【笑う犬】アヤカ「なんで私だけ出れなかったのか納得できない」【ダンガンロンパ】 (23)

バグでRの方に立ってしまったので、立て直し実験

これでダメなら誰かに代理してもらいます。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1546269303


ミル「ちょっとトラブルがあったみたいだけど、改めまして……」

ミル「はぁ~い。どうもこんばんは。ミル姉よ。とうとう局の垣根を超えて紅白に出ちゃったわ。
    もう20年近く経ってるって言うのにみんな覚えてて、嬉しいわねぇ」

ミル「SSを始める前に、このSSについてちょっと説明するわね」

ミル「作者は2015年5月に笑う犬の冒険とダンガンロンパのクロスSSを連載していたの。
    その時、オールキャラのつもりだったのになんとアヤカを入れ忘れちゃったのね……可哀想」

ミル「そしたら、読者の方から結構アヤカ登場を熱望する声が届いてね」

ミル「いつか出そうと温めていたのよ。まあ、タイミングがなくてお蔵入りしてたんだけど……」

ミル「そこに、アタシがテレビに登場じゃない? 今がタイミングじゃない?」

ミル「過去スレを全部貼り直すと300レスくらいあるから、該当部分の前後だけ貼るわね」

ミル「短いけど、懐かしいと思った人はどうかお付き合い頂けると嬉しいわ」

ミル「それではスタート!」


はっぱ隊「ヤッタ! コロシアイ学園生活に巻き込まれたぞ!」【ダンガンロンパ】
はっぱ隊「ヤッタ! コロシアイ学園生活に巻き込まれたぞ!」【ダンガンロンパ】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428751475/)

おさらいをしたら、上記スレの>>82からスタートします。




[ 読み直すのが面倒な人向けのおさらい ]


希望ヶ峰学園に超高校級の生徒達15人が監禁されたよ。

学園長を名乗る不審なぬいぐるみ・モノクマにコロシアイを命じられたよ。

いきなりはっぱ隊が乱入してコロシアイを止められたよ。

その後も事件が起こりかけるたびに、笑う犬オールスターが止めに来てくれたよ。

業を煮やしたモノクマが内通者を使うことにしたよ。

さくらちゃんは天使だけど内通者だったよ。

本当はコロシアイなんてしたくないよ>< ←今ここ



モノクマ「この野郎……こうなったら奥の手だ! 内通者カモーン!」


深夜、モノクマは内通者である大神を体育館に呼び出し、誰かを殺すよう命じたのである。


大神「そうか……いよいよその時が来たか……」

モノクマ「人質殺されたくなきゃとっとと殺っちゃってよね!」

大神「…………」


陰欝な気持ちで大神は廊下を歩く。


大神(誰を殺そう……女や弱い者は傷付けたくない。我の次に強いのは大和田だろうが……駄目だ。
    大和田が死ねば残された石丸や不二咲が不憫だ。奴は涙ながらに自らの秘密を告白したしな……)

大神(やはり十神だな。あやつは和を乱す行動が多すぎるし、コロシアイ肯定と
    取れる発言も多い。……内通者の我は人のことを言える立場ではないが)


だが、途中で足を止めた。保健室がいつの間にか出店のようになっており、変な女が座っている。



― マドモアゼル☆ゆみこの12星座占い ―


ゆみこ「テルミーテルミーテルミードゥ! ポップンチェリーでシャラリンチョ! YEs,it's Do!」

ゆみこ「きょんばんは。マドでーす☆」

大神「我の殺人を止めにきたのか?」

ゆみこ「下着は白と決めていてプロテインを愛飲し、カポエラーにも興味があるおとめ座のあなた」

大神(……無駄だ。心に迷いを持つ者ならこの者達の言葉も意味があるだろう。
    だが我のように固い決意を持つ者には、この者達の言葉など届かぬ)

ゆみこ「明日の運勢は……学級裁判に負けてオシオキされる。えっ?!
     オシオキって処刑のことなの?! ガーン!」

ゆみこ「さようなラモス瑠偉!」ビシッ!


