【艦これ】龍驤「足りないもの、その後」その6【安価】 (975)

ーー


ザー……


「次はこっちの写真頼む」


「指紋の採取始めます」


「どう思います?怨恨による犯行ですか?」


「…艦娘の事情は分からん。もうすぐ自称専門家が来るからそいつに任せる」


キコキコ…


まるゆ「どうもどうも、もぐっと参りました」キイッ


「あぁ例の艦娘出身の警部ですか」


「警部補だよ。勝手に俺より昇進させてんじゃねぇ」


「警部補の時点でも負けますよ」


「なんだとこのヤロー!」

まるゆ「いやぁ酷い雨ですねぇ。自転車で来たんでずぶ濡れですよ」


「まるゆ警部補、現場はこちらです」


まるゆ「もぐもぐ~」


「…こんなのが本当に警部補なんですかね」


「噂じゃやり手らしいが…お手並拝見といくか」


まるゆ「……被害者は駆逐艦。それしか分かっていないと」


「悲鳴を聞いたという情報もありません」


まるゆ「成る程…それと大した証拠も出てきていない」


「この雨で全て流れてしまったようですね…」


まるゆ「犯行時には雨が降っていなかったんでしょうけど、ついてないですねぇ」


「なんで犯行時に雨が降ってないと言い切れる?」


まるゆ「これ、被害者の写真です。雨が降ってる時に出かける服装じゃないですよ」ピラッ


「艦娘は制服が基本なのでは?」


まるゆ「年中制服ってわけでもありません。雨が降っている時は靴下を変えたり、雨具を着る時もありますからね」

まるゆ「被害者の連絡先が分かればそれで良いんですが……ん?」


まるゆ「……」クンクン


まるゆ「成る程…」


「どうしました?」


まるゆ「この近くの鎮守府でちょっとした騒ぎがあったみたいですねぇ」


「そうだ、どうせまた深海棲艦がどうとか…」


まるゆ「違いますね。それをやったのは艦娘です」


「艦娘が鎮守府を襲う?どうして?」


まるゆ「雨で殆ど分かりませんが、微かに艤装の何か…艦載機、ボーキサイトの匂いがします」


「それで?」


まるゆ「補給…いえ、予備を欲しがったんでしょう。この近くに鎮守府があるのは知っていたのか……?」


「やっぱり専門家だけあってスムーズにいきますね」


「…これくらいやってもらわないと困るんだよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー某鎮守府


まるゆ「いやぁ今回は大変でしたね」


「ええ艦娘に被害が無かったのが幸いです」


まるゆ「被害があったのは倉庫だけですか?」


「はい、余剰燃料や弾薬を保管していた倉庫です」


まるゆ「ふぅん…」


「深海棲艦の仕業かと思ったんですが、どうもそうでは無さそうなんです」


まるゆ「そうでしょうねぇ」


「犯人は…」


まるゆ「ええ、間違いなく艦娘でしょう」

「一体なぜ我々の鎮守府を…」


まるゆ「それがですね、この鎮守府の近くで殺傷事件があったんです」


「殺傷…」


まるゆ「正確には被害者はまだ亡くなっていませんが、時間の問題でしょう」


「うちの鎮守府に関係のある艦娘が被害者なんですか?」


まるゆ「それはまだ何とも。私も被害者がうつ伏せで倒れている写真しか持ってないんですよ」


「そうなんですか…」


まるゆ「艦種は駆逐艦で、髪色から推測するに…綾波型の漣ではないかと」


「…それで、その事件と何か関係が?」


まるゆ「その駆逐艦を襲った犯人が、この鎮守府を襲った犯人である可能性が高いんです」


「…どういうことでしょうか?」

まるゆ「犯人と被害者は顔見知りでしょう。悲鳴が聞こえなかったのと、体の正面を刺されていたという事から推測できます」


まるゆ「人目のつかない場所に呼び出し犯行を行う。その後艦載機を使って索敵を行った」


「犯人は空母なんですね」


まるゆ「間違いありません、軽空母か空母に絞られます」


まるゆ「ここの鎮守府の存在を知った犯人は、予備の燃料や弾薬、ボーキサイトを手に入れた」


「…我々が狙われたのは偶然?」


まるゆ「はい、怨恨や個人的な感情は関係ないと言えますね」


「そうだったのか……」


まるゆ「それにしても犯人はなぜこんな事を…すぐにバレて捕まるのが目に見えているのに」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー病院


「先生!刺された艦娘の患者さんが意識を取り戻しました!」


「あの状況から…?艦娘は生命力が高いと言っても…」


「それだけじゃありません!意識を取り戻してすぐに病室を抜け出したんです!」


「なんだと!?」


「早く集中治療室に戻ってもらわないと彼女の命が…」


「分かっている!すぐに捕まえて治療を!」

ーー


提督『漣!!』


漣「はぁ…はぁ……」


提督『もういい!早く治療を受けてくれ!』


漣「龍驤さんは……本気で…死のうとしてるんです……」


提督『龍驤……』


漣「痛い…痛ぃ………」


提督『…分かった、分かったから早く治療を…』


漣「クソ痛ぇ……この程度で死なないのが……分かってやってるのが……ムカつく…」


漣「でも……そんなこと言ってる暇…無い……」


漣「ご主人様……龍驤さんを…止め…………」ズルッ


提督『…漣?どうしたんだ漣!』


漣「……」


提督『漣!返事をしてくれ漣!!』


「居たぞ!早く回収するんだ!」


「はい!」


漣(後は……頼み…ました……よ…)



下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣(いや、まだだ…もし提督が駄目だった時…私にもまだ役目がある…)


漣(ちょっと…聞こえてますよね…)


重巡棲姫(聞こえているし、漣が何をしようとしているのかも分かる)


漣(ならさっさとやって下さい。今すぐ傷を再生させるんですよ)


重巡棲姫(無理だ。そんな事をすればまた深海棲艦に近付く)


漣(そんなのいいですから早く)


重巡棲姫(絶対にやらないぞ)


漣(これは私の決意でもあるんですよ)

漣(あいつがただ死ねば提督は悲しみと絶望で潰れてしまいます。けど憎む相手が居ればそれは生きる気力になります)


重巡棲姫(何をするつもりだ)


漣(私があいつを殺します)


重巡棲姫(おい……)


漣(あいつは死を望み、提督は生きる力を得る。これが最善です)


重巡棲姫(…漣が手を汚せばあいつが悲しむぞ)


漣(潜水新棲姫は待てと言ったら永遠に待つんですよ。艦娘一人殺したくらいじゃ解体は無いでしょう)


重巡棲姫(本気か…)


漣(もうこれしか方法は残ってません)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

重巡棲姫(人を憎んで復讐に駆られた奴は誰もが悲しい結末になっている)


漣(…朝潮のことを言いたいんですか)


重巡棲姫(あれはもう生物として終わっている。それも全て復讐の結果だ)


重巡棲姫(仮に提督が生きる力を得たとしても、それは生き地獄だ。漣が恨まれるだけではなく、提督も狂わせる)


漣(提督は強い人です、狂ったりなんかしません)


重巡棲姫(…最悪あの提督に人殺しの因果を背負わせることになるぞ)


漣(……)


重巡棲姫(私達がやるべきことは、龍驤を死なせず提督を救うことだ)

重巡棲姫(諦めたらそこが終わりだ。私達や提督、その周りの奴らに待っているのは地獄だ)


漣(…言いたいことは分かりますよ。でもどうやって止めるんですか?)


漣(私を刺した時のあいつの目…見たでしょう?)


重巡棲姫(……)


漣(もうあれは完全にイってますよ。普通の方法ならもう無理です)


漣(貴女の力を借りたとしても勝てるかどうか…)


重巡棲姫(なら殺すことも…)


漣(不意を突けばなんとかなります。正面からならどうやっても無理ですよ)


漣(説得も無理、暴力でも無理となると…もう方法が無いんですよ)


重巡棲姫(それでも、やるしか無い)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

重巡棲姫(まずは少ない情報を整理するんだ。意識を失う直前に龍驤が言っていた言葉を思い出せ)


漣(門…鍵…世界の始まり……終わり…)


重巡棲姫(龍驤も扉の事は知っている。だが門とはなんだ?聞いたことが無いぞ)


漣(コソコソ読んでた聖書の影響なんじゃないですか。地獄の門なんか厨二っぽいですし)


重巡棲姫(あと……声が聞こえると言っていた)


漣(幻聴で説明がつきます。知ってますか?龍驤さんは精神病院に入院してたんですよ)


重巡棲姫(真面目にやるんだ)


漣(真面目に考えたら殺すしか選択肢が無いんですよ)


重巡棲姫(それは極端なんだ。そしてやってはいけない)

ガチャッ


まるゆ「漣さん…!!」


漣(まるゆ…警部補……?)


まるゆ「良かった…一命を取り留めたと聞いて安心しました。被害者の方がまさか漣さんだったなんて…」


漣(そうですよね…刺されて死にかけてるんですから…事件にもなりますよね…)


まるゆ「……貴女達に何があったんですか。こんな事件を起こして…」


漣(迷惑をかけて済みませんねぇ…)


まるゆ「龍驤さん……このままだとあの人は…」


重巡棲姫(…なんだ?)


まるゆ「殺人未遂に鎮守府を襲って資源を強盗……」


漣(は……?)


まるゆ「…場合によっては射殺許可が下ります。せめて…提督さん達の前ではやりたくありませんね…」


重巡棲姫(射殺だと……)


まるゆ「…また来ます。どうか早く良くなって下さいね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

漣(ああもう…!やっぱりゆっくり寝てる場合じゃねぇ……!)


漣(犯罪者として射殺なんて、私が殺すより酷いじゃないですか!これ以上何かをしでかす前に取っ捕まえるんですよ!)


重巡棲姫(……)


漣(今の私なら少しくらい深海に近付いたって問題ありません!だからお願いします!)


重巡棲姫(…何を言われても拒否をするつもりだった。だが事情が変わった)


重巡棲姫(漣の言う通りだ。他の誰かに殺されるなら漣がやった方が何倍もマシだ)


漣(ようやく分かってくれましたか…)


重巡棲姫(行くぞ漣。これは私達の問題なんだ、部外者にどうこう言われる筋合いは無い)


漣「えぇ……やって…やりますよ……!」


ーー

ーー


「保管庫が火事だ!」


「深海棲艦の仕業…!?」


「早く消化を!」


龍驤「……」


それで良いのよ


龍驤「この艦載機を使えば…足が付かない…」


自分の艦載機を使ってしまったらすぐにバレてしまうでしょ


龍驤「本当だ…流石は……」


もう少しでたどり着くわ


龍驤「やっと……終わる…終われる……」


地獄はすぐ目の前にあるの


龍驤「これで……全てが……」


ふふふふふ…


ーー

新スレでも宜しくお願いします


コメントなどあればお願いします

お疲れ様でした
もしもその声が幻聴でないならひとつだけ考えられる候補がある
それが>>1が想定しているものと同じかはわからないけどさてどうなるか…

よろしくお願いします
黙って見ている訳ないと思うがあの人こちらから介入させるべきなのか……タイミングはいつだ

龍驤がたまたま直接的に関わったから貧乏くじを引く形になったのかそれとも龍驤が関わったから逃げて轢かれる羽目になったのかで変わってくるかな

仮に龍驤が居なくても事故が起こっていた場合因果はその運転手に降りかかっていたのかも
そして当時周囲に居た人間や運転手も現在録でもない目に遭ってたり
誰も気付いていなかったらしいけどさすがにそれは不自然すぎるとは思ってた

ーー


提督「漣が病院から消えた!?」


朝霜「とても動ける状態じゃなかった漣が、病室から消えた」


皐月「重巡棲姫の力を借りたのなら分かるけど…」


雲龍「誰かが拐った可能性もあるわ」


潜水新棲姫「……」


提督「書き置きも何も無かったのか?」


朝霜「無かったらしいぜ」


潜水新棲姫「……」


雲龍「誰かが連れ去ったとして、その可能性があるのは…」


皐月「龍驤さん……」

朝霜「今の龍驤さんはハッキリ言っておかしい。漣を刺した上に二箇所も鎮守府を襲ってやがる」


雲龍「怪我人が出てないのが本当に救いよ」


皐月「まるゆさん言ってたね、このままだと龍驤さん……射殺許可が下りるって」


提督「……客観的に見てそれは正しい。目的も分からない艦娘が次々に鎮守府を襲っているんだ、次は街を襲うかもしれない」


朝霜「本気で言ってんのかよ司令!!」


提督「俺だってこんな事は言いたくない!」


雲龍「…とにかく私達に出来るのは龍驤さんを捕まえること」


皐月「もちろん漣の保護もね」


潜水新棲姫「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

漣には重巡棲姫が居る
拐われたという線は無いだろうと新棲姫
そして常に冷静な重巡が協力しているという事は事態はもう引き返せない所まで来ているのか?と思考する
私には戦う力は無い
出来るのは動いているであろう漣に代わり考える事だと今ある限られた情報を元に分析する

ーー


潜水新棲姫「漣には重巡棲姫が居る、拐われたという事は無いだろう」


潜水新棲姫「自分の意志で病院から出て行った。それだけなら良いが、このワタシにすら連絡が無かったんだ」


潜水新棲姫「漣は重症だった、重巡棲姫が協力しているのは間違い無い」


潜水新棲姫「それなのに連絡が無いという事は……もう引き返せない所まで来ているのか?」


潜水新棲姫「ワタシには戦う力は無い。巻き込みたくないから連絡を断ったとも考えられるが…」


潜水新棲姫「ワタシに出来るのは考える事だ。もっと情報を整理して考える必要がある」


潜水新棲姫「それしか無いんだ……」

ーー執務室


潜水新棲姫「……提督」


提督「どうした、何かあったのか?」


潜水新棲姫「漣の目的が……分かったかもしれない」


提督「漣は無事なのか!?」


潜水新棲姫「それは間違い無い。漣はやるべきことの為に病院を抜け出した」


提督「やるべきこと?」


潜水新棲姫「漣は……龍驤を…殺すつもりだ」


提督「……」


潜水新棲姫「漣の意識が無い時に重巡棲姫が聞いたんだ。龍驤が射殺されると。それを聞いた漣ならどんな行動を取るか分かるだろう?」


潜水新棲姫「陸の警察という部外者にやられるくらいなら自分が……」


提督「……」


潜水新棲姫「頼む……止めてくれ…ワタシの大切な人が…罪を背負う前に……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

いつか三人で買ったペンダントを握り締める提督
これまで色々あったが龍驤も漣もいつも身に付けていたのを提督は知っていた
そんな終わり方は俺が許さないと決意を新たにする

そして新棲姫と共に龍驤の居場所を割り出す作業を始める
駅ではなかった、なら何処だ?
何を見落としている?

提督「……これが何か分かるか?」スッ


潜水新棲姫「漣がいつも身につけていたペンダントか?」


提督「これは龍驤と漣、三人で買ったものだ。これまで色々あったが、龍驤も漣もいつも身に付けていたんだ」


潜水新棲姫「そんな大切な物だったのか…」


提督「これを買った時…どんな形であれ三人の関係、絆は続くと思っていた…いや、続くんだ」


提督「そんな終わり方は俺が許さない。絶対に二人を助ける!」


潜水新棲姫「提督……!」


提督「さぁ考えるんだ、俺達にはそれしかできない」


潜水新棲姫「そうだ、それで漣を救うんだ!」

提督「龍驤は例の駅には居なかった。なら何処に向かった?」


潜水新棲姫「何を見落としているんだ。龍驤に関することだけを考えてはいけない」


提督「……龍驤は鎮守府を襲ってはいるが怪我人は出ていない」


潜水新棲姫「襲うことが目的だった?」


提督「違う…それならもっと別の場所を選ぶ。保管庫のみを……」


潜水新棲姫「…提督、保管庫の中身は分からないのか?」


提督「まだ情報は無い。保管庫の中身はその鎮守府の機密扱いだからな」


潜水新棲姫「ワタシ達の鎮守府…前の鎮守府の方がいい。足りないもの鎮守府の時は保管庫に何を入れていた?」


提督「余剰燃料や装備……装備…?」


潜水新棲姫「龍驤は艦載機を奪っているんじゃ……」


提督「……あり得る。龍驤が持っている艦載機は横須賀鎮守府の艦載機だけだ。調べればすぐに分かってしまう…から…」


潜水新棲姫「…龍驤は何かを攻撃するつもりなのか?」


提督「……何か…一体何を……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

難しい…扉でも攻撃するのか?
安価下

Time null

The route is forcibly decided

ーー


漣「はぁ…はぁ……」


重巡棲姫(無理はするな漣。少しでもいいから休むんだ)


漣「なに…言ってんすか……」


重巡棲姫(龍驤がどこに向かっているか分からない今、無駄に動き回るのは得策では無い)


漣「分かるんですよ…あいつの向かう所は……」


重巡棲姫(分かるのか?)


漣「知らなかった…いえ……貴女のお陰で思い出したんですよ…」


重巡棲姫(思い出した…昔の記憶か)


漣「ご主人様を裏切って……組織に付いていた頃のね…」

ーー

龍驤「……」


良い子ね…ちゃんと言うことを聞いて…


龍驤「……」


そうよ…そのままあそこに向かうの…


龍驤「……」


そうすれば世界は…この世界は…私の…


龍驤「……」


ふふふふふ…


龍驤「……」


早く終わらせましょう……こんな世界…

この世界と似た世界を作る…考えは良かった…


龍驤「……」


でもそんな事をしても…本物にはなれない…


龍驤「……」


なら…考え方を変えればいい…


龍驤「……」


貴女なら…分かるでしょう…


龍驤「……」


貴方達も…分かるわよね……?


下2

ふふふ…


ふふふふふ……


あははははははははははは!!


そうよ分かるはずないわよ!


だってヒントも何も出してないんだもの!


問題が出てないのに答えなんか出せっこないわよぉ!


あはははははははははははははははははは!!

結局今の「その後」は偽物っていう事なのかな
逆に「足りないもの」が偽物という可能性も?

あとついでに声の主はもしかして「富士」だったものの成れの果てなのか
龍驤に干渉出来ないのは龍驤の因果があったせいなんだろうけど龍驤の中にも富士は居たはず
その因果によって主導してる富士とは切り離されて取り込まれ変容したとか考えてみたり

この世界は私のもの!私か望むことをする!


この世界を終わらせて私だけの世界を作る!


そうすれば私も……


八島「……」


あら…随分と遅かったわね


八島「…お前が


あはははははははははははは!!


八島「……」


何が八島よ!何が世界を滅ぼすよ!


ほら、今すぐ世界を滅ぼしてみなさい!!


八島「お


はははははははははははははははははははは!!

この描写(発言キャンセル)から今のやの字より上の権能を持ってるのは分かるんだが…

八島「……どうし


貴女には分からないわよ。神さま達が作り上げた貴女には


八島「……」


…貴女を見てるだけで妬ましくて吐き気がするわ


八島「…お姉


貴女を殺す


八島「……」


この世界諸共壊す


八島「……」


…そういえば貴女が持ってた人形があるわね


八島「……」


不錏、良い名前だと思うわ


ねぇ…この人形には下の名前があるの


当ててみない?


下2

不(ふ)錏(しころ、じころ)
なら死でふじごろしかな

錏=しころ、じころ
の読みがあった
不錏 「す」

安価>>68

富士が名前を返したのは失敗だったのかもなあ…そうしてまた別の不吉な名が生まれる事になった

あはは


その通り


こっちは簡単だったみたいね





不錏死


いい名前だと思わない?


文字にはその意味がある


もう…最高だったわ


八島「……」


死ね、八島


八島「……」


これで終わり。なんて簡単なのかしら

この後起こることを説明してあげる


龍驤は旧大本営地下にあった核地雷を炸裂させて世界は終わるの


いえ…終わらせたのよ


この私が


この私が


…ふふふ


因果を拡散させるのはいい考えだったわ


…参考にさせてもらうわね?


もう世界が終わるのに、次なんてあるのかしらね?


ふふふふふふふふ…

おしまいDEATH!

そんな事で終わるなんてずいぶん狭い世界ですねぇ富士さん?

>>76
終わらんやつやん!

貴方達の負け


私の勝ち


どう?貴方達に負けたあの愚妹に私は勝ったのよ


たかだか安価で作られただけのキャラクターに!


…認めたわね?


この私が負けるはず無いのよ!


私は……!!


…いけないいけない、勝ったんだから興奮する必要なんか無いのよね


さぁ…終わらせましょう


最後に…何かあるならどうぞ


下2

いいわ、そこまで戻してあげる


私は優しいから


でも忘れちゃいけないわ


貴方達は負、け、た、の、よ


この私に


あはははははははははははははははは!!


あははははははははははははははははははははは!!


あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは!!









ハッピーエンドなんかクソくらえ

提督「龍驤は例の駅には居なかった。なら何処に向かった?」


潜水新棲姫「何を見落としているんだ。龍驤に関することだけを考えてはいけない」


提督「……龍驤は鎮守府を襲ってはいるが怪我人は出ていない」


潜水新棲姫「襲うことが目的だった?」


提督「違う…それならもっと別の場所を選ぶ。保管庫のみを……」


潜水新棲姫「…提督、保管庫の中身は分からないのか?」


提督「まだ情報は無い。保管庫の中身はその鎮守府の機密扱いだからな」


潜水新棲姫「ワタシ達の鎮守府…前の鎮守府の方がいい。足りないもの鎮守府の時は保管庫に何を入れていた?」


提督「余剰燃料や装備……装備…?」


潜水新棲姫「龍驤は艦載機を奪っているんじゃ……」


提督「……あり得る。龍驤が持っている艦載機は横須賀鎮守府の艦載機だけだ。調べればすぐに分かってしまう…から…」


潜水新棲姫「…龍驤は何かを攻撃するつもりなのか?」


提督「……何か…一体何を……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

八島
貴女の名前は「芙蓉」!富士の別名!お願いお姉ちゃん!
それまでの黒ではなく真っ白な着物姿
龍驤の中の因果により変質してしまった富士だったものを止めに行く

ちょっとどうしたらいいのか頭が混乱してる

提督「扉……」


潜水新棲姫「理想郷への扉…か?」


提督「旧大本営に何かがあって……そこに扉が…そう聞いた覚えがある」


潜水新棲姫「それがどうしたんだ?」


提督「扉があったのなら門があっても不思議じゃないだろう?」


潜水新棲姫「…地獄への門」


提督「龍驤が艦載機を集めているのは…大本営に攻撃を仕掛けるつもりだからじゃないか?」


潜水新棲姫「それは無茶じゃないか、大本営には特務艦が何人も居るんだ。いくら龍驤でも勝てるはずがない」


提督「勝つ必要なんか無いんだ」

提督「龍驤は門を開ければそれで良いと思っている。最悪…自分が死んでも…」


潜水新棲姫「まだそうだと決めるのは早い」


提督「……」


潜水新棲姫「これ以上の推測は難しい。もっと情報を集めるしか無い」


提督「……そうか」


潜水新棲姫「大本営に何かあったとして龍驤が門の開け方を知ってるとは思えない」


潜水新棲姫「……何をするつもりなんだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

そのままだと通らんか…

同時刻に旧大本営でいつもの様に特務艦から逃げ隠れしていた綾波、地下への隠し階段を見つける
降りた先には厳重な門扉と放射能マークが

ーー大本営


深海綾波「ひぃ…ひぃ…っ!」


「こっちには居ないわ!」


「遠くには行ってないはずよ!」


「非常口に先回りして来ます!」


深海綾波「なんだよ…なんで毎日追いかけっこしなきゃいけねぇんだよぉ!」


(だから自業自得なんですよ)


深海綾波「生き残るにはこれしか無かったんだって言ってるだろぉ!!」


(はいはい)


深海綾波「クッソ…絶対逃げ切ってやる!一日くらい休ませろってんだよぉ!」ダダダッ


(諦めが悪いですね)

ーー


深海綾波「…あ!ここは武蔵がぶっ壊した部屋!」


(貴女のせいで壊れたんですよ)


深海綾波「うるせぇ!理由なんてどうでもいい!隠れられるなら…!」ゴトッ


(この瓦礫凄く重いですね)


深海綾波「下に隠れるのは危険か……」


(もしズレて下敷きになったら終わりです)


「こっちに人影が…?」


深海綾波「マズイ!!早く、早く隠れないと…」


(頑張って~)


深海綾波「あ~~もう!!なんとかなってくれ~!」ガチャガチャガチャガチャ


ガタン


(……あれ?)

深海綾波「…何か壊した?いや部屋が元々ぶっ壊れてたけど…」


(貴女が小さい瓦礫を放り投げてたら何かに当たって、何かが動きましたよ)


深海綾波「……なんだ?」


(音はあっちからしましたよ)


深海綾波「……」


(隠し階段ですね。かなり分厚い壁で仕切られてたみたいで、今まで誰も気付かなかってんでしょう)


「綾波さま~どこに行ったんですか~」


深海綾波「…とにかく一旦入るぞ。ここなら姿も隠せそうだ」

ーー大本営、地下


深海綾波「なんだよ…」


深海綾波「なんなんだよ…これ……」


ズゥゥン……


(見るからに分厚い壁、そしてあのマーク)


深海綾波「ここには…核があるのか……?」


(この壁の大きさから考えれば…)


深海綾波「冗談だよな…?こんな……」


(こんなのが爆発でもしたら、この国…世界の半分は吹き飛びます)


深海綾波「こんなのが…地下に……嘘だろ…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

「「「綾波さまーー!!」」」


深海綾波「来るな!!」


「こんな所に隠れても無駄です!私達は特務艦なんですよ!」


深海綾波「これ以上近付くな!!」


「いやぁ!ツンツンな綾波さまも素敵!」


「え……ちょっとあれ…」


深海綾波「幹部を…幹部達を呼べ!!これは…こんなものが…!」


漣「よく見つけましたね……」


「誰!?」


「あれは…」


深海綾波「レ級様の所の…お前も近付くな!!」


漣「これを知ってるのは……今となっては……漣だけでしょうね」


深海綾波「お前……知ってるのか…」

漣「この中には……核があります……」


「核ミサイルは全て処分したわよ!」


漣「違う……そんなものじゃない……」


深海綾波「…だろうな、地下にミサイルなんかおかしい。この上は普通に建物があるから発射はできない」


漣「ここにあるのは……地雷…」


「地雷?なら踏まなければいいんじゃないの」


漣「核地雷……なんですよ……」


「あり得ないわよ、こんな巨大な地雷があったとして、どうやって踏ませるのよ」


漣「これは……自爆用の……核…」


漣「全ての計画が……失敗した時に……これを……」


深海綾波「おいおい…!」

ズズズズズ…


「なに!?」


「地震…!?」


漣「来ましたね……」


深海綾波「なんだよ何が来たんだよ!」


漣「世界を……終わらせに……」


「…緊急通信!大本営が攻撃を受けてる!」


「深海棲艦!?」


「違う……攻撃してるのは…!」

ーー


不錏「凄いわ、こんな量の艦載機を同時に使えるなんて」


龍驤「……」


不錏「貴女ほどの練度の艦載機なら簡単には落とされない。いい目眩しになるわね」


龍驤「……」


不錏「やっぱり貴女は最高よ。仲間討ちに強盗、放火までしても因果が重くならない」


不錏「だってそうよね!貴女はもう地の底にいるんですもの!これ以上落ちることなんて無いわ!」


龍驤「……」


不錏「きひひひひひ!本当に最高の気分だわ!」


不錏「…今度は正々堂々と潰してやるわよ」


不錏「鏖」


ーー

続く


コメントなどあればお願いします

色々とコメントありがとうございます


今更ながら安価の難しさと、自分のやり方に問題があったことを痛感しています


難易度調整がミスってるクソゲーは誰もやりたくありませんよね


引き返せない所まで来ていますのでとりあえずはこのまま続けます。自分のやり方に問題はあっても龍驤の因果は消えていませんので


もう少しお付き合い下さい

ーー大本営


ズズズズズ…


幹部「深海棲艦の姿が見えない!?」


「どの索敵にも引っかかりません!」


「敵影も無し!」


幹部「じゃあ一体この攻撃はどうなっているんだい!?」


「深海棲艦の攻撃では無いのは確かです!」


「通常兵器でも無い……あの艦載機は…」


「艦娘の攻撃……?」


幹部「まさか…そんな事が……」


「…とにかく幹部さんは避難を!後は私達が対処します!」

幹部「武蔵君はどうしたんだ!?」


「姿が見えません…」


「肝心な時に居ないんだから!」


幹部「綾波君は!?」


「綾波さまはさっき見かけたんですけど…」


「もう迎撃に向かってるかもしれません!」


「数が多いだけで減らせばなんとかなります!特務艦を舐めないで下さい!」


幹部「勿論君達を信頼している。だがどうか無茶だけはしないでくれ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

八島
始めたか…あたしがあんな名前を着けたばっかりにこうなった
お姉ちゃんに本当に相応しい名前は…やっぱり「富士」
だけどそれはもう無理…
龍驤の中に居るのは不錏でありお姉ちゃんではない
だから改めて…「芙蓉」
富士の別名を…

ーー


八島「……とうとう始めたんだね」


八島「分かってる。あたしがあんな名前をつけたからこうなったんだ」


八島「お姉ちゃんに本当に相応しい名前は……だもそれはもう無理。富士という名前はあの存在の名前」


八島「龍驤の中に居るのはお姉ちゃんじゃない」


八島「不錏という別の存在なんだ」


八島「だから改めてあたしが名前を付ける。芙蓉…」


八島「あいつはもう…不錏じゃない」

無駄よ


八島「……」


名前の上書きはいい考えよ。でも…遅かったわね


八島「……」


龍驤の中に居るモノはもうどうにもならない


もう私ですらないかも知れないわね


八島「…お前の目的は」


私は最初からずっと同じ目的の為に動いてるわ


艦娘を幸せにするの


八島「違うでしょ。艦娘『だけ』を幸せにするんでしょ」


あら、よく分かってるじゃない

貴女は邪魔しちゃダメ。大人しくお留守してなさい


八島「大人しく聞くと思う?」


あら…貴女の大切なあの子はどこに行ったのかしら?


八島「お前ぇぇ!!」


違うわよ私じゃない。私は『芙蓉』なんでしょ?


八島「朝ちゃんをどこにやった!」


知らないわよ。いえ…忘れてしまったわ


八島「許さない…絶対に許さない!」


勝手に言ってなさい


龍驤も救うにはこれしか無いのよ


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤も?死ぬ事が救いだっていうならお前はいったい今まで何を見てきたんだ
死のうとした漣を救ったり、艦娘の為に自分を犠牲にまでしようとした
あたしの知ってるお姉ちゃんは…富士はそんな馬鹿なやつだったんだ!と八島
なんであたしが芙蓉なんて考えたと思う?娘の幸せを願ってた富士だった時を忘れてほしくないから!

(八島さん)


八島「朝ちゃ…!!」


(そのまま。反応しないで下さい)


八島「……」


(八島…Y子さんから貰った力は、こんな姿になっても健在ですよ)


八島(無事なんだね朝ちゃん!)


敷島(今は敷島です。そうでなければこんなことはできません)


八島(良かった…朝ちゃんが居ないとあたし……)


敷島(八島さん。もう少し時間を稼いで下さい)

敷島(黒幕をどうにかできる次元に引きずり込みます)


八島(できるの?)


敷島(少し時間がかかります。だから時間を稼いで欲しいんです)



八島(…分かった)


敷島(なんとしてでも龍驤さんを止めて下さい)



八島(最悪……殺してでも…)


敷島(そんなことをすれば世界は終わります。あれだけの業が地獄にいけばどうなるか分かりますよね?)


