まゆ「明日は美穂ちゃんの」加蓮「誕生日!」 (16)


これはモバマスssです

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~12/15(土)、都内某所のアイドル事務所~

まゆ「……本日、皆さんに集まって頂いたのは他でもありません」

加蓮「さっさと本題言えば良いのにわざわざ持ち出されて否定された他の気持ち考えた事ある?」

まゆ「えー、明日に迫った美穂ちゃんの誕生日ですが」

加蓮「ねぇちょっと! 無視しないでよ!!」

智絵里「プレゼントなら、用意してあります……!」フンスッ

まゆ「よろしい」

加蓮「よろしくないよろしくない!」

李衣菜「で、サプライズだから内緒にしとくんだっけ?」

まゆ「はい、明日朝一で女子寮に押し掛けます。プレゼントはみくちゃんや輝子ちゃんの部屋に隠させて貰うと良いでしょう」

加蓮「あーもー私帰る! 無視するんだっら帰る!」

まゆ「るっせぇですよぉ! 小学生ですかぁ?!」

智絵里「ばいばい、加蓮ちゃん」

加蓮「…………止めないの? 私本当に帰っちゃうよ?」

李衣菜「……ま、まぁまぁ」

加蓮「まぁ? みんなにそこまで謝られたら私も自己中でごめんね、って感じだし」

智絵里「…………ダルい……」




まゆ「ちなみに皆さん、プレゼントはどんな物を用意しましたかぁ?」

加蓮「ん、私? 気持ちが伝わるのが一番かなーと思って肩叩き券」

まゆ「祖父母へのプレゼントじゃないんですから……」

李衣菜「げ、かぶった」

まゆ「そんな事あります?」

智絵里「……わ、わたしも……」

まゆ「え、まゆこのユニットやだ……」

加蓮「冗談だって、ほんとはパスケース用意してあるから」

李衣菜「私はスマホカバー」

まゆ「まゆは人間です」

李衣菜「ちょっと!」

智絵里「……ひ、一人くらいなら肩叩き券でも許されるかな……」




まゆ「さて、おそらく美穂ちゃんはこの後事務所に戻って来ます」

智絵里「美穂ちゃんの事だから、きっと誕生日アピールしてくるかも……」

李衣菜「で、それを上手く流して気付かないフリをしつつ」

加蓮「明日の予定は空けておいてもらう、で良いんだよね?」

まゆ「はい、ですがまゆ達が祝おうとしている事はバレてはいけません。これが大前提です」

李衣菜「……ぶっちゃけた話さ」

まゆ「発言を許します」

李衣菜「……美穂ちゃん、多分めっちゃ凹むよ?」

まゆ「…………」

智絵里「…………」

加蓮「…………」

李衣菜「…………」

まゆ「……それとなく匂わせましょう」

加蓮「こんな事言ってるけどどうせ祝ってくれるんだろうな、くらいに考えて貰わないとね」

智絵里「……普通に祝えば良いんじゃないかな……」

加蓮「それじゃつまらなくない?」

李衣菜「じゃあ逆に聞くけど、加蓮ちゃん自分の誕生日忘れられてたらどうする?」

加蓮「うーん、火葬パーティー開く」

まゆ「やめましょう? 縁起でもないですから」

加蓮「演技じゃなくガチ泣きすると思う。生きる希望失くして翌々日誕生日のまゆの誕生日パーティーでやけ食いする」

まゆ「あ、来てはくれるんですねぇ」

李衣菜「まぁ兎に角、誕生日なんだから悲しませる様な事態だけは避ける様にね」

全員「「「らじゃー!」」」



ガチャ

美穂「こんばんはっ! 小日向美穂ですっ!!」

李衣菜「おかえりー美穂ちゃん。なんだか機嫌良さそうだね」

李衣菜(……やっばめちゃくちゃテンション高い)

まゆ「何か良い事あったんですかぁ?」

まゆ(これは絶対誕生日アピールしかけて来ますよぉ)

智絵里「えっと……もしかして、その……良い事があったり……」

智絵里(今思ったんだけど……美穂ちゃんが戻って来る前に帰ってれば良かったんじゃないかな……)

加蓮「たしかに」

加蓮(ん、たしかってどんな漢字書くんだっけ)



美穂(…………あ、あれ……? もしかして皆んな、明日がわたしの誕生日だって忘れてる……?)

李衣菜(あーやばい、既に表情が曇りだした)

まゆ(美穂ちゃん、表情に出やすいですからねぇ)

智絵里(これは……誕生日アピール、来ます……!)

加蓮(ねぇ誰か! たしかってどんな漢字だっけ!!)

