彡(゚)(゚)「問おう、お前がワイのマスターか?」士郎「は?」(5)

衛宮士郎は、絶対絶命の窮地に陥っている。
自分を執拗に狙う青い暗殺者を前に、抵抗空しく追い詰められている。

逃げ込んだ土蔵にて死を覚悟したその時

『奴』は現れた。


彡(゚)(゚)「サーヴァント、せ、セイバー...召喚に従い参上したで。問おう、お前がワイのマスターか?」シュゴオオオ

士郎「...は?」

ランサー「七人目のサーヴァント...!?」

彡(゚)(゚)(ワイってセイバーやっけ...?)

彡(゚)(゚)「とりあえずまあ、死にそうやん。ちょっとぶっ飛ばして来たるやで」スタスタ

全身黄色の怪物とも呼べる風貌。
飛び出した目はぎょろりと土蔵の外を睨む。
片手に握る棍棒は、まるで野球に使うバットのよう。

士郎「な、なんだ。お前...!?」

止めなければ。
如何な怪物といえど、あの槍にかかっては一振りのうちに生が終わる。

衛宮士郎は、死に損ないの身体を引き摺り怪物の背を追いかける。

ランサー「七人目のサーヴァント、セイバーってところか...?」スッ

彡(゚)(゚)「ん?ああ。セイバーやセイバー。多分セイバーやと思うんやけど...違うかもしれへんわ、どう思う?」フラフラ

気の抜けた返事に、槍の男が嫌悪を抱く。

ランサー「ほざけ──怪物!!」タンッ

瞬間、地がはぜる。
閃光と化した男の動きに、眼で食らいつく怪物。
常人の眼から見れば、それは青い風とも呼べるほどの速さ。
まともに視認出来ない俊敏性。
それを。

彡#(゚)(゚)「フンッ!」ブンッ
ランサー「うおっ...!!」カァンッ!

怪物は迎え撃った。

彡#(゚)(゚)「いきなり襲いかかるなんて危ないやろが!!なに考えとんねんカスゥー!」ブンッブンッ

ランサー「遅いぞセイバー、その程度か...ッ!」ヒュッ

怪物が棍棒を振り抜く。
その度に小さな旋風が吹く。

異次元の戦いだ

頭の整理が追い付かなかった。
数時間前、夜の校庭で見た赤と青の衝突。
槍で突かれ、死んだと感じたのに生きていた不可思議。
何処へ逃げても追い付かれる恐怖。
そして、自らの窮地に呼応するように現れた名も知らぬ怪物。

士郎「どうなってんだよ、これ...!!」

彡#(゚)(゚)「うっさいわボケ、ワイは天下の..
.!!」グッ

彡(゚)(゚)「スラッガーやぞ!!!!」ブォンッ!!

一際力強い一閃。
それは、直撃を避け後ろに跳んだランサーを力の余波だけで吹き飛ばす──!!

ランサー「力だけはあるみたいだが...とんだハズレだ、マスターの命令が無ければ5秒と立たず殺せるものを...チッ、気に食わねぇ」

肩で息をして、フーフーと唸る怪物。
それを涼しげな顔で品定めする槍使い。
力の差は歴然だが...

ランサー「命令なんでな、今日は退かせて貰おう」タンッ

一跳びで屋根の上まで登ると、そのまま風のように去っていった。

彡;(゚)(゚)「くっそ、ここからやったってのに...ま、まあしゃーないわ!ワイは去るものは追わへん、力の差を感じて逃げた相手に追撃するような野暮な真似はせんで」ゼェハァ

負け惜しみのように訳のわからない言葉を吐く怪物。

士郎「おい...どういうことだよ、これ...?」

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