八島(……)

八島「……お前は許さないから」スッ


行ったのね…やっぱり脅しは効かないみたいね


龍驤を救って何になるのかしら。あんな因果を持ったまま生き続けるなんて、核より恐ろしいわ


彼女は地獄に行くべきよ


普通の地獄じゃない、自分で門を開いてそこに入っていくの


彼女の魂は世界が滅んでも苦しみ続ける


それが彼女の為


それが艦娘の為


人間がどれだけ死んでも構わない


だって私は


始まりの艦娘だもの


下2 この後の展開やその他起こったことなど

お前はいったい今まで何を見てきたんだ…今まで何を見てきたんだ!
死のうとした漣を救ったり、艦娘の為に自分を犠牲にまでしようとした
あたしの知ってるお姉ちゃんは…富士はそんな馬鹿なやつだったんだ!と八島
なんであたしが芙蓉なんて考えたと思う?娘の幸せを願ってた富士だった時を忘れてほしくないから!
そんな切り捨てる事を当たり前みたいに言ったりしなかった!

芙蓉?不錏?の話し声が聞こえた龍驤

そう……私は地獄に行かなきゃいけない
こんな私を生かすなんて間違ってる
でも、私が死んでも艦娘しか助からないのか……
艦娘だけ…………艦娘……


司令官……


ーー


龍驤(燃える、燃えてる)


不錏「いいわ、そのまま進んで」


龍驤(このまま)


不錏「そう。大本営の地下に向かうの」


龍驤(あの子達は)


不錏「気にしなくて大丈夫。貴女にはやるべきことがあるでしょ」


龍驤(そう……私は地獄に行かなきゃいけない…こんな私を生かすなんて…間違ってる…)


不錏「貴女は生きていい存在じゃない。今すぐ死なないといけないの」

龍驤(私が死んだらどうなるの)


不錏「艦娘に相応しい世界になるわ」


龍驤(人間は?)


不錏「艦娘に必要の無い存在は要らないの」


龍驤(艦娘しか助からない…)


不錏「それがどんなに素晴らしい事か分かっていないだけよ」


龍驤(艦娘だけ………艦娘………)


龍驤


龍驤(司令官…………?)

龍驤(司令官……司令官…………?)


不錏「何を言ってるの。人間のことなんかどうでもいいでしょれ


龍驤(どうでもいい……?司令官が…………?)


不錏「…早く地下行くわよ」


龍驤(私…ウチ……?何を…なにが……?)


龍驤(大切な……ウチの事を…待ってる……?)


不錏「……門は目の前なのよ。邪魔なんかさせないわ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤が迷いを見せその動きが停滞する
その間にも八島の説得と時間稼ぎは続いている>>140

龍驤(どうでもいい……アホ……アホか………!司令官がどうでもいいわけあるか……!)


不錏「チッ…」


龍驤(司令官を死なせるわけないやろがぁ!お前なに考えてんねん!)


不錏「貴女が目覚めなければ面倒なことにならなかったのに」


龍驤(なにがや!)


不錏「はぁ…もういいわ。勝手に吠えてなさい」


龍驤(おい無視すんな……あ…?)


龍驤(ウチの体が…勝手に動いてる……?)


不錏「この体はもう私のものなのよ」


龍驤(意味が…分からん……)


不錏「言葉の通りよ、罪人さん」

不錏「貴女の体は私が操ってる…乗っ取ったと言った方がいいかしら?」


龍驤(お前…!)


不錏「本当に上手くいって良かったわ」


不錏「……」


不錏「こっちもそうよ」


不錏「貴方達も不思議に思わなかったはず」


不錏「そうよね」


不錏「貴方達は『私』なのか創造者なのか」


不錏「たった12文字で判断してるだけだもの」


不錏「騙されてくれて本当にありがとう」

不錏「ふふふ…」


不錏「あの子達がどんな時間稼ぎをするのか」


不錏「どんな手を使ってくるのか」


不錏「楽しみで仕方ないわ」


不錏「…きひひひひ」


不錏「さぁ、来るなら来てみなさい」


不錏「私こそが神」


不錏「あんな出来損ないとは違う」


不錏死「私は新世界の神になるのよ!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

>>140を経て
芙蓉は葛藤し始める
今ならまだ…だけど私は…
艦娘だけじゃない、皆が笑える世界が見たくないのか!と八島の一喝
そうすると黒ではなく白い着物姿がぼんやり現れ始める
お姉ちゃん…あたし達の所に帰ってきてよ…と懇願する

ピタッ


不錏「な……に…?」


龍驤(カミサマが何や……因果が何なんや……!」


不錏「たかがキャラクターが私に逆らうっていうの?」


龍驤(想いは力になる……!」


不錏「まさか絆なんて安い言葉でも使うつもり?」


龍驤(ウチを…ウチの司令官を思う気持ちを……舐めるな……!」


不錏「不快ね……貴女はもう眠ってなさい」


龍驤「……」


不錏「……」


不錏「どうして…!?」


龍驤「これはウチの体や…!」

不錏「あり得ない、この私が……そんな設定は無い!」


龍驤「お前はもう…黙れ……!」


不錏「……因果!?」


不錏「龍驤の罪が……因果が……強さに…?」


龍驤「ウチは…どんな女か知っとるやろ……」


龍驤「司令官の為やったら……ウチの罪も…利用したる…
!」


不錏「どこまで……愚かなの…!!」


龍驤「黙れ……!」

ーー

もうすぐ終わる。この世界も、何もかも


これが私の望んだ世界。艦娘が幸せになる…


……


八島「艦娘だけでいいの」


…早かったわね


八島「皆が笑える世界が見たくないの?」


そんな世界は望まれてない


八島「……今まで何を見てきたんだ!!」


八島「お姉ちゃんは漣を助けたり、自分を犠牲にして艦娘を助けようとしたり、そんな馬鹿な愚姉だったんだよ!」


昔の話よ


八島「この……!」

八島「…なんであたしが芙蓉なんて考えたと思う?」


さあ


八島「娘の幸せを願ってた『富士』だった時を忘れてほしくないからだよ!お姉ちゃんならそんな切り捨てる事は当たり前じゃなかった!」


全ては救えないのよ


八島「お姉ちゃん……あたし達の所に帰ってきてよ……!」


……


八島「こんな結末…嫌だよ……」


貴女が言うの


八島「あたしはアレじゃない!それに朝ちゃんのお陰で大切なことに気付けた!」


……


八島「お姉ちゃん!!」


コンマ判定


奇数   ×
偶数   ×
ゾロ目 ×××××

なんだと…




させない

八島「…なんであたしが芙蓉なんて考えたと思う?」


さあ


八島「娘の幸せを願ってた『富士』だった時を忘れてほしくないからだよ!お姉ちゃんならそんな切り捨てる事は当たり前じゃなかった!」


全ては救えないのよ


八島「お姉ちゃん……あたし達の所に帰ってきてよ……!」


……


八島「こんな結末…嫌だよ……」


貴女が言うの


八島「あたしはアレじゃない!それに朝ちゃんのお陰で大切なことに気付けた!」


……


八島「お姉ちゃん!!」


下2 コンマ判定


奇数   ○
偶数   ○
ゾロ目  ×

ゆけ

頼む…!

>>162
ごめん、助かったわ

……芙蓉


『富士』としてでは無く…芙蓉として……


八島「お姉ちゃんには変わりないんだよ!」


……


元々の貴女は酷かった。自分の存在を勘違いした挙句、好き勝手に暴れていった


こうなっているのもそう。あの子の影響


でもあの子は消えて貴女(Y子)が八島となった


貴女は自分に勝ったのね


八島「…ううん、勝ってなんかないよ。自分の運命とまだ戦ってすらない」


八島「でも決めたんだよ。私は戦うって」


…そう。貴女は強いのね


八島「強くなんかない。大事な女の子一人守れなかったんだもん」

私は始まりの艦娘


全ての艦娘の幸福を願う存在


でも…


芙蓉は違う


艦娘ですら無い


八島「あたしが居るよ」


……


そうね


妹ばかりに重荷を押し付けるのは違うわよね


八島「お姉ちゃん……!」


芙蓉「私はもう貴女の姉では無いわ」


八島「違う!誰が何と言おうとお姉ちゃんなんだよ!」


芙蓉「そう言ってくれて嬉しいわ」


八島「…さぁ」


芙蓉「行きましょうか」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

お姉ちゃんはああ行ったけど、あの子……八島は消えてなんかいない

あたしはアイツが嫌いだった
高飛車で、カミサマ気取ってめちゃくちゃやって、名前の宿命から逃げてばかりで
自分自身の弱さを見ているようで嫌だった

でも、あたしはアイツと一緒になったんだ
あたしはアイツ、アイツはあたし。時折言葉出てくるし
誰も彼もみんな、お姉ちゃんも八島も、みんなでハッピーエンドを掴みたいんだ

芙蓉
不錏死はふじをころすもの
今の「ふじ」は誰か
龍驤が死んでしまえば次に狙われるのはあの子よ
そうなればあの子の力は奪われ…破壊の神が生まれるでしょう

止めないとね…と八島も頷くと敷島から思念
準備は出来ました
不錏を龍驤さんから引き剥がします、力を貸してくださいと

あ…これも連取りか…安価下で

芙蓉 「不錏死」


芙蓉「ふじをころすもの」


八島「今の富士はあの子…」


芙蓉「龍驤の次はあの子をやるつもりね」


八島「…次があるの?龍驤が門を開いた時点でこの世界は……」


芙蓉「あの子なら生き残るわ。なぜならそういう存在だからよ」


八島「……」

芙蓉「あの子が殺されるだけならまだいい。不錏は力を奪うつもりでしょう」


八島「本当にあいつの世界になっちゃう…」


芙蓉「貴女も使われるでしょうね。貴女の因果もまだ切れていない、貴女は世界を滅ぼすのよ」


八島「…絶対に止めないと」


敷島(準備は出来ました)


八島「朝ちゃん!」


敷島(不錏を龍驤さんから引き剥がしましょう)


芙蓉「手伝ってくれるわね?」


八島「当たり前だよ!」


芙蓉「…決着よ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤と不錏で思念のせめぎ合いが続く
攻撃が止んで一気に攻勢をかけようとする特務艦
龍驤の動きから見えない何かと闘っていると気づいた漣
殺さずに包囲までに留めさせる

ーー


ペタ…ギッ…ペタ…ギッ…


龍驤「ウチは……ただの艦娘や……」


龍驤「いや…ただの艦娘や無い…クズで…自分勝手な……最低な…艦娘や……」


龍驤「自分のせいで……人殺しになって……こんな体になって……罪を背負って……」


龍驤「挙句……こんなこと…やらされそうに……」


不錏(どうして!どうしてよぉ!!なんでこんな奴に私が負けるの!!)


龍驤「アホか……ウチがどれだけクズでも……司令官を想う気持ちは……誰にも負けへんねん……」


不錏(もう少し!!あの扉の先に入れば私の勝ちなのに!!)


龍驤「残念やったなぁ……」

「あの艦娘…もの凄く鈍く動いてる…?」


「よ、よく分からないけど今ならアイツを!」


漣「待って下さい……」


「どうして!?アイツが大本営を襲った犯人でしょ!?」


「堕とした艦載機から照合できた!各地の鎮守府を襲ってたのもアイツだ!」


「どけ!あんなテロリストは生かしておけない!」


漣「いいから…!黙って見てろってんですよ……!」


「仕方ない、こうなったら力ずくで!」

武蔵「待て」


「武蔵!今更現れて何のつもり!?」


武蔵「龍驤の所に行くのはこの私を倒してからにしろ」


「何よ…!」


「待って、人数では勝ってる。いくら武蔵でもこの人数の特務艦相手は!」


武蔵「ふ……」


「何がおかしいのよ!」


武蔵「来い、たまには本気を出してみろ」


ドガガガガガガガッ


「なに!?何の音!?」


深海綾波「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」


「綾波さま…!?その装備は!?」


「亜也虎!!」

「綾波さまどうして!?そんな物まで使って武蔵につくんですか!?」


深海綾波「うるせぇーーー!」ガガガガッ


「きゃっ!!」


「綾波さま…本気で……」


深海綾波「こっちだって訳わかんねぇんだよ…!武蔵がいきなり!」


武蔵「私がどうした?」


深海綾波「チクショーーー!これで大本営とおさらばかよ!!お前ら!龍驤から離れろぉーー!」ガガガガガッ


漣「龍驤さん……頑張って…下さい……ね…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

そして敷島、八島、芙蓉によって不錏の引き剥がしが行われる

でもどうするの?あたし達で不錏を消す?と八島が聞くと私に考えがありますと敷島

私達がかつて居たあの世界…現世からは隔絶された三途の川に送るんです
あそこに残した鎮守府から世界を見て考えてほしいんです
世界を呪っていた私が変われたのは八島さんとふじさ…芙蓉さんが居たから…そしてあそこから世界を見て学んだから

>>178
八島「でも大丈夫?もしかしたら三途の先から怨念みんな連れてきてくるかもよ?」
敷島「その時はまた止めます……私たちなら、いや、そこから先は、これからの龍驤さん次第かもしれません。私がいなくなって、たくさんの人が悲しみました。どんなに酷くても、消えていい命なんてありませんから」

……


「なに…あれ……」


「光……?建物の中なのに…」


武蔵「そうか、我々は不要ということか。綾波、コイツらをつまみ出せ」


深海綾波「都合良くアームがあるんだよなぁ!!」キィィッ


「うっ!」ガシッ


「そんな…!」ガシッ


漣「……」


武蔵「お前もだ……む」


漣「…」


武蔵「既に意識が無かったか。その怪我で良くやったと言っておいてやるか」ガシッ


武蔵「…一つ貸しだぞ八島」

八島「あらら、簡単に引き剥がれちゃって拍子抜けだね」


芙蓉「もうこの人形にはほとんど力が無かったみたいね」


不錏「どうして……どうして……」


八島「でもさ、このまま放っておいたらマズイよね?」


芙蓉「また同じことが起きるでしょうね…」


八島「殺したら意味無いし…どうするのが良いんだろ」


敷島(私に考えがあります。私達がかつて居たあの世界…現世からは隔絶されたあっちの世界に送るんです)

八島「あそこには怨念や偏った感情が蠢いてる。早霜が死んだ時、どうなったか見たでしょ?」


敷島(あの時の家具、残してますよね)


八島「家具どころか鎮守府もそっくりそのまま残してきたよ」


敷島(彼女にはあそこから世界を見て考えて欲しいんです)


八島「朝ちゃん、いくらなんでもそれは無理だよ。顰蹙を買った上に朝ちゃんをあんな姿にしたアイツは許せない」


敷島(世界を呪っていた私は変われました。あそこから世界を見て学んだんです)


八島「……」


敷島(もちろん八島さんのお陰もあります。けど世界を見れたのは凄く大きかったです)


芙蓉「ふふふ…決まりね?」


八島「納得いかないけど……朝ちゃんがそう言うなら…」


敷島(ありがとうございます)

八島「…アイツの事はそれでいい。最後に龍驤」


龍驤「」


芙蓉「これは……」


敷島(どうしたんですか?)


芙蓉「龍驤の因果が…消えている……いえ、一億殺しは簡単には消えない。相殺されたのよ」


八島「……相殺されたということは一億以上を助けたから」


敷島(あの壁の向こうにある悪意、それを解き放つことを阻止したから?)


芙蓉「あの兵器は本物だった……起動すれば…世界は……」


八島「はぁぁ……ブラフじゃなかったのか…」

芙蓉「どれくらいの数かは分からない。けど一億は遥かに上回る数を救った」


八島「そりゃあ因果も消えるよね」


敷島(良かった…龍驤さん……)


芙蓉「…もうこれで充分よね」


八島「そうだね。あたし達の出番は終わりかな」


敷島(後はお任せしましょう)


八島「じゃ、後は宜しく~」















八島「今度また、あたしと遊ぼうね」


八島「きひひひひひひひひひひひひひひ!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー後日


漣「……!」ガバッ


潜水新棲姫「…起きたか」


漣「龍……!地下………!」


潜水新棲姫「もういい」


潜水新棲姫「終わったんだ」


潜水新棲姫「全部…終わったんだ」


漣「あ…あぁ…」


漣「あぁぁぁぁぁぁ…」


漣「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!」


潜水新棲姫「…よしよし」

漣「生きてる……貴女も……!」


潜水新棲姫「そうだ。ここがどこだか分かるな?」


漣「横須賀…鎮守府の……」


潜水新棲姫「……約束通り帰ってきてくれたな」ギュッ


漣「う…うぅぅぅぁぁぁぁ……!」


潜水新棲姫「…今は泣けばいい。話はいつでもできる」


漣「うぁぁぁぁぁ……!」


潜水新棲姫「…お帰り、漣」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

全部…全部思い出したんです
それはもう全部…と訥々と語る漣
うん、うん…と優しく話を聞く新棲姫

大本営地下の兵器騒ぎやら、爆撃事件やら、大本営の移設やらでてんやわんやの幹部とか特務艦とか綾波とか

鎮守府襲撃、艦載機、燃料等の窃盗、爆撃事件の張本人のため、龍驤は大本営により拘束
ただし病人のため、もともとの隔離施設に戻して事情聴取、特段の物理的拘束は無しとする

ーー


潜水新棲姫「……整理できたか?」


漣「情報量が多くて…もう一回お願いできますか?」


潜水新棲姫「分かった。一番大きいかったのは大本営の移設だ。大本営の地下に核兵器が隠されていたのが発見された。旧大本営時代のものだろう」


潜水新棲姫「幹部はかなり大変そうだった。漣が寝ていた間寝てなかったんじゃないか」


漣「凄いですね…」


潜水新棲姫「大本営が移設される関係で一部の特務艦がここに来ている。それから…」


ぎゃーーー助けてくれーーー!!


漣「…当然綾波さんも来ていると」


潜水新棲姫「綾波は核からこの国を救ったと担ぎ上げられている。ちょっとした英雄だな」


漣「あの綾波さんがねぇ……」

潜水新棲姫「それと龍驤だが……大本営で拘束されている」


漣「当たり前といえば当たり前…」


潜水新棲姫「鎮守府の襲撃、艦載機や燃料の窃盗、大本営の爆撃……普通なら解体されてもおかしくない」


漣「…どうなるんですかね」


潜水新棲姫「幹部が居る限り大丈夫なはずだ。事情聴取は隔離施設で行われて、物理的拘束の無しらしい」


漣「龍驤さんは悪くないんですよ……」


潜水新棲姫「それとこれとは話が別だ。龍驤がやったことには間違いないんだからな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー隔離施設  
 

幹部「今回君は旧大本営が秘匿していた兵器の存在を知ってしまい、いても立ってもいられず……ということだね?」


龍驤「幹部さん…」


幹部「攻撃目標が街や市民でなかったのは不幸中の幸いだね。もし一般市民に被害が出ていたらもう庇えなかったよ」


龍驤「…ありがとうございます」


幹部「無罪放免とはいかないが、解体なんて事にはならない。安心していればいい」


龍驤「……」


幹部「納得できないかい?」  


龍驤「こんなこと言うたら怒られるかもしれんけど…早く司令官に会いたい。ほんで……」


幹部「…すぐに会える、心配しなくていい」


龍驤「ウチ…今までのモヤモヤが消えて…なんか……」


龍驤「とにかく会いたい、司令官に会いたい…!」


ーー


ありがとうございました


コメントなどあればお願いします

ーー横須賀鎮守府


幹部「すまないね提督君」


提督「いえ、元々部屋も余っていましたし」


幹部「大本営の移設が決まったのはいいんだが急な話だったからね。仮の施設も何も無い状態だったんだ」


提督「事情は分かっています。大本営の地下にあんなものがあると分かった時点で移動するのが正しいですから」


幹部「本当に驚いたよ……」


提督「悲惨な事態にならなかったのが幸いです」


幹部「そうだね…一歩間違えればどうなっていたか」

幹部「…すまないが特務艦達は暫くこのまま面倒を見てもらうことになる」


提督「構いません」


幹部「仮の施設や新しい大本営の目処が付き次第、彼女達を回収する」


提督「分かりました」


幹部「…提督君も大変なのにすまない」


提督「自分は問題ありません」


幹部「無理は…するんじゃないよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


幹部「やれやれ…力になると言っておきながら、世話になっているのはいつもこっちとは情けない」


幹部「提督君はリーダーシップを取るタイプでは無い。だが頼み事は忠実に熟してくれる頼れる存在なんだ」


幹部「だからつい甘えてしまうんだが…上司が部下に頼っているようじゃまだまだか」


幹部「甘える……か。私も…」


駆逐棲姫「……」コソッ


レ級「いいのか?あのままだと帰っていくぞ」


駆逐棲姫「うう……」


レ級「オッサンの家にはもう何日も帰ってないんだろ?」


駆逐棲姫「だって…喧嘩して……」


レ級「アイツが悪いなら半殺し。でも今回のはクキが悪いんだろ?」


駆逐棲姫「ん……」

幹部「……?そこに居るのはクキ君かい?」


駆逐棲姫「あ……」


レ級「よく気付いたなオッサン」


幹部「妻の存在には…いや、本当の事を言うと義足の音が聞こえたんだ」


駆逐棲姫「ん……幹部…」


幹部「……クキ君」


駆逐棲姫「……」


幹部「…帰ろうか?」


駆逐棲姫「……」コクリ


幹部「よし、じゃあ二人で帰ろう」


駆逐棲姫「…ん」


レ級「オッサン」


幹部「レ級君にも迷惑をかけてしまったね」


レ級「クキを傷付けたらどうなるか分かってるだろうな」


幹部「もちろんさ、彼女は大切な妻だからね」


レ級「ふん……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


速吸「……」


早霜「貴女も随分分かりやすいわね」


速吸「何がですか」


早霜「特務艦達が大勢来たみたいだけど、その中に貴女のお気に入りが居たのね」


速吸「良く分かりません」


早霜「残念ながら私には分かるのよ」


速吸「……」


早霜「私から離れられなくて残念ね」


速吸「これが仕事です」


早霜「そう…なら仕方ないわね」

深海綾波「上手く撒いたな…っと」ガチャッ


速吸「綾波さ…!」


早霜「……」


速吸「…綾波隊長、どうしたんですか」


深海綾波「まだ隊長じゃねぇ!!これ以上出世させるな!」


早霜「それは無理なんじゃないの。貴女は核から世界を救った英雄なんだもの」


深海綾波「なんで私が…!武蔵の奴が悪い!」


速吸「綾波さんが隊長になるのは当然です」


深海綾波「止めてくれって…私は穏やかに過ごしたいんだよぉ…」

早霜「で、そんな英雄さんがどうして私の部屋に?」


深海綾波「あーそうだ、速吸に話がある」


速吸「二人だけで…!」


深海綾波「監視対象の早霜の様子とか聞いてこいって言われたんだよ」


速吸「…普段の様子等はレポートにまとめてあります」


深海綾波「じゃ、それをくれ」


速吸「いやでも…文章だけでなく言葉で説明もしたいんです」


深海綾波「え~文字で分かればいいって」


速吸「せっかくなので!ね、ね?」


深海綾波「ん~~そっちの方が早く済むっちゃ済むか…会話を録音すればこっちも報告書を書かなくていいし」


速吸「そうと決まれば早速イきましょう!」グイッ


深海綾波「はいはい…おいお前、一時的に監視が外れたからって余計なことすんなよ」


早霜「ええ、大人しくしているわ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーーレクリエーションルーム


深海綾波「早霜は目立った奇行は無し。発作も起こっていないってことだな」


速吸「お"っ!ぉっ…!」


深海綾波「だけどまぁ様子見は続けた方がいいだろ。そうした方が処理も面倒くさくないしな」


速吸「い……ィィィっ!!」


深海綾波「…はいよ、これで終わりっと」グイッ


速吸「お"ぉぉぉぉぉ……!!」


深海綾波「ふぃ~終わった終わった」


(随分と余裕ですね)


深海綾波「こんなこと余裕になりたくなかったけどな」


速吸「……」ピクピク


(白目剥いちゃってますよ)


深海綾波「やり過ぎぐらいでいいんだよ。一日に何回も来られると疲れるからな」

(早霜は放っておいていいんですか?)


深海綾波「下手なことをしたら即終了だ。そんな状況で動く馬鹿じゃねぇだろ」


深海綾波「それに発作も無いっていうなら放置でいい」


(理由があってのことなんですね)


深海綾波「…さて、また次の奴が来る前に逃げるか」


(ここは広いですから逃げ放題ですね)


深海綾波「鬼ごっこは疲れるし、ここに来て正解だな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


早霜「…困ったわねぇ」


早霜「速吸が居ないと何もできないじゃない」


早霜「彼女の監視があるから誰かと一緒に居れたし、食事もできた」


早霜「あの様子じゃ暫く帰って来なさそうよね…」


早霜「ふぅ……何をしていればいいのかしら」


早霜「困ったわねぇ……」

朝霜「よぉ早霜~」ガチャッ


早霜「ダメよ姉さん、貴女と二人だけで会うのは禁止されてるじゃない」


朝霜「あたいから会いに来るのは問題ないだろ?」


早霜「それもダメって言われたじゃない」


朝霜「やっぱそうか…」


早霜「私のことは気にしないで。姉さんはパパの所に行けばいいわ」


朝霜「早霜がパパって言うと違和感あるな…」


早霜「あら、ある意味私もそういう関係なのよ?」


朝霜「…まだ続いてたのか」


早霜「速吸立ち会いのもと…よ」


朝霜「……」


早霜「ふふふふふふ…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

早霜「もうあんな気持ちにはならないから…私にとってあんな行為を続ける意味は無いわ」


早霜「目的は…龍驤が居なくなって、更に霞ともできなくなった今…司令官の発散係になってたという所かしら」


朝霜「なんでそんなことする必要があるんだよ」


早霜「あんな私に根気よく付き合ってくれてたのよ?」


朝霜「嫌よ嫌よも好きのうちってヤツか?」


早霜「そんなのじゃないわよ」


朝霜「正直に言えよ、パパに惚れたとかそんなんだろ?」


早霜「あり得ないわよあんな男」


朝霜「即答かよ…」

深海綾波「お前ら、ほどほどにしとけよ」ガチャッ


朝霜「何の用だよ」


深海綾波「バーカ、お前がこの部屋に入って行くのが見えたからだよ」


早霜「速吸はどうしたのよ」


深海綾波「向こう側までイっちゃったってヤツだな」


朝霜「おい、早霜はどうするつもりだ」


深海綾波「丁度いいから私がここに居てやる。他の奴らは入って来ないだろうし、コイツの見張りもできる」


早霜「それはいいわね、私の話し相手もできるし」


深海綾波「だからお前はとっとと出て行け。ここはお前が本来来れないんだよ」


朝霜「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣「……」


重巡棲姫(全て思い出したのか)


漣「ええ…忘れてた方が良かった記憶も思い出してしまいましたよ」


重巡棲姫(老幹部についてもか)


漣「…ハッキリ言ってあの人のいうことは間違ってはいませんでしたよ。ただ行動が良く無かった」


重巡棲姫(周りの奴らがそうさせた)


漣「出資者とかいう奴らですよね…本当にロクでもない連中です」


重巡棲姫(そんな連中の仲間だったんだ。老幹部はやはり死ぬ運命だった)


漣「…はぁぁぁ……」

漣「あの時の漣がおかしかったのは認めますよ。アバズレに提督を奪われてもう全てがどうでも良かったんです」


重巡棲姫(裏切り、スパイ。全て提督達を殺すため)


漣「結局失敗して四肢切断。挙げ句の果てに出戻りですもん」


重巡棲姫(死ななかっただけ良い)


漣「…老幹部…教官としても優秀だったのに…」


漣「……お墓ってあるんですかね」


重巡棲姫(まず無いだろうな)


漣「…行きたかったなぁ」


重巡棲姫(行ってなにをする?)


漣「ただ…手を合わせるだけですよ。ただ……それだけ。供養しようなんて思ってません」


漣「…あんなのでも漣の恩人には変わりありませんから」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

重巡棲姫(今でも漣に思われているのは、アイツが根っからの悪人ではなかったのだろう…)


重巡棲姫(漣、老幹部との思い出の場所はあるか?)


漣「思い出……」


重巡棲姫(墓がないならそこでいい。手を合わせに行くのはどうだ?)


漣「…あんたにしては良いこと言いますね」


重巡棲姫(私はいつでも漣の味方だ)


漣「じゃあ勝手に私と入れ替わってご主人様とエッチするのやめて下さい」


重巡棲姫(…さあ行こうじゃないか)


漣「ほんとにもう……」

ーー書庫


潜水新棲姫「そうか、その場所に行くのか」


漣「老幹部が教官だった頃の訓練施設に行ってきます」


潜水新棲姫「ワタシはいい、一人で行ってくればいい」


漣「お気遣い感謝です…っと。貴女を連れて行ってもいいんですけど…うーん…」


潜水新棲姫「気にしないでいい。微妙な感情というやつだろう」


漣「場合によっては帰って来るのが遅くなります。ですから漣のことは待たなくて大丈夫ですよ」


潜水新棲姫「分かった」


漣「一区切りしたらご主人様のとこにでも遊びに行けばいいですよ~」


潜水新棲姫「……そうだな、久々に楽しむのもいいだろう」


漣「では行ってきます~」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー訓練所


漣「おかしいですねぇ…ここはもう廃墟のはずなんですけど」


五月雨「ここは俺達が使ってるんだよ」


漣「KAN-1…でしたか。艦娘の競技化団体」


五月雨「ここはホーム施設兼新人の訓練所だ」


漣「気が付かない内に人数も増えて…」


五月雨「頭数は揃った。大本営の方で目処が立ったら、こっちに協力するって約束も取り付けた」


漣「ようやくスタートってわけですね」


五月雨「あぁ…やっとだよ。本当ならとっくに動いてるはずだったのに、誰かさんが余計なことしやがるから」


漣「言っておきますけどね、漣は悪くありませんよ」


五月雨「仲間なら責任取れ」


漣「それは無茶ってヤツですよ……」

五月雨「どうやら戦いたくねぇって奴は艦娘にも居るみたいだな。競技ならってこっちに来るヤツが多い」


漣「そりゃそうですよ。漣達みたいに何の感情も無く引き金を引ける連中がおかしいんです」


五月雨「…予想に反して深海棲艦の数が増えてきてやがる。それでも俺達みたいな受け皿は必要だ」


漣「それはそう思います。ただプロとしてやっていくならスポンサーは必要ですよ」


五月雨「……相当な物好きを見つけてくる必要があるんだよ」


漣「一応そっちは大本営公認かもしれませんけど、お金の話は協力できませんからね」


五月雨「分かってるよ、こっちもお前らに頼む気なんてさらさら無ぇ」


漣「おほ~言いますねぇ」

漣「静かなお参りになるかと思ったら、随分と賑やかでしたな」


五月雨「あぁ?」


漣「寂れてるよりマシってことですよ」


五月雨「そうかよ」


漣「…今日はここに来て良かったです」


五月雨「用がねぇならとっとと帰れ。こっちも忙しいんだよ」


漣「はいはい、お邪魔しないうちに退散しますよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

漣「あ、帰る前に一ついいですか?」


五月雨「なんだよ」


漣「パッと目る限りでは施設に何も手を加えてませんよね?老幹部の部屋とかどうなってます?」


五月雨「あそこはどうにもできねぇ」


漣「できないというのは?」


五月雨「部屋にパスワードがかかってやがる。壊そうとしたが下手に壊すと建物に影響が出るらしい」


漣「訓練所は漣が居た頃からボロかったですもんね。そうなれば壊すのは無理ですな」


五月雨「…帰る前にそこに寄っていけ。うまくいけば開くかもしれねぇからな」


漣「番号なんて知りませんよ?」


五月雨「いいからやれ、話してやった礼くらいしろ」


漣「全く…分かりましたよ、漣は暇なので特別にやってあげますよ」

ーー


漣「ふんふん、典型的なヤツですな」


重巡棲姫(これならどうとでもできるんじゃないのか)


漣「…いや、厄介なヤツっぽいです。何桁の数字を入れるか分からないタイプみたいですな」


重巡棲姫(組み合わせは無限か)


漣「せめて何桁か分かればトライアンドエラーでどうとでもなるんですけどね~」


重巡棲姫(無理か)


漣「開けば面白かったんですけどね~っと」ピピピ


重巡棲姫(こうやって適当にやっても…)


ガコン


漣「……」


重巡棲姫(漣……?)


