櫻子「HIMAKIN TV!」 (33)

楓「おねえちゃんの卵焼き、おいしいのー!」キラキラ


向日葵「フフッ、ありがとう楓」


楓「お魚もおいしいのー!」


向日葵「お魚も食べれるようになってえらいですわ。本当楓はいい子ですわね。」


楓「えへへ」


向日葵「それに比べて……」チラッ


櫻子「魚とか卵焼きとか味気ねぇなあ~~黒毛和牛とか出せよ!!黒毛和牛!」


向日葵「はぁ……人に家に上がり込んでおいて、その言い草はなんですの!」


櫻子「うるさいうるさーい!!肉出せ肉ーー!!」ガタン


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ユラッ

向日葵「あっ!カメラがっ!」


櫻子「えっ、カメラ?」


ヒュ-


櫻子「おっと」ヒョイ


向日葵「ふぅ、間一髪ですわ」


櫻子「なんで棚の上なんかにビデオカメラ置いてるんだよ、危ないなあ」


向日葵「棚の上……?う~ん、確か中にしまってたはずですわ。」

楓「」ドキドキ


向日葵「あっ、もしかしてっ!」


楓「」ビクッ


向日葵「楓、またビデオカメラ持ち出したでしょう」


楓「……」


向日葵「危ないから、触っちゃダメって言ったはずですわよ」


楓「……ごめんなさい」


向日葵「もうちょっと大きくなったら、使わせてあげますから」


楓「……」


向日葵「約束しますわ!」ナデナデ


楓「……わかったの」


向日葵「よし、楓はいいこですわ!」


楓「……」

向日葵「……確か、昨日の残りの唐翌揚げが冷蔵庫にあったはずだから取ってきますわ」


櫻子「なんだよー。あるんならさっさと出せよ」


向日葵「はぁ、全く……世話の焼ける娘ですこと」


櫻子「レンチンしろよー」






楓「はぁ……」


櫻子「楓がため息なんて珍しいな。そんなにビデオカメラで撮りたかったの?」


楓「うん…」


櫻子「ふ~ん。例えば、どんなの撮りたいの?動物?お花?」


楓「……お姉ちゃんが撮りたいの」


櫻子「お姉ちゃん?」


楓「うん、お姉ちゃんのキラキラしてるところが撮りたいの!!」


櫻子「向日葵の、キラキラしてるところ?」


楓「うん!」


楓「楓の大好きなお姉ちゃんがキラキラしてるところが撮りたいの!」

櫻子「キラキラねぇ……」


楓「楓ね、最近よくYouTubeみるんだけど」


櫻子「ふんふん」


楓「YouTubeにでてる、ゆーちゅーばーていう人たちがすごく、キラキラしてるの!」


櫻子「ふむふむ」


楓「それでね、お姉ちゃんも、そのゆーちゅーばーみたいに、キラキラしてるところが撮りたいなぁって……」


櫻子「ふむふむ……向日葵がYouTuberみたいにねぇ…。ちなみに、楓はどんなYouTuberみてんの?」


楓「ええっとぉ~ヒカキンさんとか、セイキンさんとかかな!」


櫻子「向日葵、ヒカキン、セイキン……」ポワ-ン





向日葵『ブンブンハロ-ユ-チュ-ブ,どうもヒマキンですわ!」


向日葵『櫻子、また悪さするんかー!!』ド-ン


向日葵『早速、これを頂きますわ……ンッッ!!』ドクヲモラレタヒマワリ






櫻子(グフフ、もしかして向日葵でYouTube撮ったら、めっちゃ面白い動画撮れるんじゃね!?ヒカキン越えも夢じゃないかも!)


