ガルパンの短編SSです
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黒森峰女学園
小梅「ふんふふーん」
小梅「私の名前は赤星小梅!元気な高校1年生!ちなみに読み方は『あかほし』じゃなくて『あかぼし』だよ!」
小梅「身長は低め!好物はチャーハン!あと戦車道を頑張ってるよ!」
みほ「おはよう、小梅さん」
小梅「この人は西住みほ!同じ黒森峰の1年生で副隊長をやってるすごい人だよ!」
みほ「誰に向かって喋ってるの?」
小梅「そんなことよりみほさん、話したいことがあるの」
みほ「何?」
小梅「逸見派を粛清しましょう」
みほ「えっ」
小梅「西住まほ隊長の正統な後継者であるみほ派こそ次世代の黒森峰を引っ張っていくのだと証明してやりましょう!」
みほ「みほ派って何!?」
小梅「逸見派の連中、逸見さんを最終的には次期隊長にしようと画策してるらしくて、みほさんの取り巻き筆頭である私としては許せないの」
みほ「取り巻き!?友達だと思ってたのに……」
小梅「も、もちろん大切な友達でもあるよ!」ニコ
みほ「あはは、良かった……」
小梅「とにかく、みほさんが次期隊長に相応しいだから!そのために副隊長に選ばれたわけだし、許せない!」
みほ「別に副隊長が次期隊長って決まってるわけじゃないし、正直私よりも逸見さんの方が黒森峰の校風に合ってる気もしてるんだけど……」
小梅「だめだめー!私達は優しくて頼りになるみほさんに惚れたんだから!逸見さんって感じ悪いし……!」
みほ「そ、そうかな///」
楼レイラ「私は楼レイラ!スピンオフ漫画であるフェイズエリカのキャラだよ!」
レイラ「ガルパン界隈では知名度がいまいちだけどエリカちゃんが大好き!な気持ちは誰にも負けてないよ!」
エリカ「誰に向かって話しかけてるのよ」
レイラ「あ!エリカちゃん!ちょうど話があったんだけど」
レイラ「みほ派を粛清しよう!」
エリカ「は?」
レイラ「絶対エリカちゃんのほうが副隊長に相応しいと思うもん!それにみほ派の連中、みほさんこそが次期隊長で間違いないって顔しててなんかイラッとするし」
レイラ「エリカ派の取り巻き筆頭としては見過ごせないの!」
エリカ「取り巻きって言うな自分で!」
レイラ「エリカちゃんは副隊長やりたくないの?」
エリカ「それは、黒森峰に入った以上は頂点を目指したいと思ってるわ。西住隊長と一緒に戦いたい」
レイラ「だったら!」
エリカ「でも、悔しいけどあの子の実力は本物よ。甘すぎる性格は問題だけど、それでも今の私よりは相応しいわ」
レイラ「……」
エリカ「わかった?」
レイラ「でも、みほ派と決闘の約束しちゃったんだけど」
エリカ「はぁ!?」
みほ「決闘」
小梅「うん。明日の夕方に左舷の公園で!楽しみだね!」
みほ「そんなことして、お姉ちゃん……隊長に知られたら大変だよ」
小梅「大丈夫。西住隊長には立会人として参加してもらう約束だから」
みほ「!?」
まほ「みほ派と逸見派の抗争?1年生は元気で良いな」
まほ「ともにぶつかり合いながら互いに高め合うのは良いことだ」
みほ「お姉ちゃん!?」
次の日
まほ「それでは決闘を開始する!」
エリカ「隊長がすごくノリノリじゃない」
みほ派総勢50名「ワァァァァーーー!!!!」パチパチパチ
逸見派総勢30名「ウオァオオーーー!!」パチパチパチ
レイラ「頑張ろうねエリカちゃん!」
エリカ「仕方ない……やるからには勝つわよ」
みほ「流されるままにここまで来ちゃったけど決闘って何やるの?」
