【神様になった日】空「ガンバレ、兄貴」 (16)

空「え?兄貴が出かけた?」

時子「ええ、今さっき出てったわ」

空「受験も終わったし、息抜きにでも出かけたし?」

時子「さぁ、それはわからないわね」

空「いつ帰ってくるし?」

時子「それもわからないわね~」

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空「意味わかんないし」

時子「そうね、でも真剣な顔してたから」



時子「きっとひなちゃんのことじゃないかしら?」


空「あっ…」

大地「何だ、陽太出かけたのか」

時子「ええ」

大地「まさか、父さんが引き受けたことが、こんなことになるなんてな」

時子「そうね、陽太も楽しそうだったものね」


時子「もちろん空も…でしょ?」

空「…うん」

空(そっか、兄貴はひなちゃんを見つけたんだ…)

空(私は…)


空「・・・・・」


時子「空?どうしたの?」

空「ごめん、ちょっと部屋こもるし」

時子「ご飯は?」


空「いらないし!」


タタタ…


時子「後でおにぎり持ってくわねー!」

空(ひなちゃん…)

空(最初会ったときは変な子だなって思ったけど…)

空(まさかウチに居候するなんて…)


空(しかも私を利用して兄貴と杏子さんくっつけようとするし…)

空(でも、先輩のラーメン屋を助けてくれたし…)

空(兄貴もカッコよかったし)

空(その上あの借金取りまで仲間にしちゃうなんて…)

空(あの後お祭りにも言って楽しかったし)

空(いつの間にか、妹ができたみたいに思ってた)

空(だから兄貴もあんなに入れ込んでたのかな…)

空(どうしようもないシスコンだし、兄貴は)


空(でも、私も大好きだし、兄貴もひなちゃんも)

空(そして、みんなでやった映画撮影)

空(それも当たり前みたいにひなちゃんが中心になってたし)

空(あれ私の作品だし)


空(早く、続きやりたいから)

空(ひなちゃん…帰ってきてよ)グスッ

空「ハァ…」

空「あれからどんだけ経ったし」


空「兄貴どうしてるかな…」

空「ひなちゃん助けるのに手こずってるのかな…」

空「どうせ兄貴のことだからノリで助けにいったのはいいものの…」

空「きっとどうすればいいかわからなくて困ってるに決まってるし」

ピピピ…

空「電話?先輩かな…」


『陽太』


空「あ、兄貴!」


ピッ

陽太『あっ、空?』

空「兄貴!いままで何してたし!」

陽太『ゴメン、ところでさ…』


陽太『空にとっても、ひなは家族だよね?』

空「当たり前だし!」

陽太『そっか、そうだよね』

空「だから早く帰って映画の続き撮るし!」

陽太『そうだね…それじゃ』


ピッ


空「そっか、兄貴頑張ってるんだ…」

空「私は…」

空「帰ってきたらすぐ始められるように映画の準備するし」

空「あ、ちょっと脚本を変えてもいいかもだし」


空「主人公とヒロインのキスシーンなんかも入れてやるし」

空「2人共どんな顔するのか楽しみだし」


空「だって2人は私の大好きで大切な家族だし」

空「だから…」






空「ガンバレ、兄貴」


~おわり~

これで終わりです

つい便乗して書いてしまった、後悔はしていない

明日の結末がどうなるか…

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