【ガルパン】まほ「赤星小梅はチャーハンが好き」 (76)


黒森峰女学園 機甲科 隊長執務室


まほ「赤星小梅はチャーハンが好き」

エリカ「はい?」

まほ「先日手に入れた情報だ」

エリカ「そんな大事な情報みたいに言われましても」

まほ「ふっ、わからないのかエリカ。これは最近の我々の扱いを改める重大な情報なんだ」

エリカ「最近の扱い……?」


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まほ「心当たりがあるはずだ。そうだ、エリカはハンバーグが好きだったな」

エリカ「うげ、まあ好きですけど」

まほ「一瞬苦い顔をしたな。ハンバーグのことで何かあったか?」

エリカ「嫌なことじゃないんですけど、最近他の隊員たちにすごいハンバーグネタを押されるといいますか。
まるで私がハンバーグが好きすぎて毎日のように食べてるみたいに思われたり……」

まほ「うん」

エリカ「ハンバーグに拘るあまり様々なハンバーグ店をめぐってると思われたり、
ハンガーグ作りがプロ級と思われたり……ま、まさか!?!?」

まほ「気がついたようだな。かく言う私も、カレー大好き隊長みたいな感じで見られているんだ最近」


エリカ「なるほど。確かにその手の私達への妙な認識は最近顕著ですね」

まほ「単に何が好きか、って言われればカレーかなって程度なのにな」

エリカ「私もそんなもんですよ。それで、その小梅の情報がどう繋がるんです?」

まほ「どうも、私達の好きな食べ物の話の発端が赤星らしいんだ」

エリカ「あー、確かにそんな話をあいつとしたような……」

まほ「本人に悪気はないのだろうが、誤った認識を改めるには根本を叩くしか無い。
そこでこの情報だ。『チャーハンが好き』という情報が私達のように一人歩きして赤星の身に降りかかれば……」

エリカ「小梅は認識の違いに気づき、それを改めるために動くということですね。さすがは隊長です」

まほ「それではこれよりニュルンベルクのチャーハン作戦を開始する!」

エリカ「はい!」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

黒森峰女学園 食堂 


エリカ「ねえ、そこのあなたたち」

隊員1「副隊長?なんでしょうか。ハンバーグの話ですか?」

エリカ「違うわ!いや、関係なくもないか。小梅の好きな食べ物って知ってる?」

隊員2「小梅さんですか?さあ……?」

エリカ「なんと、チャーハンが好きなのよ!」

隊員1「そうなんですか」

エリカ「そういうわけだから、よろしくね!」

スタスタ

隊員2「なんだったんだろう……」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

数日後


まほ「おかしい……これはどういうことだ」

エリカ「まったく噂が広がりませんね」

まほ「それどころか見ろ、これを」スッ

エリカ「え、なんです、この写真」

まほ「ん、写真?あっ違う」

エリカ「えっ?」

まほ「操作ミスだ。今のは忘れて」


エリカ「いや、今の写真、私」

まほ「いいから!これを見ろこれを」

エリカ「ツイッターですか。隊長、ツイッターやってたんですね」

まほ「エリカはやってるのか?」

エリカ「ま、まあ一応アカウントは持ってます」

まほ「教えてくれ」

エリカ「すいません、リアルの知人には教えてないので」

まほ「何だ?なにか後ろめたいことでも?私の悪口でも言ってるのか?」

エリカ「言ってません!恥ずかしいだけです!」


まほ「何が恥ずかしいんだ?とんでもないツイートをしてるのか?」

エリカ「わ、私の話はいいじゃないですか。話を続けてください」

まほ「そうだった。最近、隊員たちがツイッターで交流していると聞いて、私もアカウントを作ってみたんだ」

エリカ「えっ」

まほ「その様子だとエリカは交流に参加してないみたいだな」

エリカ「」

まほ「それで、隊員たちを見ているとあることに気付いた」

エリカ「あること?」


まほ「今日の昼頃の隊員たちのつぶやきを見てみろ」

エリカ(隊長のアカウント……後で非公開リストに入れて監視しよ)

