【進撃SS】ミカデレラ(77)
※何番煎じか解らないネタ
※エレミカです
※キャラクター崩壊等注意
※10巻までのネタバレ有り
ベルトルト『昔々、ある所にミカデレラという貧しい少女が居ました。』
ミカサ「私は貧しくても幸せだった。のに、両親は賊に殺されてしまった。」
ベルトルト『1人になってしまったミカデレラは、遠い親戚に育てられる事になりました。
ですが。』
ユミル「ほらミカデレラ、さっさと床を拭きな!」
ミカサ「……解りました、お母様。」
ユミル「たく、しっかりやれよ。」
ミカサ「適役過ぎて、怖い……。」ボソッ
ユミル「あ?なんか言ったか?」
ミカサ「なんでもありません。」フキフキ
サシャ「ごめんなさい、ミカデレラ。」
ミカサ「どうしたんでしょうか、お姉様。」
サシャ「間違えて、ミカデレラの分のパァンを食べてしまいました。
ごめんなさい、ふふふ」
ミカサ(絶対わざと……。)
ミカサ「いつもの事だから。」フキフキ
サシャ「本当にごめんなさい、ふふ。」
アニ「サシャ姉様。」
サシャ「」ビクゥ
サシャ「な、なんでしょうかアニ。」
アニ「私の分のパンもありませんが。」
サシャ「」ギク
サシャ「あ、あれ?おかしいですね……。」
アニ「あれだけ、『食べるのはミカデレラのに』って言ったのに、姉様は……。」ブツブツ
ミカサ(アニの敬語、なんだか気持ち悪い……。)
アニ「ミカデレラ。」
ミカサ「アニお姉様もどうしたんですか。」
アニ「手を止めてないでさっさとおやり。」
ミカサ「かしこまりました。」フキフキ
アニ「……。」
アニ(こんなに順応なミカサ、気持ち悪いね……。)
ベルトルト『引き取られた先で彼女は義母とその娘達に日々苛められたのです。
ですが、そんな彼女にはたった一つの希望がありました。』
アニ「そういえばミカデレラ。」
ミカサ「なんでしょう。」
アニ「なんでこんな暑いのに、毎日マフラーをつけるんだい?」
ミカサ「これは……私の宝物……。だからです。」
サシャ「変な宝物ですね」
ユミル「宝物か。なんなら私が預かってやるよ。」
ミカサ「このマフラーは、両親を殺した賊から、助けてくれた人がくれた物です。
だから、渡す事は出来ません。」
ユミル「そう言わずに。」ガシッ
ミカサ「やめて。放して。」
ユミル「預かってやろうって言ってんだよ!」イライラ
ミカサ「嫌、やめて。お母様。」ゴゴゴゴ
ユミル「」ビクッ
ユミル「わ、解ったよ……。」パッ
ユミル(凄ぇ殺気……。)
ミカサ「……。」
ベルトルト『彼女の希望、それは命の恩人から貰ったマフラーです。
彼女はいつか、その命の恩人に会い、感謝を言う事を夢見ていました。』
ミカサ(いつか、感謝を――。)
――――
――
ベルトルト『そんなある日の事でした。』
アルミン「ごめんくださーい。お手紙でーす。」コンコンコン
サシャ「ちょっとミカデレラ、取ってきてください。」
ミカサ「わかりました。」
ガチャ
ミカサ「……はい。」
アルミン「こんにちは。はい、これね。お城からの招待状。」
ミカサ「?お城から?」
アルミン「そうだよ。」
ミカサ「でも、なぜ?」
アルミン「舞踏会のお知らせだよ。兼、王子の婚約者を決めるそうだ。」
ミカサ「成る程。有難う。」
アルミン「確かに渡したからね。じゃあ。」
バタン
サシャ「誰からでしたか?」
ミカサ「お城から。舞踏会の招待状。」
サシャ「!!」
サシャ「ぶ、舞踏会ですか!?」
ミカサ「はい。」
サシャ「それじゃあ、美味しいもの食べ放題……!」ジュルリ
サシャ「おっかあっさまー!!」バタバタバタ
ユミル「サシャ、ちょっと静かにしてくれ。……で、なんだ?」
サシャ「お城から、舞踏会の招待状が届きました!!」
ユミル「!!?そ、それは本当か?」
ミカサ「本当。はい、お母様。」
ユミル「有難よ。」ビリビリビリ
フムフム...
