【艦これ】龍驤「足りないもの、その後」その7【安価】 (970)

【艦これ】龍驤「足りないもの、その後」その6【安価】
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代理スレ立てです

ありがとうございます!

前スレ898くらいからやっていきます

ーー


漣「幹部さんに思ってることを言い当てられて、ご主人様は落ち込んでたんですねぇ」


霞「落ち込むというより自暴自棄が近いんじゃないかしら」


提督「……」


龍驤「霞の薬飲もうとしてたし、なんとかしたいって気持ちはよく分かるんやで」


霞「だからってすぐに薬に頼るのは最悪よ、あれだけ私達に相談してって言ってるのに」


漣「霞さんがちょい怒なのはそこなんですね」


霞「当たり前じゃない!家族をなんだと思ってるのよ!」


漣「まあまあ落ち着きましょう、お腹の中の赤ちゃんに悪影響ですから」

漣「とりあえずご主人様は、学校訪問に向けて心の準備をしておく必要があるということですね」


提督「…そうだな」


龍驤「司令官は国を左右する立場…幹部さんはハッキリと言うてくれたんやね」


霞「私はあなたのことが心配だから頼れって言ってるの、ただでさえ横須賀の鎮守府の提督の仕事だけでも大変なのに」


漣「それプラス朝霜さんのこともありますからなぁ、アレはやばいですよ」


龍驤「司令官と体の関係が無くなってから、症状は悪化していく一方やからな…」


漣「ご主人様、絶対に無理はしないで下さいよ」


提督「…あぁ」


下2 この後の展開やその後起こったことなど

元幼女さんのインタビューは好評の様子

>>6
提督が有名だったこともあってこれで変質者扱いならもう人助けできないねぇ…と各方面で話題に

ーー書庫


漣「で、どんな面白いものを見せてくれるんですか?」


潜水新棲姫「ネットの掲示板に出てる記事だ」


漣「またこんなの見て…」


潜水新棲姫「ここの評判の話じゃない、提督個人についてこんなのがあった」


~~


漣「週刊誌の切り抜きに対しての反応ですか」


潜水新棲姫「ある女学生についてのインタビューなんだが、その相手は提督が助けた元幼女だ」


漣「ふんふん、ちゃんとご主人様は悪くないと書いてありますね」


潜水新棲姫「話題になっているのは提督が助けたからというのもあるかもしれないな」

潜水新棲姫「この提督の行動で変質者扱いされるなら、もう人助けはできないと」


漣「そうはならんやろと思いますけどね」


潜水新棲姫「提督が元幼女を視姦していたのと、人相が悪いのが主な原因だからな」


漣「ネットじゃそこまで分からないでしょうからね」


潜水新棲姫「提督はそこそこ有名だ、だからこそ話題になったんだろう」


漣「この流れをプラスには…できませんかね」


潜水新棲姫「マイナスにはならないだけマシだと思っておこう」



下2 この後の展開やその後起こったことなど

ーー執務室


漣「…どうですかご主人様?」


提督「……」


漣「この記事もそうですけど、ご主人様は常日頃誰かを助けているんですよ」


漣「ご主人様は間違っちゃいないんです、とやかく言ってる周りの連中がおかしいんですよ」


提督「…そうじゃない」


漣「おろ?」


提督「俺は横須賀鎮守府の提督なんだ、そんな男がこれじゃいけないんだ」

提督「とやかく言われる俺が悪い、隙を見せてしまっている俺が悪いんだ」


提督「幹部さんも本当はそう言いたかった、だが俺に負担をかけないようにと直接的な表現は避けただけなんだ」


漣(うーん今更気付いた感じですか…)


提督「最悪提督を辞めればそれで済むと思っていた、だがそれじゃダメなんだそんな無責任な仕事じゃないんだ」


提督「このままじゃいけない…これは……」


漣(ヤリ部屋もといレクリエーション室まで作った人の発言とは思えませんな、これはどうしたものでしょうかね)


漣(でもまあ一過性のものだと思うので、適度に癒してあげれば大丈夫でしょう)


漣(性に寛大な環境を作ってしまったご主人様にも責任があるということで…)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

思い詰める前にパンパンと横槍を入れる龍驤
ならみんなで考えようって

龍驤「はいはい思い詰めるのはやめときや」パンパン


提督「……」


龍驤「こんな時こそ家族を頼るんやろ、なあ司令官?」


提督「…あぁ」


龍驤「ひと段落したら部屋に行って話合おか、もちろん漣もやで」


漣「そうですね、ついでに朝霜さんの話もしておきたいですし」


龍驤「ウチもそのつもりやったよ、司令官だけに押し付けることなんて最低やからね」


提督「……」

漣(よくわかってるじゃないですか)ヒソヒソ


龍驤(これが模範解答ってとこやろ)


漣(そうだと思いますよ、少なくとも股が緩い女の台詞では無かったですね)


龍驤(本音で言えば司令官と裸で抱き合うのが早いと思うよ、でもそれじゃあかん)


龍驤(急には変わられへんのは分かってる、だからちょっとずつ変わっていくんや)


漣(その心掛けは立派ですが、三日坊主で終わらないことを祈ってますよ)


龍驤(下手したら霞に正妻の座を取られるんや、油断なんかできるはず無いやろ)


漣(そうでしたねぇ~~っと)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

朝霜は霞と面談中

>>19
霞的には少し良くなってきてるように見受けられる
詳しく聞くと新しい妹ができるって緊張してきたのでそっちに意識が言ってる様子の朝霜
これまでも姉だったけど赤ん坊のお姉ちゃんになるのは始めてだからって

ーー霞の部屋


朝霜「霞と話して意味なんかあんのかよ」


霞「そうね確かに私はカウンセラーでもなんでもないけど、貴女が病院に行きたがらないから仕方ないじゃない」


朝霜「……」


霞「でも少し良くなってきてるように見えるわよ、何かあったのかしら?」


朝霜「お前に話すようなことじゃねぇんだよ」


霞「そこまで司令官のことを思ってるのは良いことだけど、私もあの人の家族なのよ?」


朝霜「……」


霞「話してくれないかしら?」


朝霜「……わかったよ」

朝霜「良くなってるように見えるのはお前のせいだ」


霞「私?」


朝霜「あたいに新しい妹ができる…それが落ち着かなくてそっちに意識がいってんだ」


朝霜「あたいはずっと姉だった、早霜って妹が居たけど赤ん坊のお姉ちゃんになるのは始めてだから…」


霞「そうだったのね…」


朝霜「それがなきゃ気分は最悪だし毎日死にたくなる。頭の中をウジ虫が暴れ回ってんだよ」


霞「貴女は自覚が無いだけで立派な病気なの、何度も何度も言ってるじゃない」


朝霜「医者でもない奴が偉そうに言ってんじゃねぇ!首吊って死んでやるからな!」


霞「もう……あの人に強く言ってもらうしかないわね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー提督の部屋


霞「呼んでくれて助かったわ、ちょうどあなたに言いたいことがあったのよ」


漣「朝霜さんについてですよね、それはこちらもお願いしようとしてました」


提督「なら先に朝霜について話し合おう」


霞「朝霜は一刻も早く病院に連れて行くべきよ、このまま放置しても何も良いことはないわ」


霞「あなた以外の言葉を聞き入れようとしない、前に進むにはまず動きがないといけないのよ」


龍驤「少しマシになってるかもって話はどうなったん?」


霞「それは朝霜がこの子、近い将来妹になる子のことを考えていたからなの」


提督「そうなのか朝霜?」


朝霜「……ん」


提督「それは良い兆候じゃないか、朝霜はきっと大丈夫だ」


朝霜「……」

提督「朝霜は俺のせいでこうなった、全ての責任は俺にあるだから俺は逃げない」


漣「具体的にどうしますか?」


提督「俺が病院に連れて行く、そして俺も診断を受ける」


朝霜「パパぁ…」


提督「俺も多分…朝霜と同じセックス依存症だろう。これを機にちゃんと治療もする」


提督「朝霜、お前はちゃんと姉として新しい妹を導いてやってくれ」


朝霜「……ん」


提督「本当はまだ話していたいが次があるんだ」


漣「ご主人様のこれからとこの鎮守府、我々の在り方ですな」


龍驤「じっくりと話し合っていこな、司令官」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「俺は横須賀の提督という責務を今まで以上にしっかりと背負って立つ 、その為には鎮守府のみんなにも変化を受け入れてもらうことになると思う」


提督「ただ何もかもを変えるわけじゃなく、正しいことは正しいと主張すればいい」


提督「その上で間違ったことは直していく、責任を負うということはそういうことなんだと思う」


提督「変化を受け入れるのは想像以上に大変でストレスのかかるものだが、皆んなで一緒に乗り越えて行こう」


漣「…というのがご主人様の考えですね」


龍驤「司令官だけやなくて皆んなで考えた結果やね」


霞「今の時点ではこれが最善だと思うわよ」

漣「具体的にやることと言えば、夜間以外のレクリエーション室の使用禁止とかですかね」


龍驤「あとは昼間っから盛るなってとこやね」


霞「考えてみればこれで普通なのよね、今までが異常過ぎたのよ」


漣「禁止にするということは違反行為があれば罰則もあると、そうですよねご主人様?」


提督「…そうだ」


漣「罰則にはもちろんご主人様も含みますからね」


龍驤「具体的に決まったし今度の全体朝礼で知らせてとこか」


霞「さっきの話をすれば皆んな分かってくれるわよ」


提督「…あぁ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


神通「ついに…この時が来たのかもしれませんね…」


黒潮「……」


神通「提督も本気なんだと…聞いていてよくわかりました…」


黒潮「あの司令はんが罰則…」


神通「いきなりは難しいので…段階を踏むとは言っていましたよ…」


黒潮「そうやとしてもや、罰や差別を嫌う司令はんが言い出したのが信じられへんわ」


神通「それくらい本気…ということなんですよ…」


黒潮「あのクソピンクが誑かしたん違うやろな」


神通「提督を…信じてあげましょう」


黒潮「……わかってるよ」


ーー

どうでしたでしょうか

また再開するときはお知らせします

短めの時間で更新を試してみます

今日の9時くらいから人が居ればやってみます

ーー街


提督「昨日の今日で申し訳ないが、病院に行くなら早い方がいいからな」


朝霜「……」


提督「俺も一緒に行くと約束したからな、それはちゃんと守るぞ」


朝霜「……」


提督「薬だけで済めばいいが恐らくそうはならない、本格的なカウンセリングや場合によっては入院する必要もあるだろう」


朝霜「……」


提督「そうなっても大丈夫だ、俺や龍驤達がついているからな」


朝霜「……」

提督「…気分が良くないか?」


朝霜「違う……」


提督「じゃあどうした?」


朝霜「パパと二人きり…体…熱い…」


提督「…ここは街中だ、それにもう朝霜とはもう止めたじゃないか」


朝霜「ホテルくらいいくらでもあるだろぉ…」


提督「ダメだ、ちゃんと病院に行くんだ」


朝霜「パパぁ……」


提督「…責任はちゃんと取るからな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

朝霜(パパは前よりあたいに構ってくれるようになった。それこそ抱いてもらうよりも話す時間が増えた)


朝霜(あたいのことを大切に扱ってくれてるのは分かってるのに、頭じゃ良くないってわかってんだよ)


朝霜(でも…ほんの少しでもストレスを感じるとすぐにしたくなる。そのことしか頭に無くて勝手に腰まで振っちまう)


朝霜(これがセックス依存ってやつなのか……)


朝霜(本当に病気っていうなら…治るならあたいは…)


提督(言葉ではなく体で朝霜の隙間を埋めてしまった。その責任は全て俺にある)


提督(早く…病院に連れて行こう)

ーー病院


朝霜「パパ…」


提督「俺も診察を受ける、一人だけなんかじゃない」


朝霜「ん……」


提督「俺は別の診察室に行くがここから離れるわけじゃない、先に俺が終わったら待ってるからな」


朝霜「あたいが…先だったら……」


提督「そうなったら少しの間待っていてくれるか?」


朝霜「…ん」


提督「よしいい子だ、じゃあ…また後でな」


朝霜「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「…そうだ、これを渡しておこう」スッ


朝霜「これは…?」


提督「お守りだ。指輪とはいかないが、不安になったらいつでも一緒にいるってことを思い出せるようにな」


朝霜「お守り…」


提督「もちろん俺も同じのを持っている。そうじゃないと意味が無いからな」スッ


朝霜「あ……」


提督「これをお互いに離さずに持っていよう」


朝霜「…嬉しい。あたいには指輪が無かったから……」


提督「そう思ったからこれを用意したんだ」


朝霜「ありがとう…嬉しいぜパパ」


提督「それなら良かった」

「朝霜さーん」


朝霜「あ……」


提督「大丈夫だ、朝霜」


朝霜「……信じてるからな」


提督「あぁ」


朝霜「パパ……」


提督「……」


「提督さん、こちらへどうぞ」


提督「……はい」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


「程度は軽いですが貴方は依存症と言ってもいい状態ですね」


提督「そうですか…」


「提督さんの話を聞く限り、なにか打ち込めることを見つける必要がありますな」


提督「趣味…ということですか?」


「それでもいいですし、要はストレスが解消できれば良いんです」


「提督さんはお酒もタバコもやらないんですよね?」


提督「はい…」


「趣味と呼べるものはお菓子作りだけ。そんな状況ではセックスしか娯楽がないんですよ」


提督「……」

「提督という仕事をやりながらストレスを発散させるのは難しいことではありませんよ」


提督「いやでも…」


「貴方は休みと言ってただ部屋で寝ているだけじゃないですか?」


提督「……」


「無理に趣味を作れとは言いません、なんなら軽く運動をするだけでも良いんですよ」


提督「それは…」


「性行為は無しですからね?」


提督「……」


「提督さんはカウンセリングと通院でなんとかなりそうですよ、良かったですね」


提督「…はい」


「体を休めるだけではなく心を休める努力をしていきましょうね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー待合室


提督「お菓子作りは兎も角、セックスくらいしか趣味がないと言われてしまったか…」


提督「これはもしかしなくとも、かなり恥ずかしいことなんだろうな……」


提督「…これも俺が悪いんだ、そういう環境を作らなかった俺が悪い」


提督「艦娘達もちゃんとリフレッシュする事を教えてこなかった、だから皆んな性に逃げてしまった」


提督「隼鷹や由良がバイクを趣味にしているように、それを見習うべきだったんだ」


提督「今更になって気付く…いくらなんでも遅過ぎる……」


提督「俺は今までなにをしていたんだろうか…」

提督「…落ち込んでいても仕方ない、これから変えていくんだ」


提督「皆んなが趣味の時間を取れるように休日を調整して…そうだ清霜と飛鷹のように恋人同士は一緒に休めるようにしよう」


提督「それだけじゃ足りない、使っていない部屋は趣味の為に解放したり必要ならば設備も整えてよう」


提督「そうだ…俺がやれることは沢山あるんだ」


提督「……朝霜はまだ終わらないみたいだが待っていればいい。そして一緒に話し合おう」


提督「病気を治しつつ俺達の未来についても…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


「朝霜さんは過去の経緯から様々な経験が浅いんだと考えられます」


朝霜「当たり前だろ…早霜に…頭の中…掻き回されてんだからよ…」


「でも考え方を変えれば、また様々なことを経験していくチャンスじゃないですか」


朝霜「……」


「はっきり言ってその早霜さんという方は異常者です、貴女に近付くだけでも悪影響を及ぼします。現に貴女はマインドコントロールの後遺症で苦しんでいますよね」


朝霜「でも…あいつは…」


「ええ、貴女の意思を尊重します。貴女達の関係に我々が文句を言おうとは思いません」


朝霜「……」


「貴女が勇気を出してここまで来てくれたことが、我々は嬉しいんですよ」

「新しい家族のこともいいきっかけになりますよ、焦らず広く浅く色々なことを経験していきましょう」


朝霜「なにをすれば…」


「なんでもいいんです、大事なのはそこから何か見つけることなんですよ」


朝霜「……」


「一人ではなく周りと楽しみながら、レクリエーションに励むのも悪くありませんね」


朝霜「あたいは……」


「セックスから離れるのが難しいなら忘れる努力をしましょう。まずは小さなことから、それを積み重ねていきましょうね」


朝霜「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

「どうしても難しいと言うなら入院等の選択肢はあります、その時は是非力に…」


朝霜「嫌だ…パ…司令と…離れたくない…」


「わかりました、それではまたお話しを聞かせて下さいね」


朝霜「……」


「約束ですよ?」


朝霜「……」


「そうですね…じゃあこれを見てくれますか?」スッ


朝霜「けん玉……?」


「……はい!」


朝霜「あ……一周…して…」


「これは世界一周という技です、次の診察までにできるようになってきてくださいね?」


朝霜「……」


「いやぁこれができると子どもが喜ぶんですよ~」


朝霜「子ども…赤ちゃんでも……」


「…我々はいつでもお待ちしてますから」


朝霜「……」

ーー


朝霜「……」


提督「そうか朝霜もアドバイスをもらったんだな」


朝霜「あと…これ」スッ


提督「けん玉か?」


朝霜「次に来る時…技…見せてくれって……子ども…赤ちゃんも喜ぶから…」


提督「…俺も買って帰ろう」


朝霜「え…」


提督「一緒に練習して先生に見せよう、なあ朝霜」


朝霜「パパ…」


提督(手段はなんでもいい、朝霜の心が救えるのなら俺はなんだってやるんだ)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー横須賀鎮守府


朝霜「……だぁーー!無理だってこんなの!」ブンッ


提督「……よし」


朝霜「なんで司令が上手くなってんだよぉ…」


提督「単純な作業であって…そうじゃない…」


朝霜「……チッ、次は成功させてやる…」スッ


提督「……」


朝霜「……」

富士「あれってなにしてるの?」


さみだれ「けん玉っていう遊びだって、やってみる?」スッ


富士「この玉を穴に入れるの?」


さみだれ「それだけじゃなくて色々技もあるんだって」


富士「えっと……えい!」ブンッ


さみだれ「力任せじゃダメだよ、もっとこう優しく…」


富士「むぅ~~難しい!」


さみだれ「そうだよね、提督さんって以外と器用なんだね」


提督「……よし」


富士「…はっ!触手を使えばいけるかも!」


朝霜「だぁーやっぱり無理だ!」


さみだれ「朝霜さんがあんな顔してるの初めて見たかも。調子が良さそうでよかった」


富士「……うん、触手なら細かい動きができる!」ウネウネウネウネ


さみだれ「…それはけん玉って言えるのかな」


ーー

短いとあまり展開が進まないのかもしれません

色々試してみます

今日も昨日と同じくらいの時間からやってみます

ーー執務室


漣「セックスしか娯楽がねぇって笑えますね」


提督「…笑い事じゃないんだ」


漣「タバコはともかく酒は飲めるようになっとかないと、こういうとこになっちゃいますよ」


潜水新棲姫「提督に趣味が無いのは当たり前だ、金を渡されてないんだろう」


漣「だってこの男に自由に使えるお金渡したら借金するんですもん」


提督「……」


潜水新棲姫「言い返せないのはカッコ悪いな」


漣「事実ですからしょうがないですもんね~」


提督「……」

潜水新棲姫「そういえば提督は個人用のスマホは持っていないんだな」


漣「仕事用のだけですねぇ」


潜水新棲姫「それならプライベート用で使える端末を用意したらどうだ?」


漣「できると思いますか?」


潜水新棲姫「…そうか」


漣「ロリ画像調べるわエロ本通販しまくるわの未来しか見えないっすよ」


潜水新棲姫「同感だ」


提督「……」


漣「ご主人様ぁ~これを機にエロは卒業しましょうぜ」


潜水新棲姫「龍驤と霞が居れば十分なはずだからな」


提督「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「……そういう漣はどうなんだ」


漣「おおん?」


提督「俺の知る限り…漣だって大差は無いはずだ」


漣「ほほぉ~」


潜水新棲姫「残念だったな提督」


提督「なにがだ?」


漣「いま嫁が着てる服は漣お手製ですよ」


提督「なに…!?」


漣「嫁の為に作ったヴェールの件から裁縫ができるようになっちまったんですよねぇ」


提督「……」


漣「はっ!!残念でしたぁ~~」


潜水新棲姫「かつて無いくらいのドヤ顔だな」

潜水新棲姫「漣は龍驤から習ったそうだ、つまり龍驤は裁縫ができる」


漣「つまりセックス以外にやることはあるんですよね~」


提督「…龍驤の趣味は読書だ」


潜水新棲姫「趣味は一つだけじゃなくてもいいだろう」


漣「けん玉もいいですけど息抜きは覚えて損無いですぜ」


提督「分かっている、分かっているんだ……」


潜水新棲姫「あまり責めるのはやめておいた方がいいぞ」


漣「いーえ責めるに決まってるじゃないですか、この男は漣を振った男なんですからねぇ!!」


潜水新棲姫「まだ根に持っているのか…」


漣「ご主人様のことは好きであり恨んでもいますからねぇ~」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


多摩『こっちは順調そのものにゃ』


提督「……そうか」


多摩『離れ過ぎは悪影響だにゃ、でも年中イチャつくより適度な距離で仲良くするのは良いと思うにゃよ』


提督「……」


多摩『多摩と先生みたいな距離は最適だと思うにゃ、それはもうラブラブにゃよ~』


提督「そうだったんだな…」


多摩『それくらい気付けと言いたいところにゃ、でも提督の家庭環境を考えるとあまり強くは言えないにゃね』


提督「……」


多摩『本来仕事とプライベートは分けて当然なんだにゃ』


提督「そうだ…基本的なことなんだよな……」


多摩『その通りにゃよ~』

多摩『明石も遠距離だけどちゃんと恋愛してるにゃ、大事なことがちゃんと分かってるにゃ』


提督「…ありがとう」


多摩『何に対してだにゃ?』


提督「あんな俺を受け入れて…なにも言わずに…」


多摩『悪いけど何回も文句は言ったにゃよ…昼間から盛るな』


提督「……」


多摩『ただ見逃してたわけじゃない、提督や龍驤さんの精神が安定するならそれが一番だと思ってた』


多摩『地獄を見てきた多摩達だからこそ……だ』


提督「俺は…素晴らしい仲間に恵まれていたんだな」


多摩『……今更気付くとは提督もまだまだだにゃぁ~』


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー執務室


潮「あの…私に話って…?」


提督「先日決めた罰則についてだ」


漣「レクリエーション室は昼間使えなくなりましたよねぇ」


潮「はい…」


提督「トイレで隠れての性行為も禁止にした」


潮「それが…?」


漣「潮さん、ぶっちゃけ我慢できてますか?」


潮「あ…の……」


提督「誰かが見たという話じゃない、俺のように依存していないか心配して話を聞いているんだ」


潮「う、うう…私……」


漣「正直に話してくれれば罰は与えませんよ」


潮「はい……」

潮「実は…我慢できなくて皐月ちゃんに襲い掛かったんです…」


漣「もう事後でしたか」


潮「でも…皐月ちゃんはそれは違うって…」


提督「皐月が宥めてくれたのか」


漣「最近の皐月さんは強さもパないです、一皮も二皮も剥けたのかもしれません」


潮「……ごめんなさい!!」


提督「大丈夫だ、未遂なら謝ることは…」


潮「どうしても我慢できなくて下着を盗んでひ、一人でトイレで…!」


漣「窃盗と一人遊びのダブルアウトでしたか」


提督「…謝らなくていい、俺だって同じ悩みを抱えているんだ」


潮「私…興奮してきたら抑え切れないんです!!」


漣「潮っぱいは事情が特殊なんで一筋縄ではいかないかもしれませんねぇ~」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

漣「罰は無しと言いましたが下着ドロはアウトです、それについては罰はありますよ」


潮「……はい」


提督「洗って返せばいいということじゃないんだな」


潮「私のでドロドロで…洗っても匂いが取れないと思います…」


漣「ならその人への償いとして新しい下着を買ってきて下さい、それで手打ちにしておきましょう」


提督「潮も反省しているようだしな」


潮「ごめんなさい…!!」

提督「潮は普通に病院に連れて行っても効果は薄いだろう、俺が整備士に聞いてみよう」


漣「お願いします、その間こっちはこっちで話し合いをしておきますよ」


潮「漣ちゃん…」


漣「女なのに男の性欲を持ってるといえば漣、そして例の綾波にも聞いてみますよ」


提督「頼んだぞ漣」


潮「私…我慢できるようになるのかな…」


潮「そんな弱気じゃいけませんぜ、性欲くらいコントロールできて当たり前だと思っておきましょうよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー街


深海綾波「なんで付き合わなきゃいけないんだよ」


漣「そっちもサボれる良い言い訳じゃないですか」


深海綾波「ったく、これでも忙しいんだっての」


漣「こうやって仕事をサボるのも、良い気分転換になるのは覚えておいて損じゃないですぜ」


潮「うん…」


漣「サボり過ぎると怒られますが、ご主人様は大丈夫でしょう」


深海綾波「で、どこに向かってんだよ」


漣「お洒落な下着屋さんです、その後カフェにでも言って話し合いましょう」


深海綾波「はいはい…」


漣「一応罰なんですからそこそこいい値段のを買っといて下さいよ~」


潮「うん…分かってる」

ーーカフェ


深海綾波「……で、ここまで来て話す内容が性欲を抑える方法とはな」


漣「ここに居る三人はフタナリ仲間じゃないですか、遠慮せずに話し合いましょうよ」


深海綾波「悪いけど力になれないな、私はそれどころじゃねぇから」


漣「と、いうと?」


深海綾波「性欲に逃げる暇なんか無ぇんだよ、特務艦の奴らを抱いてんのはそれを手段にしてるだけだ」


漣「つまり性欲に負けてしまうことが無いと」


深海綾波「そんな暇あるなら大本営から逃げる手段を考えるっての」


漣「なるほど……」


潮「漣ちゃん…」


漣「うーーん…漣もそうなんですよね、性欲に負けることが無いんです。ご主人様を寝取られたり嫁が殺さ……うぇっ」


潮「漣ちゃん!」


漣「……大丈夫です堪えました。とにかくその時のこととかを考えちゃうので性欲が優先されることって無いんですよ」


深海綾波「なにかコツがあるのかもしんねぇな」


漣「なにかあるんでしょうかねぇ…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

漣「そもそも皐月さんとの関係が曖昧なのがダメなんですよ」


深海綾波「付き合ってるんじゃないんだよな」


漣「体だけの関係ってやつですよ」


深海綾波「ならちゃんと責任取っとけ」


漣「セフレっていうのが背徳的で興奮してたりとかあったりするかもしれませんよ」


潮「……」


漣「どうしました?」


潮「私…皐月ちゃんに告白したの」


深海綾波「なんだよ解決済みか」


潮「ううん……断られたの」


漣「ん?それじゃあもうセフレでもなんでも無いんですか?」


潮「違う……この関係のままでいようって」


漣「ほぉぉぉ…」


深海綾波「なんだそりゃ」

潮「潮が僕に抱いているのは愛じゃない。だからそれは違うよ…って」


漣「それでも体は貸してあげると。皐月さんがえらく大人ですな」


深海綾波「どっちも子どもだと思うぞ」


漣「潮ちゃんをここで突き放せば最悪出て行ってしまいます。そうなれば潮ちゃんは酷い目に遭うでしょうな」


深海綾波「…そうかコイツは」


漣「深海棲艦の完全なチューナーです、我々が守らなければいけないんです」


深海綾波「皐月って奴はそこまで考えてんのか?」


漣「最近の皐月さんを見てるとそうとしか思えません。ちなみに貴女を呼んだ本当の理由は分かりましたか?」


深海綾波「…護衛か」


漣「その通りです、話が早くて助かりますよ」


潮「私……皐月ちゃんに気を使わせて……最低なこと…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

深海綾波「…でもまぁ、体から始まる関係だってあるからな」


潮「体から…」


漣「愛ではなくとも恋の可能性はあります」


深海綾波「うちのあいつらもマジだし……はぁぁ帰るのが本当に嫌だ」


潮「あの!私はどうしたら…」


深海綾波「細かいとこは本人と話し合え、このまま最低になりたくないならな」


潮「…わかりました」


漣「じゃ、一応答えが出たところで帰りますか」

ーー横須賀鎮守府


皐月「…どうしたの?」


潮「あの…これ!」スッ


皐月「……そっか、無くなったと思った下着は潮のせいだったんだね」


潮「ごめんなさい!新しいのを買ってきたから…」


皐月「うん、ありがとう」


潮「皐月ちゃん!それで……」


皐月「どうしたの?」


潮「いきなり付き合うとかじゃなくて…ちゃんと皐月ちゃんと仲良くなりたいから!その…なんて言えばいいのかな…」


皐月「安価」


下2 皐月の台詞や行動など

皐月「僕はおっぱいしか知らなかったから、誰かと付き合ったりした経験はなくて…」


潮「そうなの…?」


皐月「あの時はああ言っちゃったけど、ゆっくり…一緒に知っていけるなら…」


潮「…皐月ちゃん!」ダキッ


皐月「うん…いいよ、潮」


潮「んふ、んふふふ…」スリスリ


皐月(これでいいんだ、下手なことを言っちゃうと潮はなにをするから分からないから。前までの僕ならどうだったかな…やっぱり答えは同じだったかな)


皐月(この世界はおっぱいなんだ)


皐月(それが分かって…なんていうのかな悟ったって言うのかな。そうしてから僕の考え方は凄く変わった気がする)


皐月(考え方だけじゃなくて強さも、まるで自分を俯瞰で見ているような感覚だよ)


皐月(今の僕なら深海棲艦の成虫がきても倒せる、倒せない敵なんか居ない)


潮「皐月ちゃぁん……」


皐月(……これから楽しみだよ)