『今日のランチは逸見定食~♪』

『隊長(中辛)おいしい』

『お小遣い出たから奮発してエリまほキメた!』

エリカ「なんですかこれ……」

まほ「どうやら、ハンバーグのことをエリカ、カレーのことを私の名前で呼んでいるらしい」

エリカ「このエリまほっていうのは?」

まほ「ハンバーグカレーのことだろう」

エリカ「なるほど……」


エリカ「いや、感心してる場合じゃないですよ!由々しき時代ですよ!」

エリカ「隊員がこんなに腑抜けていては黒森峰の名が廃ります!」

まほ「だが、特に練度が落ちているという訳でもない。私は良いと思う」

エリカ「ですがっ」

まほ「ん?そういえば何の話をしてたんだ私達は」

エリカ「あっ、あれですよ!なんで小梅がチャーハン好きっていう噂が広まらないのかって」

小梅「話は聞かせてもらいました!!」

バンッ

エリカ「なっ!?勝手に入ってくるな!」


まほ「大丈夫だ。続けてくれ赤星」

小梅「まず副隊長。私がチャーハンを好きだと聞いて、どう思いました?」

エリカ「え?ああそうなんだ、くらいにしか思わなかったけど」

小梅「それです!自分で言うのも何ですが、普通な私が普通な食べ物が好きでもみんな何とも思わないんです!」

エリカ「……!」

小梅「それに引き換え、隊長と副隊長はクールビューティーでみんなの憧れ。中身は別として」

小梅「そんな2人の好きな食べ物がカレーとハンバーグっていう子供っぽくて可愛らしいギャップ!」

小梅「そのギャップがインパクトとなり、ここまで広まったんです!」

まほ「なるほど」

エリカ「そもそも広めたのあなたじゃない!」


小梅「まあ、それはさておき」

エリカ「さておくなよ!」

まほ「赤星、理屈はわかった。それなら私達はどうすればいい?」

小梅「さあ?」

エリカ「隊長、私にいい考えが。実行してもいいですか?」

まほ「よし、エリカに任せよう」

小梅「ふ、副隊長?どうしたんですかそんな私に近づいきゃぁああああ」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


エリカ「名前を言いなさい」

小梅「私の名前は赤星小梅……」

エリカ「好きなものは?」

小梅「チャーハン……」

エリカ「嫌いなものは?」

小梅「チャーハンじゃないもの……」

エリカ「よし、完璧ね」

まほ「すまないエリカ、何がどう完璧なのか教えてほしい」


エリカ「小梅を調教してチャーハンモンスターにしました」

まほ「チャーハンモンスター!?」

エリカ「これはインパクト大ですよ!こいつを校内に放てば、私と隊長の好きな食べ物なんてみんな忘れてしまいます!」

まほ「何もそこまでしなくても……」

小梅「チャーハン……食べたい……」

エリカ「よしよし、いい子ね。任務を終えたらたっぷりチャーハンをあげるわ」

小梅「チャーハン……食べる……」

エリカ「よし行け!」

小梅「チャーハン!!」

ダッ

まほ「何だ今の。鳴き声か?」

エリカ「とにかく追いかけましょう」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

生徒1「さ、今日はエリカランチね」

生徒2「私はまほランチ~」

小梅「チャーハン!」ヌッ

生徒1「あれ?小梅さんどうしたの?」

生徒2「一緒にお昼食べる?」

小梅「それは、チャーハンか?チャーハンじゃないものか?」

生徒1「ハンバーグだけど」

生徒2「カレー」

小梅「チャーハンじゃないものだな!!制裁を受けろ!!」

「きゃああああああああ!!!」


まほ「どうした!」ザッ

生徒1「隊長!!」

生徒2「赤星さんがひどいことを!」

エリカ「何をされたの?」

生徒1「私達のランチに」

生徒2「創味シャンタンをちょっとだけかけて行ったんです!」

まほ「ああ、チャーハンに入れると美味しいやつか」


生徒1「こんなのハンバーグにかけられたら味が台無しですよ!」

エリカ「でもなんだかいい香りがするわね」クンクン

エリカ「ちょっと一口もらっていい?このハンバーグ」

生徒1「え、良いですけど」

エリカ「もぐもぐ……こ、これは!?」パァァ

エリカ「創味シャンタンのスパイスとデミグラスソースが奇跡的にマッチしてる!すごく美味しいわ!」

生徒1「いくら副隊長がハンキチだからってそんな……もぐもぐ、お、美味しい!本当だ!」

エリカ「ね!美味しいでしょ!(ハンキチ!?)」


まほ「となるとまさか……ぱくっ、もぐもぐ。このカレーも美味しいぞ!味に深みが出ている!」

生徒2(勝手に食われた……)