小梅「大丈夫。怪我するようなことはしないから」
まほ「最初の勝負は早食い対決だ!」
まほ「みほチームのみほと赤星、逸見チームの逸見と楼。前へ!」
エリカ「戦車道関係ない!っていうか4人でやるの!?」
レイラ「漫画版のキャラなら他にも名前持ちがいるけど、半数以上になると厳しいという隊長の判断だよ。この先も基本はこの4人で勝負になるよ」
エリカ「あなたはそれでいいの……?」
まほ「関係ないことはないぞ。よく食べる選手はエネルギーに満ち溢れているという西住流の基本精神があるからな」
みほ「食べる物は何ですか?」
まほ「体に合わないものを食べては危険だからな。それぞれの好きな食べ物を用意した」
エリカ「まさか」
まほ「みほの好きなマカロン、逸見の好きなハンバーグ、赤星の好きなチャーハン、そして楼の好きな食べ物はよくわからなかったから私の好きなカレー。
4人にはそれぞれこれを食べてもらう!!」
エリカ「ちょちょ、ちょっと待ってください!ハンバーグやカレーに対してマカロンって食べやすすぎじゃないですか!?不平等でしょう!」
まほ「ほう……」ジワッ
エリカ「!!(隊長の雰囲気が、変わった!?)」
まほ「我が校には屈強なドイツの戦車が揃っている。間違いなく他校より恵まれているだろう」
エリカ「は、はい」
まほ「では、もし試合の際に装備の劣る他校の選手が『こっちの戦車の方が弱い!不平等だ!』などと騒いでいたらどうする?」
エリカ「……!」ハッ
まほ「どうすると聞いている」
エリカ「……そんな奴ら、王者として全力で叩き潰します」
まほ「そう、それが西住流だ。さて……マカロンが、何だったかな?」
エリカ「……なんでもありません。失礼しました」
小梅「す、すごい……」
レイラ「これが西住流……」
まほ「ルールはシンプル。それぞれの食べ物を各10皿、チームで計20皿を先に食べた方の勝ちだ」
まほ「自分の10皿を食べ終わった場合に限り、味方の支援、つまり仲間の食べ物を手伝って食べることが可能だ」
まほ「それさえ守ればあとは自由にやって構わない」
レイラ「あの、マカロンって1皿何個ですか?」
まほ「1個だ」
レイラ「ちくしょー!!」
エリカ「落ち着きなさい。これも戦車道よ」
レイラ「すっかり隊長に感化されちゃってるよ……」
まほ「開始!」
みほ派「ワァアア!」
逸見派「ウォオ!」
みほ・小梅「頂きます!」
エリカ・レイラ「頂きます!」
小梅「ハフッハフッ!」
小梅(チャーハン10皿は中々キツイわ……でもみほさんのマカロンはおまけみたいなものだし速攻食べてもらえば1人あたりチャーハン5皿食べればいける!この勝負もらった!)チラッ
みほ「はむっはむっ」モグモグ
小梅(一個食べるのにすごい必死で時間かかってる!口ちっさ!可愛いけど!!)
みほ派「副隊長可愛いぃいい!!!!」ウキィィィ!!
エリカ「ハグッモグッゴクッ」
エリカ(ハンバーグとはいえライスがついてない単品だから1皿って意外と楽だわ。これなら早めに食べ終わってレイラを支援できる)ハムハム
レイラ「エンッ!!!」バターン
エリカ「いきなり倒れた!?もしかしてカレーがめちゃくちゃ辛いとか?」
まほ「いや、普通の中辛のカレーだ」
レイラ「え、エリカちゃん……私、辛いのが実は大の苦手で……あとお願い」ガクッ
エリカ「何を今更変なオリジナル設定作ってんのよ!くそ、こうなったら私一人で全部食べるしか……!」
小梅「ハフッハフッ」
エリカ(あっちはチャーハンで手こずってるわね……いける!)
