陽介「天城にはこのまま犠牲になってもらおうぜ」 (140)

主人公「……」

陽介「……どした?」

>陽介が冗談を言っているようには思えない……

陽介「このままよくわかんねー不審死が広まった後に真犯人とっ捕まえれば俺達ヒーローだぜ?」

主人公「……」

陽介「何つーのかなぁ……ようやくクソつまんねー田舎暮らしに光明が差してきたっつーかさぁ。
これもお前のお蔭だぜ、相棒!そうと決まりゃあ里中を追いかけようぜ!下手な事されちゃあ困るしな!」

主人公「……」

>以前テレビの中に入った時から、陽介は大分性格が変わってしまったらしい……

>恐らくこれも内なる自分と向き合った結果なのだろう……

>そっとしておこう……

>二人の千枝が向き合っている……

陽介「おーおー、何か片方クッソ正論言ってんじゃん。いいぜいいぜ、じゃんじゃん言ってやれよ」

>陽介はいつになく機嫌がいい……

>なんやかんやで自己完結して、里中千枝は人格の鎧・トモエを手に入れたっぽい……


主人公「……」

陽介「おい里中ァ、鞭打つようで悪ィんだけど聞いてくれねえか?」

千枝「……何?」

>自分のシャドウと向き合ったばかりの千枝は辛そうだ……

陽介「俺達あわよくばヒーローになりてぇんだ、その為にお前らには犠牲になってもらいてぇんだけど」

主人公「」

千枝「犠牲……何、誰が……何の?」

陽介「決まってんじゃねぇか、お前と天城には小西先輩の後を追ってもらいてぇんだ」

主人公「」

>陽介の弁舌は止まらない……

陽介「な、イイだろ?どうせ頭もワリーお前やコミュ障の天城じゃろくな人生送れねぇだろうし……」

千枝「ハァ……?花村アンタ、一体何言ってんの?」

>さすがの千枝も機嫌を損ねたようだ……

千枝「頭の回転ド鈍い雪子はともかくさァ、あたしがろくな人生送れない?冗談、女に産まれたんだからそれなりの生活保障されてるようなもんじゃん?
あんたらアホ男こますのなんて、実際問題わけないんだよ?そこんとこわかってんの花村ァ?」

主人公「」

陽介「何言ってやがんだ、お前なんかを飼う野郎なんざこのクソ田舎にだっていねぇよ」

千枝「アンタみたいなクソ野郎にむざむざ殺されるバカ女だってどこ探したっていやしないね」

主人公「」

千枝「大体さぁ……雪子が殺されたら私どうしたらいいわけ?」

陽介「ハァ?知らねーよ」

千枝「雪子はあたしの大事な玩具なんだからさぁ、サイッコーの暇つぶし道具壊されちゃたまんないっつーの」

陽介「悪趣味な女だぜ……」

千枝「何アンタ……闘んの?闘る気?」

主人公「……」

>これ以上諍いを発展させるわけにはいかない……

>さすがに割って入るしかない……

>陽介と千枝をなだめようとした……

>しかし今の伝達力では無理だった……

陽介「止めんじゃねぇ相棒!俺達の未来がかかってるんだぜ!?」

千枝「いくらキミの言う事でも、このバカ村の好きにさせる訳にはいかないんだから!!」

主人公「……」

>再度の必死の説得で、なんとか陽介の殺意を一時的に収める事には成功した……

千枝「……」

陽介「……」

主人公「……」

>二人の黄金の瞳がぎらぎらと輝いている……

>これも自分自身と向き合ったからに違いない……

『やらせナシ!!雪子姫:白馬の王子様探し!』デデーン

千枝「バッカじゃないの雪子!やっぱアッタマ悪いんだわ、勉強できるだけで」

陽介「お高く留まって俺の事盛大に振りやがったクセに、こんな事考えてやがったのかよ。どうしようもねぇ女だな」

主人公「……」

>先を急ぐことにした……

千枝「いや雪子ってさァ、真面目系クズっていうの?あれなのよあれ、周りよりちょっと良くしてる私を見て見てーってやつ」

陽介「うははは!それだわそれ!!前の学校のクラスの野郎にもそういうの一杯いたわ!!」

主人公「……」

>雪子への不満がここぞとばかりに噴出している……

シャドウ雪子「老舗の伝統?そんなもんクソッ喰らえだわ!!」

雪子「やめてええ!!」

陽介「お、出るぜ出るぜ、でけぇのが出るぜ。天城の性格の悪さは筋金入りだからな、すげぇのが来るんだろうなぁ」

千枝「あたしがいなかったらまともに高校生活送れてないレベルだかんね、ほんっと終わってるわー」

主人公「……」

>さっさとケリをつけよう……早く終わらせてやろう……

陽介「待てぇーそれ以上言うなー」

雪子「あなたなんか、私じゃない!!」

陽介「聞けよ」

千枝「ううう……」

>二人の雪子が向き合っている……

陽介「ハハハ、見ろよ相棒、里中の奴さっきの全体攻撃でコロッと死にやがったぜ」

主人公「……」

千枝「ぐああ……痛いい……あづいい……」

>今はポテロングやホームランバーなど持っていない……

陽介「じゃあしょうがねぇ、ここに置いてくしかねぇな」

>なんやかんやで自己完結して、天城雪子は人格の鎧・コノハナサクヤを手に入れたっぽい

雪子「……千枝……千……枝……」

陽介「よっしゃ、両方とも丁度よくグダってっし、トドメでも刺してやっかぁ!」

主人公「……」

>陽介がスパナを手に雪子へと近づく……!

