エリカ「戦車道のない世界」 (54)

エリカ「あ、隊長! おはようございます!」

まほ「……」

エリカ「隊長?」

まほ「え? ああ……エリカかどうしたんだ? 変な呼び方をして」

エリカ「へ、変? いつも通りだと思うのですが?」

エリカ(確かに隊長がドイツに留学することが決定して今の隊長は実質私だけど……昨日まで隊長って呼んでたしそんな怪訝な表情されるような覚えはないんだけど)

まほ「……エリカは昨日までは私のことを部長と呼んでいたからな急に隊長と言われて驚いたんだ」

エリカ「え? 部長って……戦車道は部活じゃないですし」

まほ「エリカこそ何を言っている? せんしゃどう? なんだそれは」

エリカ「……え?」

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エリカ「戦車道ですよ! 何を言ってるんですか西住流を教えてくださったのは隊長じゃないですか!」

まほ「西住流は知っている。 放てば必中 静かに狙いを定め 進む姿は乱れ無し 鉄の掟 鋼の心それが西住流だ。そういえばお前もそんな西住流に憧れて弓道部を始めたんだったな」

エリカ「なんか私の知ってる西住流と若干違うような……って今弓道部って言いませんでしたか?!」

まほ「ああ……私たちが所属しているのは弓道部だがそれがどうかしたのか?」

エリカ「え? あの……その……戦車道は?」

まほ「戦車のことなら知っているが戦車道は知らないな。何かのゲームか何かか?」

エリカ(どうなってるの? 隊長が戦車道を知らないって……隊長が冗談を言うとは思えないし)

エリカ「戦車道ですよ? 大会にだって出たじゃないですか!? 大学選抜とも戦って……それを忘れたって!」グイグイ

まほ「落ち着けエリカ!」

エリカ「あ、すみません……つい」

まほ「いや……こちらこそすまない。お前がそんなに苦しんでいるとは思わなかった」

エリカ「……え?」

まほ「私も経験者だ。部長になって色々と責任を感じることもあるだろう。だが今から気負いすぎるようでは大事な試合の時に勝てなくなってしまうぞ」

エリカ「え……何を言ってるんですか? おかしいのは隊長の方ですよ! 私はおかしくなんかない!」タタタッ

まほ「……エリカ」

名前は変わりましたが1です。

エリカ(隊長……なんであんなことを……と、とにかく戦車道があるかないかなんて他のみんなに確認すればすぐにわかる話よ)

エリカ(ん? あれは?)

エリカ「あ、アンタなんでこんなところにいんのよ!?」

みほ「え? あ、エリカさん? えっと私は授業を受けに」

エリカ「そんなのは分かってるわよ。そうじゃなくてなんで黒森峰でないアンタがここにいるわけ?」

みほ「えっと……? その私のクラス……ここだから」

エリカ「な、何をいって大洗はどうしたのよ?」

みほ「大洗?」

エリカ「大洗女子学園よ!」

みほ「ご、ごめんなさい……エリカさんが何を言っているのかちょっと分からなくて」

エリカ「っ! もういいわ……それより貴方戦車道って知ってるわよね?」

みほ「戦車道? 戦車じゃなくて?」

エリカ「……ど、どうなってるの?」

みほ「あ、あの……ごめんなさい!」

エリカ「ごめんなさいってなにがよ?」

みほ「私……弓道部辞めちゃって部長の責任全部エリカさんに押し付けちゃって……怒ってるよね」

エリカ「だから私は弓道じゃなくて戦車道の話を」

小梅「あ、エリカさんとみほさん? 二人ともどうかしたんですか?」

エリカ「小梅! ちょうど良かった!」

小梅「なるほど……みほさんは知ってますか?」

みほ「ううん……そんな競技聞いたことない」

小梅「ですよねー」

エリカ「う、嘘よ!」

みほ「お、お姉ちゃんなら何か知ってるかも」

エリカ「隊長には聞いたわ」

小梅「それでどうだったんですか」

エリカ「そんなのないって」

小梅「あの……私冷静に考えてみたんだけど。戦車を競技にするって危ないと思うんです。特殊カーボンがあったとしても戦車が転んだりするんですよね」

エリカ「そ、それはそうだけど」

小梅「なのにそれが主流ってちょっと現実的にあり得ないかもです」

エリカ(今まで考えて無かったけど確かにそれは不思議よね。市街地なんかも店とか崩れてるんだし)

