櫻子「怪しい…」 (16)
~2月12日 学校~
櫻子「フフフンフーン、フフフーン♪」ルンルン
向日葵「櫻子、あなたずいぶんご機嫌ですわね」
櫻子「だって明後日はバレンタイン!チョコがいっぱいもらえる日じゃん!」
向日葵「はぁ…」
櫻子「なんだよ、ため息なんかついて」
向日葵「あなたは食べることしか考えてないでしょ。私は手作りチョコたくさん作らなきゃいけないから、ちょっと大変ですわ」
櫻子「はいはい私はどーせチロルチョコですよー」
向日葵「全く、櫻子が私の手作りチョコ食べたいなんか言うから…」
櫻子「だって食べたいんだもん!」
向日葵「まあいいですけど…」
櫻子「じゃあ向日葵、今日は生徒会無いし一緒に…」
向日葵「あっ、ごめんなさい櫻子。今日は用事があって一緒には帰れませんのよ」
櫻子「えっ」
向日葵「じゃあ」タッタッ
櫻子「向日葵が…用事?」
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~2月12日昼休み ごらく部~
あかり「うわーん!またビリだー!」シクシク
ちなつ「あかりちゃん、ある意味すごい…」
京子「あかり、ババ抜きの最弱王なれるんじゃね?」
あかり「そんなの嫌だよぉ~」シクシク
結衣「おいこら!」ゲシッ
京子「いてっ」
ちなつ「…あっ!もうすぐ授業はじまっちゃいますよ!」
結衣「…ほんとだ!じゃあ、あかり、ちなつちゃん、また明日…行くぞ、京子」
ちなつ「…明日!?結衣先輩、今日放課後来ないんですか!?」
結衣「うん、今日用事があって、放課後は来れないんだ」
あかり「そうなんだ、わかった」
ちなつ「ゆ、結衣先輩が来ないなんて…」シュン
あかり「ちなつちゃん、また明日会えるんだから、ねっ?」
ちなつ「うん…」ドヨ-ン
あかり「あはは…結衣ちゃん、用事ってなんなの?」
結衣「それはちょっと、言えないんだ」
京子「私にも教えてくれないんだよねー」
あかり「そうなんだ、聞いちゃってごめんね」
結衣「いやいや、こっちの方こそ…ってちなつちゃん!?」
ちなつ「結衣先輩、なんですか私たちにも言えないことって!私なにか悪いことしましたか…それなら」
あかり「ちなつちゃん、授業はじまっちゃうから、さっさといこうね」ガシッ
ちなつ「えっ!?」
あかり「じゃあね結衣ちゃん、また明日!京子ちゃんも後でね!」
ちなつ「結衣せんぱーーーい!!」ズルズル
結衣「あはは…あかりも大変だな…」
京子「結衣、それで、用事って」
結衣「ごめん、それは京子にも言えないんだ」
京子「なんだよ、ケチー」
結衣「私たちも行くぞ」
京子「へーい」
~帰り道~
向日葵「えっーと、確か…」キョロキョロ
櫻子(向日葵が用事…あいつ友達ほとんどいないし、楓のことなら言うだろうし…怪しい!)
向日葵「んっ?」ジロッ
櫻子「やばっ!」サッ
向日葵「さっき櫻子がいたような……気のせいですわね」
櫻子(ふう、危なかったー!よし、このまま向日葵の後をつけて、向日葵の秘密を暴いてやる!)
_________________________
向日葵「あっ、ここですわ!」ピンポ-ン
櫻子(んっ?ここって確か…)
結衣『どちら様ですか?』
向日葵「古谷向日葵です」
結衣『はーい』
・・・
結衣「古谷さん、いらっしゃい」ガチャ
向日葵「お邪魔いたします」
櫻子(やっぱり、船見先輩の家だ)
櫻子「んっ?あっちで聞き覚えのある声が…」
・・・
ちなつ「向日葵ちゃん、もしかして結衣先輩と…」ギリッ
あかり「ちなつちゃん、やっぱりそういうのはやめようよぉ~」
あかり「ねっ、京子ちゃんもそう思うよね?」
京子「結衣…私がいながらなんで…」ギリギリ
あかり「京子ちゃんまで!?」ガ-ン
・・・
櫻子(あかりちゃんたちだ。今日ごらく部はないのかな?)
櫻子(んで、向日葵は船見先輩のとこで何してるんだろ?)
櫻子(気になるけど、さすがに部屋の中には……ってあれ?)
