結果はCMのあと!!!」

トレーナー「別にテレビ番組を作ってるわけじゃねぇんだよ」

ゴールドシップ「たまに『お、CM明けた!』って思ったら数秒だけ提供とテロップ出してまたCM入ることあるけどなんなんだろうな? ああいうの訴えらんねーのかな? 最寄りの地方裁判所に言ってみねえ? ってか裁判所も競馬場も地方があるんだな! すげえ偶然じゃね!? まぁ家庭競馬場は無えんだけどな。競馬で家庭が無くなることは稀によくあるのにな。世知辛いよな」

トレーナー「……あ、喋り終わった?」ポチポチ

ゴールドシップ「仮にもウマが話してる間にトレーナーがスマホいじってるのはどうかと思わねえ?」

トレーナー「だって長いんだもん……」

マチカネフクキタル「続きを話してもいいでしょうか……!?」


トレーナー「ホントにごめんねフクキタルちゃん、こんど何か奢るから」

ゴールドシップ「あー! ゴルシちゃんがいるのに浮気だ浮気! ウワキダゴッホ!!!」

トレーナー「マツリダゴッホみたいに言うんじゃありません!!!」

マチカネフクキタル「さてさてさて!!! 気になる占いの結果はですね!!!」グイグイッ

ゴールドシップ「何か吹っ切れてるじゃんかマチフク」

トレーナー「ノリノリなノリで乗りきってくれないと困るから助かるな」

ゴールドシップ「お前がボケたら誰も突っ込まねぇんだからさ」

マチカネフクキタル「ずばり! 超大吉!!! 完璧です!!!」

ゴールドシップ「おいおいこのチラシ見てみろよトレーナー! 今食堂でスイーツ半額キャンペーンやってんだってさ!!!」

トレーナー「フクキタルちゃんの占いを聞けや!!!」


ゴールドシップ「減量中のマックイーンの代わりに食わねーと!!!」

トレーナー「それもやめてあげろ」

ゴールドシップ「そんで、具体的にはどういう感じで超大吉なんだ? 明日から日本の通貨が『ゴルシ』になるとか?」

トレーナー「それ幸せか?」

マチカネフクキタル「水晶玉によると、お尻はひっぱたかれないみたいです!!!」

ゴールドシップ「それガキ使じゃねえ!?」

トレーナー「紅白の途中で『デデーン!』とかなったら一大事だよ」


ゴールドシップ「おおっと危ねぇ……このゴルシちゃんをツッコミに回らせるとはな……やるじゃねーか……」

トレーナー「本当に超大吉なの……?」

ゴールドシップ「あれじゃね? 実は超大吉が1番低くて、そっから絶大吉→超絶大吉→究極大吉とかなってくんじゃね?」

トレーナー「そんなソシャゲのスキルじゃないんだから」

マチカネフクキタル「1番高いはずなんですけど……前に超大吉を見たのは2ヶ月も前ですし……!」

ゴールドシップ「おいおい聞いたかよ!? 2ヶ月っていえばヒヨコがニワトリになってケンタッキーに出荷されるレベルだぜ!?」

トレーナー「されねぇよ」


トレーナー「ちなみに前回は何を占って超大吉が出たの?」

ゴールドシップ「なんかフクキタノレに話しかけるときの口調、アタシの時と違くね?」

トレーナー「気のせいだろ」

ゴールドシップ「気のせいならいいや」

マチカネフクキタル(いいんだ……)


トレーナー「それで、前回は?」

マチカネフクキタル「えっとですね! シンボリルドルフ会長に『フクキタル……フクキタル……ん……フクキタルに……服着せる……!!! ど、どうだった今の冗談は! これでみんなと距離を縮めることができるだろうか!?』と聞かれて占った時以来です!」

ゴールドシップ「外れてんじゃねーか」

トレーナー「思ってても言うな!!!」

ゴールドシップ「別にいいけど思ってるなら同罪だぜ?」

トレーナー「皇帝にも上に立つ者の悩みがあるんだよ!!!」

ゴールドシップ「健気だなー。ゴルシちゃんなんて目が合っただけでマックイーンが逃げてくけど気にせず追うぜ? 地獄の果てまでな!」

トレーナー「お前と目が合った時点でマックイーンちゃんにとっては地獄なんだろうな。あとで菓子折り贈っとくよ」

ゴールドシップ「減量中だけどな」


ゴールドシップ「とにかく! 年末にケツが無事だってわかっただけでも収穫だぜ! サンキューな! カネやん!」

マチカネフクキタル「最後まで呼び名は安定しなかったですね……!」

トレーナー「あ、ついでに俺も占ってもらえるかな?」

マチカネフクキタル「おお! ゴールドシップさんのトレーナーさんも占いにご興味が!? 何について占いますか!?」

ゴールドシップ「来週のレースで当たる馬券とか?」

トレーナー「それウマ娘に聞くのは倫理的にアウトじゃないか?」


マチカネフクキタル「どうしますか!?」

トレーナー「今さ、自由な性格のパートナーに振り回されることが多いんだけど、この先俺はそいつと上手くやっていけるのかなって……」

ゴールドシップ「おいおい、お前をそんな悩ませるやつがいるのか!? そいつ呼んでこい! アタシがゴルシちゃん式ブレーンバスターで成敗してやんよ!!! 見てろ! 荒ぶるゴルシちゃんのポーズッ!!!」ビシィ

トレーナー「これ以上プロレスウマ娘が増えるとエルコンドルパサーがヨロコンドルパサーになるからやめてくれ」

ゴールドシップ「アタシが言うのもアレだけどオメーの発想も大概だからな?」

マチカネフクキタル(息、合ってると思いますけどね……!)