エリカ「でも特殊カーボンが……それに国の保証金が……」

小梅「わ、わかりましたから落ち着いて下さい」


みほ「ううっ……エリカさんが壊れちゃった」

エリカ「だから私は正気だってば!」

エリカ「そういえば小梅。アンタは水難事故にあった時、みほに助けてもらったじゃない」

小梅「あ……私、水難事故に合うんだ」

エリカ「そう! それでみほが助けてでも家元に怒られて大洗に引っ越すの」

みほ「ええ!? 私引っ越すの!?」

小梅「何というかとんでもない物語ですね。でも良かったじゃないですか私は事故に合わないしみほさんも引っ越ししないですし」

エリカ「でもあそこではみんな自分の目標に向かって生き生きとしていたのよ

ID? 変えましたが1です

みほ「それは今も変わらないと思うけどな。私はともかくエリカさんは弓道部の部長として頑張ってるし」

エリカ「……あの世界ではアンタも頑張ってたのよ」

みほ「え?」

エリカ「な、なんでもないわ。ところで小梅も私と同じ弓道部なの?」

小梅「私は帰宅部ですよ。黒森峰って偏差値高いから勉強しないと置いていかれちゃいますし……」

みほ「最近は二人で居ることが多いんだよね」

エリカ「そ、そうなの……てっきり小梅も弓道部だと思ってたわ」

小梅「弓道部なんて出来ませんよ。エリカさんは凄く上手ですけど」

みほ「私なんて弓を引くだけでも苦労しちゃったから……」

エリカ「……やっぱり納得行かないわ。そりゃ弓道も武芸としては素晴らしいと思うけど私には戦車道があったはずなのよ」

小梅「エリカさん……」

エリカ「そ、そうだ。プラウダでもサンダースでも何だっていいわ! 彼女たちなら戦車道を知ってるはずよ!」

みほ「プラウダ? サンダース? えっと……」

エリカ「戦車道の対戦校よ! 貴方は隊長として戦ったじゃない!」


みほ「え? 私転校したんじゃ」

エリカ「ややこしい! 転校先でも隊長やってたのよ大洗でね!」

みほ「あ、だから大洗女学園って言ってたんだ」

エリカ「とにかくサンダースやプラウダなら知ってるはずだから!」ガシガシ

小梅「エ、エリカさん落ち着いて! 今調べますから」ポチポチ

みほ「二つとも聞いたことない学校だけどあるのかな?」

小梅「あ、ありました! プラウダは無かったけどサンダースは結構有名な学校みたいです。なんでも野球部が活発な学校なんだとか」

エリカ「野球部? 戦車道じゃないのね? それよりプラウダがないってどういうこと?」

小梅「だ、だって本当に検索しても出ないんですって」

エリカ「アンタのスマホ壊れてるんじゃない? 私が調べるわよ!」ポチポチ

エリカ「……本当にない」

小梅「と、とにかくサンダースがあったんですからもしかしたらここでなら知ってる人がいるかもですね」

エリカ「そ、そうよ。それに戦車道で有名な学校は他にもあるのよ! 聖グロリアーナだってそうだしアンツィオ学園だって」

小梅「その二つはあります!」

エリカ「でかしたわよ小梅! ほらごらんなさいやっぱり戦車道はあるのよ!」

小梅「で、でもその二つの学校のホームページを見ても戦車道なんて一つも……」

エリカ「戦車道は部活じゃなくて履修科目なの。だから部活の方を見ても意味が」

小梅「い、いえ……そうではなくてホームページのどこにも無いんです」

エリカ「……そ、そんなはず」

みほ「わ、私のスマホでも調べてみたけど戦車道って検索かけても自衛隊のページとかでそういう科目があるなんて出なかったよ?」

エリカ「……う、ううっ」

みほ「で、でももしかしたら当たり前なことだからわざわざホームページに載せていなかったのかも」

エリカ「そ、そうよ……きっとそうに違いないわ!」

小梅(当たり前なことなら検索しても出るはずなんだけどなぁ……やっぱりエリカさん……弓道部の部長だからストレスでも溜まっているのかな?)