ガタン!

それだけ言うとブラインドが落ちた。ブラインドには『明日もいい日でありますように』と書いてある。


大神「…………」

大神(いい日、か。……我にとっても皆にとっても最悪の一日になりそうだが)


級裁判という単語だけ少し気になったが、深く考えないことにした。
犯行がバレてリンチを喰らうという意味かもしれないが、それもやむなしだと思う。


「本当にそれでいいの?」

大神「?!」


唐突な気配を背後に感じ、大神は跳躍しつつ背後に向き直る。


「本当に、それでいいの?」


そこに立っていたのは、短髪の精悍なおとk……女性である。

何故だろう。一見男だが、どこか色っぽく魅力的に見えた。
その両腕と、スカートから見える足を見れば鍛えられていることがわかる。



大神「……お主は?」

「私の名前は――」










「――アヤカよ」


二人の間に、一陣の風が吹いた――。



― アヤカ IRON MAIDEN ―


突然、廊下の電灯が暗くなる。
今までのふざけたノリとは違う、シリアスな空気に大神も気を引き締めた。


アヤカ「あなた、後悔するんじゃない?」

大神「後悔などせぬ。我は、決めたのだ」

アヤカ「嘘よ。顔に嘘って書いてある」

大神「嘘では……」

アヤカ「あなたは、優しい人ね」

大神「……!」

アヤカ「道場の人達を人質にされて内通者になると約束したはいいけれど、
    今の今までずっと悩んでた。彼等を仲間だと思っているから」

大神「…………」



どこからか音楽が流れてきた。今まで散々不可思議な現象を見ているので
今更この程度で驚いたりはしないが、その物悲しいメロディは大神の胸に響いた。

『パリは燃えているか』
http://www.youtube.com/watch?v=6QdCsxw16Tg


アヤカ「でもね、二つとも手に入れられる訳じゃないの。二つに一つ、
    選ばなきゃいけない時もある。……いいえ。この表現は正しくないわね」

アヤカ「あなたに選択肢なんてない。今ここにあるものを守るべきなの」


大神と距離を取りながらアヤカは回り込み、その行く手を遮るように立つ。

いや、実際大神を止める気なのだ。彼女は。


大神「どいてくれ」

アヤカ「どかないわ。あなたがやめると言うまで」


静かに、一分の隙もない動きでアヤカは構える。



大神(こやつ、出来る!)

アヤカ「あなた……私より強い?」


ズシャアアアアアアアアン!!

窓が塞がれているにも関わらず、雷が落ちる。暗い廊下に、青い閃光が走った。


アヤカ「どうしてもコロシアイをするというのなら……私を倒してぇっ!!」

大神(! 来る!)

アヤカ「ウゥ↑オオオオオオ↓ッ!!」


大神の首を狩らんと凄まじい速さの回し蹴りが繰り出された。
紙一重でそれを避けると、大神もまた構える。


アヤカ「あなた、アメリカの総合格闘技で400勝してるんですってね。
     なら私のことも倒せるかしら。……テヤッ! ヘアッ!」

大神「ハアッ! ハッ!」


アヤカの力強い踏み込みから繰り出される突きを大神は全て受けきる。
上段中段、下段……と見せかけてフェイントの肘打ち。大神はそれを捌くと反撃するが、
アヤカはその攻撃を叩き落とす。大神はフットワークを活かして距離を取ったが、
その足にローキックが迫る。大神は回避して追撃も防ぐが、反撃の蹴りを止められた。


アヤカ「ホオオオオオオオ! ホオッ! ホアッ! ヒャアアア!!」

大神「ヌゥッ!」


アヤカの鋭い連打が大神の鳩尾に突き刺さる。


アヤカ「ホアアアアアアアアアアッ!!」


トドメと言わんばかりに右ストレートが放たれるが、大神はしゃがんで
ガードし、立ち上がりながら下段中段上段と連続キックを繰り出した。
アヤカは連続蹴りを三回防いだが、左足に替えた飛び蹴りが腹部に刺さり吹っ飛ぶ。


アヤカ「グフォオッ!」


ドンッ!