千枝「花村ァァ……ゆき、雪子に近づくなァァ……!」

>怖い

雪子「千枝……やっぱり千枝なのね……それに、キミも……!」

主人公「……」

千枝「花村ァ、殺す、殺してやる、殺すぅぅ……!」

陽介「ハッハー、殺されんのはお前らの方だバカ女ども!俺達二人の為になあ!!」

主人公「……」

>いやだ……共犯者にはなりたくない。堂島に怒られる……

雪子「千枝……酷い怪我、誰が一体こんな事を……」

>雪子のせいだ

千枝「バカ女ァァ……あたしがいないと何にもできない雪子の癖してェェ……」

陽介「仲良くあの世に送ってやるからよォー……ジライヤァァ!!」

雪子「あなたが千枝をこんな目に……王子様に、私の王子様に何て事してくれんのよ、クソ男が!!」

主人公「」

陽介「ジ、ジライヤ!!」

雪子「コノハナサクヤッ!!」

千枝「トモエェェェェ!!」

主人公「……」

>まさに一触即発の状況だ……

>主人公「……」

>こちらもペルソナを出してこの場を諌める他ない!

主人公「セ、センリ……!」

>勝てる気がしない……

>なけなしの伝達力で、何とかペルソナを納めてもらった……

雪子「心配かけてごめんね、千枝……私、私……」

千枝「ほんと、他人様に迷惑かける事は天才的だよねぇ、雪子ってさぁ。そういうのってサイコパスって言うんだよ、知ってた?」

雪子「うん、うん……知ってた……だから、だから私……千枝みたいにカッコいい人の言う事聞かないと、何にもできないの」

主人公「……」

>雪子の黄金の瞳が爛々と輝いている……

陽介「チッ……」

>陽介は非常に不機嫌そうだ……

主人公「……」

雪子「うふふ……これからはキミと千枝の二人が私を守ってくれるのよね?よろしくね、王子様ァ」

主人公「……」

>怖い

陽介「ふん……おい相棒、サッサと帰ろうぜ。そんなバカどもと話してるとお前までバカになっちまう」

千枝「おやおやおや?バカ村が何か言ってるようですな……」

主人公「……」

>陽介はずかずかとエントランスへと戻って行った……

千枝「ほら雪子、このグズ!とっとと行くよ!」

雪子「うん……あ、でも……まだちょっと……辛いかも」

主人公「……」

>とりあえずディアでの治癒は行った……歩ける程度にはなっている筈だが

千枝「ったく……これだからボンボンのクソアマったらないわ」

>千枝も不機嫌そうに去って行った……

主人公「……」

雪子「ごめんね……付き合せちゃって本当にごめんなさい」

主人公「……」

雪子「……うん、だいぶ楽になったかも……ありがとう」


雪子「じゃあ……帰りましょ、わたしの王子様」

>……ペルソナを得ると、どうも瞳が金色になるらしい

>そう思って鏡をのぞいてみた……

主人公「……」

菜々子「……おにいちゃん、何やってるの?」

主人公「……」

>自分の目は大して変わらないように思える……

主人公「センリィ!!」

菜々子「……」

>……変わらない。鏡の奥でセンリがにやにやしている……

陽介「よォ相棒……な、どうするよ里中の奴……やっぱあんときヤっちまった方が良かったんじゃねぇか?」

>相変わらず陽介は物騒な事を言っている……

主人公「……」

陽介「ん……どうした?」

>金色の瞳が輝いている……

陽介「……栄光を掴むのは……ヒーローになんのは俺達だ。絶対に勝とうぜ相棒」

主人公「……」

>……ベルベットルームで相談してみる事にしよう

マーガレット「ようこそ、ベルベットルームへ」

主人公「……」

>イゴールやマリーの姿がない……

マーガレット「……あら、これは失礼」

>マーガレットはソファに放置されていた、えらく古い携帯電話をしまった

主人公「……」

マーガレット「これは我が主の私物で……イビルフォンと言いまして。まあ、あなたには関係のないものですわね」

>気になる……

>結局マーガレットからは有用な情報を得られなかった……

>……胸騒ぎが収まらない

主人公「……」

>陽介からのメールだ

『マヨナカテレビやその情報、ちゃんとキープしとこうぜ。ペルソナ能力、正しく使えば俺達は成り上がって行ける……』

>……えらくコンプレックスにまみれた様子がわかった



>……雪子からのメールだ

>……累計件数……1053件。すべて添付ファイル付だ

>デジャヴュを感じた……

>そっとしておこう

主人公「……」

>マヨナカテレビや事件の進展についてを話そうかと思ったが……

>誰一人屋上に来ない……

>……昼食を済ませ、教室に戻る事にした。

主人公「……」



雪子「ん……んぁ……ふぅ……」

千枝「ゆき……こ……くふ……」

主人公「……」

