佐久間まゆ「ぽんこつ疑惑を払拭しますよぉ」 (33)

※ご注意です※
キャラ崩壊気味です。



まゆ(こんにちは。佐久間まゆ、アイドルです)

まゆ(今日は朝からカフェで雑誌の取材がありました)

まゆ(この後、事務所に行ってプロデューサーさんに作ってきたお弁当を渡してから、隣にあるスタジオで写真撮影です)

まゆ(毎日とっても忙しいですが、大好きなプロデューサーさんとアイドル活動ができて、とても幸せです)

まゆ(お弁当を作るのに早起きをするのも、ぜんぜんへっちゃらです)

まゆ(こういった地道な良いお嫁さんアピールが、いずれ功を奏するのです)

まゆ(頭脳派のまゆはしたたかなんですよぉ)


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1610342017

まゆ(という訳で、まゆはプロデューサーさんが待つ事務所に戻るために)

まゆ(電車に乗って移動しているわけなんですけども……)



乗客A「なぁ、この記事のアイドルで誰が一番好き?」

乗客B「っぱまゆちゃんっしょ」

乗客A「だよなー! 俺も佐久間まゆちゃん一筋だわ!」

乗客B「この可愛らしい笑顔、たまんねぇよな」

乗客A「なー! 可愛らしさの中に妖艶な魅力があって、そこがまた最高なんだよな」

乗客B「まゆちゃんの笑顔を見てるだけで、何だかキュンってなるわ」

乗客A「まゆすき」

乗客B「まゆすき」



まゆ(後ろにいる人たちが、むずかゆい話題をずっと続けてますよぉ…)カー

まゆ(モデルの頃から褒められるのには慣れてましたけど…やっぱりずっと後ろで褒めちぎられると照れますよぉ)

まゆ(でも、こうしたファンの方の言葉に耳を傾けるのも大事な事ですよぉ…)ウンウン

まゆ(だからこうやって、こっそり盗み聞きするのは悪いことではないんですよぉ…)



乗客A「あとさ、まゆちゃんって天然っぽいよな」

まゆ(天然…? そうなんでしょうか…)

乗客B「確かに。なんというか……」



乗客A・B「ぽんこつ?」

まゆ(!?)

まゆ(ぽ、ぽんっ、ぽんこつ!?)

乗客A「あんなに可愛くてしっかり者っぽいのに、どこかぽんこつっぽいとこが良いんだよな」

まゆ(ま、まゆはぽんこつではありませんよぉ!)

乗客B「ドヤ顔でふふん、って言いながらICカードで自動改札通ろうとして残金足りなくて「あぅっ」とか言いそうだよな」

まゆ(た、たしかにそれはよくやりますよぉ…)

乗客A「考え事しながら階段を登ってて、登りきった後にもう一段あると思って踏み込んでガクンってなってそう」

まゆ(それもよくあるかも…)

乗客B「アイドルの友達とマリカとかやる時、機体が傾く時に体ごと傾いちゃってそのままコテンって横に倒れそうだよな」

まゆ(そ、そんなことは… 一度だけ、あったかも)

乗客A「愛妻弁当を作って旦那さんに届けるとき、箸を渡すのを忘れて「ふぇぇ…」って言ってそう」

まゆ(そ、それは流石にしませんよぉ!?)

乗客B「わかる。まあでも、それを含めて」



乗客A「まゆすき」

乗客B「まゆすき」

まゆ(そ、そんな…)

まゆ(なんてことでしょう。てっきりしっかり者正妻アイドルで通っていたと思っていたまゆは、実はぽんこつアイドルだと思われていたようです)

まゆ(あの人たちが言っていた事を私がしたことあるのも事実……まさか、まさか私って)

まゆ(ぽんこつなのでは!?)ガーン






まゆ(た、確かめなくては…!)

---事務所



乃々(…ふぅ…)

乃々(平和ですけど……)

乃々(プロデューサーさん含め、賑やかな方々は今日はいらっしゃらないみたいですし…)

乃々(居るのは隣にいるキノコさんだけ…いい感じの落ち着いてポエムを書けます…)

乃々(凪さんも居ないので、もりくぼのポエムが静謐のレジデンスに染まる事もありません)

乃々(おちつくぼですけど…)



バァン!!!