櫻子「アハハハハハハハ!!?傑作だ傑作!!」


楓「?」

櫻子「……楓。もう落ち込まなくていいぞ!」


楓「えっ?」


櫻子「楓だけでダメなら、この私が撮影に協力してやる!」


楓「櫻子お姉ちゃん、本当?」パァッ


櫻子「本当だとも!この超有能カメラマン櫻子氏が向日葵でどのYouTuberにも負けない動画を撮ってやる!」


楓「動画……?」


櫻子「あっ、違った違った!どのYouTuberよりもキラキラしたお姉ちゃんを撮ってやる!」


楓「櫻子お姉ちゃん、ありがとうなの!」


櫻子「ふふん!任せなさい!」

櫻子「……ということなんだけどぉ」


向日葵「ダメですわ!」


櫻子「は?なんでだよ!」


向日葵「櫻子じゃ、信用なりませんもの」


櫻子「私のどこが信用ないんだよ!」


向日葵「どうせ櫻子のことだから、面白い動画撮ろうとか言って、ろくなことになりませんわ」


櫻子「ギクッ」


向日葵「ほら今ギクッて言いましたわ」

櫻子「ぐぬぬ……!お前は、この楓の顔を見てなんとも思わないのか!!」


楓「……」ウリュウリュ


向日葵「……ダメですわ」


櫻子「ふ~ん、よーしたんれーでスタイル抜群な向日葵を姿を撮りたいと思ったのになー」


向日葵「急におだてても無駄ですわ」


櫻子「ちぇ~、なんだよー。豚もおだてりゃ木に登るっていうのになー」


ゴチン

向日葵「……」バタン


楓「おねえちゃん、自分の部屋に行っちゃったの…」


櫻子「いっつ~……向日葵のやつ」ヒリヒリ


楓「櫻子お姉ちゃん、ありがとう。だけど、もういいの」


楓「楓、我慢するから……」シュン


櫻子「……楓!諦めちゃダメだ!」


楓「えっ?」


櫻子「まだ、向日葵を撮る手はある!!」


楓「どうするの?」

櫻子「必殺、隠し撮りだぁ!!」


楓「かくしどり?」


櫻子「こっそり向日葵を撮るんだよ、バレないように!」


楓「こっそり?……そ、それはお姉ちゃんが……」オロオロ


櫻子「いいんだよぉ細かいことは。楓はお姉ちゃんのキラキラしたところが撮りたいんだろ?」


楓「う、うん…」コクッ


櫻子「じゃあ、早速実行だ!いってみよー!」


楓「うぅ……いいのかな…」






櫻子「よし、これで準備完了!」


楓「これ、スマホ?何に使うの?」


櫻子「これも撮影に使うんだよ!」


楓「え、スマホでも撮るの?」


櫻子「うんうん、ビデオカメラだけだと、1つの部屋しか撮れないだろう、だからスマホで他の場所も撮るのさ!」


楓「それでそれで、2つの部屋で、どんなのを撮るの?」


櫻子「ふっふっふっ、どんなのを撮るかというと……


『古谷向日葵の、モーニングルーティーン!!』
ド-ン!!

楓「もーにんぐるーてぃーん?」


楓「もーにんぐるーてぃーんって何?」


櫻子「モーニングルーティーンって言うのは……」


楓「言うのは…」


櫻子「……」


楓「……」


櫻子「…なんだっけ?」
楓「」ズコ-


櫻子「ええっと……まあ、朝に撮るやつだよ!朝に撮るやつ!」

櫻子「ええっと……まあ、朝に撮るやつだよ!朝に撮るやつ!」


楓「あ、朝にとるの!?朝、お姉ちゃんニガテなのに…」


向日葵『ねみーですわー』ドヨ-ン


楓「そしたら、お姉ちゃんのキラキラしてるところじゃなくて、ボロボロな所になっちゃうの!!」アタフタ


櫻子「楓、あまいね。炭酸抜けたコーラよりもあまいよ」チッチッチッ


楓「えっ?」

櫻子「楓、ギャップって知ってる?」


楓「ギャップ?」


櫻子「ギャップって言うのは、逆のことをすると、その逆のことがより心に残りやすいことなんだ」


櫻子「だから、朝のボケーっとした向日葵を見た後に、夜にご飯を作る楓の大好きなお姉ちゃんを見たら、よりキラキラして見えるって訳!」


楓「なるほどなの!」ポン


櫻子「よぉし、楓やる気になった?」


楓「うん!」


櫻子「じゃあ早速準備開始だ!」






櫻子「よし、準備完了!楓、向日葵が起きるちょっと前に電源を入れるんだぞ!」


楓「わかったの!」


櫻子「あっ、そういえば楓ってビデオカメラの撮り方知ってんの?」


楓「……うん」コクッ


楓「実は、こっそり練習してたの…」


櫻子「ああ、だからビデオカメラが戸棚に置きっぱなしだったわけか!楓も、そういうとこあるんだな!」


楓「えへへ///」


櫻子「じゃあ明日の朝よろしく!くれぐれもバレないように!」


楓「はいなの!」ビシッ






櫻子「楓、しっかり撮ってくれた?」


楓「うん、多分大丈夫なの」


櫻子「じゃあ、早速確認するか~どれどれ……」







櫻子「ぷっ、あははははは!!こりゃあいい!!大成功、大成功!!」バタバタ


楓「……」


櫻子「ん、楓?」


楓「今日は疲れたのー…」


櫻子「ああっ、今日向日葵特に寝起き悪かったからな!安心しろ、楓の努力はムダにしないから!ビデオ編集して後で楓にも見せるから、待ってろよ!」


楓「うん!」


櫻子(ようし、この動画を編集してYouTubeにあげれば、私も億万長者に……!うしししし!!)

