櫻子「あかりちゃんは私の物だ!」 (73)
-大室家-
ピンポーン
花子『はーい』
ガチャ
花子「あっ、お姉さんだし」
あかり「こんにちは、花子ちゃん」
花子「こんにちはだし」
あかり「今って櫻子ちゃん居るかな?」
花子「櫻子は自分の部屋で寝てるし」
あかり「そ、そうなんだ…」
花子「もしかして遊ぶ約束とかしてた?」
あかり「うん…一緒に夏休みの宿題をする予定だったんだけど…」
花子「じゃあ、上がってていいし」
あかり「ほんとっ? えへへ、お邪魔しまーす」
―
-リビング-
花子「ちょっと櫻子起こしてくるし」
あかり「ううん、起こしちゃ悪いから、大丈夫だよぉ」
花子「わかったし」
あかり(…先に少しだけ宿題やっておこっと)ペラッ
あかり(……)
あかり(早速わからないよぉ…)
あかり(仕方ないから、このページは飛ばして…)
花子「……」
あかり(うぅ…でも花子ちゃんが見てるし…)
あかり(…よしっ、ここは今度こそお姉さんらしいところを見せなきゃ!)
あかり(……)
あかり(うーん…)
花子(さっきから全然進んでないし)
花子「分かる問題からやればいいし」
あかり「あっ…そう、だよねぇ」
花子「…なんかお姉さん、様子が変だし」
あかり「そう…かな?」
花子「うん」
あかり「……」
あかり「あかりね、花子ちゃんにいいところ見せようって思って…」
あかり「でも、この前だって失敗しちゃって…なんだか情けないなぁ…」
花子「…そんな事ないし」
花子「花子から見れば、お姉さんはすごく頑張ってるし」ナデシナデシ
あかり「えへへ…ありがとう、花子ちゃん!」
花子(……)
花子(…年上だけど、なんかかわいいし)
あかり(…って、これじゃあ前とあんまり変わってないよぉ…)
撫子「あれ? あかりちゃん来てたんだ」
あかり「あっ、撫子さん、こんにちは!」
撫子「こんにちは」
撫子「夏休みの宿題やってるの?」
あかり「はいっ」
撫子「櫻子はいないの?」
花子「櫻子は寝てるし」
撫子「何で寝てるんだよ…あかりちゃん来てるのに」
撫子「…ちょっと起こしてくるね」
あかり「だ、大丈夫です!」
撫子「そう?」
あかり「せっかくお昼寝してるのに、起こしちゃったら悪いので…」
撫子「そっか」
撫子(いい子だ…)
あかり「あ、そうだ!」ゴソゴソ
あかり「…クッキー焼いて来たので、良かったら食べてください!」
花子「わっ、すごい! これお姉さんが作ったの?」
あかり「そうだよぉ」
撫子「へぇー…上手だね、一つ貰っていい?」
あかり「はい、どうぞ」
花子「花子も食べたいし!」
あかり「いいよぉ、はいっ」
撫子「……」モグモグ
花子「……」モグシモグシ
撫子「うん、おいしい」
花子「おいしいし!」
あかり「やったぁ! えへへっ」
撫子(かわいい…!)
花子(いいお姉さんだし)
櫻子「ん…あかりちゃん、もう来てたんだ」
花子「げっ、櫻子だし」
撫子「もう起きたの?」
櫻子「なんだよその言い方ー」
あかり「櫻子ちゃん、おはよぉー」
櫻子「おはよー…って、あー! クッキー食べてる!」
あかり「あかりが作って来たんだよぉ」
花子「櫻子の分は無いし」
櫻子「嘘つけー! まだあるじゃん!」
あかり「ま、まだいっぱいあるから…」
櫻子「あと残り全部私の!」
花子「櫻子やめろし! 全部花子のお姉さんのだし!」
撫子「いや、全部私とあかりちゃんの物だ」
あかり「あわわ…」
あかり「…み、みんなで仲良く食べよぉ?」
撫子「あかりちゃん…」
花子「お姉さんが、そう言うなら…」
あかり「はい、櫻子ちゃんも」
櫻子「…!」
櫻子「あかりちゃん、ありがとっ!」ギュッ
あかり「わっ、櫻子ちゃん!?」
花子「櫻子ずるいし! じゃあ花子も!」ギュッ
撫子(流石に私は抱き付く訳にはいかないからな…)
撫子「……」ナデナデ
あかり「えへへ…」
―
あかり「じゃあ、あかりはそろそろ帰るねぇ~」
櫻子「うん、ばいばーい」
撫子「またね、あかりちゃん」
花子「ばいばいだし」
ガチャ
バタン
櫻子「……」
撫子「……」
花子「……櫻子、クッキー食べた数…花子より2枚多かったし」
櫻子「は、早く食べない方が悪いんだろ!」
櫻子「それに、ねーちゃんの方が私より1枚多かったじゃん!」
撫子「う…」