ユミル「マジだった……。しかも王子の婚約者選びでもあるのか!サシャ!!玉の輿のチャンスだ!」
サシャ「解ってますよ!!絶対に行きます!!」
ユミル「そうと決まれば、早速衣装を決めるぞ!」
サシャ「解りました!!」
ミカサ(やっぱり、気合い入ってる。そりゃ玉の輿、女の幸せ。)
ユミル「ミカデレラ。お前は勿論留守番だからな。」
ミカサ「解りました。」
ミカサ(……でも、私は興味ない。王子とか、そんなの知らない。
ただ、このマフラーの持ち主にさえ会えば。)ギュッ
――――
――
アニ「……おはよう。」
ミカサ「もう10時です、アニお姉様。おはようございます。」
アニ「あれ、母様と姉様は?」
ミカサ「ユミルお母様と、サシャお姉様は、衣装を買いに行きました。」
アニ「衣装?何の衣装だい?」
ミカサ「舞踏会の衣装。さっき、お城から招待状が届いて。」
アニ「え?」
アニ(ぶどうかい?)
アニ(城で武道会?王様も妙な事やるもんだね……。)
ミカサ「しかも、それで王子の婚約者を決めるらしい。
だから二人とも張り切ってる。」
アニ「へぇ……。」
アニ(武道会か……。王子云々は興味無いけど、王国中の強者と闘えると考えたら、ウズウズするね。)
ミカサ「アニお姉様は行くんですか。」
アニ「話を聞いたら行きたくなって来たよ。後で母様に言わないと。」
ミカサ(アニ……。玉の輿とか、そっちの趣味あったんだ。)
サシャ「ただいま戻りました~。」
ミカサ「おかえりなさい、お母様、お姉様。」
ユミル「ただいまっと。」
タッタッタッ
アニ「母様。ミカデレラから話を聞きました。」
ユミル「アニ。もしかして嫌か?だが無理矢理でもつれて行くからな。」
アニ「いや……その……。嫌じゃ……。」
ユミル「!!?
アニ、まさかお前も乗り気なのか!」
アニ「」コクン
ユミル「玉の輿に乗って欲しくて、嫌でも連れて行くつもりだったが、良かった良かった!」
サシャ「本当ですよ~。」
ユミサシャ(まさか舞踏会に興味あったとは。)
サシャ「兎も角、アニの分の衣装も買いましたから。」
アニ「有難う。」
アニ「でも、母様。ミカデレラを連れて行った方が……。」
アニ(筋肉割れてる程凄いから、きっと武道でも強い筈。)
ミカユミサシャ「「「」」」
ユミル「何言ってんだ。連れていく訳無いだろ。」
サシャ「そうですよ。」
サシャ(ご飯1人の取り分が少なくなりますし。)
ミカサ「私も興味無い。」
アニ「そ、そうかい……。」
アニ(あんなに筋肉質なのに、武道に興味無いなんて、どうかしてるよ……。)
ベルトルト『―――様々な誤解を生みつつ、とうとう舞踏会の日がやって来ました。』
アニ「ベルトルト。」
ベルトルト『何?』
アニ「ベルトルトはそうやって淡々と喋るだけなのかい?」
ベルトルト『みたいだ。』
ユミル「アニ!何ぶつぶつ独り言言ってんだよ!
早く支度しろ!」
アニ「解ってるよ。
……大変だね。」
ベルトルト『アニほどじゃ無いよ。』
サシャ「ふふ……。美味しいもの……。
タッパー持って行っておきましょう。」
ユミル「この阿呆!!
玉の輿したら毎日食べれるんだぞ!!」
サシャ「よく考えたら私、全然踊れないんですよね。
だから見初められる事は無いので、思う存分食べます。」
ユミル「ったく……。」
アニ「母様。」
ユミル「なんだよ、アニ。」
アニ「なんで……、ドレスなんですか。」
ユミル「は?」
ユミル「何でって……舞踏会だからだが。」
アニ「」
アニ「舞踏会!?武道会じゃなくて!!?
ミカデレラ、あんた武道会って……!」
ミカサ「ちゃんと舞踏会って言いました。
ちゃんと遡って見てください。」
アニ「……。
本当だ……。
わ、私は行かないよ!!舞踏会なんて!!」
ユミル「今更ボイコットすんなよ!!ドレスが勿体無い!!」
アニ「じゃあなんで母様はドレスじゃなくてよそ行きの格好なんですか!!?」
ユミル「そ、そりゃなあ……」
ユミル「私は一応人妻という設定だ。だから私こそ見初められる筈無いから、めかす必要無いだろうに。
第一、私がドレス似合う筈ないだろ……。」
アニ「私も似合う筈が無い!