エリカ「まさか小梅がこんな特技を身につけるなんて」

まほ「特技なのか?これ」

エリカ「こうしちゃいられません!小梅を連れ戻しましょう!」

まほ「しかし赤星はどこに行ったんだ」


バババババババババ


エリカ「あれ、外を飛んでるのウチのヘリでは?」

まほ「ん?使用許可を出した覚えは無いが……」

まほ・エリカ「あ……」


今日はこの辺で……

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

サンダース大附属高校 学園艦

ケイ「イエーイ!みんな楽しんでるー?」

イエーーーーーーイ!!

ケイ「どんどん食べてねー!」

イエーーーーーーイ!!


バババババババ

アリサ「ちょっと待ちなさい!ストップ!」

ケイ「どうしたのアリサ?」

アリサ「黒森峰のヘリが勝手に着陸しました!」

小梅「チャーハン……」ツカツカ

ケイ「オウ、あの子は確か……」

アリサ「赤星小梅。大学強化チームとの戦いではパンターの車長をしてました」

ケイ「ハーイ!コウメ!」

小梅「チャーハン……」


ケイ「何で来たのかわからないけど歓迎するよ!ちょうどバーベキューパーティをやってたのよ!アメリカから学園艦に直輸入したビーフを使ってね!」

小梅「チャーハン?」

ケイ「ノーノー、バーベキュー!サンダース特製のバーベキューは絶品よ!食べてみて!」

小梅「これはチャーハンか?チャーハンじゃないものか?」クンクン

ケイ「ホワッツ!?」

小梅「チャーハン、オア、ノットチャーハン?」

ケイ「イッツノットチャーハン!バーベキュー!」

イエーーーーーーイ!!