まゆ「乃々ちゃああん!!」

乃々「ひぃっ!?」

まゆ「乃々ちゃん…はぁ…はぁ…こんにちはぁ…」ニコォ…

乃々「こんにちは…どうしたんですかまゆさん、そんなに急いで…驚きすぎておどろくぼですけど…」

まゆ「落ち着いて……今から真面目な…質問を…はぁ…はぁ…しま…はぁ…」

乃々「さっきまで落ち着けてたのが…まゆさんの登場で落ち着けなくなったんですけど…というかまゆさんの方が落ち着いた方が良いんじゃ…」

まゆ「ンンッ! ふぅ…」

まゆ「良いですか乃々ちゃん、たった一つのシンプルな質問をします」

乃々「な、何でしょう…」

まゆ「まゆって……ぽんこつですかぁ?」






乃々「はい…?」

まゆ「まゆはもしかしたら、ぽんこつなのかもしれません…」

乃々「存じ上げてましたけど…」

まゆ「今日、電車でたまたままゆの話をしてるファンの方の話が聞こえてきて」

乃々「話を聞きに来たのに話を聞いてくれないんですけど…いぢめですか…」

まゆ「まゆのことを天然ぽんこつだと言うんですよぉ…」

乃々「まぁ…確かにそうかもしれませんけど…まゆさんはそういうところが可愛いから悪いことじゃないんじゃ…?」

まゆ「このままでは、ぽんこつアイドルとしてプロデューサーさんに見捨てられてしまいます…」

乃々「それはたとえ現世と冥界が逆転したとしても有り得ないと思いますけど……」

ゴソゴソ

輝子「フヒ…何だか賑やかだな…」ニュッ

まゆ「あら輝子ちゃん、こんにちは」

輝子「こんにちはまゆさん、その、ぽんこつがどうしたって?」

まゆ「それがですね…かくかくしかじかで…」

輝子「さくさくまゆまゆって訳か…。まぁ、完璧超人の方がとっつきづらいからな…。多少ぽんこつの方が、愛嬌があるんじゃないか?」

まゆ「そうでしょうか…。『こんなぽんこつがアイドル? 片腹痛いんですけど!』って言われないか不安で…」

乃々「なんで例がもりくぼなんですか…!?」

輝子「ボノノさん…そんなドクツルタケみたいなワードを…」

乃々「濡れ衣ですけど…!?」

まゆ「冗談ですよぉ」

乃々「心底やめてほしいんですけど…」

まゆ「とは言え、まゆはプロデューサーにしっかりしてる所をアピールして、パーフェクトな未来のお嫁さんとして思ってもらわなければならないんですよぉ!」

乃々「まゆさん、プロデューサーさんの前だとぽんこつ度が高まるから、その路線で行くのは難しいと思うんですけど…」

輝子「というか、親友ならどんなまゆさんでも愛せそうだけどな…」

乃々「はい…現時点で溺愛レベルですし…」

輝子「目に入れても痛くならないようにって、目の拡張手術を受けようとしてたレベルだからな…」

乃々「どちらかというとプロデューサーさんの頭の方が…」

まゆ「そこまで! プロデューサーさんの悪口は許しませんよぉ!」



ガチャッ

モバP(以下P)「ただいま戻りましたー」

まゆ「噂をすれば!」

まゆ「お疲れ様です。コート預かりますねぇ?」スススッ

P「おっまゆ。お疲れ様。ありがとな」

まゆ「いえいえ♪ あっ、これ今日のお弁当です。丁度お昼前に会えると思って作ってきたんです」

P「おっ、良いのか? わざわざ悪いな。大変だったろ?」

まゆ「自分の分を作りながらですから、そこまで大変でもないですよぉ。それに、プロデューサーさんのことを考えながらお弁当を作る時間は、とっても楽しかったからですから♪ 感想、待ってますねぇ?」

P「ああ! これでお昼まで頑張れるよ!」

まゆ(うふふ♪ 喜んでくれてよかっ……はっ!!)



乗客B『愛妻弁当を作って旦那さんに届けるとき、箸を渡すのを忘れそう』



まゆ(!!!!)

まゆ(あ……あぶなかった……!)