ーー

これくらいならなんとかいけそうです

多分

ーー


皐月「司令官が整備士さんに連絡を取ったら、潮を観てみたいって言われたんだよね」


提督「そうだな…」


皐月「でも一人で潮を行かせるのは抵抗があるよね、だから僕が連れて行こうかなって思ってるんだ」


龍驤「こっちとしては皐月と一緒に行ってくれたら助かるわ」


提督「それも気になる、しかし問題は潮が受け入れてくれるかどうかなんだが…」


皐月「それなら大丈夫、僕の言うことなら潮は聞いてくれるから」


龍驤「ほんまに?それやったらお願いしようかな…」


皐月「僕に任せておいてよ!」

龍驤「…なぁ司令官、最近皐月の様子なんかおかしくない?」


提督「違和感は感じているが、いい方向に変わっていると思っていた」


龍驤「そう言われたらそうやねんけど、なんか引っかかるんよな」


提督「整備士の居る大本営には幹部さんや特務艦達が何人も居る、下手なことはおこらないはずだ」


龍驤「うん…そうやんな、ウチの気にし過ぎやんな」


提督「皐月と潮…か」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー街


潮「皐月ちゃんとデートできるだなんて、とっても嬉しいです!」


皐月「潮の気分転換になればいいって司令官も言ってたから」


潮「私、迷惑かけてばっかりなのに…」


皐月「そんなこと気にしなくていいよ、司令官もいつも言ってるでしょ?」


潮「…うん」


皐月「今日は二人で楽しもうよ、ね?」


潮「皐月ちゃん…!」ダキッ


皐月「もう、デートはまだこれならなのに」


皐月(うん、連れ出すのに成功できたし後は問題ないかな)

皐月「そうだ潮と行きたい所があるんだ」


潮「どこ!?皐月ちゃんとなら一緒に行く!」


皐月「服屋さんだよ、潮には可愛くてお洒落な服を着て欲しいからね」


潮「か可愛い…」


皐月「潮は誰よりも可愛いよ、僕だけの潮だもん」


潮「ん…んふぅ~」


皐月(あの服屋さんから大本営は近いからね、これで自然に大本営に連れて行けそうでよかった)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー服屋


潮「どうかな…?」


皐月「うん、やっぱり凄く似合ってるよ」


潮「え、えへへ…嬉しいな」


皐月「気に入ったならそれを買って、次は…」


潮「待って!私も皐月ちゃんに服を選んでみたい!」


皐月「うーん僕はいいよ…」


潮「試着するだけでもいいから、ね?」


皐月「…分かった、せっかくだから着てみようかな」


潮「すぐに持ってくるから少し待っててね!」ダダダッ


皐月「…ここで拒否するのは可哀想だし、まだ時間もあるから大丈夫だよね」

ーー


皐月「ただでさえ可愛い潮がもっと可愛くなって、僕も満足だよ」


潮「皐月ちゃんも!可愛いなって嬉しい!」


皐月(よし買い物も終わったしあとは…)


潮「……」ゴソッ


皐月「…ねぇ潮、そういえば試着してない服を買ってなかった?」


潮「あ、あの…あれも試着した…よ?」


皐月「そうなの?僕は見てないけど…」


潮「これはね……胸が…強調されるみたいな服で…」


皐月「それって……」


潮「は、恥ずかしいけど……皐月ちゃんの為なら…」


皐月(上目遣いの潮って……)


皐月(ううん違う違う、早く大本営の整備士さんの所にいかなと…)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーーカフェ


潮「服屋さんの近くにカフェがあるなんて…」


皐月「足りないもの鎮守府じゃこうはいかないもんね」


潮「都会って凄いんだなぁ…」


皐月(なんでカフェなんかに入っちゃったんだろう。早く整備士さんの所に行かないといけないのに…)


潮「あのすいません、注文を…」


皐月(…でも大本営に近づいてはいるから問題はないはず。そこまで急ぐ必要もないから…)


潮「……これでいい?」


皐月「あ、え…うん、それでいいよ」


潮「良かった…!じゃあそれでお願いします!」


皐月(こんな楽しそうな潮…初めて見たかも……可愛いな…)

ーー


皐月「……これって」


潮「カップルで食べるパフェだって!」


皐月「こんなの頼んでたんだ…」


潮「あれ、これ……スプーンが一つ…」


皐月(整備士さんの所に行って……そして…潮が…)


潮「あ……あ…!そういうこと…うう…!」


皐月「……」


潮「皐月ちゃん…」


皐月「…どうしたの?」


潮「あ、あーん……」


皐月「……ん」


潮「あのね!カップル用だからスプーンが一つしかなくて!」


皐月「……甘い」


潮「もう一つスプーン貰おっか…?」


皐月「…ううん、このままでいいよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

潮「……こんなに時間が流れるのが遅く感じたことのなんて無かった…」


皐月「喜んでくれたら嬉しいな」


潮「皐月ちゃん次はどこに行くの?」


皐月「……」


潮「皐月ちゃん…?」


皐月(潮の為であり……僕たちの為にも…)


皐月「その前にちょっと…寄り道していいかな…?」

ーー大本営、研究室


整備士「確かに潮は僕の負の遺産だね。でも深海棲艦のチューナーきまでした覚えはないよ」


皐月「やっぱり潮は整備士さんの手を離れてから完成したんだね」


整備士「僕は傀儡や核になる部分を作った、それを作りさえすれば色々とできたんだろうね」


皐月「整備士さん、今の潮…欲しいよね?」


整備士「是非とも協力して欲しいな」


皐月「いいよ、そのつもりで潮は連れて来たし。今は幹部さんと話してるみたい」


整備士「こっちとしては有り難いけど、本当にいいのかい?」


皐月「うん……」


整備士「じゃあ彼女は一度解体してデータを取って……」


皐月(これでいいんだ、整備士さんに潮のデータが渡れば僕の考えてることが現実になる……)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

整備士「…と言いたいところだけど、君のその顔を見るとできないね」


皐月「え……」


整備士「また女の子を泣かせたってタシュケント君にも怒られちゃうからね」


皐月「僕……泣いて…」ツー


整備士「提督さんから聞いていた話と随分違ったからビックリしたよ、彼女のメンテナンスはちゃんとしておくから安心して」


皐月「……」


整備士「さて、ここからは大人の話し合いをしようか」

整備士「君は僕に何をやらせたかったのかな?」


皐月「……潮のデータがあれば深海棲艦も作れるよね」


整備士「もちろん」


皐月「イ級なんかじゃなく姫や鬼も…」


整備士「完璧な傀儡を作れるよ」


皐月「……」


整備士「そうか…君はかつての大本営みたいなことをしようとしてたんだね」


皐月「違う!僕はあんなことをしたいんじゃない!」


整備士「そうじゃないの?深海棲艦の傀儡を使って…」


皐月「僕は……深海棲艦との戦いを終わらせたかったんだ」

皐月「傀儡を作るときに色々混ぜたりできるんだよね?」


整備士「…できるけど?」


皐月「やっぱり…なら深海棲艦の傀儡に爆弾とかを混ぜれるんだね」


整備士「……」


皐月「傀儡でできた深海棲艦は自分が傀儡だとは知らない、だから本能的に海に帰ろうとする」


皐月「帰った先は深海棲艦の巣や拠点がある。爆弾を抱えた傀儡を大量に作れば…深海棲艦は滅ぼせる」


皐月「これに気付いた時…本当に終わらせられるって思ったんだ。深海棲艦との戦いが終われば僕達…司令官も…」


整備士「…そんなことを考えてたんだね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

僕もそうだったから解るよ。それはとても合理的な考えだよ、でもそれだけだ

整備士「効率が良い方法だけど、その方法は戦うつもりのない深海棲艦も巻き添えになるかもしれないね」


皐月「戦いたくない深海棲艦は別行動を…」


整備士「全員が全員そうじゃないよ、それに人間社会に溶け込もうとする深海棲艦も出てくるかもしれないね」


皐月「あ……」


整備士「僕がその深海棲艦の爆弾を回収することはできる。けどなにかの拍子で爆発してしまう可能性はあるよ」


皐月「……」


整備士「君は純粋で合理的なんだね、僕もそうだったからなんとなく分かるよ」


皐月「整備士さんも…?」


整備士「僕は人間が最も恐れる『死』という概念を克服してしまった。そして純粋であるが故に過ちを犯したんだ」

整備士「失ってしまったものは二度も戻らない、提督さんにも言われたけど意味が分からなかったんだ」


整備士「でも吹雪を失って初めて分かったよ」


整備士「タシュケント君が死んでしまったらまた作ろうとしか思わない、もちろん僕が死んでもスペアを作れば良いだけ」


整備士「でも吹雪君は…違う。作ろうと思えば作れるけどその気になれない」


整備士「どうしてだかわかるかな?」


皐月「吹雪のことが…好きだった……」


整備士「安っぽい言葉で言えば愛、なんだろうね。僕はその気持ちに気付けずに彼女を狂わせてしまった」


整備士「吹雪君が僕を妄信していることにも気付けなかった、今になって気付けたんだよ」


整備士「君にはそうなって欲しくはないかな」


皐月「……」

整備士「なにかキッカケがあってそう考えるようになったのかもしれないね、そういう時は一人で考え込んじゃいけないよ」


皐月「僕…」


整備士「誰かと話した方がいいんじゃないかな」


皐月「……」


タシュケント「同志、連れて来たよ」


皐月「……潮」


潮「皐月ちゃん…」


整備士「…僕は少し席を外しておくよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


皐月「……」


皐月「僕…潮を解体させようと…」


潮「……」


皐月「……最低だよね」


潮「皐月ちゃんの抱えてるものとか考えてる事、私に話してくれないかな?」


皐月「……」


潮「私じゃ駄目かな……?」


皐月「……どうして潮は怒らないの」


潮「怒る理由がないもん」


皐月「……」

潮「私の為に泣いてくれた皐月ちゃんに怒るわけないでしょ」


皐月「見て…たんだ」


潮「川内さんもそうだけど私って助けられてばっかりだから、皐月ちゃんがそう言うなら…いいかなって思ったんだ」


皐月「……」


潮「私が死んで深海棲艦との戦いが終わるならそれで…」


皐月「…嫌だ」


潮「……うん」


皐月「潮に…死んで欲しくないよ……」


潮「……皐月ちゃんの手が凄く冷たいよ。せめて…こうやって握って…」ギュッ


皐月「……」ギュッ


潮「…うん」


皐月「……」

タシュケント「皐月はある意味で到達、覚醒に近い状態なんだよ」


整備士「覚醒…」


タシュケント「悟ったとでも言うのかな、頭が高速回転して全てが視えるようになるんだ」


整備士「それは全ての艦娘にも起こりうるのかな?」


タシュケント「どうかな、人間だって数十年かかって悟りの域に入れるかどうかって話じゃないか」


整備士「これはまた興味深いね…」


タシュケント「彼女はまだ悟るには早過ぎたんだよ、コントロールできるようになれば本物なんだけどね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

皐月「整備士さん」


整備士「もう話し合いは…」


潮「……」ギュッ


整備士「うん、いいみたいだね」


皐月「聞きたいことがあるんだ」


整備士「彼女についてかな?」


皐月「潮はまだ狙われる可能性はあるの?」


整備士「十分あるよ」


皐月「潮が完璧なチューナーと知っている人は他に存在するの?」


整備士「チューナーとしては知っていても、彼女が完成品であるとこは知らない可能性が高いかな」


皐月「…そっか」

整備士「どこから情報が漏れるか分からないから、彼女は横須賀に置いておかない方がいい思うよ」


皐月「……」


潮「私が居るだけで迷惑をかけてしまうかもしれないんですよね…」


皐月「大丈夫、僕が守るから…」


タシュケント「よくそんなことが言えたものだと思うよ。今の君なら確かに潮だけは守れるかもね」


皐月「……」


整備士「僕が彼女を預かるのに問題は無いよ、あとは二人と提督さんとで話し合った方がいいんじゃないかな」


皐月「…うん」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー横須賀鎮守府


提督「俺としての考えは二人の意思を尊重したいと思っているが、横須賀鎮守府の提督としてはまた別だ」


潮「はい…」


皐月「……」


提督「横須賀の提督としては街の安全、そして潮自身の安全どちらを考えても大本営にいることが安全だ」


潮「そう…ですよね……」


提督「旧大本営派もどこかで見張っている可能性だってある、最悪戦闘になれば被害も出る」


提督「なにをどう考えても大本営に預ける以外に選択肢はないだろう」


皐月「司令官…」


提督「だがそれは横須賀の提督としてだ、決定権は俺自身が持っている」

提督「今まで大丈夫だった、だからこれからも横須賀で潮の面倒は見たい」


潮「でも…」


提督「……整備士にハッキリと言われたのも大きいな。潮はまだ狙われる立場なんだ」


皐月「ここは足りないもの鎮守府じゃなくて横須賀…司令官個人の考えは優先されない……」


提督「……すまない、潮」


潮「いいんです……今までが…幸せ過ぎただけですから…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「だが今更仲間に…家族に犠牲を強いるような事はしたくはない」


皐月「でも無理だよ…」


提督「無理じゃない。潮自身にも強くなってもらう必要があるが方法は無くはない」


潮「どうすればいいんですか…?」


提督「守られる立場から守る立場になれば話は変わる。潮にはまだ強くなれる可能性がある」


皐月「本当に…?」


提督「整備士がそう言っていた、傀儡を作り出した張本人が言うんだから間違いないだろう」

提督「不知火に秘められた力があったように、傀儡は力を引き出せる。それが潮でもできるはずなんだ」


潮「私が…」


提督「その方法までは分からないと言っていた、だがそれができるなら潮はここに残せる」


皐月「チャンスがあるってこと…!」


提督「レーダー艦のような未知なる力が目覚めてもおかしくはないとも言っていた、全ての艦種になれる潮なら不可能じゃない」


潮「…はい」


皐月「頑張ろう潮!絶対にここで一緒に居よう!」


潮「……うん」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


富士「うぅ~ん私の艤装はドローンだけど参考になる?」


さみだれ「私のはサンタさんがくれたやつだし」


潮「見せてもらっても参考にならないかぁ…」


富士「あの潜水艦の子はどう?」


さみだれ「そうりゅうちゃんの艤装って見たことないけどあるのかな?」


潮「うん…話を聞いてくれただけでも嬉しいから…」


富士「力になれなくてごめんねぇ」


さみだれ「色んな艦種になれる方が凄いと思うけどなぁ」

ーー演習場


潮「……やぁっ!」


皐月「いいよその調子!」


不知火「随分と張り切っていますね」


皐月「潮がもっと自力をつけたいって言うから、僕も一緒になって応援してるの!」


不知火「それは素晴らしいですね」


皐月「あ…ごめんもしかして演習場使う予定だった?」


不知火「そのつもりでしたが、一つ試してみたいことができました」


皐月「それって?」


不知火「傀儡の力を使った不知火と潮さんで、演習をしてみませんか」


皐月「それは…危険なんじゃ……」


不知火「危険です、しかしここには皐月さんが居ます。もしもの時は止めてくれますよね」

潮「どうしたの皐月ちゃん?」


不知火「傀儡の力を引き出すには傀儡をぶつけてみるのは悪くないかもしれません」


皐月「でも…」


不知火「お願いします、不知火もこの力を自分のものにしたいんです」


不知火「潮さんの話は聞きました、皐月さんの為に頑張っているんですよね。不知火は隼鷹さんの為に頑張ります」


不知火「大切な存在を守りたいのは不知火も同じなんです」


皐月「……分かった、危険だと思ったらすぐに止めるからね」


不知火「ありがとうございます」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

徐々に力を出してく不知火と相対する潮、段々押されていくけど皐月が止めに入るのは待ってと

>>176
皐月を留めるのは隼鷹(見に来た)
信じてやろ~ぜ~?と(表情は不安げだが)

ーー


不知火「攻撃対象→傀儡」


潮「うぅっ…!」


皐月「頑張って潮…」


不知火「夾叉→追撃」


潮「うぁぁ!」


皐月「……!」


不知火「命中→損害軽微→再追撃」


潮「はぁ…はぁ…っ!」


皐月「潮…」

不知火「……」バシュッ


潮「次こそ…!」


皐月「…危ない!後ろから魚雷が…」


潮「……!」ザザザッ


不知火「敵傀儡、回避→攻撃再思考」


皐月「潮、もう…」


潮「止めないで皐月ちゃん!」


皐月「……」


潮「攻撃が当たらなくても、全部避ければ…!」


不知火「……攻撃」

皐月(潮は攻撃が見えてる、けど反撃はできていない)


皐月(死角からの攻撃が見えるのは今の僕でもできる、でも潮は僕とは方法が違う)


皐月(潜水艦の能力を使ってるんだ、無意識にソナーを使って後ろを見てる)


皐月(この調子でいけば潮はきっと強くなる、僕なんかよりもずっと)


皐月(でも心配なのは潮が……)


潮「やぁぁっ…!」


皐月「……頑張って潮」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

不知火「……」


潮「…よし!照準が合っ…」


不知火「……」バシュッ


潮「う…!」


不知火「敵…回避……」


潮「まだまだ……!」


不知火「……回避…」


不知火「攻撃が…単純化……パターンに沿って…」


潮「攻撃が弱まった…?残弾が少ないんだ!」ザザザッ


不知火「違う……攻撃が…速度を……」


潮「やぁぁーーっ!!」

皐月「そこまでだよ潮」


潮「皐月…ちゃん」


隼鷹「こっちも止めたぞ~っと」


不知火「し…しら……不知火は…」


隼鷹「全く、無茶し過ぎだって。力はまだコントロールできてないんだろ」


不知火「不知火が……隼鷹さんを…守るんです……」


隼鷹「…皐月はあたしより強いけどさ、考えてること…分かるよな?」


皐月「うん…」


隼鷹「守るって言うなら守られる奴がいる、でもそれだけじゃないんだ」


皐月「今更だけど…わかってきたよ」


潮「私……もっと強くなるから…」


ーー

今日はここまでです

ーー


霞「皐月と潮の様子は見守るしかないでしょうね」


提督「そうだな…」


霞「潮が強くなるっていう結果は必要だけど、なにより努力しているところを見せつけるのに意味があるの」


霞「昼にレクリエーション室の使用禁止だけじゃなくて罰則も付けた、あなたが変わってきてるっていうのは皆んな気付いてる」


提督「……」


霞「あなたに甘え過ぎていたのよ、頼るのはもちろんだけど甘えと混同してきていた」


霞「他人に迷惑をかけない、本来ならこれが最低限のルールであってモラルであるの」


提督「分かって…いるんだ」


霞「そういうのはもう聞き飽きたわよ」


提督「……」

霞「もう…ほんとにしょうがないわね、もうすぐ父親になるんでしょ」


提督「霞…」


霞「私に甘えてくれるのは嬉しいけど、入院したらそうはいかないのは分かってる?」


提督「…もちろんだ」


霞「近いうちに入院するんだし、父親としても提督としてもちゃんと頑張りなさいよ」


提督「あぁ…」


霞「はぁ…お姉様と龍驤さんにはよく言っておいた方が良さそうね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


白露「話ってなぁに?」


提督「あぁ、白露達に聞きたいことが…」


村雨「どうせあのことじゃないの?」


時雨「それしかないよね」


春雨「じゅるっ」


提督「…察しはつくだろうがそういうことだ」


白露「心配になる気持ちは分かるけど、だって一番危険だもんね」


村雨「危険というか罰則を破りそうってことよね」


時雨「日頃の行いが悪いもんね」

白露「守ってるかって言われたら微妙かな」


村雨「この鎮守府ではちゃんと守ってるわね」


時雨「シたくなったら外に出るもんね」


春雨「外に出す!?中で問題ありませんよ!」


提督「……鎮守府内で守っていてくれるならそれでいい」


白露「特務艦だから別に従う必要は無いけど、提督さんの顔を立ててあげないとね」


村雨「本当に顔を立てるなら昼間も我慢すればいいんでしょうけど」


時雨「それは無理だもんね」


春雨「早く、早くシましょう…」


提督「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー執務室


提督「皆んなにも話を聞いてみたが、悪くない印象だった」


龍驤「回数が減った分濃厚になったって…加賀もよう言うわ」


提督「その意見は俺も聞いたな」


龍驤「…不満が無いんやったらええけど」


提督「霞にも言われが甘えと混同していた、それに皆んなも気付いてくれたのかもしれない」


龍驤「とうとう禁止になったか…くらいに思ってくれてるのが一番やけどね」


提督「重く捉える必要は無いんだ、そもそも昼間にあんなことをする方がおかしいからな」

ーー


白露「白露型集合~~」


村雨「どうしたの?」


時雨「外出するんじゃなかったっけ」


春雨「ふぅ……我慢…できない……」


白露「提督にはああ言ったけどさ、やっぱり最近物足りないよね」


村雨「それはそうだけど仕方ないわよ」


時雨「迷惑をかけるわけにもいかないしね」


白露「それは提督さんにだよね。ここに居る艦娘は…」


村雨「ちょっと…本気?」


時雨「誰かターゲットでもいるの?」


春雨「はぁはぁはぁはぁ…!」

白露「性の探求者としてやっぱり原点に立ち返らないと」


村雨「…懐かしいわね」


時雨「監査だって言って艦娘を襲う。よくやってたなぁ」


春雨「んはぁっ!!」


白露「提督さんにバレないように隠密にね。騒がれそうになったら春雨を使おう」


春雨「スープは…いつでも出せますよぉ……」ビクビクッ


白露「よし…早速イってみよう、一番は誰かなぁ~」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


由良「…」


白露(由良か…)


村雨(相手にするには手強いわよ)


時雨(あの体には興味あるけどなぁ)


春雨「……」


由良「…貴女達」


白露「ん、どうしたの?」


由良「なにを考えてるの」


村雨「ナニって…」


由良「変なことを考えてるのはすぐ分かる」


時雨「一筋縄ではいかないか…」

由良「強姦は罪」


春雨「スープを飲んでもらうだけです!」


由良「この状況を良い方に変えれないの」


村雨「変えるも何も…」


由良「できないのなら二流」


白露「なにも知らない人に言われたくないけど」


由良「分かるわよ」


時雨「嘘はよくないと思うな」


由良「私には夫が居る」


村雨「それは知ってるわよ」


由良「そういう術もあるのよ」


白露「……」

由良「機会が少ないならそれを利用する」


由良「そう考えられないのなら二流」


白露「…へぇ」


由良「そこの桃色にも我慢を覚えさせなさい」


春雨「あっはぁ!!その視線も興奮するぅぅぅ!!」


村雨「…どうする?」


時雨「そこまで言われちゃ、ね」


白露「…あたしを怒らせたことは覚えときなよ」


由良「そう」スタスタ


白露「……」


村雨「ここで本気で怒るところが本物なのよね…」


時雨「僕も否定はしないよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


白露「最近どう?」


村雨「そうね、感覚が鋭くなった気がするわ」


時雨「僕もその感じはあるよ」


春雨「我慢プレイ…いいかも…」


村雨「売り言葉に買い言葉だったとは言え、これは期待できるんじゃないかしら」


時雨「回数を減らして濃度を上げるのは悪くないね」


春雨「ぁ……」


村雨「これも新しい道なのかもしれないわね」


白露「……ちょっと認めたくないかな」

ーー


白露「濃度なんかより回数なのに、本質を忘れるだなんて」


白露「でも実際、回数を少なくするとイイ…」


白露「認めたくない、こんなの…」


電「……」スタスタ


白露「…むしゃくしゃする時はやっぱりコレだよね」


電「なのです?」


白露「ちょっといいかな?」


電「な…なんなのです?」


白露「大丈夫、痛くはしないから」


電「はわわ……!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー電の部屋


電「白露ちゃんはなにか辛いことがあったのですか?」


白露「……どうしてそう思うの」


電「こんな無理矢理だなんて白露ちゃんらしくないのです」


白露「服を剥ぎ取られてそんなことが言えるんだ」


電「なのです」


白露「……」


電「電でよければお話しを聞くのですよ」


白露「話……か」

電「白露ちゃんは不安になってるのです」


白露「不安…」


電「村雨ちゃんや皆んなが変わってしまうことに不安を覚えているのです」


白露「そんなの…」


電「特務艦だからって不安にならないわけじゃないのです。朝霜ちゃんみたいに不安定な子もいるのですよ」


白露「アレとは一緒にしないで欲しいかな…」


電「同じなのですよ。誰だって新しいことを受け入れるのは怖いのです」


白露「……考えてみたらあたし達がなにかに従うって久しぶりかも。特務艦の権限を使って好き放題してきたから…」


電「姉妹の絆を信じてあげて欲しいのです」


白露「…うん」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

白露「まあそれはそれとして…せっかくだからどうかな?」


電「……」


白露り無理矢理は止めておくから、嫌だったら言ってね?」


電「電…初めてで……」


白露「大丈夫、痛くしないから」


電「……」


白露「あたしに任せて、ね?」


電「…なのです」


白露「うん、いっちばん楽しもうね」

ーー


電「ぁん……ん…」


白露「楽しんでもらえたかな?」


電「……なのです」


白露「初めてだなんて言ってたけど経験済みだったんだ」


電「違うのです…本当に………初めてで…」


白露「まさか提督さんと?」


電「そんなはず……あ…」


白露「どうしたの?」


電「あの時…お風呂で……司令官さんの指が…」


白露「こっちとしては血も出なくて、楽しんでくれたから良かったよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー執務室


電「……ごめんなさいなのです」


龍驤「まさか電が違反するとはなぁ…」


提督「嫌なら断るべきなんだぞ?」


電「分かってるのです、でも…断るわけにもいかなかったのです」


白露「……そう雰囲気にしちゃったあたしも悪いかな」


龍驤「そうやって素直に謝りきてくれるんやったら、まだ許せるよ」


提督「そうだな、第三者や俺が見つけた違反じゃない。正直に名乗り出たということでペナルティは軽いものにしよう」


龍驤「掃除当番…二週間でもやってもらおかな」


電「なのです」


白露「…はい」

ーー


白露「ごめんね電」


電「大丈夫なのです、それより白露ちゃんが元気になってくれたら嬉しいのです」


白露「……」


村雨「姉さん、少し水臭いんじゃないかしら」


白露「村雨…」


時雨「そこまで悩んでたなら言ってくれたら良かったのに」


春雨「お掃除、手伝いますよ」


白露「…ありがと」


電「皆んなで仲良く、なのです!」


白露「そうだね…うん」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

暁「私も手伝うわよ!」


雷「私も来たわ!」


電「皆んな…!」


響「白露、どういうことか説明してもらえるかな」


白露「……言い訳はしないよ」


響「実力では敵わないのは知ってるよ、それでも許せないことがある」


電「待って欲しいのです響ちゃん!」


響「口止めされてるのかい」


電「白露ちゃんは悪くないのです!電も悪いことをしたのです!」


響「させたのは白露じゃないか」


暁「響は落ち着きなさい、司令官から話は聞いたでしょ」


白露「…許してくれるの」


雷「電が怒ってないのに私達が怒るはずないじゃない!」

電「仲間が悩んでたら助けてあげるのが当然なのです!」


白露「仲間…」


時雨「僕達が仲間だなんてね」


暁「司令官が誰かを拒否するだなんて考えられる?」


村雨「確かにそれは考えられないけど…」


雷「私達と一緒にいるなら仲間なのよ!」


春雨「仲間…」


電「あ、春雨ちゃんは…ちょっと……」


春雨「え?」


村雨「日頃の行いを考えれば当然じゃないかしら」


響「……Умри」


ーー

今日はここまでです

ーー


龍驤「……おぇっ」


漣「いやぁ~随分と弱りきってますなぁ」


龍驤「うるさいねん…」


漣「言い返すだけの元気があるだけ良かったですよ」


龍驤「……」


漣「そりゃあ精神病が治ってないんですから、こんな日もありますって」


龍驤「黙れ…喋るな……」


漣「はいは~い漣はもう喋りませんよ~」


龍驤「……」

漣「秘書艦は漣に任せてゆっくり寝てて下さいね~」ガチャッ


龍驤「ぐ……ぅ…」


龍驤「情けない……薬もちゃんと飲んで…調子も良かったのに……」


龍驤「あの夢が……また…ウチを……」


龍驤「……ぃっ」


龍驤「はぁ……はぁ……」


龍驤「乗り換えなあかん……頑張らなあかんねん…」


龍驤「霞の子どもの面倒…ウチと司令官も……こんな状態やったら…子育てなんかできへんやん…」


龍驤「ちゃんとせなあかんのに…こんなん……全然やんか…」


龍驤「甘えとったらあかん……少しくらい無理せなあかんのに…」


龍驤「強い薬……飲んで…なんとか動ける…やろ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

朝霜「それは違うな龍驤さん」


龍驤「……なんや」


朝霜「無理をするのと甘えないのは違うぜ」


龍驤「あんたになにが分かんねん…」


朝霜「自業自得の龍驤さんの気持ちはわかんねぇなぁ」


龍驤「黙れ…」


朝霜「龍驤さんだってあたいのことは分かんないだろ?結局そういうことなんだよ」


朝霜「お互いにまだまだこれからだけどよ、調子が悪いならしっかり休んで整えるのも仕事だからな」


龍驤「……」


朝霜「龍驤さんは無理しようとし過ぎなんだよ」

朝霜「完璧な母親なんて居ねぇだろ?サボったり体調を崩すくらい当たり前だ」


朝霜「龍驤さんはちゃんと母親になるんだろ?」


龍驤「……」


朝霜「調子が悪いなら家族を頼ればいいんだからな。霞だって居るんだから問題ねぇって」


朝霜「あたいの方が迷惑かけてるから偉そうに言えねぇけど、ママなら分かってるくれるよな?」


龍驤「……」


朝霜「よしっ!そっちの薬じゃなくてゆっくり眠れる方の薬飲んでじっとしてろよ!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤「嫌やぁ……ウチは…」