エリカ「ガツガツ!」
小梅「ハフッハフッ」
エリカ「9,10……モグモグ……よしっ!完食!」
まほ「逸見組、ハンバーグを完食!残るはカレーだけだ!」
小梅「ううっ、こっちはあと2皿残ってるのに……チャーハンさえ食べ終わればマカロンなんて瞬殺なのに!」
みほ「はむ……」
エリカ「あおうぉおお!」ガツガツゴクゴク
まほ「もはや飲んでるのか食べてるのかわからないスピードでカレーを……やるな逸見」
エリカ(隊長に褒められてるけどもっと違うことで褒めてほしかった!)
レイラ「」
小梅「もぐっもぐっ!!プハァー!!はぁ、やっと食べ終わった……あとはマカロンを……うっぷ」
小梅「予想以上にお腹いっぱい……もうマカロンひとつも入らなそう……」ゲッソリ
みほ「はむっ……」
まほ「おっと、残りはマカロンだけになったみほ組は2人とも動きが止まったな。一方で逸見はカレーがあと1皿に差し掛かったところだが……」
エリカ「はぁ?チャーハン食べて限界になるのはわかるけどマカロン数個で止まるって貧弱すぎるでしょ副隊長!うっぷ……やば、私もそろそろ……」
みほ「はむっ……」ポロポロ
エリカ「……え?あなた、泣いてるの?」
みほ「はむっ……」ポロポロ
エリカ「た、隊長!副隊長の様子が……異常です!いつもは普通の量のご飯食べてるはずなのに好きなマカロンで泣くほどつらくなるわけないです……!」
まほ「そうか?まあ昼にあれだけ食べてればこうなっても不思議じゃない」
小梅「……え?お昼に何を食べたんですか?」
まほ「高校戦車道連盟主催の隊長副隊長親睦会があった。そこで各校の料理が大量に振る舞われてな。私もみほも勧められた料理は全部食べたからかなりお腹いっぱいだった」
エリカ「そ、そんな……」
小梅「わ、私……そんな会があるなんて知らずに決闘を今日にしちゃって……」
まほ「気にする必要はない。どんな条件でも勝負を受けるのは当然だ。みほもわかっている」
エリカ「で、でも!それなら勝負は日を改めてお腹が公平な状態でやったほうが……」
まほ「戦車道の試合当日、自分の戦車の調子が悪かったら日を改めてくれと相手に懇願するのか?」
エリカ「!!!」
まほ「さあ、残りはマカロン5個とカレー1皿だ。双方全力で戦うといい」
エリカ「……ちょっと副隊長」
みほ「はむっ……は、はい?」
エリカ「マカロン1個よこしなさいよ」ガシッ
みほ「えっ」
エリカ「モグモグ……うっ、確かに満腹状態でマカロンはキツイわね……見くびってたわ」モグモグ
小梅「逸見さん……なんで」
エリカ「相手チームの食べ物を食べてはいけないなんてルール、無かったですよね隊長」
まほ「……そうだ」コクリ
エリカ「モグッモグッ」
まほ「そして、立会人が食べてはいけないというルールもない」ガシッ
みほ「お姉ちゃん……!」
まほ「うっぷ、もぐもぐ」
小梅「こうなったら、私も負けてられませんね」ガシッ
みほ「小梅さん……!」
エリカ・まほ・小梅「マカロンモグモグ」
みほ「……みんな……ありがとう」ポロポロ
レイラ「」
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1年と数ヶ月後……
まほ「あの時のマカロンの味、覚えているか?」
エリカ「どうしたんですか、突然」
まほ「なんとなく思い出してしまってな」
小梅「正直、お腹がきつかったことしか覚えてないですね」
エリカ「私も、あの後減量するのに苦労しましたよ」
まほ「ふふ、今となっては良い思い出だ」
小梅「でもまたこういう機会が来るなんて、運命って不思議ですよね」
まほ「だが今回はマカロンよりも強敵だ」
エリカ「強敵だからって、目の前の敵から逃げたりはしません。それが西住流です」
まほ「その通り。では行くぞ。準備は良いか」
エリカ・小梅「はい!」
まほ「待ったーーーーーーーー!!」
おわり
あけましておめでとうございます。読んでくれてありがとうございました
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