漣「明らか…開いた音しましたよね……」

重巡棲姫(どんな数字を入れたんだ?)


漣「私の……」


漣「漣が生まれた…作られた……生年月日を…」


重巡棲姫(…開いたのなら入るしかない)


漣「どうして…漣の……」


重巡棲姫(ひょっとすると何か見つけられるかもしれないぞ)


漣「ええ…何かが……あるかも…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


重巡棲姫(めぼしい物は無さそうか)


漣「考えてみればここに居た頃はまだ教官だったんです。そんな秘密の資料なんか出てきませんよ」


重巡棲姫(出てきたのはこの写真と…アルバムか)


漣「……提督だった頃の写真とか、色々ですね」ペラッ


重巡棲姫(これを見る限り、やはりアイツは優秀だったようだな)


漣「理想を追い詰める余り…ですか。よくある話といえばそれまでですけど…」


重巡棲姫(その写真はなんだ?随分小さい子を抱えている)


漣「……老幹部はお爺ちゃんだったんですよ。この小さいのは孫です」


重巡棲姫(孫…そうか息子の子ども。理解した)


漣「……え」


重巡棲姫(孫が成長した姿…漣とそっくりだな)

漣「…同じ漣と言っても個体差はあります。体型とか微妙な顔つきとかもそうです」


漣「私の体型はド貧乳で、少し顔がアホっぽいと言われたことがあるんですが……」


重巡棲姫(髪色以外、何から何までそっくりだな)


漣「教官として厳しくてもやけに漣には優しかった……こういう理由だったんですね」


重巡棲姫(…これ以上成長した孫の写真は無い。ということは…)


漣「このお孫さんはもう…この世には居ないんでしょう。だからこそ漣に優しかった」


重巡棲姫(逃げ出した漣を受け入れた理由も分かったな)


漣「…ですね」

「開かずの部屋が開いてる!?」


「ボス!あの部屋がーー!」


重巡棲姫(騒がしくなる前に帰るか?)


漣「…そうした方がいいかもしれませんね」


重巡棲姫(漣、この写真やアルバムはどうする?)


漣「五月雨さんに任せますよ。多分全て処分されるでしょう」


重巡棲姫(…そうか)


漣「でも…この一枚だけは貰っていきますね」スッ


漣「…優しかった時の貴方が居た事は、漣の中にしまっておきます」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー書庫


漣「待ってなくていいって言ったじゃないですか。ご主人様のとこに行かなかったんですか?」


潜水新棲姫「先客が居たんだ」


漣「あ、なるほど……」


潜水新棲姫「…行ってきて良かったみたいだな」


漣「分かりますか?」


潜水新棲姫「表情が違う。気持ちの整理というヤツができたんだろう」


漣「はい!もう物思いにふける漣ではなく、貴女だけの旦那の漣です!」


潜水新棲姫「ワタシがついて行かなくて良かっただろう」


漣「……はい」

潜水新棲姫「お互いに都合の悪い事を隠しているんじゃない。誰にだって触れて欲しくないものはある」


潜水新棲姫「それだけじゃない、自分だけが知っているからこそ意味のあることだってある」


漣「……」ギュッ


漣「出来すぎた嫁でこっちが困っちゃいます」


潜水新棲姫「なら存分に構ってくれ。提督と遊べなかった分モヤモヤしてるからな」


漣「そりゃあもうとことん愛してあげますよ!」


潜水新棲姫「…漣を選んで良かった」


漣「貴女が居てくれて良かった」


潜水新棲姫「……ん」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

潜水新棲姫「そういえば約束を覚えているか」


漣「……えっと」


潜水新棲姫「漣との子ども……作ると言っただろう……」ボソボソ


漣「……」ピクッ


潜水新棲姫「ぅ……凄い…大きくなってるぞ……抱きついてるだけなのにぃ…」


漣「…記憶が戻ったのと気になってた事が解決したからですかね」


潜水新棲姫「何がだぁ……」


漣「もうご主人様の模倣品じゃありません。貴女を孕ませるモノですよ!!」ガバッ


潜水新棲姫「そんな…強引な……ぁぁ…」

ーー


潜水新棲姫「…漣との子どもか」


漣「どんな子が生まれるんでしょうね?」


潜水新棲姫「……漣が特殊だからな」


漣「種としては艦娘の種なんでしょうけど」


潜水新棲姫「人間と深海棲艦の子どもは富士の例がある」


漣「あれは転生したからというか…例としては不適ですな」


潜水新棲姫「…本当にできるんだろうか」


漣「そんな心配する前にヤりまくりましょうよ!」


潜水新棲姫「…漣はそうでないとな」


漣「…では早速延長戦を!」ギュッ


潜水新棲姫「あ!そんな……まだ…余韻…ぁ……!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


朝霜「~~」


提督「…なぁ朝霜」


朝霜「なんだ~?」


提督「面会許可が下りたんだ。だから明日一緒に龍驤に会いに行くか?」


朝霜「行くに決まってんだろ!」


提督「…そうだよな」


朝霜「きっと暇してるんだろうし、あたい達が行ってやらねぇとな!」


提督「あぁ、きっと龍驤も喜ぶはずだ」


朝霜「…早く出てこれるといいのにな」


提督「……簡単にはいかないだろう」


朝霜「……」


提督「罪を犯したことには間違いないんだ…覚悟はしておかなければいけない」


ーー

今日はここまでです


コメントなどあればお願いします

ーー隔離施設


龍驤「わざわざ来てくれてありがとうな」


朝霜「龍驤さんに会えるなら来るに決まってるだろ」


提督「調子はどうだ?」


龍驤「問題無いよ。普通やったら退院できるくらいには安定してる」


朝霜「これから…どうなるんだろうな」


龍驤「怪我人が出てないとはいえ鎮守府、軍の施設を襲ったことには間違いない」


提督「それなりの罰は覚悟しておく必要があるな」


朝霜「……」

龍驤「幹部さんとも話したんやけど、横須賀鎮守府に迷惑がかからんようにはするわ」


朝霜「どういうことだよ…」


提督「龍驤個人への対応ということか」


龍驤「それもあるし、場合によってはウチが艦娘を止める」


朝霜「なんでだよ!」


龍驤「よく考えてみ、軍の施設を攻撃した奴が無罪なんかあり得るか?」


朝霜「……」


龍驤「大丈夫やで。塀の中に入るっていうても何十年もおるわけや無いと思う。数年くらい…キミは待っててくれるわな?」


提督「…あぁ。何十年だろうと待ち続けている」


龍驤「その言葉だけでウチは救われたよ。やっぱり司令官を選んで良かったわ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤「処遇は幹部さん……大本営次第やからじたばたしてもどうもなれへん」


龍驤「せやから…色々ゆっくり話してウチに教えてや?」


朝霜「龍驤さん……」


提督「…そうだな」


龍驤「前のウチやとウシウジして司令官にも迷惑かけてたやろうな。でもな、もうそんな事にはならへんよ」


提督「……」


龍驤「ウチが悪いことには変わりないんよ。やったことが分かってるから償うのもウチ」


龍驤「前を向けてるって言うんかな?罪を忘れるとは違うけど、後ろを向いてても意味が無いって分かったからね」

幹部「どうやらお揃いみたいだね」ガチャッ


提督「幹部さん…」


まるゆ「これから龍驤さんの取り調べになります」


朝霜「龍驤さんに乱暴なことでもしてみろ。殺すぞ」


まるゆ「一応入院ということになってますから強引なことはしませんよ」


幹部「入院中の患者に取り調べというのは滅多に無いんだがね…」


まるゆ「幹部さんがどうしてもと言うので逮捕はしていませんが、本来なら龍驤さんは逮捕されて当然です」


提督「龍驤は…」


まるゆ「ここからは私達の領域です。どうか…ご退室を」


提督「…朝霜、帰ろう」


朝霜「……覚えてろよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


まるゆ「改めて事情を聞くと、言い訳にしか聞こえませんね」


龍驤「そうやんなぁ…」


まるゆ「頭の中で悪魔が囁いた。それとほとんど同じですよ」


幹部「龍驤君は嘘は言っていない」


まるゆ「信じないとは言ってませんよ。かと言ってどうするかはまた別の問題です」


幹部「菊月君のように人知を超えるものがあるのは確かだ。だが超常的なその存在は責任までは取ってくれない」


まるゆ「龍驤さんは英雄扱いもされていましたよね?そこに活路はありませんか?」


幹部「難しいね…新しい英雄が生まれてしまったんだよ」


まるゆ「特務艦の綾波さん……でしたか?」


幹部「世の中は新しいものを求める。綾波君がこの国を救ったのも事実というのもあるね」

幹部「悪いことに綾波君が亜也虎を使っている動画が流出したんだ」


まるゆ「…私も見ました」


幹部「まるでロボットアニメの主人公のような活躍だっただろう?艦娘は海だけでは無いと主張しているようにも取れる」


まるゆ「大本営は亜也虎…陸上艤装を製作するらしいですね」


幹部「亜也虎をベースに簡略化したものを数機作るそうだ。そういう声が高まっているらしい」


まるゆ「時代は常に動きますからね…」


龍驤「…幹部さん。ウチ、逮捕されてええよ」


幹部「簡単に言わないでくれ。そんなことを認めてしまっては提督君に合わせる顔が無い」


龍驤「悪いのはウチなんやから、ええんやで」

まるゆ「悪いのはその『天の声』ですよ」


龍驤「でもその存在を証明できへん。結局はウチが聞いた幻聴で片付けられてしまうよ」


まるゆ「普通なら確かにそうです。でも私は信じます」


龍驤「なんで?」


まるゆ「私も超常現象…そういった類のモノの経験はありますから」


龍驤「……」


幹部「とにかく龍驤君を塀の中になんか行かせない。これは大本営の威信にも関わるんだ」


まるゆ「もう少し時間を下さい。きっといい方向に話を持っていきます」


龍驤「無理はしやんでええのに…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


幹部『旧大本営の崩壊、深海棲艦成虫体の撃破。そして龍驤君自身が望まない英雄扱いを受け心を病んでしまった』


幹部『症状改善の為通院、短期入院を繰り返していた時に大本営の地下にある核兵器の存在を知ってしまい、いても立ってもいれなくなってしまった』


幹部『その結果……大本営への攻撃を行ってしまった』


提督「…それが事件の真相だと」


幹部『悪者のままでは終わらせないよ。龍驤君は綾波君と共に核兵器の破棄に貢献したと付け加えておく』


提督「それでは世間は納得しません。龍驤に何も処分が無いのは…」


幹部『その件についても考えた。考えた結果……龍驤君は退役した方がいいという結論になった』


提督「……」

幹部『まるゆ君と相談したが、もし逮捕になれば執行猶予は付かず、数十年は刑務所の中だ』


幹部『まるゆ君達が忖度してくれている今なら間に合う。これなら…』


提督「……」


幹部『龍驤君が艦娘で無くなることに抵抗はあると思う。だが……他に選択肢が思い付かないんだ』


幹部『退役では無く他の施設へ異動も考えたが…大本営を攻撃したというのがネックでね』


幹部『もちろん答えは今すぐで無くていい。しかしゆっくりはしていられない』


幹部『龍驤君や周りの人達とよく相談してくれたまえ』


提督「…ありがとうございました」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

幹部『……そうそう、もうひとつ話があるんだ。また提督君に艦娘を一人預かってほしいんだよ』


幹部『その娘は経験豊富な軽空母でね、不安なことに任務外で事故に遭ってしまい、片方の腕と脚がないんだ』


提督「幹部さん……」


幹部「 それが原因で精神を病んでしまい、ずっと病院に入っていたんだが……どうやら退院の目処が見えてきたらしい』


幹部『また艦娘として運用したり、指導役にしたり、思い切って社会進出をしたり…方法は君に任せるよ』


提督「本当に……自分は…」


幹部「まだ先にはなるが、提督君と彼女とで話をして…面倒を見てやってくれないかな?」


提督「はい…ありがとう……ございます…!」


幹部『細かい所はまた直接話合おう。それと……』

ーー


(ふーん…)


(ちょっと気になって電話を盗聴してたら面白い話が聞けちゃった)


(横須賀は大本営の言いなりなのは変わってないってわけね)


(それに…)


(その隠蔽はどうかな。どう考えても龍驤が悪い)


(これは簡単には認められないよね)


(…やっちゃう?)


(うまくいけば色々と……)


(むふふ、面白くなってきたじゃん)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー隔離施設


龍驤「面会なんか聞いて無かったんやけど…」


蒼龍「私達にも権利はあるのよ」


秋雲「いや~あんなの聞いちゃ黙ってられないよ」


青葉「罪は無かったことになりませんよ」


山城「天城から聞いていた話とは…はぁ…」


名取「……こんなの間違ってる」


Y朝潮「貴女はさっさと逮捕されて刑務所に行くべきなんです!!」


ポーラ「あらぁ~~」


龍驤「……うん。ウチも偽装退役は断ったねん」


秋雲「おろ……?」

龍驤「真実を語っても受け入れられへん。せやから経緯をどうにかしたいのは分かる」


龍驤「でも…そこは誤魔化したくないねん。後ろめたさを感じながら過ごすのは嫌なんや」


蒼龍「……」


青葉「そんな綺麗事なんて…」


ポーラ「えへへ~龍驤さんも成長してますね~」


Y朝潮「そんなの関係ありません!私達が少し動けば貴女は刑務所行きなんですよ!」


龍驤「うん、ええよ」


山城「開き直りは感心しないわね」


龍驤「開き直りなんかや無いよ。罪を犯したら捕まるのは当たり前やろ?」


名取「……」

龍驤「ウチが刑務所に行ったからって司令官とは切れれへん。朝潮、悪いけど司令官は手に入れへんで」


Y朝潮「世間体があります!司令官は犯罪者なんかと一緒になりません!!」


秋雲「まぁまぁ落ち着いて、ここで怒るのは思う壺かもよ」


青葉「私達が言うだけで行動に移さないと思っているんですか?」


龍驤「そんな訳ないやん。きっと…もう連絡か何かをした後や」


龍驤「まるゆ以外の陸の警察の人が来て……ウチは捕まるんかな」


名取「龍驤さん…」


龍驤「ごめんな…泣き叫んで否定するのが正しいのかもしれんけど、もうそんなウチや無いんよ」


龍驤「罪には因果がある。それを受け入れることがウチの償いや」


龍驤「……司令官に会えれへんようになるのはちょっち悲しいかな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤はいつ捕まってもおかしくない状況です。精神病院に入院してるので逮捕はされていません


龍驤が元気だとまるゆ以外にバレると捕まります


再安価 下2

ポーラ「あんまり先走ると~身を滅ぼしますよ~」


名取「確かにそうだよ。このままじゃ私達も悪者になっちゃう」


ポーラ「そうなったら~提督の側には居れませんね~」


Y朝潮「……分かりました。その態度が嘘だったら、また後日に通報しますよ」


龍驤「なんや…今日はしてなかったんか」


山城「私達は何があったのか経緯までは理解してるのよ。偽装しないというなら引き下がるわ」


龍驤「幹部さんの提案は断ったんや。何も偽る気なんてないよ」


秋雲「山城さんがそう言うなら秋雲さんも乗っておこうかな~」


蒼龍「……」

秋雲「でもさ、病気を理由に逃げられるのも限界があるよね」


龍驤「そうやいつかは捕まる。ウチが無罪ってなったら同じような事が起こった時に困るからな」


ポーラ「じゃあ~今日はもう帰りましょうね~」


秋雲「ネタ…にはちょっと弱いか。なら秋雲さんがアレンジして…」


山城「……」


名取「龍驤さん…」


龍驤「わざわざ来てもらってありがとうな」


蒼龍「…なによそれ、嫌味みたい」


青葉「誰も彼も味方だと思わないで下さいよ…」


龍驤「うん…よーく分かってるよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


ポーラ「ふんふふ~ん帰ったら~今日はとっておきのワインを~」


ピピピピピ…


ポーラ「……」ビクッ


ポーラ「もう……出れるわけないじゃないですか…」


ポーラ「フォローもしないで…居なくなるなんて困りますよぉ~」


ポーラ「 欠陥のある設計図を配るなんて…計画が失敗した時のことも考えておいて下さいよ~!」


ピピピピピ…


ポーラ「また……!」


ポーラ「……あ…この人は…」


ポーラ「出ないと…いけませんよね……」

ーー某所


「お久しぶりですねポーラさん」


ポーラ「え、えぇ……」


「酒蔵はここに移すことになりましたけど、味は変わらなかったんです!」


ポーラ「良かった…ですねぇ…」


「ポーラさん好みのお酒も作れますよ」


ポーラ「……」ビクッ


「ポーラさん…?」


ポーラ(技術者さん…素敵な人ですけど……そんな気持ちは…無くて…)


「あの……また何か作りましょうか?」


ポーラ「い、いえ……大丈夫…ですよ…」


「そうですか…あ、今日…」


ポーラ「き、今日は仕事がありますので~!」


「そうですか……」


ポーラ(なんとか…なんとかしないと……)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


ポーラ(技術者さんに特別な感情はありませんけど…別れるということを考えると…)


ポーラ(武器じゃなくてお酒を楽しそうに作ってる技術者さんが…もう見れなくなってしまうかも…)


ポーラ(でも…好きとか……体を重ねたりなんか…)


ポーラ(そんな気持ち……無かった…はずなのに……)


ポーラ(今日もまた…技術者さんの所に……行こうとしている…)


ポーラ(こんな中途半端な気持ち…技術者さんも困るのに……)


「おい…」


「ああ、間違い無いな」


ポーラ「どうしたら…」


「おい」ヒュッ


ポーラ「!!」


「騒ぐな、大人しくしろ」


ポーラ「……」コクコク


「よし、腕を縛れ」


「車に運んだら口も塞ぐぞ」


ポーラ「……」

ーー


「オブザーバー、以前の件はどういうことですか」


ポーラ「……その…」


「貴女の設計図には欠陥がありました。気付かなかったということはありませんよね」


ポーラ「……」


「安心して下さい、何も我々が貴女をどうにかしようだなんて思ってません」


ポーラ「本当ですか…?」


「貴女は貴重なオブザーバーなんです」


ポーラ「……良かった…」


「手荒な真似をして申し訳ありませんでした」


ポーラ「いえ……私も…悪かったので……」


「…よければこちらへ来てもらえますか?」


ポーラ「はい……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

「オブザーバーがいない間に色々なことが起こったんです。姿を消した陸上艤装、亜也虎が何故か大本営の手に渡ってもいましたね」


ポーラ「それは…」


「そして、なんと大本営側から亜也虎を簡素化した陸戦型艦装を開発したい、と旧大本営の技術者にコンタクトがあったんです」


ポーラ「それって……!」


「我々も判断に迷っていますオブザーバーの意見が欲しいんですよ」


ポーラ「……」


「どうされました?」


ポーラ「その意見もそうですけど……設計図の件も…説明させて下さい」


「是非とうぞ」

ーー


「なるほど…議論を止めるためにわざとあの設計図を」


ポーラ「物量のある国が強くなると…誰も管理ができなってしまいます…」


「それは正しいですね。そんな国は独裁者も生んでしまいます」


ポーラ「分かって…もらえたなら…」


「……もう時間ですか」ヒソヒソ


ポーラ「え、え……?」


「すいませんが少しこちらに…」


ポーラ「え?何が…?何もしないって……」


「はい、『我々は』何もしませんよ」

「貴女にどんな意図があったとしても、皆さんがあの設計図で無駄なお金を使うことになったんです」


ポーラ「や……やだぁ…!」


「オブザーバーならオブザーバーらしく、ちゃんと補填もお願いしますね」


ポーラ「ポーラは悪くないんです!あれは…」


「さ……どうぞ」ガチャン


ポーラ「出して!!ここから出して下さいぃ!!」


「オブザーバー、足元に何がありますか?」


ポーラ「あ、足……鉄パイプ……?」


「目の前の檻の中に何が居ますか?」


グルルル…


ポーラ「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「……では、ごゆっくり」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ポーラ「…艤装!!艤装を展開すれば…!」


「貴女の背中と腕に付いているものは何でしょうか?」


ポーラ「あ…あぁ!!」


「オブザーバーが艦娘であることは知っています。その対策も取らせてもらっていますよ」


ポーラ「そんな、そんな、そんな……!」


「では…皆さんもご覧になっているようですので。ショーの始まりです」


ガシャンッ


グァァァァァ~ッ!



ポーラ「……っ!!」

「今日は随分と獣が小さめだね」


「艤装の無い艦娘ということなので」


「殆ど少女と変わらないということか」


……


「流石は艦娘。致命傷は避けてるみたいですわ」


「だが時間の問題だろう」


「収益はどうなってる?」


「順調です。このままいけば十分に取り返せます」


「あとは彼女の肉を愛好家に回せば相当なプラスね」


「もうそろそろだろうな……」

ポーラ(痛い……血が……もう……無理……)


ポーラ(こんな事になるなら……私は……)


ポーラ(死ぬなら……せめて……苦しまずに……)


グルァッ!


ポーラ(あ……)


カランッ


ギャウッ!!


ポーラ(……)


ポーラ(…………)


ポーラ(……………)


ポーラ(血……私のじゃない………いっぱい……顔に……)

ガチャンッ


「お疲れ様でした」


ポーラ「あ……」


「今日は素晴らしかったですよ。ショーの収益でマイナスは補えました」


ポーラ「収益……ショー……?」


「生身の艦娘が小型の獣を倒す。誰も予想できない素晴らしいショーでした」


ポーラ「あ……あ…?」


「オブザーバー」


ポーラ「はい……?」


「次 は あ り ま せ ん よ」


ポーラ「ひ……!!!!」


「分かってくれましたか?」


ポーラ「……!!」コクコク


「それでは…またお会いしましょう」


ポーラ「……っ!」ダダダッ

「…窮鼠猫を噛むとは言いますが、あんな偶然あるんでしょうか」


「倒れたパイプが獣に突き刺さる…天文学的な確率です」


「彼女が倒れた時、何か光ったような気がしたんですよ。照明か何かだと思ったんですが…」


「…どんなに大金を払っても手に入れられないものは沢山あります。その中でも『運』というのは誰もが欲しがります」


「彼女には運…とびきりの悪運があるということなんでしょうか」


「はたまた私の考え過ぎかもしれません。最後のあれくらいで漏らす艦娘なんて肝が据わっていません」


「どちらにせよ……彼女にはオブザーバーでは無い利用価値がありますね」


「横須賀鎮守府……大本営……亜也虎……」


「やれやれ、平和には程遠そうですね」


ーー

遅くまでありがとうございました


コメントなどあればお願いします

ーー


あきつ丸「これはこれは由良さん」


由良「なに」


あきつ丸「今日はとても良いお天気で…」


由良「用件」


あきつ丸「あの~…」


由良「早く」


あきつ丸「…初めに言っておきますけど、これは自分が言い出したことではありません」


由良「何が」


あきつ丸「近日中に龍驤殿を拘束、逮捕することに…なったんですよ」


由良「止めさせて」


あきつ丸「ですから…その……」

由良「貴女は、私のお陰で出世した」


あきつ丸「…ええそうです。由良さんのお陰で自分は警部にまで登り詰めることができました」


由良「恩を仇で返すの」


あきつ丸「…ですから!自分ではどうしようもできないんです!」


由良「なぜ」


あきつ丸「龍驤殿の罪状はテロ特別法です!軍の施設を攻撃しておいて逮捕をしないとなると、陸の警察の面目丸潰れなんです!」


由良「そんなつまらない理由」


あきつ丸「つまらなくてもこれが道理なんです!」


由良「…」


あきつ丸「龍驤殿は強制連行になります。ですのでそれを阻止しようとしたり妨害したりすると…」


由良「こちらも捕まる」


あきつ丸「テロの…仲間ということに……なりますから…」


由良「…」


あきつ丸「本来なら自分はここに来ることさえ危険なんです。そのリスクを負ってまで由良さんに伝えに来たんですよ!」


由良「…」


あきつ丸「いいですか、絶対に邪魔をしないで下さいね!龍驤殿の為でもあるんです!」



下2 この後の展開やその他起こったことなど

あきつ丸「龍驤殿を救うも救わないも法の下で行われるべきなんです、解って下さい!」


由良「裁判はあるの」


あきつ丸「それはもちろん」


由良「…」


あきつ丸「良からぬことは考えないで下さい!」


由良「なに」


あきつ丸「逮捕したといっても有罪判決ありきでの収監ではありません!逮捕は陸の面子を保つために必要なだけなんです!」


由良「…」


あきつ丸「龍驤殿が精神を病んでいるのは我々も知っています。残材に扱うことはしませんから…」


由良「…」

ーー


由良「提督」


提督「どうした…?」


由良「あきつ丸から聞いた」


由良「龍驤は逮捕される」


提督「……そうか」


由良「どうするの」


提督「…どうもしない」


由良「…」


提督「龍驤は罪を認めて償うと言っているんだ。それに…約束したからな」


由良「約束」


提督「何十年になろうが待っている。龍驤とはそう簡単に切れる仲じゃないからな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「心配してくれてありがとう。この国の司法が機能していることを俺は信じている」


由良「…」


提督「だから俺達は頑張れるんだ…うん」


由良「無理はしないで」


提督「させてくれ」


由良「…」


提督「……霞のお腹も大きくなってきている。父親としても振る舞わなければいけない」


由良「その道を選んだのは貴方」


提督「そうだ、だから無理もするし無茶もする。誰にも見つからないようにな」


由良「…」

提督「由良の口が堅いのは知っているからな」


由良「狡い人」


提督「…龍驤の逮捕はいつなんだ?」


由良「近日中」


提督「具体的な日にちが分かれば教えてくれ」


由良「どうするの」


提督「朝霜達を近付けさせないようにしておく。会議や何でもいい訳ができるからな」


由良「…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


幹部「陸側とは面子を保つこと、真実に則した結果を得ることの両立しなければならない。これが上に立つ者として辛いところだね」


提督「……」


幹部「どちらかだけを取るだけなら簡単だ。しかしそれでは過去と何も変わらない」


提督「…いいんです。無駄に動き回れば龍驤に迷惑がかかりますから」


幹部「提督君、君の表情を見ていると安心はできない」


提督「そんなことはありません」


幹部「まるで龍驤君とは逆…曇った表情をしているよ」


提督「少し寝不足なだけです、問題ありません」


幹部「ふむ…」

提督「入院に休暇と自分は休み過ぎました。これからは休みなく働きます」


幹部「それは困る、大本営としては認められない。ちゃんと休みは取ってくれ」


提督「善処します」


幹部「……」


提督「自分はこれからも横須賀鎮守府の提督として恥じないよう仕事を続けます。プライベートはプライベートです」


幹部「…君がそこまでの覚悟をしているのなら、私は止めないよ」


提督「はい、ありがとうございます」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

再安価

下2

ーー


Y朝潮「司令官」


提督「…なんだ」


雲龍「今日はもう休んで」


提督「何を言っているんだ、まだ仕事をやり始めたばかりだろう」


Y朝潮「そんな顔をして良くそんなことが言えますね」


雲龍「体調でも悪いの?心配ごとでもあるの?」


提督「大丈夫だ」


雲龍「いい加減にして、大丈夫に見えないから言ってるの」


提督「なにも問題はない」


雲龍「そうやって言い返す時は都合の悪いとき。貴方のことはよく知ってるのよ」

提督「放っておいてくれ!」


雲龍「…」ビクッ


Y朝潮「…お茶を持ってきます。雲龍さん特製のハーブティーは美味しいですからね」ガチャッ


雲龍「……ねぇどうしたの?怒鳴ることなんて殆ど無かったじゃない」


提督「……」


雲龍「お願い、話して」


提督「……」


雲龍「話して」


提督「……」


雲龍「話しなさい」


提督「……」


雲龍「…私じゃダメなの?私のことは信頼してくれないの?」


提督「……」


雲龍「提督……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「……」


提督「誰かを気遣ったり…優しく出来るのも…全て…龍驤が居てこそなんだ…」


提督「俺は確かに幾らでも待つと言った…だが人は変わるんだ……俺はそれが怖い…」


提督「龍驤を信頼できないとは違う……俺が…変わってしまう……」


提督「霞とはこれからどうなる?朝霜はどうするんだ?」


提督「……怖い…」


提督「龍驤の居なくなった世界は……耐えられない…」


提督「……」


提督「無理だ…………」

提督「……」ゴソゴソ


提督「龍驤や響が飲んでいた強い薬…これのお世話になるとはな……」


提督「水……」


提督「……」ゴクッ


提督「……」


提督「龍驤は俺にとって…」


提督「……」


提督「龍驤ぉ……」


提督「俺は…耐えられない……」


提督「無理だ…無理なんだ……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ガチャッ


霞「ねぇあなた…」


提督「ん……」


霞「今日はその…寂しいかなと思って…一緒に…」


提督「あぁ……」


霞「……ちょっと、こっちを見なさい」


提督「……」


霞「こっちを見て!」


提督「……」


霞「呆れた…誤魔化せると思ったの?私が作った薬なんだからどんな症状か出るのか、目を見れば分かるのよ!?」


提督「……」


霞「黙ってないで何か言いなさい!」


提督「…そんなに怒鳴るんじゃない」


霞「はぁ~~~~!?!?」

提督「お腹の子に障るだろう。それに俺の問題に首を突っ込むな」


霞「……!!」バッチーンッ


霞「馬鹿じゃないの!?あなたの問題は家族の問題じゃない!!」


提督「……」


霞「全部…全部嘘だったの!?私と繋がりを持ちたいって言ったのも全部!!」


提督「…それとこれとは違う」


霞「いい加減にしなさ……!!」ヒュッ


提督「……」ガシッ


霞「あ……!?」


提督「…もういい、霞は安静にしているんだ」


霞「……ふざけないで!!」

霞「分かったわ…龍驤さんに関して何かあったのね」


提督「……」


霞「それで不安になって薬を頼る……あんた、本物のクズよ」


提督「…そうか」


霞「私も!朝霜も…!家族の一員なんでしょ!!」


霞「どうして頼らないの!?なんで頼ろうとしないの!!」


提督「…部屋に帰って寝てるんだ」スッ


霞「触るな!!」バシッ


提督「……」


霞「もう頭きた……!謝っても一生許してやらないわよ!!」


霞「ウジウジして誰にも相談しないで!勝手にしてろこのクズ!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣「ご主人様、霞さん泣いてましたよ」