朝霜「仕方ねぇな、あたいが添い寝もしてやるぜ」スッ


龍驤「いや……」


朝霜「ん~ママのベッドっていいやつなんだよな。一緒に寝る時いっつも思ってたんだよ」


龍驤「やめて…」


朝霜「いいからこれを飲んでろって、な?」


龍驤「……」


朝霜「大丈夫だから」


龍驤「……」スッ


朝霜「よしよし、言うこと聞けて偉いぞ~」
お言葉に甘えて添い寝してもらってお薬も飲んでゆっくりする龍驤
落ち着いてきたら司令官に家族を頼れ言うてるのにミイラ取りがミイラになるところやったって素直に反省

ーー


龍驤「……ごめんな朝霜」


朝霜「落ち着いてきたか?」


龍驤「司令官に家族を頼れって言うてるのに…ミイラ取りがミイラになるところやったわ」


朝霜「それに気付けたなら十分だ」


龍驤「夢見ただけでああなるんて…ほんまにウチはあかんなぁ」


朝霜「夢は仕方ねぇよ。あたいだって早霜に殺された時の…」


龍驤「え?」


朝霜「……なんでもねぇ。とにかく龍驤さんが特別悪いわけじゃないってことだよ」


龍驤「…優しいなぁ朝霜は」


朝霜「ママを気遣うのは子どもとして当然だろ?」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「うまくいってよかった……」


漣「言ったでしょうご主人様ぁ?」


提督「そうだったな…」


漣「頼り頼られる人を増やすのは大事です、特に龍驤ネキみたいなのにはね」


提督「龍驤のことは分かっているつもりでも…」


漣「あんなクセのある女の腹なんか読めないに決まってるでしょうが」


提督「……」


漣「漣もそうですけど妊娠中の霞といいクセのある女しか好きにならないんすか?」


提督「いや俺は…」


漣「あ、そうでしたねご主人様はただのロリコンですもんね」


提督「……」

ーー霞の部屋


霞「さて…準備はできたわね」


霞「もうすぐ入院するからこんなことができるのもこれで暫く最後…ね」


霞「……」ゴクッ


霞「今飲んだのは…前に私が飲んで心停止までしてしまったあの毒薬…それをもっとアレンジしたもの…」


霞「うふ…うふふふふ……」


霞「手遅れになったら私ごと死んじゃうわよ…」


霞「あぁ……イイ…凄く……あっ…」


霞「これよ……この感覚…………」


霞「もう……最高…」

霞「飲んだばかりでまだ効いてない…けど……アレを飲んだという事実が……」


霞「あぁ……死んじゃう………」


霞「ふふ……」


霞「先に助けてくれるのは…どっちかしら……」


霞「司令官か……榛名お姉さま…」


霞「楽しみね……」


霞「お休み……なさい…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「……なにを考えていたんだ」


霞「……」


榛名「霞ちゃん…」グスッ


提督「子どもが流産してしまうだけじゃなく霞自身も危なかったんだぞ」


霞「……」


提督「一体なぜ…」


霞「…タナトリフィアって自分が幸せであるほどその欲求が高まるの」


霞「今死んだら絶対後悔する、それは最高のスパイスなのよ」


提督「……」


霞「…ごめんなさい反省してるわ。お姉さまと司令官の両方を呼んであったから助かるのは分かってたの」


霞「でも……二人とも泣かせるつもりはなかったわ」


榛名「榛名は……霞ちゃんが…」

提督「俺は…本気で霞と繋がりが欲しいと思ったんだ……」


霞「あなたも泣かないで……本当にごめんなさい…」


榛名「許しません……」


霞「お姉さま…」


榛名「二度と目を離したりなんかしません…24時間監視します」


霞「そんなの…」


提督「悪いが本気だからな」


霞「あなたがそこまで怒るだなんて…」


提督「お前のことがどれだけ大切か、いい加減理解してもらうぞ」


霞「ちょっと…軽率だったのは謝るから……お願い…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー病院


提督「霞の具合はどうなんですか?」


「緊急性はありません、出産に集中してもらって大丈夫だと思います」


榛名「嘘を言わないで下さい!霞ちゃんは薬を飲んで自殺しようとしたんですよ!」


「ええ存じています。これはタナトリフィアの思考を持っている方にはよくある話なんですよ」


「自分は大切に扱われている、そういったものが積み重っていくのは彼女も分かっているはずです。それを崩したい……と考えてしまうんですよ」


提督「治療方は無いんですか?」


「これは病気ではなく性的嗜好ですから…」


榛名「……」ギリギリ

「子どもが生まれれば考え方も変わる可能性があります。それまで様子を見ることが治療になりますかね」


提督「信じて…いいんですね」


「彼女は刃物での自殺や体を傷付けることに興味はありません。薬の扱いにさえ気をつけていれば問題ないかと」


榛名「……」


提督「榛名、ここは病院を信じよう。俺たちにできることは霞を一人にしないことだ」


榛名「もしもがあれば……皆殺し」ボソボソ


提督「落ち着くんだ榛名」


榛名「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「榛名の良いところは霞のことをなによりも大事に思ってるところだ」


榛名「当たり前です!霞ちゃんは榛名の全てなんです!」


提督「悪いところはそこだ。霞のことになると周りが見えなくなっている」


榛名「どの口が…」


提督「榛名の練度が中々上がらない原因もそうだ。試作砲はあるが榛名は改二になってくれれば戦力にも余裕ができる」


提督「霞のことが大切なのは良くわかっている、榛名を否定しようとはしていないんだ」


榛名「……」


提督「一人でも冷静になれるように努力していこう」


榛名「……はい」

提督「霞は過保護にし過ぎず、突き放さない最適を探っていこう」


榛名「子どもが生まれるまでですよね…?」


提督「もちろんだ、環境が変われば考え方も変わってくれると信じよう」


榛名「……」


提督「考えるだけじゃなく自分達でできることをしよう」


榛名(…そうですよね、提督は子どもが欲しいだけなんです)


榛名(霞ちゃんは榛名が……シアワセにしてあげるんです)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「タナトフィリアの改善……なにかあるはずなんだ」


榛名「……」


提督「潜水新棲姫に協力してもらって資料を集めた。榛名も読んでみてくれ」


榛名「提督はもう読んだんですか?」


提督「もちろんだ、だが霞の改善には何かが足りないんだ」


榛名(本気なのは伝わりました。でもタナトリフィアの本質は分かっていないみたいですね)


提督「霞は絶対…俺の家族は守る……」


榛名(死は救済でも絶望でもなく、この世で最高の絶頂なんですよ)


ーー

今日はここまでです

ーー


中間棲姫「提督はどこに行った」


漣「霞の様子を見に行ってますよ」


中間棲姫「ここ数日ほとんど鎮守府に居ないようだが」


漣「仕方ないんですよ、このタイミング霞がやらかしてくれたんでねぇ」


中間棲姫「そんなものは私に関係ない」


漣「そう言われましてもですね」


中間棲姫「勘違いするな、私は提督が居るからここに居るに過ぎない」


漣「ですから…」


中間棲姫「お前達の命令は聞くつもりは無いからな」


漣「それはいいですけど、頼みますから面倒ごとは起こさないで下さいよ…」

ーー


蒼龍「ちょっとツラ貸しなさいよ」


中間棲姫「なんだ」


青葉「一緒に話しませんか?」


中間棲姫「断る」


蒼龍「貴女の考えてることは私達に近いと思うんだけど」


青葉「この鎮守府には不満が多いですよね、こんな艦娘達なら一捻りじゃないですか?」


中間棲姫「そうがどうしたというんだ」


蒼龍「私達と組まないかって話。こんな所に居るだけでイライラしてくるのよ」


青葉「うまくいけば我々はこんな所からおさらばできます、貴女にとっても悪い話じゃないと思いますよ」


中間棲姫「安価」


下2 台詞やその他起こったことなど

中枢棲姫「あの人間はそちら側なのか」


蒼龍「そんなわけないでしょ」


青葉「あんなクズと一緒にだなんて考えられません」


中枢棲姫「そうじゃなければお前たちには興味はない」


蒼龍「どうして?不満があるんじゃないの?」


中枢棲姫「そもそも何か勘違いをしているようだな、私は争いたいからここにいるわけではない」


青葉「そんなこと…」


中枢棲姫「提督の人間性に興味を持ったからここに居る。あの男を通して人を知ろうとしてるだけだ」

中枢棲姫「そうだ、お前たちのお陰で一つ分かったことがあるな」


蒼龍「なによ」


中枢棲姫「お前たちのような存在こそクズと言うのだろうな」


青葉「な…!!」


中枢棲姫「世話になっている人間を気に入らないだのクズだの。正にクズそのものだ」


蒼龍「あんたねぇ…!」


中枢棲姫「お前たちには味方が居ないんだな?だから私を引き込もうとした」


中枢棲姫「浅はかで欲に満ちた愚かな艦娘…クハハハハ!」


青葉「笑うな!!」


中枢棲姫「面白い話を聞かせてもらった、精々頑張れよ」


蒼龍「なによアイツ…!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


秋雲「いやぁ~なんだかんだで提督もマシになってきたよね~」


山城「天城が飼い慣らされていた理由がわかるわね」


名取「乱れてた風紀も節度を守れるようになってきてますから」


中枢棲姫「そうかやはり変化があったようだな」


秋雲「中枢さんは来て時間も経ってないけどやっぱり分かるんだ?」


中枢棲姫「そうだな」


秋雲「はえ~~モノホンの深海棲艦は違うってヤツかぁ」

中枢棲姫「お前たちは青葉と蒼龍というヤツとは違うのか」


秋雲「まぁ~考え方の相違はあるかもねぇ」


山城「以前の提督なら横須賀に相応しくないというのは分かるのよ」


名取「でも今は頑張ってますから、それを認めないのはおかしいと思います」


中枢棲姫「その原因は嫉妬か?」


秋雲「嫉妬ではないかなぁ」


山城「私達も正確には分からないわね」


名取「ここが嫌なら黙って出て行ってもいいのに…」


中枢棲姫「ふむ……」


秋雲「とりあえずあの二人以外はちゃんと提督のこと信頼してるって思っとけば問題ないよ」


中枢棲姫「そうか、覚えておこう」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

秋雲「そういえばなんで秋雲さん達と話そうとしたのさ?」


中枢棲姫「あの二人は造反を企てていたようだ」


山城「はぁ…」


名取「……」


中枢棲姫「その反応を見る限りやはりお前たちは違うようだな」


秋雲「そりゃあね、正直秋雲さんも色々考えてたよ。でも今更そんなことは考えられないっていうかさ」


山城「提督のことがそこまで気にいらないだなんて…」


名取「…他にはなにか言っていましたか?」


中枢棲姫「私にかかれば艦娘なんかは一捻りだとも言っていた。なにを考えていたか分かるだろう」


秋雲「うーんマジかぁ…」

中枢棲姫(黙っていても良かったが反抗的な分子をどう扱うか、人間の手管が見てみたい)


中枢棲姫(私達の世界では強者に刃向かえば死。それ以外に答えがあるなら見せてもらおう)


中枢棲姫(提督はただの人間ではない、私を楽しませてくれる貴重な人間なんだ)


秋雲「とりあえず提督には報告して……」


名取「私達からも……」


山城「不幸だわ……」


中枢棲姫(人間社会…鎮守府…艦娘…興味は尽きないな)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


蒼龍「私から見れば秋雲達がおかしいのよ」


青葉「なんでこんな短期間で信頼出来てしまうんですか、洗脳でもされてるんじゃないですか」


秋雲「洗脳って冗談キツイっしょ」


蒼龍「悪いけど冗談だと思ってないわよ」


青葉「気持ち悪い……」


山城「随分な言い方ね」


名取「その言葉、そっくりそのまま返しますよ」


青葉「冷静になって下さい!あの男はロリコンで複数の女性と関係があるクズなんですよ!」


蒼龍「おまけに仲間は昼から盛りたい放題。こんな所に居続けたら頭がおかしくなるわ」

秋雲「外面だけ見てたらそうなるかもだけど、実際はそこまで酷くはないんだって」


山城「最近は改善してきているわね」


秋雲「二人はここの誰ともまともな交友がないというか、持とうとしないじゃん」


名取「内側に入らなければ真実は見えてきません」


蒼龍「あんな奴らと仲良くできるわけないでしょ」


秋雲「イズモマンこと飛鷹さんは色々聞かせてくれたなぁ~」


山城「私は天城から聞いていたわね」


名取「由良がここに拘る理由がわかりました」


青葉「…もういいですよ」


蒼龍「貴女達も敵ってことがよく分かったわ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

山城「…浅はかね」


名取「二人がやろうとしていていたことは大問題なんです」


秋雲「もしかして自覚すらない感じ~?」


山城「深海棲艦と共謀して人間に対してのクーデター。一生の恥として語り継がれるでしょうね」


青葉「黙れ!!」


蒼龍「ここの奴らに味方するっていうなら貴女達からやってあげましょうか?」


名取「……」スッ


秋雲「冷静になりなって、名取怒らせたら最悪死ぬよ」


青葉「ちっ……クソ…!」


コンコン


山城「いま取り込み中なの、後にして」


天城「そこに居んだな山城、入るぞ」ガチャッ


山城「……天城」


天城「よぉ久しぶりだな」

天城「提督は今居ないらしいな。久しぶりに会いに来たっていうのにタイミング悪いぜ」


秋雲「うわ~ヤンキー天城って似合わないってか引いちゃうね」


天城「言ってろ」


山城「…後にしてって言ったじゃない」


天城「それでもよかったけどよ、外まで声が聞こえたんでな」


青葉「盗み聞きですか、流石はあの男の所に居ただけ…」


天城「おらよっ」バキッ


青葉「ギャッ!!」


蒼龍「ちょっと!いきなり暴力だなんて!」


天城「あ~悪い悪い義手が当たっちまったんだな」


蒼龍「なにを…!」


天城「提督のことを何も知らない癖にいきがってんじゃねぇよ」


天城「提督はアバズレ女のせいで本物の地獄を見てんだよ。お前らみたいなガキは捨てられないだけ有難いと思っとけよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

天城「ま、いきなり殴ったのは悪かったな」


青葉「…っ!」


天城「提督を侮辱した事が許せなかったんだよ。天城を貶すだけなら殴ったりはしなかった」


蒼龍「やっぱり洗脳されてるのよ…」


秋雲「もしかして蒼龍さんってネットの陰謀説とか信じるタイプなのかも、イタタタタ…痛い女…」


蒼龍「うるさいわね…」


天城「相性ってもんがある、合う合わないはどうしようもないよな」


青葉「それがどうしたんですか…」


天城「ここが居づらいならうちに来るか?」


蒼龍「……」

天城「こっちは人手が足りてねぇから大助かりだ。お前らも我慢して不満を溜め込んでも仕方ないだろ?」


青葉「左遷ですか…」


天城「そう考えるなら一生ウジウジやってろ。提督を理解する気もないなら消えろ」


蒼龍「脅すつもり?」


天城「お前らなんか脅す価値も無ぇ」


青葉「言ってくれますね…」


天城「最終的に決めるのは提督だ、けどお前らの意見は聞いてくれるだろうな」


天城「こんな性格でこんな腕の天城を受け入れるんだぞ?こんな提督早々居ないと思うけどな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「意見が合わないから排除するなどといったことはしたくないし、俺としては理解し合えるまで話し合いたい」


提督「ただ…自らの意志で横須賀鎮守府を陥れるという考えを認めることができないことはわかってくれ」


青葉「……」


提督「暫くの間、謹慎してもらう事は避けられないが…その間にお互いの意見を交わすことは…」


蒼龍「ごめんなさい貴方と喋るだけで反吐が出そうなの」


提督「……そうか」


蒼龍「いかにも被害者面してるけど本当の被害者は私達なのよ。この国を代表する鎮守府がこんなのだなんて」


青葉「幻滅し過ぎてなにも言えません」


提督「……処分は追って伝える」

ーー


青葉「本当なら軍法会議もののはずですけど…甘いところは助かりましたね」


蒼龍「そこだけは確かにね…」


青葉「変わりつつあるとは言ってましたけど、本来なら最初からキチンとしてないといけないんです。青葉は間違っていますか?」


蒼龍「なにも間違ってはいないわ。だからってクーデター騒ぎが良いとは言えないけど」


青葉「……否定しません」


蒼龍「天城の鎮守府に左遷されるのが妥協案って所かしらね…」


青葉「ここから離れられるならそれで…」


蒼龍「負けた気もするけど私達はここに居る限り不満が絶えない。そんな生活はもう嫌なのよ」


青葉「環境が変わればこのイライラも消えるかもしれませんね…」


ーー

今日はここまでです

ーー執務室


天城「久しぶりに来てみればこんなことになってるとはな」


提督「横須賀組とは打ち解けてこれたと思っていたが、あの二人だけは…」


天城「話をしようにも聞く耳持たねぇって、そりゃ無理だ」


提督「俺としてはせめてちゃんと話はしたいと思っている」


天城「あの様子見てか?いい加減にしとけよ」


提督「だが…」


天城「お前は横須賀の提督なんだからな、不安分子は取り除くのが当たり前だ」


提督「それも分かってはいるんだ…」


天城「わかってるだけじゃ意味ねぇだろ、行動に移せ」

天城「こっちで引き取るのが早くて問題も解決するだろ?」


提督「それはそうなんだが…」


天城「言っとくけどあの二人は無理だぞ、天城達とは違うからな」


天城「天城はこの腕の借りがある、普通障害艦娘なんか捨てられて終わりだ。それを提督は最後まで捨てなかった」


天城「その件には感謝しきれねぇ、でもこの腕がなかったら天城は提督の世話にはなってなかっただろうな」


提督「……」


天城「黒潮や多摩はよく逃げずに居たもんだと思うぜ、なんてったって……いや、違う。これは言っちゃいけなかったな、すまん」


提督「……」


天城「…とにかくあの二人はどうにかした方がいいぜ、持て余すならこっちで引き取るからな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督か蒼龍と青葉なのか天城か、黒潮が誰と話すのかよくわかりません

再安価 下2

ーー黒潮


黒潮「今更うちと話って遅い気もするけどなぁ」


天城「それは分かってんだよ、でも聞きたいんだから教えてくれ」


天城「なんでお前は周りが発狂していく中、足りないもの鎮守府に残ったんだ?」


天城「漣がやったみたいに書類を誤魔化して出て行くことはできただろ」


黒潮「あんなクソピンクと一緒にして欲しくないわ」


天城「まあアイツは論外か、でもお前や多摩は静かに出ていくことはできたはずだよな」


黒潮「それは間違いないやろね、あの時の司令はんは心が壊れてたし」

天城「それだけじゃない横須賀に移ってからもだ。天城や阿武隈みたいにここを出て行く選択肢はあったよな」


黒潮「そうやねぇ」


天城「お前は改二で苦しんでで世話になってるのは知ってる、でもそれだけじゃないよな?」


黒潮「そうやねぇ」


天城「多摩もお前も…駆逐艦でいえば雷もそうだがアイツは他の六駆がいる、離れる選択肢は無かった」


天城「なんの為に残った。どう考えても残る理由は無いだろうがよ」


天城「あの時の提督達は捨てられて当然だった…どう考えてもそうだろ」


黒潮「安価」


下2 黒潮の台詞や行動など

黒潮「ご大層な理由はないで」


天城「でもよ…」


黒潮「どうせ離れるんやったら、特大の嫌がらせをしてやろかと思っとっただけやで」


天城「はぁ……!?」


黒潮「……昔の話や、気にしやんといて」


天城「お前、待てよ…!漣とは違うんじゃなかったのかよ!?」


黒潮「大違いや、あんなんと一緒にして貰ったら困るで」


天城「でも嫌がらせって……」


黒潮「司令はんに、なんか言うてないやろ」


天城「……」

天城「…そうか大本営に対してか、当時から色々やらかして…」


黒潮「違う。当時のうちはそんなこと考える余裕すらなかった」


天城「じゃあ…」


黒潮「…あんたは知らんやろうな、うちが死のうとして首吊ったこと」


天城「……」


黒潮「ロープが切れんかったらうちは死ねとった。結果的に助かって良かったと思うけど当時は地獄やったで」


天城「待てよ、自殺なんかしたら提督に迷惑かかるだろ」


黒潮「うちはどこで首を吊ったか知ってる?」


天城「知るわけねぇだろ…」


黒潮「漣の部屋や」


天城「……」


黒潮「……あの時はうちもおかしかったんよ」

黒潮「首吊っても死ねんかったしどうやったら楽になるか……それはもう考えたわ」


黒潮「そうや…捕まれば楽になる……塀の中やったら自由や…うちはそう思うようになったんよ」


天城「嫌がらせは…犯罪か」


黒潮「街に出て無差別殺人とか本気で考えとったよ」


天城「…よくも立ち直ったもんだな」


黒潮「立ち直ってなんかない、今でも時々あのとき死ねとったらなぁって思う時もある」


黒潮「改二は使いこなせんし大した戦力にもならん。この気持ちはうちにしか分からんよ」


黒潮「なんでうち…生きてるんやろな。自分でもよぉ分からんっていうのが答えなんかな」


天城「…生きてるなら負けてねぇよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

黒潮「よぉ分からん……自分だけではなにもわからんのよ」


黒潮「それでも皆が支えてくれるから、前に進めてるんやろなぁ」


天城「支えられてる…か」


黒潮「改二の件でもみんなが親身になってくれるんよ。出来損ないやって非難してもええはずやのに」


天城「ここの奴らはそんなことしないだろ」


黒潮「そうや、だからうちは死なんと生き残っとるんやね」


天城「……」


黒潮「想像してたのとは違う話やったみたいやね」


天城「てっきり…提督のことが好きとかそういう話だと思ってた」


黒潮「司令はんはええ人やけど恋愛対象にはならんなぁ。神通はんみたいに好意を隠しとるのは何人かおったけど」


天城「なにも…言うことがねぇ……」

黒潮「龍驤はんも司令はんもそうやけど心が壊れてしもた。でもそれって運やと思うんよ」


天城「運…?」


黒潮「うちは死のうとしたけど鬱とか病気にはなってない。それは心が強いんやなくて運が良かっただけや」


黒潮「もしうちが司令はんのことが好きやったら間違いなく病気になっとった。でもそれは無かった」


黒潮「結局は運や…うちらが旧大本営に勝てたのもそうなんや。間違ってもうちらは勝ってない」


黒潮「相手が自滅して…助かっただけ。全部運なんやで」


天城「それをお前が言うか…」


黒潮「時々思うんよ、この世界はサイコロを転がしたみたいに誰かが勝手に未来を決めてるんと違うかって。その出目が良かっただけやからうちは死んでない」


黒潮「ただ…それだけなんやと思うで」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

天城「仮にサイコロを投げる存在が仮にいるとして…助かったのはお前が助かるべきだと思わせたからじゃねぇか」


黒潮「あほ、どんな目が出るかわからんのがサイコロやろ」


天城「サイコロの目にお前が助からないと書くこともできるよな」


黒潮「……」


天城「お前が言う存在が実在するならこっちではどうしようも無ぇ。だからって諦めるのは違うだろ」


天城「お前が助かったのは必然だ、そういう行動をしたからなんだよ」


黒潮「……因果応報」


天城「良い行いをすれば…ってな」

天城「それに運も実力のうちだって言うだろ?」


黒潮「……そう思っとこか、その方が楽やしね」


天城「聞きたいことは聞けたしもういいってわけにはいかないよな。湿っぽくなったから飯にするか」


黒潮「ええようちも付き合おか」


天城「じゃ、とっとと行くぞ」


黒潮(…サイコロに例えたけどほんまはもっと別のもんと違うんかな。例えば数字が…)


「」


黒潮(……あかん、やめとこ。考えるだけ無駄やしな。うちは生きてるってだけで感謝せなあかんやろ)





黒潮(あの時ロープが切れたのは…必然なんやろうしな)

ーー食堂


天城「相変わらず食堂は賑やかなんだな」


黒潮「それは前と変わらんとこやねぇ」


天城「黒潮、この光景はどうだ?」


黒潮「どうって…皆んな仲良くしとるなぁとは思うよ」


天城「そうだな、運がなけりゃ見れなかったかもしれねぇ光景だよな」


黒潮「……」


天城「下手なこと考えると雷でも落ちるかもしんねぇぞ、そういう時は飯を食えば解決するもんだ」


黒潮「はぁ…今日のとこはそれでよしとしとこか」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


黒潮「……」モグモグ


天城「相変わらず凄ぇ量を食べるんだな…」


黒潮「大食いなのはうちの個性や。それはそうと…聞いたで?
とそっちの鎮守府の話」


天城「なにがだよ」


黒潮「『綺麗な海を守る』その目的の為に一切の妥協を許せへんスパルタな鎮守府らしいやん」


天城「…そうだな」


黒潮「深海棲艦と戦うだけやないらしいな。話に聞いただけでも厳しそうなんがよく分かるわ」


天城「ただ守るだけじゃ足りなんだよ、戦いが終わったそのあとも考えてるだけだ」


黒潮「凄い立派やと思うで、簡単には真似できへんわ」

天城「妥協しないってのも排他的だとか、弱いから見捨てるとかじゃねぇ。アイツの……天提督の意思を継ぐためだ」


黒潮「天提督…ほんまにええ人やったんやね」


天城「あぁ、生まれ変わってもアイツの隣に居たいとは思えるな」


黒潮「…よぉシラフでそんなこと言えるわ」


天城「こっちは自分達の意思で互助しながら切磋琢磨してんだ。誰か弱い者がいたら全員で底上げとかな」


黒潮「全員でか、それは凄いなぁ」


天城「とはいっても人員には限界があるんだよ。空母と重巡があと一人ずつ居れば…」


黒潮「それで二人に話をしたんか。でもあの二人はそっちでやれそうに無いんと違うか?」


天城「無理矢理にでも従わせてやる」


黒潮「それはあんたの考えとは矛盾せぇへんの?」


天城「……時と場合による」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

天城「ま…本当にやっていけそうに無い奴に声は掛けねぇって」


黒潮「そらそうやろうなぁ」


天城「アイツらは仮にも横須賀に居る艦娘なんだろ?少しくらいの無茶はやってくれないとな」


黒潮「練度は高いし申し分ないやろね」


天城「あとはどう納得させるかだな。ま、その辺は思いついたらでいいだろ」


黒潮「ほな精々頑張りや、適当に応援しといたるわ」


天城「そりゃどうも有難いことだな」

ーー


天城「飯は食ったし目的も果たしたから帰ってもいいが…せっかくだ、もう少し見ていくか」


天城「……」


天城「やっぱり持て余してやがるな、横須賀は提督には広過ぎんだよ」


天城「部屋が余ってて勿体ねぇ、うちに分けて欲しいくらいだっての」


天城「……設備はやっぱ最新だな、流石は横須賀か」


天城「ここに追いつくつもりは無ぇけど…やっぱり気になるな」


天城「無いものねだりをしても仕方ねぇ、こっちはやれることをやるだけだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー演習場


皐月『その調子だよ潮!』


潮『ううっ!』


皐月『回避だけじゃない!次になにをすべきかを考えて体制を立て直したあと…』


潮『陣形を確認!』


皐月『そう!その調子だよ頑張って!』


天城「……あの皐月が真面目にやってるとはな」


天城「皐月はやる時はやるのは知ってる、けどそれ以外は胸のことしかなかったはずだ。その皐月が……」


天城「ここもいい方向に変わってきてんだな…」

天城「違和感があると思ったら誰も盛ってねぇんだな。足りないもの鎮守府の頃は誰かしらが喘いでたからな」


天城「ただ厳しくなっただけかもしんねぇが…」


球磨「肩を貸すクマよ」


大井「球磨姉さんこれくらい大丈夫よ」


球磨「遠慮なんかする必要無いクマ、杖も持って運ぶクマ~」


天城「……いい所は変わってねぇんだな」


天城「提督にはやっぱり敵わねぇって話…か」


下2 出会った人物やその他起こったことなど

ーー


雲龍「天城……?」


天城「よお久しぶりだな」


雲龍「来てたなら声をかけてくれたら良かったのに」


天城「まあ色々野暮用があったんだよ。こうやって会えたからいいだろ?」


雲龍「…そうしておきましょう」


天城「元気そうで良かったけどよ、横須賀の雰囲気に馴染めてるか?」


雲龍「今の所は問題ないわね」


天城「無理はするんじゃねぇぞー」

天城「提督が羨ましいぜ、天城のところの新人提督はまだ頼りねぇんだよな…」


雲龍「新人なんだから当然よ」


天城「天城がほとんどあの鎮守府を預かってる。そんな状態である以上腐ってはいられないんだよ」


天城「だから盗める部分があるなら遠慮なく取り入れていくつもりで来たんだが…」


雲龍「横須賀はどうかしら?」


天城「前より良くなってる。けどそう簡単に盗めるもんじゃねぇ」


雲龍「提督の凄さを思い知ったでしょう?」


天城「なんで雲龍姉が得意気なんだよ」


雲龍「私達の提督なのよ、当たり前じゃない」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

天城「……で、あの二人は横須賀組以外の奴らと上手くやれてる奴はいるのか?」


雲龍「居ないんじゃないかしら。それどころか横須賀組とも折り合いが悪いみたいよ」


天城「なんだそりゃ」


雲龍「もしかするとあの二人は他人を信用するということに引っかかりがあるのかもしれないわね」


天城「そりゃここじゃ無理だな。提督を信じられるからこっちは指示に従うんだ」


雲龍「彼女達は貴女が引き取るのが一番なのかもしれないわね…」


ーー

今日はここまでです

本来なら今日から更新はできませんでしたが、ツイッターを通じて端末を頂いたのでなんとか更新できます
連絡が遅くなりすいませんでした

ーー街


龍驤(ウチが最近不安定なのは霞と司令官のせいやろうな…ウチの側から離れてるのが辛いんや…)


龍驤(霞から目を離したらあかんのは分かるけど、やっぱり辛い。ウチより大切に扱われてる霞が憎い)


龍驤(……こんなこと考えてる時点であかんのやろな。ウチには朝霜っていう可愛い娘がおんのに…)