まゆ「プロデューサーさん!」

P「どうした?」

まゆ「これ、お箸です!!」

P「あ、ああ……ありがとう」

まゆ「はい! まゆはお箸を渡し忘れるような! ぽんこつアイドルではありませんので!」フンス

P「あ、ああ…」

まゆ「マユ・イズ・ノット・ポンコツ。オーケー?」

P「お、おーけー…」

まゆ「Allright」ドヤァ

P「き、今日のお弁当のおかずは何なんだ?」

まゆ「今日はプロデューサーさんの大好きなぶりの照焼ですよぉ」

P「おお! 俺の好きな料理、覚えていてくれたのか」

まゆ「はい! まゆは大好きなプロデューサーさんの好物を忘れるような、ぽんこつアイドルではありませんので!」フンスフンス

P「お、おお…そうか」

まゆ「アイム・マユ・サクマ。アイ・アム・ノット・ポンコツ! オーケー?」

P「オ、オフコース」

まゆ「Very well」ドヤァ

P「まゆ…違ってたら悪いんだが、何かあったのか?」

まゆ「な、何かとは?」

P「例えば、誰かに何か言われたとかさ。気になる事でもあったか? 何でも話してくれよ」

まゆ「プロデューサーさん……」

まゆ「実は…」






P「なるほどな、ファンの人たちがね」

まゆ「まゆは…ぽんこつなんでしょうか…?」

P「そうだなぁ…」

P「先に結論から言うが、まゆは確かにちょっと天然かもしれないな」

まゆ「うぅ…」

P「しかし断じてぽんこつではない」

まゆ「えっ…?」

P「なぜならまゆのそれは……ギャップ萌えだからだ」

まゆ「ギャップ萌え…ですか?」

P「そうだ。まゆはギャップ萌えの天才と言っていい」

まゆ「て、天才…えへへ…」テレテレ

輝子(ちょろいな…)

乃々(ちょろいんですけど…)

P(まゆすき)

P「例えばまゆ。まゆは歌鈴がライブのMCで、挨拶を噛んじゃった時、ぽんこつだなぁって思うか?」

まゆ「いいえ、思いません。むしろ微笑ましいなって思います」

P「そうだろ? ファンの人だってそうだ。MC中に噛んで「こんにちは!」が「グーテンターク!」になっても、ステージに登る時に転んで大事なものがチラリしちゃっても、『大事な時になにやってんだ』とは思わない」

P「むしろカワイイなって思うし、応援したくなるもんだ」

P「そしてまゆの天然もそうだ。普段はしっかり者でまとめ役のまゆが、ちょっと抜けてるところがある。それがたまらなく男心をくすぐるんだ」

P「そんなまゆを見て、ファンも、俺も、カワイイなって思うわけだ」

まゆ「プロデューサーさん…」///

P「だからまゆ、ぽんこつアイドルと言われても気にするな。よしんばぽんこつだったとしても、まゆのぽんこつは良いぽんこつだ」

まゆ「ぽんこつに良いと悪いがあるんですかぁ?」

P「ああ、あるぞ。悪いぽんこつは枚挙に暇がない」

P「例えば生放送のスタジオで、突然暑い暑いと言いながら服を脱ぎだす19歳とか」






愛梨「くしゅん!」

愛梨「あれ~? 風邪引いちゃったかなぁ? 厚着してるんだけどな~?」

藍子「愛梨ちゃん、この時期にキャミソールに上着一枚は厚着じゃないと思うよ…」

愛梨「そうですか~? でも今も暑くて暑くて…。一枚脱いでも良いかなぁ?」

藍子「だめ…ってもう上着脱いでる!? それ以上脱いじゃだめー!」

愛海「呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」

藍子「呼んでない!」

P「年越し特番でお神酒をガブ飲みして、泥酔した状態で中継してた25歳とか…」






楓「へくちっ」

楓「くしゃみをしてしまいました」

楓「これはいけません。可及的速やかに身体を温めなければなりません」スッ

美優「楓さん!? ダメです! これからラジオの収録ですよ!? その一升瓶をしまってください!」

楓「美優さん、落ち着いてください。これは日本酒の瓶に入っているだけで、実はただの水です。お水を本番前に飲むことは何の不思議もありません。嘘だと思うなら、美優さんも飲んでみますか?」