マチカネフクキタル「それでは占います! トレーナーさんとゴールドシ……パートナーさんとの相性は……!!!」

トレーナー「相性は……!?」

ゴールドシップ「CMの……!?」

トレーナー「2度目は面白くないからいいよ」

ゴールドシップ「蹴んぞ」

マチカネフクキタル「むむむーーーーっ!!! せい!!!」


パリーーーンッッッッ!!!!!!!


マチカネフクキタル「!?」

ゴールドシップ「!?」

トレーナー「!?」


マチカネフクキタル「す、水晶玉が割れてしまいましたーっ!?!?」

トレーナー「だ、大丈夫!? ケガとかない!?」

ゴールドシップ「ちょっと待ってろ! ソニー損保の人が事故相手と話してくれっから!!!」

トレーナー「交通事故起こしてねぇから!!!」

マチカネフクキタル「い、いえ、水晶玉自体はお部屋にスペアが10個くらいあるから大丈夫ですけど……」

トレーナー「業者なの?」

マチカネフクキタル「占いの途中で割れたのは初めてです……! うっかり落として(水晶玉とかトレーナーさんの足の骨とかを)割ってしまったことはあるんですが……」

トレーナー「今ちょっと行間に挟むには怖すぎるエピソード入らなかった?」

ゴールドシップ「どこもトレーナーは苦労してんだな」

トレーナー「自覚あるなら改善してくれないか?」


マチカネフクキタル「すみません……! 結果は保留ということで……!」

トレーナー「い、いいっていいって! 俺もついでに占ってもらおっかな~? くらいの気持ちだったし!」

ゴールドシップ「そんな半端な気持ちで占いと向き合うんじゃねえ!!!」

トレーナー「お前もけっこう遊び半分だっただろうが!!!

ピピピピピ

トレーナー「ん?」

マチカネフクキタル「ああっ! すみません! もうトレーニングの時間でした!!! 私はここで!!!」

ゴールドシップ「おう! 元気でな!!! マチカドクサハエル!!!」

トレーナー「なにわろとんねん」

マチカネフクキタル「マチカネフクキタルです~~~!!!」


~フクキタル、退室~


ゴールドシップ「面白れーやつだよな! マチカネフクキタル!」

トレーナー「本人の前で呼んでやれよ……」

ゴールドシップ「ツンデレってやつだな。わかるだろ?」

トレーナー「ちゃんと嫌われないうちにデレてあげろよ」


ゴールドシップ「とにかく! これで年末に向けての準備は整った!!!」

トレーナー「整ったか……? ケツの無事しか確認できなかったけど……?」

ゴールドシップ「……」

トレーナー「ゴールドシップ?」

ゴールドシップ「あー……マジメなことを言うとさ? オメー、アタシが色々やらかした時、理事長とか他のトレーナーとかに頭下げてくれてるだろ?」

トレーナー「そりゃあ……まあ、担当トレーナーだからな」

ゴールドシップ「でもさ、アタシがもっともっと勝てる、強いウマだって証明されれば、オメーもちょっとは居心地が良くなるんじゃねえか? って思うんだよ」

トレーナー「ゴールドシップ……!!!」

ゴールドシップ「ま、ゴルシちゃんの性格は変えらんねえけどな! こう見えて、そのリアクションとツッコミ、悪くねえと思ってるんだぜ?」

トレーナー「ごめんな……お前のこと、ふざけてバカをしているだけの考えなしの暴れウマだと思ってたけど、本当はちゃんと将来のことやトレーナーのことも考えてくれる優しいウマだったんだな……」

ゴールドシップ「へっ……後半は余計だぜ……」

トレーナー「ああ……」

ゴールドシップ「へへっ……」

トレーナー「……」

ゴールドシップ「……」

トレーナー「いや前半だけだとただの悪口じゃねぇか。いいのかそれで」


ゴールドシップ「細けえことはいいんだよ! これで今日のミーティングは終わりだ!!!」

トレーナー(ミーティングだったのか……?)

ゴールドシップ「アタシはこの後、火星にゴルシちゃん帝国を建国する準備に取り掛かる! 手伝ってくれるよな!?」

トレーナー「ああ! 断る!!!」

ゴールドシップ「良い返事だ!!! 見逃してやろう!!!」

トレーナー(勢いがあれば断れるのか……知らなかった……)

ゴールドシップ「それじゃあ、お互いに努力を重ねて、次々とレースを獲っていこうじゃねえか!!!」

トレーナー「おう!!!」

ゴールドシップ「そして、最終目標は!!!」

トレーナー「最終目標は!!!」

ゴールドシップ「もちろん!!!」

トレーナー「もちろん! 紅白歌がっせ」

ゴールドシップ「箱根駅伝だ!!!!!」

トレーナー「年明けてんじゃねぇか!!!!!」



おわり



お読みいただきありがとうございました

加藤純一(うんこちゃん)
Youtubelive

『ウマ娘』(スマホ版) 第3R

『馬の小娘マジで最終回』
(19:33~放送開始)

https://youtu.be/ve3kyaMoIQk

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