某日 教室


あかり「えへへ、アヒルさんかわいいなぁ」


ちなつ「あかりちゃん、何見てるの?」


あかり「YouTubeで、アヒルさんの動画見てるんだよぉ」ホラ


ちなつ「あ、ほんとだー。可愛い!」


あかり「この人の動画、可愛い動物がたくさん出てるから、ついつい見ちゃうんだぁ」


ちなつ「ふーん、どれどれ……」ポチッ


ちなつ「……あっ!間違って急上昇のボタン押しちゃった!」


あかり「あらら…」

ちなつ「……んっ?HIMAKINのモーニングルーティーン?何それ?」


あかり「えっ……あっ!ホントだ、なんか名前がHIKAKINにそっくりだよぉ」


ちなつ「どうせパクリでしょう。釣り動画だねこれは」


あかり「釣り動画?」


ちなつ「動画の名前とかサムネイルだけ人の興味を煽るやつにして、肝心の中身はペラッペラのペーペーの悪質な動画のことだよ、あかりちゃん」


あかり「ペラッペラのペーペー……」


ちなつ「この動画も、HIKAKINと名前をそっくりにして興味を煽ってるでしょう」

あかり「確かにそう見えるけど、それだけでこんなに再生数伸びるの?」


ちなつ「うん。人間でそう言う生き物だし」ポチ


あかり「あはは…ていうか、結局見るんだ……」






ちなつ「ほらほら、HIKAKINでもなんでもない、普通の女の子がただ起きるだけの動画じゃない!」


ちなつ「……んっ?」


あかり「どうしたの、ちなつちゃん?」


ちなつ「この女の子、どこかで見たことない?」


あかり「えっ、この女の子?顔隠してるし、よくわからな……あれっ?」


ちなつ「すんごい身近にいるあの人のような……家の間取りもそっくり」


あかり「うんうん、あかりもあの人に見えてきた……」オッパイデカイシ

ガラッ


櫻子「あかりちゃん、ちなつちゃんおはよう!」


向日葵「お、おはようございます……」ウトウト


あかり「お、おはよう」


ちなつ「おはよう……ねぇねぇ、この人ってさぁ、もしかして向日葵ちゃん?」


向日葵「えっ?」


櫻子「ん~?」


ネムイデスワ-


向日葵「……」


櫻子「……」

向日葵「!!」カッ


櫻子(う、嘘だろ!?)ダラダラ


櫻子「ち、ち、ち、ちなつちゃん、この動画どっやって見つけたの!?」ワタワタ


ちなつ「え、この動画?なんか急上昇の動画見てたら見つけちゃって、ていうか櫻子ちゃん、何で動揺してるの?」


櫻子(き、急上昇!?うれしいけど、これはやばい!!)ダラダラ


向日葵「吉川さん」ユラッ


ちなつ「何、向日葵ちゃん?」

向日葵「この動画、最初から見たいんですけど、よろしいですか?」


ちなつ「う、うん、いいけど……えっ、もしかしてマジで向日葵ちゃんなの?」


向日葵「なるべく早くお願いしますわ」


ちなつ「は、はい!」


あかり(なんか嫌な予感……)

『ヒマキン、ティーヴィー、エッブリッデイ!!』


ちなつ(な、なにこのイラスト、向日葵ちゃんがヒカキンの顔でクラゲ抱えてんだけど……)


あかり(思いっきし櫻子ちゃんの声……)


『HIMAKINの朝は、たくさんの目覚ましから始まる』


ジリリリリ ジリリリリ ジリリリリ


HIMAKIN『う~ん……』


ズババババババ


シ-ン  


HIMAKIN『スゥ…』スヤスヤ


ちなつ「何個もの目覚ましを一瞬で止めた!」


あかり「だけど、もう1回寝ちゃったら意味ないよねぇ」

『そこで、妹のKAEKINがHIMAKINを起こします』


ちなつ「どう聞いても櫻子ちゃんの声……やっぱりこの声櫻子ちゃんなんでしょ!」バッ


櫻子「……」チ-ン


ちなつ「し、白目剥いてる……」


KAEKIN『おねえちゃん、起きて!朝だよ!』


HIMAKIN『う~ん……』


KAEKIN『早くしないと遅刻しちゃうよ!』


HIMAKIN『あと1分、あと1分だけ…』


KAEKIN『んもぅ!』


あかり「えへへ、向日葵ちゃんも可愛いところあるんだねぇ」チラッ


向日葵「」ゴゴゴゴゴ


あかり「ひぃ」ビクッ(すごい剣幕…!)