小梅「……」クワッ

ケイ「えっ、oh」

アリサ「ジーザス!」

ズバアアアアアン

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

アンツィオ高校 学園艦

カルパッチョ「統帥大変です!黒森峰の学園艦が横付けしてきました!」

アンチョビ「なにぃい?!」

ガゴォン ガゴォン

エリカ「総員、アンツィオの学園艦に乗り移りなさい!」

ウオオオオオオオオ

アンチョビ「待て待て待て!何事だ!?」

ペパロニ「カチコミっすか!?」

カルパッチョ「もはや戦争なんじゃ」


まほ「アンチョビか。良いところにいた。ウチの赤星がここに来ているはずだ」

アンチョビ「とりあえず事情を説明してくれ!」

~~~説明中~~~

アンチョビ「それでチャーハンモンスターと化した隊員を追っていると」

まほ「わかったか?」

アンチョビ「いや全然わからん!チャーハンモンスターって何!?」

エリカ「アンツィオが一番近い所を航行していたし、料理も豊富だから絶対ここだと思ったんだけど」

ペパロニ「いやー料理が豊富だなんて照れるっすね~」


アンチョビ「全然わからんが、料理に勝手に創味シャンタンをかけられるわけにはいかないぞ!料理は我々の誇りだからな!」

ペパロニ「でも美味しくなるなら良いんじゃないっすか?」

アンチョビ「イタリアンだぞ!?ピッツァやパスタに創味シャンタンを入れて美味しくなるわけ無いだろ!」

まほ「いや、そうでもないんだ。この創味シャンタンをかけられたカレーを食べてみろ」スッ

ペパロニ「何バカな事言ってんすか。カレーと創味シャンタンが合うわけないっしょ」

カルパッチョ(このカレーをむき出しで持ってきたの……?)



アンチョビ「うむ。いくら西住がカレキッチだからっていくらなんでも……もぐもぐ、なんだこれ美味いぞ!?」

まほ「そうだろう。赤星が創味シャンタンを使うと謎のバランスで美味しくなってしまうんだ(カレキッチ!?)」

エリカ「ええ。ハンバーグも見事に美味しくなったわ(カレキッチ!?)」

アンチョビ「もぐもぐ……にわかには信じがたいが……」

ペパロニ「あ、姐さん私にも食べさせてください!もぐもぐ、確かにウマいっすね!」

アンチョビ「これならイタリアンでも、もしかしたらもしかするかもしれないな」

ペパロニ「やっぱり美味しくなるなら良いんじゃないっすか」


アンチョビ「いや!美味しくなるからって、調味料だけに頼っていては我々の料理文化が廃れてしまう!阻止しなければ!」

まほ「そうだ。これは各学園艦の文化を守る戦いだ」

エリカ「あれ……なんかいつの間に話が大きくなってるような」

カルパッチョ「でもアンツィオにはその赤星さんは来てませんよ?他の学園艦を探すべきでは?」

まほ「アンツィオの次に近い学園艦は確か」

エリカ「サンダースですね」


ドドォンッ!!


アンチョビ「なっ!遠くで爆発音が聞こえたぞ!なにごとだ!?」


ペパロニ「今日って射撃練習ありましたっけ?」

カルパッチョ「ありません。ウチは貧乏なので」

ペパロニ「ウチは貧乏だから今日は射撃練習は無いっすよ」

アンチョビ「わかってるよ!何で繰り返した!?」

カルパッチョ「統帥!航海科から連絡です!近くにいるサンダースの学園艦から火の手が上がっているそうです!」

アンチョビ「なんだぁってぇ!?」

まほ「となるとさっきの爆発音もサンダースからか」


エリカ「隊長、もしや小梅が……」

まほ「いや、まだわからない。ただの事故かもしれない」

バババババババ

カルパッチョ「サンダースの学園艦からヘリが1機飛び立ちました!黒森峰のマークが付いてます!」

エリカ「完全に奴ですね」

まほ「完全に奴だな」

ババババババ

アンチョビ「うぅぁあああ!?ヘリがこっち来てるぞぉおぉお!?」


カルパッチョ「というかサンダースまずくないですか?結構燃えてるみたいですけど」

アンチョビ「くそっ!救助に行ってやりたいがウチの学園艦は燃料がなくて動かせない!」

エリカ「え、じゃあこの艦って航行してないの?浮いてるだけ?」

ペパロニ「正確には漂流っすね」

カルパッチョ「いつも物資がカツカツなので、近くを通る船に料理を提供してお金や燃料を貰ってるんです。ですが最近はお客さんが少なくて……」

エリカ「まるで海上レストランね」


まほ「よし。サンダースの救助は黒森峰の学園艦で行う。エリカ」

エリカ「はい!ただちに連絡します」

アンチョビ「頼んだぞ!」

まほ「アンツィオは向かってくる赤星をなんとかしておいてくれ。行くぞエリカ」タタッ

エリカ「はい!」タタッ

バババババ

アンチョビ「忘れてたぁあ!!くそー!対空戦闘用意!」

ペパロニ「おっしゃあ!お前らー!対空戦闘用意!」

生徒「対空戦闘って何するんすか?」