美穂「え、ええっと……問題ですっ! 一年に一度の誕生日ってなーんだっ?!」

李衣菜「…………」

まゆ「…………」

智絵里「…………」

美穂(……あぁぁぁぁっ! 一年に一度の日って聞こうとしたのに!!)

李衣菜「…………む、難しい問題だね……」

まゆ「い、一年に一度の誕生日……な、なんでしょうかねぇ?」

智絵里「えっと……た、誕生日じゃないかな……?」

加蓮「私分かった! 誕生日!!」





美穂(これじゃあわたしが『明日誕生日なんです、祝え』って言ってるみたい……も、もう少しオブラートに包んで気付いて貰わないとっ!)

まゆ(ーーとか考えてるんでしょうねぇ)

李衣菜(いや、もし美穂ちゃんの誕生日がいつかを知らなかったとしても普通に今ので察するでしょ)

智絵里(そこまで考えが回らないんだろうな……)

加蓮(美穂めっちゃ必死)

美穂「……さ、最近寒いですねー?」

まゆ「そ、そうですねぇ……?」

李衣菜「セーターだけじゃ寒過ぎてコート必須だよね」

智絵里「十二月だから……」

美穂「そうっ! 十二月なんですっ!!」

加蓮「えっ、マジ?! もう今年終わりとかギャグでしょ! やっばクリパの予定立てて無いじゃん!!」

まゆ「加蓮ちゃんの所にはサンタさん来なさそうですよねぇ」

加蓮「まゆこそサンタさん信じてないんじゃない?」

まゆ「信じてますぅ~! 去年もステキな出会いをプレゼントしてくれましたぁ~! 加蓮ちゃんこそサンタさん信じてないんですよね?」

加蓮「はぁ?! サンタさんの存在を疑うとか小学生まででしょ」




美穂「だ、だったら……! 年に一度の日曜日ってなーんだ!」

加蓮「ブラック企業!」

美穂「じゃあ逆に年に364回の日曜日は?!」

加蓮「やっぱりサンタさんじゃん!」

美穂「日曜日と言えば!」

まゆ「デート!」

美穂「12月16日の日曜日と言えばっ?!」

加蓮「まゆデートする相手いるの?」

まゆ「……サンタさんにプレゼントして貰います」

加蓮「だからまゆの家にサンタさんは来ないって」

まゆ「来てくれますぅ! 毎年煙突が無くても来てくれましたぁ!!」

美穂「…………さ、サンタさんもですけど……!」

まゆ「おっと、まゆとした事が加蓮ちゃんと言い争うなんて人生で最も無駄な時間の使い方をしてしまいましたねぇ」

加蓮「…………そこまで言わなくても良いじゃん」

まゆ「…………ほ、本当は楽しんでますよ?」

智絵里「……痒」

李衣菜「で! えっと、十二月の話だっけ?」

美穂「は、はい! ええっと、十二月と言えばイエスさんの誕生日ですが!」

加蓮「あ、クリパやるから美穂予定空けといてね」

まゆ「絶対ですよぉ! くれぐれもPさんとデートなんて言う抜け駆けは企てないように」

美穂「らじゃーですっ!」

李衣菜「おっけ、まぁアイドルがクリスマス空いてるってどうなんだろうとは思うけど」

智絵里「……えっ、あっ……す、既に予定が入っちゃってる場合は……」

まゆ「Pさん以外なら大丈夫ですよぉ。用事が終わり次第、来れそうなら来てくれると嬉しいです」

智絵里「…………大丈夫じゃないかも……」

まゆ「それはどっちに対する『大丈夫じゃない』なんですかぁ?!」

智絵里「あっ、それで十二月のお話だよね……?」





美穂「はいっ! 実はイエスさんが誕生日の25日よりも前に……とある人物の誕生日なんです!」

加蓮「へー、誰? 私?」

美穂「12月でお願いします!」

まゆ「候補が多いですねぇ。大体何日くらいなんですかぁ?」

美穂「何日でも良いんですが……折角だし明日の16日にしておこうかな」

李衣菜「12月16日が誕生日かー、誰かなー?」

智絵里「うーん……ヒントが欲しいな」

美穂「とびっきりのヒントですっ! 音楽とか曲に関わりがありますっ! 皆さんもよく知っている人です!」

加蓮「あ、分かった!」

美穂「多分分かってないと思いますけどどうぞっ!」

加蓮「ベートーベン!」

美穂「デデデデーンッ!!!!!!!!」




美穂「さ、更にヒントです!」

李衣菜「待って待って、ヒント無しで当てたいから!」

美穂「はい、では大ヒントですっ!」

智絵里「そ、そうじゃなくって……」

美穂「じゃあもう答え行きます!!」

まゆ「ストップストップ! まぁ待ちましょう? 急がば回れとも言いますし」

美穂「わたしが空回りしてるって言いたいんですかっ?!」

加蓮「じゃあ私空中前回りやる」