そうだ、ミカデレラが私のドレスを着れば……!」
ミカサ「アニお姉様。
私と貴方じゃ身長が違い過ぎます。」172cm
アニ「」153cm
ユミル「ほら、つべこべ言わずに着ろ。」
アニ「うう……。」
ミカサ(成る程、彼女は勘違いしていた。だから行こうと思った。)
ミカサ「きっと、私を苛めたバツ。そう、そうに決まってる。」
サシャ「そうでしょうかねえ。」
ベルトルト『そんなこんなで、舞踏会に行く準備が出来ました。』
ユミル「じゃあ行ってくるよ。
ミカデレラ、留守番は頼んだからな。」
ミカサ「解りました。」
サシャ「私の隠してある芋を食べないでくださいね。」
ミカサ「別に、食べる気は無い。」
アニ「ミカデレラ、今からでもおそくn」
ミカサ「行ってらっしゃいませ。」ズイズイ
ミカサ「やっと1人になれた。」
ミカサ「何しよう。……とりあえず、筋トレしようと思う。」ヨイショ
ベルトルト『1人になったミカデレラ。
彼女は舞踏会に行けなかった事を特に悲しむ訳では無く、家事をする訳では無く、最近訛っていた腹筋を鍛える事にしました。』
ライナー「アニのドレス、中々似合ってたな。」
ベルトルト『そうだね。
でも、一体どうしたのライナー。いきなり出てきて。』
ライナー「もうすぐ俺の出番らしい。」
ベルトルト『成る程……』
ベルトルト(何の役なんだろう……。)
――――
――
ミカサ「321……322……」
ベルトルト『真夜中に1人で腹筋を続けるミカデレラ。
そんな彼女の前に突如……!』
クリスタ「呼ばれて無くてもじゃじゃじゃじゃーん!!」ポワワワン
ミカサ「!!」
ベルトルト『なんと、1人の……!』
ミカサ「不法侵入者……!!」
ベルトルト『不法侵入者が……!
え?』
クリスタ「え?」
ベルトルト『違う違う。』
ミカサ「え?違う?」
クリスタ「違う違う、全然違う!
――改めて、魔女っ子クリスタ登場☆」
ベルトルト『ミカデレラの前に、1人の魔女が現れました。』
ミカサ「魔女?魔女がどうしてここに?」
クリスタ「今からミカデレラを舞踏会に連れて行くためだよ。」
ミカサ「……舞踏会はいい。興味無いと何回m……。」
クリスタ「ところがどっこい。」
ミカサ「でも私、ドレス持ってない……。」
ベルトルト『舞踏会に行きたいミカデレラ。でも、彼女はドレスを持ってませんでした。
いつも着ている服は薄汚れたものばかり。そんなのでは行けません。』
クリスタ「私に任せなさい!
私が魔法でなんとかしましょう。」
ミカサ「本当?」
ミカサ(心配。)
クリスタ「まあ見てて。
チンカホイっ!」
ベルトルト『そう魔法を唱えると共に、持っていた半刃刀身を振りました。
すると……。』
↑文字化けしてますが、
クリスタの魔法は「チンカ●ホイ」です……。
キラキラキラ
ミカサ「!!」
ベルトルト『なんと、ミカデレラのマフラーが赤いドレスに変わったのです。』
ミカサ「す、凄い……!」
クリスタ「へへへ。やっぱりミカデレラは身長が高いからドレス姿が映えるね。
これで舞踏会に行っても大丈夫。」
ベルトルト『しかし、ミカデレラにはまだ問題点がありました。』
ミカサ「ドレスになっても、このままだと、お城までの足が無い。」
クリスタ「そっか―…。
うーんうーん……。そうだ、カボチャってある?」
ミカサ「カボチャは無い。でも、サシャお姉様の秘密の芋がある。」
クリスタ「芋!?