エリカ「そうと決まれば確認しに行くわよ!」

みほ「え、えっと行くってどこに?」

エリカ「決まってるわよ。戦車道のある学校によ! そこに行けば私が嘘を付いてないって証明になるもの」

小梅「エリカさん……これから授業も始まりますし今から行っても向こうの学校に迷惑が掛かりますよ」

エリカ「そ、それもそうね……それじゃ授業が終わった後……ヘリを使って行きましょうか」

みほ「へ、ヘリ!?」

小梅「ヘリなんて持ってるんですか!?」

エリカ「持ってるって言うか学園が保有してるじゃない」

みほ「してないよ」

小梅「してないです」

エリカ「……え?」

エリカ「ここは学園艦じゃないぃ!?」

小梅「普通に陸です。群馬です」

みほ「エリカさんの学園のイメージってなんだか個性的だね」

エリカ「趣味の悪いぬいぐるみを大事にしてるアンタよりマシでしょう!?」

みほ「趣味の悪い?」

エリカ「ほら……殴られグマのペコだっけ?」

みほ「ボコられグマのボコだよ! うーん。趣味悪いかなぁ……かっこいいと思うんだけどなぁ」

小梅「ボコられグマのボコってあの傷だらけの……」

みほ「うん! かわいいよね!」

小梅「かわいいというよりは可愛そうというか……あれボコって言う名前だったんですね」

みほ「でもエリカさんに話した記憶はないんだけどなぁ……お姉ちゃんにもボコの話はしない方がいいって釘刺されちゃったし」

エリカ「とりあえずそんなクマの話なんてどうだっていいわ……とにかく今黒森峰は陸にあるってわけね!?」

みほ「どうでもいい……」

小梅「今と言うかずっと陸ですけど」

エリカ「だとしたら困ったわね。聖グロもアンツィオも海の上でしょうし」

小梅「いや……他の学校も陸にあると思います」

エリカ「そうなの……はぁ。分かったわ。じゃあ今度の休日にでも行くことにするわ」

小梅「でも休日は弓道部の活動があるんじゃ……」

エリカ「今はそれどころじゃないの! とりあえず戦車道があるか確認しないと」

みほ「……」

熊本であってます。すみません

みほ「お姉ちゃん……いる?」

まほ「みほから……私の寮に来るなんて珍しいな。ああ……待っていろお茶を用意してくる。それまでマカロンでも食べて寛いでくれ」

みほ「わ、わざわざありがとうお姉ちゃん」

まほ「弓道部ではお前に何もしてやれなかったからな……これぐらい大したことじゃないさ」

まほ「それで大方予想は付くが何のようだ?」

みほ「あのね……エリカさんのことなんだけど」

まほ「……やっぱりか」

みほ「お姉ちゃんも聞いてたんだね」

まほ「戦車道とか言っていたな……何の話なのかはさっぱり分からないが随分と真剣そうだった」

みほ「やっぱりエリカさんはストレスで……」

まほ「少し……負担を掛けすぎてしまったのかも知れないな」

まほ「我々黒森峰は弓道界において十連覇という偉業を成し遂げたがそれで終わりではない」

まほ「十連覇が終われば十一連覇を目指し頑張り続けなければならずそのプレッシャーは日々大きくなることだろう」

まほ「私はエリカならば十一連覇を成し遂げてくれると期待しているが……少し自分を追い詰め過ぎているのかも知れないな」

みほ「お姉ちゃん……でも私、エリカさんを助けてあげたい」

まほ「ああ……私も出来るだけ協力しよう。エリカがああなったのも半分は私のせいでもあるしな」

みほ「今度の休日にエリカさんサンダースに行くんだって」

まほ「サンダースといえば野球で有名な学校だな。だがどうして?」

みほ「えっと……戦車道があるか確認するために……」

まほ「……そうか。彼女にとって戦車道というのは大切なものなんだな。だがそれはエリカの」

みほ「だとしても心配だから……エリカさんが納得するまで私も付き合いたいの」

まほ「そうだな。それがみほの良いところだ。分かった弓道部のほうは私がなんとかしようどのみちスポーツ推薦だ何も困ることはない」

みほ「ありがとう!」

エリカ(結局夢ってわけでも無かったのね。こうして朝日が来てるのも何度も見てるし)

エリカ(私……何をしてるんだろう。例え他の学園に戦車道があったて黒森峰に無いことは変わりないのに)

みほ「あ、エリカさん!」

エリカ「げ……なんでアンタがここにいるのよ。今日も授業でしょ? だったら大人しく教室で遊んでれば良いじゃない」

みほ「そ、それはそうなんだけど……エリカさんに言いたいことがあって」

エリカ「言いたいこと?」

みほ「あの……私もエリカさんと休日同行してもいいかな?」

エリカ「はぁ!? なんでアンタが私と一緒に出掛けなきゃいけないわけ?」

みほ「うぅ……それはそうだけど私……エリカさんのことが心配で」

エリカ「心配ってなにがよ! やっぱり貴方も私のこと頭がおかしいって思ってるってわけ?」

みほ「そ、そうじゃなくて……」アタフタ

小梅「ちょ、ちょっとエリカさん!? みほさんに強く当たっちゃダメですよ!?」

エリカ「小梅……なんでアンタまで!?」

小梅「そのエリカさんのいう戦車道ってどんなものか気になっちゃって……みほさんも戦車道に興味があったから付いていきたくなったんですよね」

みほ「え……あ、私は」

小梅(いいから話し合わせて)

みほ「え、えっとその……う、うん」

エリカ「そういうことなら一緒に付いてきても構わないわよ。それに戦車道があっても私一人だけだと隊長に信じて貰えなさそうだし」

小梅「じゃあ今度の休日に私たちから寮に向かいますね!」

サンダース

みほ「ここがサンダースなんだ。凄く広いんだね」

小梅「サンダースは野球部だけではなく他にも多くの部活動に取り組んでるみたいですから……グラウンドだけでも凄い広さになってますね」

みほ「……でも戦車は見当たらないね」

エリカ「き、きっと車庫にあるんでしょ! 取り敢えず誰か適当に……そこの貴方ちょっと良いかしら」

アリサ「え? アンタ誰よ? もしかして見学の人?」

エリカ「そうよ。オープンキャンパスでしょそれで戦車道を履修したいと思ってるのだけど」

小梅(確かに今はオープンキャンパスの時期だけどエリカさんよくそんなペラペラと嘘を)