龍驤(いやいや、そういうことを考えてしまうくらい精神状態が悪いだけなんや。ウチはもう前とは違う)


龍驤(今日やってそうや、前やったら司令官に甘えて病院に行こうとすらせんかった。でもちゃんと病院に向かってるで)


龍驤(ウチは変わる、司令官と朝霜と…家族で幸せになるんや)


龍驤(もう迷いは無い、ウチは今度こそ道を間違えんと幸せになるんや…)

ーーバス内


龍驤(病院に行くには次のバス停で降りて……しもた、カード忘れたから現金か。小銭はあるけど…)


チャリンッ


龍驤(う!落としてもた……早く拾わな…)


「……」
「……」


龍驤(…なんや、障害艦娘がバス乗ったらあかんのか。なんで睨んどるやお前ら殺すぞ)


龍驤(早く拾って…こんなとこ降りらな…)


「お金落としたんですか、手伝いますよ」


龍驤「…ありがとうな、でも大丈夫やウチ次で降りるから」


「僕も次で降りますから気にしないでください」


龍驤(…なんや、優しい人も居るんやね)

ーー


龍驤「ありがとうな、助かったわ。ほな…」


「……待ってください。貴女もしかして…龍驤さん?」


龍驤「龍驤なんかいっぱいおるよ。キミとは会ったことあるのは別の龍驤と違うかな」


「いやでも××鎮守府の…」


龍驤「!!」


「そうですよね!やっぱりあの龍驤さんですよね!」


龍驤(う、ウチが……足りないもの鎮守府に飛ばされる前に…遊びまくっとった時の……)


「この辺りの鎮守府に異動になったんですか?それよりその怪我……」


龍驤(なんで…こんな所で……)


「僕、龍驤さんのことが忘れられなくて……色々とお話しも聞きたいのでお茶でもどうですか?」


龍驤「……ええよ、ちょっとだけな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督は指輪をしてますが龍驤は指輪をしていなかったような…
指輪をした左腕ごと潰れた気がしてます
新しい指輪を右手にしていたかネックレスかどうか記憶が定かではないので再安価させてください

下2 再安価

ーーカフェ


「僕はあれから介護の学校を卒業したんですよ」


龍驤「…そうやったんやね」


「龍驤さんのお陰で成長できて、明るい青春時代を過ごせました。本当にありがとうございます」


龍驤「お礼…言われるようなことはしてないよ」


「あはは、そうかもしれませんね」


龍驤(思い出した…学生は精力は強いやろと思ってヤった奴や。ウチは楽しむどころかコイツ童貞やったからさっさと連絡先も削除したんやった)


「急に連絡が取れなくなったのは異動かなにかが原因だったんですね」


龍驤「…そういうとこかな」

龍驤「さっきバスでウチのこと手伝ってくれたのは、そういう学校出てたからやね」


「そうですね病院には片腕や片足の無い患者さんも居ますから」


龍驤「随分と立派になったんやね…」


「龍驤さんは今日はどうして…あ!もう行かないと!」


龍驤「…ウチは一人でも大丈夫やから、遅れたらあかんやろ」


「もう少し話したかったんですけど……そうだ、スマホありますか?」


龍驤「…あるよ」


「連絡先教えてください!今度またゆっくり話して、一緒に食事でも行きましょう!」


龍驤「……」スッ


「また今度会いましょうね!」


龍驤「…病院、行こ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤「……」


「……」
「……」


龍驤「都会には人が多い……そういえばウチは人間に良い印象は無かったなぁ」


龍驤「司令官や幹部さんみたいなええ人はおるけど、それ以外の人間は敵も同じや」


龍驤「そうや…だからウチはあんなこと平気でできたんやろうな」


龍驤「艦娘様の体を抱かせてやるから金を払え、ウチのためにヘコヘコ腰を動かせ人間風情が」


龍驤「敵から金を巻き上げることに優越感を感じてたんやろか…なんて愚かなんやろ」


龍驤「やってることは売女と同じやのに、人間以下の穴に成り果ててるのに気付けれへんだやなんて」


龍驤「はぁ……ほんまにウチはクズやな…」

龍驤「せやけどウチは間違いに気付けた。それは人間も同じなんと違うか?」


龍驤「それに今のアイツみたいに悪い奴ばっかりやない、ええ人間もおるのは間違いないんや」


龍驤「艦娘と人間、理解が足りないのはお互い様なんやろか…」


龍驤「…あんまり偉そうには言えれへんわな。これから人間が先生をしてる病院に行くわけやし」


龍驤「……」


龍驤「アイツ…また会ったってもええかもね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー病院前


龍驤「あかんちょっち遅れてしもた…予約し直さなあかんかな…」


ピピピピピ…


龍驤「ん、電話……もしもし?」


提督『龍驤!無事なんだな!!』


龍驤「なによそんな大きな声出して、どうしたん?」


提督『予約していた時間を過ぎても姿が見えないと連絡があったんだ!今どこにいる!?すぐに迎えに行くからな!』


龍驤「そんな慌てんでも……心配性なんからキミは」


龍驤(ウチもう一つ間違ってたわ、こんなに大切にされてるやん。ウチのことをなによりも大切に思ってくれる……)


龍驤「…ちょっちな、昔の知り合いにたまたま出会ったんよ。それで、話とか……してただけやからね」

ーー病院


龍驤「司令官と出会う前の鎮守府に出会った男や。ハッキリ言うて顔見ても思い出さんかった」


提督「……関係はあったんだな」


龍驤「学生やから金は無いやろ思って半額でヤったんよ」


提督「……」


龍驤「変わってる奴でな、ウチにお礼言いたかったんやって」


提督「お礼…?」


龍驤「自分に自信付いたとかそんな感じ。あれだけ遊んだけどお礼言われたのはアイツ一人だけやったわ」


提督「……」


龍驤「…最近調子悪いのは霞に嫉妬してるからや。覚悟はしてたけど体は正直なんやね」


龍驤「遊びまくってた上に面倒な女でごめん。でもウチは司令官のことが大好きや、これだけは信じて」


龍驤「ずっと一緒に…ウチと家族で幸せになろな……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ギュッ


提督「……辛い思いをさせてすまない」


龍驤「大丈夫やで」


提督「隠さず話してくれて…ありがとう」


龍驤「嘘ついたら司令官に悪いもん」


提督「龍驤は本当に良くなってる、俺も…俺も、頑張る」


龍驤「頑張ってな司令官」


「龍驤さん、こちらの部屋へどうぞ」


龍驤「…ほな行ってくるわな」

ーー


龍驤「ウチは入院かな」


「そうですね短期間の入院で様子を見ましょう」


龍驤「やっぱりな…」


「なにか辛いことがあるんですね」


龍驤「さっき話した通り司令官が…」


「提督さんのことを考えないようにするのも一つの方法ですよ」


龍驤「無理や…司令官はウチの全てやから」


(通院も考えましたがやはり入院でしょう、心に余裕も無さそうですね)


龍驤「入院…これでええんや……もうすぐ子どもが産まれるし…」


龍驤「心…落ち着いたら……うん」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


「今の龍驤さんは分かりやすく言えば、精神疾患の波の谷の状態です」


提督「つまり悪いと…」


「悲観する必要はありません、谷の状態でここまで良くなってるのは本人の努力あってこそなんです」


「状態が悪ければ自我を失ったり体を拘束したり…覚えはありますよね?」


提督「はい…」


「これだけ努力してるなら医師としてサポートは惜しみません。必ず龍驤さんは良くなりますよ」


提督「…ありがとうございます」

ーー


朝霜「ママぁ…!!」


龍驤「ごめんな…側におれんくて」


朝霜「行方不明になったって……!あたい…!」


龍驤「大袈裟や…ちょっち予約に遅れただけで、なにも心配せんでええから…」


朝霜「でもぉ!入院するってパパが言ってた!」


龍驤「入院するだけや…ベッドに縛り付けられへんし、大丈夫やから…」


龍驤「寂しかったらお見舞いにも来てな…ウチは待ってるから…朝霜のママやもんね……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「龍驤は良くなってきているんだ、入院したからと言って落ち込む必要はない」


朝霜「でも…」


提督「ほら、これがあるだろ?」スッ


朝霜「けん玉…」


提督「俺も練習してるからな、今度一緒に龍驤に見せよう。そして先生にも見せような」


朝霜「……ん」


早霜「姉さん、私が居ることも忘れないで」


朝霜「早霜…」ビクッ


早霜「あの女には負けられないの。私は朝霜姉さんの妹なのよ」


提督「朝霜に負担がかかることは止めてくれ」


早霜「分かってるわ、あの女を傷付けたりなんかしたら姉さんは悲しむものね。ちゃんと…協力するわ」

ーー横須賀鎮守府


金剛「榛名~お茶にしませんカ?」


榛名「……いえ、結構です」


金剛「そう言わずに一口だけでもどうデス?」


榛名「……」ガリガリ


金剛(ンン…義指をかじってしまってますネ。それに目つきも怖いデス)


金剛「気分転換にしますヨ!ほら早くこっちに来るネー!」


榛名「…邪魔なんですよ」


金剛「榛名…」


榛名「私の邪魔をしないで下さい…私の目の前から消えて下さい」


金剛「……」


榛名「……」ガリガリ


下2 この後の展開やその他起こったことなど

榛名(提督は確かに言いました、霞ちゃんを大切にするのは子どもが産まれるまでだと)


榛名(つまり子どもが産まれたら霞ちゃんは結局二の次だという事です。霞ちゃんのタナトリフィアを良くしたいだなんて言い出したのも子どものためだけなんです)


榛名(提督は霞ちゃんを幸せにするつもりが無いんです。繋がりが欲しいと言ってもそれは霞ちゃん本人とじゃありません)


榛名(私の大切な霞ちゃんを……)ギリギリギリギリ


榛名(許せない…)


榛名(霞ちゃんは私が守るしかないんです!!)

ーー執務室


金剛「榛名の拘束を進言しマス」


漣「その根拠は?」


金剛「あの状態は良くありまセン、変な事はしないように見張ってはいますが限界もありマス」


漣「はっ、艦娘の権利を守るだとかの団体の金剛さんが良く言えたもんですね」


金剛「茶化さないで下サイ」


漣「…無理ですよ、何かしたなら別ですけど危なそうだってだけで拘束なんかできませんよ」


金剛「デモ!このままでは提督と皆さんが危ないデス!」


漣「そんなことくらい分かってるんですよ」


金剛「このまま黙って見ているだけデスか!?」


漣「見張りを強化するくらいしか手はないんですよ…!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


榛名「……ダメです…提督を殺せば、何よりも霞ちゃんが悲しんでしまう……」


榛名「霞ちゃんの子どもをどうにかしても同じ……どうすれば良いんですか…」


榛名「どうして龍驤さんじゃないんですか…龍驤さんと子どもを作ればよかったじゃないですか…なんで諦めたんですか……」


榛名「どうして…どうしてぇぇぇぇぇぇ!」


榛名「うぅ…うっ……!!」


コンコン


榛名「誰も入って来ないで下さい!!」


漣『出てこないと一生そこで泣き続けるしかできませんよ』


榛名「なにを言ってるんですか!」


漣『意見が違うなら意見をぶつけ合うしかありません。伝えなければ相手にも伝わりっこありませんからね』


漣『用意は済みました、ご主人様もお待ちですよ』

ーー


金剛「本当に二人にして大丈夫なんデスか?」


漣「二人だけじゃありません、霞さんも電話で参加しています」


金剛「結局話し合うしかないんですよネ…」


漣「言語は最も発達したコミュニケーションなんです、これを利用しない手はありませんよ」


金剛「提督…榛名……」


漣「榛名さんにはガス抜きも兼ねて好きなだけ言って欲しいと言ってました。場合によっては漣や金剛さんも呼び出されるかもしれませんぜ」


金剛「それで済むならいくらでも呼んで下サイ」


漣「あとは…ご主人様にもかかってますぜ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


榛名「榛名は霞が一番に扱われないのが許せないんです。一夫多妻なんて馬鹿げてます」


提督「霞と龍驤の優劣は付けられないが…一番大切だと言われたら龍驤になる」


榛名「ふざけないで下さい!!」ガシッ


提督「ぐ……」


霞『やめてお姉さま!!』


榛名「でも……!」


霞『私は二番だろうが三番だろうが構わないの、大切に思ってくれている事に変わりはないんだから』


榛名「霞ちゃんはいいように利用されてるだけなんです!」


霞『それでも構わないの』


榛名「どうして……!」


霞『司令官のことが好きだからよ』


榛名「霞ちゃん…」


霞『子どもだけ取られて私は捨てられても構わない、それくらいの覚悟はあるのよ』

提督「そんなことを…するはずがないだろう…!」


霞『今はそうかもしれない、けど何年か経ったあとでもその台詞は言える?』


提督「当たり前だろう!」


霞『龍驤さんとは籍を入れて朝霜と私の子どもは養子。じゃあ私はなに?』


提督「霞も大切な家族だ!」


榛名「この国では一夫多妻は認められないんですよ!そんなことも知らないんですか!」


霞(…いつもなら新しい家族の形だとか言ってたのに、今日はそんな気分にはなれないわ。これも妊娠中の精神状態だからかしら)


提督「……!」


榛名「……」


霞(司令官とお姉さまが言い合ってる…ふふ……私のことで…)


霞(自分でもおかしいのはわかってるけど…止められないのよね…)


霞(日頃から苦労してたんだし……子どもが産まれるまでなら、これくらいのことは許されるわよね…)


ーー

今日はここまでです

指輪を購入する明確な描写はなかったけど婚姻届を出した後にカッコカリじゃない本物の指輪が増えたって描写があるから龍驤も買ってるんじゃないかな?
どこにつけてるかは決まってなかったけど

699 ◆I4lwDj9Dk4S2 sage saga 2020/10/25(日) 21:54:52.43 ID:gth2G1zL0
提督「幹部さんも大変なようだな…」


漣「そりゃそうですよ、大本営の実質的なトップなんですから」


中枢棲姫「提督、そういえば指輪が増えているんじゃないか」


提督「あぁ…これはカッコカリじゃない本物の指輪だ」


中枢棲姫「イミテーションでは無い指輪?」


龍驤「これはウチとの婚約指輪なんよ。役所に書類も出して本物の夫婦になったんよ」


漣「お二人の婚姻の証人は漣なんですぜ」


中枢棲姫「そうか、ならおめでとうと言っておいてやるか」


提督「ありがとう」

>>414ありがとうございます、この書き方はどっちでもいけるように書いてますね
買ってあるなら保管してますし、買ってなかったら伏線にしようとしてましたねこれは


今日は少し早めに始めます

ーー


漣「いよいよ霞の子どもが産まれそうだっていうんで、ご主人様は数日間向こうに居るそうです」


潜水新棲姫「仕事は大丈夫なのか」


漣「数日間なら平気です、電話もできますからね」


潜水新棲姫「そうか仕事は問題ないんだな」


漣「ええ仕事は、問題ありません」


潜水新棲姫「それ以外のことでは問題があるな」


漣「そうですねぇ……放置してるとマズイのもありますねぇ…」

潜水新棲姫「蒼龍と青葉は異動になるのかまだ決まっていない」


漣「それと榛名さんがガンギマリ状態なのもやべぇんすよ…」


潜水新棲姫「こんな状況で提督は向こうに行っていていいのか」


漣「ハッキリ言って良くないですよ。でもご主人様の気持ちも分かります」


潜水新棲姫「待ち望んでいた家族ができるんだからな」


漣「事態がややこしくなったり悪化すれば流石に戻ってきますよ。漣達にできるのは現状を悪くしないことです」


潜水新棲姫「難しいがやるしかない」


漣「ご主人様だからできることも多いんですよねほんと…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

榛名の悩みに付き合ってあげる金剛
提督の気持ちは分かった、霞の気持ちも分かった、でも榛名自身がまだ腹落ちしてない

ーー金剛の部屋


金剛「提督と霞の気持ちも分かっているんデスね。でも肝心の榛名自身が納得できナイ…」


榛名「簡単に納得なんかできません……!」


金剛「その気持ちはよく分かりマス」


榛名「榛名はおかしいことを言っていますか!?一夫多妻なんか認められてないんですよ!」


金剛「最もな意見デス、でも二人で話し合った結果じゃないでか」


榛名「それも分かっているんですよ!」


金剛「ンンン…」


榛名「どうして納得できるんですか、なんで平然としていられるんですか…!」


金剛「このままでは堂々巡りデスね…」

金剛「…榛名は何か不安なんデスね」


榛名「……」


金剛「その気持ちも教えてくれまセンか?」


榛名「……榛名は一人になるのでは無いでしょうか」


金剛「そんなはずありまセン!霞を支えるのは榛名の大事な役目デス!」


榛名「改二にもなれない榛名に価値は…」


金剛「それは私も同じデスよ。それに改二になれなくてもあの試作砲があるじゃないデスか!」


金剛「提督が榛名を捨てることも、榛名がひとりぼっちになることもあり得まセン!自信を持って言えますよ!」


榛名「……」ブツブツ


金剛(これで分かってくれないなら、何度だって話しマスよ!)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

うっとおしいくらい榛名につきまとって心配なのはわかったので今は独りにしてくださいと言わせる金剛
あっ、独りじゃないって認めましたネ~心配されてるのも分かりましたネ~んふふ~

榛名「なぜ榛名は艦娘なのでしょうか」


金剛「ンン…?」


榛名「榛名が男性なら霞ちゃんを独占できていたのに」


金剛「…かもしれまセンね」


榛名「霞ちゃんの心は提督に向いたままになるのは目に見えています」


金剛「そうとは決まっていまセン!霞と榛名の仲は皆んな知ってマスよ!」


榛名「…金剛お姉さまになにが分かるんですか」


金剛「二人が仲良くしているのを何度も見ていマス、だから分かるんデスよ」

金剛「あまりいい方法では無いかもしれまセンが…仕方ありませんね」


榛名「なにがですか」


金剛「今夜、私の部屋に来て下サイ」


榛名「……」


金剛「そして私を好きにして下サイ。霞の代わりでもいいデスし、サンドバッグにしても構いまセン」


榛名「本気、なんですね」


金剛「提督は居ませんからお咎めもありまセンよ。転んで怪我をしたと言えばいいんデスからね」


金剛「何もしなくてもいいデス、とにかく続きはまた夜に話しまショう」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

榛名「鎮守府の平和の為に自分の身を差し出す…まるで榛名が危険人物みたいじゃないですか」


金剛「……」


榛名「…そんなに危ない顔になってましたか?」


金剛「それはもうなってましたネー…」


榛名「はぁ……」


金剛(良かった…まだ大丈夫みたいデスね)

金剛「榛名も向こうに行ってきたらどうデスか?」


榛名「まだ提督のことを見ると少し…」


金剛「霞を支えられるのは提督と榛名しか居ないんデスよ」


榛名「……分かりました」


金剛「提督と漣には私が伝えておきマス、すぐにでも準備をして向かって下さイ!」


榛名「霞ちゃん……」


金剛(榛名は霞の近くに居るのが一番デス、そうすれば不安も小さくなりマス)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

榛名「……」クイッ


金剛「榛名…?」


榛名「少し不安なので…付いてきてもらえますか?」


金剛「可愛い妹の頼みは断りまセン!一肌脱いじゃいマスよ!」


榛名「ありがとうございます…!」


金剛「さぁ榛名と共に霞の所に向かいマス!」

ーー病院


霞「来てくれたのねお姉さま!」


榛名「霞ちゃんの為なら榛名はどこにだって向かいます!」


金剛(提督は席を外しているみたいデスね、仕方ありまセン)


霞「うふふふ…」


金剛(霞のあの嬉しそうな顔を見て下さい榛名。貴女は霞には必要なんデスよ)


榛名「~~」


金剛(榛名も凄くいい笑顔デス、連れてきて正解でしたネ)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

霞「ね…急なお願いなんだけどお姉さまにお願いがあるの」


榛名「なんですか?」


霞「この子の名付け親になって欲しいのよ」


金剛「その子は確か現代艦娘デハ…?」


霞「現代艦娘としての名前は既にあるかもしれないけれど、愛称といえばいいのかしら…とにかくお姉さまに決めて欲しいの」


霞「この子を授かったのは私の大切で大好きな家族皆んなのおかげだから…」


榛名「霞ちゃん…!」


金剛(……もう大丈夫そうデスね。あとは二人に任せておきましょう)

ーー病院内


金剛「あれは提督デス!お仕事中失礼しマスよ!」


提督「金剛か、仕事はさっき終わったんだ」


金剛「ではなにを真剣に考えているんデス?」


提督「霞の子どもの名前を考えていたんだ」


金剛「イィッ!?」


提督「現代艦娘として名前が決まっていても愛称のようなものが欲しいと霞が言ってきたんだ」


金剛(霞……!なにを考えているんデス!)


提督「俺にだから頼みたい…か。父親になるということをあらためて自覚してきたよ」


金剛「……それは良かったデス…ね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

金剛(ここで下手に誤魔化せばあの悪夢の比叡カレーみたいな大ごとになってしまいマス…)


金剛(提督と榛名、霞にとってはどっちも大事デスから、あの二人で考える方向に持っていけれバ…)


金剛(それにしても霞は一体なにを考えているんデス…!)


金剛(提督と榛名を弄ぶようなことをして何が楽しいんデスか!)


金剛(霞とはキチンと話しておく必要がありマスね…)

ーー


榛名「産まれてくる子はきっと…霞ちゃんに似た可愛い女の子なんでしょうね……」


霞(お姉さまと司令官に名前を考えてもらうだなんて普通はやっちゃいけないこと。でも気が付いたらそうしてしまっていた)


霞(これが知れたら大喧嘩どころか最悪…)


霞(うふふ…フフフフフフフフフフフフ)


霞(ねぇお姉さま、私達の絆は誰よりも固いのよね?)


霞(ねぇ司令官、私は大事な家族なのよね?)


霞(一体どっちが私のことを大切に思ってるのかしら)


霞(有利なのはお姉さまね、司令官には龍驤さんと朝霜が居るし。でもこの子は司令官との子どもなのよ)


霞(絶対にあり得ないと思うけど、殺し合いになんかなったら……)


霞(そうなっても大丈夫、私は薬を飲んで後悔して死ぬだけ)


霞(死は救いでも絶望でもなく……最高の快楽なのよ!!)


ーー

今日はここまでです

ーー


金剛「榛名、少し話が…」


榛名「すいませんお姉さま、今少し忙しくて…また後にしてもらえますか?」


金剛「……」


ーー


金剛「提督、少し話たいことがありマス」


提督「…すまん、霞のことで忙しんだ。仕事のことなら一度漣に話をしてみてくれ」


金剛「……」


ーー


金剛「ンン…どうやら私が霞の考えに気付いていることを、知っているようですネ…」


金剛「それを二人に知られないと全力で邪魔をしてきている…これはもう確信犯でショウ」

霞(悪いけど外野に邪魔はされたくないの。金剛さんは何もしなくていいのよ)


霞(私がやってるのはその場凌ぎにしかならない、けどその僅かな時間が欲しい)


霞(数日の間にこの子は産まれる、それまで誤魔化せれば十分なのよ)


霞(司令官と榛名お姉さまが私を取り合って殺し合いなんかになったらもう…もう……!)


霞(私はつわりや体調不良はほとんど無かった、けど日に日に変なことを考えるようになっていったわね)


霞(私がどれだけ大切なのか行動を持って示して)


霞(もしどっちも満足いかなかったら薬を飲んで死んじゃうわよ?私だけ…ね)


霞(ここまで大きくなったら私に何かあってもこの子は無事。この子の成長を見守ることなく私は…)


霞(あ"ぁぁぁぁっ!!どう転んでも最高じゃない!!)


霞(これからどうなるのか…楽しみ過ぎて眠るのも惜しいわ!)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


榛名「提督、相談したいことがあるんです」


提督「ちょうど良かった、俺も話がしたいと思ってたんだ」


榛名「霞ちゃんの子どもの名前について…」
提督「霞の子どもの名前を考えているんだが…」


榛名「今なんて言いました?」


提督「俺が霞の子どもの名前を考えているのを知っていたのか?」


榛名「それは榛名が霞ちゃんに頼まれたことです」


提督「……どういうことだ?」


榛名「嘘をついているわけでは無いですよね」


提督「そんなことをする意味はないだろう」


榛名「…なにがどうなっているんでしょうか」

提督「霞が意味もなくこんなことするわけ無い…」


榛名「……榛名と提督で答えを出して欲しかったんでしょうか」


提督「あり得るかもしれないな、このことを頼まれたのは榛名と話し合いが足りていない時だったからな」


榛名「こんな大事なことを一人で決めるとは考えられない、榛名と提督は必然的に話し合っていたでしょう」


提督「自分が大事な時期に俺達の心配か…」


榛名「霞ちゃん…貴女はどこまで優しいんですか……!」


提督「その優しさに似合う名前を真剣に考えよう」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「ありがとうな霞」


霞「急にどうしたのよ」


榛名「提督と榛名を仲直りさせる為にあんなことを考えていただなんて」


霞「…?」


提督「子どもの名前は榛名と一緒に考える。霞がそうして欲しかったようにな」


榛名「霞ちゃんの優しさに溢れた素敵な名前を考えますね」


霞「……そう」


榛名「どんな名前がいいでしょうか…」


提督「やはり読みはかすみで漢字を当てるのが…」


霞(目論見は外れちゃったわね……さて、本当の事なんて話せないから次はどうしようかしら)

ーー


金剛「体調はどうですカ?」


霞「…随分と大人数のお見舞いね」


漣「金剛さんから話を聞きましたのでね」


皐月「霞、一体なにを考えてるの?」


霞「何のことだか分からないわ」


金剛「入院直前に毒薬を飲んだのも理解できまセン」


漣「ご主人様達はいい方法に誤解してますけど一歩間違ってたら最悪殺し合いですよ?ふざけてんすか、あぁ?」


皐月「悪いけど僕達も見張らせてもらうからね」


金剛「霞の思い通りには行きませんヨ」


霞(…フフフフ)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

霞(いつも私は縁の下で…こんなに注目された事あったかしら……)


霞(もちろん感謝の言葉は何度も掛けられたけれど、それはなんか違うのよねぇ…)


霞(注目が集まっている今死んだりすれば後悔は…)


皐月「…潮、出番だよ!」


潮「はい!」シュバッ


霞「えぇ!?」


皐月「ソナーで隠してる変なもの見つけちゃって!」


潮「……むむっ!反応がありました!ここに変なものがありますよ!」

漣「…まさか靴底と中敷きの間に仕込んであったとは」


金剛「これは例の毒薬ですネ」


皐月「カプセルを小さい袋に入れて靴に隠すだなんて」


潮「そこまでして死にたかったんですか…?」


霞「あーあ、とっておきのソレがないと計画が駄目になっちゃうのに残念ね」


金剛「…その余裕はなんでス?貴女はこれ以上なにも持っていないはずデス」


漣「なにを隠してやがりますか、答えろってんですよ」


霞「……」


漣「おい、いい加減にしろってんですよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

霞「私はもう何も持ってないわよ」


金剛「本当デスか?」


霞「ただこうやって注目されることが嬉しくて余韻に浸ってるだけよ。盛り上げる為の手段のはずが…」


潮「霞ちゃん…?」


霞「う……お腹…痛い……」


皐月「まさかもう産まれるの!?」


漣「…破水はしてないようです」


金剛「ナースコールを押して下さい、そして提督と榛名も呼んできまショウ」

ーー


「霞さんは治療室に入りました」


榛名「霞ちゃんは大丈夫なんですか!?」


「お子さんが出てこようとしているんですかまだ産道が開いていません。このままでは手術になるかもしれません」


提督「手術…」


「我々としても全力を尽くします、どうか悲観なさらず冷静になって待っていて下さい」


榛名「悲観!?霞ちゃんは助からないって言うんですか!?」


提督「落ち着くんだ榛名、俺達にできるのは待つことだけだ」


榛名「…はい」

榛名「霞ちゃん……」


ブーブー


提督「連絡…緊急事態なら出る必要があるが……」


榛名「…榛名がここに居ます、外で確認してきてください」


提督「…すまん」タタタッ


提督「……もしもし」ピッ


早霜『姉さんはそこに居ないの!?』


提督「…なにかあったのか」


早霜『朝霜姉さんが行方不明なのよ!病院から連絡があって予約の時間なのに来てないって!』


提督「なに……」


早霜『私も探してるけど無理…悔しいけど貴方の力が必要なのよ、早く姉さんを探して!!』


提督「いや、今は…」


早霜『ふざけてるの!姉さんの病気は知ってるわよね!?見ず知らずの男に股を開く可能性もあるのよ!!』


早霜『なにをしてるか知らないけど早く!姉さんの家族なんでしょう貴方は!!』


提督「朝霜が…しかし霞が……」

漣「ここに居ましたかご主人様!」


提督「漣……」


漣「どんな用事かは知りませんが、龍驤さんが入院している病院から至急折り返しの連絡が欲しいと」


提督「龍驤の…?」


漣「霞が大変なのは聞きました、龍驤さんへの連絡は後にしますか?」


提督「霞…龍驤……朝霜………」


漣「ご主人様…?」


提督「俺は……」

霞(だれがいちばんなの?)


霞(かぞくはびょうどうじゃないの)


霞(どうじにせんたくをせまられたとき、だれがゆうせんされるの?)