――まあいいや。その芋を持ってきて。」
ミカサ「持ってきた。」
クリスタ「有難う。
えっと……秘密じゃないの?」
ミカサ「お姉様の隠す所はいつも決まってる。ので、ある意味秘密じゃない。」
クリスタ「成る程ね。
チ●カラホイ!」
ベルトルト『再び、唱えながら剣を振りました。
すると……。』
クリスタ「はい、芋の馬車の完成!」
ミカサ「凄い凄い。なんでも出来るんだ。」
クリスタ「魔女だからね。」
クリスタ「で、馬と馭者を連れてきて完璧だね。
馬は?」
ミカサ「無い。ここは訓練兵団でも、調査兵団でも無い。」
クリスタ「あ、そっか。
うーん、これ以上魔法使うの面倒だなあ。」
ベルトルト『どうやら魔女、ついに詰んでしまいました。
どうするの、クリスタ。』
クリスタ「仕方ない、奥の手使うよ。」
ミカサ「奥の手?」
クリスタ「ライナー!!」
ベルミカ「「」」
>>26 と >>27 抜けてました……ご指摘有難うございます
クリスタ「ミカデレラのつけてるマフラー。その持ち主がお城に居るんだ。」
ミカサ「え?どうして……。」
クリスタ「それは行ってからのお楽しみ。
ね、そう聞いたら行きたいでしょ?」
ミカサ(このマフラーの持ち主に、私の命の恩人に会える……。
何年も願っていた人に……!)
ミカサ「……クリスタ。」
クリスタ「ん?」
ミカサ「私……行きたい。」
クリスタ「そうこなくちゃ。」
なので、順番は
>>26 >>33 >>27 >>28 >>29 >>31 >>32 >>36 >>これ になります変な順番になって申し訳無いです
ライナー「え?なんで俺呼ばれたんだ?」トコトコ
ベルトルト『解らない。因みにその格好は何の役?』
ライナー「馭者だが……。」
クリスタ「ライナー、お願いがあるの。ちょっと来て。」
ライナー「なんだなんだ……?」
クリスタ「」ボソボソボソボソ
ライナー「うん……、うん……え??て、なんでそれを??え??」
ベルトルト『どうしたんだろう。』
ミカサ「解らない。」
クリスタ「お願い、ライナー!!」
ライナー「嫌、クリスタのお願いでもそれは……。」
クリスタ「お願いのお願い!」ウルウル
ライナー「」ウッ
ベルトルト『きいてあげなよ、ライナー。』
ミカサ「」コクコク
クリスタ「一生のお願い!!」
ライナー「」ウウッ
うわあまた変な順番になってる
本当にすみません……。
ライナー「」ハァ
ライナー「解ったよ……。」
ベルトルト『流石ライナー!』
クリスタ「みんなの兄貴!」
ミカサ「ひゅーひゅー。」
ライナー「……びっくりするなよ?ふりとかじゃなくてな、絶対びっくりするなよ?」
ミカサ「解ってる。」
クリスタ「それではいきます!
チンカラ●イ!」
ライナー「」ガリッ
ベルトルト『えっ』
ミカサ「えっ」
カッ――!!
シュウウゥウゥ...
鎧の巨人「」
ミカサ「」
クリスタ「この巨人に馬車を引いて貰ってね。」
ベルトルト『なんと魔法云々関係無く、ライナーが巨人に……!
……というより、なんでクリスタ知ってるの?』
クリスタ「それは私が魔女だからです!
大丈夫、ミカデレラ。この巨人は、私の魔法で貴方を襲わないようにしてるから。」
ミカサ「いや、そういう問題じゃなくて。」
クリスタ「さて、馬車と巨人を繋げよう。」
ミカサ「……どうやって?」
クリスタ「……あっ。
つ、つべこべ言わず、巨人の上に乗りなさい!」
ミカサ「は、はあ……。」
ミカサ(馬車関係無くなった……。)
クリスタ「ミカデレラ。私の貴方との2つ約束、覚えておいてね。」
ミカサ「約束?」
クリスタ「まず1つ。例のマフラーの人に会っても自分の正体を明かさない事。バレると強制的に魔法がとけます。」
ミカサ「お礼も言っちゃ駄目?」
クリスタ「お礼だけなら大丈夫。
だけど正体を明かしちゃ駄目だからね。」
ミカサ「うん。」
クリスタ「もう1つは、必ず真夜中の12時までには帰る事。
12時までしか私の魔法が効かないからね。」
ミカサ「思ったより役に立たないんだ。」
クリスタ「う、うるさい!