>千枝と雪子が空き教室で愛し合っている……

>そっとしておいた

尚紀「うぐ……ぐぁぁ……」

陽介「相棒……ああ、屋上行けなくて悪かったな、このクソガキがウザくてウザくて」

尚紀「……」

>亡くなった小西早紀の弟が血まみれで倒れている……

陽介「おうガキ、先輩にはそういう口の利き方しろって姉貴に教わってたのか?おい!!」

主人公「……」

>そっとしておこう……

>雪子の救出から数日……

>陽介たちはまったく情報を集めてこない……

>事件がこれで収束していればいいのだが……ついにある夜、マヨナカテレビが映った……

陽介『おい……もしかして、あいつが次の被害者って事か?』

主人公「……」

陽介『あり得ねえ……キチガイだろ……巽完二とか名乗ってたか?ああいうクソをぶっ殺すのもヒーローの仕事だけどよぉ』

>陽介はだれている……

陽介『まぁいいや……とりあえず、明日また学校でな』

>陽介からの電話は切れた……

>相変わらず受信ボックスは雪子からのメールでパンパンだ……

主人公「……」

>ジュネスのフードコート……

>今日も召集をかけたのに誰も来ない……

主人公「……」

>雪子からのメールだ……

『王子様』

『言ってみただけ』

『かゆい』

>こんな文面で三通も送るな

陽介「あれ……おいおい、お前何やってんだこんなトコで」

主人公「……」

陽介「……あッ、いけね!そっかお前なんかメールくれたよな。わりい、バイト入ってたんだよ。わりいな、今日俺パスで」

主人公「……」

>家に帰る事にした……

>熱気立つ大浴場……

>珍しく、雪子の誘いで探索に出かけた……

雪子「キミは男子だから、もっともっと興味深いお話ができると思って……」

主人公「ジオー、アギー、アギー、スラッシュ!スラッシュ!!」

雪子「男の子って、いつもどんな話してるの?やっぱり女子とは全然違うよね……」

主人公「ペルソナチェンジ!ジオ!ジオ!メディア!」

>雪子は妄言を続けている……

>2層しか歩は進まずに撤収する羽目になった……

雪子「ねえ、今日はこの後すぐ帰る……?」

主人公「……」

雪子「今日、手伝いしなくていいって言われてるの……ええと……暇なの」

主人公「……」

雪子「疲れてるんじゃないかって言われたの……部屋で何かずっとぶつぶつつぶやいてるって。そんな事ないのにね」

>雪子の瞳は黄金に輝いている……

雪子「お夕飯も心配しなくていいのよ。千枝にしてあげた事は、何でもしてあげるよ……」

>なんでもしてくれるようだ……

雪子「だって、あなたも王子様なんだもの……」

>雪子はにやにやしている……

主人公「……」

雪子「うふふ……」

主人公「……」

雪子「まだお母さんたち、宴会の片づけしてるみたい。先にシャワー浴びてきていいよ……」

>もう、後戻りはできない……

雪子「もう離さないわ……私の王子様。私をこの肥溜めから出してくれる、素敵な王子様……」

>もう、後戻りはできないのか……

雪子「王子様、泣かないで……もしかして、初めてだったの?」

>もっと大事にしていこうと思っていたのに……今捨てる気はなかったのに……

雪子「……」

>にやにやする雪子とさらに長い時間を過ごした……

『女人禁制!男だらけの汗だく熱帯天国!』デデーン

>誰も完二に関心を示さない……

千枝「……」

雪子「……」

主人公「……」

>雪子はにやにやしている……

>千枝はイライラしている……

陽介「あ、終わったか?あんなフンドシ野郎、もう見たくねぇよ、まさかあいつが奥にいんのか?死ねよ……」

雪子「……」

千枝「……」

陽介「ケッ……辛気くせぇ連中だぜ」

>そっとしておきたい……

>二人の完二が口論している……

陽介「相棒……俺さ、ドーセーアイってのだけは理解できねぇんだわ。マジ意味わかんねぇよ」

千枝「……」

陽介「男が男を好きィ?女が女を好きだァ?俺からしたらアホくさくてたまんねぇや、
俺らの名前が売れ始めたらそういう連中も徐々に潰していこうぜ。ヒーローの役目だからな」

千枝「チッ……」

陽介「ンだよ、お前の事なんか言って……ああ、まさかお前、ソッチ系か?ムリヤリ目についた女でもペルソナ使って襲ってんのか?」

千枝「ケンカ売ってんなら買うよ花村……あたしが、まさか、そんなんなわけないじゃん……」

雪子「……」

>雪子はこれ以上ないほどににやにやしている……

完二「テメェみたいなのが、オレなもんかよ!」

>待て、それ以上……少し遅かった……

雪子「ガッフ……ガホッ!!」

>雪子は瀕死の重傷だ……恐らくは陽介の腹いせのスパナによる一撃だ……

千枝「危ないっ!!」

>千枝が雪子への一撃を庇った……!