アリサ「戦車道? なによそれアンタたちからかいにでも来たわけ?」

エリカ「そっちこそ……サンダースは戦車道で有名な学校じゃない!」

アリサ「知らないわよそんなもの! サンダースで有名なのは野球部よ!」

みほ「ど、どうしよう。エリカさんが喧嘩してる」オロオロ

小梅「う、うん……何とかして止めないとでも何て言えば」オロオロ

ケイ「ヘイ! アリサ! 何だか騒がしいみたいだけどどうかしたの」

アリサ「マ、マム! 騒がしくして申し訳ありません。ですがコイツらが変なことをいってきて」

ケイ「変なこと? とりあえず初めから否定するのはいけないことよアリサ。それで貴方たちは誰?」

エリカ(サンダースの隊長! 後は彼女に聞けば分かる)

エリカ「あ、あの……貴方は確かサンダースの隊長の」

ケイ「隊長? 貴方って面白い言い方をするのね。確かに私は女子野球部の部長だけど」

エリカ「じょ、女子野球部!? 戦車道はしてないっていうの?」

ケイ「戦車道? んー何のことを言っているのか全然分からないけど……でも不思議と懐かしい響きを感じるわ」

アリサ「私は別に感じませんけどね」

ケイ「そお? 私は不思議と懐かしい気もしたんだけど……あれ?」

みほ「え、えっと……どうかしたんですか」 

ケイ「不思議ね。何だか貴方とは初対面の気がしないわ」

エリカ「当たり前じゃない二人は全国対戦の一回戦で戦った相手なんだから」

ケイ「野球の?」

エリカ「戦車道よ!」

アリサ「マムもこんな奴ら放っておきましょうよ。これ以上妄想話に付き合う必要無いですって!」

ケイ「もう! そんな失礼なこと言ってはダメよ。でもごめんなさいこの学園に貴方の知っている戦車道はないわ」

エリカ「そう……みたいね」

エリカ(そういえばこのアリサって娘も戦車道で所属していたわね。彼女が知らないってことはここにも戦車道は存在しない)

エリカ「迷惑をかけたみたいで悪かったわね」

ケイ「ノーノー別に気にしてないわ。あ、良かったら連絡先交換しない? 貴方の話す戦車道もっと詳しく知りたくなったの!」

エリカ「え、ええ……」ピッピッ

ケイ「他の二人も交換しましょ」

小梅「は、はい」

みほ「あ、あのマムさん……さっき私と出会ったって」

エリカ「マムは只の呼称よ!」

ケイ「詳しいのね。その通り私のことはケイって呼んでくれるかしら。どうしてかは分からないけど貴方とはもっと仲良しになれるって気がするの!」

みほ「は、はい。ありがとうございます!」

小梅「結局……サンダースに戦車道はありませんでした」

エリカ「……そうね。でも彼女は戦車道を懐かしいと言ってくれたわ。それだけで十分よ」

小梅「新しいお友達も出来ちゃいましたし!」

みほ「そうだね。ケイさんと仲良くなれるかなぁ」

エリカ「さあね。ま、なれるんじゃないの何故かアンタに好感持ってたみたいだし」

小梅「とりあえず次はどの高校に行きますか?」

エリカ「次はそうね……」

アンツィオ学園

みほ「う、うわぁ……凄い賑やか」

エリカ「今はオープンキャンパスの季節だから盛り上げて良いところ見せたいんじゃないの?」

小梅「アンツィオはノリと勢いを大切にしている料理学校みたいですね。この時期になると毎日が文化祭みたいに賑やかになるそうです」

エリカ「そういうところは変わってないのね。料理学校ってのが気になるところだけど……とりあえずお腹も空いてきたしここで何か食べましょうか」ソワソワ

小梅「一応言っておきますけどハンバーグはありませんよ」

エリカ「ま、まだ何も言ってないじゃないの!」

アンチョビ「お、お前たちもアンツィオの料理を食べに来たのか!」

カルパッチョ「今はオープンキャンパス中ですからこの料理を食べて興味を持ったら是非入学して来てくださいね~」

アンチョビ「別に私たちはオープンキャンパス中じゃなくても大歓迎だ。というかお腹が空いたらいつだって来てくれ!」

エリカ「私は鉄板ナポリタンにしようかしら、貴方たちはどうするの」

みほ「私もエリカさんと同じのでいいかな? 名物って書いてあるし」

小梅「じゃあ鉄板ナポリタン三つでお願いします!」

アンチョビ「ペパロニ! 鉄板ナポリタン三つ」

ペパロニ「姉さん了解っす!」

エリカ(さて料理も頼んだところだし戦車道について尋ねるなら今しかないわね)