ともかく、12時以降になると、あのみすぼらしい姿に戻るからね。」
ミカサ「解った。では、行ってくる。」
クリスタ「行ってらっしゃい、気をつけて!!」
ベルトルト『そして、彼女は巨人に乗り舞踏会が行われているお城に向かいました――。』
ザッザッザッザッ
鎧の巨人「」
ミカサ「凄く、早い。」
ベルトルト『流石、ライナー……、じゃなかった鎧の巨人!
周りの木々を薙ぎ倒しながら、お城へに一直線へ進みます。』
ミカサ「でも、この巨人が私を待ってる間、お城の人が見つけたら、どうしよう。」
クリスタ『安心して。私の魔法で姿を隠すから。』
ミカサ「解った。」
ベルトルト『そんなこんなで、お城に到着しました。』
~城の舞踏会会場~
サシャ「ううう、やっはりおひろのはへほほははいほうでふね。」モグモグ
ユミル「何行ってるのか解んねえよ。
アニは踊らないのかよ。」
アニ「ダンスは嫌、絶対嫌。」
ユミル「」ハァ...
ユミル(玉の輿が……。)
ザワザワザワ
アニ「入り口ホールが騒がしいね。」
ハンナ「み、見て、あのご令嬢!凄く素敵!!」
フランツ「でも君の方がもっと素敵さ。」
ハンナ「フランツ……。」
ミーナ「でも一体どこご令嬢だろう?」
ザワザワザワ
ミカサ(みんなの目線が私に向かっている。
でも、そんな事はどうでもいい。私は……)
サシャ「ふほふひへひはおははへふへぇ」モグモグ
アニ「本当に何言ってるか解らない……。」
ユミル(……もしかしてミカデレラか?
嫌、そんな筈はない。あいつのドレスは買ってないし、第一マフラーをしてないからな。)
ミカサ(本当に、クリスタの言う通りに、マフラーの人が……。)
ジャン「ご令嬢。
もし良ければ自分とご一曲。」
ミカサ「ごめんなさい、私そんな暇なんてありません。」
ジャン「」
ジャン(そうだよ、どうせ俺はこんな役回りさ……。)
コニー「ジャンどんまいじゃん……。」
ジャン「うるせえよ……。なんだよその語尾」
ジャン(でも、本当にミカサ綺麗だな……。)
ベルトルト『ところ変わってこの舞踏会の主人公……』
エレン「あああ、つまんねえな……。」
ベルトルト『エレン・イェーガー王子。ずっと椅子に座っています。
なんだかつまんない様子です。』
エレン「ったくまだ俺も若いのに、なんで婚約者なんか決めなきゃいけないんだよ……。」ブツブツ
マルコ「まあ僕達使えてる者は、グリシャ王の仰る事は逆らえませんから。」
エレン「あぁあ……。つまんねえ……。
ん?」
エレン「あの女の人は……!」
マルコ「?
エレン王子、知り合いか何かですか?」
エレン「ああ……。」
ベルトルト『王子が見たもの。それは赤いドレスを身に纏った、ミカデレラの姿でした。
そして、彼の脳裏に浮かんだ物は、かつての記憶。』
エレン「なあマルコ。
俺、昔人を助けた事があったんだ。」
マルコ「人をですか。」
エレン「ああ。
確か、ミカデレラって名前だったけな。
そいつの親父は昔、俺の親父と仲良くしていたらしい。
俺と親父がミカデレラの家に行くと、そいつの両親が賊に殺されてたんだ。
ミカデレラはその賊に誘拐されてて。
親父に逃げろと言われて、たまたま入った小屋にそいつらが居たんだ。」
マルコ「じゃあ王子がそのミカデレラを助けたんですか?」
エレン「嫌、俺と2人でやっつけたような感じだよ。
で、身寄りが見つかるまで俺の別荘で預かってて、数日ほど一緒に暮らしたんだ。」
マルコ「成る程。」
エレン「ミカデレラと別れ際、泣きそうなそいつに、俺は赤いマフラーを渡して。
……そっから会ってねえよ。」
マルコ「へえ。もしかして、あの、綺麗な赤いドレスを着てらっしゃる方がその人ですか?」
エレン「多分な。
俺の渡したマフラーもあんな色だったよ。
身分が全然違ったから、会えないとは思っていたがまさかここで会えるとは思わなかった。」
マルコ「一曲誘ってみたら如何ですか?」
エレン「……俺下手だけど。」
マルコ「大丈夫ですよ。エレン王子なら。」
ミーナ「あ、座ってたエレン王子が立ち上がった!」
エレン「すみません。そこの赤いドレスの方。」
ミカサ(王子でも、私は関係無い……!)