霞(おしえて)


霞(おしえてしれいかん)


霞(わたしはなんばんめのおんななの?)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「…漣!」


漣「はいっ!?」


提督「すまんが皆の力を貸してくれ!まず榛名と金剛は霞に付いていてくれるように頼んでくれ!」


漣「は、はい!」


提督「それ以外で動ける奴は朝霜の捜索に向かってくれ!」


漣「あ、朝霜!?」


提督「詳しくは早霜から聞いてくれ。そして逐一俺に連絡を入れるんだ」


漣「わ…分かりました…」


提督「……もしもし龍驤は…」ピッ


漣「ご…ご主人様が覚醒した……?」


漣「ってぇあっけに取られてる場合じゃねえっての!指示を受けたら素早く行動する!!」ダダダッ

ーー


金剛「榛名!」


榛名「…提督はどうしたんですか」


金剛「緊急事態デス!」


榛名「…霞ちゃんを優先しなかったんですね」


金剛「イイエ、提督は無駄なく指示を出していまシタ。今までと比べて断トツに凄かったですヨ」


榛名「……」


金剛「霞には私と榛名が居れば十分デス。霞の無事を一緒に祈りまショウ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「榛名」


榛名「……提督」


提督「霞を、頼んだ」ガシッ


榛名「…はい、榛名にお任せ下さい」


金剛「榛名…」


榛名「提督の目からは強い思いを感じました。霞ちゃんのことは、私に託すと」


金剛「そうです、提督は霞のことは大切に決まってるじゃないデスか!」

ーー


朝霜「悪ぃ…中々けん玉が売ってなくてよ」


早霜「一言、言ってくれれば良かったのに…!!」


加古「まぁまぁ、見つかって良かったじゃんか」


初雪「せっかく外に出たしゲーセン行きたい」


加古「お、いいね~」


早霜「コイツら……!朝霜姉さんをなんだと思ってるのよ…!」


朝霜「パパにも迷惑かけちまったな…後でちゃんと謝っとくか」

ーー


『龍驤さんは今の薬では強過ぎるようなので、軽い薬に切り替えた方が良いでしょう』


提督「薬を変えないと悪化するんですね?」


『その可能性があります、ですので至急連絡が欲しかったんです』


提督「同意書が必要ならば後日書きます、電話だけで同意が可能なら今日からでも薬を変えて下さい」


『分かりました』


提督「よし…朝霜と龍驤は解決した、あとは霞が…」


ピピピッ


提督「…どうした」


初雪『ん…霞が破水したって』


提督「状態はどうなんだ?」


初雪『悪くはないってぇ…戻ってこれるの?』


提督「絶対に戻る。お前たちも向かってくれ」


初雪『え、でもこれからあそ…』ピッ


提督「……待ってろよ霞」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


霞「……」


榛名「霞ちゃんしっかりして下さい!」


霞「……」


榛名「先生!霞ちゃんは本当に大丈夫なんですよね!?」


「数値に問題はありません!」


榛名「ならどうして霞ちゃんの意識が…!」


「…分かりません、気を失っているわけでは無さそうなんですが」


榛名「頑張って霞ちゃん…!!」


霞「……」

榛名「提督……もうすぐ提督も来ます」


榛名「確証はありません、けどそんな気がするんです」


霞「……」


榛名「榛名には霞ちゃんの手を握るくらいしかできません……」ギュッ


霞「……」


榛名「大丈夫ですよ霞ちゃん!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーーーー


霞『ねぇ…もし司令官が龍驤さんとの子どもを欲しいとまだ思っていたら私はどうしたらいいのかしら』


「」


霞『あなたは本当に望まれているのかしら?』


「」


霞『私自身はもちろん嬉しいわ、だけど…』


「」


霞『貴女は望まれた子どもじゃないかもしれないのよ』


「」


霞『今ならまだ間に合うの。今なら貴女は不幸にならずに済むの』

霞『貴女はどうしたい?』


「」


霞『ねぇかすみ、答えてよ』


「」


霞『そうよね…貴女は答えられないのよ』


「」


霞『貴女の将来は苦労しか無いかもしれない。それでもいいのならこっちに来なさい』


霞『貴女は現代艦娘、私から産まれなくてもその魂は確定している。私から産まれたくなければ…消えなさい』


霞『現代艦娘である貴女なら…未来も考えられるわよね』


下2 この後の展開やその他起こったことなど

「」パァァッ


霞『そう…それが貴女の答えなのね』


霞『貴女の進む道は決して平坦では無い…きっと……混沌と絶望の…』


『それまで』


霞『貴女……は…?』


『現代艦娘と繋がることによって未来を見るだなんてやめてよね』


霞『あ……え…?』


『お前は重要なピースじゃない。そんな分際でこっちに干渉したらあっという間に死んじゃうよ?』


霞『なに…を……』


『ま、これも嘘かもしんないけどね。きひひひ、真実はどこにあるんだろうね』


霞『あ……貴女は…』


『もういい時間だしさっさと帰って……っと』ビシッ


霞『あ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…』

ーー


霞「ぐぅっ!?」


榛名「霞ちゃん!」


提督「頑張るんだ霞!」


霞「い…いいっ……痛いっ……うぅっ…!」


榛名「もう少しです頑張って!」


提督「霞…霞!」


霞「う、うぅ……うっ…!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


霞「ぅ……あ…」


榛名「霞ちゃん!!」


提督「よく頑張って…霞…!」


霞「産まれた……の…?」


提督「あぁ…見てみろ……」


かすみ「……」


霞「かすみ……貴女は…私の…」


榛名「そうですよ霞ちゃん!貴女と提督の子どもです!」


霞「この子が………私の…」


提督「…疲れただろう、ゆっくりと休んでくれ」


霞「司令官……お姉さま…」


榛名「どうかしましたか?」


霞「私ね…全部……分かったの…」

霞「ずっと…死にたいって思ってたけど……結局は自分が一番大切で……他の人にもそう言って欲しかった…」


霞「だから…私と繋がりが欲しいと言ってくれた二人が……大好きだったの…」


霞「お姉さまと司令官…どっちも私には必要……」


榛名「はい…!」


霞「今まで支えてくれてありがとう…でも今日からは…この子が…私達にとって一番……」


かすみ「んぎゃぁ…」


提督「あぁ…」


霞「私…母親になったのね……司令官と…お姉さまが居て……」


霞「あぁ……生きてて…良かった…」


ーー

今日はここまでです

あの時はかなり思考回路ぶっ飛んでたから
霞はいずれ薬で死のうとしてるって話題からスタートして

榛名「提督、龍驤さん一人しか産めないけど子供二人欲しいんですよね?霞ちゃん繋ぎ留める為に子作りしませんか?」←発端となった爆弾発言

提督「子供二人欲しい、霞を死なせたくない、霞と繋がり欲しい、どれも確かだけど…」

龍驤「ウチが産めるのはどう頑張っても一人までやし、霞なら許せるからええよ」

霞「繋がりが欲しい、死なせたくないといってくれたことが嬉しい。子作りするわ」

だから実はこの一連の始まりは榛名の発想からなんだよね

そのあと龍驤は産めるのか産めないのかの話が入って龍驤は1人産むのも危険と判明
龍驤発狂→敵に捕まって薬漬け手足さらに詰められてボロボロに
龍驤を助け出した後に整備士が脳の記憶に関わるとこ以外は内臓もフルメンテで正常に
だから本人達は気づいてないかもしれないけど精神が安定すれば子供は埋める身体になってるはずなんだよね

まあ長く続けてると安価取る側や書く側も記憶が薄れるからね仕方ないね

あ、龍驤との子供の件は提督の子供欲しいというプレッシャーが龍驤を焦らせてたから、まずは龍驤自身が第一でしっかり良くして焦らずにいこうって話になってたはず

ーー横須賀鎮守府


中枢棲姫「このところ騒がしかったのはそういう理由だったのか」


潜水新棲姫「艦娘が子どもを産むとなると色々騒がしくなるからな」


中枢棲姫「非効率的だ」


潜水新棲姫「だからこそ人間は未知なるものを恐れるんだ」


中枢棲姫「人間は臆病な生き物だということは理解できてきたな」


潜水新棲姫「臆病であり卑怯なのがタチが悪い。だから人間同士の争いは無くならない」


中枢棲姫「ククク…艦娘が居なければ人間はとっくに滅んでいたな」


潜水新棲姫「簡単にはやられはしない。そこが人間の強さであり恐れるところだ」


中枢棲姫「……フン」

中枢棲姫「提督はいつ戻ってくるんだ」


潜水新棲姫「そうこうしている間に戻ってくる、霞も退院すると聞いた」


中枢棲姫「…そうか」


潜水新棲姫「これでも早い方だろう、艦娘ではなく人間ならこうはいかない。それに生まれてきた子も現代艦娘で人間ではない」


中枢棲姫「現代艦娘」


潜水新棲姫「成熟し本気を出せば深海棲艦どころか人間をも滅ぼし兼ねない力を持った存在」


中枢棲姫「艦娘を生み出した人間が艦娘に滅ぼされるのか」


潜水新棲姫「ワタシはそうなってもおかしくないと思っている」


中枢棲姫「そうだな思うくらい誰でも自由だからな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

潜水新棲姫「しかし、富士のように深海棲艦と人間の間にも子ができるんだ」


中枢棲姫「深海棲艦であるにも関わらず、自らの命と引き換えにせずとはな」


潜水新棲姫「艦娘は戦う存在だったはずなのに人との間に子を残せる。深海棲艦は自分を犠牲にせず人との間に子を残せるんだ」


中枢棲姫「偶然とは思えない」


潜水新棲姫「その偶然は悪い意味ではないと考えたい…いや、悪い意味にはしたくない」


中枢棲姫「したくないとは言ってもどうにもできないだろう」


潜水新棲姫「このままではできない。だからワタシ達が変えていくんだ」


中枢棲姫「随分と大袈裟だな、たった一人の深海棲艦になにができる」

潜水新棲姫「ワタシ達はどこで生まれた」


中枢棲姫「…」


潜水新棲姫「お前もワタシもハッキリとは言えないだろう」


中枢棲姫「そうだ、深海棲艦同士で契り合って子を作る以外の方法で生まれた存在は…よく分からない」


潜水新棲姫「ある日突然海の上に居た。気が付けばそこに存在していた」


中枢棲姫「…なにが言いたいんだ」


潜水新棲姫「ワタシ達のメカニズムが分かれば人間と共存は可能だ」


中枢棲姫「不可能だ、人間に利用されるのが目に見えている」


潜水新棲姫「その為に艦娘が居る」


中枢棲姫「その艦娘は人間の手先だ」


潜水新棲姫「…ワタシは諦めない」


中枢棲姫「誰がどんなことをするのも自由だ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


潜水新棲姫『お前が率いてきた者達のように溶け込もうとしている深海棲艦は少なくない』


潜水新棲姫『そういった奴らが人と交わり血をつないでいけば、それが当たり前になるのかもしれない』


潜水新棲姫『そうなればきっとワタシ達も…』


中枢棲姫(やれやれあんな話を聞かされるとは思わなかったわね。考えることは自由にしても限度があるわよ)


中枢棲姫(深海棲艦の謎が解けたとしても何も変わらない。むしろ悪化するとしか考えられない)


中枢棲姫(私達がどこか特定の場所で発生しているなら人間はそれを消そうとする。そして深海棲艦は淘汰されていく)


中枢棲姫(人間はいかに自分勝手で醜いか。ここに居て学んだことはそれだったわね)


中枢棲姫(提督のような例外は居るけど少数派。ほとんどの人間は消えても問題は無い存在)

中枢棲姫(だからと言って私が消そうとは思わない。そんな価値も無さそうだし)


中枢棲姫(もう少し提督の考えを知りたかったけど、もういいかもしれないわね。ここに居る必要は無い)


中枢棲姫(潜水新棲姫に自分の考えがあるように私がなにもしたって自由)


中枢棲姫(人間社会をもっと知る、海に戻る…色々考えられるわね)


中枢棲姫(でもどんな結末になろうとも、人間と深海棲艦は共存できない。これは覆ることはないわ)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


中枢棲姫「そうかお前たちはここに残りたいと言うんだな」


北方棲姫「ウン」


北方棲妹「ご飯美味しい、黒潮と仲良くなった」


中枢棲姫「お前も同じ意見か」


港湾棲姫「…」コクリ


中枢棲姫「下僕であるお前たちがこの私に逆らうと言うのか。それはどういうことか分かっているんだな」ズズズッ


北方棲姫「…」


北方棲妹「…」


港湾棲姫「…」


中枢棲姫「…フン、好きにしろ」


北方棲姫「エ…」


北方棲妹「いいの…か…?」


港湾棲姫「…」

中枢棲姫(この二人が言うなら許せちゃうわね…やっぱり可愛いし)


中枢棲姫(リスクを減らせるという意味でもここに残るのは悪くないわ。少なくとも今は動く時では無いということね)


北方棲姫「ヤッタ…!」


北方棲妹「勇気出して言って良かった」


中枢棲姫(はしゃぐロリ……我慢できない!!)ガバッ


北方棲姫「ウワッ!!」


北方棲妹「脱がすな、ペロペロするなぁ!」ゲシゲシ


中枢棲姫(この味はやはり堪らないわ…内側からロリ液でも染み出しているのかしら)ペロペロペロペロペロペロ


北方棲姫「ヒィィィィーー!」

ーー


中枢棲姫「…………」


北方棲姫「ヒィン…」ベトベト


北方棲妹「最悪…」ベトベト


中枢棲姫「…二人を綺麗にしてやってくれ」


港湾棲姫「…」スッ


北方棲姫「コレサエナカッタラ…」ガチャッ


北方棲妹「うううう、変なとこいっぱい舐められた…」ガチャッ


中枢棲姫「……」


中枢棲姫「……ふぅ」


中枢棲姫「一度冷静になると…色々考えが浮かんできたな」


中枢棲姫「人と子供を作った深海棲艦…深海海月姫に会いに行くのも悪くないわね…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督『中枢棲姫が深海海月姫に会いに行きたいと言っているのか』


潜水新棲姫「提督に確認しておいた方が良かったよな」


提督『…そうだな、助かる』


潜水新棲姫「それで許可は出すのか?」


提督『出してもいいんだが一つ向こうに確認して欲しいことがある。現代艦娘の子育てについて聞きたいことがあるから、中枢棲姫以外にも参加していいかを聞いてくれ』


潜水新棲姫「龍驤は参加しないのか?」


提督『したくてもできないからな…その代わりに霞が居る』


潜水新棲姫「わかったそう伝えておく」

潜水新棲姫「聞いての通りだ、まずは向こうに確認してくれ」


中枢棲姫「私ができると思うか?」


潜水新棲姫「ワタシがやるのか…」


中枢棲姫「そういうことはお前の仕事だろう」


潜水新棲姫「担当した覚えはないが…仕方ないな」


中枢棲姫(現代艦娘に囲まれることになれば天国かもしれないが…ロリの染み具合はイマイチだ)


中枢棲姫(さみだれはロリだが富士は違う…微妙だな)


中枢棲姫(かすみ…生まれたばかりの現代艦娘をチェックしておくのは悪くないかもしれないが…ううむ)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー足りないもの鎮守府


菊月提督「そうかあいつも親になったのか」


多摩「多摩もお祝いに行きたいにゃあ」


深海海月姫「私も現代艦娘のことは気になってたから、会うのに問題は無いわねぇ」


菊月提督「なら向こうにはそう返事をしておこう」


深海海月姫「お願いするわねぇ」


多摩「せっかくだからガングートも誘ってみるといいにゃ」


菊月提督「そうだな奴は現代艦娘と人間の子の親だ、為になる話はいくらでも聞けるだろう」


多摩「あとは北上もにゃね。そうなると結構本格的な会合になりそうにゃ」


深海海月姫「でも子どもを連れて長距離の移動はあまり良くはないわよねぇ……」

菊月「私達の力を貸せというのか」


深海海月姫「そうは言ってないわよぉ」


菊月「その態度が示している」


多摩「菊月提督、喧嘩する前に頼むにゃ」


菊月提督「菊月、俺たちの為に力を貸してくれないか」


菊月「……」


多摩(あれ…即答するかと思ったけどにゃ)


深海海月姫「お願いできないかしらぁ」


菊月「……今回だけだからな。神威を使ってこっちまで呼んでやる」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


多摩「日にちの調整が終わったから菊月に報告してやるにゃ」


菊月「……」
深海海月姫「……」


多摩「また揉めてるのかにゃ、しょうがない奴らだ……にゃ?」


深海海月姫「貴女も所詮女ね、嫉妬して夫の頼みを快諾できないだなんて」


菊月「黙れ」


深海海月姫「そんなのじゃあの人の妻を名乗ることはできないわねぇ」


菊月「…」


深海海月姫「ふふふ…少し意地悪が過ぎちゃったかもしれないわねぇ」

菊月「お前だけ不公平だ、私にも作らせろ」


深海海月姫「仕方ないわねぇ…」


菊月「カラクリは分かっているんだ、どうせお前の胞子が関係しているんだろう」


深海海月姫「うふふふふ」


菊月「力を貸してやる代わりに協力しろ」


深海海月姫「貴女もあの人の妻に、本物になりたいんだものねぇ…」

多摩「……」


多摩「多摩はなにも聞いてないにゃ、なにも知らないにゃ」


多摩「菊月提督のことに巻き込まれるとロクなことが無いからにゃ…」


多摩「いざとなれば先生の家に逃げれば問題ないにゃね」


多摩「…菊月提督、頑張るにゃよ」


多摩「多摩は仕事に戻る…にゃ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー後日、足りないもの鎮守府


中枢棲姫「……ここがそうか」


霞「そういえば貴女はここに来るのは初めてね」


榛名「提督、ちゃんとメモは持ってきましたか?」


提督「大丈夫だ…うん」


潜水新棲姫(ワタシも一応録音しておこう…そうだ、なにが起こるか分からないしな)


中枢棲姫「思っているより狭い…いや横須賀が無駄に広いのか。鎮守府としてはこれくらいの大きさが一番なのか」

深海海月姫「待ってたわよぉ」


中枢棲姫「貴様が海月姫か」


深海海月姫「貴女とも話したいけど先客が居るのよぉ」


中枢棲姫「分かっている、私はここで待っていればいいんだな」


提督「そうしてくれると助かる」


中枢棲姫「フ…提督の昔の鎮守府か、興味がある。心ゆくまで話していろ」


霞「言っておくけど余計なことはするんじゃないわよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


ガングート「現代艦娘は良くも悪くも成長が早い。普通の子育のマニュアルは何も意味を為さないな」


北上「食事を切り替えるタイミングとか全然だよね~」


深海海月姫「それは富士にも当てはまるわねぇ」


霞「やっぱり成長が早いのは頭にいれておかないといけないわね」


提督「そのようだな…」


榛名「メモ、メモを…」


潜水新棲姫「……」

ガングート「あとは…力を持っていることを忘れるな。さみだれや富士を見ていても分かるだろう」


北上「うちの子も多分もうあたしより強いよね~」


霞「…それよ。力の使い方を間違えればとんでもないことになってしまう」


ガングート「龍驤を子育てに参加させるなら気を付けることだ」


提督「…分かっている」


榛名「考えたくはありませんが、龍驤さんの心が病んでしまっている時にかすみちゃんに何かを吹き込む可能性はあります」


深海海月姫「ひょっとして私を…?ふふふ」


提督「……」


ガングート「霞だけでは負担も大きいだろう、複数人で面倒を見ることは間違ってはいない」


北上「気を付けさえすればいいんだからね~」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


伊19「見ない顔なの、新人さんなのね?」


中枢棲姫「貴様もか」


伊19「なにがなの?」


中枢棲姫「私の姿を見て狼狽える様子が無い」


伊19「当たり前なの、菊月提督のお嫁さんは深海棲艦なの」


中枢棲姫「そうか、当たり前といえば当たり前か」


伊19「それにここには深海棲艦が他にも居るから、いちいち狼狽えたりしないの」

中枢棲姫「横須賀とは違う…これも独特のものか」


伊19「で、結局貴女は新人さんなのね?」


中枢棲姫「…」


伊19「考え込んじゃったの…でも放っておいても問題無さそうなの」


伊19「報告が終わったら部屋に戻ってニムとお話しするの~」


中枢棲姫「…ふむ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


中枢棲姫(隣人になればそこにいることは当たり前になる。狭い範囲では意味がない…?)


中枢棲姫(いや、隣というのはどんどん広がっていくものなのか。それこそが繋がりという……)


伊19「新人さんならちゃんと言って欲しかったの!」


中枢棲姫「…そうか」


伊19「イクがこの鎮守府を案内してあげるからついてきてなの!」


中枢棲姫(難しい話はあとだ!今はロリ漁りが重要任務だ!)


中枢棲姫(ここの連中は私のことは知らない!こんな絶好の機会を逃してたまるか!!)

伊19「ここが~~で…」


中枢棲姫(匂いはする。ここには間違いなくロリがいる)


伊19「……」


中枢棲姫(しかし匂いだけでは上物かどうかは分からない…)


伊19「……」


中枢棲姫(この匂いを辿っていけばロリにたどり着く…いいぞ、ロリは近い)


中枢棲姫(早く出て来い…体中の汁を私が舐めとってやる)


下2 中枢棲姫が見つけたロリとは

追加安価

下1 望月が面倒見ていたロリっ子とは?

ーー


コンコン


望月「ん~どうぞ~」


ガチャッ


中枢棲姫「…」


望月「新入り~?挨拶周りでもしてんのー」


「お姉ちゃん!」


中枢棲姫「…ゲームの声か」


望月「そだよ~美少女育成ゲームってやつ」


中枢棲姫「声がしたからこの部屋に入ったが…創作物だったとはな」


「大好きお姉ちゃん!」


望月「お、フラグ立った。これで次のシナリオに行ける感じね」

中枢棲姫「匂いは間違いない。コイツから出ている」


望月「…なんでずっとここに居る?ひょっとしてゲームに興味ある?」


中枢棲姫「そうだな…」


望月「まあそっか深海にゲームなんか無いしね。途中からで良かったらプレイする?」


中枢棲姫「…」スッ


望月「え、あたしの隣に座っ…」


中枢棲姫「興味があるのは……お前だ!」ガバッ


望月「!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


中枢棲姫(はぁ…はぁ…!!脇…胸…堪らないぞ…!)


望月「……」カチャカチャ


中枢棲姫(な…なに……無反応…だと…)


望月(成る程ねぇ、予知で見えなかったのは舐める以上のことはしないからか。これくらいなら放っておこ)


中枢棲姫(あの二人ならこうはいかない…コイツ…一体なんなんだ!?)


望月「……」カチャカチャ


中枢棲姫(お…おおおおおお!!)ペロペロペロペロ


望月(これだけ舐められたら今日はお風呂入らなくていいかな~)


ーー

今日はここまでです

ーー病院


青年「電話があったと思ったら入院してただなんて、ビックリしましたよ」


龍驤「…色々あるんよ」


青年「艦娘さんですから複雑な事情はありますよね」


龍驤「ほんまやったらあんたにお見舞い来てなんて…言われへんよ」


青年「普通ならそうですよね、あんなことをして出会ったんですから」


龍驤「でも…誰もお見舞いに来てくれへんのは寂しかったんよ」


青年「お見舞いくらいなら僕も来ますよ。鎮守府なら遠いでしょうけどここなら近場ですから」


龍驤「…ありがとう」

龍驤(司令官らは霞の子どものことで忙しいのは知ってる。けどやっぱり寂しいんよ)


龍驤(コイツはウチが横須賀鎮守府におるって知らん。ちょっと話すくらいやったら都合の良い男やからね)


青年「龍驤さん一つ聞いていいですか?」


龍驤「…なに?」


青年「怪我をしてからもああいうことは続けてたんですよね?」


龍驤「なんでしてるのが前提の質問なん?」


青年「この前会った時も雰囲気が変わってなかったんですよ。妖艶なというか女狐のような…」


龍驤「…失礼過ぎるやろ」


青年「そんなつもりじゃないです!ただ僕は…!」


龍驤(コイツとやったら頭空っぽで話せるから、ええ気分転換になりそうやわ)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤「残念やけど怪我してからはああいうことはやめたんや」


青年「龍驤さんが!?」


龍驤「ウチが変わったのは全部この怪我のおかげやな」


青年「おかげ…なんですか」


龍驤「そうや、怪我が無かったら大切なもんにも気付けれへんだしね」


青年「ああいうこと以外に大切なものがあったんですか?」


龍驤「ウチをなんやと思ってんねん」


青年「龍驤さんがそう言ってたんですよ…?」


龍驤「……」

青年「ハーレムを作るとか出撃よりこっちの方が本業とか…」


龍驤「若気の至りや」


青年「そうなんです…か?」


龍驤「ウチは艦娘や、出撃することが仕事なんやで」


青年「え…?まだ出撃できているんですか?」


龍驤「これ見せたら納得してくれる?」ベロッ


青年「舌に刺青!?」


龍驤「これは左腕の代わりやねん。脚は海の上やと片方でもなんとかなるんよ」


青年「凄いですね…」


龍驤「ウチは艦娘やから当然やで」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤「嫌われたくないとか考えずに話せる相手はこんなに気が楽なんやなぁ」


青年「なんですかそれ…」


龍驤「司令官や鎮守府の皆が相手なら多少なりとも気を遣うやん。でもあんたとやったらそんなことは思えへん」


青年「そんなものなんですか…」


龍驤「なぁ、あんたが良ければまたうちの話相手になってくれへんかな」


青年「話すくらいならいくらでも。まだ暫くはここに入院してるんですよね?」


龍驤「退院とか一時帰宅とかになったらまた知らせるから、また寄ってくれたら嬉しいわ」


青年「分かりました、それじゃまた来ますね」

龍驤(司令官や皆んなと話す時…あんなに何も考えずに話したことは無いわ)


龍驤(嫌われんようにとか司令官の為とか……そんな感じのが多かった)


龍驤(アイツみたいに司令官と気軽に話せたら……相手と自分、どっちにも偏重しないような…)


龍驤(ウチは浮気を繰り返してた。それがバレたくないからコソコソと…周りの目も誤魔化して…)


龍驤(はぁ…ほんまウチ……最低やわ。病気になって当たり前やな)


龍驤(司令官にも甘え過ぎやし…これじゃあ霞に正妻の座取られても文句言えんわ)


龍驤(…変わるんや。今変化が無いとウチは捨てられる。それくらいの気持ちが無いとアカン)


龍驤(鎮守府に帰ったら霞の子どもも育てる…ロシアで三つ子の世話するよりは簡単なはずや)


龍驤(やるんや…それしかウチができることはない)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


青年「……」


提督「……」


青年(うわ、あの人…どう考えてもヤバい人だ……)


青年(…いやいや人を見た目で判断しちゃ駄目だ。でも怖いなぁ)


提督「……」


青年(本物のヤクザって初めて見たけど怖いなぁ…」


提督「……」

ーー病院


「龍驤さんはいい状態だと言えますね」


提督「それは良かった…」


「薬を弱くしたこともそうですが、龍驤さんは外にコミュニケーションの相手がいなかったからどう変わればいいかの指針もなかったんです」


提督「コミュニケーション…」


「それが今得られているのも大きいのだと思いますよ」


提督「その相手は例の…」


「龍驤さんは素敵な女性ですから、異性の友人が複数人居てもおかしくはありませんよ」


提督「…はい」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督(担当医の言葉はもっともだ、龍驤も良い方向に変わっていっている…)


提督(友人ができるのも悪くないことなんだ…たとえそれが昔に関係のある男だったとしてもだ)


提督(今更どうにかなることは無い…そうだ、俺が龍驤を信じなくてどうするんだ)


提督(早く…龍驤に会いたい)スタスタ


提督(霞も子どもも朝霜も大切だが龍驤が居ないとダメなんだ)


提督(早く戻ってきてくれ龍驤…)

ーー病室


コンコン


龍驤「…司令官?」


提督「龍驤…ここ数日忙しくて毎日来れなかったんだ」


龍驤「分かってるよ。霞におめでとうって言っといてな」


提督「あぁ…」


龍驤「…ウチがあの男と話したの知ってるんや」


提督「先生から…聞いた」


龍驤「分かりやす過ぎるで」


提督「…すまん」


龍驤「謝る必要なんてないよ。むしろ謝るのはウチかもしれんし」


提督「……」

龍驤「司令官、もしウチがまた体売るって言うたらどうする?」


提督「な、な…」


龍驤「冗談やんか、そんなリアクションせんといてよ」


提督「……」


龍驤「司令官は漣や潜水新棲姫ともヤっとったしウチも…」


提督「龍驤…」


龍驤「もう…冗談やって。重い話ばっかりやと疲れるやん?」


提督「…そうか」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「そうだな……その時は俺が艦娘売春の元締めなんて言われるかもな」


龍驤「その顔やから似合ってるよ」


提督「……」


龍驤「…そういうの司令官もできるやん!」


提督「いや…なかなか難しいな」


龍驤「確かに司令官はこういうの慣れてなさそうやもんな。神通はいけるって聞いたことあるけど」


提督「向き不向きもあるだろう…」

龍驤「…あっ!」


提督「どうした?」


龍驤「もしかして初めてもらってしもた?」


提督「……」


龍驤「あははっ!あっちの童貞は漣に取られたけど、こっちはウチのもんや!」


提督「…龍驤が満足ならそれで良い」


龍驤「ウチらに足りんかったのはこういうとこかも知れんねん。お互いに共依存しとったらあかん」


龍驤「司令官もウチだけやって思い込むのもやめり。霞も朝霜も…浮気相手に漣もおるやん」


龍驤「司令官は一人やないんやで、周りには皆んながおるからな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「……」ガチャッ


龍驤「あ、あれ…司令官……?」


龍驤「えっ…怒らせてしもた?浮気とか言うたのがあかんかった……?」


提督「……嘘だぞ」ガチャッ


龍驤「…アホー!もう帰れ!」


提督「ああ、また来るからな」


龍驤「楽しみになんか待ってないからな!」

ーー


「今日は随分と楽しそうでしたね」


龍驤「うん、今日はええこともあったしね」


「笑顔でいられる日が増えるのはいいことです」


龍驤「気負い過ぎるのは良くないんや、かといって軽すぎるのも良くはないけど」


龍驤「大事なのは相手のことをちゃんと思って信頼すること。単純やけど難しい」


「色々考えられるのは良くなってきている証拠ですよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


「一週間に一回の通院にしましょうか」


龍驤「もう帰ってええん?」


「一時退院して少し様子を見てみましょう。それくらいには良くなっていますよ」


龍驤「…そうやったんか」


「確かに今までの入院期間に比べれば短いかもしれません。でも心配する必要はありませんよ」


龍驤「ありがとう、良くしてもらってほんまに感謝やで」


「頑張ったのは龍驤さんですよ」

ーー


青年「もう退院なんて早い…んですか?」


龍驤「かなり早いで」


青年「そうなんですね…」


龍驤「ここでは会えれへんなるけど、また話くらいしような。アンタと話してるといい気分転換になるんよ」


青年「そうですか?ならまた会いましょうね」


龍驤(まさか昔の男に感謝するようなことになるやなんて…なにが起こるかわからんわ)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー足りないもの鎮守府


深海海月姫「貴女、随分感情が人らしいのね」


中枢棲姫「どういう意味だ」


深海海月姫「それにとても面白い趣味してるのね」


中枢棲姫「私を侮辱する気か」


深海海月姫「望月の全身を舐め回しておいてそれはないわよぉ」


中枢棲姫「ロリを舐めてなにが悪い」


深海海月姫「ええ…」

深海海月姫「まぁ程々にしておきなさい。特に艦娘相手はね」


中枢棲姫「艦娘か、もう合意を得ているのがいるな」


深海海月姫「ほんとに…?」


中枢棲姫「私の下僕に比べればロリは染みていないが十分なロリだ」


深海海月姫(ロリが染みるってなんなの…?)