エリカ「ところでこのアンツィオには戦車道という履修科目はあるの?」

アンチョビ「戦車道? 戦車なら知っているがカルパッチョは何か知ってるか?」

カルパッチョ「聞いたことないですね。すみませんウチは料理学校なので戦車道という科目はないようです」

アンチョビ「だよなー」

エリカ「ま、アンツィオ自体しょぼい戦車しかなかったしあまり期待はしてなかったけどね」

小梅「アンツィオ学園の隊長はこの金髪の人なんですか?」

エリカ「そっちじゃなくてその横のウィッグの人よ」

ンチョビ「地〝毛〝だ〝ー」

カルパッチョ「ドゥーチェはその戦車道っていうのをやったことあるんですか」

アンチョビ「いや、やったことはないはずなんだがなぁ……なーんか懐かしいようなそうじゃないような」

小梅「あの……ドゥーチェって統帥って意味ですから本名じゃないんですよね」

アンチョビ「本名は秘密だがアンチョビと呼んでくれ」

小梅「その……なんでアンチョビさんはドゥーチェって呼ばれてるんですか」

カルパッチョ「そりゃドゥーチェはドゥーチェですから」

小梅「でもドゥーチェと料理ってあんまり関係ないような……」

アンチョビ「確かに言われてみればそうだよなー。ただここの校風では料理の一番上手い奴にドゥーチェという称号が与えられるようになってるんだ」

カルパッチョ「要するに料理の総帥ってことですね」

エリカ「料理の総帥ね……本当に貴方たち戦車道のこと覚えてないの?」

カルパッチョ「うーん。ごめんなさい私たちではちょっと」

アンチョビ「そもそも戦車の授業って何をするんだ? 人に当たったら危ないじゃないか」

エリカ「っ! 特殊カーボンがあるから大丈夫よ!」

アンチョビ「特殊カーボン? 何だかよく分からないが不思議な世界なんだな」

アンチョビ「まあとにかくウチにはそんなものはない。あるのは料理だけだ! というわけでじゃんじゃん食べてくれ。ついでに連絡先も交換しよう」

エリカ「連絡先?」

アンチョビ「もしかしたら戦車道について何か思い出すかも知れないし次リクエストがあったらその料理を作ることだって出来るだろ」

エリカ「ハンバーグは作れるの?」

アンチョビ「イタリアンハンバーグなら作れるな」

エリカ「交換しましょ」ガシッ

アンチョビ「そうそう。そっちの茶髪の娘二人も交換だ。特にこっちは不思議と初対面な気がしないんだよなー」

みほ「わ、私ですか?」

アンチョビ「とにかくこれも何かの縁って奴だな!」

小梅「結局ここもダメでしたね」

エリカ「アンツィオ式のハンバーグを食べられるようになったのは進展だったけど戦車道については全然ね」

小梅「残っているのは聖グロリアーナだけですね」

エリカ「そうね……他にも継続高校や知波単もあるけど聖グロがそうなら他もきっと同じなのよね」

エリカ「ねえ? 貴方たちは戦車道が私の妄想だと思う? 正直に答えて欲しいの」

小梅「私は……正直分からないです。最初は本当にエリカさんがストレスでおかしくなったんだと思ってました。でも……私も不思議と他の学校を懐かしいと感じたんです。だからもしかしたらって思ってしまうんです」

みほ「私はエリカさんのこと信じるよ。最初は小梅さんと同じ考えだったんだけどどうしてかみんな初めて会ったような気がしなくて」

エリカ「貴方たち……」

エリカ(二人が信じてくれただけこの旅も無駄じゃなかったのかもね)

エリカ「とはいえまだ諦めないわ。次は聖グロに行くわよ!」

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聖グロリアーナ女学院

小梅「う、うわぁ……何だかお嬢様って感じの学校ですね」オロオロ

みほ「みんな上品? 優雅な感じだね」オロオロ

エリカ「なに二人とも気後れしてんのよ。私たち黒森峰も立派な学校なんだから臆することなんてないわ!」

小梅「聖グロリアーナは紅茶の茶葉の生産地として有名な学校ですね。だからなのか紅茶同好会が一番人気の部活らしいです」

エリカ「そう。なら紅茶同好会のある部室に行きましょ」


ダージリン「こぉんな格言を知ってる? 拒絶するのに多くの言葉を費やす必要はない。相手はただ否という一言を聞けばよいのだから」

オレンジペコ「ドイツの作家ゲーテの言葉ですね」

ダージリン「フフッお見事ね。さて今日も格言お茶会講座を始めましょうか」

オレンジペコ「お言葉ですがダージリン様。そんなものはこのお茶会同好会には存在しませんよ」

アッサム「私たちは常日頃からダージリンの格言を聞かされてますしわざわざ講座を開く必要はないかと」

ダージリン「ちょっとしたジョークよ。それに今日はスイーツ同好会の方々にも来てもらっているもの格言講座を開くことにも意味はあるわ」

マリー「でも私別に格言とか興味ないのよねー。ケーキが食べられればそれでいいんだもの」

ダージリン「 言うことなんて、半分は意味もない。ただ君に聴いて欲しくて話しているんだ」

オレンジペコ「英国のミュージシャン、ジョン・レノンの言葉ですね」

マリー「まあお茶請け代わりになら聞いてあげてもいいわよ。丁度良い子守唄だわ」モグモグ

ダージリン「こ、子守唄」プルプル

オレンジペコ「ダ、ダージリン様落ち着いて……」

ダージリン「へ、平気よオレンジペコ。全然落ちついているわ」

マリー「あらストレスでも貯まっているの? そんな時は甘いものでも食べて落ち着けばいいのよ」

ダージリン「……そうね。でも甘いものばかり食べていると太るわよ」

マリー「……」ピクッ

アッサム「ちょ、ダージリン!?」

マリー「わ、私が太るわけないじゃない。そ、そうよね押田」

押田「当たり前だ。マリーさまが太るなど天地がひっくり返ってもありえないことだ!」

ダージリン「前に会った頃よりも少しふっくらしてきたような」

マリー「私が太って見えるなんて視力でも悪いんじゃない? こんな言葉を知ってる? 視力が悪いなら眼科に行きなさい」

ダージリン「」イラッ

マリー「」イラッ

オレンジペコ(また始まっちゃった)