提督「……」


漣「そのままだと霞さんに嫌われるどころか龍驤さんを失望させてしまいますよ」


提督「漣…俺はどうしたらいい…子供が産まれて、日々の生活が……龍驤が居ない日々に…少しでも満足してしまったら……」


漣「別にいいじゃないですかそれでも」


提督「な…?」


漣「満足ってことは幸せなんですよね?幸せで、笑顔で龍驤さんを迎えてあげた方が救いになると思いますよ」


漣「ていうかむしろそうじゃなかったら、また龍驤さんは自分を責めますよ。あの女はそういうヤツです」


提督「……」


漣「変わらない人なんかこの世に居ませんよ。あのカミサマみたいな人達だって変わってますからね」

漣「人は変わっても変わらないものもがあるんですよ。絆です、知ってますよね?」


漣「漣はずっと絆があるからどんなに苦しくても辛くてもやってこれました」


漣「私と提督の間には絆があります。霞と提督の間にも絆があるんです」


漣「でもそれが龍驤さんとの絆を切るわけじゃありません。そんなことはあり得ないんですよ」


提督「……」


漣「はぁ~…多分龍驤さんが飲んでたキツ~い薬飲んだんですね。そうなる前に相談して下さいよ~」


提督「……」


漣「霞も妊娠中で不安定ですからね。よーしよし、漣がいっぱい癒してあげますよ~」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

……


提督「……ありがとう漣、少し…楽になった気がする」


漣「運動して体を動かしましたし、薬も効いてきたんでしょうね」


提督(逮捕されるといっても判決すら出ていないんだ。絶望するには早すぎる)


提督(あのままでは龍驤は遅かれ早かれ逮捕されていただろう。事前に知れて良かった)


提督(龍驤は罪を償うつもりだが必要以上に償う必要は全くないんだ。その対策はやっていて然るべきだった……)


提督「……」


漣「ほらもう考え込まないで下さい。漣の肉布団でゆっくり寝てて下さいね~」


提督「……ありがとう…漣…」

ーー


潜水新棲姫「…今回ばかりは大目に見よう。ワタシは出来た嫁だからな」


潜水新棲姫「絆…いい言葉だな、因果なんていうのより余程いい……」


潜水新棲姫「…裁判か。ここには専門家がいるじゃないか」


ガンビアベイ「…はい」


潜水新棲姫「準備はできているんだな」


ガンビアベイ「それはできていますけど…本当に龍驤さんが逮捕されるんですか…?」


潜水新棲姫「提督の様子を見れば分かる。それにまるゆが急に来なくなったことから推測できる」


ガンビアベイ「病人を逮捕するなんて…」


潜水新棲姫「龍驤のやったことを考えれば当然と言えると思うぞ」


ガンビアベイ「……」


潜水新棲姫「これからだぞ、提督。まだ始まったばかりなんだ」


ーー

今日はここまでです


コメントなどあればお願いします

ーー隔離施設


ドタドタドタドタ


龍驤「…えらい大人数やなぁ」


「テロリストを捕まえるんだ、これくらい当然だ」


「抵抗すれは即射殺だからな」


龍驤「分かってるよ、抵抗もせぇへんし大人しくついていくわ」


「抑えろ!!相手は病人では無くテロリストだ!」


「「「……」」」ガシッ


龍驤「ぅ……」


「……!」


「なんだ、どうした」


「隊長……!」


龍驤「なんな……何も…聞いて……無かったんか…?」


「喋るな!次に口を開けば抵抗したとして射殺する!」


「どうした!早く身柄を拘束しろ!」


「で…できません……!手錠が……!」


「何を言っているだ!」


「どけ!私がや…………」


「な…な……!?」

「おい!どうなっているんだ!?」


龍驤「……喋って…ええの…?」


「隔離施設に入れたのは仮病で逮捕を逃れる為じゃなかったのか!?」


龍驤「あんたら…上の人らと…意思疎通……できてないんやね…」


「答えろ!」


龍驤「…ウチの腕と…脚……なんで知らんかったんよ…」


「そんなもの資料には無かった!」


「隊長!」


「私は上からの指示に従っただけだ!」


龍驤「どないするん……?」


「無理矢理にでも歩かせろ!」


「それは…」


「怪我をしても関係ない!抵抗したとでも何とでも言える!」


龍驤「あ……」


「なんだ!」


龍驤「ごめんな……ウチの部屋…監視カメラ付いてんねん…」


「!!」


龍驤「ウチが自殺…せぇへんようにって……録音も…されてる…」


「…おい、お前、この施設の…」


龍驤「無駄やで……」


「……何がだ」


龍驤「映像な……ネットで見れるようになってるんよ…」


「……」

龍驤「ウチの様子見たいって……司令官が…言うてくれて…」


「……」


龍驤「録画も……してるみたいやね…」


「…隊長」ボソッ


「……」


龍驤「…でも逮捕はされなおかしいから…行こか…」


「……」


龍驤「車椅子…用意してくれへんかな…?」


「……おい」


「……」


龍驤「…ごめんな…ウチに関わったせいで…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

隊長(……おかしい。コイツがテロリストだと?)


隊長(俺は今まで何人もテロリストの相手をしてきた。どの場面も死と隣り合わせでいつ死んでもおかしくは無かった)


隊長(連中も捕まれば終わりだと知っているからこそ、最後の抵抗が凄まじいものになる)


隊長(それに比べてコイツはどうだ?こんな腑抜けたヤツがテロリストだと?)


龍驤「……」


隊長(この目は違う。テロリストなんかじゃなく、真逆の…)


隊長(……)


隊長「撤収だ」


「え?」


「本気ですか隊長?」


隊長「私が撤収だと言ったら撤収だ!!」


「は、はい!!」

「隊長はテロリストを放置するんですか?」


「今後拘束しないとは言っていない!今日は出直す!」


「隊長、それでは上の指示に…」


隊長「私はその『上』に話があるんだ。聞いていた話とまるで違う!!」


「……」


隊長「何が凶悪なテロリストで大量の武器を所持しているんだ!一体どうなっている!」


「わ、私に言われましても…」


隊長「いいか、このままでは我々のプライドにも関わる。こんな障害者を捕まえるのにわざわざ我々が使われているんだぞ!この部隊であるという誇りが貴様には無いのか!!」


「……」


隊長「…あまりにも話が違う。今日は引き下がるがお前にも事情を聞くことになるだろう」


龍驤「うん…もちろんやで……」


隊長「行くぞ、全員引き揚げだ」

龍驤「…えらい騒がしかったなぁ。他の人に迷惑かけてしもて悪かったわ……」


龍驤「テロリストか…当然なんやけど……あの隊長さんには悪いことしてしもたなぁ」


龍驤「特殊部隊の人らやから、ウチが成虫倒したことになってる動画とか…何も見て無かったんやろうな」


龍驤「……」


龍驤「でも…悪い人や無いみたいやね」


龍驤「車椅子…ちゃんと用意してくれてるもんな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


隊長「どうなっているんだ!」


「……」


隊長「正しい情報も伝えずに拘束しろなどとふざけるな!我々を何だと思っている!?」


「……」


隊長「答えろ!武器はどこにあった?凶悪なテロリストはどこに居た!?」


「……」


隊長「貴様…我々はお前の玩具じゃないんだぞ!」


「…言いたいことはそれだけか」


隊長「なんだと!?」

「次の任務だ。某国にレジスタンスのアジトがある、その連中を排除又は拘束してこい」


隊長「貴様っ!」


「なんだ?たかが隊員がこの私に楯突くというのか?」


隊長「……金か、政治か」


「お前の考えることじゃない。黙って任務をこなせばそれでいいんだ」


隊長「……」


「あんな艦娘一人捕まえて来ないとは、お前達の評価は地に落ちたな」


隊長「貴様に言われる筋合いは無い」


「もういい、お前達で無くとも特殊部隊はいくらでもある。お前達はさっさと次の任務に取り掛かれ」


隊長「……ラジャー」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

「…やれやれ、アイツには本当に参るな」


「架空よ記録は簡単には作れないが、部隊が動きさえすれば記録は残せる」


「その記録にちょっとした解釈違いの事を書き足しても…問題も無い」


「海に負けたくないのは分かるが、こうまでする必要性があるとは思えん。特殊部隊を自由にできる権限を剥奪せねばなるまい」


「障害を持った艦娘…それを隠す為にわざわざあんな資料を用意するのもな…」


「面子を保つ為……テロリストより難儀なもんだ」

ーー


「君が調べものだなんて珍しいね。暇さえあれば訓練じゃないの?」


隊長「いいから早く聞かせろ」


「はいはい……まず拘束対象だった艦娘、龍驤についてだけど彼女は一応英雄扱いみたいだね。君は深海棲艦成虫体の騒動は知らないんだよね?」


隊長「お前が関係あるというから調べておいた」


「なら話は早い。アレを倒したのは彼女なんだよ」


隊長「不可能だ。いくら艦娘の攻撃とはいってもあの不可解なフィールドは破れない」


「それを彼女は破ったんだ。動画もあるけど今は省くね」


隊長「それで?」


「僕から話すよりこの資料を読んだ方が早いかもね」バサッ


隊長「…そうか」

「……どう?」


隊長「おおよその事態は把握した」


「鎮守府への攻撃はこの国の軍への攻撃になる。彼女はテロリストと言えばテロリストだけど、君が携わってきたような連中とは違うね」


隊長「……」


「大本営の地下に核なんか無くて彼女の狂言だった。これがよくある話だけど、実際に核はあったんだよ」


「怪我をしてからずっと精神を病んでたのは本当みたいだし、あの隔離施設に居たのは仮病じゃないと思うよ」


隊長「…気になるな」


「そうだよね、こんな事実があったのにどうして君達の部隊を動かす必要が…」


隊長「この女と所属する鎮守府…」


「…あ、そっちなんだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


あきつ丸「これはこれは。特殊部隊の中でも精鋭部隊、その隊長が自分に話でありますか」


隊長「貴様が足りないもの鎮守府に出入りしているのは知っている。そこはどんな所なんだ」


あきつ丸「どう、と言われましても。人伝いはどうしても主観が入ってしまいますから」


隊長「なら一度そこに行けるように横須賀提督と交渉してくれ」


あきつ丸「隊長殿がわざわざ向かうと?」


隊長「暴行を働いた謝罪もある。会う理由にはなるはずだ」


あきつ丸「会えるよう手配はしておくでありますが…」


隊長「なんだ?」


あきつ丸「あの鎮守府は仲間意識が抜群に高いのであります。隊長殿が龍驤殿に暴行したのは当然向こうも知っていますので…」


隊長「それがどうした」


あきつ丸「……分かりました、すぐに連絡を取っておくでありますや


隊長「頼んだぞあきつ丸警部」

隊長「野暮用は終わった。これで次の任務に集中できる」


隊長「某国とは言っていたが…やはりロシアか。レジスタンスはソビエト派の生き残りか?」


隊長「これが資料か……」


隊長「コイツがリーダー……艦娘の次は金髪に赤目の女か」


隊長「この写真と資料を見る限り、コイツは確かにレジスタンスのリーダーだ」


隊長「またこれにも裏があってもおかしくは無いが、任務を遂行することが俺達にとって最重要だ」


隊長「排除又は拘束…龍驤の時とは違って最初から排除の選択肢がある」


隊長「いつも通り抵抗すれば即射殺だ。何も問題は無い」


隊長「ミッション、スタンバイ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー後日


隊長「動くな!抵抗すれば射殺……」


夕立「やっと来たっぽい…」


「また艦娘!?」


夕立「ふんふん…身のこなしや統率はこっち基準でも合格点っぽい」


隊長「何を言っている、抵抗するなら問答無用だ!」


夕立「夕立からお前らに何を言っても無駄なのは知ってるぽい。だからコイツを呼んでるぽい」


外交官『誰かロシア語ができる者は居ないか?私の身分証を確認して欲しい』


隊長『…確認しよう』


夕立『こっちの言葉も喋れるのか』


隊長『何がなんだかさっぱりわからない……』

ーー


夕立『子どもを産んだ艦娘が表で移動すると波風が立つ。これは私が帰る為に日露で組んだ作戦だ』


隊長『俺達は利用されたのか』


外交官『そちらの国には貸しが数え切れないくらいある。一つくらい返してもらってもいいだろう』


隊長『領土を返さない連中が偉そうに』


外交官『おいおいあそこは我々の物だと何度説明すれば…』


夕立『そういうのはいい。さっさと帰るから護衛しろ』


隊長『チッ…』


夕立『言っておくがお前達の国の問題でもあるんだ。事態をややこしくするんじゃないぞ』


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


隊長「……」


夕立「……」


夕立『おい』


隊長『なんだ』


夕立『お前は何の為にこんな仕事をしているんだ?』


隊長『答える必要は無い』


夕立『金か……儲けたくて選ぶ仕事じゃないだろう?賭けるのは自分の命だけじゃないからな』


隊長『話を勝手に進めるな』


夕立『じゃあ理由を話せ』


隊長『平和を維持する為にはこんな汚れ仕事も必要だろう』


夕立『平和だと!はははははは!』


隊長『何がおかしいんだ』


夕立『いや…そうかそういうことか。駒に自我は要らない、必要なのは忠誠だからな』

夕立『忠実なのはいいが、それを鵜呑みにしていると痛い目に遭うぞ』


隊長『死にそうな場面なら何度も経験してる』


夕立『そうか、ならお前は何度も殺しているな?』


隊長『当たり前だ』


夕立『上に言われるがまま殺した』


隊長『何が言いたい』


夕立『その「上」は信用できるのか?間違えたことは無かったのか?』


隊長『……』


夕立『図星か。お前はただの人殺しだ』


隊長『殺してはいない』


夕立『上が間違えたことは否定しなかったな?』


隊長『……』


夕立『はははははは!』

夕立『お前自身は金では動かない厄介な奴だ。だがお前の上はどうだ?テロリストよりたった数千、数億万枚の紙切れを優先する連中じゃないのか?』


隊長『……』


夕立『忠実なのはいいが自我を持て。そうでないとお前達は使われ続けるだろうな』


隊長『俺の仕事を侮辱するのか』


夕立『駒が吠えた所で何になる?上(親)に泣きついてガキみたいに駄々をこねるか?』


隊長『貴様…!』


夕立『あはははは!!』


「…さっきから隊長…なに話してるんだろ」


「隊長のあんな顔…見たことねぇ」


「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

隊長『ならばお前は、何が正しくて何が間違っているのかを知っているのか!』


夕立『いいや、知らないさ』


隊長『なんだと!?』


夕立『私は命令ではなく……自分の意志で殺した』ギリッ


隊長『自分の意志で…それこそただの殺人だ』


夕立『それを間違いや他の誰かのせいだとか言うつもりは無い。だが平和の為だと言うなら、今一度お前の回りを見直してみるんだな』


隊長『……』


夕立『…丁度いい、少し寄り道するか』


隊長『どこに行くつもりだ』


夕立『平和のために戦ってきた連中なら知っている。寄り道ついでに会ってきたらどうだ?』


隊長『俺には任務がある』


夕立『なら私もそこに行く。これでお前も来なければいけないな?』


隊長『……』

ーー横須賀鎮守府


隊長「…横須賀鎮守府か」


夕立「知ってたっぽい?」


隊長「……」


夕立「夕立はここで時間を潰してるから、その間好きにすればいいぽい」


隊長「…勝手にここから出ていくなよ」


夕立「もちろん。駒の困る行動はしないっぽい」


隊長「……」


夕立「ま、せいぜい楽しむっぽい」


隊長「…行くか、横須賀鎮守府へ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー

白露「あたし達に客人って……夕立!?」


夕立「久しぶり、ぽい」


村雨「どうしたよの、二度と戻ってこないんじゃなかったの?」


夕立「…春雨の雰囲気が変わったぽい?」


春雨「あ、ちょ、ちょっと……色々と…」ビクッ


時雨「夕立とまた会えるだなんて」


夕立「…ぽい」


白露「とりあえず中に入ってよ!いっちばん美味しいお茶用意するから!」


夕立「……スープじゃないなら飲むぽい」

ーー執務室


隊長「提督殿、この度は申し訳無かった」


提督「…何に対してだ?」


隊長「事情も何も知らず龍驤殿を拘束しようとした。龍驤殿の怪我を知っていればあのような行動は取らなかった」


提督「……」


隊長「言い訳はしない。全ては隊長である私の責任だ」


提督「……」


隊長(この男、写真で見るより人相が悪い。横須賀鎮守府の提督だけあるか)


隊長(さぁ…ここからどう出る?どんな行動を見せてくれるんだ)


隊長(平和の為に戦うというのなら、それを行動で示してもらおう)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「……感謝する」


隊長「感謝?私は感謝されるようなことはしていない」


提督「あの様子は見ていた」


隊長(やはり見ていたか…)


提督「あの場面で…よく撤収してくれた」


隊長「当然だ。任務内容に不備があれば我々の行動は間違ったものになる」


提督「……」


隊長(礼を言ったものの完全に割り切れてはいない。なるほど、まだ青いな。だが物事をしっかりと見る目はあるようだ)

提督(…この男は悪では無い。わざわざ謝罪に来たということは落ち度を認めている)


提督(あきつ丸警部によれば彼らへの任務自体が怪しいものだと。だがそれを口にしていない)


提督(真っ直ぐで濁りが無い目……だが…これは…)


隊長「……」


提督「……」


コンコン


提督「…どうした」


漣『お茶を持って参りました』


提督「……入ってもらっても?」


隊長「問題無い」


提督「…よし、入ってきてくれ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

漣「龍驤さんがやってしまったことと、情報の不備を考慮して隊長さんの謝罪は受け取るべきです」


漣「そしてあの場で龍驤さんを拘束しなかった隊長の的確な判断には感謝すべきですね」


漣「陸の不可解な命令もテロリストに対して厳しく動いた、という形だけでも保ちたかったんですよ」


隊長「漣殿…秘書艦代理にしてはよく喋るようだな」


漣「提督の代弁をしているだけです。提督は全てお見通しなんですよ」


提督「……」


漣「隊長さんは上にただ踊らされていたと。それはこちらではあり得ないことです」


隊長「どうしてそう言い切る」


漣「陸と違って海は金で動くような輩も居ません。我々は平和の為に戦っているんですよ」


隊長「平和…口だけならどうとでも言える」


漣「それはお互いさまでは…ないでしょうか?」


隊長「……」


ーー

続く


コメントなどあればお願いします

ーー横須賀鎮守府


夕立「お前がここに居て丁度良かったぽい」


幹部「私は提督君に用があったんだがね…」


夕立「夕立を誰だと思ってるぽい」


幹部「…用件を聞こうか」


夕立「お前達がコソコソと匿ってる龍驤をこっちに引き渡せ、ぽい」


幹部「龍驤君を……!?」


夕立「アイツを放っておくとこっちに被害が出る可能性があるぽい」


幹部「彼女はそんな人物ではない、君も良く知っているだろう?」


夕立「戯言は聞きたくないぽい。さっさと引き渡せぽい」


幹部「……」

夕立「それと大本営の地下にあった兵器もこっちが回収するぽい」


幹部「無理だ、あんなものは…」


夕立「もう話はついてるぽい」


幹部「…何故だ、どうして……」


夕立「お前達はアレを解体しようとした。それがいけなかったぽい」


幹部「……」


夕立「アレはソビエト派が作ったものぽい。こっちが回収して何もおかしいことは無いぽい」


幹部「だから龍驤君も…」


夕立「どこでアレの情報を聞いたのか聞く必要があるぽい。拒否すれば国際問題になるのは分かるぽい?」


幹部「……」


夕立「今日にでも連れて行くぽい。無駄なことはしない方がいいぽい」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

幹部「…あの兵器を回収してどうするつもりなんだ。解体を許さないという事は、つまり……」


夕立「それ以上は止めておいた方が身のためっぽい」


幹部「やはり……」


夕立「これは国と国との話し合いの結果決まった事ぽい」


幹部「あれだけの兵器を……簡単にこちらから向こうに運ぶというのは無理がある」


夕立「それは分かってるっぽい。アレそのものは回収しないぽい」


幹部「……必要なのはアレか」


夕立「核だけを回収するぽい」

夕立「ミサイル何発分にもなる上質な核物質が使われてるぽい。そんなのを見過ごすわけないっぽい」


幹部「……」


夕立「核を抜き取ったあとの兵器は好きにすればいいぽい」


幹部「それも…決まったことなんだね」


夕立「そうっぽい」


幹部「なら私は止めることはできないし、何を言っても無駄か…」


夕立「お前から了承も取った。先に龍驤は連れて帰るっぽい」


幹部「…こちらは拒否できないからね」


夕立「じゃあ夕立は帰るっぽい」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

幹部「……夕立君」


夕立「なんだ」


幹部「龍驤君が無事でなかった場合…私では止められない」


夕立「……」


幹部「彼…彼やその仲間達は、例え国を敵に回してでも仇を取ろうとする」


夕立「それは夕立の知ったことじゃないぽい」


幹部「君は…」


夕立「…あのカタワなんかが手に入れられる情報じゃないっぽい」


夕立「それを理解させる為には…」


幹部「…分かった、君に任せるよ」


夕立「…ぽい」

ガチャッ


夕立「誰だ」


隊長「私は特殊部隊の…」


夕立「例の隊長か、ぽい」


幹部「その制服は陸の警察の特殊部隊…?」


隊長「そうであります。私は龍驤殿の護衛として夕立殿と同行します」


幹部「…そうか、君がそうなんだね」


隊長「龍驤殿の聴取は許可は出したものの、あちらの自由にさせないと」


夕立「なんで隊長のお前が来るぽい」


隊長「ロシア語ができるのはあの隊では自分だけであります」


夕立「……」


幹部「龍驤君を…宜しく頼むよ」


隊長「ラジャー」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


夕立『あの提督と話は終わったのか』


隊長『…あぁ』


夕立『どうだった?』


隊長『彼らは平和の為に戦ってはいなかった』


夕立『ほぉ…』


隊長『守られた平和は、彼らの日常の延長線上にあるものだった』


夕立『よくお前が気付けたな』


隊長『永く…非日常に身を置いていた。簡単には気付けなかった』


夕立『気付けただけで上出来だ。アイツらは平和の使者でもなんでもない、ただのエゴイストだ』

隊長『夕立、お前は私に自我を持てと言ったな』


夕立『あぁ言ったさ』


隊長『私も自我を持つ。お前の自我は何か、参考にさせてもらおう』


夕立『……』


隊長『…またこの隔離施設に来るとは』


夕立『今度は止める奴も居ない。さっさと運び出して向こうに帰るぞ』


隊長『彼女は私が運ぶんだな』


夕立『そういう任務なんだろう?障害者に付きっきりとはご愁傷様だな』



下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤「……」


夕立「そうやって大人しくしてればいいっぽい」


龍驤「なぁ…」


隊長「俺…か?」


龍驤「この前…な」


隊長「……」


龍驤「ありがとうな…車椅子…用意してくれて…」


夕立「…そんなことしてたっぽい?」


隊長「……」


夕立「へぇ…これは面白いことになりそうっぽい」


隊長「何がだ」


夕立「龍驤の世話はお前がすることになってるぽい。密室で二人だけ…」


隊長「おい」


龍驤「……」

ーー横須賀鎮守府


提督「逮捕までは覚悟していたが…まさかロシアに…」


漣「可能性としては考えられたんです。漣達のミスでしょうな」


提督「…どうすればいい」


漣「下手に動くと終わります。何もしないのが正解です」


提督「……」


漣「あの夕立が絡んでいるので少し不安ですが、隊長が居るので下手なことはしないかと」


提督「あの男…隊長か」


漣「特殊部隊の中でも精鋭、その隊長ですからね」


提督「完全に信頼して…いいのだろうか」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤(……もう着いたんかな)


龍驤(二人ともロシア語で話してるから訳分からへん…)


龍驤(ウチはどこに連れて行かれるんやろ…)


夕立「……」


龍驤(ん……夕立…いつの間にか着替えて…)


「……」


龍驤(あの人らって…所謂偉い人らやんな…)


「……」


龍驤(え…?あの人…ウチでも知ってるような…有名な人やん…新大統領の閣僚の…外務大臣…)


夕立「……」


「……」


龍驤(夕立と…外務大臣が……普通に喋っとる…!?)

『やはり夕立に任せて正解だった』


夕立『この貸しは高く付くぞ』


『倍にして返したっていい。それくらいのことを夕立はやってくれた』


夕立『当然だろうな、ソビエトの負の遺産と、テロリストを連れて帰ってきてやったんだ』


『彼女は十中八九シロなのは分かっている。だがこれでピースが揃うんだ』


夕立『お前達の考えてることはどうでもいい』


『それは嬉しい、こちらとしても色々とやり易くなる』 

『彼女はどこで面倒を見る?』


夕立『用意してある家に連れて帰る。子どもの面倒をみさせるつもりだ』


『聞いたよ、三つ子を産んだらしいね』


夕立『……夜も眠れないくらい大変なんだよ。だからアイツにシッターをさせる』


『大丈夫なのか?彼女は…』


夕立『あのボディーガードも一緒だ』


『ならマシか』


夕立『用がある時は勝手に家に入って連れ出せ。あの男はこっちの言葉が分かる』


『分かった。夕立、君はどうするんだ?』


夕立『まだ少し…やることがある』



下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


隊長「随分と立派な家だな…」


夕立「チッ…」


龍驤「え?どうしたんよ?」


夕立「あのクソ親父、来てるのか…面倒くさいっぽい」


隊長「艦娘に親は居ないだろう」


龍驤「義理の親と違うか?夕立の夫の…」


隊長「コイツは既婚者なのか!?」


夕立「はぁ…諦めて中に入るっぽい…」

「「「「……」」」」


隊長『誰だ!』スチャッ


夕立『落ち着け、あれはSPだ』


隊長『この家は無人だと言っただろう!』


夕立『外にあった趣味の悪い車は見えていなかったのか?』


『お~よちよち~』


龍驤「強面のオッサンが…赤ちゃん三人抱いとる…』


夕立『…ここで何してる』


『ちょっと待っててねぇ~~……遅かったじゃないか夕立』


夕立『そう簡単にはいかない』


『待ちくたびれて困っていた所だ』


夕立『楽しそうにしてたくせに何を言う』


『…フハハハハハハ!』

隊長『…おい!この男は!』


夕立『なんだ今気付いたのか。このクソ親父はロシア空軍の総司令官だ』


総司令官『夕立、この男とあの怪我をしてる少女は誰だ?』


夕立『あれは少女じゃない、例の女だ。男は護衛らしい』


総司令官『随分と幼く見えたが…そうか、ご苦労だった』


隊長『夕立、お前の夫は何者なんだ?』


夕立『ただの空軍のパイロットだ』


総司令官『おいおい!我が空軍のエースパイロットをそんな風に言わないでくれ!』


夕立『ただの身内贔屓だ』


下2 この後の展開やその他起こったことなど

隊長『夕立、お前は一体…?』


総司令官『なんだ彼は何も知らないのか、私は夕立の父親だ。とは言っても本物の親ではなく、彼女を私が引き取ったんだ』


隊長『身元引き受け人ということか…』


総司令官『彼女の功績は素晴らしい。引き取って良かったと胸を張って言えるが…また指輪を外したのか?』


夕立『子どもの世話には邪魔なんだよ』


総司令官『彼女の夫である軍人は私が紹介したんだ。見込みのある部下で良かれと思って…』


夕立『余計な事をペラペラと喋るな』


総司令官『ん?』


夕立『…それより軍人は何処に居るんだ』

龍驤「……なぁ、さっきから何を話してんの?」


隊長「その前に聞きたい。夕立の夫について知っていたか?」


龍驤「知ってるよ。子育てが大変やって手紙も見せてもらったし」


隊長「知らないのは俺だけか…」


龍驤「あ…ごめんな?知ってると思ってたんよ」


隊長「……夕立は軍人に会いに行くそうだ。この男達と一緒に空母に向かうらしい」


龍驤「やっぱりこのおっちゃん軍人やったか…凄い雰囲気やもんな」


隊長「そして…呼び出しがあるまでこの家で子守をしろと」


龍驤「…夕立の子ども?確か三つ子の……」


隊長「……俺も手伝うしかないんだろう」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


「「「きゃっきゃっ」」」


隊長「なんなんだこれは…」


龍驤「ほら、ちゃんと目の届く所におってな~」


隊長「動き回る子どもが…こんなに体力を…」


龍驤「義手があったらもうちょい楽なんやけどなぁ…」


隊長「…やはりどう見てもテロリストには見えない。それどころか……」


龍驤「はいはい、こっちおいで~」


隊長「……」


隊長「美しいとは…こういうことを言うのだろうか」


ーー

今日はここまでです


コメントなどあればお願いします


急にぽいぽいから噛み付かれることはないのか…な…?
子供つよい

ーー


龍驤「だいぶお疲れみたいやねぇ」


隊長「……こんな経験ははじめてだ」


龍驤「訓練とかよりキツイん?」


隊長「ジャングルでの訓練より過酷だ…」


龍驤「あはは、それはオーバーやで」


隊長「…貴女はなぜ平気なんだ」


龍驤「孤児院でおったことあるから。三人くらいやったらギリギリ大丈夫やで」


隊長「孤児院…か」


隊長(話を聞けば聞くほどテロリストとは程遠い…)

龍驤「でもまぁなんとか寝てくれたし、ちょっとはゆっくりできるで~」


隊長「…そうだな」


龍驤「よし…お風呂でも入ろかな。隊長さん先入る?」


隊長「いや…」


龍驤「ほなウチが先に入るわな~」


隊長「……」


隊長「俺は何をしているんだ…子守など、俺がすることじゃないというのに…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


隊長「軽空母龍驤。訓練所から某鎮守府に所属。その後足りないもの鎮守府へ移籍となり左腕と左脚を失う怪我を負う」


隊長「深海棲艦の成虫体が出現した際にはそれを倒した英雄と呼ばれる様になり、その功績が認められ横須賀鎮守府へ栄転」


隊長「だが…今はテロリストの疑いをかけられてる」


隊長「彼女と接してみて分かったのは、そのどちらも当てはまらないということだ。英雄と呼ばれるにはカリスマ性が無く、テロリストにしては優しすぎる」


隊長「これほど真実が見えてこないヤツも初めてだ…」


隊長「…ただ待っているのでは手持ち無沙汰だ。せめて食事くらいは作るか」

隊長「材料と火があるなら料理は作れる。野営で鍛えたスキルを……」


うわぁーーーー!