千枝「……」チラッ

雪子「痛い……痛いよ王子様ぁ……助け、助けて……グェホッ!!」

主人公「ディ、ディア……」

>雪子はにやにやしている……

千枝「……」

>千枝はイライラしている……

陽介「」

>陽介は動かない……

>なんやかんやで自己解決して、巽完二は人格の鎧・タケミカヅチを手に入れたっぽい

千枝「……」

雪子「ねえ、お腹空いてない?何か食べて帰りましょうよ……」

>千枝はイライラしている……

陽介「」

主人公「……」

>とりあえず、陽介の遺体の口に刻んだ地返しの玉を押しこまなければ

主人公「……?」

完二「キミ達が、ボクを助けてくれたんだね?ありがとう……本当に、感謝の言葉も見つからないよ」

主人公「」

>怖い

完二「ああ、こんな酷い怪我はボクも見るのは初めてだ……早く病院♂に連れて行かないと……」

陽介「」

主人公「……」

>巽完二が怖い

>今日は一人での登校だ……

主人公「……」

>あのあと陽介は完二に拉致されてしまった……

>そっとしておこう

完二「おはようございます、先輩!」

陽介「……」

主人公「!?」

完二「いやぁ……同じ学校の先輩だったなんて。これは流石のボクも、運命とやらを信じるしかないみたいだ……」

陽介「……」

>陽介の歩き方がおかしい……

陽介「相棒……今日はお前に付き合えねぇ……帰って寝るわ……」

>いつになく陽介は弱気だ……

陽介「チキショウ……俺のジライヤが……勝てねぇ……何でだよ……クソ……」

雪子「おはようみんな……追いついてよかったわ、ねえ王子様。ごきげんよう……」

>怖い

>完二と昼食を食べる事にした……

完二「やっぱり先輩と一緒にいると安心するなぁ……」

主人公「……」

>こうして普通に接していると、陽介に比べかなりまともだ……今度の探索はこいつを連れていこう……

完二「花村先輩も本当にいい先輩で……ああ、ボクはなんていい出会いをしてしまったのだろう」

主人公「……」

>陽介はあの日から学校で姿を見ていない……

完二「先輩、料理上手いんですね……ボクも本格的に料理♂でも勉強してみようか。裁縫♂だとかは得意なんですけどね……」

主人公「……」

>そっとしておいた

>空き教室で千枝と雪子が揉めている……

千枝「あたしの話がつまらないってどういう事……!?」

雪子「言葉通りの意味なんだけど……ごめんなさい、わからなかった……?」

千枝「生意気言わないでよ……雪子のくせに、ざけた事言ってんじゃない!」

雪子「本当に分からなかったのね……千枝、そんなにお勉強ができなかったのね……」

千枝「あんたぁっ!!マジに、マジにぶっ殺すよ!?」

雪子「できるの、千枝にぃ……つまんない事ばっかり話して、つまんない妄言ばっかり吐く千枝に……」

千枝「あんたはあんたでつまんない知恵付けたみたいだよねえ、彼と会ってからさあ!!」

主人公「!?」

>頼むやめろ名前を出さないでくれ

雪子「彼……?」

千枝「あんたが必要としてるのはあたし!!あたしは王子様なんでしょ!?あたし以外の人間の情報吸い込んでどうするってのよ!!」
あんたはこれまでみたいに、あたしの後ろで縮こまってればいいのよ!!優しくしてやったらすぐ付けあがる、あんたやっぱりボンボンのバカ女だわ……!」