中枢棲姫「人間と子を作ったお前も大概だ、むしろそっちの方が気を付けた方がいいだろう」


深海海月姫「……そう」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

深海海月姫「…質問を変えるわぁ。陸で過ごしてみてどう?」


中枢棲姫「ロリが何人も居る」


深海海月姫(会話にならない)


中枢棲姫「なんだ?」


深海海月姫「…それ以外にないの?」


中枢棲姫「提督というのは人間の中でも特殊な存在だと分かった」


深海海月姫「ええそうでしょうね、彼のような人間は貴重。他の大勢の人間が死ぬより彼一人が死ぬだけで大きく世界は変わってしまうわ」


中枢棲姫「それに下僕達が陸を気に入った。少なくとも暫くは陸で居続けるだろう」


深海海月姫「それがいいと思うわよぉ」

中枢棲姫「話は終わりか?なら私は帰るぞ」


深海海月姫「せっかちなのは損をするわよぉ」


中枢棲姫「ここのロリは堪能した。本物のロリも舐めておきたいからな」


深海海月姫「……待ちなさい」ピクッ


中枢棲姫「なんだ」


深海海月姫「貴女…私達の子どもに手を出してないでしょうね……?」


中枢棲姫「富士か」


深海海月姫「貴女……まさか…」


中枢棲姫「安価」


下2 台詞や行動など

中枢棲姫「フ…富士はロリではない。あんなのは私の趣味じゃないんだ」


深海海月姫「……」


中枢棲姫(これが空気を読むというものだろう提督。潜水新棲姫にも教えてもらった甲斐があったな)


深海海月姫「なによそれ…私達の娘が可愛くないっていうの…!?」


中枢棲姫「む?」


深海海月姫「ふざけるんじゃないわよ…」


中枢棲姫「何故怒る?こう言えば問題は無かったはずだ」


深海海月姫「うるさいわね!」


中枢棲姫「そうか…正直に一度試しに寝ているところを舐めたと言えば良かったのか」


深海海月姫「!!」

菊月提督「何か物音がしたようだが…」


多摩「この部屋には深海棲艦の二人がいるはずにゃ」ガチャッ


深海海月姫「ぎぎぎぎぎ…!」


中枢棲姫「クハハハ!私とやり合うとはな!」


多摩「お前らなにやってる!!」


中枢棲姫「勘違いするなコイツから手を出してきたんだ」


菊月提督「なにかあったのか?」


深海海月姫「コイツが!富士の寝込みを襲ったって!」


中枢棲姫「味は悪くなかったが私好みではなかったな」


菊月提督「な…!?」


深海海月姫「許せない!絶対許せないわ!!」


中枢棲姫「ハハハハハ!やはりこういうのも悪くないな!」


多摩「提督……そっちの鎮守府はどうなってるんだにゃ…」


ーー

今日はここまでです

ーー横須賀鎮守府


漣「ご主人様に子どもができて朝霜さんも安定してきていると。それに龍驤さんも一時退院と良いこと尽くめですな」


潜水新棲姫「行動を起こせば結果は出るということだ」


漣「んん?今までのご主人様は頑張っていなかったって言うんですか?」


潜水新棲姫「仕事は頑張っていたさ。それ以外のことで様々なことがあっただろう」


漣「よく分かりませんなぁ~」


潜水新棲姫「ワタシは漣とずっと一緒に居たい」


漣「嬉しいこと言ってくれるじゃないですか」


潜水新棲姫「ずっとここに居続けるのか」


漣「……どうでしょうね」

潜水新棲姫「今がチャンスだとは思わないか」


漣「流石に脱走艦娘は許されませんぜ」


潜水新棲姫「なぜ逃げようとする、正規の手続きを踏めばいい」


漣「…無理ですよ」


潜水新棲姫「今ならできる。提督の注意は子どもに向いている、隙もできるはずだ」


漣「……」


潜水新棲姫「漣はワタシと一緒に過ごしたくないのか?」


漣「…寝不足なのでちょっと部屋に戻りますね」タタタッ


潜水新棲姫「漣…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー漣の部屋


漣「潜水新棲姫は一番大切…提督も大切…鎮守府の皆さんも大切…」


漣「提督や皆さんはあの子と違うと…そんな簡単に割り切れませんよ…」


漣「ぐぅぅぅぅぅ……!」


漣「あの子の言ってることは分かるんです…!ここに拘る必要は無くて……」


漣「でも…でも……」


漣「あぁぁぁ…うううぅぅ……」


漣「私は……どうすれば………どうしたら…どうするのが正解なんですか……」

ーー書庫


潜水新棲姫「漣は前と比べて優しくなった。だから答えが出せないのは分かっている」


潜水新棲姫「でも…今はこれでいい。こうするのが最善なんだ」


潜水新棲姫「意地が悪いようだが、これで漣が漣でいてくれてる事が確認できる」


潜水新棲姫「提督は変わって龍驤も変わった。だから漣も変わってしまうかもしれない」


潜水新棲姫「いい方向にだけ変わればいいが現実はそうはいかない。漣が優しくなったのも偶々かもしれない」


潜水新棲姫「行動ではなく思考で漣を縛り付ける。そうすればワタシの所からは居なくならない」


潜水新棲姫「これが最善なんだ」


潜水新棲姫「…あとで様子を見るついでに癒やしてやろう。そうすれば悩みなんてどうでも良くなってしまうからな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー漣の部屋


漣「……すいません」


潜水新棲姫「どうして謝るんだ」


漣「わざわざ漣の為に来てくれたのはありがたいですが…」


潜水新棲姫「漣の選んでくれた下着も着てきた」


漣「……こんな気持ちじゃ貴女に失礼なんですよ」


潜水新棲姫「……」


漣「気持ちが整理できるというか…もう少し待って下さい」


潜水新棲姫「そうか」


漣「……」


潜水新棲姫「漣、ワタシは嬉しい」


漣「なにが…ですか」

潜水新棲姫「ちゃんと悩んでくれるのが嬉しい。ワタシの意見を蔑ろにしない漣が嬉しい」


漣「……そういうことですか」


潜水新棲姫「ワタシは漣を縛り付けたい」


漣「そんなことする必要なんか無いでしょうよ…」


潜水新棲姫「ある」


漣「……」


潜水新棲姫「身に覚えはあるはずだ」


漣「貴女だけは…裏切りませんから……」


潜水新棲姫「言葉はいらない」


漣「……」


潜水新棲姫「ちゃんとワタシを幸せにしてくれよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

漣「そういえば…あの日が近いですね」


潜水新棲姫「なんだ?」


漣「バレンタインってやつですよ。以前は貴女自身をプレゼントしてくれましたっけ」


潜水新棲姫「あの時はあれしか思い浮かばなかったが結果として最善だった。むぅ…あれ以上のことを考えなければいけないのか」


漣「無理はしないで下さい、貴女がくれるものなら喜んで受け取ります」


潜水新棲姫「……」


漣(こうやって漣の為に真面目に考えてくれるなんて…ほんとにいい子なんですよ。漣には勿体ないくらいです)


潜水新棲姫「そうか分かったぞ子づくりか!」


漣「ぶふぅっ!なんでそうなるんです!?」


潜水新棲姫「ワタシとの子ども……要らないのか?」


漣「…追々です。時を見てちゃんと仕込んでやりますからね」


潜水新棲姫「…んふ」

ーー食堂


朝霜「…本気なんだよな」


早霜「姉さんの為を思ってるのよ」


朝霜「今年は霞も龍驤さんも手作りのは無理だ。だからあたいが気持ちのこもったチョコをと思ってたんだけどよ」


早霜「血肉を入れるのが一番だと思うわよ」


朝霜「……」


早霜「呪術をかけなければ姉さんの気持ちだけが入る。姉さんだけが作れるチョコになるの」


朝霜「あたいにしか作れない……パパへのチョコ…」


早霜「うふふふふ…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

朝霜「……いやいや、駄目だろそれじゃ入ってるのは気持ちじゃなくて生き血じゃねぇかよ」


早霜「うふふふふ…」


朝霜「どの道パパが口にする前に成分調べられるから無理だっての」


早霜「冗談がわかるくらいになっているか確認したかったのよ」


朝霜「…確かにヤバい時なら早霜のこと聞いてたな」


早霜「安心して、もしそうなったら私が姉さんを殺してあげるから」


朝霜「……それも冗談か?」


早霜「うふふふふふふ…」

早霜「ところで…成分を調べたりなんかするのね」


朝霜「あぁ…叢雲が卯月に体液入りのチョコ送ってた事があったらしいからな」


早霜「気持ちを込めるのに体液は悪くない選択ね」


朝霜「うげ…聞いてて気分悪くなるっての」


「……あ」タタタッ


早霜「…今の誰かしら」


朝霜「あたいみたいに食堂を使おうとしたんじゃねぇか」


早霜「それで逃げるのはおかしいわよね。ここは広いから一緒に作業もできるわ」


朝霜「…一応追いかけてくれ。何もないと思うけどよ」


早霜「姉さんの頼みなら断れないわね」タタタッ


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


朝霜「なんだよお前だったのか」


愛宕「誰にも作っているところを見られたくなかったのよ…」


早霜「秘密にする理由なんか無いじゃない」


愛宕「…渡すかどうかも迷ってるのよ」


朝霜「相手は那智か。向こうは女同士に興味が無いんだったよな」


愛宕「私のことを尊重してくれるとは言ったけど、それから進展は無いわ」


早霜「貴女の場合は男性恐怖症をどうにかする所からじゃないかしら」


愛宕「かも…しれないわね」

朝霜「無理はする必要は無ぇよ、とりあえず作っとけばいいんだよ」


愛宕「でも…」


早霜「あそこで人が居なくなるのを待ってる頭がオカシイのに比べれば、貴女はマシよ」


球磨「!!」


朝霜「よく見つけたな……」


早霜「あの軽巡、まだ懲りないようね」


愛宕「…ありがとう。渡すかどうかは後にしてとにかく作ってみるわ」


朝霜「それでいいと思うぜ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ややこしいので再安価

下2 お願いします

ーー


愛宕「温度はこれくらいでいいのよね」


朝霜「そうだな、基本ができるんならあたいはいらねぇな」


愛宕「そうね…向こうに行った方がいいかもしれないわね」


早霜「……」


球磨「…」正座


早霜「ナニをしようとしてたのか教えてもらうわよ」


球磨「バレンタインなので…とっておきのを…」


早霜「食べられるものでしょうね」


球磨「昔の球磨なら食べられたクマ」


早霜「今の貴女なら食べられないようなものなのね」


球磨「くまぁ…」

朝霜「何を作るつもりだったんだよ」


球磨「白桃プリンの…特製ソースがけ…」


早霜「白桃、プリン、ソース。思い当たるものが複数個あるわね」


朝霜「特製ソースが一番ヤバそうだな」


球磨「下着から採れる……天然の……寒天のような…」


朝霜「おぇーーっ!!正気かよコイツ!!!」


早霜「私でも引くわよ」


球磨「あのエグみは最高なんだクマ…それを分かって欲しかっただけなんだクマ…」


朝霜「事前に阻止できて良かった…マジでヤバかったぞ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

早霜「この軽巡は連行しておくから、姉さんはチョコ作り楽しんで」


球磨「くまぁ…」ズルズル


愛宕「危機は去ってよかったわね」


朝霜「そうだな…さて、あたいも一気に仕上げちまうか」


愛宕「結果的に一緒にやって良かったわ、一人よりも捗ったし何より作ってて楽しいもの」


朝霜「楽しいのは相手のことを思って作るからだろ」


愛宕「相手…そうね、そうかもしれないわね」


朝霜「あたいはパパの為に作る。きっと喜んでくれるだろうな…」


愛宕「その気持ちが大切なのね、勉強になるわ」

ーー


愛宕「あとはお互いに冷やすだけね」


朝霜「……っ」


愛宕「どうしたの?顔色が悪いわよ」


朝霜「薬、切れた…幻肢痛が……ちょっと…」


愛宕「大丈夫?一人で医務室まで……無理そうね。背負って行ってあげるから乗って」


朝霜「悪ぃ……」


愛宕「そこまでしてチョコなんか作る必要なんて無いのよ」


朝霜「……わかってるんだよ。でも…」


愛宕「言い訳は後で聞くから大人しくしてなさい」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


朝霜「ひぃ……ひっ……」


愛宕「……」


朝霜「ぅ……はぁ…」


愛宕(以前の朝霜ならこんな弱った所は誰にも見せなかった。でも今はそうじゃないわよね)


愛宕(一人で無理なものは無理、それが分かってるから誰かを頼る。それは本当なら当たり前のこと)


愛宕(特務艦だからって話でもない、朝霜が変わろうとしたから変われたのよ)


愛宕(それに比べて私は…なにも変われないわね…)


朝霜「……」

ーー朝霜の部屋


愛宕「本当に医務室じゃなくていいのね?」


朝霜「薬を飲めば平気だから…本当に無理なら喋れねぇから…」


愛宕「一応提督には知らせておくわね」


朝霜「…愛宕」


朝霜「変わろうとしてるなら…焦る必要はねぇよ…」


愛宕「…口に出したつもりは無かったんだけど」


朝霜「分かるんだよ…あたいもそうだったから…」


朝霜「本当なら…何年もかかって治るもんなんだ…だから…諦めたりすんなよ…」


愛宕「……ええ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

愛宕「どんなに時間がかかっても、男性恐怖症には向き合あうわ」


朝霜「そうだな…そう思うことが大切だ…」


愛宕「男性恐怖症は克服しなきゃいけない、でも那智が好きなのはその代わりじゃないのよ」


愛宕「女性に興味がない相手を振り向かせたい…でも無理強いはしたくないの」


朝霜「それは…お前次第だな…」


愛宕「そうよ、だから自分のことだけじゃいけないの」


朝霜「そっか…でも、無理はすんなよ…」


愛宕「お互いに気をつけて頑張りましょう」


ーー

今日はここまでです

ーー執務室


ガチャッ


漣「……」


提督「今日は少し遅かったな、体調が悪いのか?」


漣『どうやらそのようだ』


提督「…重巡棲姫か」


漣『体に不具合は無いが精神的にかなり疲弊していたようだ』


提督「ここ最近は漣への負担も大きかったからな…」


漣『分かっていたのなら漣を休ませろ』


提督「申し訳ない」


漣『というわけで私は仕事を手伝えない。それでも秘書艦を続けるか?』


提督「居てくれるだけでも助かる、このまま執務室に居てくれ」


漣『分かった』

漣『子どもの様子はどうだ』


提督「皆んなの助けを借りながらなんとか…といったところだ」


漣『陸の子どもは非効率だな』


提督「成長が遅いのは捕食者が居ないからだと聞いたことがある。草食動物は天敵から逃げる為に生まれてすぐに歩けるようになる」


漣『今までならそれで良かっただろう。だがこの現状でそんなことが言えるのか?』


提督「…言えないな。深海棲艦という人類を脅かす存在がある」


漣『人間より成長の速い現代艦娘であるかすみもまだ乳飲み子だ。これではいずれ人間は負けるぞ』


提督「それをなんとかするのが……俺達なんだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

中枢さん
ロリの危険は私の危険
そして深海棲艦を無駄に死なせることがない様にすることも私の役割
海月姫とならそういった呼びかけも前に進められるだろう

ーー独房


夕雲「殺される殺される殺される殺される…今日こそ殺されるのよ……」ブツブツ


伊400「横須賀の奴らふざけやがって…絶対復讐してやるからな……」


夕雲「…ひぃ!?今物音がぁ!?」


伊400「うるせぇな…静かにしてろよ」


夕雲「いやよぉ!!お願いだから殺さないで!!」


伊400「騒ぐだけ無駄だっての…指を潰しておいて今更仲良くしようだなんて言うはずがねぇ」


夕雲「殺さないで殺さないで……」


伊400「チッ……せめて一人でも道連れにしてやる」

コツ…コツ…


夕雲「ひぎゃあぁぁぁぁ!!やっぱり殺しに来たのね!!」


伊400「……」ギリッ


夕雲「お願い助けて……なんでもするから…」


伊400「なんでも…ね」


夕雲「死ぬ以外のことならなんでもします!お願い……助けて…殺さないで……」


伊400「……やるならとっととやれよ」


下2 二人に会いに来た人物名

整備士のとこのタシュと護衛についてる特務艦
出所だ!整備士のところに行くぞ!

速吸「特務艦速吸です。お二人とも特務艦の意味は分かりますね?」


夕雲「ひい……っ!」


伊400「なんだ…特務艦なら艦娘を殺してもいいってのかよ」


速吸「はい」


伊400「…」


夕雲「やぁぁ…いやぁーーーー!!」


速吸「旧大本営派の艦娘の存在は危険なんですよ」


夕雲「お願い!!なんでもするから命だけは助けて!」


速吸「なんでも…」


夕雲「どんな辱めだって受ける!どんな扱いをされてもいいからぁ!」


速吸「貴女も同じですか?」


伊400「そんなわけねぇだろバーカ。殺すならさっさとやれって」


速吸「…」ジャキッ


伊400「……」


速吸「諦めですか。旧大本営派にしては肝の小さい艦娘ですね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

放送(タシュ)「あ、あー、それは駄目だよ。同士(整備士)の所へ連れて行かないといけないんだ。」
放送(綾波)「てなわけで連れてくから手伝ってよ」

ザザー


タシュケント『あ、あーーー。それは駄目だよ。同志の所へ連れて行かないといけないんだ』


深海綾波『連れてくから手伝えよ』


速吸「……」


伊400「おい、聞こえなかったのかよ」


速吸「はい聞こえませんでした」


伊400「な……」


速吸「一人くらい死んでも大丈夫ですよ」


伊400「…」


速吸「さようなら、愚かな艦娘…」

ーー


タシュケント「あたしはやめてって言ったよね?」


速吸「聞こえませんでした」


深海綾波「嘘つけこっちは音も聞こえてんだよ」


速吸「…」


深海綾波「潜水艦はどうだ?」


タシュケント「これくらいなら助けられるね」


深海綾波「殺してないならいい。でもお前は謹慎ものだぞ」


速吸「…」


深海綾波「とりあえず二人を整備士の所に運ぶか、行くぞお前ら」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


深海綾波「なんであんなことをやった?」


速吸「早霜には付いていなくていいのは明白なのに、帰還命令が出なかったのはなぜですか」


深海綾波「こっちが質問してんだよ」


速吸「…手柄を期待されていると思っていました」


深海綾波「馬鹿野郎が、だからって艦娘を殺して褒められると思ったのか?」


速吸「…」


深海綾波「そういう所がお前のダメな所なんだよ」

深海綾波「補給艦だからって馬鹿にされて、それが悔しくて特務艦にまでなった。お前を馬鹿にしてた連中を全員見下せて良かったじゃねぇか」


深海綾波「でもお前の偏った思考だけは成長して無かった。誰も求めてねぇのに手柄を取ろうと必死になって…」


速吸「綾波様に私の気持ちはわかりません!」


深海綾波「分かるわけねぇだろバーカ」


速吸「な…!」


深海綾波「誰の他人の気持ちなんかわかんねぇんだよ」


速吸「…」


深海綾波「幹部が言ってたぜ、お前を横須賀に送ったのはアイツらの緩い部分を勉強して欲しかったってな」


深海綾波「でもそれがかえってお前を追い詰めたと……こりゃ幹部も悪いな」


深海綾波「特務艦にまでやった奴が手柄を優先するな。何の為の特務艦か理解しろよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー大本営


深海綾波「あの二人は整備士に届けたし任務完了だな」


速吸「…」


深海綾波「はぁ……落ち込むならもっと目立たない所でやってくれ」


速吸「…」


深海綾波「…間違ったことは反省しろ、そんで学べたことは次に活かせ」


速吸「次…」


深海綾波「お前はこの綾波様の下にいるんだからな、できないとは言わせないぞ」


速吸「わかり…ました」


深海綾波(はぁぁ…こんなこと柄じゃないってのに……でもやらないと仕方ないんだよなぁ…)

ーー大本営、地下研究所


夕雲「た…助かったの……?」


タシュケント「それはこれからの態度次第かな」


夕雲「ひ…!」


整備士「よく来てくれたね二人とも。まあ一人は知った顔なんだけど…」


夕雲「あ…伊400はどうなったの……?」


タシュケント「君が知る必要は無いと思うよ」


夕雲「お願い…殺さないで……」


整備士「タシュケント君に聞いたんだけど君にはなにをしてもいいんだよね?」


夕雲「そうよだから殺すことだけはしないでお願い!なんでもするから……!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

整備士「なら僕に協力してくれるかい?」


夕雲「なんでもします…!」


整備士「じゃあこっちに来て横になってくれるかな」


夕雲「はい……」


整備士「乱暴なことをしようとはしてないよ。どうやら君には自分では思い出せない記憶がたくさんあるようだからね」


夕雲「え?」


タシュケント「大丈夫、起きたら全部終わってるから」


整備士「もちろん痛くもないよ。じゃあ始めようか」

ーー


伊400「……また趣味の悪いことしてやがる」


整備士「あれ、もう起きたんだ」


伊400「こんな臭い漂わせといて…よく言えるよな」


タシュケント「そうだね、彼女をバラバラにするのはいつも通りだけどハラワタをバーナーで焼くだなんて。まるであたしがやってたことみたいだよ」


整備士「ちょっと気になって……うん、どうやら僕の勘が当たったね。これを見てみて」


タシュケント「……焼けた内臓がどうかした?」


整備士「この臓器は焼くと本来なら白っぽくなる。でもこれは黄みがかった白だよね」


タシュケント「……そうか」


整備士「これで彼女が飲まされた薬が特定できるよ。これを辿っていけば色々なことがわかるだろうね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


整備士「これは時限性で効いてくる薬だね。定期的に効果を打ち消す薬を飲まないと記憶を阻害するようになってるよ」


タシュケント「そんな薬があるんだね…」


整備士「大本営ならやりかねないと思うよ。彼女の言動がおかしかったのはその薬の副作用だろうし」


タシュケント「ドラッグ?」


整備士「断言はできないけどそれも入ってたと思うよ」


タシュケント「裏切り者を処分するためか…確かにこの薬を一度与えてしまえば、わざわざ始末する必要は無いね」


整備士「こういう合理的なところも大本営が絡んでるって証拠だね」

タシュケント「少し疑問なんだけど、旧大本営派の艦娘はこんな薬を飲むような隙のある子ばっかりだったのかな?」


整備士「自分も知らずに飲んでる可能性があるよ。この薬は水によく溶けて効果も変わらない」


タシュケント「飲水か何かに混ぜたっていうのかい?」


整備士「食べ物にも混ぜたかもしれないね」


タシュケント「…ねぇ同志、これはあたしの仮説なんだけど聞いてくれる?」


タシュケント「夕雲みたいにおかしくなってたりする艦娘が居たとして、その艦娘は旧大本営となんらかの関わりがあった可能性がある?」


整備士「十分あるよ」


タシュケント「…これは使えそうだね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

整備士「ところで、伊400君…君は何故彼女と一緒に居たのかな?」


伊400「なんだっていいだろうがよ」


整備士「おかげで巻き込まれてずいぶんひどい目に遭ったようだけど」


伊400「指が潰れるくらいどうってことねぇよ」


タシュケント「その割には不便そうにしてたみたいだけど?」


伊400「うるせぇよ……」


整備士「君の意思は尊重したいけど、僕らには都合があまり良くないんだ。だから復讐はまだ待ってくれないかな?」


伊400「そんな命令聞くと思うか?」


整備士「待ってくれないかな?」


伊400(…これだよ、この狂った目はやっぱり最高だよな)

伊400「いいぜ、言うことは聞いてやるしお前らを手伝ってやる」


タシュケント「急に素直になったね」


伊400「こいつが面白いことを言ったからな。復讐は『まだ』待て…だろ?」


整備士「そうだね」


タシュケント「同志、本気かい?」


整備士「協力してもらうならその対価は必要だからね」


伊400「見てろよ横須賀の連中…血祭りにしてやるからな!」


タシュケント「…また同志が少し分からなくなったよ」


整備士「人手も増えたし実験を始めようか」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


タシュケント「伊400の目的に付き合うのは止めた方がいいよ」


整備士「どうしてそう思うんだい?」


タシュケント「吹雪を狂わせたという反省を忘れてはだめだ、彼女を止められるのは同志だけなんだよ。協力してもらうからには対価は必要かもしれない、けど大切なものを忘れたらだめだ」


整備士「やっぱり…私怨は良くないかな」


タシュケント「提督達を恨んでいたのかい?」


整備士「狂っていたとはいえ吹雪を殺めたのは提督さん達なんだ。でも僕の立場では復讐なんか考えられない」


タシュケント「伊400を使って間接的な復讐をしたかったんだね」


整備士「復讐じゃない、吹雪を止めてくれて感謝してるからね」


タシュケント「じゃあなんなのさ」


整備士「……僕にもよく分からない」


タシュケント(私怨だって言ったりそれを否定したり。同志がこれだけ動揺してるのは珍しいね)


整備士「とりあえず…君にお礼を言っておけばいいのかな?」


タシュケント「今はそれで十分だよ、同志」


ーー

ーーーー


「子どもが生まれて私の知っている終局に近付きました」


「私はまだ諦めません」


「…」


「10個の棺。ここにあの十人を収めればあの子は起動するんです」


「しかしそれは不可能になってしまいました。一人殺されてしまって、人数が足りなくなってしまったんです」


「でも一人足りないなら代わりを見つければいい、そうすれば…」


「…」


「強大な兵器こそ完全平和への道。その存在こそが抑止力となるんです」


「私はなにも間違っていないんです。ねぇ八島…貴女もそう思いますよね」


「…」


「……綺麗な三日月ですね」


ーー

今日はここまでです

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ーー


漣「ここ数日の体調不良、申し訳ありませんでした」


提督「俺こそ漣の不調を見逃して申し訳なかった」


漣「調子が悪いのを隠してたんじゃないんですよ、ご主人様に責任はありません」


提督「…そうか」


漣「重巡棲姫から聞いたか、勘のいいご主人様なら漣の不調の原因は分かりますよね?」


提督「……」


漣「好きな相手に子どもが生まれて幸せそうにしてんすよ。気が狂うかと思いました」


漣「ご主人様の言いたいことは分かりますよ、漣には嫁が居ますから。でもそうじゃねぇんですよ」


漣「恋だ愛だってのは理屈じゃないんです」

漣「今だってそうですよ、子どもの面倒を見てるせいで寝不足のご主人様を見てるだけで殺意すら湧きます」


提督「……」


漣「…すいません口にすると多少スッキリするかと思ったんですが、そうでもなかったです」


提督「漣はそんな性格じゃないからな」


漣「……漣のことをよくご存知で」


提督「裏切られるくらいには長い付き合いだからな」


漣「すぅぅ……はぁ………辛いっす…思ってるよりもかなり辛い感じです」


漣「でも流さないといけないんでしょうね…こんなこと良くあることなんですよ。政治家が嘘をついたり癌に効く薬ができたりとか…本当にありふれたことなんです」


漣「ご主人様を心から…お祝いします……」


提督「…ありがとう」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

漣「それでも…漣にはあの子が居るからまだこのくらいで済んでるんですよ」


漣「ご主人様、私の言いたい事わかりますよね?」


提督「わかる…わかっている」


漣「あの女から目を離さないで下さい。一時退院と言ってますけどこのタイミング、怪し過ぎるんですよ」


漣「最悪の事態に備えておいて下さいよ」


提督「龍驤がそんなことをするというのか?」


漣「二股かけて金で股開いてた女が信用できるかってんですよ」


提督「……」


漣「挙句の果てに漣は刺されてますからね。なにも信用できません」

漣「昔の男と知り合ったっていうのも疑う所ですね。以前に病院を騙したの覚えてますよね?」


提督「あの時とは違う男らしい」


漣「その証拠は?」


提督「……」


漣「あの女はかすみを殺します。もしくは霞本人か」


漣「大丈夫だと思い込むと悲劇が待っています。24時間体制で見張るべきだです」


提督「それはいつまでだ?」


漣「龍驤さんに子どもができるまでじゃないっすかねぇ」


提督「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ガチャッ


龍驤「おはようさーん…ん?朝から暗い顔してたら気が滅入るで~」


漣「……」


龍驤「あ、司令官の顔が暗いのは最近かすみのお世話で寝不足やからか。ウチが膝枕したるからな」


提督「……」


龍驤「な……なにかあった…?」


漣「いえ…なんでもありませんよ」


龍驤「ほんまに…?喧嘩とか、大丈夫なん……?」


漣「大丈夫ですから仕事に戻りましょう」


提督「……」

龍驤「ほな…仕事を片付けていこか」


提督「…龍驤は休んでいてくれ」


龍驤「大丈夫やで、少しくらい動いてた本人が調子もええし」


提督「まだ一時退院だ、下手をすると悪化するかもしれない」


龍驤「ウチとしてはキミの隣におった方が元気になるんやけどなぁ」


漣(ご主人様、部屋に帰すより我々が見張っていた方が安全ですよ)ヒソヒソ


提督「…分かった、秘書艦として頑張ってくれ」


龍驤「よっしゃ!今日も司令官のために働くで!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣(龍驤さんの事が無くともかすみは現代艦娘で横須賀提督の子どもなんです。狙われる理由はいくらでも出てきます)