隊長「なんだ、敵襲か!?」ガチャッ


ダダダッ


隊長「どうした!?敵はどこに居る!?」


龍驤「い、痛ぁ…!!」


隊長「ぅお!!」


龍驤「あ…ごめんな……ユニットバスに…慣れて……無くて…転んでしもたんよ…」


隊長「わ、分かった!分かったから…下を隠せ…!!」


龍驤「大声出してごめん……平気やから…隊長さんはゆっくりしといてな……」


隊長「……!」バタンッ


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤「さっきはごめんなぁ、変なもんも見せてしもたし」


隊長「……」


龍驤「あ、料理作ってくれたん?ありがとうな」


隊長「……」


龍驤「…どうしたん?ウチ、そんなに機嫌損ねてしもた?」


隊長「少し…昔のことを思い出していたんだ」


龍驤「ひょっとして隊長さんって結婚して……別れた?」


隊長「…なぜそう言える」


龍驤「ウチの裸見ての反応…かな」


隊長「そうだ……俺には妻と子どもが居たんだ」

隊長「俺は家庭を失った。だがそれは当然だ、任務ばかりで家庭を省みなかった」


隊長「ある日、一ヶ月ぶりに家に帰ると妻と子どもが消えていた。家に残っていたのは離婚届だけ…」


龍驤「親権も取られたんやね…」


隊長「平気で一ヶ月も家を開ける人間が子どもなんか育てられるはずが無い。しかし結果としてそれは正解だった」


龍驤「なんで?奥さんと子どもを失ったんやで?」


隊長「今まで以上に仕事に集中できたんだ。その結果特殊部隊の隊長にまでなれたんだ」


龍驤「…ごめん、とても正解とは思えれへんわ」


隊長「俺の仕事を侮辱するのか」


龍驤「仕事は侮辱せぇへんけど、あんたのことはアホやって言うたる」


隊長「何故だ」


龍驤「奥さんと子ども以上に大切なもんはこの世に無いはずやろ」


隊長「……」


龍驤「なんで追いかけへんだん?実家に行けば間に合ったかもしれへんのやで」


龍驤「家庭も守られへん奴に…ウチは守って欲しくない」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


隊長「俺は世界からテロリストやレジスタンスの奴らを消せば、世界は平和になると考えている」


隊長「龍驤達の考えている平和とは真逆だ。奴らは自分達やその周りを守ることしか考えていない」


隊長「そんな考えは世界の平和には繋がらないと…普通ならそうなんだ」


隊長「横須賀提督は小さな平和を守ろうとして、結果的に世界を救った。龍驤ではなく真の英雄は彼だ」


隊長「一体どうやったというんだ。彼の考えが具体的に説明できるのなら、それこそ世界は平和へと…」

コンコン


隊長「…なんだ」


龍驤「ちょっとええかな?」ガチャッ


隊長「今日はもう疲れたんだ、こっちは早く寝たい」


龍驤「そう言わんと…ちょっとだけ、な?」


隊長「手短にしてくれ」


龍驤「あのな…ウチのことどう思ってる?」


隊長「何がだ」


龍驤「…分かってしまうんよ。ウチは艦娘やけど女なんやで」


隊長「意味が分からないぞ」


龍驤「ウチのこと気にしてくれてるやろ。この腕と脚やなくて……女として」


隊長「……」


龍驤「子どもらも寝て……二人きりやね?」


隊長「安価」


下2 隊長の台詞やその他行動など

隊長「何を馬鹿な事を、お互い悲しむ相手がいる…」
龍驤「ほらやっぱりな。奥さんや子供に未練あんのやろ?」

隊長「……ある奴が言っていた。俺は他人の意思に操られる、自我のない駒だと」


隊長「そしてお前は言った。家族以上に大切なものなんて無いと。俺は…俺の家族を守れなかった」


隊長「…お前の子どもへの愛情を見て、こんなに素晴らしく、美しいものがあることを知ったんだ」


隊長「子どもだけじゃないな…お前の夫への愛情もだ」


龍驤「知って…………たんや…」


隊長「こちらには情報収集に長けたメンバーがいる。横須賀提督の周りやお前の素行不良についても把握済みだ」


龍驤「…………ごめん…なさい…」


隊長「謝る必要は無い。俺はお前の家族を守る、誰の指示でもなく俺の意思でだ」


龍驤「……」


隊長「お前は、自分の家族を守りたいと思っているか?」

龍驤「思ってるよ…思ってるからこそ!!ウチが…!」


隊長「自分一人が犠牲になればいいという考えは破滅的だな」


龍驤「…ほなどうすれば良かったんよ!!ウチは…ウチは!!」


龍驤「司令官の側に居たい!朝霜らと一緒に居たい!ウチは…ウチはぁ……!!」


龍驤「幸せになりかった…それだけなんよぉ……!!」


隊長「…もう寝るんだ。薬は持ってきているだろう」


龍驤「嫌や!ウチのことめちゃくちゃにしてええから早く帰してよぉ!!」


隊長「……いいから寝るんだ。安定剤を早く飲め」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤「あ"ぁ…!離じでよぉ…!」


隊長「薬はこれか」ゴソゴソ


龍驤「や"ぁぁぁ…!!」


隊長「ほら、口を開けろ」


龍驤「うぁぁ…!」


隊長「力任せになるが…悪く思うなよ」グイッ


龍驤「が…ぁ……ぇ…っ!」


隊長「これで良いだろう」

龍驤「……」


隊長「俺の任務を忘れたのか?お前を無事に日本に戻すことだ」


龍驤「……」


隊長「俺がお前を傷付けることは無いし、誰からも傷付けさせない」


龍驤「……」


隊長「それが理解できたならもう寝るんだ」


龍驤「……」


隊長「…明日もお守りがあるからな」ガチャッ


龍驤「……」


龍驤「……」ポロポロ


龍驤「会いたい…会いたいよぉ……」


龍驤「なんでウチはここにおるんよ……助けて…司令官……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー数日後


隊長「……まだなのか」


「「「きゃっきゃっ」」」


龍驤「お願いやから…大人しくしてな」


隊長「あれから呼び出しも何も無い。夕立に連絡しようにも連絡先も知らない」


「「「きゃっきゃっ」」」


龍驤「ほら、迷惑かけたらあかんで…」


隊長「…いつまでここに居ればいいんだ」

ーー


『日本の艦娘龍驤。彼女には英雄勲章を授与します』


『彼女はロシアの国籍を持っていないだろう』


『正しい行動をすれば例え外国人でも褒め称える。我が国のクリーンさを十分にアピールできます』


『確かに深海棲艦の成虫体を撃破したという功績は素晴らしい』


『今回の件もソビエトの核兵器を単独でも何とかしようとしたことで理由はできる』


『日本でテロリストとして扱われる方が都合が悪い。というのは皆さん共通だと思います』


『そうだな』


『ならば日本に戻っても彼女を無下にできない、我々という後ろ盾があれば良いんですよ』


『考えていることは分かるが、英雄勲章はやり過ぎだ』

『そうでも無いかもしれません。彼女を知っていますか?』


夕立『……』


『知っているも何も有名人じゃないか。空軍総司令官の養女で、エースパイロットと結婚した…』


『彼女は龍驤の知り合いなんです』


『ほう…』


『夕立の推薦もあって勲章の件の話は進んでいるんです』


夕立『ロシアにとっても悪い話じゃない』


『…もう少し議論は続けよう』


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー数日後


提督「話とはなんだ?」


翔鶴「とにかくこれを見て欲しいんです!」


雷「この前ドッキリでテレビ局に行ったんだけど、そこである映像を見つけたの!」


漣「映像……それって…」


翔鶴「安心して、変なものじゃないから」


雷「ロシアの国営放送らしいんだけど…とにかく見て!」


提督「そこまで言うなら見るが…」


……


漣「あっ……龍驤さんが写ってる……?」

『一見負傷退役した軍人のように見える彼女。その正体は片手片足のない艦娘である』


『彼女が世界の脅威であった深海棲艦の成虫体を撃破したことは、我が国民の記憶にも新しいだろう』


……


『なんと勇ましい姿だろう。ソビエトという呪縛から逃れた我々のようではないか』


『この映像で分かるように彼女は成虫体との戦いで傷付いたのでは無い。彼女はずっとこの姿で戦ってきたのだ』


『しかし彼女は戦闘だけでは無い。聖母のように子どもをあやす心優しい人物なのである』


……


『自分の生活だけでも苦労しているというのに、優しく子どもと接する姿も我々の鑑になるであろう』


『しかし彼女の全てが順調では無かった。彼女は自国ではテロリストの疑いをかけられている』


『安心して欲しい、彼女は決してテロリストなどではなく、ソビエトの核兵器を破壊しようとしたのだ』


『我が国民も知っての通りソビエトと日本の過激派が手を組み核戦争を企てていた。その名残で彼女は旧ソビエト派だと決めつけられてしまったのだ』

漣「あの…これ……はぁ……!?」


翔鶴「私もびっくりしたの。こんなことになってるなんて…」


雷「あの綾波へのインタビューもあるのよ。なんで幹部さんじゃないのかしら…」


翔鶴「インタビューの内容は龍驤さんは大本営とは戦うつもりは無かったとか、説明する余裕が無かったとか言ってたわ」


雷「言葉は分からないけど、龍驤さんが褒め称えられてるっていうのはよーく分かったわ」


漣「…何で分かったんですか?」


翔鶴「映像を最後まで見て」


……


『…よって我が国は彼女の功績を讃えると共に、彼女の行動、思想を支持するため特別勲章を授与する』


提督「勲章…!?」


翔鶴「言葉は分からなくても物は分かるわよね」


雷「龍驤さんに勲章を与えるって…絶対そう言ってるわよ」


漣「何がなんだか……龍驤さん…あんたどうしちまったんですか…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤「……一体なんやったんやろ」


夕立「ぽい」


龍驤「夕立……ウチはどないなったん…?」


夕立「ベビーシッターの対価っぽい」


龍驤「え…?」


夕立「家に戻ったら帰る準備をしておけ…ぽい」


龍驤「そんな、急に……」


夕立「もう用事は済んだぽい」


龍驤「わけが分からへんよ…」

総司令官『幸せのおすそ分けだな夕立!』


夕立『…うるさいぽい』


総司令官『今度就役する新型空母での結婚式!軍人も楽しみにしていると言っていたぞ!』


夕立『あのヘボパイロットめ…』


総司令官『ガハハハハハ!』


龍驤「あの時のおっちゃん…?」


総司令官『そういえば今日にでも日本でニュースになってるはずだな。日本初のロシア勲章受賞者は大きな影響があるだろう』


夕立『そうだ。だからコイツは早く帰す』


総司令官『影響が残っている内にか。流石にあの国のことは良く分かっているな』


夕立「……ぽい」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


あきつ丸「とんでもないことになりましたなぁ」


まるゆ「特別勲章が龍驤さんに贈られるとは思っていませんでした」


あきつ丸「龍驤さんの逮捕は体裁上必要でした。しかしその後をどうするかは揉めていました」


まるゆ「これでいい理由ができたと…?」


あきつ丸「そうでしょうなぁ。これで一件落着と…」


まるゆ「本当にそうなるんでしょうか?」


あきつ丸「なるもならないも、提督殿や龍驤殿にかかっているでありましょうな」


ーー

今日はここまでです


コメントなどあればお願いします

ーー


龍驤「皆んなに迷惑かけてしもてごめんな…もちろん漣にも迷惑かかったやろ?」


漣「バリバリかかりましたよ、どれだけ大変だったか言葉にはできませんね」


龍驤「ほんまにごめんな…」


漣「謝るくらいなら行動した方がいいかもしれませんよ。龍驤さんが居ないことによって色々と起こりましたからね」


漣「ご主人様と霞が喧嘩するし、龍驤さんが居ない今がチャンスだと動く子も居ましたし」


龍驤「Y朝潮か…」


漣「それだけじゃありませんよ、雲龍さんもです」


龍驤「……雲龍やったら…分かるなぁ…」


漣「そもそも秘書艦代理が二人になったりとか、それはもう色々とありました」

漣「優先度が高いのは霞ですかね。龍驤さんが居ないのと霞という精神的な支えが無くなるというダブルパンチをくらってます」


龍驤「司令官に迷惑かけてしもたのが…」


漣「どうせバレるんで言っときますけど、ご主人様と久しぶりに寝ましたよ。その時の様子といったらもう…」


龍驤「相当キてた?」


漣「好みのロリっ子が居たら誰でも襲いそうでしたよ」


龍驤「ウチも悪いんやけど、霞は大事な時期やろ?ちゃんとやらなあかんで司令官…」


漣「帰ってきて早々ですけど、お手伝いお願いしますよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー霞の部屋


霞「最初は本気で怒ってたわよ。それこそ二度と口なんかきくかって思ってた」


霞「家族だって。私と繋がりを持ちたいって言ったのにいざという時に頼らないだなんて…!」


龍驤「それは司令官が悪いんや…あの人の悪いクセが出てしもうた」


漣「ご主人様のことを知ってるならそれくらい分かってるものじゃないですか?」


霞「…そうよ漣の言う通りね。でもあの時は頭に血が上って…」


龍驤「妊娠中は精神的に不安定になるししゃーないよ」


漣「そういう意味では霞は責められませんね」


龍驤「責めるも何も悪いのは司令官と……ウチや」


漣「それは否定できませんね」

霞「ここ最近の流れも悪かったの。龍驤さんがあんなことになって…司令官とゆっくり話す時間も無かった」


龍驤「ほんまにごめんな…」


漣「ご主人様争奪戦が繰り広げられてるのも悪かったですなぁ」


霞「仲直りできるならしたいわよ……」


漣「完全にタイミングを失ったやつですなぁ」


龍驤「ウチも一緒に行くからちゃんと司令官と仲直りしよ?」


漣「漣もご一緒しますよ。ご主人様も悪いって所は認めさせないといけませんからね」


霞「二人ともありがとう…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー食堂


朝霜「……」


早霜「元気を出して姉さん」


漣「お三方お揃いで何をされてますか?」


速吸「朝霜さんが泣いていたので。本来なら早霜さんと朝霜さんは接触禁止なんですが、今回は事情が事情です」


霞「朝霜…もしかして司令官絡みで何かあった?」


朝霜「……」コクリ


龍驤「はぁ…多分朝霜のことも拒絶したんやろうなぁ…」


朝霜「……グスッ」


早霜「あの男姉さんを泣かせるなんて……今度噛み千切ってやる」


龍驤「それは止めてな…?ウチと司令官の子どもまだやし……」

朝霜「あたいって…やっぱりママのついでなんだな…」


龍驤「そんなことないよ。司令官は今ちょっとアレなだけや」


漣「こうなったら朝霜さん達も連れて行きましょうよ!」


霞「…悪くないわね。全員大切にするって言ったのは司令官なんだもの」


龍驤「ウチは拒否できへんわな…」


漣「決まりですね。早霜さんもご主人様が怪我しない程度なら暴れていいですよ?」


早霜「手加減は得意よ」ペキペキ


速吸「…私が居ることを忘れないで下さい」


龍驤「どっちにせよ、司令官には責任取ってもらわなあかんな…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

Y朝潮「わ、私も!私は謝りに行きたいです!!」
漣(なにを考えたのかこいつ御主人様に聖水飲ませようとしたんですよね……どうしたものか)

ーー執務室


提督「……俺は最低だ…」


雲龍「どうして?」


提督「朝霜のことを……そんなつもりは無かったんだ…」


雲龍「泣かせたわね」


提督「……」


Y朝潮「龍驤さんが帰ってきてあんなに喜んでいたのに…」


雲龍「だからよ。少し前まで提督は自分がおかしいことに気付けなかったのよ」


Y朝潮「龍驤さんが帰ってきたことで、ある意味正気に戻ったと…?」


雲龍「表現としては近いわね」


提督「……」

Y朝潮「司令官…一緒に謝りに行きせんか?私も…」


ガチャッ


漣「はいそこまで~」


雲龍「…勢揃いね」


提督「朝霜…霞……」


霞「…あんたが来ないからこっちから来てやったわよ」


朝霜「ぐすっ…パパぁ……」


早霜「姉さんを泣かせるのは……誰?」


龍驤「もちろんウチもおるよ」


提督「……」


漣「雲龍さんと頭のおかしい駆逐艦にはご退場いただきたいんですけどねぇ」


雲龍「嫌よ」


Y朝潮「私は正常です!」


漣「提督に聖水飲ませようとした奴は喋るな」


龍驤「…は?」


Y朝潮「違います!」

Y朝潮「雲龍さんが司令官に母乳を飲ませていたんですよ!」


提督「違う…」


漣「それとこれとは話が違うだろうがよぉ」


Y朝潮「同じです!元は同じ血液です!」


龍驤「…飲んだ?」


提督「違う、話を聞いてくれ」


Y朝潮「司令官は龍驤さんのを何度か飲んだことがあると言っていました!」


提督「違う……」


Y朝潮「違いません!龍驤さんが潮を吹きそうな時に股間に顔を埋めていたと!龍驤さんを堪能したと!!」


霞「……」


朝霜「ぐすっ……」


龍驤「……」


提督「……」


雲龍「朝潮、どうするのよ」


Y朝潮「私は悪くありません!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

話がよくわからない方向にズレていきそうになっていくのをパンパンと霞が話を閉めてつべこべ言わず朝霜を抱きしめてあげなさいと提督に朝霜をずずいと押す
早霜が貴女もでしょって霞を優しく押して一緒に抱きしめさせる
龍驤は二人の後ろからぎゅ

一番耐えられなさそうな朝霜を落ち着かせようと>>531

>>531
朝潮「私も……!」
雲龍「いまはその時じゃないわよ、佳い女性は時と場所も弁えるもの」

霞「はいはい、もうこの話は終わり!」パンパン


提督「……」


霞「朝霜、こっちに来なさい」


朝霜「ん……」


霞「司令官、あんたがクズじゃないならどうしたらいいか分かるわね?」


提督「……あぁ。朝霜、さっきは悪かった。こっちに来てくれないか?」


朝霜「……」コクリ


提督「よし……」ギュッ


朝霜「……パパぁ…!!あたい…パパに捨てられたら……!!」


提督「すまなかった……そんな気持ちにさせてしまって…不安にさせてしまった…」


霞「耐性が一番無いのは朝霜でしょ。その朝霜を拒絶するだなんてほんとあり得ないんだから」

早霜「あら…それは貴女もでしょって」ぽんっ


霞「あ、え……?」


提督「……霞」ギュッ


霞「……なによ。こんなので誤魔化されないわよ」


提督「家族だと…そう言って頼ろうとしなかった俺が悪い……全部俺が悪いんだ…」


霞「…仕方ないわね。今回だけ特別に許してあげる」ギュッ


提督「ありがとう……」


龍驤「そろそろ…ウチも混ぜてもらおかな」ダキッ


朝霜「ママぁ…」


提督「龍驤……」

龍驤「ウチが未熟なんは知ってるわな?最近まであんなことになってたし、精神的にも不安定や」


龍驤「でもウチらは家族なんや。心細くなった時は遠慮なく頼ったらええ。遠慮なんかいらんのやで」


朝霜「……うん」


龍驤「司令官、霞の薬を飲む前にちゃんと相談しぃや」


提督「…分かった」


龍驤「二人とも…今日はウチがしっかりしてるけど、迷惑をかけるのがウチの方が多いと思う」


霞「そんなの分かり切ってるわよ」


朝霜「ん……」


龍驤「…ありがとう。こんな家族を持ってウチは幸せ者や……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

雲龍「…せっかく龍驤さんが帰ってきたんだし、祝賀会でもどう?」


漣「ほう…」


雲龍「一時的にだけど特務艦の子達も来ているし、いいタイミングだと思うわ」


漣「…どうしますかご主人様?」


提督「……前向きに考えておこう」


漣「…だそうです」


雲龍(こうやって話をズラすのも大事よ)ヒソヒソ


Y朝潮(これができる女…!)


雲龍(私も下手をしたら龍驤さんにギルティをくらうのよ。その前に回避することが大事)


Y朝潮(勉強になります!)

(Y朝潮ちゃんはちょっとは雲龍を、み、見習え…?)

ーー


秋雲「無理無理、そんなの出るわけないじゃん」


Y朝潮「なぜですか!」


蒼龍「出るメリットが何もないわよ」


青葉「その祝賀会に出るということはあのクソ女に賛同していることなるのが分かりませんか?」


山城「ここは横須賀鎮守府…そんなことでいちいち騒げないわよ」


名取「少なくとも私達は出ないかなぁ…」


ポーラ「……」


Y朝潮「ポーラさんはどうなんですか!」


ポーラ「ひっ!ご、ごめんなさい!」


蒼龍「ポーラ…なんか性格変わった?」


青葉「知りませんよそんなこと」

秋雲「朝潮には言ってなかったけどさ、秋雲さん達は異動しようかと思ってるんだよ」


Y朝潮「なぜですか!?」


蒼龍「言葉にしないと分からない?そんなことないわよね」


青葉「こんな所は出て大本営に異動するんです。特務艦の人達がここに居るんで話は早いです」


山城「私は残るかもしれないわ。天城との約束があるの…」


名取「私は由良を連れて大本営かなぁ…ここは由良にとって良いことは無さそうだから、説得して連れて行くつもり」


ポーラ「ポ、ポーラは…皆さんの……」


Y朝潮「…勝手にして下さい!私はここに残りますから!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


秋雲「居た居た!次期特務艦隊長!」


深海綾波「…なんですかぁ」


蒼龍(見るからに機嫌悪いわね。ここの連中のせいかしら)


秋雲「この前言ってた話!あれってどうよ?」


深海綾波「あぁ、それなら無理ですね」


山城「そんなアッサリ…」


青葉「納得いきません」


深海綾波「オッサ……幹部さんが何故貴女達をここに配属したのか。その理由も分かっていないみたいですね」


名取「理由も何も無いんじゃ…」


深海綾波「幹部さんは意味の無いことはしません。それに貴女達まで来れば戦力が一部に集中してしまいます。その危険性は十分理解してますよね?」


ポーラ「……」

深海綾波「どうせあの提督さん達のことを見た目だけで判断したんですよね。外から見えるものだけを見てたらいつまでも二流ですよ」


蒼龍「なんですって?」


深海綾波「物事の内側、本質を見れるようにならないと駄目ですよ」


青葉「その言い方、不快です」


深海綾波「じゃあ勝手にしてて下さいよ。私はお遊びに付き合ってるほど暇じゃないんです」スタスタ


秋雲「…機嫌が悪かったからってわけじゃ無さそうだねぇ」


山城「本質もなにも見た目が汚れていたら意味が無いでしょうに」


名取「幹部さんがダメだとなると、やっぱりここの提督をどうにかするしかないのかな…」


秋雲「封印した最終手段……やるしかないなかぁ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

山城「…綾波の言うことに一理あるもしれないわね」


名取「本気ですか?」


山城「確かに彼女達は汚れているかもしれない。けど私達はその汚れた見た目を綺麗にさせる努力をしてこなかったわ」


秋雲「そりゃそうだよ、自分のことで精一杯ってね」


山城「それならいいわ。でも私達は不平不満ばかり言って、向こうに迷惑をかけているんじゃない?」


蒼龍「……」


山城「挙句に異動という名の逃走をしようとしてるのよ」


青葉「こんな連中の相手をしてたら頭がおかしくなります」


山城「ちゃんと相手をしてから言いなさい」

秋雲「…山城さんさぁ、何か勘違いしてない?秋雲さん達の仕事は深海棲艦と戦うことなんだよ?」


青葉「敵を多く沈めればそれでいいんです」


山城「そう…じゃあこの戦いが終わったらどうするの?」


秋雲「はっ、そういうのはもういいって。秋雲さん達艦娘はいくらでも働き口があるんだよねぇ」


蒼龍「山城の頭の中では、私達は戦争が終わった所で突然海に捨てられるとでも思ってるのね」


山城「……悲しいわね」


秋雲「山城さんがね」


山城「貴女達は戦争しかするつもりが無いのね」


ポーラ「……」


山城「私は…嫌。悪いけど抜けさせてもらうわ」スタスタ


秋雲「どうぞご勝手に弱虫さ~ん」


山城「……深海棲艦の次は…人を殺すことになるのよ」


ポーラ「……ポーラも!」ダダダッ


秋雲「…はぁ~あ、なんかシラけたよねぇ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

とはいえ山城も今の鎮守府の形をどう改善したらいいか考えあぐねている
対外的には見た目が幼い艦娘を妊娠させた暗い感じのする提督…そして性に奔放な艦娘達
手遅れなのかしら…と
山城が危惧するのは都合良く解釈した他の鎮守府がそれに倣ってしまわないかという事

>>551
悩んでいてもキリがない
ここまできたら堂々と提督に相談しに行こう

ポーラと祝賀会に行ってみる
お酒呑めば挙動不審も少しは落ち着きそうだし

ーー


山城「… とは言っても、実際どう改善したらいいかしら」


山城「ロリコンの挙句駆逐艦を艦娘を妊娠させた提督…そして性に奔放な艦娘達…」


山城「ひょっとしてもう手遅れなのかしら…」


山城「 提督には危機感が無いのよ。横須賀鎮守府がこうだと知れ渡ってしまえば、他の鎮守府がそれに倣ってしまう」


山城「そうなってしまったらもう遅い…」


山城「…悩んでいても仕方ないわね。提督と直接話しましょう。ポーラ、貴女も来なさい」


ポーラ「…はい」

ーー食堂


山城「…やってるみたいね。ポーラ、お酒もあるみたいよ」


ポーラ「……」スススッ


山城「大人しくなってもお酒は好きみたいね」


提督「…山城?」


山城「提督、貴女に話しがあるのよ」


提督「だが今は…」


山城「秋雲達が居なくて私しか居ない理由を考えなさい」


提督「…分かった、場所を変えよう」


山城「提督か私の部屋ね。他には聞かれたくない話でしょ?」


提督「そうだな……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー提督の部屋


提督「山城の言うことは分かる。だが俺は恋愛を制限をすることはしたくないんだ」


山城「どうして?ある程度のルールは必要よ」


提督「他人を愛することは誰にも侵されてはいけない権利だ」


山城「……」


提督「愛し合う為にレクリエーションルームを作ったし、一つでは足りないということで増やした。使用後にはきちんと掃除もしている、以前の様な事は減っているだろう?」


山城「それは認めるわ。けどここは横須賀鎮守府、減っているじゃダメなのよ」


提督「…それも分かっているんだ」


山城「提督である貴方がアレじゃ示しもつかないでしょうね。まずはそこからじゃないの?」


提督「……無理なんだ」

提督「龍驤も霞も朝霜も愛してる…漣や潜水新棲姫…早霜も…精神の安定のためでもあるんだ」


山城「提督の精神が脆いのは知ってるわ、でも…」


提督「もう止めろと言われて簡単にやめれる関係でもない」


山城「開き直らないで、そうしたのは提督よ」


山城「本来なら言葉で満ち足りた部分を貴方は肉欲で埋めた。その代償を支払う時が来たのよ」


提督「……」


山城「世界は貴方が思っているよりも残酷なの。周りの人間が全て味方だと思わないで」


山城「貴方はいつか隙を突かれて酷い目に遭う。自分一人で済めばいい方、最悪誰かを巻き込むでしょうね」


提督「……」


山城「…よく考えなさい。少なくとも私は協力してあげるわ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー執務室


漣「これはまた勢揃いですなぁ」


早霜「一部例外が居るかしら…?」


提督「龍驤が帰ってきた今が…一番いい機会だから、今後の在り方について話し合いたい」


朝霜「や、やっぱり捨てられる…のか……?」


提督「縁を切るだとかそういう話じゃない。今までは自分達のやり方でやってきたが、そろそろ終わりにしなければいけない段階なんだ」


潜水新棲姫「一般的な考え方に寄るということか」


提督「その認識で間違ってはいない」


霞「あなたは何か答えがあるの?」


提督「…無い。だからみんなと考えたいんだ」


速吸「正直者なのか…それとも…」


山城「提督の場合は両方かもしれないわね」

龍驤「ウチは…不安やわ。司令官の性欲がどんなもんか知ってるから余計に…」


潜水新棲姫「提督が我慢すればいいだけのことだろう」


龍驤「…ウチのせいで司令官は心が一回壊れてる。そんな司令官が我慢を続けたらどうなるか…」


潜水新棲姫「だからって一生このままな訳ないだろう」


龍驤「そうや!だから…霞とウチの子どもとか…そういう存在が…」


朝霜「…なんだよぉ!やっぱりあたいは本物の子どもじゃないのかよぉぉ!!」


龍驤「違うそうやないねん!セックス以外でも繋がれる存在が…!」


朝霜「あぁぁぁぁぁ~~!!」


早霜「クソアマ、殺すわよ」


速吸「早霜さん」


早霜「姉さんの為に死ねるなら本望よ」


漣「ご主人様の言いたいことは分かりますけど、今は無理だと思いますねぇ~」


提督「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


山城「……甘かったわ。思った以上に絡み付いて、根深い問題ね…」


山城「あれから何度か話し合ってるけど、結論が出るどころか現状維持が最善だなんて…」


山城「下手なことに首を突っ込んだみたいね…不幸だわ……」


秋雲「おぃ~っす」


名取「うまくいってないみたいですね」


山城「…なによ、直接笑いに来たって?」


秋雲「違うよ、秋雲さん達も協力してあげるって話」


山城「悪いけど魂胆は見え見えよ。油断させて裏切るのは貴女の得意技でしょ?」


秋雲「それはそうだけど今回は違うって」

名取「私達は逃げるつもりはありません」


秋雲「このままだと秋雲さん達がヒールにされそうだし。そんなのはゴメンなんだよね」


山城「今更信用しろって言うの?」


名取「その為に協力するよ」


秋雲「仲良しごっこをしようってんじゃないよ。あくまで力を貸すってだけ」


山城「…いいわ、今のところは信じてあげる」


名取「うん、それでいいよ」


秋雲「さて…解けないパズルをどうにかしましょうか…っと」


ーー

朝潮の聖水は恐らくツイッターのネタかと


コメントなどあればお願いします

ーー


秋雲「こっちの考えとしてはさ、提督が何人もの艦娘と関係があるのは度し難いんだよね」


名取「霞さんの子どもの件も凄くややこしいです」


山城「でもまずは提督自身からよ。あんなの自覚が無いだけでセックス依存症そのものじゃない」


漣「それは触れてはいけないタブーというやつです」


秋雲「そんなこといつまでも言ってられないって」


名取「だから私達である妥協案を考えたんです」


漣「その妥協案とは?」


山城「ここの艦娘には端末を配っているわよね?」


漣「はい、その端末で悩みとかあればご主人様にメールが送れるようになってます。内容はご主人様しか確認できませんし、送信されたメッセージも自動で破棄されます」


名取「それを使おうと思ってるの」

秋雲「その端末って画像も送れるよね?なら提督にエッチな写真を送ってオカズにしてもらおうって話!」


漣「はぁ…」


山城「私もそれを聞いた時頭がおかしいかと思ったわ。でもよく聞くと納得できる部分があるの」


秋雲「どんな写真を送ったのかは本人と提督しか知らない。写真も端末から消える仕様らしいから漏洩もしない!」


山城「写真や動画だけでも自分が提督の性の対象になって、ある程度は満足するはずよ」


名取「一部の艦娘だけが提督と関係があるから少し拗れているというか…これなら龍驤さん以外とは一切の関係を断ち切れますよね?」


漣「うぅ~~ん…」


秋雲「ちょっとキチってる朝霞も納得すると思うんだけどなぁ」


山城「その端末には一切送信もできるのよね?提督に言って試しに画像を募ってみたらどう?」


漣「まぁ…言うだけは言ってみますけど……」


秋雲「正攻法が難しいなら裏をかくしかないんだって!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

秋雲「それにさぁ…漣、あんたがあの提督に色々教えたって聞いたよ?」


漣「何がですか」


山城「童貞を奪った上に、隙を見てやりたい放題だったそうね」


漣「奪ったとは失礼ですな。ちゃんと合意の上というかご主人様からでしたよ」


名取「漣にも責任の一端はあるんじゃない?」


漣「…分かりましたよ。ご主人様には前向きに検討するよう進言します」


秋雲「分かればよろしいってね」


山城「これで周りがどういう反応をして、提督がどうなるか…ね」

ーー


『皆んなに配ってある端末には親からの一斉送信の機能があったらしい。その機能を初めて使うことになった』


『その内容というのは俺個人の事情だ。皆んなが優先すべきものでは無いから無視してくれても構わない』


『皆んなも知っての通り、俺は龍驤以外の何人かと関係がある。基本的に龍驤も合意しているが、そろそろ卒業しようかと思っている』


『足りないもの鎮守府からの付き合いの皆んなは知っていると思うが、俺は性欲も異常だ。龍驤一人に負担させるのは得策じゃない』


『俺が我慢すればいいだけの話だが…過去の心の病の状況から、我慢を続けても良いことは無いらしい』


『そこで……』


『皆んなには俺宛に画像や動画を送ってみてくれないか?』


『漣から聞いたアイデアなんだが、これで俺も一人で処理できるなら越したことはない』


『せっかくの端末を活かす意味でも試しにやってみようということになった』


『無理はしなくていい。どれくらい効果があるのかという実験に参加する気持ち程度でいい』


『俺からは以上だ。引き続きメールは送ってきてもらっていい』

提督「……送ったぞ」


漣「ほいほい、漣の端末でも受信しましたぜ」


提督「…本当にうまくいくのか?」


漣「それはご主人様にかかってますね」


提督「……」


漣「男子トイレは実質ご主人様専用なんですぜ。そこで好きなだけシコってればいいんですよ」


提督「…皆んなが協力してくれるとは限らない」


漣「少なくとも雲龍さんとY朝潮さんは送ってきますよ」


提督「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー数日後、執務室


漣「……」


龍驤「……」


提督「……」


ブブブッ


提督「……」チラッ


提督「…少しトイレに行ってくる」


龍驤「ん~」


漣「…ごゆっくり」


提督「……」


ガチャッ


漣「……ふむふむ」

漣「例の写メ作戦は順調みたいですね」


龍驤「そうみたいやね…」


漣「意外だったのは皆さんが乗り気だったってことですよ」


龍驤「そらそうやで。雲龍なんかは表に出し過ぎやけど、皆んな司令官のことは好きやからね」


漣「画像はご主人様だけが見れるっていうのが大きかったんですかねぇ」


龍驤「それはあるよ。着替えのついでに撮った写真でも喜ぶやろうし」


漣「単純といえば単純ですけど…そもそも根本的な解決にはなってませんよね?」


龍驤「司令官が何人とも関係があるよりかはマシやろうな」


漣「そう言われれば…うーん…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


ガチャッ


漣「ご主人様はまたトイレですか」


龍驤「仕事はウチらが頑張ればええから別にええんやけど」


漣「ヤりたいのを我慢してるの見え見えなんですけど」


龍驤「いつもやったらコソコソと書庫とかレクリエーションルームに行っとったんやから、それに比べたら大した進歩や」


漣「そりゃ龍驤さんにとっては良いですよね」


龍驤「皆んなのストレス発散にもなるから、今の所はプラスが多いで?」


漣「結論としてはそうなるのかぁ…」

龍驤「昼間我慢しながら抜いて、夜にウチと。これやと一晩で五回なんか無いから、毎日でもなんとかなるんよ」


漣「そういうサイクルが出来上がりつつあるんですね」


龍驤「あとは少しずつ性欲を抑えていければ…」


漣「それは龍驤さんが無理ですよね」


龍驤「……無理や」


漣「漣達はそれで大丈夫だとしても、やっぱり問題は朝霜ですよ」


龍驤「そうやんな…」


漣「彼女は崩れていく心をご主人様との肉欲で埋めていました。それが無くなった今、爆発してもおかしくないんです」


龍驤「そうなる前になんとかせなあかんし、その責任がある」


漣「死人が出る前に頼みますよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


秋雲「朝霜は提督と?がりを確かめる為に身体を重ねてたんでしょ?なら言葉や気持ちだけじゃなくて戸籍上も家族になればいいんじゃない?」


提督「……」


名取「それは嫌なんですか?」


提督「嫌じゃない、何度もそのことは考えたんだ」


山城「じゃあどうしてやらないのよ」


提督「朝霜を養子にするということは俺が籍を入れる必要がある」


秋雲「当たり前だよねぇ」


提督「龍驤と籍を入れた場合…霞の子どもは……」


名取「やっぱりそこかぁ…」


山城「霞と朝霜の二人は厄介ね」

秋雲「霞の子どもを認知して提督さん達が育てるんじゃダメなの?」


提督「それは…ちゃんと俺の子どもになるのか?」


名取「認知してる時点で…あれ、どうなんですか?」


山城「私に聞かれても困るわよ」


秋雲「とにかくさ、朝霜には時間が無いわけ。あちこち手を付けた罰だと思って思い切って行動しなよ」


提督「ん……」


名取「妻と内縁の妻に夫の相続が認められたって話を聞いたことがあるんです。だから霞さんも心配いりません」


山城「貴方は横須賀鎮守府の提督よ。人間としても成長しなさい」


提督「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「養子や相続…法律のことはガンビアベイに聞けばいい。どうすればいいのか教えてくれるだろう」