>そっとしておきたい

雪子「……」

>雪子がにやにやしている……

>何度叩かれても、殴られても、雪子はにやにやしている……

>怖い……関わりたくない……

千枝「あたしがどんだけあんたに尽くしてやったと思ってんの……?
信じらんない、将来に不安がないようなゆとり女の思考って狂ってる……聞いてんの雪子さあ!!」

雪子「……ククク」

千枝「聞いてんの雪子ぉ!!聞いて!!聞きなさいよ!!聞けえ!!聞けよお!!」

主人公「……」

千枝「『たすけて千枝』『千枝ってすごいね』『千枝だいすき』って言え!!早く!!はーやーく!!」

雪子「……」

主人公「……」

>命の危機にあるのは雪子だが……

>コノハナサクヤの手がトモエの首を鷲掴みにしているのがうっすらと見えた……

千枝「ふっざけんな……!」

>イザナギはストックの隅で怯えている……

完二「この街を脅かすものには、退場してもらうしかない……そうですよね、先輩!」

雪子「今日は天気がいいよね……マヨナカテレビ、次はいつかなぁ」

千枝「……」

主人公「……」

>陽介は体調が悪いらしく欠席だ……

完二「先輩……彼女、天城先輩はどうしたんでしょうか……」

主人公「……」

>顔のあちこちに湿布や絆創膏が貼られている……非常に痛々しい……が

雪子「……」

>今日も雪子はにやにやしている……

完二「先輩は、お加減はいかがですか」

>完二が尻を触ってくる……

陽介「オラッ、死ねッ、クソが!!」

尚紀「がふっ……おええっ!!」

主人公「……」

>陽介がまた尚紀をリンチしている……

陽介「ウゼェ……何もかもウゼェ……巽も里中も天城も、みんなオレをナメてやがる……ザケんな……」

尚紀「……」

主人公「……」

>横たわる尚紀と目が合った……

>そっとしておいた

完二「先輩、自分なりに事件について天城先輩や里中先輩と一緒に考えてきたんです。どうやら被害者は……」

>完二のこの捜査能力はどこで培ったものなのだろうか……

>加えて、あの二人に思考の手伝いを申し出るとは……異性に対しては何とも思わないのか……

天城「完二君って、こう見えて頭は回る方みたいなの。都会産まれの貴方ほどじゃないけど……」

>雪子はにやにやしている……

陽介「ケッ!!」

千枝「チッ……」

>陽介と千枝はイライラしている……

陽介「おい……舌打ちしてんじゃねェよ……唾が飛んだじゃねェか」

千枝「ハァ?言いがかりやめてよ、イラついてんだったらトイレで一発ヌいてくれば?」

陽介「テメェ……ケンカ売ってんのか」

完二「さ、里中先輩……」

千枝「うるっさいな!!あんたは邪魔すんな!!」

完二「ひいい」

>もうどうにでもなぁーれ

>完二の調査と予想によれば、どうやら久慈川りせがターゲットになる可能性が高いらしい……

千枝「花村みたいなのが飛びつく枕営業のアイドル崩れの子でしょ、確か」

陽介「……」

千枝「歌一本で行くのか、女優業やるのかも不安定でふにゃふにゃふにゃふにゃ……人生安定してないからヤメるんじゃないの?」

陽介「ダマって聞いてりゃあよ……」

千枝「……」

>とにかく、その久慈川りせに何らかの警告をした方が良さそうだ……



陽介「……相棒ォ、りせちーとヤリてぇ」

主人公「……」

>二人きりになった途端これだ……

陽介「もう巽の野郎に抱かれんのウンザリなんだよ……俺はゲイでもなんでもねえってんだ……クソが……」

主人公「……」

陽介「なぁ相棒……英雄色を好むって言うよなぁ。じゃあよぉ……」

主人公「……」

>陽介がやらかした……

>昨晩一時頃、稲羽商店街で女子高生が何者かに襲われ軽傷を負ったらしい……

>犯人は未だに逃走中……茶髪で首にヘッドホンを提げていたという……

>十中八九陽介だ……クズからレイプ魔にランクアップした……

千枝「まじ男ってみんな滅亡すればいいよね……あ、キミはまあ……ギリセーフってとこかな?」

主人公「……」

>怖い……みんな怖い

雪子「……」

>雪子はいつもと変わらない……

一条「なあ、ちょっといいか?」

主人公「……」

長瀬「お前さ……けっこう花村と仲良かったよな?」

主人公「……」

>悪くは無かったと思う……

一条「じゃあさ、お前はどう思ってる?今朝のニュースでやってたレイプ魔、あれって……」

主人公「……」

長瀬「やっぱ、花村の奴がやらかしたのかよ……」

一条「とんでもねぇよな……彼女は欲しがってたけど、まさか久慈川りせを襲うだなんて」

主人公「!?」

>どこまでも予想通りの男だ……!!

主人公「……」

あい「花村かぁ……そこまでゲスな奴には見えなかったけど、5月くらいからなんか変わった気ィするなぁ」

結実「花村君……嫌いじゃなかったけど、本当に彼がそんな事したの……?」

綾音「ちょっと信じられないかもしれません……あの茶髪の先輩ですよね?」

尚紀「ざまぁwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

>もはや久慈川りせと同じレベルの噂となって学校内に拡散している……

>……確か、完二の推察では、被害者はニュースで報道された人間と同一だとか

>……

>とにかく、マヨナカテレビを待つしかない……久慈川りせは後回しだ

『不死鳥戦隊フェザーマン・ジライヤ!!次回をお楽しみにィ!!』

主人公「」

>マヨナカテレビに映ったのは……

>異常なほどに低俗で下劣なサービスシーンがふんだんに盛り込まれたヒーローもの風番組だった……

完二『先輩……今のって、絶対花村先輩ですよね』

>ジライヤだとか名乗っていた……十中八九あの男だろう

完二『確か、警察はまだ行方を追ってるって……』

主人公「……」

>恐らく、事件の犯人がテレビに入れたわけではない……

>陽介は自分からテレビの中に入ったのだ……それも、捜査隊のメンツに見つからないようジュネスのテレビを避けて……

主人公「……」

>とりあえず、次回はサービスシーンだけ録画しておこう……

クマ「……セ、センセイ。お久しぶりクマ」

主人公「……」

>クマに軽く会釈した

クマ「嬉しいクマ……本当に久々に、こうやって接して貰えたクマ……よよよよ……」

完二「……」

雪子「……」

主人公「……?」

>陽介はともかく……千枝までいない……

雪子「知らない……彼氏と沖奈にでも行ってるんじゃないかな」

完二「彼氏……」

主人公「……」

>いないものは仕方ない……

クマ「あの、センセイ……ヨースケや、そのリセチャンの他にね、なんか変なニオイする場所があんの」

主人公「……」

>変なニオイ……?