壁に叩きつけられるアヤカ。衝撃で口の中を切ったのか、血が垂れた。



盛大に白目を剥いているアヤカから大神は目を逸らして俯く。


大神「もう、やめぬか? ここで戦う意味などない。お主がいくら戦っても、我は……」

アヤカ「まだよ。あなたは甘い。考え方も未来についても戦いも、全部っ!」


アヤカは拳で血を拭うと、ブッと床に血痰を吐いて再度構える。

再び雷鳴が轟く。屋内なのに、何故か雨が降ってきた。
二人とも髪がベッタリと顔に張り付く。酷い顔だ。雨で服も貼り付き、
下着が透けている。ちなみにアヤカの胸は真っ平らだがけして男ではない。


アヤカ「あなたは間違っているのよ。ここまでしてるのになんでわかってくれないのぉぉ?!」

大神「我は、我は――」

アヤカ「オオオリャアアアアアア!!」

大神「グッ!」


大神はアヤカの攻撃を防ぐが、アヤカの勢いは止まらない。
ガードの上から連続ジャブを放つ。

ドガッドガッドガッドガッ! ドガッドガッドガッドガッ!

ジャブに関わらず、一撃一撃が異様に重い。執拗な連続攻撃は次第に大神の
ガードをズラし、ガラ空きになったボディに吸い込まれるように刺さっていく。


大神「グ、グフッ! 我とて……我とて退けぬのだあああッ!!」

アヤカ「ウオアアアアアッ!」

大神「ヌアアアアアアアアアアアッ!!!」


ズガアアンッ!!

アヤカの最後の一撃に対して、大神の渾身のカウンターが炸裂した。


アヤカ「オワタァァッッ!!」


ズシャアッ!

アヤカは仰向けで倒れ込む。


アヤカ「あなた、なんで女の子なのぉぉ……!」


心底悔しそうなアヤカだが、その悔しさは負けたからだけではないのかもしれない。
アヤカの結婚相手の条件はただ一つ、『自分より強いこと』。

今のところその条件を満たした男は現れず、もうアヤカは三十路突入である。



大神「我の勝ちだ。許せ」


大神は倒れたアヤカの腹部に足で追撃を加える。

ドゴッ! ドガゴキッボキィッ!

与えたのは一撃だが何故か複数箇所の骨の折れる音がした。


アヤカ「父さん……やっと私より強い人が現れたと思ったら、その人は女子高生でした……」


ガクリッ!