提督「だがその前に霞と話を……」


榛名「……」


提督「…榛名か」


榛名「お話しがあります」


提督「あぁ…分かっている」


榛名「お話しの内容によっては提督に暴力行為を行うかもしれません」


提督「構わない。もし榛名に何かをされても俺が転んだと皆んなには言う」


榛名「分かりました…それでは榛名の部屋に来て下さい」

ーー榛名の部屋


榛名「…霞ちゃんをどうするつもりなんですか?」


提督「子どもは認知して俺と龍驤と霞、三人で育てる」


榛名「榛名は霞ちゃんについて聞いているんです」


提督「…内縁の妻だとか表現は色々あると思うが、それは単なる名前だ」


提督「俺は霞と繋がりを持っていたい。籍という区切りは龍驤と付けるが、霞との関係も何も変わらない」


榛名「…霞ちゃんは言ってました。司令官は籍のある無しで区別する人じゃないと」


提督「……」


榛名「霞ちゃんは納得してたんです。でも…榛名はそうとは限りませんよね?」


提督「その通り…だ」

榛名「提督には感謝しています。作り物の指のことも、金剛お姉さまと新型武装を使えるようになったこと…全部に感謝してます」


榛名「けど……榛名にとって霞ちゃんは全てなんです」


提督「……」


榛名「榛名は籍という区切りを霞ちゃんと付けて欲しいと思っています」


提督「それは…普通なら当然だと思う」


榛名「思うだけなら誰でもできます」


提督「……」


榛名「…許せない!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

バチーーンッ


榛名「……!!」


提督「……」


榛名「提督は家族の繋がりが欲しかった、だから子どもが欲しかったんです。でも龍驤さんはすぐには子どもが産めない、だから霞ちゃんを……!!」


榛名「貴方のエゴに霞ちゃんを巻き込んだ事は許せません!!どうして…!!」


提督「…霞でなければこんなことは考えなかった」


榛名「殺したい…!本当だったら提督は殺したいほど憎いです!!」


榛名「でも……そんなことしたら…一番悲しむのは霞ちゃんなんですよぉぉ…!!」


榛名「榛名ができることは…これくらいで……うっ、うぅぅ……!」

ガチャッ


霞「お姉様、隣の部屋から大きな声が聞こえたんだけど?」


榛名「…霞ちゃん!」


霞「正直……お姉様の気持ちは凄く嬉しいわ。そこまで私のことを思ってくれていたのね」ギュッ


榛名「ううぅっ…!」


霞「でも……司令官は龍驤さんよりも先に私を繋ぎ止めてくれたの。それが司令官なりのケジメだと思ってたのよ」


霞「…龍驤さんは戻ってこれなかったかもしれない。けど…確かにエゴもあったかもしれないけれど…それでも私の為に色々としてくれたのよ」


霞「私は司令官が大好き。榛名お姉さまも勿論大好きよ」


榛名「霞…ちゃん……!」


霞「どっちの意見が間違ってるとかじゃない。二人の想いが何よりも嬉しいの」


提督「…形では表せないが、霞を想う気持ちに偽りは無い」


霞「知ってるわよ。このお腹で嫌でも毎日感じてるんだもの」ポンポン


霞「…司令官に会えて良かった。本当に感謝してるわ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

霞「あっ…今動いたわ!」


提督「本当か?」


霞「お姉さまもお腹に耳を当ててみて?」


榛名「……あぁ…霞ちゃんの……」


霞「この子が産まれてくる場所は幸せであって欲しいの。司令官がいて、お姉様がいて、龍驤さん達も皆んなも…」


霞「それが私の願いね。籍だとかそういうのはどうでもいいの」


提督「ありがとう…ありがとう霞……」


霞「お礼なんか要らないわよ」

霞「こんなことしてる暇があるなら朝霜をどうにかしなさい。いつ急変してもおかしくないのよ」


提督「…分かっている」


霞「皆んなとの関係を断ち切る変わりに画像…考えは良かったかもしれないけど、朝霜は例外にすべきだったわね」


霞「朝霜なら皆んな納得してたわよ。それくらい危ないのよ」


榛名「霞ちゃんのお薬でも無理なんですか…?」


霞「もう手遅れの可能性もあるわね。悪かった時の響や叢雲より状態が悪いわ」


霞「司令官、朝霜に限っては解体という選択肢もあり得るのよ。終わらせてあげるのが彼女の為の場合もある」


提督「だが…」


霞「そうならないようにしなさいって言ってるの!早く行動に移す!」


提督「……」


霞「ほんとにもう、世話がかかって仕方ないわ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー朝霜の部屋


朝霜「ひっ…ひっ……」


早霜「姉さん……」


朝霜「ひぐ……っ…あたい…一人だったら…今頃…」


早霜「…特務艦、分かっているでしょうね」


速吸「流石の私でも見逃します。朝霜さんが…ロープで…首を……」


早霜「朝霜姉さんがこんなに依存するだなんて…やっぱりあの男は…」


朝霜「あたいを……こうしたのはお前だろうがよぉ!!」


早霜「……」ギリッ


朝霜「嫌だ…司令と一緒になれないなら……死なせてくれ…」


速吸「…やはり医者に連れて行くべきですね」

提督「…朝霜!」ガチャッ


朝霜「司令ぇぇぇぇーーーー!」ダキッ


朝霜「ひ、ひ、ひ、ひ、ひ…ひっ…ひっ…!」


早霜「……姉さんはずっとこのままにできないわよ」


提督「そうだ…だからもう曖昧なことはやめる」


朝霜「嫌だぁぁ~!」


提督「朝霜は……俺と龍驤の正式な養子にする」


速吸「霞さんとはどうなるんですか?」


提督「それは解決済みだ。朝霜は書類の上でも俺の子どもになる」


提督「朝霜……もう不安にさせたりなんかしない。大丈夫だからな…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

朝霜「嬉しい…嬉しいよぉ……」


提督「良かった…」


朝霜 「でも……怖い…」


提督「怖い……?」


朝霜「そうなったら…もう二度と…司令から離れられないのが…怖い……」


早霜「…そうよ、もし司令官が死んだりしたら朝霜姉さんはどうするの」


提督「今までみたいに身体で、一時的に絆を確かめるんじゃないんだ。俺達は正式な親子としてずっと繋がれる」


提督「俺が朝霜の隣に居なくても、お互いに別のことをしていても、例え地球の裏側にいたとしても繋がってるんだ」

提督「俺が死んだとしても朝霜とは繋がっている。この絆は誰にも邪魔されないんだ」


提督「朝霜、そんなことは気にする必要はない、それが家族なんだから」


朝霜「あ…司令……」


速吸「…その決断は過去の払拭でもありますね」


提督「……そうだ。俺のせいでS朝潮は刑務所で首を吊り…とり返しのつかないことになった。もっと早く俺が行動していれば……」


速吸「これでも朝霜さんはギリギリです。後悔してからでは遅いですよ」


提督「……その通りだ」


早霜「朝霜姉さんがS朝潮みたいな身体になっていたら、皆殺しじゃ済まなかったわよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤「婚姻届……本物や…」


提督「今日は日が悪いから書くのはまた後日にしよう」


龍驤「これでほんまに…司令官と……」


提督「式や旅行はまだ無理だが……それでもこれが俺達の、新しい一歩だ」


龍驤「…うん。ちょっとずつやけど前に進むんや」


提督「朝霜も霞もその子ども…全員で家族なんだ」


龍驤「司令官……」


提督「…ずっと一緒に居ような、龍驤」


龍驤「うん…うん……!」

ーー


八島「朝ちゃん、あーん」


S朝潮「……」


八島「ん~今年もみかんが美味しいねぇ」


S朝潮「……」


八島「……」


八島(喋れないのはやっぱり不便だね)


S朝潮(八島さんが居てくれればそれで良いんです)


八島(違うんだよ…朝ちゃんはそれじゃいけないんだよ)

八島(朝ちゃんはあのクズを殺して刑務所行きになった所までは同じ。そして刑務所で首を吊るところまでも…)


S朝潮(そこで私は助かってしまったんです。手も足も声を出せなくなった代わりに、命は繋がりました)


八島(朝ちゃんが死のうが関係ない。あの提督は心を病んで朝ちゃんのことを後悔した)


S朝潮(彼岸でのことは無かったことにはなりませんでしたね)


八島(朝ちゃんは臨死体験ってことになったくらいかな)


S朝潮(…因果を舐めていました。分散させれば私は無事だと思い込んでしまっていたんです)


八島(普通ならそれでいいんだよ、朝ちゃんは何も悪くない)


八島(……お前のことは見てるからな)


八島(この恨みは忘れない)


八島(お前とはたった一つ次元が違うだけ。それがどういう意味か分かってるな)


八島(……)


八島(××××××××××)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

八島(……整備士に頼めば何とかしてもらえると思うけど、どうする?)


S朝潮(こうやって、もう少しだけ甘えていたいです。なんて…)


八島(ん~このこの~~甘えんぼさんめぇ~)ぐりぐり


S朝潮(えへへへ…)


八島(…実際あの提督は朝ちゃんを動かしたくないと思ってるみたいだから、治すのはまだ先になるだろうね)


S朝潮(司令官も私という因果から早く逃れて欲しいです)


八島(簡単にはいかない……そんな簡単じゃないんだよ…)

ーー


榛名「分かりました、これからは榛名が提督を父親として厳しく鍛えます!」


霞「張り切ってるわねお姉さま」


榛名「提督が霞ちゃんと家族というなら、私とは親族になりますからね!」


霞「金剛さんもそうなるのよね…」


榛名「いえ、あの人は別に…」


霞「…金剛さんと仲悪かったの?」


榛名「そんなことありません。金剛お姉さまは金剛お姉さまですよ」


霞「……そうね」


榛名「パパのイロハは勉強しました!勝手は、榛名が許しません!」


ーー

ビジネス姉妹というアプローチ


コメントなどあればお願いします

ーー執務室


漣「婚姻届の証人に漣を、ですか」


龍驤「誰でもええらしいんやけど、司令官がどうしてもって言うねん」


提督「頼めないか漣?」


漣「本来なら友人の女提督さんとか上司の幹部さんに頼むべきでは?」


提督「それは分かっている。だが漣がいいんだ」


漣「ふーん…」


龍驤「別れることは無いけどもしそうなっても漣に迷惑はかかれへんから、な?」


漣「…分かりました」


提督「よし、ならここにサインと…」


漣「丁重にお断りさせていただきます」


龍驤「……ん?」

提督「漣……?」


漣「すいません本日は少し体調が良く無いので自室で休養しています」


龍驤「……」


漣「今日は仕事も多くないと思うので龍驤さん一人でも大丈夫なはずです。ヘルプが必要な場合はY朝潮辺りに頼めば喜んでやってくれますよ」


提督「どうしてなんだ、漣…」


漣「…それくらい分かって下さいよ」バタン


龍驤「……ごめん」


提督「……」


龍驤「…どうする?」


提督「漣でないといけない……他の誰でも代わりにはならないんだ」


龍驤「司令官がそう言うんやったらウチも従うよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー書庫


潜水新棲姫「全く、提督はデリカシーの無い奴だ」


漣「わがままを言ってるのは漣なんです。ご主人様は責められません」


潜水新棲姫「提督は乙女心というヤツが分かってない。漣の初めての恋人が他の女と結婚しようとしているんだ」


漣「あ、初めての恋人はご主人様じゃないですよ」


潜水新棲姫「そうだったのか?」


漣「まぁ初めて好きになった人という意味では合ってますけどね」


潜水新棲姫「…?」


漣「複雑な乙女心ってやつですよ」

漣「貴女のことは愛してますよ。でもご主人様も大好きなんです」


潜水新棲姫「それは知ってる。ワタシの次に大切な存在なんだろう」


漣「……やっぱ無理ですって。あのビッチとご主人様が結婚ですよ?」


潜水新棲姫「提督が選んだんだから仕方ない」


漣「あーーもうーーー!そうなんですよ!漣は捨てられたんですよ!!」


潜水新棲姫「ワタシが居るだろう…?」


漣「それとこれとは別なんです!」


潜水新棲姫「暫く時間が必要ということだな」


漣「こんなの割り切れねぇですって…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

潜水新棲姫「そういえばワタシ達は結婚できるのか?」


漣「無理でしょうね。漣は女の子ですし、貴女は深海棲艦ですもん」


潜水新棲姫「やはりそうか…形に拘りはないが、身近な話題になると少し気になるな」


漣「漣達の場合はまず同性婚が認められなければいけませんね」


潜水新棲姫「愛し合う者同士は性別が違わなければいけないのか」


漣「それが現在の考え方ですね」


潜水新棲姫「やはり人間はワタシ達にとって……害虫だ」


漣「否定はしませんが人間というくくりはやめて下さい。ご主人様も人間なんですよ」


潜水新棲姫「……そうか」


漣「人間は金しか考えない種族ですから。ご主人様のように金より家族を優先する人は少数派でしょうね」


潜水新棲姫「だからこそ人間は文明を発達させられたのかもしれないな」


漣「……否定できませんね」

漣「でも式だけならなんとかなるかもしれませんよ。以前加賀さんと瑞鶴さんがお祭りの祭事とはいえ、結婚の儀式はしてましたから」


潜水新棲姫「あれか!映像で見たが瑞鶴は美しいという言葉だけでは表せなかったぞ」


漣「元がいいのもありますけど、加賀さんと結婚式ができるっていう喜びもあったんですよ」


潜水新棲姫「和装か……綺麗だったな」


漣「貴女も着たいですか?」


潜水新棲姫「ワタシは…そうだな、着れるなら深海のがいい」


漣「そんなのあるんですか?」


潜水新棲姫「結婚式という概念が無いが、似たようなものがある。深海には片方が片方を食べて、身体に子どもを宿すという儀式があるだろう?」


漣「…ありますねぇ」


潜水新棲姫「その時に羽織るヴェールのようなものがある。羽織る方が食べられる方だ」


漣「……それを着たいと?」


潜水新棲姫「ワタシもある意味漣に食べられたからな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


中枢棲姫「私達に聞きたいことだと?」


漣「はい。深海棲艦同士がくっつくというか…片方が身体を差し出して食べてもらう儀式があるじゃないですか」


北方棲姫「アルナ」


漣「その時にヴェールのようなものを羽織ると聞いたんですよ」


北方棲妹「ヴェール?」


中枢棲姫「人間達の言葉を使えばな。そうだろう?」


港湾棲姫「……」


漣「それに似たようなものを羽織ってもらって、式だけでもやろうかと思うんですよ」

中枢棲姫「私個人としては認めたくないな。あれは深海の中でも誇り高い儀式だ」


漣「身体を差し出すんですから…ねぇ」


北方棲姫「ヤメロ!」


漣「ええ…貴女達の反応が芳しく無いならやめておこうかと思ってたんです」


北方棲妹「あいつがしたいと言ったのか」


漣「えぇ…」


北方棲妹「ならいいと思う。潜水新棲姫がやりたいことをやればいい」


中枢棲姫「それは私も同感だ。あくまで私個人が否定しているだけだ」


北方棲姫「ドウカン!」


港湾棲姫「……」


漣「そう言ってもらえれば嬉しいですね…」

漣「そのヴェール?が何製か分からないので、見た目だけ近いものを用意しようとしてたんですよ」


中枢棲姫「あれは食われる方の魂が具現化したものだ。特定の形は無く、本人の意思によって形も変わる」


漣「魂…」


北方棲妹「あの儀式は愛というものを超えている。魂が目に見える形になってもおかしくない」


漣「…ありがとうございます。お話を聞いて良かったです」


北方棲姫「トウゼンダ!」


漣「下手な真似はやめておいた方が得策かもしれませんね…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

漣「ちなみにそのヴェールが発現したらどうなるんですか?精神とかに影響は出ないんですかね?」


中枢棲姫「分からないな。それが現れた時は全員相手に食べられるからな」


漣「むむむ……」


北方棲妹「真似ごとは止めた方がいい」


漣「…分かりましたよ。なら私の愛を具現化したような衣装を準備してやります!」


北方棲姫「イショウ?」


漣「魂を形にしなくても、嫁の魂に直接に響くようなのをバシッと作ってやりますよ!」


港湾棲姫「……」


中枢棲姫「裁縫はできるのかと言ってるぞ」


漣「……できらぁ!」


中枢棲姫「なら好きにやればいい」

ーー


重巡棲姫(できないだろう)


漣「当たり前じゃないですか。でも漣はできないことをできないと言う奴じゃありませんからね~」


重巡棲姫(何かあてはあるのか)


漣「ありません!」


重巡棲姫(言い切るのも漣らしいな)


漣「方法はいくらでもあるんですよ。デザインだけやるとか、既製品を改造するとか!」


重巡棲姫(難しいぞ。比較対象は魂の具現化で、一定の形が無い)


漣「はっ、漣があの子を思う気持ちに偽りはありません。愛を込めればなんとかなるんですよ!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


飛鷹「漣の気持ち、分かるわ!」


漣「ある意味同志ということですか?」


飛鷹「私もお裁縫は得意じゃなかったのよ。でも清霜に着て欲しい服を作るとなると話は別!」


清霜「飛鷹さぁん……!」もじもじ


飛鷹「どう!?私の新作!スカートは限界まで短く、胸がギリギリ隠れるだけの攻めた衣装!」


漣「エロいのは必要ないんですけど、その熱意は素晴らしいですね」


飛鷹「私の清霜への愛はこんなものじゃないわ!!」


清霜「これ以上エスカレートする前に自重して…!」

ーー


早霜「手っ取り早いのは髪の毛を縫い込むか血で染めることね」


速吸「早霜さん…」


早霜「髪の毛はともかく血は本気よ。魂とは紙一重の存在じゃない」


漣「ほうほう」


早霜「血で糸を染めるなら赤くする方法を教えてあげるわよ。素人がやると真っ黒になってしまうから」


漣「もしヴェールに赤を使うとなれば…ちょっと考えますよ」


速吸「本当ですか?」


漣「こっちはガチなんですよ。漣がどれだけあの子を思っているか教えてやるんすから」


早霜「性的な目的なら淫液。呪いやそれに近い強い思いなら血を使うのよ」


漣「為になりました、ありがとうございます」

ーー


漣「なんとなくは固まってきましたけど、まだ決定打には欠けますなぁ」


重巡棲姫(とりあえず動いてみたらどうだ)


漣「…そうですね。布とか手芸屋を巡ってみますか」


重巡棲姫(考えるより行動することが良い時もある)


漣「アイデアは何個かあります。あとはそれをどれだけ形にできるかが勝負ですな」


重巡棲姫(協力できることがあれば協力するぞ)


漣「いやぁ心強いですね。お言葉に甘えてバリバリ頼らせてもらうかもしれませんよ~」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣「ボビン……ボビンが…」


ガチャッ


龍驤「噂は聞いてるで。なんや頑張ってるみたいやね」


漣「…冷やかしなら間に合ってます」


龍驤「ミシンの基礎くらいなら教えれるで?」


漣「そんなことしてるの見たこと無いですよ」


龍驤「せやねえ、漣の前では無いわ」


漣「……男の為ですか」


龍驤「うん。裁縫ができるって所を見せたらコロっといくもんなんよ。お守りとかはウケたわぁ」


漣「クソビッチが」


龍驤「分かり切ったことやん。ほなよぉ聞いといてな」


漣「……」

龍驤「……」


漣「……」


龍驤「司令官のこと、まだ好きやねんな」


漣「ええ」


龍驤「あの子より?」


漣「……」


龍驤「黙るってことはそういうことやね」


漣「…違いますよ」


龍驤「ごめんな、ちょっち意地悪やったかもしれんね。あの子の為にこんなに頑張っとるのに」


漣「……三人で旅行したの、覚えてますか」


龍驤「当然や。あれはいい思い出やで」

漣「私はずっと三人で仲良くできると思ってたんですよ」


龍驤「仲が悪くなったわけじゃないやろ?」


漣「以前の関係には戻れません」


龍驤「……」


漣「私が嫁と出て行くと言っても止めませんよね」


龍驤「…うん」


漣「その方が都合が良いですもんね」


龍驤「……そうや」


漣「私はまだ諦めてません」


龍驤「あの子を裏切るん?」


漣「あの子も好きなんです、愛してるんですよ!」


漣「提督も潜水新棲姫も!生涯をかけて愛したいんです!」


漣「でも……私は選ばれなかった」


漣「じゃあ…だから提督の代わりにあの子を……そうなってしまう…」


漣「本気なんです……どっちも大好きなんですよ…!」


龍驤「安価」


下2 龍驤の台詞やその他起こったことなど

漣はすごいなあ…ウチが漣の立場だったらきっと…

すごくなんかないですよ
あの子に出会わずご主人様と別れていたらそのきっとをやってましたよ…と漣

葛藤しつつも欲しいものは全部欲しいと言い切る漣に諦めが先に来る自分を省みる龍驤
から
>>659

龍驤「…やっぱり漣は凄いわ」


漣「何がですか、嫌味か!!」


龍驤「悩んでるけど、結局欲しいものは全部欲しいって言い切れるのが凄いんや」


龍驤「もしウチが漣の立場やったら…きっと………」


漣「…私もあんたと同じですよ」


漣「あの子に出会わずに、ご主人様と別れたままだったら……そのきっとを迷わずやってましたよ」


龍驤「できへん。漣には絶対できへんよ」


漣「言い切るんじゃねぇ」


龍驤「言い切れるんよ。だって漣はそういう子なんやもん」

龍驤「ウチは悩む前に諦める。そこまで本気で悩める漣が羨ましいんよ」


漣「嫌味にしか聞こえねぇ」


龍驤「そうやって言うたらどうする?」


漣「半殺し」


龍驤「そうやね、殺すって言えへんのが漣やもんね」


漣「……忘れたんすか、私はあんた達を裏切って組織に付いてあんたを殺そうとしたんですよ」


龍驤「第三者がな。漣がやろうとはせぇへんかった」


漣「……」


龍驤「ウチやったら絶対殺す。この手で殺す。死んでも殺す。確実に殺す」


龍驤「ウチにとって司令官は全てや。命とかそんな軽い言葉じゃ表されへん」


龍驤「……ここで決着つけてもええよ」


漣「安価」


下2 漣の台詞やその他起こったことなど

漣「ご主人様をかけて決着…本気で……」


龍驤「……ウチはええよ」


漣「……」


(漣)


漣「……」


漣「決着……ついてましたよ」


龍驤「……」


漣「勝っても負けてもあの子を傷付けます。嫁を大切にするのが私の使命みたいですね」


龍驤「……それでええんやね」


漣「もちろん同情はありません。ナウい言い方をすれば魂が選んだってとこですか」


龍驤「……ふぅぅぅぅ…」


漣「殺し合いはやめときましょうよ」


龍驤「……うん…そうやね…」

漣「その様子だと本気だったみたいですね」


龍驤「…半々やった。殺し合う覚悟はあったよ」


漣「ぶっちゃけ雰囲気でモロバレですよ。殺気出しながら部屋入ってきてましたもん」


龍驤「……ごめん」


漣「言っときますけどビビったんじゃないですからね」


龍驤「分かってるよ…漣には重巡棲姫おるし……」


漣「仮にヤりあったら?」


龍驤「相討ち…」


漣「ですよねぇ~」


龍驤「漣がどれだけ司令官を思ってるか…知ってるから……」


漣「思いの強さは負けてません」


龍驤「……ふぅ…」


漣「落ち着きましたか?」


龍驤「…せやね」


漣「では、引き続きミシンのレクチャーをお願いします」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

~艦娘裁縫中~
龍驤「ちゃうちゃう!手数足数倍やのになんでできんねん!」
漣「うるせー両手両足用の教え方しやがれってんですよ!」
新姫は心配だったが…仲良くしているな…良かった…と覗き見

ーー


潜水新棲姫「漣と龍驤が二人だけで部屋に入っている…」


潜水新棲姫「心配だ……何か嫌なことが起きてなければいいが…」


潜水新棲姫「少し…様子を……」


……


「ちゃうちゃう!手数足数ウチの倍やろ!」


「うるせー!両手足ある用の教え方しやがれってんですよ!」


「倍にしたらええんや!かける2!」


「右手は二本にならねぇんですよ!」


……


潜水新棲姫「良かった……仲良くしているな…」


潜水新棲姫「漣…ワタシの為に頑張っていてくれることが嬉しいんだ。無理をする必要は無いんだぞ……」

ーー


漣「なんとかサンプルはできましたか…」


龍驤「成る程な…やっぱりあの子のイメージは純白なん?」


漣「見た目も白いですけど、そういう意味じゃないです」


龍驤「どんな意味?」


漣「嫁は何も知らなかったんです。陸のことも艦娘のことも」


漣「真っ白だった潜水新棲姫というページに漣が初めてペンを下ろしたというか…うーん…」


龍驤「なんとなく分かるわ。純粋無垢って感じやったらしいやん」


漣「真っ白過ぎて善も悪も無かったんです。それをイメージしたというか…言葉にするのは難しいですねぇ」


龍驤「ほんなら形にしたらええやん。この調子で頑張っていこな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣「できた……ついに…」