>殺風景な寝室……

>かつての陽介曰く、ヤバげな位置に下がってる縄……

>千枝はそれで首を括っていた……

完二「さ、里中……先輩……」

主人公「……」

>もう脈は無い……すでに事切れているようだ……

雪子「くっ……ふっ……」

主人公「……」

完二「この椅子……自殺するだなんて……!」

雪子「ぷっ……あっははははは!!うくくく、あっははははは!!おっかしぃー!!」

主人公「!?」

雪子「だぁっさーい千枝!!それ、それ狙ってやってんの!?だから、だからつまんない女って言ってんのに……うぷぷぷ……」

主人公「……」

>雪子のスイッチが入った……オフのボタンは無い……

>恐らくかつてないほどに胸糞悪いタイミングだ……

完二「先輩、これ……」

>完二がベッドの上に置かれていた遺書を見つけた……

>文面を見るに、やはり千枝のもののようだ……

主人公「……」

>雪子は未だにツボに入ったままだ……たちが悪い……

主人公「……!?」

>雪子への愛の言葉が5枚に渡って懇々と綴られている……

主人公「……」

>何と、こちらに宛てても書かれている……

>思いつく限りの罵詈雑言を込めた呪詛だ……筆跡もぐちゃぐちゃに乱れている……

>怖い……

主人公「……」

>……冷たくなった千枝が……ぎょろりとこちらを睨みつけたような気がした……

主人公「……」

>とにかく、千枝を降ろしてやらねば……このままにしておくわけにもいかない

雪子「何してるの?」

主人公「……」

雪子「えっ、降ろすって……何で?」

>何でと来たか……

雪子「そんな事より……早く久慈川さんを助けてあげないと」

主人公「……」

雪子「千枝、死んじゃってるんでしょ?表に出してどうするの、私たちに妙な疑いがかかったらどうするの……」

主人公「……」

雪子「このままにしておけば、どうせ勝手に向こうに出て来るでしょ……いいじゃない、もう千枝はいらないわ」

>……

雪子「私にはまだ王子様がいるもの……ねえ、『あなた』?」

主人公「」

>いやだ、怖い、怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

『今日は、りせの全てを見せちゃうよー!』


完二「下品な子ですね、先輩」

>完二はやはり動じない……これで尻を触って来なければ最高に頼れる男だ……

>しかし、今現れたのはりせのシャドウだけだ……陽介はどこに行ってしまったのか……

雪子「落ちたタイミングや話題に昇ったタイミングこそ同じであれ、場所が違えばこうした迷宮の位置もまた違う……?」

主人公「……」

>このストリップ劇場を攻略したとしても……陽介を救出するには再びイチから探索しなければならないのか……

>しかし陽介……ペルソナを手に入れても再びコンプレックスにまみれた挙句、こうしてテレビの世界に魅入られるとは……

雪子「ペルソナ使いのペルソナがシャドウにまた戻っちゃうなんて事が起きたりして」

>雪子はにやにやしながら言う……こちらとしては、雪子とシャドウの区別がもはやつかない……

>シャドウりせがポールに陰部をすりつけている……

完二「……」

>完二は動じない……

雪子「……」

>雪子はにやにやしている……

クマ「……」

クマは陰鬱としている……

主人公「……!?」

>雪子がズボンのベルトに手をかけてきた……!!

雪子「……」

>雪子はにやにやしている……すごい力だ……敵いそうもない!!

主人公「イ、イザナギ……」

>ダメかイザナギ……アマテラスには勝てないか……

りせ「あなたなんか、私じゃない!!」

>離してくれ雪子……雪子……りせへの興奮がばれてしまう……!!

完二「あばばばばば」

主人公「……」

>異様に強い……今までのシャドウよりずっと気持ち悪い上に強い……

雪子「うふふふ……」

>雪子は変わらずにやにやしている……

主人公「……」

>もうだめだ……あわよくば雪子を黙らせる事ができると思ったのだが……

りせの影「さぁ~お待ちかね、モロ見せタァ~イム!」

>雪子が怖い……

主人公「……」

クマ「ク、クマッ!?」

>かくなる上はこのクマを囮に逃げるしかない!思い切りぶち当ててやる!! くらえ雪子!!

クマ「セ、センセイ!!やめ、やめるクマ!!勘弁して!!」

主人公「……イザナギッ!!」

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゙'x.   ヽ ヽ   ヽ\  ."     ! |   l     ,!  .!    ./  ./     "   l    .l    .l,   .l.
、 .ヽ   .ヽ ヽ   ヽ.ヽ      l′ti   |     l .| .″   ./  ./            ′   `        .ゝ
..ヽ. \    ヽ.ヽ   ヽ .ヽ.    .|  .|.l  !     l .|    ./   /  .,,            _..y='"
  `'、 .ヽ   ヾ>   .ヽ .ヽ    |  ."l  |     : l .l゙ ,  / . ,ノ´../i!,、        ,..-'彡'´
   ヽ ヽ   .ヽ     l'、 ヽ  .从  .l、l゙     l .l゙│ .i/ . / ヾ  " ー._,,、 ._.. -'" /
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ー ..,,,゙゙'''ー 、″   ゛       .゛            /           ,..;;彡‐''"      .'!―<゙゙ ̄ ̄ ̄ ̄
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>なんやかんやで自己解決して、久慈川りせは人格の鎧・ヒミコを手に入れたっぽい