『何分かして、ようやく朝食の時間。今日の朝食は、母の作り置きのようだ』


KAEKIN『おいしいね、おねえちゃん!』


HIMAKIN『う~ん…』ガクン ガクン


KAEKIN『おねえちゃん、聞いてる?』


HIMAKIN『きいてますわー』ガクン ガクン


『HIMAKIN、眠すぎて首がガクンガクン言ってます。ヘドバンの練習かな~?』


櫻子「」ガクガク

ブ-ン ブ-ン


KAEKIN『あ、ハエさんなの!』


HIMAKIN『ハ、ハエ?』ウトウト


KAEKIN『ブーン、ブーンって言ってるの!』


HIMAKIN『ブーン、ブーン、ブーン……』


HIMAKIN『ブンブンハロ-ユ-チュ-ブ』


KAEKIN『まだおねえちゃん寝ぼけてるの?』


ちなつ「ひ、向日葵ちゃんがブンブンって」プルプル

ブ-ンブ-ン

HIMAKIN『うっとうしいですわー、しっしっ』バッバッ


HIMAKIN『く、このっ…えいっ!』


あかり「向日葵ちゃん、立ち上がった!そうとう、うっとうしかったんだね」

HIMAKIN『あれっ?』スカッ

ズルッ ベチャ


『おおっと、HIMAKIN選手、盛大にこけて顔にご飯がヒットしたーー!!』


HIMAKIN「……」プルプル


KAEKIN『おねえちゃん、大丈夫?』アタフタ


HIMAKIN『ハエのやつ……』


HIMAKIN『また悪さするんかーー!!』ブンブン


ちなつ「向日葵ちゃん、家ではこんな感じなんだ…」


KAEKIN『お、おねえちゃん、これみんなが見るから……』アタフタ


HIMAKIN『みんなが?』


KAEKIN『あっ!え、ええっと、何でもないの』アセアセ


HIMAKIN『……顔洗ってきますわ』


KAEKIN『ホッ…危なかったの』ボソッ


あかり「楓ちゃんも協力してたんだ」


向日葵「楓……」ゴゴゴ


あかり「や、やっぱりすごい気迫…」

『HIMAKINが、顔を洗って戻ってきた。そこで、あることに気づく』


HIMAKIN『ふぅ、少し目が覚めましたわ……んっ?』


『時間がないことに!!』


HIMAKIN『もうこんな時間!!遅刻しますわ!!』


HIMAKIN『早く食べないと!!』シュパパ


KAEKIN『お姉ちゃん、すごい速さなの…!」


HIMAKIN『ガツガツ……んぐっ!』


KAEKIN『だ、だいじょうぶ!?のどにつまったの!?』

HIMAKIN『んぐ、んっ!』


『この様子は、まさに!』


『毒を盛られたことに気づいたHIMAKIN!!』


『そのシーンをもう一度!』


HIMAKIN『んぐっ、んっ!』


HIMAKIN『んっ!』


HIMAKIN『んっ!』スロ-モ-ション


ちなつ(瞳孔開いちゃってるんですけどー!)クククッ


あかり(向日葵ちゃん、すごい顔になってるよぉ)プルプル


櫻子「ぷっ、くくく」


向日葵「」ギロッ


櫻子「ゴメンナサイ」

KAEKIN『お姉ちゃん、お茶!』


HIMAKIN『ん、ぐっ、ゴクッゴクッ……ふぅ、助かりましたわ。ありがとう、ピ-(自己規制』


KAEKIN『そんなことより、時間!』


HIMAKIN『あ、そうでしたわ!そろそろ行かないと!!ピ-(自己規制も、バスに乗り遅れないように!』


KAEKIN『はいなの!』


HIMAKIN『いってきまーす!』ガチャ


KAEKIN『いってらっしゃいなのー!』フリフリ


バタン


『これが、HIMAKINのモーニングルーティーンである』


ちなつ「お、終わったね」


あかり「あはは……」


向日葵「……櫻子」


櫻子「はい…」


向日葵「放課後、私の家でたっぷりとお話し聞かせてもらいますわ。楓とね」ニッコリ


櫻子(私の人生、オワオワリ)


終わり

これで終わりです。最後まで見てくださりありがとうございました

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