京子「うーむ、部屋の中気になるなぁ…….そんな時は」
京子「盗撮用モニター!」テッテレ-
あかり「盗撮!?」
京子「これは、私が泊まったときに仕掛けた無数の監視カメラによって、結衣の部屋の状況を映し出すことができるモニターなのだ!」
あかり「えぇ…」ヒキッ
ちなつ「ナイスです京子先輩!」
あかり「ちなつちゃん!?」
京子「では早速、スイッチオン!」ポチ
ブオ-ン
京子「おっ、映った映った!結衣とひまっちゃんは台所だ!」
ちなつ「どれどれ…」
あかり「はぁ…」
京子「う~ん、2人は何か作っているようだな…」
あかり「もうすぐバレンタインだし、チョコじゃないかな……」
ちなつ「チョコ!?もしかして、結衣先輩は私に本命チョコを…」
京子「いやいや、結衣の本命は私だから」
ちなつ「えぇ、京子先輩みたいなおバカさんが結衣先輩の本命な訳ないじゃないですかぁ」プッ
京子「そんなこと言ってるけどちなつちゃんみたいな暴走女は、結衣タイプじゃないんだよねぇ。あっ、まだ浅い付き合いのちなつちゃんにはわからないかぁ」
ちなつ「はあ?」
京子「んだとおらぁ」
あかり「ちょっと2人とも!キャラが崩壊してるよぉ~!」
櫻子「ほんとだ!向日葵がモニターに映ってる!」
あかり「あれ、櫻子ちゃん!?なんでそこに?」
櫻子「ああ、私も向日葵のことが気になって…」
あかり「そっかぁ、櫻子ちゃんは向日葵ちゃんのことが大好きだから気になっちゃったんだねぇ」
櫻子「なっ!?ち、ちが…///」
ちなつ「アーーーーーッ!!」
あかり「ええ!?今度はなにぃ…」
ちなつ「向日葵ちゃんが、結衣先輩を押し倒してるぅぅぅぅ!!!」
京子「んだとぉぉぉぉぉぉ!!」
櫻子「マジだ…」
あかり「ぐ、偶然だよぉ、偶然!たまたまそうなっちゃっただけだよぉ」アセアセ
ちなつ「古谷ひまわりゃああああ!!」フシャ-
京子「アイツ、ゼッタイユルサナイ」
あかり「ねぇ、落ち着こう!きっと誤解だよ!」
櫻子「ひまわりぃ」グスッ
あかり「櫻子ちゃんまでぇ…」ハァ
京子「よし、こうなったら最終手段!!」シャキ-ン
京子「あーいーかーぎー」テッテレ-
ちなつ「とーんーかーちー」テッテレ-
京子「おっしゃ特攻じゃああああ」
京ちな「うおおおおおおおおお」ドタドタ
あかり「ちょ、ちょっとぉ、シャレになんないって!」
櫻子「ひまわりぃ」グスッ
数分後
ちなつ「うぅ、むぐっ」ジタバタ
京子「うぐー!」ジタバタ
あかり「んもぅ!2人はそこで反省してて!」
結衣「あはは…まさかあんなことになるとは…」
あかり「2人とも手強くて、拘束するのに手間がかかっちゃったよぉ」
向日葵(赤座さん、意外と力ありますのね…)ゴクッ
あかり「それで、2人は実際何を…」
向日葵「船見先輩が、私にチョコをつくりかたを教えて欲しいと……」
あかり「へぇ、だけど結衣ちゃんだったら教えてもらわなくてもチョコ作れるんじゃ…」
結衣「あかり、今年私が作りたいのは本命チョコなんだ」
あかり「本命!?」
京ちな「」ビクッ
結衣「そうなんだ、そこで、おかし作りが得意な古谷さんに教わろうかなって」
向日葵「私も必死に言われたので、快く引き受けましたわ」
あかり「なるほど、そういうことだったんだぁ」
あかり「じゃあ、押し倒したとかいうのは…?」
向日葵「あれは私がバランスを崩して転んでしまい、そういう体勢になっただけですわ…すみませんでした、船見先輩…」
結衣「いいよ、わざとじゃないんだし」
あかり「なるほどね」
櫻子「……じゃあ、向日葵は船見先輩と付き合ってるわけじゃないの?」
向日葵「そ、そんな訳ありませんわ!確かに船見さんは素敵な方ですけど、あくまで先輩と後輩の関係ですわ」
櫻子「よ、よかった…」ジワッ
櫻子「ひまわりぃ!」ダキッ
向日葵「ちょっ!なんですのいきなり!」
櫻子「えへへ」スリスリ
向日葵「うっとうしいですわ!離れなさい!!///」
あかり「とか言いながら、顔にやけてるよぉ~」
結衣「2人とも、本当に仲良しだね」
向日葵「なっ、違いますわ!///」
櫻子「えへへ」スリスリ
あかり「……それで、本命チョコって誰にあげるの?」
結衣「そ、それは…///」
京ちな「」ジタバタ
あかり「ちょっと2人とも、うるさいよ!」ゲシッ
京ちな「」シ-ン
あかり「教えてよぉ~お願い!」
結衣「だ、だけど…///」
ピンポ-ン
結衣「あっ、誰だろう」トテトテ
綾乃『あ、あの…』
結衣「あ、綾乃!?///」
綾乃『待ちきれなくて、来ちゃった///』
結衣「ちょっと待ってて、今開けるから」
・・・
結衣「い、いらっしゃい」ガチャ
綾乃「あ、あの…///」
結衣「ご、ごめん、チョコはちょっと待ってて」
綾乃「チョコをちょっと……プフッ」ククク
結衣「あ、綾乃……そういう意味で言ったんじゃ……プフッ」ククク
綾乃「………ふぅ、そうなの……あ、あの、ごめんなさい…私せっかちで」
結衣「いいんだよ綾乃」
綾乃「船見さん…」
結衣「綾乃が私のチョコをそんなに首を長くして待ってるなんて……私は嬉しいよ」
綾乃「船見さん…」キュン
結衣「綾乃…」キュン
あかり「えへへ、ラブラブだねぇ」ニコニコ
京ちな「」ピクピク
あかり「京子ちゃんも、ちなつちゃんも、すっかり干上がっちゃったねぇ」
あかり「めでたしめでたし」
京ちな(めでたくねーよ!!!)
おわりだよぉ
これで終わりです。
ありがとうございました。
ハッピーバレンタイン!
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