そう言い残しアヤカは消えた。


大神(グッ。強かった……ほんの少しでも判断が遅れていたら負けていたやもしれぬ)ズキズキ…


傷ついた体をさすっていると、奇妙な音が聞こえた。

ズズッズズズッ……


大神「……?」


大神が廊下を歩いていくと、今度は廊下を塞ぐような大きな役員机のような物が見える。
そして立派な椅子に座ってラーメンを食べる初老の男に出会った。


ひろむ「やあ、こんばんは。疲れている所すまないけど、私とも少し話をしないかい?」

大神「…………」


― ひろむちゃん far from Kyoto ―


ひろむ「こんな夜更けに女性と会うなんてね。何か悩みがあるんだろう?
     ……なんて言うとナンパに思われてしまうかもしれないけど」ズズッ

モモコ「あー、ひろむちゃんナンパしてるー! 政治家なのにいけないんだー!」


いつの間にか割烹着を着て岡持ちを持った女?が背後にいてひろむにツッコミを入れる。


ひろむ「いや、そういう不届きな気持ちはないから善意だから」

モモコ「かっこいー」

ひろむ「おう、ありがとう。……で、話をしようか」

大神「……話すことなどない」

ひろむ「そうだよなぁ、人質のことが心配だよなぁ。わかるよ。誰だってそうだよな」ズズッ

モモコ「おもしろーい」

ひろむ「面白くないよ! 今大事な話してるからちょっと邪魔せんといて!
     ……で話を戻すけど、馬鹿なことはするもんじゃない。友達も悲しむぞ?」



大神「わかっている……」

ひろむ「いやいや、わかってない」

大神「お主も先程の者のように力づくで退ければいいのか?」ギロッ

ひろむ「わああ! ちょっ、タンマタンマ! 人の話はちゃんと聞きなさいって!
     人を殺したら無条件に出られると思ってんの? とんでもない!」

モモコ「オシオキオシオキ、必殺仕置人♪」

ひろむ「裁判でね、犯人を探すんだよ。それで犯人を当てられたら、犯人は処刑。仮に周りを
     騙し通せても、犯人当てを間違えた他のメンバーはなんと全員処刑! いやぁ、酷い酷い」

モモコ「こわーい」

大神「なっ?! そんなことがっ……?!」


大神は先程ゆみこが言っていた学級裁判という単語を思い出す。


ひろむ「目の前でね、親友が人を殺した犯人だって暴かれて処刑されるのを見せられたら
     たまったもんじゃないよ! それで友達の精神が崩壊でもしたらどうすんの?」

大神「…………」

ひろむ「君の家族だってさ、自分達のせいで君が人を傷付けたなんて知ったらどう思うか。よく考えなって」

大神「やめてくれ……我は……」

ひろむ「そもそも、本当に家族は無事な訳? 黒幕が約束を守る保障あんの?」

大神「……!!」


ひろむ「政治のね、世界だってそうなんだって。テロリストに日本人捕まったら助けてあげたい。
     でも無事に返してもらえるかわからないし、一度そういう前例を作ると何度も同じことが
     起こってしまう。だから我々は心を鬼にする訳で、我々は悪く無いから」

ひろむ「大体こんなことをするような人間がね、ちゃんと約束守んのかな?
     現に今だって裁判っていう一番大事なこと隠してたのに」

モモコ「はい残念、嘘でしたー!」

ひろむ「そうそう、こんな感じ。こういう風に軽いノリで言いそうだよね」ズズッ

大神「…………」

ひろむ「あんた、相手の手の上で踊らされてるだけかもしれないよ?
     後悔先に立たず。それでもやりますか? やりませんか?」

モモコ「今面白いこと言った」

ひろむ「言ってないからね?! 今ものすごくかっこいいとこだったから!」

大神「我は……」


ズズッズズズッ。


ひろむ「うわ、長話したから麺が伸び伸びだよ」

モモコ「ひどーい」

大神「モノクマ!」

モノクマ「は、はーい。呼んだ?」


大神「この男の言っていることは本当か?」

モノクマ「なんのことかなぁ?」ダラダラ

大神「学級裁判とやらだ!」

モノクマ「……黙秘権を行使いたします」

大神「沈黙は事実と受け取る」

大神(なんと言うことだ! 全てこの男の言う通りではないか。殺人を行っても人質が
    戻ってくる保障など何もなく、そのうえいたずらに仲間を傷付けることになるとは……)

大神「こんな大事なことを黙っていたお主のことを信じられん。この話、なかったことにさせてもらう」

モノクマ「え、ええええええ?!」

大神「更に学級裁判とやらのこと、皆に話す」

モノクマ「そんなことをしたらオマエが内通者だってことがバレちゃうぞ!」

大神「構わぬ。元より非難は覚悟の上だ」

モノクマ「あーっ、チクショー!」


そして、どこからともなく「私のお気に入り(My FavoRitE ThiNGs)」が流れる。


ひろむ「そうだ。京都に行こう」

モモコ「って言っても外に出られないんだけどねー」

ひろむ「台無しだよ!」


以上です。ありがとうございました。

ちなみに、1はこれを投下していたらはっぱ隊を見逃しました。
今年もよろしくお願いいたします。

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