りせ「……」

完二「」

>急いで完二に地反しの玉を押しこまねば……しかし……

雪子「……」

>雪子はにやにやしている……さっきの爆発は火炎属性だったのか……クマは粉々になったようだが……

クマ「……お前達は……真実には……たどり着けない……」

主人公「……」

>なんかパチモンのようなクマが代わりにいる……これでいいか……

雪子「さ、早く帰りましょ……久慈川さんを病院に運ばなきゃ」

主人公「……!?」

>いちいち雪子のボディタッチが怖い……この若者級の根気と体力では雪子には勝てない……

>7月を目前に控えたある日……

>鉄塔に吊り下がっている花村陽介、里中千枝の遺体が見つかった……

>雪子がりせの救出に賛成したのは、この状況を望んでいたからであった……

>稲羽で流行していたのは久慈川りせの帰郷と、彼女の強姦未遂事件……

>雪子は千枝の死でペルソナ使いである自分達にほんの少しでも疑いが向けられるのを恐れ、
強姦未遂被害に遭った架空の少女を用意した……自殺した千枝を利用したのだ……

>りせが陽介による事件と無関係であり、陽介と千枝の遺体がこれまでの殺人と同じように鉄塔に吊り下がる……

>このような結果を用意すれば、警察はこれまでの同一犯による仕業と判断するに違いない……

>雪子は嬉々としてそう語っていた……

雪子「花村くんと千枝は今までと同じように、犯人にテレビに入れられて殺された……そうだよね?」

主人公「……」

>もうそれで構わない……

>話題となっていた陽介の事件の被害に遭ったのは里中千枝……

>二人は普段から交流があり、何らかのトラブルの末に傷害沙汰にまで発展した……

>陽介は逃走し、噂だけが独り歩き……ほぼ同時期に帰郷していた久慈川りせ騒ぎと混同されてしまった……

>それが雪子の構築した筋書きであった……

雪子「久慈川さん本人にも、ちゃんとお話を通しておかないとね……」

>そうだ、りせ本人は陽介の顔を知っている筈……公式発表を覆すに、被害者足るりせの口添えは何より効果的なはずだ

>そうさ……これでいいんだ……これで……

りせ「あらぁ、先輩……何が御用ぉ?」

主人公「……」

>……確か、りせは一つ下の学年に転入してきていた筈だ

りせ「なぁにぃ?どうしたの?」

>この……この美女は一体何者だ?あの洗濯板ティーンアイドルはどこに行った?

主人公「……」

>りせの金色の瞳がてらてらと光る……

りせ「あなた達にはぁ……ホントのアタシ、ぜぇんぶ見られちゃったからさぁ……特別に協力してあ・げ・る……」

>どうでもいい

>屋上……

>雪子、完二、りせが、なんと……なんと、召集に応じて来てくれるようになった……!!

完二「やっぱり先輩のお弁当♂は一味違うや……」

りせ「先輩って流石よねぇ……きっと苦手な事なんてないんだわ」

>なんて、なんて平和な光景なのだ。誰もツバを吐かなければ暴言も飛ばさない……

雪子「……」

>雪子はにやにや笑っている……

主人公「……」

『よう、相棒!』

『絶対、俺達で犯人捕まえようぜ!!』

>陽介……

『おーっす、転校生くん!』

『キミと一緒なら、何でもできる気がしちゃうな!』

>千枝……

>突然、雪子から召集の指示が飛んできた……

雪子「ちょっと気になる事があって、呼んじゃったの」

主人公「……」

>完二とりせの姿はない……

雪子「……」

>みなまで言わずとも彼女の目論みはうっすらと分かる……にやにやしてるもの……

雪子「あのね……師岡先生が死んだ一件、覚えてる……?」

主人公「……」

>もう二週間近く前の事だ……生活指導のモロキンが、これまでの手口と酷似した犯行で殺された。

>その犯人みずから、連続殺人もろもろを自分の犯行だと自認し出頭して来たのだ……

雪子「……模倣犯だって気づいてる奴が警察にいる」

主人公「……?」

雪子「あんなお粗末な殺し方でテレビの世界のシステムをマネしようだなんて……
もう少し努力して欲しかったところだけど、所詮は高校生よね。もう、何とかするしかないわ……」

>雪子が何を言っているのかわからない……

雪子「白鐘直斗……子供の癖に、警察に変な事吹き込んで……本当にいやになるわ」

主人公「」

雪子「安心して……絶対、絶対ばれないような手段を考えるから……」

主人公「……」

雪子「当面は……その模倣犯を始末しなきゃ。真犯人個々にありと示す必要があるわ」

>……ん?

雪子「久保とかいう子……千枝や花村くんと同じような目に遭ってもらうって事よ……変な事した報いだわ」

>始……末……?

雪子「ふふふ……また一緒に冒険できるね……嬉しいわ、王子様」

主人公「……」

主人公「……」

>シャドウが……強い……

>確かに陽介や千枝を謀殺してからまったくテレビの中へ入っていなかったというのもある……

>刀が部屋でホコリを被ってしまっていたな……

完二「」

>ガルーラで完二の首は変な方向にネジくれてしまっている……

雪子「アギラオォ!アギラオォ!!」

>雪子の妙なテンションが、もはや救いに思える……もう、もう本当にどうにでもなってくれ……

クマ「我々は……ただ……シャドウ……霧に呑まれていくだけのさだめ……」

>相変わらずクマはぶつくさと呟いている……

りせ『弱点は氷結……うんっ……勝て……かしらぁ……はぁん……ん……』

主人公「……」

>下世話なエロナビゲートが鬱陶しい……無い方がマシだ……

雪子「うふふ……ふへへへへ……」

主人公「……」

クマ「こうして……前へと歩む事で……待っているのは……闇と絶望だけ……」

>正直、クマは呟きが若干耳障りなだけで一番の功労者だ……文句も言わず敵にブフーラを当てていく……

>なんやかんやで自己解決して、久保は人格……久保の影はペルソナにならず霧消した……

久保「う……ぐ……」

雪子「さ、帰りましょうか……」

主人公「……」

>久保は苦しそうに呻いている……

>……どうするべきか

ニア 見捨てる

   雪子に異を唱える
  どうでもいい

>ふむ……ここはやはり……

雪子「ねえ、どうしたの?早く……」

主人公「……!?」

ニア 見捨てる
   雪子大好き
   どうにでもなーれ

主人公「!?……!?」

雪子「なぁに王子様ぁ……何か、言いたい事でもあるの?」

>カーソルが……そもそもカーソルが動かない……!