漣「純白で……深海の揺らぎ…嫁を……イメージした…」


漣「深い海の底に……一筋の光が差すような…」


漣「海の底は…あの子が見ていた……世界…」


漣「これからは……陸で…私の隣に……」


漣「これが……潜水新棲姫への……気持ち……」

ーー


提督「手がボロボロじゃないか…随分と頑張ったんだな」


漣「嫁の為ならたとえ火の中水の中ってやつですよ」


龍驤「…ほんまにええの?」


漣「はい。お待たせして申し訳ありませんでした」


提督「……ここにサインをしてくれ」


漣「……」


綾波型九番艦駆逐艦 漣


龍驤「……ありがとう」


漣「私が証人になるんです。別れたりしたら許しませんよ?」


提督「そんなことはしない」


龍驤「絶対に司令官と幸せになる」


漣「お二人とも…絶対に幸せになって下さいね」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

漣「…そうだ、かわりと言ってはなんですがお願いがあるんですよ」


提督「なんだ?」


漣「私と嫁の結婚を認めて欲しいんです」


提督「いや…認めるも何も……」


龍驤「司令官、分からへん?」


提督「……そうか」


漣「はい。漣と潜水新棲姫の婚姻届、その証人になって欲しいんです」


提督「もちろん構わない。役所には出せないがそれも立派な証明だ」


漣「あと、保管はご主人様に頼みたいんです」


提督「自分で持っていた方が良いんじゃないのか?」


漣「そうかもしれません。でも私は提督のことはよーく知ってますからね」

漣「漣と二人だけで撮った写真、一人ずつ増えていく度に撮っていった写真……大切な記録」


漣「それが保管されてる提督の金庫に、婚姻届も入れて欲しいんです」


提督「…断る理由がない。俺が一生大切にする」


漣「ありがとうございます!大好きですぜご主人様!」


龍驤「堂々と大好きだなんて言うとったらあの子が嫉妬せぇへんか?」


漣「はっ!そんなヤワな関係じゃねぇんです!」


龍驤「ほぉ~ん…」


漣「ご主人様も龍驤さんも!皆んなが幸せになるのが一番なんですよ!」


ーー

今日はここまでです


コメントなどあればお願いします

ーー


「そこのあんた!」


中枢棲姫「私か?」


「あんた、武装を放棄しなかったらしいわね」


中枢棲姫「あぁ…初めは放棄するつもりだったが、自衛手段はあって損は無いだろう?」


「艦娘…何人も沈めたらしいわね」


中枢棲姫「ククク、弱い者が牙を剥くからだ。敵を沈めていいのは沈められても文句を言わない奴だと習わなかったか?」


「コイツ…!」


中枢棲姫「だが安心しろ、私は陸で生きると決めた。もう艦娘を沈めたりはしない」


「どう信頼しろって言うのよ!」


中枢棲姫「クハハハハハハ!」


「…!」

中枢棲姫「ちょうどいい、武装が鈍る前に動かしておきたかったんだ。私に付き合え」


「何に!?」


中枢棲姫「演習だ。お前たち三人相手ならちょうどいいだろう」


「舐めるな!私達は特務艦なのよ!」


中枢棲姫「ハハハハハハ!ハンデにはいいじゃないか!」


「…やろう。舐められたままじゃ引き下がれない」


「深海棲艦…後悔させてやるわよ!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー演習場


「クッ…こいつ強い!三人でなんとかだなんて…」


中枢棲姫「なんとか?私は加減してやったんだぞ」


「そんな…!」


中枢棲姫「当たり前だろう、貴様達とは違って私達は弱ければ死ぬ。そういう環境にいたんだ」


「……」


中枢棲姫「私には三人の下僕も居る。強くなければ示しがつかない」


北方棲姫「アネキ!」


中枢棲姫「ふ…精々頑張るといい」スタスタ


「……舐めてたのは私達」


「特務艦だからって…いい気になってた」


「もっと強くならないと…!」

武蔵「見ていたぞ」


中枢棲姫「誰だお前は」


武蔵「深海棲艦のくせに弱者を詰らないのか」


中枢棲姫「そんなことをして何の意味がある」


武蔵「そうだ、強い者は胸を貸してやるものだからな」


中枢棲姫「意味が分からない」


武蔵「ハッハッハッハッ!」


北方棲姫「コイツ、ヘン」


中枢棲姫「大本営から何人か来たのは知っているが、面倒なのも多そうだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

武蔵「深海棲艦、私と戦え」


中枢棲姫(こいつは手加減して躱すことはできなさそうだ…戦うのは避けたい)


武蔵「私は綾波とは違う、本物の強者を求めている」


北方棲姫「ブットバセ!」


中枢棲姫「…悪いがまた今度にしてくれ」


武蔵「逃げるのか」


中枢棲姫「先客が居る。私は人間と違って約束は守るからな」


武蔵「なら仕方ない。だが逃がしはしないぞ」


中枢棲姫「……」


北方棲姫「ヤクソク?」


中枢棲姫「さて…どうするか」

ーー執務室


提督「だからって俺を巻き込まないでくれ…」


中枢棲姫「これも提督の仕事だ」


提督「……」


中枢棲姫「自分の強さを勘違いしている奴は戦いで死ぬだけだ。だが稀に本当に強い奴は戦いを楽しむ」


提督「それが武蔵だと言うのか」


中枢棲姫「アイツの相手をしても無駄だ」


提督「…武蔵に捕まらないようにな」


下2. この後の展開やその他起こったことなど

漣「あの人は武人や力の求道者って感じですもんねぇ。ハイお菓子です」


中枢棲姫「羊羹か」


龍驤「あぁいうのは中々おらんタイプやなもんなあ。ハイお茶どうぞ」


中枢棲姫「気が利くな」


提督「…北方棲姫達は放っておいて大丈夫なのか?」


中枢棲姫「港湾棲姫に任せてある」


漣「そもそも流石に武蔵さんは北方棲姫達の所には行きませんよ」


提督「そうか…」


中枢棲姫「アイツらは魅力はあるが強さは無いからな」


龍驤「魅力?」


中枢棲姫「……なんでもない」ズズズッ

ピピピピピッ


提督「はいもしもし」ガチャッ


幹部『やぁ提督君久しぶりだね』


提督「幹部さん、そっちはどうですか?」


幹部『大本営移設の準備も進んでるよ。もう少しで特務艦達を引き取れそうだね』


提督「思ったよりも早かったですね」


幹部『大本営の機能が停止しているせいで色々と問題が出始めているんだ。急ぎでやってもらっているよ』


提督「新しい大本営はどうなってますか?」


幹部『廃校を買い取って改装したんだ。一から建てていたんじゃ時間がかかり過ぎる』


提督「だから早かったんですね…」


幹部『特務艦達も迷惑をかけているだろうから、早めに引き取るよ』


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「幹部さんも大変なようだな…」


漣「そりゃそうですよ、大本営の実質的なトップなんですから」


中枢棲姫「提督、そういえば指輪が増えているんじゃないか」


提督「あぁ…これはカッコカリじゃない本物の指輪だ」


中枢棲姫「イミテーションでは無い指輪?」


龍驤「これはウチとの婚約指輪なんよ。役所に書類も出して本物の夫婦になったんよ」


漣「お二人の婚姻の証人は漣なんですぜ」


中枢棲姫「そうか、ならおめでとうと言っておいてやるか」


提督「ありがとう」

中枢棲姫(龍驤……年齢はともかくあの見た目は最高だ)


中枢棲姫(つるぺた!まな板!本物のロリよりロリだぁ…)


中枢棲姫(いいなぁ…私もあんなロリが欲しいなぁ…)


中枢棲姫(北方棲妹は感付いてきてるし……はぁぁ…あのまな板を好きなだけ舐めれる提督が羨ましい……)


龍驤「…なんか失礼なこと考えてないか?」


中枢棲妹「気のせいだ」


龍驤「ほなええけど……」


北方棲姫「アネキ!武蔵ドッカイッタ!」ガチャッ


中枢棲姫「そうか、ならもうここには用は無い」


漣「何かある度に執務室はやめて下さいよ」


中枢棲姫「フッ、考えておいてやろう」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー食堂


中枢棲姫(改めて見て回るとここにはロリが多いな)


皐月「……」


中枢棲姫(第六駆逐隊はレベルが高い。特に電は最高だ)


電「…なのです?」


中枢棲姫「いや、なんでない」


中枢棲姫(駆逐艦以外でもロリはいる。龍驤はもちろん目の悪い瑞鳳に秋津洲も悪くない)


中枢棲姫(全く…ロリはいい……)


中枢棲姫(うちの北方姉妹が一番だが、ロリという存在は尊い)

潮「ね、ね、皐月ちゃん…」


皐月「もう…ご飯食べ終わったらね」


潜水新棲姫「漣の為に席を取っておくか…」


龍驤「~~」


中枢棲姫「……」


中枢棲姫(ひょっとしてこの鎮守府にはロリコンが多いのか?)


中枢棲姫(戦艦や重巡が少ない理由はそれか?そうだとすれば説明がつく)


中枢棲姫(……)


中枢棲姫(ここに居るロリには手を出していいということなのか!?!?)

中枢棲姫(そうだ…そうに違いない!提督が何人も侍らかして居たのもそういう理由だ!)


中枢棲姫(おおお…!興奮してきた!興奮してきたぞ!)


中枢棲姫(ここに居るロリは手を出してもいい!全員そういう目的で集まっているんだ!)


中枢棲姫(そうだよな…嫌なら逃げ出す!ここに居るということは…!)


北方棲姫「…アネキ、目ガ怪シイ」


中枢棲姫(そうと決まれば早速一人……ぐふふふ…)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

武蔵「…おい」


中枢棲姫「!!」ビックン


武蔵「どうやら暇なようだな」


中枢棲姫「……」


武蔵「約束も済んで何よりだ。顔を貸してもらうぞ」


北方棲姫「アネキ!ヤッチマエ!」


中枢棲姫「…仕方ないな」


武蔵「フッ、十分に楽しめそうだな」

ーー演習場


武蔵「肉体ではなく艤装でか」


中枢棲姫「艦娘と深海棲艦だからな」


武蔵「フフ…いいだろう」


中枢棲姫(こうなったら仕方ない、それなりに力を出してやるか)


中枢棲姫(この鎮守府の秘密に気付いていなければ適当に誤魔化していたが、終われば褒美があると思っておくか)


中枢棲姫(こいつを倒してロリを好き放題……いくぞ!)


武蔵(ほう…適当にやるだけかと思ったがあのオーラは違うな)


中枢棲姫(ロリをペロペロ!クンカクンカ……ヌルヌル!)ゴゴゴ


武蔵「…行くぞ!!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


ドドドドド…


中枢棲姫(ぐっ、こいつは…!想像以上…の……!!)


中枢棲姫(武蔵一人で特務艦五人…いや、十人以上だ…!)


北方棲姫「アネキー!頑張レーー!!」


北方棲妹「姐御、負けなるな…負けないで……」


中枢棲姫「…私の!最愛の!ロリの為に!負けらない!」


ゴゴゴッ


武蔵 「フフッ……そうでないとな」


武蔵「艤装有りという条件だが…こうして私と戦える者がいるのは嬉しいなぁ!」


武蔵「フハハハハハハハハ!!」

ーー医務室


中枢棲姫「……はっ!?」ガバッ


北方棲姫「アネキッ!」ダキッ


中枢棲姫「負けた…のか」


北方棲妹「うん、凄い一撃が来た」


中枢棲姫「…思い出した。奴のあの一撃は手加減してあれだ」


北方棲妹「化け物だ」


中枢棲姫「あぁ…あんな奴が居るなら迂闊な事は出来ないな」


北方棲姫「アネキ…」


中枢棲姫「私は大丈夫だ。お前達は私が守る」


北方棲妹「姐御かっこいい」


中枢棲姫「奴に勝っていればもっと良かったんだがな」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

中枢棲姫(ロリを好き放題するにしても、無理やりだと奴が居る。なんとか相手の許可を得られる手段を考えよう)


中枢棲姫(気持ちよくさせてやると言えばいいのか…それとも…)


ガチャッ


深海綾波「武蔵にやられたって聞きましたけど、大丈夫ですか?」


中枢棲姫「問題無い」


深海綾波「良かったです…武蔵は加減を知らないので冷や冷やしました」


中枢棲姫「そんなことは無い。私は手加減されてこの有り様だ」


深海綾波「…なんだよ、なら私にも手加減しろよ」ボソッ


中枢棲姫(あれはロリじゃない。見た目は幼そうに見えるが皮を被っている)


中枢棲姫(本物のロリは内側から幼さが溢れ出てくるんだ)

ーー


中枢棲姫「とりあえずは北方姉妹を置いてきたが…どうする」


中枢棲姫「もう十分に回復はした、体調も問題無い」


中枢棲姫「……」


中枢棲姫「特務艦は無しだな。例え見た目が幼くとも内側からロリが染みてこない」


中枢棲姫「本物のロリを……ペロペロしたい」


中枢棲姫「……誰かロリの部屋に入ってみるか」


中枢棲姫「うまくいけばそのまま……よし」


中枢棲姫「待っていろよ…私の桃源郷はすぐそこだ!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー黒潮の部屋


黒潮「なんでうちの部屋に来たんよ?何か接点でもあったん?」


中枢棲姫「お前とは無いが、龍驤を見てあの喋り方が気になったんだ」


黒潮「関西弁かいな、教えて欲しいん?」


中枢棲姫「フ……教えてやるのは私の方だ」さわさわ


黒潮「…!!」


中枢棲姫「あぁ…いい太腿…スパッツの上からでも分かるぅ……」


中枢棲姫「脱がなくていい…むしろ脱がないで。上から舐めるのがまた…」


黒潮「…アホか!!」バシーンッ


中枢棲姫「…む?」


黒潮「なんであんたとそんなことせなあかんねん!」


中枢棲姫「この鎮守府に居るロリは好き放題して良いんだろう?」


黒潮「アホかーー!そんなわけないやろ!」


中枢棲姫「提督は何人ものロリを侍らかしていたぞ」


黒潮「あれは司令はんの個人的な趣味や!ここに居る子とは関係ない!」


中枢棲姫「なんだと…!?」


黒潮「どいつもこいつも…なんでここにはロリコンが集まるんや!!」


ーー

今日はここまでです


コメントなどあればお願いします

ーー執務室


龍驤「まさかアンタがロリコンやったとはなぁ…」


中枢棲姫「提督以外に知らせるつもりは無かった」


漣「害が無いなら放置でも良かったんですけど、黒潮に手を出そうとしたのでアウトです」


中枢棲姫「私はまだ何もしていない」


黒潮「しようとしたのがあかんねん!」


提督「俺は誰にも言わないつもりで居たが、こうなっては仕方ないな」


中枢棲姫「提督が何人ものロリを侍らしていたのも悪い。私が勘違いした原因だ」


漣「それはもう解決してるんですよ。以前のように何人もの女性と関係はあったりしません」


中枢棲姫「そうなのか…」

龍驤「ここの艦娘には手を出さんって約束できる?」


中枢棲姫「襲うことはしない」


漣「同意があれば関係を持つと?」


中枢棲姫「ここにはレベルの高いロリが多い」


黒潮「答えになってへんやろ…」


提督「俺としても本人同士で合意があるなら問題にしない」


中枢棲姫「流石は同志、分かっているな」


漣「そもそも貴女には北方姉妹が居ますよね?あんたも二人じゃ足りない絶倫のクチですか?」


中枢棲姫「その言葉は知らないがあの二人は行為の意味に勘付いてきている。もう限界だ」


黒潮「色々出来へんようになったからって捨てるんと違うやろな」


中枢棲姫「そんなことはしない。あの姉妹と港湾棲姫は私の下僕だからな」


提督「趣味趣向は他人に迷惑をかけない範囲で。これが最低限のルールだと学んでくれ」


中枢棲姫「理解した。黒潮、すまなかった」


黒潮「…ふん。素直に謝るんやったら許したるわ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

中枢「ではここにそういう事に理解があるロリはいるか」
黒潮「まだ懲りてないんか…」

中枢「よしでは黒潮と仲良くなりたいんだがどうすればいい?椅子になるか?」
黒潮「(呆れ)」

中枢棲姫「…よし。ではお前と仲良くなりたいんだがどうすればいい?」


黒潮「はぁ……?」


中枢棲姫「全裸で私に座るか?望むのなら椅子になってやろう」


黒潮「ほんま……コイツ…」


龍驤「悪気が無いのがタチが悪いな」


漣「ロリコンは逞しいのは知ってるじゃないですか。ここにロリを手懐ける為にお菓子作りを頑張った人も居ますよ」


提督「…………」


龍驤「……」


黒潮「ほんま…付き合ってられへんわ」ガチャッ


中枢棲姫「む……このアプローチでは無かったか」

ーー


黒潮「ついてこやんといて」


中枢棲姫「なぜだ?」


黒潮「うちはそういうのに興味無いねん」


中枢棲姫「お前は何もしなくていい。裸で私に舐められろ」


黒潮「……」


中枢棲姫「お前はロリではあるがロリが染み出てきていない。純血でも無い所を見ると、興味がゼロでは無いだろう」


黒潮「気持ち悪ぅ…」


中枢棲姫「他人の趣味を否定するのは提督が嫌がることだぞ」


黒潮「コイツ……」


中枢棲姫「仲良くしようじゃないか、黒潮」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

黒潮「…他に行け。うちに付き纏うな」


中枢棲姫「なんだと?」


黒潮「あんたの趣味に合う奴が他にもおるやろ。迷惑やねん」


中枢棲姫「拒否するなら仕方ない。なら他に誰が居るのか教えてくれ」


黒潮「自分で探せや…」


中枢棲姫「言っておくが特務艦は無しだ。あとピンクの悪魔という奴も要らない」


黒潮「知るかボケ……」


中枢棲姫「ふむ…惜しかったな。だがまだ次がある、次こそは……」


黒潮「……」

ーー食堂


神通「随分と…機嫌が悪そうですね…?」


黒潮「…どいつもこいつも体しか見れへん」


神通「それは仕方ありません…交際理由で…体の関係を求める…という人は多いですから…」


黒潮「そんな奴は風俗にでも行けや…」


神通「私からは…何とも…」


黒潮「ああイライラする…!!」


神通「血圧が上がると体調が…ちゃんとお薬を飲んで下さいね…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

神通「もしかして…また改二になるというのが、上手くいっていないんですか…?」


黒潮「全然うまくいかへんってことは無い。けど…それもまたもどかしいんや」


神通「明石さんにも…協力してもらってますよね…」


黒潮「司令はんにも皆んなにも迷惑かけとる。それやのにこの体たらくや」


神通「そんなこと、提督は気にしません」


黒潮「それや!それも苦しい原因なんや!」


黒潮「司令はんは優しいから絶対そんなこと言えへん。けどそれがうちにとって一番堪えるねん!」


黒潮「役立たずって罵られる方がどれだけマシか…」


神通(相当参っているみたいですね…)

神通「黒潮さん…改二の件は、黒潮さん自身の問題でもあるんですよね…」


黒潮「そうや、原因がハッキリ分からんけど…」


神通「これはあくまで考えの一つなんですけど…中枢棲姫さんと…一度…」


黒潮「神通はんもそっちか」


神通「違います!その…気持ち的な部分が原因なら…性的な気持ちを発散させて…」


黒潮「神通はんもこの鎮守府に染まっとるな。真っ先に性的なことが浮かぶんや」


神通「色々と考えた結果です!」


黒潮「……まぁ参考程度に聞いとくわな」


神通「…はい」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

中枢が特務艦と演習(中枢は避けてるだけ)してるのを眺める黒潮、あんなんが強いんやからなぁ…とちょっぴりブルー
中枢は黒潮にいい所見てもらおうと集中してギリギリ避けに挑む

神通「この鎮守府に染まっている……」


神通「もしかして私…頭の中が…ピンクに…?」


黒潮「そうやと思うで。前やったら精神の訓練とか言い出してたはずや」


神通「うあ……っ!」


黒潮「司令はんに画像とか送るヤツ。神通はん自分の動画送ったやろ」


神通「当てずっぽうはやめて下さい!!動画や画像は提督しか見れないんですよ!!」


黒潮「トイレで動画撮る神通はんがあかんと思うわ」


神通「ひ!!」


黒潮「提督、見て下さい…おしっこの穴にこんな…いやらしい…」


神通「わーー!わーーーー!わーーーーーー!!」


黒潮「程々にしときや」


神通「…………………はい」

ーー


黒潮「不調の原因が精神的なもんやって言うんやったら分かるなぁ。全部うちのせいや」


黒潮「あのクズに振られてから男もおらんし、あれから調子良くなったことがない」


黒潮「たかが失恋をこんなに引き摺るとは思わんかったわ…」


黒潮「うちは悪くない。中身や無くて外側しか見てなかったあの男が悪いんや」


黒潮「……」


黒潮「その男を好きやったのはうちやわな…」


黒潮「はぁ…龍驤はんと違うけど、適当な男でも見つけてキープしとこかな…コツは龍驤はんに聞いたらええやろし…」


黒潮「ほんまに…女の体は不思議やな……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

北方棲姫「……」
北方棲妹「……」


黒潮「…なにしょぼくれて歩いとんよ」


北方棲姫「アネキガ…」
北方棲妹「姐御が…」


黒潮「……あんたらも苦労しとるんやな」


北方棲姫「ウン…」


北方棲妹「脚舐められるの嫌…」


黒潮「せや…落ち込んどる三人でちょっとええことしよか」


北方棲姫「オマエモ…?」ビクッ


黒潮「違う違う、うちはあんなんとは違うから安心し」


北方棲妹「ん…」

これは中枢ギルティ

ーー黒潮の部屋


じゅううううう


北方棲姫「タコヤキ…」


黒潮「せや、これが本場のたこ焼きやで」


北方棲妹「この機械はそれしか作れないのか?」


黒潮「たこ焼き機は関西人やったら誰でも持っとるんや」


北方棲妹「一種類しか作れない料理器具は非効率的…」


黒潮「なんでもええから食べ。味は保証するで」


北方棲姫「……ウマイ!」モグモグ


黒潮「せやろ?遠慮せんとどんどん食べりや~」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

お腹いっぱいでおねむになった二人に添い寝してあげる

ーー


北方棲妹「……」ウトウト


黒潮「眠いんか?うちの寝床で良かったら使ってええよ」


北方棲姫「ソウスル…」


北方棲妹「待て…危険が…」


北方棲姫「アネキヨリ…危険ハ無イ…」


北方棲妹「……確かに」


黒潮「ゆっくりしといたらええよ、中枢棲姫はここに来やんやろうし」


北方棲姫「ン…寝ル……」

北方棲妹「お前も…」クイッ


黒潮「うちも?うちは眠くないんやけど…」


北方棲妹「一緒に寝る…」


黒潮「…しゃあないな、うちが添い寝したるわ」


北方棲姫「……」


黒潮「こっちはもう寝とるやん。ほなうちが真ん中になるように…」


北方棲妹「んんっ…」


黒潮「ほら、こっちやで」


北方棲妹「ありがとう……」

北方棲妹「……陸はいい」


黒潮「そうかいなぁ」


北方棲妹「安心して寝れる…姐御も戦わなくていい…」


黒潮「んー…」


北方棲妹「陸に来て……良かっ…」


黒潮「…寝てしもたみたいやね」


北方棲妹「……すぅ」


黒潮「この子らは明日死ぬかもしれん生活を送っとった。それに比べてうち…うちらのぬるいこと」


黒潮「深海棲艦から見たら、うちの悩みなんて贅沢なんやろうな。精神的に脆いヤツは喰われて終わりやろ」


黒潮「もっと頑張らなあかんのは分かってるんやけどなぁ…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

なかなかお気にの娘が見つからずやきもきしていた中枢さん
港湾さんの無言の圧力で落ち着く

ーー


中枢棲姫「クッ…北方姉妹に逃げられるとは……これは完全に知られたな…」


中枢棲姫「黒潮の次も見つけられて居ない…ロリは日々成長して薄まっていくというのに!」


港湾棲姫「……」


中枢棲姫「どうした港湾の。何かあったか」


港湾棲姫「……」


中枢棲姫「フ…そうはいかない。これは私の唯一の楽しみだ」


港湾棲姫「……」


中枢棲姫「お前の言いたいことは分かるがそれまでにしておけ。私とお前とでは立場が違うだろう?」


港湾棲姫「……」


中枢棲姫「私はそれを口に出すつもりは無い。だからお前が取るべき行動は…」


港湾棲姫「……」スッ


中枢棲姫「…そうだそれでいい。私の邪魔はしないでくれよ」


港湾棲姫「……」

ーー


中枢棲姫「次は誰にするか、できれば純血のロリがいいがロリであればなんでもいい」


中枢棲姫「幼子を自分の意のままに舐め、愉しむ。これ以上の快楽などあろうはずがない」


中枢棲姫「私を楽しませてくれるロリは…」


「……」


中枢棲姫「…アイツだな」ニヤッ


下2 この後の展開やその他起こったことなど

中枢「私は学習したぞ…まずは挨拶からだ…。ごきげんよう子猫ちゃん」
早霜「あら…?」

中枢棲姫「分かっていないな、ロリより幼い存在は舐めるに値しない」


中枢棲姫「ロリは言わば土から芽を出したばかりの葉だ。それを自分の好きにできる喜びが伝わらないのか?」


中枢棲姫「ロリより幼子はただの土だ。お前は土を舐めて楽しいのか?」


中枢棲姫「私はロリコンだぞ」


再安価 下2

やばい(やばい)

霞「貴女、お供はどうしたのよ」


中枢棲姫「ずっと一緒というわけでは無い。陸は安全だ、自由に過ごさせているさ」


霞「ふぅん…」


中枢棲姫(クックックッ…見付けたぞ、最高のロリだ)


中枢棲姫(コイツは既に孕んでいて好みとはいえない。だが中に居るのは…間違いない)


中枢棲姫(人間の言葉で言えば青田買いだ。コイツから生まれてくるのはとんでもないロリになるだろう)


中枢棲姫(あの提督の子だ、遺伝子からしてロリになるのは頷ける)


中枢棲姫(一番理想の状態になった時美味しく頂こう。ロリの破瓜の血ほど尊いものは無い…)


中枢棲姫(フ…ハハハハハ……!)


霞「…何かしら、寒気がするわ」ブルッ

ーー


中枢棲姫(少し冷静になってみたがアイツの子か成長するまで時間がある)


中枢棲姫(それまで待つのは非効率的だ。将来的にあのロリを頂くとして、私は今飢えている)


中枢棲姫(ロリ…ロリは居ないか)


中枢棲姫(この鎮守府で無くとも人間の街に行けば選り取り見取りだろうが、まだ人間の生活に馴染めていない)


中枢棲姫(リスクは回避したい。私は安全に舐めたいんだ)


中枢棲姫(さて…これからどうする)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


皐月「中枢棲姫…さん?」


中枢棲姫(ほう…これはこれは。相当使い込まれているがロリには違いない)


皐月「あの…?」


中枢棲姫(内側から染み出すようなロリは感じられないが、私の範囲には入っているな)


皐月(……いいオッパイだなぁ)


中枢棲姫(悪くない…むしろいいぞ)


皐月(大きくもなく小さくもないオッパイ…好きだなぁ)


中枢棲姫「……」


皐月「……」

ーー中枢棲姫の部屋


皐月(どうしよう…会話も何も無いけど…部屋までついてきちゃった…)


中枢棲姫「……」


皐月(僕をジロジロ見てる…)


中枢棲姫「おいお前」


皐月「…僕は皐月だよ」


中枢棲姫「皐月」


皐月「なに……?」


中枢棲姫「意味は分かるな?」


皐月「……」


中枢棲姫「脱げ」


皐月「……はい」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

中枢棲姫「待て」


皐月「え…?」


中枢棲姫「皐月との行為は無理やりではないと言うことを示す。そうだな、私に何かやっても…」


皐月「オッパイ」


中枢棲姫「胸か。好きにすればいい」


皐月「じゃ……頂きます」


中枢棲姫(はぁぁ…半脱ぎ最高…いいタイミングで声かけられた…)


皐月(潮のはあるけど…ここまで強い深海棲艦のオッパイは初めてだなぁ…)


皐月(どんな風なんだろ……柔らかいのかな…)


カッ……

ーー??


皐月『あ……あれ…ここは…』


皐月『違う……いつものOHじゃない…』


皐月『Heavenじゃないなら…Hell…?』


皐月『あり得ない!オッパイは天国なんだ、地獄なんかじゃない!』


皐月『全てのオッパイは天国なんだ!司令官のもそうだった!オッパイは全てを等しく天国に連れて行ってくれるんだ!』


皐月『でもここは天国じゃない…ここは一体…』


……


皐月『全体が見えてきた……はっ…!?』


皐月『そんな…まさか……』


皐月『ここは天国の外側(Outside Heaven)……?』


皐月『そんな…胸天国(Oppai Heaven)と…同じイニシャルだなんて…』


皐月『あぁ……あぁぁぁぁ……』

ーーOutside Heaven


皐月『そうだ…深海棲艦にも……生きとし生けるもの全てにオッパイはある…』


皐月『それを僕は忘れていた…僕は狭い世界で喜んでいただけなんだ…』


皐月『天国にも外側があって当たり前…そもそも天国だけじゃないんだ…』


皐月『僕は…なんて愚かだったんだ……』


皐月『……僕はこの世界の真理を見た』


皐月『この世は全てがオッパイなんだ』


皐月『なんて簡単で…単純なんだろう』


皐月『こんなことに気付けないだなんて……僕は…』

ーー


中枢棲姫「これは大丈夫なのか」


皐月「」ビックンビックン


中枢棲姫「私の胸に吸い付いたと思ったらこれだ」


皐月「」ビクビクビクビクッビクンッ


中枢棲姫「癇癪でも起こしているのか?それにしては顔が緩いが」


皐月「」ビックンビックンビクンッ


中枢棲姫「フ…ロリに胸を吸われるのは悪くないな」


中枢棲姫「霞の子が育てば私の胸も吸わせよう。ククク…楽しみで仕方ないぞ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


中枢棲姫「あぁぁぁ…堪能したぁ……」


皐月「凄いオッパイだった…」


中枢棲姫「うなじ…脇…秘部に脚……ペロペロ…堪らない…」


皐月「オッパイ……」


中枢棲姫「いい……ロリはいいぞぉ…」


皐月「…中枢棲姫さん……」


中枢棲姫「なんだぁ……」


皐月「僕で良かった…いつでも……使って…」


中枢棲姫「本当か……?」


皐月「その代わり…オッパイ……」


中枢棲姫「あぁ…好きにしろ……」


皐月「真理は……こんな近くに…」


中枢棲姫「艦娘のロリも……最高だ……」


ーー

Heaven


今日はここまでです。コメントなどあればお願いします

ーー横須賀鎮守府


龍驤「ウチが式典に出席…」


幹部「新しい大本営の記念式典を開くことになったんだ。以前とは違うということをマスコミにアピールできるチャンスでもある」


龍驤「せやからってウチに…」


幹部「皐月君にも打診したが快く引き受けてくれた。龍驤君もできれば参加して欲しいんだ」


幹部「もし良ければマスコミの前で艦載機を飛ばしたりなんかもして欲しいね。例の動画で映っているのは龍驤君の後ろ姿と艦載機だけだ」


幹部「ちゃんと艦載機を飛ばしているという動画をマスコミは欲しがると思ったんだが…どうかな?」


龍驤「…幹部さん、忘れたらあかんけどウチは人殺しなんやで」

龍驤「それだけやない、ウチは売女やったんや。百人近くの男と関係もあった…」


龍驤「映像を見てウチのことを思い出す奴もおる。そんなことになったら皆んなに迷惑かけてしまうよ」


幹部「…関係があったのは怪我をする前なんだよね?」


龍驤「分かってしまうって。同じ龍驤が何人おってもウチだけの特徴はある」


龍驤「もうすぐ霞の子どもが産まれてくる。司令官にだけは迷惑かけられへんよ」


幹部「龍驤君の言いたいことは分かった。まだ式典まで時間はあるからよく考えてはくれないかい?」


龍驤「……」


幹部「…また会いにくるよ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤「……」


漣「自分のことを売女とまで言いますか」


龍驤「…やってることは変わらんやろ」


漣「むしろタチが悪いですよねぇ」


龍驤「……最低やよなウチって」


漣「何を今更」


龍驤「……」


漣「記念式典…ですか。売女でも出れるなら出たらどうですか?」


龍驤「…ウチの気持ちは分からんよ」


漣「分かりたくもありません」


龍驤「……」


漣「ま、ご主人様ならちゃんと考えてくれますよ」


龍驤「漣……ありがとうな」


漣「お礼を言われる筋合いなんかありませんぜ~」

ーー執務室


龍驤「司令官……」


提督「幹部さんから話は聞いた」


龍驤「……」


提督「皐月は本人も出ると言っているし、横須賀鎮守府の秘書艦としての仕事でもあるだろう」


龍驤「ウチは…ただの秘書艦代理……」


提督「そして俺の大切な家族だ」


龍驤「……司令官、ウチどないしたらええんやろ」


龍驤「過去のことが知れたらウチはキミの側におられへん…断るしかないんよ……」


提督「安価」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「龍驤は変わった、過去が何を言ってきても今に胸を張ればいいんだ」


