辻野あかり「アイドル、頑張るんご!」 (15)
あかり「(こんにちは!新人アイドル辻野あかりです!)」
あかり「(突然ですが少し悩んでいることがあります。『りんごアイドル、あかりんごです!よろしくんご!』っていう渾身の挨拶を編み出したはいいものの、プロデューサーさんにちょっと渋い顔されちゃったんです……)」ウーン
あかり「何か別の挨拶……流行り……あっ!」
~事務所~
あかり「あなたのハートをシナノスイート?」
P「ボツで」
あかり「しょんぼりんご……」シュン
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[青森の危ないあいつ]
P「辻野さんはあれか、青森に対抗意識燃やしてる感じかい?」
あかり「い、いえ、私がというより親が、ですかね……あは……」
P「ふむ、それを推してみるのも面白いかもな……あ、そうだ、青森といえば……」くるっ
愛海「新人さんですか?私、棟方愛海っていいます!仲良くしてくださいね♪」ひょっこりキラキラわきわき
あかり「わわ、つ、辻野あかりだす!ちがった、です!」
P「噂をすればだよ畜生」
~しばらくして~
愛海「」チーン
あかり「な、なしてこんなかわいい子を簀巻きに……アイドル業界怖い……」
P「……いずれわかる」
[ききりんご]
P「これから辻野がテレビに出た際になんか特技とかあれば映えると思うんだが……正直この趣味にある編み物ってのは被りが激しいんだよなぁ」
あかり「そ、そんなこと言われましても……」
P「ごめん、別に謝ることじゃないんだ。他のことを推せばいいだけで……そだ、利きりんごとかできないかな?」
あかり「えぇ!?りんごは好きですけど、やったことないから出来るかわかんないですよっ」
・・・・・・
P「というわけで林檎を数種類お取り寄せたぜッ!」
あかり「行動力の化身っ!」
P「こうでもしなきゃプロデューサーなんざやってられねぇのさね……てなわけで、まずこれから」
『シナノスイート』
シャクッ
あかり「……?」
P「おろ、わかんない?」
あかり「……甘いですね」
P「それは俺でもわかる」
『ふじ』
あかり「この甘酸っぱさは……ふじですっ!」
P「正解!」
『秋陽』
あかり「ちょっと旬過ぎちゃってますけど……秋陽ですねっ」
P「正解」
『王林』
あかり「……???」
~10分後~
あかり「……見事なまでに」
P「山形産だけ完璧だったな……」
あかり「これ逆に特技になりませんかね?」
P「バラエティで山形産の物が出なかったらどうすんのさ」
あかり「……問題として山形のりんごが出ないバラエティの方に問題があr」
P「地元愛はわからんでもないがやめなさい」
[あは♪]
比奈「プロデューサーさん?」
P「ん?」カリカリ
比奈「最近入った新人の娘いるじゃないっスか。辻野あかりちゃんでしたっけ」
P「あぁ、いるが……どうしたよ」カタカタ
比奈「あの子の笑い声聴いて思ったんスけど……」
『あは♪怖がらなくてもいいんですよっ♪私に全部委ねてください♪』
比奈「ってハイライトオフで言って欲しさがあると思うんス」
P「真顔でなんちゅうこと言うの君」
比奈「……本当は?」
P「……ちょっとわかる」カタカタ
比奈「ぅゎぁ」
P「おい裏切るな言い出しっぺ」
あかり「私がどうかしましたか?」にゅっ
P・比奈「「なんでもないんご!!!」」
あかり「?」
[たたかわなくては]
あかり「プロデューサーさーん」
P「ん、どした?」ズズッ
あかり「やっぱり私も戦えた方がいいですかね?」
P「ブフォェッ」
あかり「お茶を吹かれた……」
P「……戦うってなんだ。私『も』ってなんだ」フキフキ
あかり「入社にあたって、最近の先輩たちの活動をチェックしてたんですけど……」
~~~~~~
バルバトス『おのれ小娘がぁぁぁ!!!』ズガァン!!!
唯『ここまでおいで~☆べろべろぶるぁ~♪』ヒラリ
~~~~~~
光『茄子さんを返してもらうぞ、マッドサイエンティストめ!』ザッ!
志希『その姿、その身体能力、そしてそのオーラ……♪にゃは~、モルモットがネギ背負ってやってきてくれちゃった感じかにゃ~?』
~~~~~~
あかり「……みたいに」
P「いや……あれドラマだぞ?」
あかり「あっ、そうなんですね。って、考えてみたら当たり前ですよね」
こずえ「ふわぁ……」ぷかー
あかり「じゃああれも撮影ですね?」
P「……まぁなんだ、少しずつ順応していこうな」
あかり「?」
[林檎の樹は倒れない]
「今回の合格者は……○○番と○○番です!」
~楽屋~
あかり「……初オーディション、落ちちゃいましたね」
P「……だな。すまん、完全に俺のミスだ」
あかり「いえ……私が、色々たりなかったせいです……」
P「そんなことは」
あかり「正直、浮かれてたんかなって。レッスンに参加しただけで、事務所に通うだけで、この衣装に袖を通しただけで……アイドルっぽくなれた、って1人で勝手に嬉しくなっちゃって……」
P「辻野さん……」
あかり「……でも、たった今感じたんです。私、『だけ』じゃ嫌だって」
P「!」
あかり「アイドルっぽいだけじゃ嫌だって。この衣装でステージに立って、歌って踊りたいんだって。……本当のアイドルになりたいって。一度負けてやっとわかったんです……遅すぎるかもですけど」
P「……遅すぎるもんか。まだ始まったばかりじゃないか」
あかり「あは♪そうですよねっ……」
スクッ
あかり「私、次は絶対に負けません!」
P「……芯が強いんだな」
あかり「りんごですから!」
P「……よし!ラーメン食って反省会だ!次は絶対合格するぞ!!」
あかり「はいっ!!!」
辻野あかり、15歳!ある日突然プロデューサーさんにスカウトされた新人アイドル(を目指してる女の子)です!
まだまだ出来ないことの多い私だけど、いつか大きな樹になって実をつけるまで諦めたくないから!
あかり「これからも一生懸命頑張るんご!」
P「うん、やっぱそれはやめよう」
あかり「しょんぼりんご……」
おわり
以上です。お付き合いありがとうございました。
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