ペパロニ「んー?知らん」

ココマデ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


サンダース大付属高校 学園艦


まほ「救助に来たが」

イエーーーーーーイ

ワーキャー

エリカ「お祭り騒ぎですね……」

ボォォオオ

まほ「そこら中でキャンプファイヤーが行われている。火の手はこれだったのか」

ドォンッ!! ヒャッフー!

エリカ「砲撃音は、空砲で騒いでるだけのようです」


まほ「無駄足だったな。アンツィオに戻って赤星を捕まえるぞ」

ケイ「ヘイ!マホ!エリカ!」モグモグ

まほ「悪いが急いでる」

ケイ「ホワーイ?ノリ悪いじゃない!あなた達もウチのバーベキュー食べてきなさいよ!」

プーン

エリカ「うっ、もう創味シャンタンの香りがする」

まほ「赤星にやられたようね」


ケイ「そうそう!コウメのお陰でバーベキューがすごくデリシャスになったのよ!」

イエーーーーーイ!!

エリカ「イエイじゃないわよ!美味しくなったからってそんな……」

エリカ「いや、感謝してるなら良いような気がしてきたわ」

まほ「エリカ目を覚ませ!」バシッバシッ

エリカ「起きてますっいてっいたたっ!叩かないで下さい!」

ケイ「とにかく食べていきなって!このアメリカから直輸入したビーフと創味シャンタンのバランスは最高よ?」

まほ「ん?今アメリカから直輸入したと言ったか?」

ケイ「ええ。アメリカから直輸入した自慢のビーフよ」


まほ「学園艦に直接届いたのか?」

ケイ「ええ、ウチのOGが送ってくれたのよ!アメリカン・ビーフなのにオージーとはこれいかにってね!」HAHAHAHA

エリカ(ひどすぎる)

まほ「動物検疫所の許可は貰ったのか?」

ケイ「ホワッツ?」

まほ「海外から畜産物を輸入する時はどんな少量でも動物検疫所に申請しないと駄目だ」

ケイ「そ、そんなの聞いてないわよ」

まほ「聞いてないで済むなら法律はいらない」

エリカ「立派な密輸ね」

ケイ「ノー!!」


まほ「エリカ、通報だ」

エリカ「はい!」ピッピッピ

エリカ「もしもs

ケイ「ストップ!!待って!ストップ!!」ピピー

エリカ「うるさいわね」

ケイ「通報されたら私達どうなっちゃうの?」

まほ「サンダースに捜査が入るだろうな」


ケイ「捜査が入ったらどうなるの?いわゆるギルティ?」

まほ「いわゆるギルティだろうな」

ケイ「プリズンにゴー?」

まほ「そこまでは知らないが何らかの罰はあるだろう」

ケイ「いやーっ!見逃して!お願い!」

まほ「隠蔽なんかしたら確実にプリズンだぞ」

ケイ「助けて!バーベキューあげるから!」

エリカ「いらないわよ!密輸品でしょそれ!」

まほ「食べたら私達までギルティの片棒を担ぐことになる」


ケイ「お願い!なんでもするから!」

エリカ「隊長」

まほ「まさか……失望したぞエリカ」

エリカ「まだ何も言ってませんよ!?」

まほ「何を言うつもりだった」

エリカ「小梅の捕獲に協力してもらいましょう。サンダースの設備と資金があれば容易になるはずです」

まほ「赤星はアンツィオに任せただろう」

エリカ「アンツィオですよ?あの子達にできると思いますか?」

まほ「私は信じている」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

アンツィオ高校 学園艦


アンチョビ「お前らーもっと釜を炊け~~!!」

ウオオオオオ!!

モクモクモクモク

アンチョビ「煙を出しまくってヘリの飛行を妨害するんだ!」

ペパロニ「これがアンツィオの対空戦闘だー!湯を沸かせー!」

モクモクモクモク


バババババババ

カルパッチョ「統帥」

アンチョビ「ほーら!もっと炊け!!煙が足りないぞ!」

カルパッチョ「統帥!!」

アンチョビ「どうした?お腹すいたか?」

カルパッチョ「あの、頑張って上げた煙なんですけど、全部ヘリが起こした風で吹き飛ばされてます」

バババババババ

アンチョビ「なにぃいいぃい!?」

カルパッチョ「これじゃいくら炊いても全く意味がありません」


アンチョビ「くそー!せっかく炊いたお湯が無駄になっちゃうじゃないか!」

ペパロニ「大丈夫っす姐さん!こんな事もあろうかとついでにパスタを茹でておきました!」

アンチョビ「ペパロニお前……でかしたぞ!よーし!パーティだ!」

ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!

カルパッチョ「また食糧が減っちゃうけど……みんな楽しそうだしまあ良いか」


まほ「何をしているんだ。赤星の捕獲はどうした」

アンチョビ「おー、お前たちもパスタ食べるか?」

まほ「エリカ、アンツィオはダメだった」


エリカ「ええそうでしょうとも」