美優「そうやってまた私も巻き添えにしようとして…この前の年越し特番、あの後大変だったんですからね…!?」

楓「良いじゃないですか。あの時の私と美優さんの絡みがウケてこうしてラジオのお仕事も貰えたんですから。あの日、『かえみゆ』が日本のトレンドに入ったらしいですよ」

美優「あの後、早苗さん達にどれだけからかわれたか…! 今思い出しても顔が…」カー

楓「お神酒を口にして、これがほんとのおミッ○ーマウス…ふふっ」

美優「だからダメですって! お酒も! その名前も!」

P「レッスンに遅刻してきたかと思ったら、ホットプレートでファミコン温めてたとかわけのわからない言い訳をする20歳とか…」






比奈「あああああああああ!!!!!」

紗南(ボイチャ)「比奈さんどったのー?」

比奈「自己べ更新しそうなのに! オルテガが! またベホマ使ったッス! この国賊! 早くくたばるッスよ!!」

紗南(ボイチャ)「国賊wwwwwwwwwww」

杏(ボイチャ)「国賊は草」

比奈「ンアアアアアアア!! 今度はキングヒドラ眠らせやがったッス!」

あきら(ボイチャ)「#再走 #はよ」

比奈「また温め直しッス…今夜はタイム縮めるまで寝ないッスよ…!」

訂正

■誤
P「例えば生放送のスタジオで、突然暑い暑いと言いながら服を脱ぎだす19歳とか」

■正
P「例えば生放送のスタジオで、突然暑い暑いと言いながら服を脱ぎだす18歳とか」

年齢を間違えました…すみません

P「…まぁ、そんなこんなで、人に迷惑をかけたり、ハメを外しすぎたりしなければ、多少ドジなところは十分アピールポイントなんだ」

まゆ「プロデューサーさん…」

P「それに、俺は今のまゆの楽しそうにアイドルをやってるまゆが一番可愛いと思ってる。だから、まゆは今のままでいいんだ。俺のプロデュースを信じてくれ。な?」

まゆ「い、いちばん…! も、もう、プロデューサーさんったら…」///

まゆ「プロデューサーさん。ありがとうございます。まゆ、迷いが晴れましたぁ」

P「うむ! それでこそ俺の自慢のアイドルだ!」

まゆ「はい! あ、そろそろ時間ですね…」

P「まゆはこの後、スタジオで写真撮影だったか? 付き添えなくて申し訳無いけど、頑張ってな」

まゆ「はい。頑張りますよぉ」

P「お弁当の容器は、洗って明日返すよ」

まゆ「いえ、そのままで大丈夫ですよぉ。あ、そうだ。お箸渡さないと。はいこれ、お箸ですよぉ」

P「えっ」

まゆ「うふふっ、まゆは良いぽんこつですから♪ お箸を渡し忘れるなんてことはしません」

P「あ、あのな? これってまゆの…」

まゆ「本当は一緒にお弁当食べたかったんですが、もう出ないといけないので…。まゆはスタジオで食べるから、大丈夫です♪」

P「スタジオで? ならなおさらこれ…」

まゆ「それではプロデューサーさん、失礼します♪」

P「まゆ? おーい! これまゆの! まゆー!!」

ガチャッ バタン



P「行っちまった……」

---スタジオ お昼時

スタッフ「はーいお疲れ様でーす。それじゃ昼休憩入りますんで、佐久間さんは楽屋へどーぞー」

まゆ「はい。お疲れ様でした」



まゆ(うふふ、プロデューサーさんも今頃、まゆのお弁当を食べてくれてるかしら?)

まゆ(お箸もお話の前と後にちゃんと渡したし、憂い無しです…よぉ……?)



まゆ(ん? 前と……後?)






まゆ「あっ」

P「まぁ……ひょっとしたら……」

輝子「確かに、もうちょっとだけ…」

乃々「ぽんこつは直した方が良いかもですけど…」





まゆ「お箸がありません……ふぇぇ……」

まゆ(でも…一膳も渡さないミスはしてないですから…まだマシ、です!)

まゆ(誰にも迷惑をかけてませんから! まだセーフ、です!)



まゆ(……でも)



まゆ(お腹が…空きました……)キュルルルル






おわり

以上になります

ここまで読んで頂きありがとうございます。
プロデューサーへの愛が深い面々が普段はしっかりしてるのに愛ゆえにぽんこつになるってシチュが好きです。
ほっぺをぷくーっと膨らませたまゆに「まゆはぽんこつじゃありませんよぉ」って言われながら
ポカポカされたいと思い居ても立っても居られず書いてしまいました。
箸を渡した事を忘れてまた箸渡すなんて事あるか…?と思うかもしれませんが
プロデューサーに可愛いを連呼されて思考に日菜子ちゃんが乗り移った状態だったんですきっと。

あと途中で気付きましたが愛梨ちゃんは18歳です…申し訳ありません…



後ほどHTML依頼を出してきます。
お目汚し失礼致しました。

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