美穂「もう私も空中前回りするしかないじゃないですかっ!」

まゆ「いえそうはなりませんよね?」







美穂「そ、そういえばーですよ? もうすぐ女性の結婚可能年齢が18歳になるらしいですねっ!」

加蓮「それマジ?」

李衣菜「マジらしい」

まゆ「それまでにケリをつけなければ……」

智絵里「……この話の流れは……」

美穂「わたしもいつか結婚したいなー、早く18歳になりたいなー……あっ! 18歳と言えば! そう言えばっ!!」

智絵里「美穂ちゃん、えっちな本を買いたいって事ですか?」

美穂「そう! 18歳になればえっちな本を自分でってそんな訳無いでしょ!!」

智絵里「…………本当に? 興味無いの?」

美穂「……ほ、本当だよ……? あの、流石にそれは本当だよ?」

加蓮「えっちな本には興味無いのに結婚はしたいんだ」

美穂「えっそれって両立しないんですか?」

加蓮「当たり前でしょ、Pさんがエロ本持ってたとしてさ、それ触ったら違法なんだよ?」

まゆ「それは違うと思いますが……」

美穂「…………が、頑張るもん……」

李衣菜「っていうかお相手は固定なんだね」

美穂「……っ! ち、ちがうもんっ! 加蓮ちゃんが言ってるだけだもん!!」

智絵里「そろそろプロデューサーさんが戻って来ちゃうから……オチが見える……」

まゆ「Pさんが戻って来るまで、普段通りなら後10分はあります。それまでに帰らないと……!」






美穂「と、とにかく!」

加蓮「明るい!」

美穂「話を逸らさない!」

加蓮「……美穂の目が怖い」

美穂「明日は……もう自分で言っちゃいますが!」

智絵里「電話創業の日です……! 1890年の12月16日に、東京市内と横浜市内の間で日本初の電話が開通したんだよね……?」

美穂「うん! 他には?!」

まゆ「戦勝記念日ですねぇ。1971年のこの日、第三次印パ戦争でパキスタン軍が降伏し戦争が終結し、パキスタンがバングラデシュの独立を承認したらしいです」

美穂「日本で!」

李衣菜「紙の記念日だね。1875年のこの日、東京・王子の抄紙会社の工場で営業運転が開始されたんだってさ。ペーパーじゃん」

美穂「ロック負けますけど! うんうん、他には?!」

加蓮「あ、アイドルの誕生日!」

美穂「あと一歩!」

加蓮「中谷育!」

美穂「うちの事務所で!」

まゆ「大和亜季さん!」

美穂「おめでとうございます!!」

李衣菜「明日だけどね」

美穂「じゃあおめで明日ございます!!」

智絵里「…………もう良いんじゃないかな……」

美穂「明日はっ!」




ガチャ

美城専務「失礼する、明日(12月16日)誕生日の小日向はいるか? 明日は他の者達とパーティーを企画しているだろうから、今日のうちにプレゼントを渡しに来た」




美穂「…………なんで言っちゃうんですかっ!!!!!」

まゆ「わざわざこれ見よがしに『明日誕生日の~』なんて注釈まで付けて!!」

加蓮「私たちの苦労が台無しなんだけど!!」

李衣菜「はー、これだからロックを分かって無い人は」

専務「仮にも上司である者に対して余りにも失礼だとは思わないのか?」

智絵里「……もうポエムの推敲してあげません……」

専務「この件は後々きちんと謝罪させて貰う。水を差して悪かった、ごめん」

加蓮「ごめん、私たちも言いすぎたかも」

まゆ「まぁ、反省しているようであれば……」

李衣菜「なんでみんな偉そうなの」

美穂「あ……ご、ごめんなさい……勢いで……」

専務「気にするな、部下に啀まれたり叩かれるのは慣れている。それと……1日早いがおめでとう、小日向。普段から熱心にアイドル業に勤しんでいる君に、私からの気持ちが伝われば良いのだが」


バタンッ





加蓮「……めっちゃ人間出来てる」

まゆ「以前の印象とはガラッと変わってなんというか……」

智絵里「……田舎の無愛想だけど優しいおばちゃんみたい……」

李衣菜「で、美穂ちゃん美穂ちゃん。プレゼントは何貰ったの?」

美穂「この封筒……金一封だと良いなっ!」

まゆ「あまりにも現金」

ピラッ

『肩叩き券5枚綴り、使用期限2018年12月16日まで』

全員「「「「「ぶっ叩きに行くよ!!」」」」」



以上です
美穂誕生日おめでとうございます
お付き合い、ありがとうございました

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