漣(幸い霞もかすみもほとんど鎮守府から出ないので大丈夫だとは思いますが、用心はしておいて損はないでしょう)


漣(霞と子どもには必ず誰かしら一緒に居るように手配しておきますかね…)


龍驤(霞一人だけやと負担が大きいし助けが必要やわなぁ…)


龍驤(ウチも当然手伝うけど一時退院やから毎日は無理や…司令官は仕事があるし)


龍驤(誰がええんやろな……うーん…)


龍驤(雲龍はどうやろ…母乳出るんやんなアイツ。ほんなら丁度ええわな…)

ーー霞の部屋


霞「この状況はなんなのよ」


Y朝潮「私は漣さんに頼まれてここに来ました」


雲龍「私は龍驤さんに頼まれたわ」


霞「私…そんなに信用ないの?」


Y朝潮「出産直前に自殺しようとした艦娘がなにを言いますか」


霞「…言い訳はできないわね」


雲龍「母乳が出るから丁度ええやろ…って龍驤さんに言われたから来たわ」


霞「その母乳は飲ませて大丈夫なの?」


Y朝潮「妊娠してないのに母乳が出るのがおかしいんですよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


かすみ「だぁ…」ぎゅっ


Y朝潮「おおぉぉぉぉ…!」


霞「意外と力は強いでしょ。これは現代艦娘だからって話じゃないみたいよ」


Y朝潮「乳幼児に触れるのは…初めてです……!」


霞「こっちが触るときは優しくよ」


雲龍「母乳」


霞「待ちなさい。貴女のは司令官や電なんかが飲んでるのは知ってるし、健康被害も無い。けど子どもが飲んでいいのかは未知なのよ」


雲龍「母乳、あげたい」


霞「だから待ちなさいって。せめて成分を調べてからにして」


雲龍「そんな…」
霞は雲龍と雲龍の母乳は大人が飲んでも大丈夫だけど子供が飲んでいいかは分析した方がいいかしらって話

雲龍「ならもう帰るわよ」


霞「貴女は手伝いに来てくれたのよね……?」


雲龍「母乳を飲ませられないなら他の人をあたって」


霞「正気?」


Y朝潮「えへ、えへへへ…」


雲龍「朝潮が居るから問題ないでしょ」


霞「そうだけど……えぇ…」


雲龍「じゃあ帰るわ、頑張って」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

霞「待ちなさいよ、調べるには雲龍がいないとできないでしょう!」


雲龍「そんなことないわ」


霞「雲龍を頼れるなら頼りたいのよ!私が出せないときもあるんだから!」


雲龍「…そう」


霞(もう、頼られたかったのは分かるけど……)


雲龍「早く調べて」ブルンッ


Y朝潮「ぅわ……」


かすみ「…」


霞「いきなり胸を出さないで!ちょっと待ってなさいな!」

ーー


雲龍「け…」


霞「結果が分かり次第教えるからそれまで少し待ってて」


雲龍「……そう」


コンコン


電「あの……霞ちゃん…」ガチャッ


雲龍「ちょうどいい所に来たわね」


電「へ…あの……?」


雲龍「結果が出たらすぐに教えて。行くわよ電」ヒョイッ


電「は、はわわわ!」


Y朝潮「…なんなんですか彼女は」


霞「それなりに付き合いは長いけど、雲龍がなにを考えてるかは分からないわね…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー執務室


雲龍「電をキラ付けしようと思うの」


提督「それは構わないが…」


龍驤「電は調子悪そうには見えへんよ?」


電「そうなのです!響ちゃんの調子が少し悪くて、お薬が欲しかったのです!」


漣「それなのに早とちりして乳女が電さんを誘拐したと」


雲龍「誘拐じゃない、誤解しただけ」


電「やってることは誘拐犯なのです」ボソッ


提督「電については後回しにして、響の様子を見に行こう」


雲龍「その方が良さそうね」

ーー


電「大変なのです!響ちゃんが部屋に居ないのです!」


うすしお「にゃあん?」


龍驤「響の猫はおる…」


漣「調子の悪い響さんが一人で部屋の外に出るのは少しマズいかもしれませんね」


提督「響は他人を傷付けるような行為はしない」


漣「そうとは限りませんぜ」


雲龍「別れて探すの?それとも何人かで固まって探すの?」


提督「別れて探そう。発見して落ち着いていたなら大事にはしなくていい」


龍驤「猫がここにおるのが気になるけど…とにかく今は響を探すのが優先やね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー町跡、慰霊碑


響「何も言わずに出てきてしまった…電達には後で謝らないといけないね」


響「あのことは忘れたいとも思わないし、忘れてはいけない悲劇だ。その悲劇を引き起こしたのはコイツらなんだ」


響「お前らには慰霊碑なんか勿体ない。せっかく壊したのに…物好きな人間も居たみたいだね」


響「慰霊碑があってもお前たちは地獄行きだ。地獄でも散々苦しむといい」


響「司令官を巻き込んで死なせたことは絶対に許さない……!」


響「いつか私も地獄に行った時には覚えていろ。絶対に復讐してやる」


響「……汚い言葉を聞かせてごめんね司令官。どうしても貴方に会いたかったんだ」


響「司令官…………」スリスリ

響「時々…凄く辛くなるんだ。どれだけ頑張っても司令官に褒めてもらえない、その事実がなによりも辛い」


響「また司令官に頭を撫でて欲しい…頑張ったなって言って欲しいんだ…」


響「……」


響「うぅ……司令官…」


響「皆んなのお陰で暴れたりすることは無くなったよ…でもこの悲しみだけはどうしようも無いんだ…」


響「司令官の死は……乗り換えられない…」


響「せめて事故なら…こうはならなかったのに…」

響「私がそっちに行くまで待っててね司令官。少し寄り道はするけど、必ず会いに行くから」


響「……」グシャッ


響「こんな奴らに花は要らない。手向けられた花が可哀想だ」


響「ちゃんと、私の花を受け取って司令官」スッ


響「……」


響「また会いに来るよ。私のことは忘れないで」


響「じゃあ……ね…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣『ほんとに…心配かけないで下さいって……』


響「ごめんよ、誰にも言わなかったのは私のミスだ」


漣『そんな余裕なかったんでしょうよ…電さんから調子悪そうだったって聞きましたよ』


響「ごめんよその通りだ」


漣『連絡しても繋がらなかったのは、そこに居たからですか』


響「ここにはもう町がない。だからアンテナなんか無いからね」


漣『事情は分かったんで早く帰ってきて下さいよ、外出届けは出てたことにしますから』


響「ありがとう漣」ピッ


響「……」


響「…………」


響「この気配……居る…」

ーー


ズズズズ……


響「はぐれの駆逐に軽巡…一体ずつだからなんとかなったね」


『こち……ザ……鎮守………ザザ…の……』


響「この近くの鎮守府の艦娘からの通信…今更遅いよ。下手に時間を使いたくないから無視をしておこうか」


響「艦娘と合わないように陸に上がってしまおう。そうすれば誤魔化せる」ザザァ


響「……」


響「誰かいるようだね…子どもかな……」

ーー


「助けてくれて、ありがとうお姉ちゃん!」


響「これが私の仕事だからね」


「艦娘さんって凄いんだね!」


響「……君はなにをしてたんだい?」


「私?これを届けに行こうとしてたの!」


響「花束…」


「この近くにあるイレイヒにこれを届けるの!」


響「君は……あの町がどんな所か…知ってるの?」


「安価」


下2 台詞やその他起こったことなど

「あそこにはお母さんのおじいちゃんが住んでたけど、海の化け物に襲われて死んじゃったんだ」


響「……そうなんだね」


「お母さんはおじいちゃんに会わせてくれなかったけど、死んじゃった人にはお花をお供えするものだって教えてもらったから!」


響「だから毎日供えてたんだね」


「うん!」


響(この子はあの教団とは無関係のようだね。良かった、殺さずにすみそうだ)


響(この子の母親はまともだったみたいだね、あの教団は無くなったしもう恨む相手は全員死んでる)


響(教祖のアイツは……やめておこう。あれには関わっちゃいけない気がする)


「……むぅぅ?」

「お姉ちゃんとは初めて会ったよね?」


響「そうだよ」


「うーんうーーん…」


響「どうしたのかな?」


「どうしてお姉ちゃんは私が毎日お参りしてるって知ってるの?」


響「……花を」


「これは今日持っていくお花!これを見ただけなのにどうして毎日だってわかったの?」


響「……」


「ねぇどうして?教えてよお姉ちゃん!」


響「安価」


下2 台詞やその他起こったことなど

響「また海の化け物が来ないように見回ってるからさ」


「ふーん…」


響(無駄に悲しませる必要は無いし、あの町のことを知る必要も無い。これでいいんだ)


「お姉ちゃんはこの近くの鎮守府の艦娘じゃないよね?」


響「いいや、そこの鎮守府に所属してるよ」


「ふーーん……」


響「じゃあ私はもう行くね。この辺りは海の化け物が出るみたいだから、この近くは通らない方がいいよ」タタタッ


「……化け物が出る『みたい』って。それじゃここには初めて来たって言ってるようなものだよ」

ザザザッ


「敵影無し…既に沈められてますね」


「練度が高い艦娘が居たということですか」


「そうとは限りません、駆逐艦と軽巡洋艦ならそこそこの練度でも倒せます」


「それにしたってこんな所にたまたま艦娘が居るかね…」


「……遅い」


「ごめんなさい幼女提督!」


「でもこれでも急いで来たんだぜ!」


「ここは鎮守府から遠い…」


幼女提督「文句を言う前に体を動かせ」


「はぁい…」

幼女提督「そもそも私の方が先に着いているのが問題だ」


「提督は慰霊碑に向かってる最中じゃなかったですか!」


幼女提督「文句を言うな」


「もぉ…」


幼女提督(あの艦娘、嘘をついて何の目的だ?慰霊碑を荒らしていたのも気になる)


幼女提督(まずはどこの鎮守府の所属かを突き止めて、それから…)


「まーた提督が悪い顔してる」


「性格の悪さは旧大本営にも負けない…」


「あの見た目ですから潜入はバレることは無いですし」


幼女提督「……お前ら聞こえてるからな」


「ひぃーーー!」


幼女提督(このことはあの艦娘を恐喝するのに使える。その上でアイツが使えそうなら使ってやろう)


幼女提督(使っていた砲弾や魚雷から特定……できるか。やれるだけやってみるぞ)


幼女提督(私は……やれることは全てやる)


ーー

今日はここまでです

ーー


響『ごめん…横須賀に帰らなければいけないのは分かっているん……だけど、無理なんだ……」


響『あの時…慰霊碑を壊して終わったと……司令官の死も乗り越えたと思っていたんだ…』


響『電達に支えてくれたのも嬉しかった…私はもう大丈夫だと思っていたんだ……でも…』


響『司令官の子どもを見て…………自分の中の糸が…切れてしまったんだよ……』


響『司令官の考え方でいうなら四角形かな……今までは電達が私の司令官の穴を埋めてくれていた…けど……私の四角形は粉々に砕けてしまったんだよ……』


響『普通なら訳がわからないと思うけど……司令官たちなら…わかってくれるよね…?』


響『ごめん……ごめんよ……』


響『もう…そっちには帰れないんだ……』

ーー


ガングート『憔悴した響がこちらに来た時は驚いたが、理由を聞いてある程度納得はした』


提督「そう…か」


ガングート『貴様が悪いとは言わないし配慮が足りなかったわけではないのだろう。だがこの結果は受け止める必要がある』


ガングート『千歳が言っていたことが無かったか?ストレスというのは悪いことだけではなく良いことでも溜まるとな』


提督「響は…どうしている?」


ガングート『元々自分が居た部屋に閉じこもっている。菊月辺りが甘えだと騒ぐのも時間の問題だろう』


提督「響を、これ以上辛い思いはさせないでやってくれ」


ガングート『努力するがお前の腕にもかかっていることは忘れるな』


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー足りないもの鎮守府、元響の部屋


響(死んだ司令官の事を考えてしまった時は悲しくなる。けど後を追おうとは思わなくなった)


響(皆のおかげでそうなった、こんな私を見捨てずにちゃんと向き合ってくれて感謝しかない)


響(けど慰霊碑を見て分かったんだ……私の中に憎しみは残っている)


響(死んでいるのに奴らを殺したくて堪らなくなる。できることならもう一度殺してやりたい)


響(それだけならまだ良かった……けど私はあんな子どもにまで殺意を覚えた)


響(なにも関係のない、あんな無垢な子どもを私は殺そうとしてしまったんだ……)


響(自分のことが信用できない…怖いよ……)

響(今戻っても司令官たちに迷惑をかけてしまうだけ。皆んなのことだから私を元気付けようとはしてくれるけど…)


響(もう私は戦えない)


響(守るべきはずの人間を殺そうとしてしまった)


響(艦娘でいる資格はもう私には無い……)


響(解体……か)


響(強制解体じゃなければ艦娘じゃなくなるだけで死にはしない…)


響(艦娘としての私はここまでのようだね…)


響(司令官に…ちゃんと話そう……話さないと先に進まないから…)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


響「司令官……私は艦娘を辞めようと思うんだ…」


提督『な……!?』


響「勘違いしないで欲しいんだけど、司令官は悪くないよ……」


提督『響は大切な仲間だ、理由も聞かずに解体はできない』


響「うん…理由を話すよ……慰霊碑に行って女の子に会ったんだ……それで……」


……



響「こんなことを考えてしまうのは…艦娘として変に力があるからなんだよ……」


響「艦娘としてじゃなく…無力な存在して、あの事件に向き合ってみたいんだ…」


提督『響の言いたいことは…よくわかった』

提督『俺だけじゃなく電達とも話して欲しい』


響「もちろんだよ、ちゃんと全て話す」


提督『提督として響が居なくなってしまうのは寂しい。だが個人的なことを言うのなら、響の意見を尊重したい』


響「司令官ならそう言うと思っていたよ」


提督『電達と話しても意見が変わらないのなら…解体を許可しよう』


響「ねぇ司令官、私が解体になったら司令官の評価は下がってしまうのかい?」


提督『それは言わない。そんなつまらないことで響や皆んなの考えを潰したくないからな』


響「司令官は本当に…優しいね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


電『みんな一緒に戦えなくなるのは寂しいのです。でも艦娘でなくなっても響ちゃんは響ちゃんなのです!』


雷『第六駆逐隊で話し合いが少なくなったのは私のせいなのよね…テレビとか鎮守府の外に出る仕事が多かったから…』


響「雷はなにも悪くないよ。そのまま翔鶴さんと頑張って」


暁『私は響を止めたりしない。けど忘れちゃいけないことはあるわよ』


暁『貴女は力があるからこそ守れるものがあったのよ』


響「うん……その通りだ」


暁『私達でよければ何度だって話を聞くわよ』


電『なのです!』


雷『貴女は一人じゃないのよ!』


響「ありがとう……皆んなと話して良かった…」

菊月提督「考えは変わらないんだな」


響「このままだと私は人を殺していた…もう無理なんだ」


多摩「諦めるのは早くないか?」


響「早いだろうしまだ全ての策を試したわけじゃない、けどそれらを試している最中に、最悪の事態が起きない保証がない」


菊月「勝手にしろ」


響「うん…勝手にする。私は……艦娘を辞めるよ」


菊月提督「なら横須賀に戻るしかないな」


多摩「響……」


響「ここの皆んなにも…お世話に……なりました…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

菊月提督「横須賀に帰ってもすぐに解体という訳にはいかない。手続きや書類の受理などで多少の時間は必要になる」


菊月提督「その間も考えておけ。その上で解体が最善だと思うのなら好きにすればいい」


響「ありがとう…」


シュバッ


多摩「んにゃっ!?」


菊月「由良か」


由良「迎え」


響「わざわざありがとう…すぐに用意をするから少し待ってて」


由良「分かった」

ーー


由良「話は聞いた」


響「……」


由良「提督は心配し過ぎ」


由良「だけど貴女はそれだけの事をした」


響「そうだね…無断で飛び出して、挙げ句の果てに帰らないだなんて……」


由良「まずは安心させてあげて」


響「その通りだ……早く司令官の所に帰ろう…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー横須賀鎮守府


響「心配かけて…ごめんなさい」


提督「こうやって無事に帰ってきてくれたならそれでいい」


龍驤「疲れたやろうからゆっくり休んどき」


響「……」


提督「菊月提督からも聞いただろうが、解体の書類を出したからといってすぐに受理はされない」


龍驤「書類、渡しとくわな」スッ


響「…ここで書くよ」


提督「そうか……」


響「菊月提督には書類が受理されるまでの時間で、よく考えろって言われたよ」


龍驤「その通りと違うかな、響の大事なことなんやじっくり考えたらええよ」

ーー響の部屋



響「……」


コンコン


響「…鍵は開いてるよ」


雷「響」ガチャッ


電「響ちゃんの部屋でお泊まりなのです!」


暁「安心して、貴女の嫌がるようなことは話さないから」


雷「その代わり夜更かしして一晩中お話しましょ!」


電「今日は寝かさないのです!」


響「…楽しい夜になりそうだね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー翌朝、執務室


提督「随分と眠そうだが大丈夫か?」


響「一晩中暁たちと話していたから寝不足さ。でも問題ないよ」


龍驤「ほんで、何の話があるんかな?」


響「司令官、あの女記者さんの連絡先を教えて欲しいんだ」


提督「女記者……」


響「艦娘を辞めたとしても何らかの形で皆の力にはなりたいと思ってるんだ」


龍驤「そこまで考えてたん…」


響「それにジャーナリストになれば、あの事件で私がまだ知らない事を追えるかもしれない」


提督「艦娘を辞めて…その道に進んでみたいんだな」


響「これが私の答えになりそうだよ」

ーー


龍驤「女記者、なんて言うやろな」


提督「歓迎はしてくれそうな気はするが…」


龍驤「響に連絡先は教えたし、後は本人が決めることやね」


提督「強制解体や辞めざるを得ない状況では無く、響は自分で選んだことなんだ」


龍驤(心が折れたって言うてるのは、辞めざるを得ない状況とも言えるけど…黙っとくのがええわな)


提督「新しい道を全力で応援するのが提督としての仕事…か」


龍驤「そうやで、ちゃんと響を最後まで支えたらなあかんな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

中断します

ちょっとやばいみたい

居ますでしょうか

やってみます
やっぱり無理そうなら途中でやめます

ーー


白雪「例の艦娘の正体が分かったんですか?」


幼女提督「アレは横須賀のヴェールヌイだ」


白雪「まさか横須賀鎮守府が絡んでいたとは意外ですね」


幼女提督「そうとは言い切れない。奴の所属を辿っていった結果横須賀にたどり着いたんだ」


白雪「ですが横須賀鎮守府がなにも事情を知らないとは思えません」


幼女提督「…確かにな」


白雪「これはチャンスかもしれませんよ」


幼女提督「そんなことは分かってるんだよ、あとは奴を追い詰めるだけだ」

白雪「なにか考えがあるんですね」


幼女提督「お前らにも働いてもらうからな」


白雪「もちろんです、司令官の指示に従いますが…司令官はどうするんですか?」


幼女提督「単独で潜入する」


白雪「無名の鎮守府ならともかく相手は横須賀ですよ?」


幼女提督「この容姿で警戒する奴は居ない。最悪迷子として補導されるだけだ」


白雪「忍び込むにもセキュリティーはどうするんですか?」


幼女提督「いくらでもやりようはある。お前は自分のやるべきことをやれ」


白雪「…分かりました」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


幼女提督『あのヴェールヌイはカルト教団の関係者に間違いない。慰霊碑を荒らしてたってことは信者だった可能性もある』


幼女提督『恨みがあるなら好都合だ、奴をこちらに引き入れる』


幼女提督『カルト教団のあった町ごと全滅したことになってるがそれは嘘だ。教祖は生き延びている』


幼女提督『まずはヴェールヌイから教祖の居場所を知らないか問いただす。知っていればどんな手を使ってでも聞き出す』


幼女提督『知らなければそれでいい。奴の存在は私にとって重要なのには変わりない』


幼女提督『お前は作戦通りに動け、私も同時に潜入を進める。私とお前のどちからは成功するはずだ』


幼女提督『もしお前が捕まっても絶対に吐くな。吐くくらいなら死を選べ』

ーー


白雪「司令官は教祖という人物を使ってなにをしたいんでしょうか…」


白雪「ある程度は予想できますけど…でもそんな単純な人じゃないような気もします」


白雪「そもそも幼女提督はまだ子どもなのにあんな指揮が出来るなんて…性格が悪いのも気になります」


白雪「エナジードリンクをがぶ飲みしながら徹夜で作戦計画を練るだなんて、絶対に子どもがやることじゃないですよ」


白雪「でも…私の司令官は幼女提督なんです。文句は言いません」


白雪「死ぬ気で作戦を成功させます…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー横須賀鎮守府


幼女提督「……やべぇ。ここまでセキュリティガチガチだとは思わなかった」


幼女提督「ボールが入ったとでも言い訳できるかと思ったけど無理だ…これはマズイ」


幼女提督「白雪の方が成功するかは半々だ、あいつに任せてもいいがこちらも何か動いておきたい」


幼女提督「なにか無いか……部外者や外出する艦娘が出てくるまで待つか…」


「……」


幼女提督「お……?誰か出てきたな」


「……」


幼女提督「許可書を返しているのか…?ならアイツは部外者か。これはチャンスか……よし」

女記者「さて…」


幼女提督「ねぇお姉さん」


女記者「あらどうしたのお嬢さん?」


幼女提督「お姉さんはここの人?」


女記者「ここ?私は鎮守府とは関係ないわ」


幼女提督「じゃあなんでここから出てきたの?」


女記者「私は記者…そう、本を書いてるの」


幼女提督「絵本~?」


女記者「その本じゃないわ、大人が読む文字ばっかりの本なのよ」


幼女提督(記者か…なにか聞ける可能性はあるな)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

幼女提督「お姉さんはなにをしてたの~?」


女記者「お仕事よ」


幼女提督「どんなお仕事?」


女記者「大人の話し合いってとこかしら」


幼女提督「もっとわかりやすく教えて欲しいな」


女記者「ごめんなさいね例え子どもでも、話の内容は言えないわ」


幼女提督(チッ、クソブスが)


女記者「……」


幼女提督(ジロジロ見てるんじゃねぇよクソババァ)


女記者「貴女……」

女記者「ひょっとして××鎮守府の子?」


幼女提督「!」ビクッ


女記者「やっぱり、よく似てるわねぇ」


幼女提督「だ…だれそれぇ?」


女記者「確かあそこはかなり高齢の方が提督だったわよね。それと同じ名前のお孫さんが居たとか」


幼女提督「……」


女記者「それが貴女なのね、提督は元気かしら?貴女がここに居るってことはもしかして横須賀提督に会いに来たの?」


幼女提督「……」


女記者「あら…気を損ねちゃったかしら?この辺りは公園も無いから遊びところはないわよ~」


幼女提督「……」ギリッ


下2 この後の展開やその他起こったことなど

幼女提督「……」


女記者「どこに行くの?」


幼女提督「お姉さんの話つまんないから帰る」


女記者「どこに帰るの?」


幼女提督「お姉さんには関係ないでしょ」


女記者「関係ない……そうね、確かにそうかもしれないわね。でも関係あるのよ」


幼女提督「よくわかんない」


女記者「懐かしいわね、あの辺りの海って変な海流が多くて苦労したのよ」


幼女提督「…?」


女記者「ふふふ…」


幼女提督(なんだよコイツ気持ち悪いな)


女記者「貴女…私の目を見てくれない?」ズズズッ


幼女提督「なぁ…っ!?」


女記者「私はね、元深海棲艦なのよ」

女記者「私は戦うのが好きじゃなかった。だからあそこの鎮守府と戦ったことはない」


女記者「けど仲間の話は何度も聞いた、提督の手法は素晴らしいものだったみたいね」


女記者「けどある日を境に指揮は大きく変わったみたいね。丁寧で理にかなった戦略ではなく力で押すような強引な指揮になった」


女記者「おかしいと思ったけど提督の名前は変わっていなかった」


女記者「提督の『名前』は変わっていなかった」


幼女提督「……」


女記者「運が悪かったわね、私に見つからなければこうはならなかったわよ」


女記者「さて…詳しく話してもらおうかしら?」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

幼女提督「話す事なんて何も無いんだよ」


女記者「あるに決まってるでしょ。提督は生きているの?」


幼女提督「答える必要がない。どうしても聞きたいのなら私を誘拐するか?」


女記者「……」


幼女提督「そうだな、ここにもあそこにも監視カメラがある。分かったか?不利なのはお前なんだよ」


幼女提督「言え、この鎮守府でなにをしていた」


女記者「これは…想定外ね……」

ーー


白雪「ヴェールヌイが二人居る?」


天城「そうだ…って言っても横須賀に居る方は響扱いだけどな」


白雪「姿はヴェールヌイなんですよね?」


天城「色々と事情があるんだよ」


白雪(まさか二人居るなんて…こんなこと想定していません)


天城「っていうかお前は本当に蒼龍の鎮守府の後輩なのか?」


白雪「…はい。近々先輩がこちらの鎮守府に移籍すると聞いていて、偶々この近くに来たので挨拶に寄ったんです」


天城「ほぉ…律儀な奴だな」


白雪「蒼龍先輩は鎮守府のエースでしたから」


白雪(蒼龍さん周辺の下調べは完璧。あとはうまく誘導できれば…)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

白雪(上手くヴェールヌイ……響に接触出来たとしてそれからどうしよう…)


白雪(司令官みたいに脅したりしたくないですし……そもそも私には無理ですよ…)


白雪(それでも任務だから、頑張ろう……)


天城(やっぱ蒼龍のとこの艦娘は普通みたいだな。問題があるのは蒼龍だけか)


天城(蒼龍が出世や地位に拘るのは地方出身だからっていうのと、周りの奴らが全員弱かったから…)


天城(それを男に見抜かれて鎮守府を抜け出して…か。こりゃ蒼龍の対応は面倒だな)


天城(性格が面倒な奴は横須賀では無理だ、提督も遠慮せずにさっさと移籍させれば良かったんだよ)

白雪「……あの」


天城「なんだ?」


白雪「横須賀鎮守府にも寄っていきたいんですけどアポは取れますか?」


天城「なんで天城がやらなきゃいけないんだよ」


白雪「蒼龍さんを驚かせたいんです。私が連絡すれば本人に伝わってしまいますよね?」


天城「…なるほどな。分かった、提督に個人的に知らせといてやる」


白雪「ありがとうございます」


白雪(これで横須賀に入れる…あとはそこの響が司令官が探している響か確認して、その後は……考えましょう)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー横須賀鎮守府


漣「あれ怪しいですよねぇ…」


龍驤「怪しいよなぁ…」


漣「女記者さんの忘れ物を見つけたんで、カメラでまだ近くに居るか確認してたんですけど…」


龍驤「女の子と話してるにしては雰囲気がおかしい。何かあったんと違うか」


漣「これは助け船を出すのがベターでしょうな。マイクのスイッチをポチッとな」


漣『あーてすてす…裏口に居る女記者さん、忘れ物があるので中に戻ってきてもらえますか?』


龍驤「…………放送を聞いて女の子は逃げたで」


漣「逃げたということは後ろめたいことがあるから。女記者さんからじっくり話を聞きましょう」

ーー執務室


提督「天城から話は聞いた。わざわざ蒼龍に会いに来てくれたんだな」


白雪「はい。貴女が秘書艦代理さんですね」


ポーラ「いえ~違いますよ~」


提督「ポーラはたまたま執務室に来ていただけだ。本来の秘書艦代理は席を外している」


ポーラ「提督~彼女はなにをしにここに来たんですか?」


提督「蒼龍の後輩らしい。今度天城の鎮守府に移籍になる関係で挨拶を…」


ポーラ「おかしいですね~」


提督「なにがだ?」


ポーラ「あの干物鎮守府には~私の知る限り白雪はいませんでしたね~」

提督「新しく所属したんじゃないのか?」


白雪「そうですよ、私は蒼龍先輩がここに来る直前に配属されました」


ポーラ「そうですか~?」


白雪「……」


ガチャッ


龍驤「ん、お客さん?悪いけどちょっと邪魔させてな」


漣「ご主人様ちょいと緊急事態です。女記者さんが謎の幼女とトラブってました」


提督「謎の幼女…?」


白雪「…………」


漣「追い払うことには成功しましたが少し厄介なことになりそうです、ご主人様も女記者さんの所に来て下さい」


提督「…すまない、君の話はまた後にしよう」


白雪「……はい、わかりました」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

白雪「提督さん、私はどうしたらいいでしょうか?」


提督「蒼龍に会いに行くなら…ポーラ、案内を頼めるか?」


ポーラ「お任せください~」


提督「俺でもたまに迷うくらいだからな、ポーラに案内してもらった方が良いだろう」


漣「ご主人様!!」


提督「わかってるすぐに向かう」


龍驤「なんも用意できやんくてごめんやで、また後でゆっくり話そな!」


白雪「…はい」

ーー


ポーラ「ふんふふ~ん」


白雪「蒼龍さんはこっちの方に居るんですか?」


ポーラ「今は~出口に向かってます~」


白雪「…え?」


ポーラ「蒼龍さんが横須賀に配属した後で~干物鎮守府の婚活をしてたんですよ~」


白雪「ええ知ってます、皆さん張り切って…」


ポーラ「所属艦娘全員の~婚活ですよ~」


白雪「…私は長期遠征で……」


ポーラ「出撃記録は全てチェックしましたよ~」


白雪「……」


ポーラ「本来なら捕まえて独房行きですけど~提督は優しいのでそれを無下にしないでくださいね~」


白雪「…警告ということですか」


ポーラ「やけになって暴れてもいいですけど~多分無理だと思いますよ~」


シュパッ


白雪「床にクナイが……ここには忍が居るんですね」


ポーラ「貴女が艤装を使う前に~細切れになってると思いますよ~」


白雪「……今日のところは帰ります」


ポーラ「もう二度と来ないで下さいね~」


ーー

今日はここまでです

土曜日が怪しいので今日更新しておきます

ーー


漣「蒼龍さんの後輩だと言っていた白雪は嘘をついてこの鎮守府に乗り込んだ」


龍驤「女記者は小さい女の子に恫喝された…」


漣「一見両者は関係なさそうに思えますが、同時に起こっていたことを考えるとなにかあると考えたくなります」


龍驤「白雪の目的が知りたかったけど、下手なことをされるとまずかったから追い返して正解やな」


漣「さすがはポーラさんというところですな」


龍驤「追い詰めた挙句暴れるとか、最悪自爆される可能性もあった。追い返すのがベストやったやろ」

天城『悪ぃ……白雪を簡単に信用し過ぎた』


漣「天城さんは悪くありません、敵が一枚上手だったと切り替えていきましょう」


龍驤「被害は出てないし気にしやんでもええ。でも次に似たようなことがあったら頼むで」


天城『ほんとに悪かった…』


漣「敵の目的が分からないこの状況では対策は難しいかもしれません。しかし警戒を怠らなければ大丈夫でしょう」


龍驤「次は無いと思いたいんやけどな…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


白雪「すいません潜入に失敗しました…」


幼女提督「こっちもしくじった。こりゃ向こうに警戒だけさせた無駄足だったな」


白雪「どうしますか司令官?」


幼女提督「別の手を使う。横須賀まで来てそう簡単に諦める気はないからな」


白雪「でもどうやって……」


幼女提督「やりようはいくらでもあるからな」

ーー横須賀鎮守府、近海


幼女提督「ここまで離れれば偵察機も飛んでこないな」


白雪「本当にやるんですか?」


幼女提督「ああ、私が酸素ボンベを背負って海から横須賀に潜入する」


白雪「無茶ですよ…」


幼女提督「お前が同じことをやればソナーや索敵に引っかかるが、私なら見つかることはない」


幼女提督「海底近くギリギリまで潜って近付く。ソナーに引っかかっても魚としか思わない」


白雪「危険だと思ったらすぐに引き返して下さいね…」


幼女提督「多少のリスクは背負うが引き際は分かっている、心配するな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー海底


幼女提督(よしよし…予想通りだ。流石の横須賀でもここまでのことは考えていないだろう)


幼女提督(潜水艦娘を使われる想定はしていても人間の少女がこうするとは思わない)


幼女提督(甘いんだよ横須賀、ここまでする奴が目と鼻の先に居るんだぜ?)