ルクリリ「ダージリン様。女子学生三人が我々に会いたいと申し出ているのですが」

ダージリン「あら? 今日の客人はBC自由学園だけと聞いていたのだけど」

ルクリリ「なんでもオープンキャンパスの見学でとのこと」

ダージリン(今日はオープンキャンパスじゃないはず……とはいえ客人が誰なのかも気になるわね)

ダージリン「分かったわ。私を客人のところに案内して頂戴」

エリカ「この金髪。間違いない貴方がダージリンね」

ダージリン「あら私のことをご存知なのね。そういえばこんな格言を……」

エリカ「そんなことよりアンタは戦車道って知ってる?」

ダージリン「そんなこと……」

みほ「あ、えっと急に押し掛けちゃってすみません。でも大事なことなんです、ダージリンさんは戦車道って言葉に何か覚えがありますか?」

ダージリン「戦車道ねぇ……そんな言葉聞いたことないはずなんだけど」

エリカ「我が校の戦車は一滴足りとも紅茶を溢さない」

ダージリン「!?」

エリカ「これはアンタの言ってた言葉よ」

ダージリン「……そうね。そんな言葉も言っていたような気がするわ」

エリカ「じゃあ……」

ダージリン「でもごめんなさい。戦車道が何か思い出すことは出来そうにないみたい」

エリカ「そう……でもその言葉を思い出してくれただけでも満足よ」

エリカ「よかったら連絡先を交換しましょ。貴方なら戦車道について何か思い出してくれるかも知れないし」

ダージリン「いきなりなのね……でも不思議と貴方たちとは初対面な気がしないわ。それに友人を増やすというのも悪くはないわね」ポチポチ

ダージリン「貴方たちも連絡先を交換しましょ」

小梅「は、はい」ポチポチ

みほ「よろしくお願いしますっ」ポチポチ

エリカ「何だかさっきから連絡交換ばっかしてる気がするわ」

小梅「友達が増えることはいいことですよ。一応目ぼしいところは全部行きましたけど戦車道を知ってる人はいませんでしたね」

エリカ「もう一つだけどうしても行きたいところがあるの」

みほ「ど、どうしたの? 私の方をじっと見て」

エリカ「別に只、相変わらずの間抜け顔だと思っただけよ」

エリカ(大洗女子学園。みほが隊長として私たちに戦いを挑みに来た学校。でも戦車道がない今……その学校は)

ミカ「やあ」

小梅「わわっ!? 突然、人が!?」

エリカ「アンタは継続の……どうしてこんなところに」

ミカ「風に誘われてね」

アキ「私たち音楽活動の一貫としてライブをしながら旅に出てるんです」

ミカ「長い旅行に必要なのは大きな鞄じゃない。奏でる音楽一つあればそれで良いんだ」ポロローン

アキ「もう……またミカはそうやってワケわかんないことばっか言って」

ミカ「……」ポロローン

アキ「良かったら私たちの音楽聞いてくれませんか?」

ミカ「音楽は人生において大切なすべてのことが詰まっているからね」ポロローン

エリカ「別に聞いてあげてもいいけどその前に私たちの質問に答えてくれるかしら」

アキ「質問? なになに?」

エリカ「貴方たちは戦車道について何か知っているかしら」

アキ「戦車道? そんなの聞いたことないけど?」

ミッコ「私も全然知らないなー」

ミカ「……」ポロローン

エリカ「ま、そうよね。ダメ元で聞いてみたんだけどアンタたちでも知らないか」

アキ「それじゃ質問に答えんだから音楽聞いてくれるよね!」

ミカ「ミッコ準備は?」

ミッコ「勿論」

みほ「空き缶に割りばし?」

ミカ「これはドラムだよ」ポローン

みほ「えっ!?」

アキ「それじゃいっくよー! ミュージックスタート!」

ミカ「トゥーダ!」ポロローン

ミッコ「あいよ!」カラカラン

アキ「????♪????♪」

小梅(一つ一つの演奏は上手いはずなのに……)

エリカ(音がごちゃごちゃで散らかってる……!)

アキ「みんなありがとー!」

みほ「すごく上手かったです!」パチパチ!