ミカサ「私は踊る気なんて……。」ハッ
ミカサ「!!……まさか……。」
ミカサ(貴方は……あの時の、マフラーの人……!)
エレン「もし宜しければ、ご一曲踊りませんか?」イチレイ
ミカサ(まさか、王子があの時のマフラーの人だなんて……!
でも、私ダンスなんて踊れない。)
クリスタ『それも安心して!私の魔法で踊れるようにしたから。』
ミカサ(本当に有難う。クリスタ。)
ミカサ「は、い……。」
ベルトルト『そして、2人は手を取り合い、ダンスを躍り出しました。』
ベルトルト『クリスタの魔法で、初めてに関わらず、ミカデレラの躍りは完璧でした。
どうやら王子にも魔法がかかっているらしく、二人のダンスは周りの人々を魅了させました。』
サシャ「素敵ですねえ」
アニ「うん。」
ベルトルト『そして2人の間に、甘やかな雰囲気が生まれていました。
ですが、楽しい時間ほど早く過ぎるもの。
いつの間にか、約束の時間の3分前になってました。』
ミカサ「……時間。帰らなくちゃ、駄目。」
エレン「せめて、あと一曲だけでも。」
ミカサ「……ごめんなさい。」
ベルトルト『王子の手を放すミカデレラ。少し距離を放した後。』
ミカサ「……あの時は有難うございました。」ペコリ
ダッ
ベルトルト『そう彼女は言い残すと去って行きました。』
エレン「待ってくれ!せめて、名前だけでも……!」
エレン(あの時のって、やっぱり本当に……!)
ベルトルト『王子はミカデレラを追い掛けますが、流石希に類を見ないような身体能力の持ち主。
あっと言う間に外に出てしまいました。』
ミカサ「ライナー、早く戻って。早く。」
鎧の巨人「」コクン
ザッザッザッザッ
ベルトルト『彼女は追い付かれない様に早く逃げようと急かします。
ですが、直ぐに魔法がとけてしまいました。』
ミカサ「あ……ドレスが……。」
ベルトルト『鎧の巨人はライナーに、赤いドレスはマフラーに、綺麗な姿だったミカデレラは、またあのみすぼらしい姿に戻ってしまったのです。』
ライナー「仕方ない。徒歩で帰るか。幸い、道はさっき木を薙ぎ倒して行ったのを辿ればいいしな。」
ミカサ「うん。
あっ」
ビュウゥウ
ベルトルト『その時です。突然物凄い強風が吹き、マフラーが飛んでいってしまいました。』
ミカサ「待って!!」
ベルトルト『彼女はマフラーを追い掛けますが、努力は空しく。
マフラーは先ほどの城の敷地へと入ってしまいました。』
ミカサ「マフラーが……。」
ライナー「城の中に入ってしまったら仕方ない。諦めるんだミカサ。」
ミカサ「でも……。」
ライナー「例の人に居たんだろ?そいつの元に戻ったんだ。
だったらいいじゃねえか。」
ミカサ「……。」コクン
ライナー「帰ろうぜ。」
ミカサ「……。」コクン
ベルトルト『その頃、ミカデレラを追いかけ、外に出ていたエレン王子。』
エレン「くそっ、足速すぎるだろ……。どこに行ったんだ……!
……ん?」
ベルトルト『彼は赤く長い物を見つけました。
近づき拾い上げると……。』
エレン「これは……!俺がミカデレラに上げたマフラーじゃねえか……!
やっぱり、あれはミカデレラだったのか……。」
ベルトルト『そして、彼はマフラーを握り締め、強く言いはなちました。』
エレン「必ず、ミカデレラを探し出してやる……!