幼女提督(後悔するのはヴェールヌイを拐われた後でゆっくりしてな…)


潜水棲姫(やっぱりあれって人だよね)


潜水新棲姫(お前からの連絡を受けて潜ってみたが、これは間違なく人間だ)


潜水棲姫(凄く小さいしゆっくり進んでるみたいだけど、もしかして子ども?なんでこんな所でスキューバなんてしてるんだろ)


潜水新棲姫(子ども……もしかして漣が言っていた奴か?)


潜水棲姫(なにか心当たりがあるの?)


潜水新棲姫(ある。あるからコイツは回収して提督の所に持っていく)ガシッ


幼女提督「!!!!????」

ーー横須賀鎮守府


幹部「鎮守府に不審者が潜入しようとしてした、しかもそれが女の子とはね…」


提督「潜水新棲姫達が捕まえてきてくれたんですが、黙秘を続けています」


幹部「乱暴するわけにはいかないが、鎮守府への侵入を無かったことにはできないね」


提督「女記者を脅していた同一人物の可能性が高いです。それと幹部さんなら何か知っているかとも思ったんですが…」


幹部「心当たりは無いがとにかく会ってみよう」


提督「…この部屋で監視しています」


幹部「わかった、どれ……」ガチャッ


下2 部屋の様子や状況など

ーー


幼女提督「……」


潜水新棲姫「喋ろうとする様子はないぞ」


提督「…そうか」


幹部「うーん……」


提督「幹部さん?」


幹部「すまないね提督君、この子は知った顔だったよ…」


提督「え…?」


潜水新棲姫「とうとう人間の少女にも手を出したのか」


幹部「人聞きの悪いことはやめて欲しい。そもそも私はクキ君を娶っただけでロリコンではないんだ」


潜水新棲姫「言い訳、おつ」


提督「…すいません漣の影響かと思います」

幹部「彼女はある鎮守府の自称提督なんだ」


提督「提督…」


潜水新棲姫「自称提督とはどういうことだ」


幹部「大本営は彼女を提督とは認めていない。鎮守府を不法に指揮している状態だね」


潜水新棲姫「なぜ捕まえないんだ、子どもとはいえ現行犯で捕まえられるだろう」


幹部「厄介な事情があるんだよ……はぁ…」


提督「幹部さんがここまで困っているのは珍しい…」


潜水新棲姫「余程の事情があるんだろう」

幹部「本来の提督とこの少女の名前が同じなんだ」


潜水新棲姫「年齢から考えてコイツはその提督の孫かひ孫だな」


幹部「そして、少し前に本来の提督が亡くなってしまった。年齢が年齢だけに急死は仕方ないことだった」


幹部「こちらとしては急いで後任の提督を用意しようとしていた所…彼女こそが正式な提督だと一方的な通知があったんだ」


提督「なりすまし…?」


幹部「それならまだ良かった。彼女達は書類に細工を施していたから厄介なんだ」


幹部「いつの間に仕込んでいたのか…鎮守府を移籍するにあたって提督君も書いたはずの辞令、その年齢の10の位が消されていたんだ」


潜水新棲姫「その提督がもし89歳なら、書類から8が消されていたのか」


幹部「この書類にある通り幼女提督こそが提督だと…全く、強引で困っているんだ」


潜水新棲姫「毎回強引な手が通用すると思っていたのか、中身は年齢相当の子どものようだな」


幼女提督「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

幼女提督「…響を寄越せ。こっちの鎮守府に移籍させろ」


潜水新棲姫「ようやく口を開いたか」


提督「何で響なのかは分からないが、響は退役する予定なんだ」


幼女提督「はぁ!?そんなの聞いてないぞ!」


幹部「君に言う必要はないだろう」


幼女提督「…なら響と会わせろ。奴は何か知ってるかもしれないんだ」


潜水新棲姫「会わせるのか?」


提督「会わせる必要は無いと思うが、響のことを思うとここで会わせておくのも良いかもしれない…」


幹部「響君が解体となると自衛の手段は限られる。なら艦娘でいる今なら危険は少ないと考えてもいいね」


潜水新棲姫「ならワタシが呼んできてやろう。人間の少女なら提督達が見張っていても大丈夫だからな」

ーー


響「私に話ってなんだい?」


幼女提督「響…いやヴェールヌイ!やっぱりお前で間違いない!」


響「その名前を呼ぶのはやめてくれないかな。呼んでいい人は限られてるんだ」


幼女提督「知ってるぞ、お前の提督だよな」


響「……」


幼女提督「こっちは下調べ済みだ!お前がカルト教団とも繋がってるのも知ってるぞ!」


提督「それは違う、響は…」


幼女提督「教祖の場所を教えろ!知らないなら死ぬまで利用してやるからこっちに来い!」


響「安価」


下2 響の台詞やその他起こったことなど

響「知らないよ、私はなにも知らない。文字通り消えてしまったからね」


幼女提督「嘘言ってんじゃねぇ!」


響「信じれないならまるゆという人物に聞けばいい。陸の警察だから嘘は言わない」


響「ある寂れた村の……お伽話を聞かせてくれるよ」


幼女提督「中二病こいてんじゃねぇよクソガキ!知ってることを全部言えっていってんだ!」


響「……もういいかな司令官」


提督「あ、あぁ…」


幼女提督「逃げられると思うな!解体しようが住所を特定して拐ってやるからな!」

幹部「もういいだろう、響君は知らないと言ってるじゃないか」


幼女提督「いーや知ってる!花を荒らしてたあの目には人が映ってた!それは教祖しかいないだろうがよ!」


幼女提督「あいつのせいでお前の提督は死んだんだ!教祖が殺したんだぞ!」


響「もう黙ってくれないかな」


幼女提督「お、提督のことを言ったら反応したな…ははぁんさては男女の仲ってやつか」


響「黙って欲しい」


幼女提督「お前みたいな根性無しに好かれたら死んで当然だ。ご愁傷様なんか言わないぜ」


響「……」


幼女提督「お前のせいで死んだ提督の仇もついでに取ってやる。いい加減知ってることを話せガキが」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

響「そういう君は彼の何なんだい、少なくとも話を聞いたこともなかったよ」


幼女提督「そんな簡単に死ぬ男なんか知るかよ」


響「それなのに司令官の名前を出すだなんて頭がおかしいんじゃないかな」


提督「響…」


響「大丈夫だよ司令官、安心して。私は復讐なんか考えない選択をしたんだ、だから艦娘を辞めるだよ」


響「あの時私の目に写ってたのは醜い自分自身さ。いつまでも過去を引きずって…」


幼女提督「慰霊碑に寄り添うぐらいだもんな、気持ち悪いんだよ」


響「…君には理解できないだろうし、してもらうつもりも無い。私はなにを聞かれても答えないよ」ガチャッ


幼女提督「……」


幹部「もう気が済んだだろう。不本意だが君を鎮守府に送り届けることにするよ」


提督「幹部さんわざわざありがとうございました」

ーー


響「私の司令官の容姿をした教祖…いや、あれは簡単に触れてはいけないものだ」


響「奇術や魔術の類じゃない、そんなのとはわけが違う」


響「例え司令官の姿をしていても会いたいとは思わない。私はもう司令官のことは…」


響「…………」


響「吹っ切れたといえば嘘になる。だけどいつまでも止まっていても仕方ないんだ」


響「私は艦娘を辞めて前に進む…それが私にとって一番なはずだから」


響「そうだよね…司令官……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

幼女提督「……」


幹部「もう駄々をこねるのはやめるんだ、さあ早く…」スッ


幼女提督「…」ガブッ


幹部「う!?」


提督「幹部さん!」


幼女提督「やっと見つけた手掛かり…逃すわけないだろ!」ガチャッ


提督「あの子が…しかし幹部さん……」


幹部「思いっきり噛まれたが…これくらい平気だ。それより彼女を追いかけよう」

ーー


幼女提督「おい!!」


響「…いい加減しつこいよ」


幼女提督「あいつらのせいでこっちの提督も死んだんだよ!」


響「……」


幼女提督「教団が過去のものだと勝手に思ってんじゃねぇ!まだ終わってないんだ!」


幼女提督「アイツらをやるにはお前が必要なんだよ!!」


響「…アイツら?」


幼女提督「教団はまだ存在してる!奴らはまた同じようなことをしようとしてんだよ!」


響「本当なんだね」


幼女提督「嘘で…こんなこと言えるかよ」


響「分かった、そうとなれは話は別だ」

ーー


由良「教祖は関わっていない」


幼女提督「なんでそう言い切れる」


由良「やり方が違う。それは教祖の威光を利用してるだけ」


響「私もそう思うよ。本来のアイツらはそんな陰険なことはしないからね」


幼女提督「なんだよ……結局無駄足かよぉ…」


由良「どうするの」


響「あとは司令官に任せよう…と言いたいけど少し聞いていいかい?」


由良「なに」


響「偽物の教団は調べられる?」


由良「できる。けどやる必要はない」


響「なら私の依頼ならどうかな。強制解体じゃないなら少しお金も出るし、貯めていたお金も全て使う」


響「忍者提督に正式に依頼を出せば…やってくれる?」


由良「安価」


下2 由良の台詞やその他起こったことなど

由良「本気なのね」


由良「お金はいらない」


響「え、由良さん…」


由良「…」シュバッ


響「……行っちゃった」


龍驤「ここにおったか。響、その子こっちに連れてきて」


響「どうしてだい?」


龍驤「鎮守府の前を右往左往しとった秘書艦さんに中に入ってもらったんよ」


幼女提督「白雪……」


響「わかった、私も合流するよ」

ーー会議室


白雪「私たちが幼女提督を提督として認めたのは司令官の死を認めたくなかったからです」


幼女提督「どこからどう見ても他殺なのに…」


幹部「ひょっとすると陸の警察は教団が絡んでいると知っていたかもしれないね」


提督「教団を相手にしたくなかったから、提督の死に不審は無いと結論付けた」


龍驤「街への影響を考えるとその選択肢はあった。けどそれじゃあかんやろ」


漣「貴女達の派手な行動にはこの事件を知ってくれという意図もあったんですね」


幼女提督「そうだよ…それなのにこのクソジジイは話を聞こうともしなかった!!」


幹部「…問題児だと決めつけてしまった先入観が邪魔をしたんだね」


幼女提督「難しい言葉を使って誤魔化すな!素直に頭も下げられないならここから消えろ!」


幹部「…すまない」


白雪「最初から全てを伝えることはできなかったのは分かってくれしましたか?下手に教団に知られると…」


提督「…事情は理解した」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「陸の警察を動かすには…やはりまるゆさんか」


龍驤「それしか無いやろうね」


幹部「教祖がいない教団の中心は、元信者ではなくて私利私欲が目的の奴らだろう」


響「あの村での事件で分かったけど、教祖への信仰心は信心深さから来るものじゃない。一種の暗示なんだよ」


龍驤「由良が偽教団の情報を持って帰ってきてくれたら…全部終わると思うで」


白雪「司令官…」


幼女提督「喜ぶのは全部に片がついてからだ。ここで話してることも全て仮定の話だ」


幹部「確認しておくが偽教団の件が解決すれば、君はあの鎮守府から去るんだね?」


幼女提督「約束は守る」


幹部「それを聞いて安心したよ」

ーー


「……久しぶり…という言葉で歓迎しよう……」


由良「…」


「其方は……欲していた情報を手に入れた……我は関係ないはず……」


由良「貴方の紛い物が居る」


「それは……我には関係ない……」


由良「関係ある」


「欲深い……人間の罪……」


由良「私が終わらせる」


「なぜ故に……」


由良「取り引きよ」


由良「私の体を、元に戻して」


「おお……」


由良「元の艦娘の体に」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

「求めよ、されば与えられん」


由良「…」


由良「……」


由良「………」


由良「私に…忍に神に祈れというの」


由良「それがどれだけ屈辱か…」


「我は……神ではない……」


(カミサマならここにいるけど)


由良「…」


由良「……」


由良「………」スッ


由良「主よ……」


由良「天(ここ)にまします我らの父よ……」


「……」

ーー


龍驤「由良から連絡があって偽教団のことはまるゆさんに伝えたって」


提督「そうか、なら後は任せて大丈夫だろう」


龍驤「陸の警察もまるゆさんの関連の…あきつ丸さんか。そこが動くって言うてたで」


提督「これで事件が終われば幼女提督も納得するだろう」


龍驤「それにしても子どもやのにあの性格…最近の子は凄いわ」


提督「あれは凄いという次元じゃない…」


龍驤「あ…それと由良は暫くこっちに帰れへんって言うてたわ。多分忍者提督の所にでも寄るんと違うかな」


提督「向こうには川内が居る…久しぶりに会いたいな」


龍驤「そうやね、次に由良から連絡が来たら川内を連れてこられへんか聞いとくわ」


提督(なにか違和感があるが…気のせいだろう。問題は解決しそうでなにも不安は無いからな)


ーー

今日はここまでです

ーー横須賀鎮守府


あきつ丸「例の教団を名乗る集団は想像通り、教祖の威光を使ったものでした」


あきつ丸「提督の死が殺人として扱われなかったのは…お恥ずかしながら警察が買収されていたんです」


あきつ丸「由良殿の情報を元に偽教団の一味は捕まえました。全容の解明はもうすぐだとお約束できます」


あきつ丸「まるゆ警部補も頑張ってくれました。警察が買収されていたという汚点を、隠すことなく資料を全て公開したんです」


あきつ丸「また上からは睨まれますが…彼女だからこそできたのだと思います」


龍驤「事件が解決しそうなんやったら良かった、けど…」


あきつ丸「はい、お気づきかと思いますが由良さんについてです。こちらで分かっていることは全てお話しします」

あきつ丸「由良殿は現在行方不明です。忍者提督のもとに帰られたのかと思いましたがそうではありません」


あきつ丸「なにか依頼を受けている可能性はありますが、こんなに連絡が取れなかったのは初めてであります」


提督「…思い当たる節はないんですか?」


あきつ丸「全く…」


龍驤「由良のことやから平気やとは思うけど…」


あきつ丸「由良殿には何度もお世話になっています、もう少し話していたいのですが…なにやら催し物をされているようで?」


龍驤「響が解体するから…それのお別れ会をやる所なんよ」


あきつ丸「成る程、ではまた改めて訪れます。楽しい時間を邪魔するわけにはいきませんから」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


「なにが……不満なのだ……」


由良「不満じゃない」


由良「…理解できないだけ」


「元の姿を……望んだのは……其方……」


由良「…」


「これは……其方への感謝……我を騙る……罪人を……裁く為……」


由良「…」


由良「感謝はしてる」


由良「でもお礼は言わない」


「其方は……救われた……」


由良「煩い…」

由良「私の前に現れた理由は分かった」


由良「貴方はどこに向かうの」


「答えは……時代が決める……」


由良「時代」


「我は……去る……」


由良「私達の敵になるの」


「我には……分からない……決めるのは……我ではない……」


由良「…」


「戯れも……悪くなかった……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


響「私が行かないといけないんだ!」


電「響ちゃん落ち着くのです!」


雷「そうよ、響は関係ないでしょ?」


響「違う…あんなことを言ったから……私のせいで由良さんが帰ってこないんだ!」


暁「そうだとしても響が行っても意味は無いわ。今は信じて待つしか無いのよ」


響「由良さん……私のせいで…」


提督「響のせいじゃない。由良は何度も危ない目に遭っているが死ぬことはなかった」


龍驤「引き際も分かってるはずやから絶対大丈夫や。せやから由良を信じよ?」


響「嫌だ……私のせいで帰ってこないのに…」

シュバッ


龍驤「な、なんや!?」


由良「…」


提督「ゆ……由良…?」


電「あ…!」


雷「由良さんが…元の姿に……」


暁「貴女は…由良さん?」


由良「ええ」


提督「どうして…なにがあったんだ?」


由良「…」


暁「由良さん、本当に貴女なのね?」


由良「そうよ」


暁「偽物でも傀儡でも無い?」


由良「ええ」


暁「そう…何かがあって戻ったのね」

由良「響」


響「なに…」


由良「…」バシッ


響「ぅ…」


由良「忍が依頼を受ける時は死も覚悟する」


由良「仕事から帰らないくらいで狼狽えないで」


響「……」


由良「貴女の依頼は受けなかった。けど願いは叶えてきた」


由良「これは私の意志。こんなことで騒がないで」


由良「忍びは便利屋でもないのよ」


響「…ごめんなさい」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

由良「どんな時でも感情的にならないで」


由良「冷静に物事を見るのは必要」


由良「それが艦娘じゃなくても」


由良「貴女の進む道には必要なことよ」


響「…うん」


由良「…」スッ


響「大丈夫だよ、痛くないから」


由良「…そう」


響「由良さん…ありがとう」ギュッ

響「その優しさはうれしいよ…」


由良「…私も」


由良「心配してくれたのは嬉しかった」


響「仲間なんだから当然だよ」


由良「仲間…」


響「由良さんがどう思ってても私達は仲間だと思ってるから」


由良「…」


響「…さあ、由良さんも一緒に楽しもうよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

幼女提督「これで奴らも終わりだぁ!お前ら良くやったぞ!」
響「何でいるのかな……」
幼女提督「お礼くらい受け取っとけ!」

幼女提督「そうだそうだ!今日は騒ぐ日なんだろぉ!」


白雪「このスイーツ美味しいです!」


響「……なんでいるのかな」


幼女提督「アイツらを終わらせてくれたんだ、そのお礼を持ってきてやったんだよ!」


響「……」


幼女提督「遠慮なく受け取っとけ!」


響「一応聞くけど…どんなものを持ってきたんだい?」


白雪「ヴェールヌイさんのことを調べるついでにこの鎮守府も調べておきました。きっと喜んでもらえますよ」

提督「確かに有り難いものだったな」


響「本当かい?」


龍驤「ほんまやで。かすみに使えるようなもんを貰ったんよ」


幼女提督「私が最近まで使ってた物だからな、傷んではない」


白雪「ベビーカーやその他にも使えそうなものを持ってきました」


幼女提督「もう私は必要がないし倉庫の片付けにもなるしな!」


白雪「流石ですね幼女提督」


響「…不用品の処理じゃないか」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

幼女提督「あとこれはお前にだ」スッ


響「不用品は要らないよ」


幼女提督「よく見てみろ」


響「…これは!」


龍驤「ただのありふれたお菓子にしか見えへんで…?」


白雪「あれは廃墟になってしまったあの町で作られていたお菓子なんです」


響「これは司令官が大好きで……一体何処で見付けて来たんだい?」


幼女提督「別の地域に出荷されていたのをわざわざ探してきてやったんだ」


白雪「冷凍保存されていたので品質も問題ありません」


響「司令官……」

幼女提督「おい早く開けろよ」


響「……君も食べたいのかい」


幼女提督「当たり前だろ!」


響「分かったよ、でも私の…」


幼女提督「いただきぃっ!!」


白雪「お味はどうですか司令官?」


幼女提督「……うん、普通だな」


白雪「あ、テンションが下がっちゃいましたね」


幼女提督「私が期待し過ぎただけか…もしくはこんなものだったか」


響「うん……こんなものだよ」


幼女提督「なんだそうか、こんなもんか」


響「なんでもない…このお菓子を司令官と食べるのが……好きだったんだ…」ポロポロ


幼女提督「……」


響「うぅ、うぅぅ……司令官……司令官が居ないと…美味しくないよ…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

幼女提督「美味しく食べれるようにすりゃいいじゃねえかよ」


響「…」


幼女提督「ここには一緒に食べるやつが居るんじゃねぇのか?」


響「皆……」


電「電達はずっと響ちゃんの仲間なのです」


雷「離れていても心は繋がってるじゃない!」


暁「響の司令官とも…そうじゃないの?」


響「……そうだね」


幼女提督「……おい、ちょっと顔貸せ」


提督「……」

ーー


幼女提督「……」


提督「泣いている所を見られたくないだけなら、俺は必要無かっただろう」


幼女提督「うるせぇよ……!」


提督「……」


幼女提督「…私も色々と思い出したんだよ。お前には話がある」


幼女提督「私をあの鎮守府の提督として認めるよう、あの幹部を説得してくれ」


提督「無理だ」


幼女提督「無理じゃねぇ、横須賀鎮守府の提督が言えば説得力があるだろ?」


提督「……」


幼女提督「それによ、お前には特別なお土産をやっただろぉ……?」


提督「……」


幼女提督「秘書艦や他の奴には黙っててやる。それと交換条件だ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

幼女提督「ちなみにアイツらも同じ意見だ。艦娘側も望んでるんだぜ?」


提督「本当にか?」


幼女提督「…もっと勉強は必要だとは言ってたが、私が提督には賛成には変わりない」


提督「俺としては艦娘の要望には応えたいが、君の頼みは聞けない」


幼女提督「あぁん?」


提督「俺が君を提督にと薦めることはできないが、艦娘側がそれを望んでいるとは伝えられる」


幼女提督「結果が同じなら過程はどうだっていい。あの鎮守府は私の鎮守府なんだからな!」

提督「…そのゴリ押しを抑えられる指導役は必須だな」


幼女提督「チキン野郎が提督なんかできるはずねぇだろ」


提督「押すだけは馬鹿でもできる」


幼女提督「度胸の無さは死ななきゃ治らない」


提督「……俺は君個人の味方にはなれない。これも返しておく」スッ


幼女提督「無理すんなよ欲しくて堪んないんだろ?」


提督「そっちに上位に立たれなくない」


幼女提督「おいおいヒトケタ少女の下着だぞ?しかも使用済みのな」


提督「……」


幼女提督「お前の趣味は知ってる。特に初潮前の少女なんか最高だよな?」


提督「これは返す」


幼女提督「いいから取っとけ、個人的な礼だと思えばいい。まさか横須賀鎮守府の提督はお礼を突き返したりしないよな?」


提督「……」


幼女提督「ま、困った時は頼らせてもらうからな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

幼女センサーに反応あり
中枢棲姫現場(お別れ会会場)に急行する!

提督「…これだけは言っておく。君に提督としての能力が足りないなら最後にはどうなる?」


幼女提督「質問が抽象的過ぎる


提督「良くて君の鎮守府が全滅で済む。だが悪ければどうなる?」


幼女提督「……」


提督「そうだ、市民に犠牲が出るだろうな。君のせいで大勢の人間が死ぬんだぞ」


幼女提督「…それくらい分かってんだよ」


提督「分かっているのならそれでいい。生半可な気持ちでは提督はできないと知っておいて欲しかったんだ」

タタタッ


白雪「司令官、あの…」


幼女提督「今日の所はこれくらいにしといてやる」


提督「俺の言ったことは忘れないでくれよ」


幼女提督「…帰るぞ白雪」


白雪「はい……横須賀提督さん、ありがとうございました」


提督「…あぁ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

うるっせぇ奴だなぁ…おい白雪!うちで戦術組めそうな奴見繕っとけ!
そんな感じで帰ろうとしていると>>948

ーー


幼女提督「横須賀提督め……ジジイと同じこと言いやがって」


白雪「嬉しかったんですか?」


幼女提督「ば……お前何言ってんだ?」


白雪「だって顔が笑ってますよ」


幼女提督「う、うるせぇ奴だなぁ!おい白雪、うちで戦術組めそうな奴見繕っとけよ!」


白雪「はい、勿論です」


ドドドドド…


幼女提督「ん、なんだ?」


白雪「この鎮守府に住んでる深海棲艦みたいですね」


幼女提督「どこに向かってるかは知らないが私には関係ない。帰るぞ白雪」

ーー食堂


中枢棲姫「クソ、遅かったか!」


龍驤「あんた…欲望に忠実やなぁ」


中枢棲姫「10歳未満の少女はまだ楽しんだことは無い…クソ!!不覚…!」


響「一応主役は私なんだけどな」


中枢棲姫「ならお前で楽しませろ」


響「…私はロリなのかい?」


中枢棲姫「私は寛大だからな」


響「うん、遠慮しておくよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

中枢棲姫「ロリ…ロリが……」


電「あ、あの…白露ちゃん…」


白露「電って可愛いし意外とアリ…?」


雷「不純な気配を感じるわ!電を守らないと!」


白露「ふんふん…匂い的に処女じゃないしいいでしょ?」


暁「匂いで分かるとかおかしいわよ…」


響「……」


響(司令官もこれくらい騒がしかったよね。あれは私のことを気にかけてくれてたんだ)

『響ーー!町でこんなお菓子売ってたんだ、一緒に食おう!』


『響ぃ、もっと楽しそうにしてもいいんだぞ?』


『響…これを受け取って欲しい。そして…今日からお前はヴェールヌイだ』


響(ヴェールヌイ…私の名前。本当ならずっとこう呼ばれないといけないのに、私のワガママで響として扱ってもらった)


響(ここの司令官や皆んなには感謝し切れない……何度も私を救ってくれた)


響「……」モグモグ


響(司令官…このお菓子は皆んなと一緒に食べると美味しいんだね)


響(私を選んでくれてありがとう…司令官のことは絶対に忘れないから)


響(艦娘じゃ無くなっても、この気持ちはずっと…大切にするね)


ーー

ーーーー


ダダダダダッ!


龍驤「誰や全力で廊下を走ってきたのは」


S朝潮「…!!」


響「朝潮…?」


S朝潮「龍驤さん、私のことが分かりますか!?」


龍驤「分かるって、それは…」


S朝潮「私は自殺して整備士さんの手により傀儡として復活したんですよね!?」


龍驤「そんなこと…今更どうしたんよ?その通りやけど…」


響「龍驤さん、朝潮はまた不安定になったんじゃないかな」


龍驤「…かもしれんね。霞に薬が無いか聞いてくるわ」


S朝潮「八島さん……どうして…!!」ギリッ

ーーーー


三日月「これで良かったんですか?」


八島「あたしに口出ししないで」


三日月「……」


八島「あたしには感謝しかないはずだよ?棺の一つを埋めてあげたんだからさ」


三日月「それは…感謝しかありません」


八島「元は始まりの艦娘、名前がついて富士、そして残りカスになったお姉ちゃんでもそれなりに力は残ってるしね」


八島「これで殺された大鳳の代わりにはなるでしょ?あとは菊月達を棺に入れれば動力は確保できる」


三日月「はい、その通りです」


八島「…おい。カミサマであるあたしが協力してるんだ。動力が揃って本体が出来てない…そんなことになったらどうなる?」


三日月「…一刻も早く『八島』を完成させます」


八島「きひひひひ」


ーー

つづく

すいませんまたスレを建てられないので、どなたか建ててもらえないでしょうか?

ありがとうございます

このSSまとめへのコメント

1 :  MilitaryGirl   2022年04月21日 (木) 04:41:35   ID: S:cn-ZQt

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