   見殺し
   雪子愛してる
ニア けっこんしよう


主人公「!?」

>怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い

>ここは久保の願望が、深層心理が具現化したダンジョンのはずだ……雪子絡みの異変だと……!?

>相変わらず雪子はにやにやしている……

>ボイドクエストの内装が徐々に変貌していく……

>ああ、ああここは……この真っ赤な内装は……雪子姫の城……だ……

雪子「さあ王子さま……楽しくダンスを踊りましょう?……ンフフフフ……」

ニア お前の愛を全て受け止めてやろう

雪子「あらホント……?じゃあ、私もガッツリ本気でぶつかってあげるう!!」




>また一つ、稲羽の街に死体が上がった……

>山野真由美、小西早紀、里中千枝、花村陽介、久保美津雄ら五人の命が犠牲となった今回の変死事件……

>県警一課は稲羽警察署へ特別捜査本部を設置……150名の人員が動員され、大規模な捜査が開始された……

>9月に入った現在でも、有力な手掛かりは未だ見つかっていないらしい……



パオフゥ「……そんな事件の起こった場所って聞きゃあ、嫌でも曰くを想像しちまうもんだがなぁ」

克哉「いい街だろう、僕もなかなか気に入っている。仕事でなければ……」

パオフゥ「店でもここに構えたいってか?」

克哉「よそ者が受け入れられるものかな……しかし、お前がわざわざ来たという事は、やはり……」

パオフゥ「……ああ、かなり『そのセン』に近いと考えてもらっていいぜ」

克哉「ペルソナ使いの仕業と、お前も睨んでいるか?」

パオフゥ「シャドウワーカーだとかいう連中を見た後じゃあなぁ……連中も連中で後ろめたい事があるらしい」

克哉「後ろめたい事?」

パオフゥ「ああ。詳しくは知らねえが……たとえば、大事な大事な荷物に逃げられちまって、どこぞで迷惑をかけているかも、とかか」

克哉「……」

パオフゥ「ラビリス、だとか言ったかな……今回の件と関係があるかどうかはわからんがね……」

パオフゥ「お前が怪しいと睨んでいた名探偵とやらは、ペルソナ使いじゃあなかったのか?」

克哉「ああ。一度会った際、僕のヘリオスで揺さぶりをかけてみたが……どうやらフィレモンやJOKERもわからないと言ったところだったな」

パオフゥ「ふん……久保だとかいう男が模倣犯だといち早く気づいたガキだ、非凡な才を持っているとは思うがな」

克哉「確かに、白鐘君の洞察力は大人顔負け……だが、メンタルがそれに伴っているかどうかは微妙なところだ」

パオフゥ「所詮、ガキはガキという事だが……俺達のように、無駄に歳だけ食ったガキよかマシなところが妬ましいぜ」

克哉「違いない」

パオフゥ「あの図体のでかいガキどもの事、思い出しちまうな」

克哉「フ……ところで、滞在先は決まっているのか?まだなら僕が用意してやらんでもないが」

パオフゥ「世話にはならねえ、こっちでもう予約は入れてある」

克哉「ほう、どこだ?市内か?」

パオフゥ「すぐそこだ。確か、天城屋旅館だとかいう老舗だぜ」

ニ二`                ヽ.             γ:::::`::.、            /                  /
   _`二ヽ               V            i::o、゚ i:::',              /                  ,ィ´
   `>                へ             !::ゝ'´ィ'.!::i           /                 <__
   `ー――ァ              V       _,.ィ':::::::::|  |:::':、         /                - = 二_
      /´,.-‐ァ ,.. --‐ァ       ヘ    ,.:-彡ァ:::;:'::::::::/ _!::i!::::\.____, ,:'               _  ヽニ_´
       ̄  ´ー'´  /         \ // /::,イ;::::::;:'Y´,.l:::|:;'ヾ::::::::、--'/           -=ニ_ー -`- ̄ ̄
            /,..ィ ,.ィ           ' |'  ,'::Y//|::/゙V´ ,!:::i'   ヽ!´ /             ラ ̄´
             ̄  ̄ノ  /       \ i::::| !;| i∧ /Nヾ  ,.ィ´            -=ァ
               └='´Y´         `丈__ノ V ,.ゝ<゙´,.=        __,.=-' ̄
                   レi ,.=‐ァ        >'゙´ヾ./     }´          ゙ー-、
                    ´<_        {         ;         {ヽ  ヾ`  つづく
                      レフノ!     ヘ.__    ー- ィ        \)` ̄`

                       ´ ノ /     i、     /          iー`=-
                        /イ      .∧\   /   ∧       \
                            レ'i /ヽ / ∧  Y´     ;'  ヽi\}、 ヽ、i`
                            |/  `  ヘ      ∧      \!`
                                  i  '    i  \
                                 ハ.    l   ヽ
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正直勢いでジュネスと千枝殺した辺りでもうネタ死んでた

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