国民1人残さず、探しきってやる……!」
ベルトルト『こうして、国を上げたミカデレラ探しが始まったのです。』
ベルトルト『舞踏会が終わって数日がたちました。』
ユミル「おい、早く窓拭けよ、ミカデレラ。」
ミカサ「解りました、お母様。」
ミカサ「はあ……」フキフキ
ベルトルト『マフラーを無くした彼女は、あの日から意気消沈していました。』
アニ「ミカデレラ、一体どうしたんでだろうね?」
サシャ「それにマフラーもどっかやったみたいですし。」
コンコンコン
マルコ「すみませーん、ミカデレラ様居ますかー?」
ユミル「はいはい、居ますよっと。
ミカデレラ、お前に客だよ。」
ミカサ「解りました。」コクン
ギィイ
ミカサ「どなたですか……。」
マルコ「僕は、この国の王子に使えております、マルコと申します。
失礼ですが、貴方様がミカデレラでしょうか?」
ミカサ(王子?!)ドキッ
ミカサ「そうですけど……。」
マルコ(確かにこの間見た赤いドレスの人に似ている。)
ミカサ「あの、王子が何の様ですか……。」
ユミル「あ?王子の使いがミカデレラに何の用だ?」ヒョコ
マルコ「ミカデレラ様、先日の舞踏会でこのマフラーをお忘れになられましたよね?」スッ
ミカサ「!!」
ミカサ(確かに、私のマフラー……!!)
ユミル「あ?ミカデレラは舞踏会なんかに行ってなi」
ミカサ「……はい。」
ユミル「え?お前、舞踏会に行ったのか……?
まさか、あの赤いドレスの……。」
ミカサ「」コクン
マルコ「やっぱり。」
マルコ「ミカデレラ様、王子が貴方様に再び会いたいと仰ってます。」
ミカサ「エレン王子が……、私を……?」
マルコ「はい。なので、是非王子と謁見して頂きたいんですが、大丈夫でしょうか?」
ミカサ「はい……」コクン
ユミル「ちょ、お前……」
マルコ「それでは、ミカデレラ様をお連れしますね。
失礼しました。」
ユミル「は、はぁ……。」
パカラパカラパカラ...
ユミル「」アゼン
サシャ「どうしたんですか?」
ユミル「あの赤いドレスの人、ミカデレラだったみたいだ……。
その人の忘れ物として届けられたマフラーがあいつのだった……。」
アニ「えっ?うちにあんな赤いドレスなんてあったかい?
有りませんでしたよね、姉様。」
サシャ「有りません有りません。第一、ミカデレラは連れてってませんし。」
ユミル「それに、あの時マフラーなんかしてなかったよな?」
アニ「不思議な事もあるもんだね……。」
ベルトルト『そして、謁見の間。』
エレン「お前が、ミカデレラか。
久し振りだな。」
ミカサ「エレン王子……。
あの時は王子とは知らなかった、ですが沢山のご無礼を……!」
エレン「そんな事は気にするな。
……ずっとお前の事が気になってたんだ。」
ミカサ「そう、ですか……。」
ミカサ(私も気になってた……。)
エレン「ずっと身分も低くて、どうやって暮らしてるんだ、と考えてて……。
舞踏会なんかに来れる身分じゃないと思ってたのに、まさか会えるなんて思わなかった。」
ミカサ「私も、あの時のご恩を片時も忘れた事が有りません。
まさか、私も会えるなんて思いませんでした。」
エレン「何回も舞踏会に出たが、この間みたいに楽しい事は無かったな。」
ミカサ「そうなんですか……。私も、あんなにダンスが踊れるなんて……。」
エレン「俺もだ。
あんなに軽やかに踊れたのは初めてだ。
ミカデレラ。」
ミカサ「はい。」
エレン「俺はもしかすると、あの時からミカデレラに恋をしていたのかもしれない。
だから……その……結婚を前提に付き合ってくれ!!じゃなくてください!!」
ミカサ「えっ……!!
そんな、でも私なんて……。身分が低いし……、筋肉質だし……。」
ミカサ「でも私も、あのマフラーを貰った時から貴方の事が好きだったのかも知れない。
こんな私でよければ……。」
エレン「ミカデレラ……」
ミカサ「エレン……」
ベルトルト『お互いに見つめあう2人。そして、抱き合いました。
こうして二人は付き合い、結婚し、幸せに過ごしましたとさ。
めでたしめでたし。』
~完~
お付き合いくださり有難うございました。
途中で抜けてしまったりとややこしくなってすみません。
改めてみると終わり方がぐだぐだだったり、変換ミスがあったりしてます…。
今違うSSを書いているのでそちらもよろしくお願いします(多分文体で解ります。
それでは失礼します。
最後に
進撃ほのぼのSS増えろ!!
あ、携帯からなのでどなたか完結スレにURL貼っていただけると嬉しいです
>>1は女?
>>73
一応女です
スレ貼っときました
乙
>>75
有難うございました
このSSまとめへのコメント
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