エリカ「ま、まあ良かったんじゃない多分ソロで活躍した方が売れそうだけど」パチパチ

みほ「私感動しちゃいました! 空き缶と割りばしであんなドラムみたいな音出せるんですね!」

ミッコ「えへへ誉められちゃったぞー」

アキ「あ、そうだ。お金ちょーだい!」

エリカ「はい?」

アキ「ん? ライブ料金だよ」

ミカ「音楽は心を癒してくれる。でもそれがタダとは限らないんじゃないかな」

みほ「私は全然払って良いと思います! 凄く感動しましたし」ジャラジャラ

小梅「ま、まあちょっとだけなら」ジャラジャラ

エリカ「わかったわよ。はいこれ」チャリーン

アキ「わぁー! こんなにくれるんだ! これでご馳走が食べられるよー! みんな優しい人たちで良かったぁ!」

ミカ「このお金は責任を持って私が……」

アキ「ダメだよ。ミカが持ってると知らない間に使っちゃうんだから」

ミカ「生き物に取って自然に振る舞うことはとても大切なことなんだよ」ポロローン

アキ「はいはい分かったからお金は預かるねー」

エリカ「それじゃ私たちは行くわね」スタスタ

アキ「そういえばミカは戦車道って知ってるの?」

ミカ「戦車道には人生の大切なすべてのことが詰まっているんだよ」

アキ「ふぅーんそうなんだ。あ、このお金どうしよっか」

ミカ「そうだね。たまにはハンバーグ屋さんでも食べに行こうか」

アキ「ミカが自分から提案するなんて珍しいね! 私はいいよこれだけあればハンバーグ食べられそうだし……でも何でハンバーグ?」

ミカ「……」ポロローン

大洗女子学園

エリカ「ねえ……アンタこの学校に見覚えない?」

みほ「た、多分無いと思う……よ? ここに来たの初めてだし」

小梅「こことみほさんに何か関係が?」

エリカ「今年の戦車道全国大会で優勝したのがこの大洗女子学園……その隊長がみほ……貴方だったの」

みほ「え? わ、私!? そ、そんな……私は何も出来なくて……」

エリカ「確かにアンタはおっちょこちょいでドジで間抜けで変なクマが好きな変人だけど」

みほ「なんか凄い言われた!?」

エリカ「でも……戦車道に関しての才能は私より上だった。黒森峰は決勝であなたたち大洗女子学園と戦って見事に敗北したの」

みほ「そうなんだ……でもごめんなさい。そんなこと言われても私思い出せないの」

エリカ「ま、でしょうね。他の隊長だって覚えていなかったんだもの。アンタが覚えているとは思ってないわ」

みほ「ここが大洗女子学園か……私が入っていた学校?」

みほ「やっぱり全然思い出せ……」

???「ヘイ! 彼女! 一緒にお昼どう?」

みほ「……え?」

小梅「あのどうかしたんですか?」

みほ「ううん……何でもない」

エリカ「取り敢えず入りましょうか。放課後だし生徒とも出会わないでしょ」

小梅「で、でも部活してる生徒ぐらいは……あれ?」

エリカ「……今の大洗女子学園に有名な部活なんてないわ。さ、行きましょう」スタスタ

みほ「……」スタスタ

小梅(なんだろう。この学園は放課後ってことを考えても人が少なすぎるような……)

エリカ「ここの隊長はアンタよ。何か思い出したこととか……ない」

みほ「ごめんなさい。本当に分からなくて……懐かしい気もするけど……それはエリカさんに言われたからかもって気がするし」

エリカ「そ、そう……私の方こそごめんなさい。わざわざこんな場所までついていって貰って」

みほ「ううん……結局戦車道が何なのかは分からなかったけど楽しかったし後悔はしてないよ」

エリカ「そう言ってもらえると助かるわ」

エリカ「それじゃ帰りましょうか。本当はね……もう分かってたの黒森峰に戦車道がない時点で他のところにも無いなんてことは……でも納得なんて出来なかった」

エリカ「だってそうでしょ? 昨日まで当たり前にあったものが急に無くなったって言われて納得できるはずなんて無いじゃない!」

エリカ「だから諦めるために……この旅を続けたのよ」

みほ「……エリカさん。私……確かに戦車道が何か分からない。でも不思議とそれは大切な物だったって思えるんだ」

エリカ「……」

みほ「確かに一度嫌で逃げ出したかも知れないけど……それだけじゃなくて大事なものを沢山貰えたようなそんな気がするから」

エリカ「……ありがとう。その言葉だけでもここに来た意味があったわ」

エリカ「それじゃ用事も済んだわけだし帰りましょうか……弓道部らしいし? 隊長にやり方を教わらないといけないもの」スタスタ

みほ「うん……」スタスタ

???「ん? 誰? その制服……ウチのじゃないみたいだけど」

みほ「わ、わわっ!?」

エリカ「アンタは大洗の生徒会長」

杏「あはは……元生徒会長ね。今は違うよー 貴方は逸見さんだよね? テレビで見たことあるよ」

エリカ「……そう」

杏「それでそんな逸見さんがウチの学校に何の用?」

エリカ「別に……何となく来ただけよ」

杏「そう」

エリカ「……」

杏「……」

エリカ「ねえ……この学園が廃校になるって本当?」

杏「あはは……何で知ってるのかねぇ。まだ正式に発表されてないはずなんだけどなぁー」

みほ「は、廃校!? ここ廃校になるんですかっ!?」

杏「まあね。廃校っていってもすぐってわけじゃないよ。今の一年が卒業するまでの間は学校として機能してくれるってさ……必死に交渉したんだけどねぇ……それが限界だったよ」