龍驤「でも…」


提督「例え過去にどんなことがあったとしても、龍驤は俺の妻というのは事実なんだ」


龍驤「あかんよ、過去が邪魔をするねん…」


提督「龍驤、今はお前だけでなく皆が変わってきている。それは分かるな?」


龍驤「うん……」


提督「そのことは誰にも否定させない。反省して更生していくことは誰も咎めてはいけない」


提督「過去が邪魔をしても構わない。今が何よりも大切だろう?」


龍驤「……」

提督「…この際だ、はっきりと言う。あれだけ騒いでまだ反省が足りないと掻き回すのか?」


龍驤「司令官には分かれへんよ!!体を売ってたことはほとんど踏ん切りがついてる!けど……ウチは子どもを殺したんや!!」


提督「龍驤だけのせいじゃない」


龍驤「やめて!!ウチの行動を正当化しやんといて!!ウチのせいであの子は死んだんや!!」


龍驤「司令官には絶対分かれへん……!この苦しみと後悔はいくら経っても無くなれへん!!」


龍驤「こんなウチが……人前になんか出られへんのよぉ……」


提督「龍驤…」


龍驤「司令官は身内やから…ウチの夫やから甘いだけや……それが分かってないんよ…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「分かった、どうしても出たくないのならそれでもいい」


龍驤「うん……」


提督「 だが世間はそれを許さないかもしれないな」


龍驤「え…………?」


提督「勲章を貰う様子がテレビにも映ってしまったんだ……もう既に憶測やら何やらは色々な所に書かれたりしている」


龍驤「嘘…嘘や……」


提督「俺だって信じたくは無かった。だが……逃げるのはもう無理だ」


龍驤「そんな……」

提督「大本営の記念式典に出られるのは好都合なんだ。俺達は龍驤をなんとも思っていないとアピールできる」


龍驤「なぁ……まさか…ウチが式典にって…話……」


提督「そうだ、俺から幹部さんに頼み込んだんだ」


龍驤「ぁ……」


提督「いつまでも逃げ回ることはできない。もう腹を括るしか道は残っていない」


龍驤「……」


提督「俺も皆んなもついてる。何も心配しなくていいんだ」


龍驤「……」


提督「龍驤は逮捕されなかった。それは龍驤に責任が無かったということになる」


提督「逮捕されないなら罪を償う方法は限られてくるだろう?」


龍驤「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ガチャッ


漣「龍驤さんお客様です」


龍驤「…後にして」


漣「今のお話に関係のある方がお見えになりましたよ」


龍驤「……富士」


漣「龍驤さんの部屋にご案内しておきました」


龍驤「……」


漣「私は提督とお話があるので、ゆっくりとお話してきて下さいね」


龍驤「あの子が……来たんか…」

ーー龍驤の部屋


富士「戻ってくるの待ってたんだよ!」


龍驤「……」


富士「どうしたの、元気ない?」


龍驤「こんなことしててええんかな、ウチはあんたを……見殺しにしたんやで」


富士「うーん、別に気にしてないけどなぁ」


龍驤「なんで…?」


富士「凄く色々あったけど、龍驤さんから貰った手足のお陰でこの体があるし、お父さんお母さんと一緒に居られるもん!」


龍驤「……」


富士「でもそうだなぁ、一つやって欲しいことはあるかなぁ」


龍驤「言うて!!なんでもするから!あんたが望むんやったら首でも吊る!!」


富士「釣る?よくわかんないけどそれじゃないよ」

富士「あのね、もっと格好良くなって欲しいの」


龍驤「どういう…?」


富士「変に落ち込んでウジウジしないで、強いんだぞって!格好よく見せて欲しい」


富士「弱そうな人から体をもらったっていうのが…うーんなんかさぁ」


富士「龍驤さんは逃げ回ったりしないでズバーンって真っ正面から相手を倒して欲しい!」


龍驤「逃げ回る……」


富士「お母さんも言ってたよ、そうすれば沢山の人を勇気づけられるって!」


龍驤「ありがとう……うぅっ…!」


富士「え!?体どこか痛い!?」


龍驤「ありがとう…ありがとう……!」ポロポロ


下2 この後の展開やその他起こったことなど

富士「え、えっと…どうしたら…」


龍驤「ん……大丈夫」ぐしぐし


龍驤「ウチはもう逃げへん。背中押してくれてありがとうな」


富士「うん、今の方がさっきより格好いいよ!」


龍驤「そっか……ほないっちょ演習してみようか!」


富士「演習!するする!」


龍驤「艤装の能力では負けてても、ウチの技術をタップリ見せたるで!」


富士「わーい!いっぱい見せてもらおっと!」

ーー


漣「龍驤さんいい顔になりましたね、あれは眼差しが違いますよ。濁ってなくて光が宿ってるって言えばいいんですかねぇ」


提督「……ありがとう漣」


漣「お礼を言われる筋合いは…ありますね。幹部さんに事前に話をつけたり、富士さんに連絡してみたりしたのは漣ですから」


提督「どうして…そこまで……」


漣「初期艦であり秘書艦代理ならば当然……とは言いませんよねぇ。あの女が絡んでるのに、どうしてここまで協力したんでしょう?」


提督「……」


漣「ですよねぇーー自分から言えるはずありませんもんねぇ」


漣「提督には正式な嫁がいるのに初期艦はまだ完全に諦めていないと。チャンスがあればいつでも盗ってやろうと息巻いてますから」


提督「潜水新棲姫は…」


漣「うちの嫁は話が分かるんですよ。あんなメンヘラ女とは出来が違いますぜ」


提督「……」

漣「勘違いしないで頂きたいんですが、ちゃんと仕事はしますしご主人様を助けます」


漣「ですが…あの女絡みの時はいつでも味方だと思わないで下さい」


提督「……」


漣「まあこの漣が簡単に諦めるわけが無いということで。いいお勉強になりましたね?」


提督「……あぁ」


漣「今回のは貸し二つです。体で返してもらってもいいというかむしろそっちを希望します!」


提督「……」


漣「ご主人様も罪な男ですよねぇ~~」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「……」


漣(こう言っておけばご主人様も気が緩まないでしょう。うちの嫁もご主人様のモノを気に入ってますから油断なりません)


漣(蟻の穴から堤も崩れるとよく言います。ご主人様は安心させちゃいけないんですよ)


漣(まさに勝って兜の緒を締めよ、ですね。あとはロリコンも治せたら完璧なんですけど…)


漣(ま、今日はこれくらいにしておきましょう。龍驤さんにあれだけ言えるようになった、それだけで大収穫です)


漣(ちゃんと夫婦として生活するなら言いたいことはハッキリ言える仲じゃないと、別れちゃいますよ~)


提督「……」

ーー


富士「艦載機であんな動きができるんだなんて!」


龍驤「あれが現代艦娘であり…深海棲艦の……凄いとしか言いようがないわ…」


富士「汗かいちゃったからお風呂に入ろ!ねぇ龍驤さん!」


龍驤「分かってるよ、だからゆっくり行こな」


富士「うん!」


さみだれ「あ…龍驤さん」


龍驤「さみだれか、お疲れ様やで~」


富士「…さみだれ?」


龍驤「会ったことなかったか?この子は現代艦娘のさみだれや。なんやかんやあってここで面倒みてるんよ」


富士「おぉ…現代艦娘……」


さみだれ「この子が…富士……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー大浴場


さみだれ「……」


富士「……」


龍驤「仲良く話してるみたいで良かったわ。現代艦娘同士やから仲悪くはならんとは思ったけど…」


龍驤「現代艦娘は成長が早い。さみだれはここに来た時よりも明らかに精神的に成長してる」


龍驤「でもやっぱり同年代の友達が欲しかったんやろうなぁ。嬉しそうに話してるわ」


さみだれ「……!」


龍驤「いつもみたいに真剣な顔しやんでいいんやで。子どもらしいこともしたらええんやからな」

さみだれ「ドローンの艤装…凄そう!」


富士「さみだれちゃんが得意な電子戦もやってみたい!」


さみだれ「あれは…うーん装備がないと難しいよ」


富士「そっかぁ…」


さみだれ「ドローン以外に何か面白いのってある?」


富士「んーー…これとか?」ニュルンッ


さみだれ「ひゃあ!?」


富士「手とか腕とか背中とか、色んなところから触手を出せるよ~」うねうね


さみだれ「さ…触っても…?」


富士「いいよ~」


さみだれ「わ、わ、わ…凄い……」


富士「うまく使えばビルを登ったりできるし、色々便利なんだよ!」


さみだれ「す…凄いね……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

龍驤「……よっしゃ、ほな体でも洗おかな…」スッ


富士「……うりゃー!」


龍驤「うわ!?」


さみだれ「龍驤さんを洗ってあげます!」


龍驤「…ふふ、ありがとうな」


富士「触手も使って全身も洗っちゃうよ!」うねうね


龍驤「え?触手…?それって……プレイ…」


さみだれ「あ……えっち…」


富士「ふんふふ~ん」うねうねうねうね


龍驤「あ、ひゃぁん…あぁん……」


さみだれ「……」ゾクゾク

ガラッ


北方棲姫「オフロ!」


北方棲妹「姐御以外となら…」


黒潮「……はぁぁ。あんたはほんまに懲りへんなぁ」


龍驤「ち、ちがっ、あぁん…」


富士「深海棲艦!!」うねうね


さみだれ「あの子達は悪い子じゃないよ」


北方棲姫「ナニシテル?」


黒潮「あんたらが中枢棲姫にされてるようなことや」


北方棲妹「ひぃ…」


富士「なにそれ?」うねうねうねうね


龍驤「あ…ぁ……ぁ……っ…ぃ………く…」


さみだれ「凄ぉい……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤「アレはあっかーーーん!」


富士「お母さんは喜んでくれたのに…」


龍驤「ウチはあかんの!分かったって言わなコーヒー牛乳かフルーツ牛乳飲んだらあかん!」


富士「分かった!」


龍驤「ならよし!」


富士「牛乳~牛乳~フルーツ牛乳~」


さみだれ(私の知らない世界がまだまだある…)


龍驤(深海海月姫…アレが平気とは恐ろしい奴や…)


さみだれ(龍驤さん多分気持ち良くなってたよね…オツユが……)


富士「んーーー!一気飲みー!」

黒潮「……」


北方棲姫「……」くぴくぴ
北方棲妹「……」くぴくぴ



黒潮「…どうや?」


北方棲姫「アネキ、マダマシ」


北方棲妹「ここはえっちなことしか起こらないのか」


黒潮「間違ってはないで」


北方棲姫「マイニチダレカシラ、アエイデル」


北方棲妹「レズ多い」


黒潮「これがうちらの鎮守府や」


北方棲姫「クルバショ、マチガッタ…」


黒潮「諦めるしかないわ」


北方棲妹「…辛い」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


中枢棲姫「今日もあいつらと遊んでいるのか」


漣「富士さんが来る日は必ず外で遊んでますね。インドア派のさみだれさんまで外に連れ出して遊んでるみたいです」


中枢棲姫「我が下僕も喜んでいるようで何よりだ」


漣「北方姉妹は毎回巻き込まれている感じですけどね」


中枢棲姫(あぁぁ~ロリが四人集まって遊ぶ…堪らない光景だ……輪の中に入って…全身をペロペロされたぃぃぃ…)


漣(この顔はどうせロクでもないこと考えてるんでしょうね)


中枢棲姫(ロリはいいぞ…もっと…もっとだ……汗をかいたら私が舐めてやるから…!)


漣(うちの嫁とは会わないように厳重注意ですね)


ーー

今日はここまでです


コメントなどあればお願いします

ーー新設大本営


皐月「本当にいいんだね龍驤さん」


龍驤「逃げ回るのはもう終わりや。覚悟は決めたよ」


皐月「記念式典の最中は大丈夫だと思うけど終わったら記者の人達とかから質問があるはず」


龍驤「ウチのことがネットで色々言われてるのは聞いた。それについて詳しく聞かれてもええ」


皐月「いいん…だね」


龍驤「皐月もウチのこと庇おうとしてくれてたんやね。でもそんなことせんでもええよ」


皐月「……」

龍驤「あの子を見殺しにしたのは事実。ウチが売女をしてたのも…」


皐月「そんな言葉を使わないで」


龍驤「…うん」


皐月「本当に全部答えるの?だって龍驤さん何人と関係が…」


龍驤「百人は超えてるやろね。一晩だけとかザラやし、同じ日に違う人と関係を持ったりしてたわ」


皐月「……」


龍驤「皐月、あんたは横須賀鎮守府の秘書艦や。ウチと一緒におる必要は無い、式典が終わったらウチは放っておいてすぐ帰り」


皐月「そんなことできるわけないよ!」


龍驤「司令官の為やって言うても?」


皐月「龍驤さん……!」


龍驤「ウチの問題に他人は巻き込む必要は無い。横須賀鎮守府の威厳の為にも頼むで皐月」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー式典後


「すいません○○の記者です、質問宜しいですか?」


龍驤「…はい、大丈夫です」


龍驤(ついに来たか…皐月や幹部さんらは先に行ってもらったし、迷惑がかかるのはウチだけ…)


「貴女の夫である横須賀提督は食人幼女趣味の犯罪者だというのは本当ですか?」


龍驤「…食人……え…?」


「横須賀の提督として説明責任があるのでは無いのでしょうか?」


龍驤「ちょ、ちょっと待って……司令官が…?」


「まさか妻である貴女にも知らせていなかったと?」


龍驤「あの、えっと……食人は間違いで…幼女趣味は……あながち間違っては…」


「横須賀提督がロリコン…!」


龍驤「それより、その……犯罪者って……?」


「貴女達が籍を入れたことは調べがついています。役所での目撃情報も出ていましたから」


「我々が独自に横須賀提督のことを調べていると、分かったことがあったんですよ」

「横須賀提督は軍学校に入る前に、幼女誘拐を行っています」


龍驤「誘拐…!」


「正確には誘拐未遂ですが、それは証拠不十分によるものです。ある筋の情報では横須賀提督は幼女に性的な乱暴を加えるつもりだったらしいです」


龍驤「……」


「書面上では未遂です。前科者ではないということで軍学校には入学できたそうですよ」


「この事実を貴女は知らなかったと?」


龍驤「……ノーコメントで…」


「横須賀提督のご両親は早くに亡くなっています。これも何か関係があるのでしょうか?」


龍驤「私は……本人ではないので…」


「食人については否定されていましたがそれは何故ですか?」


龍驤「怪我と……司令官は関係…無いので……」


龍驤(ウチについての質問がくると思っとったのに…なんで……)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

深海綾波「すいません大本営と関係ない質問は…」


「え、ちょっと…」


深海綾波「……」ニコッ


「あ…はい……」


深海綾波(おい、なに悠長に質問になんか答えてんだよ!)ボソボソ


龍驤「でも…」


深海綾波(大本営に関する質問以外は答えなくていいんだよ!勝手なことしてんじゃねぇ!)


龍驤「……」


深海綾波「…すいませんこれから業務がありますので、これまでにさせていただきます」


女記者「待って、まだ質問が…」


深海綾波「それでは皆さん本日はありがとうございました」


女記者「もう……」

ーー


皐月「龍驤さん!」


龍驤「……」


皐月「僕やっぱり帰るだなんてできなくて。慌てて戻ってきたんだけど…」


龍驤「…見てた?」


皐月「何を?」


龍驤「…ほなええよ」


皐月「幹部さんから聞いたけど龍驤さんへの質問は無かったんだってね!安心したよ!」


龍驤「ウチには…無かったわな…」


龍驤「司令官が誘拐未遂……」


龍驤「まさか…でも……司令官やったら…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


漣「ご主人様ぁ……誘拐犯だったんですね……」


提督「あれは違う。俺はむしろ助けた方だ」


漣「詳しく」


提督「俺はあの日好みの幼女が居たから視姦してたんだ。そうしたら不審者が現れてその幼女を誘拐しようとした」


提督「俺はその時ちょうどいい所だったんだ。邪魔されたのもあってその不審者と揉み合いになって…」


提督「その不審者は逃げて結果的に俺だけが捕まったが、幼女の家族からは感謝された」


提督「逮捕されたのは事実だが誘拐未遂とは違う。軍学校に入る時もちゃんと説明してある」


提督「これが真実だ。分かってくれたか?」


漣「……偉そうに言ってんじゃねぇロリコン」

漣「視姦してるのが当たり前のように言ってんじゃねぇ」


提督「俺は手を出したことはない」


漣「出すつもりでお菓子作りを頑張ったんだろうがよぉ」


提督「……」


漣「ご主人様……ロリコンって病気なんですよ。一度治療受けませんか?」


提督「……」


漣「…霞とボテ腹エッチ、大変盛り上がってるそうですね」


提督「……」


漣「安定期に入ったその日からもう…霞の声エグかったですもん」


漣「龍驤さんにもちゃんと説明しておいて下さいよ」


提督「あぁ…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


龍驤「そうか…そういう事情やったんやね」


漣「軍学校に入れてる時点でやましいことは無いんですよ」


龍驤「それは分かってたけど…司令官から聞けて安心できたわ」


提督「それなら良かった」


漣「まあご主人様が実行に移せないヘタレでよかったってことですね」


龍驤「そうやね、もし何かやっとったら提督にはなれれへんかったし」


漣「漣も知らなかったんで上の判断としても知らせる必要は無いって判断だったと。なら責める必要もないでしょう」


龍驤「手を出せへんのやったらロリコンもセーフやからね」

漣「ところでその助けた幼女は今どうしてるんでしょうねぇ」


提督「分からないな…助けて暫くは付き合いがあったんだが、俺が軍学校に入ってからはな…」


龍驤「そうか司令官には実家が無いようなもんやもんね…」


漣「ご主人様が家族に拘る理由はそこなんですよ。それは十分に分かるんですけど、ロリコンと結びつきません」


提督「…色々とあるんだ」


龍驤「貧乳好きなのもなぁ…自分がオッパイ吸えれへんだからとか……」


提督「式典後で疲れただろう。龍驤もゆっくり休んでくれ」


龍驤「…はいはい」


漣「露骨っすねぇ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


女記者「式典は参ったわね…いいネタが拾えると思ったんだけど…」


「なによもう!」


女記者「あら、あそこは確か週刊誌のオフィスがあるビルよね。また捏造記事でも書いて文句でも言われたのかしら」


「あの人はそんな人じゃないのに!どうして分かってくれないのよ!」


「もう怒ったわよ、こうなったら……」ガシッ


女記者「ちょ、ちょっと!それは洒落にならないわよ!」


「うわー!止めるなーー!」


女記者「なんて力なのよ…!バス停を持ち上げるだけある……!」


「いやーー!はぁーーー!」

ーー喫茶店


女記者「少しは落ち着いたかしら?」


「はい…」


女記者「捏造記事に怒るのは当たり前のこと。でも暴力を振るうと彼ら以下」


「ごめんなさい…」


女記者「でも話を聞いて驚いたわ。貴女が横須賀提督に助けられたっていう女の子だったのね」


元幼女「そうです、あの時の事は忘れられません!」


女記者「それで提督に憧れて軍学校を目指してるのね」


元幼女「夢は女性提督になることなんです!その為に色々頑張ってるんです!」


女記者「だからって体を鍛える必要は無いのよ…」


元幼女「あ、この馬鹿力は元々です」


女記者「…そう」

元幼女「それより提督さんの話をもっと聞かせて下さい!」


女記者「そうね…」


元幼女「深海棲艦の成虫を倒したあの軽空母さんと結婚するのも流石です!ますます憧れちゃいます!」


女記者(提督がガチのロリコンなのは言わない方がいいわよね…)


元幼女「いいなぁ…横須賀提督さんみたいになりたいなぁ…」


女記者「…人を守る仕事は立派なのよ。それに憧れるのは素敵なことだと思うわ、これからも頑張りなさい」


元幼女「はい!ありがとうございます!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

女記者(もしこの子が本当に提督になったらちょっと面白そうよね…)


女記者「…ねぇ、貴女の提督になりたいって話だけど、もう少し詳しく聞きたいわ」


元幼女「詳しくですか?」


女記者「そしてそれを記事にしたいの。ちょうどネタを探してたし、協力してくれたら助かるわ」


元幼女「提督さんのことをちゃんと書いてくれれば変な噂も消えますよね…分かりました、協力します!」


女記者「ありがとう。じゃあ早速だけど……」

ーー


元幼女「今日はありがとうございました!」


女記者「こちらこそありがとう。お陰でいい記事が書けそうよ」


元幼女「提督さんのことをちゃんと書いて下さいね!」


女記者「分かってるわ。私の記事が載ってる週刊誌を買って見てみてちょうだい。失望なんかさせないわよ」


元幼女「え~自腹で買うんですかー?」


女記者「…そうね、学生にとって週刊誌代は高いものね。いいわ、プレゼントしてあげる」


元幼女「やった!」


女記者「今日の取材のお礼もしたいからまた会いましょう」


元幼女「はい、お待ちしてます!」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー数日後


漣「いつのもように週刊誌のチェックをしましょうね~」


龍驤「ウチのこと……書かれてても…」


提督「……」


漣「……あぁん?」


龍驤「何かあった…?」


漣「小さい頃提督に助けられてって……ご主人様、これって…」


提督「よく見せてくれ」


龍驤「まさか、あの女の子の話?なんで週刊誌なんかに載ってんの?」


漣「それは分かりませんけど、ゴシップ誌ってそんなものなんじゃないですか?」


龍驤「理由が分かれへん、なんで記事になんかになってるんよ…」

提督「…話が少し美化されているが、この子は俺が助けた子だと思う」


漣「どんな記事なんですか?」


提督「俺に憧れて軍学校に入りたいと頑張っている学生…といった感じだな」


龍驤「っていうことは向こうはずっと知ってたんやね。司令官が横須賀提督になったのも全部や」


提督「覚えていてくれたのか…こんな俺を……」


漣「ははぁん記事を書いたのは女記者みたいですね。あの人が書いたのなら納得です」


龍驤「司令官、女記者に頼んだら連絡先とか教えてくれると思うで。お礼とは違うかもしれんけど、一回話してみたら?」


漣「可能なら視姦してたことも謝りましょう」


提督「…世の中には言わなくてもいいことがあると思わないか?」


漣「さぁて、それはどうでしょうねぇ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


幹部「提督君、見たよ」


提督「……」


幹部「この機は逃してはいけない、世論を味方に付けるチャンスなんだよ。そうだね…せっかくだから学校訪問なんてどうだい?」


提督「どういう理由で……?」


幹部「職場体験や学校見学、理由はいくらでも作れる。大事なのは世論を味方につけることなんだ」


幹部「この前の記念式典はプラスだった。龍驤君に様々な憶測や噂は流れていたが、あの身体で現役を続けてる方に驚きや称賛が集まっている」


幹部「会見で姿を表したことはあったが、メディアの前で堂々と艦載機を飛ばしたりしたことは無かった。いやぁ最近のカメラではちゃんと舌の印まで見えるんだね」


幹部「龍驤君を称賛している大きな理由はそれだ。舌に印まで入れるというのは生半可な覚悟できないからね」


幹部「まだ具体的な話にはなっていないが、パラの五輪にてスピーチをやってくれないかという話も出てきているくらいなんだ」


提督「そんなことにまでなっていたんですか…」

幹部「提督君の学校訪問、話を進めていいね?」


提督「……日頃からお世話になっているんです、断ることなんかできません」


幹部「それはお互いさまだよ、私もクキ君のことではとても世話になっているからね」


提督「…大本営と自分達にとってプラスになるのなら引き受けます」


幹部「よし決まりだ!話はこっちで決めておくから安心しておきなさい」


提督「……」


……


漣(これ幹部さん悪ノリしてません?)ヒソヒソ


龍驤(世論を味方にしたいっていうのは本心やと思うよ)


漣(そうだといいんですけどねぇ…)


龍驤(それよりウチがスピーチって…そっちの方が気になるわ…)


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


幹部「……ふぅ」


駆逐棲姫「お疲れ様。どうだった?」


幹部「あぁ…提督君達を不安にはさせなかったはずだよ」


駆逐棲姫「本当のことは言わないのか」


幹部「横須賀の提督が幼女趣味…それに妻ではない艦娘を妊娠させて子どもを育てようともしている。提督君は退役するかどうかの瀬戸際だね……」


駆逐棲姫「幹部も悪く言われてる」


幹部「……龍驤君を広告塔として使おうしている…打算的な考えか……間違ってはいないんだ、批判されて当然だよ」


駆逐棲姫「そんなこと言うな」


幹部「私も覚悟を決めないといけないのかもしれないね…提督君が辞めるなら、私もそうなるだろう」


駆逐棲姫「そんなこと…言わないで……」


幹部「私を支えてくれて感謝しているよ。クキ君無しに今の私は無かった」なでなで


駆逐棲姫「んぅ…」


幹部「若い世代にバトンを渡すのも私の役目なのかもしれない。それが老兵の役目というものなんだろう」


ーー

今日はここまでです


コメントなどあればお願いします

ーー


漣「ご主人様の目に入らないように努力しますが、今回のはちょっとヤバそうですね…」


潜水新棲姫「横須賀の提督が幼女趣味というのは問題だからな」


漣「それだけじゃありません、大本営が龍驤さんを広告塔にしてるのも批判だらけです」


潜水新棲姫「急にメディアへの露出が増えたからな。そう見られて当然だ」


漣「そういうのは広報とか翔鶴さんに任せるべきなんですよ…」


潜水新棲姫「同感だ。大本営もとい幹部は焦っているのかもしれないぞ」


漣「そりゃあ焦りもしますよ…核戦争おっ始めようとした団体の後を引き継いんでるんです。少しでも早くイメージを回復したいのは当然です」

漣「とりあえず学校訪問は止めさせて、ご主人様には大人しくしててもらいましょう」


潜水新棲姫「それが最善だと思う」


漣「はぁ……一難去ってまた一難ってやつですか」


潜水新棲姫「ワタシ達にトラブルはつきものということだ」


漣「そんなの認めたくねぇ~…」


潜水新棲姫「今回は対処しやすい部類だ、提督を外に出さなければいい。こういうゴシップはすぐに忘れ去られる」


漣「人の噂も~ってやつですね…」


潜水新棲姫「提督が幼女趣味なのは事実なんだ。下手に動き回るのは逆効果でしかない」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


幹部「提督君、学校訪問は遠慮したいというのは事実かい?」


提督「はい…漣に強く止められまして」


幹部「ということは君の意思では無いんだね?」


提督「いえ、漣の意見を聞いた自分の意思です」


幹部「……そうかい」


提督「幹部さんは一体なにを考えていたんですか?」


幹部「私はね…提督君には表に立てる人間になって欲しかったんだ。幼女趣味というマイナス面を今更隠蔽も出来ない。広まってしまった風評は何処かには残ってまた再燃するんだ」


幹部「ならばそのマイナスよりもプラスの方が遥かに大きいんだと、提督君は必要な人間なのだと世間にアピールしたいんだ」


提督「……」


幹部「君は自分を過小評価し過ぎている。提督君は絶対に必要な人間なんだ」

幹部「私の妻、クキ君は同じ方向を向いていないといけないと言っていたが正にその通りだ」


幹部「提督君。我々はもう国を左右する立場なんだよ」


提督「分かっては…いますが……」


幹部「君は近い将来提督という仕事を辞めるつもりだったんだろう?だがそれは簡単にはいかない」


幹部「君は核戦争を阻止した当事者でもあるんだ。急に一般人になれば命の危険もある」


幹部「批判なんかあって当たり前なんだ。辞めさせられることはあっても、自分から辞めることは厳しいと思っていて欲しい」


提督「……」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

ーー


提督「幹部さんの言う通りだ。俺は提督を辞めるつもりでいた」


提督「俺が欲しかったものはもう手に入れた。だから提督という仕事に拘る必要は無いと思っていた」


提督「だがそれは逃げることにならないか?龍驤は過去を乗り越えて自分のやるべき事と向き合った、なのに俺が逃げていいわけがない」


提督「批判…幹部さんは詳しくは言わなかったが、俺の性癖について色々言われているんだろう」


提督「ロリコンの提督は…それだけで信用を無くすからな…」


提督「治療を受けたとしてももう遅い。治るまでの時間で…終わってしまう」


提督「逃げることは……許されない…」

提督「俺には両親が居ない。俺がどう言われても傷付く身内はいない」


提督「霞や龍驤達は……」


提督「……」


提督「また…霞の薬の世話になりそうだな」スッ


提督「俺が国を左右する…そんなことをしたかったわけじゃなかったんだ」


提督「俺はただ……」


提督「…考えても仕方ない」


提督「幹部さんには学校訪問はやると伝えておこう。他にもまだやれることはあるだろう」


提督「俺は…横須賀鎮守府の提督なんだ」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

提督「……」


提督「…違う。ここで薬を飲むとまた同じことの繰り返しだ」


提督「仕事と向き合うことと抱え込むことは一緒じゃない。ここで薬と一緒に飲み込んでも意味が無いんだ」


ガチャッ


霞「…良かった」


提督「霞…龍驤……朝霜…」


朝霜「また薬を飲んだらどうしてやろうかと思ったぜ」


龍驤「ちゃんと自分で止められたね」


提督「…あぁ」


霞「やれることはあるはずよ。あなた一人で考えるより皆んなで考えた方がいいわよ」


提督「そうだな…家族皆んなで考えよう」

朝霜「こういう状況になったのは司令だけが悪いんじゃねぇんだよ」


龍驤「皆んながええ方向へ進もうとした結果なんやから、皆でなんとかするべきやね」


霞「やっぱり私の子どもが一番の問題よね…朝霜の養子縁組と同時に私の子どもも養子にする?」


提督「そういう問題でも無いんだ…」


朝霜「結婚相手じゃない女の子どもっていうのが問題だな」


龍驤「家族になりたいから…霞と繋がりが欲しかったからって言うて納得してくれるかどうか…」


提督「これは本心なんだ、霞も大事だし朝霜も家族なんだ。建前だけじゃなく本当に大切にしたいと思っている」


霞「嬉しい…」


朝霜「嬉しいのはあたいもだけどよ、対策は必要だぜ」


龍驤「正直に話されへんのは辛いわなぁ…」


下2 この後の展開やその他起こったことなど

そもそも龍驤を追い詰めて自殺させるための安価スレだったんだよ、それをハイペースでやってたのがなんでか考えたことある
龍驤が>>1の中でモデルがあってそいつを作品の中で殺したいからっていうのは考えすぎか?

南無

八島「あーーーー」

八島「テステス」

八島「あ~~~~~~」

八島「ん~大丈夫かな、とりあえず書き込んでみよっと」

八島「やっほー久しぶり、覚えてくれてた?」

八島「まだ何人かは居てくれてるみたいで良かったよ、忘れられてもおかしくなかったからね」

八島「本当にごめんね~でも色々あったのは理解して欲しいなぁ」

八島「あのウイルスのせいで個室しかないとか、本当に勘弁して欲しかったよねぇ」

八島「まあ、ここでわざわざ言うようなことじゃない問題とかあったんだよ」

八島「あと皆んなの書いてくれたことに、異論は唱えないつもりだったけど二つだけ。>>944にドキッとして>>954、それはやめて」

八島「こっちも書き方とか色々忘れちゃってるから、戻ってこれるのはまだ先かなぁ」

八島「でも外伝の方で面白そうなことをやってるみたいだから、リハビリを兼ねて参加してみるのもいいかもね」

八島「じゃ、とりあえず今日はここまで。待たせしちゃってごめん、もうちょっと待っててくれたら嬉しいな~」

八島「以上八島でした、終わらせるまで絶対に死なないよ」

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