撫子「だって、私は飲み物入れたから…」
櫻子「関係ねーよ!」
撫子「ぐっ…」
花子「結局、お姉さんが一番食べたの少なかったし!」
花子「はぁー…やっぱり、お姉さんの事を一番よく分かってるのは花子だし」
櫻子「は? 私が一番よく知ってるけど?」
花子「花子の方がよく知ってるし!」
櫻子「じゃあ学校であかりちゃんの日課は? あかりちゃんの得意科目は?」
花子「うぐっ…」
櫻子「ほら見ろー! 私の勝ちだな!」ドヤァ
花子「ぐぬぬ…」
撫子(どれだけ知っているか、だと私が不利だ…)
撫子「…で、でもあかりちゃんが一番好意を持ってくれてたのは私だけどね」
花子「いや、花子だったし!」
櫻子「絶対私だよ! いつも仲良しだもん!」
撫子「逆にうんざりされてるかもよ?」
櫻子「そ、そんな事ねーよ!」
花子「もうお姉さんに聞いてみればいいし!」
櫻子「……」
櫻子「…明日も、あかりちゃんが家に来る」
撫子「……」ピクッ
花子「! じゃあ…」
櫻子「その時に直接聞いてみよう」
撫子「…ふっ」
花子「絶対負けないし!」
―
-翌日、大室家-
櫻子「……」
撫子「……」
花子「……」
櫻子(もうすぐ一時…そろそろ…)
ピンポーン
あかり『こんにちはー』
撫子(来たっ!)
花子「花子が行くし!」タッ
櫻子「私が行く!」ガシッ
花子「離せし!」
撫子「お先!」タッ
花子「行かせないし!」ガシッ
櫻子「行かせるか!」ガシッ
撫子「掴んだら服が伸びるでしょうが!」ググッ
あかり『櫻子ちゃーん?』
櫻子「あかりちゃんが呼んでるって!」
撫子「あんたが離せばいいの!」
花子「…今だし!」タッ
撫子「あっ!」
櫻子「待てっ!」タッ
―
あかり(いないのかな…)
ガチャ
あかり「あ、こんに…」
花子「お姉さん、こんにちはだし!」
櫻子「さっ、上がって上がって!」
撫子「いらっしゃい、あかりちゃん」
あかり「……」ポカーン
あかり「え、えっと…お邪魔します…」
―
-リビング-
櫻子「あかりちゃん、遊ぼう!」
あかり「でも…しゅくだ」
花子「お姉さんは花子と遊ぶんだし!」
あかり「うぅ…」
撫子「あかりちゃん、天気もいいし、二人でどこか出かけようか」
あかり「あの…」
櫻子「あかりちゃんは誰と遊びたい!?」
あかり「えっと…」
花子「花子と一緒に遊ぼう、あかりお姉ちゃん!」
あかり(あかりお姉ちゃん…!)
あかり「…えへへー」
櫻子「いや、あかりちゃんは私の物だから!」
あかり「物!?」
花子「物って…櫻子最低だし」
櫻子「あー、じゃなくて…そう! 友達!」
撫子「ただの友達ねぇ…」
撫子「…私はあかりちゃんと、友達よりずっと上の関係だから」
あかり「な、撫子さん!?」
櫻子「嘘つけー!」
撫子「…仕方ない…」
撫子「……」ギュッ
あかり「わっ…」
撫子「ほら」
花子「それぐらい花子もしたし!」
櫻子「私だってしましたー!」
撫子「……」
撫子(…ほっぺたぐらいなら…いいよね?)
あかり「撫子さん…?」
撫子「あかりちゃん、ちょっとごめんね」
チュッ
あかり「ふぇっ!?」
花子「!!」
櫻子「なっ!」
撫子「…こういう関係だから」
櫻子「う、嘘だー…」
花子「……」
撫子「どうした? 急に威勢が無くなったけど」
花子「…花子だって…」
花子「…花子だってチューぐらいできるし!」バッ
あかり「花子ちゃん!?」
櫻子「わ、私だって!」バッ
あかり「櫻子ちゃんまで!?」
撫子「お、おいっ」
バタッ
あかり「いてて…」
花子「…あかりお姉ちゃん」
櫻子「…あかりちゃん」
あかり「! お、落ち着いて二人とも!」
櫻子・花子「ちゅー…」
撫子「させるかっ!」ガシッ
花子「撫子お姉ちゃん、離すし!」
櫻子「私はあかりちゃんにキスするんだーっ!」グググ
櫻子「…おりゃあ!」バッ
撫子「しまっ…」
櫻子「あかりちゃ…うわっ!」
あかり「わーっ!」
チュー
あかり「……!」
櫻子「……!」
花子「…え?」
撫子「くち…びる…」
向日葵「櫻子ー? 玄関の鍵あけっぱな…」
撫子・花子「あっ」
向日葵「」
終わり
ありがとでした
やったねあかりちゃん今度は主役だよ
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