みほ「そんな……」

杏「ははは……貴方が落ち込む必要ないって」

みほ「それは……でも何だか胸が苦しくて」

エリカ「……ごめんなさい。貴方も苦しい話をさせてしまって……」

杏「ははは……まあ私たち全生徒卒業できるだけでも御の字ってことで一応は納得してるよ」

エリカ「こんな時に聞くのはお門違いかも知れないけど戦車道って言葉に聞き覚えはあるかしら」

杏「せんしゃどう? 聞いたことないねー……でも戦車と言えばたまに夢を見ることはあるかな」

エリカ「夢?」

杏「戦車に乗る夢。そこでは戦車が競技になってて私たちはボロい戦車しかないんだけどそれで何故か勝っちゃうの不思議だよねー」

エリカ「……そう。それはきっと夢じゃないわよ」

杏「あはは……だったら良いんだけどね。んーそれにしても」

みほ「え、えっと何でしょうか」

杏「いやぁ……何か初対面にしては懐かしいなぁって思って」

みほ「私もです。なんだか会長と出会うのが初めてじゃない気がして」

杏「あはは……もう会長じゃないけどね。でも何でだろう貴方にそれを言われるとこうしっくり来るものがあるねぇ」

みほ「あの……良かったら連絡先交換しませんか? 何だかこのまま終わらせちゃうの勿体無い気がして」

杏「んー? いいよー」

小梅(結局。戦車道について知ってる人はエリカさん以外いませんでした)

小梅(エリカさんは最初こそは戸惑っていましたが弓道部にも馴れ今では依然と変わりなく活動を続けているそうです)

小梅(あれはエリカさんの妄想だったのでしょうか……少なくとも私はそう思いません)

小梅(サンダースに聖グロ……他にも沢山の方たちと会いましたがみんなどこか懐かしさを感じたのです)

小梅(確かに私たちの世界に戦車道はありません。でもエリカさんのおかげで沢山の人と知り合い新たな絆が産まれました)

小梅(そしてそれは今も……)

新大洗女子学園

エリカ「はぁ……小梅。何ぼぉーっとしてるのよ」

小梅「まさか本当に学校を復活させるなんて思わなかったから驚いちゃって」

小梅(学園の外観を見渡す。そこにはあの日と何ら変わらぬ大洗女子学園の姿があった)

小梅(結局廃校が決まった以上。それを止める方法はなく大洗女子学園は廃校になった)

小梅(でもみほさんはそれでも諦めなかった)

小梅(みほさんは学園が廃校した後も復活させるために色んな人と協力し学園が復活するように何度も呼び掛けや援助を行った)

小梅(その時の姿はまるでみほさんが好きな何度やられても立ち上がるあのクマのぬいぐるみのようで)

小梅(そんな姿に心を打ち砕かれたのか多くのスポンサーが彼女につくようになって)

小梅(こうして大洗女子学園は再び元の姿を取り戻したのだ)

エリカ「本当……やっぱりみほは凄いわよね」

みほ「わ、私は凄くなんてないですよ。杏さんやお姉ちゃん……他の学校の方々が協力してくれたから」

エリカ「そうさせたのはアンタと杏の人望でしょう。少なくとも私じゃそうはならなかったわ」

小梅「そうですよ! 廃校の話を聞いたあとみほさんは学校を復活させようとみんなと連絡を取り合ったじゃないですか」

みほ「それは……何て言うんだろう。どうしてか分からないけどこの学園は無くしちゃいけない……そう思ったから」

みほ「それに学園が復活したのはエリカさんのおかげだから!」

エリカ「えっ!? 私!?」

みほ「エリカさんが色んな人に会わせてくれたから私もこうしてみんなと協力できるようになったの」

小梅「それにエリカさんも弓道部の代表として役人に訴えてましたからね」

エリカ「ちょ、それはみほには内緒にって!」

みほ「エリカさん」キラキラ

エリカ「か、勘違いしないでくれるぅ!? あれは隊長……まほさんが協力するって言ったから仕方なくよ! し か た な く!」

小梅「もう……エリカさんはツンデレなんですからー」

エリカ「……ツンデレ」


???「うわー本当にあの頃と変わってない……懐かしいなぁ」

???「この校門を見るとそど子にグチグチ言われたことを思い出す」

???「もー折角学校が復活したんだからもっと楽しい思い出を話そうよー」

???「ある意味冷水殿らしいと言えばらしいですが」

???「あれ……あそこにいる女の子って……」

エリカ「ん? あれ? 誰か来たみたいよ。アンタのお友達じゃない?」

みほ「皆さんお久しぶりです!」

これにてこのssは終わりです! 初SSでしたが無事に完結できてよかったです。後でHTML化してきます!

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