アンチョビ「何ぃ!ダメじゃない!ウチのパスタは絶品だぞ!」

エリカ「食べ物の話じゃないわよ!ねえ隊長」

まほ「いや、食べ物の話だ」

エリカ「え!?」

小梅「チャーハン……」

エリカ「小梅!?いつの間にか着陸してた!」

まほ「パスタの匂いに釣られてきたんだろう」

アンチョビ「ウチのパスタは最高だからな!食べに来たんだろう!」

エリカ「今完全にチャーハンって言ってましたよ?!」


カルパッチョ「あれ、なんでヘリの飛行を妨害してたんでしたっけ?」

ペパロニ「バッカだな~、アンツィオの食文化を守るためっすよ」

まほ「私は赤星を捕まえて欲しいと頼んだつもりだったが」

アンチョビ「そうなのか!?」

エリカ「隊長は口数が少ないから……」

カルパッチョ「まあ過程はさておきチャンスですよ」

小梅「それはチャーハンか?チャーハンじゃないものか?」

アンチョビ「チャーハンだとぉ?これはパスt

まほ「待てっ!!」ガシッ

アンチョビ「ムグムグー!」


ペパロニ「あ!ズルい!姐さんの、ええと、とにかくズルい!」

カルパッチョ「黙ってて」

まほ「聞いた話だとウチの隊員も、サンダースの皆も、赤星の質問に真面目に答えたそうだ。そして創味シャンタンをかけられた」

アンチョビ「ぷはっ!つまり嘘を付けってことか?」

まほ「そういうことだ」

アンチョビ「いやでもこれどう見てもパスタだぞ!?チャーハンですって無理があるだろ!」

小梅「チャーハンか?チャーハンじゃないものか?」

まほ「赤星は今、まともな判断能力を失っている。押し通せるはずだ」

アンチョビ「そうかなぁ?やるだけやってみるけどさ……」


小梅「チャーハンか?チャーハンじゃないものか?」

アンチョビ「これはチャーハンだ!」

ペパロニ「えー姐さん何言ってるんすかー!?これはウチの自慢のパs ガコーン!!

カルパッチョ「静かに」

エリカ「よくやったわ」

小梅「これが……チャーハン……」ポロポロ

アンチョビ「そ、そうだぞ」

小梅「チャーハン……チャーハン……ぐすっ」ポロポロポロ

アンチョビ「お、おい。こいつ泣き出したぞ?さすがに可哀想なんだけど……」

まほ「いけるそのまま押しきれ」

アンチョビ「押し切った先に何があるんだよ……」


ホワンホワンホワンホワン

#########################################################

チン

小梅『できたできた。チャーハン食べよ』

エリカ『あなたねえ、毎日チャーハンで飽きないの?』

小梅『飽きないよ。逸見さんこそ毎日ハンバーグじゃない』

エリカ『毎日じゃないわよ!4日に1回くらいしか食べてないし!!』

小梅『それでも普通よりは頻度多いよ……』

エリカ『と、とにかく早く食べるわよ!』


小梅『私の部屋に押しかけておいてご飯まで要求するなんて』

エリカ『悪かったわよ』

小梅『良いんですよ。最近忙しそうだし……ただし私の部屋に来たからには食事はチャーハンだから!』

エリカ『ありがと……ちょっと食べる前にお手洗い行ってくるわ』

小梅『はーい』


トントンピーンポーン

小梅『ん?誰だろ?はい』


ガチャ

みほ『ごめんね、こんな時間に……』

小梅『みほさん!?』

みほ『お別れを言いに来たの。小梅さんと、あとエリカさんがここに来てるって聞いて』

小梅『お別れ!?』

みほ『私、戦車道をやめて別の高校に転校することになったから』

小梅『そ、そんな!?待って、逸見さんを、あーっトイレ行ってるんだった!ちょっと待ってて!』

みほ『……私、もう行くね。今までありがとう。エリカさんにも伝えておいて』

小梅『あーちょ、ちょっと!エリカさんもうすぐ終わるから待って!多分小さいほうだからすぐだから!』

みほ『さようなら』

ガチャン

小梅『あっ!私もみほさんに伝えたい事がっ!あの時助けてくれてありが……ってもう行っちゃったよ!』


ジャー

エリカ『ふー、スッキリ。何か玄関のほうが騒がしかったけどどうしたの?宅急便の人と喧嘩でもした?』

小梅『タイミングゥウウウウウ!!あなたタイミング悪すぎーーー!!!』

エリカ『え?』

小梅『チャーハンやけ食いしてやる!!』ガッガッカ ポロポロポロ

小梅『涙の味がする……』


#########################################################

ホワンホワンホワンホワン



小梅「チャーハン……チャ、チャ、うわあああああああん!!」ビエエエエエエ

アンチョビ「うわぁ!本格的に号泣してる!」

まほ「どうやらチャーハンのことで辛い思い出があるみたいだな」

小梅「ちゃーは、チャアアアアハアアンン!逸見さんのタイ、ミングぅううう!」ビエエエエ

まほ「ん?今、逸見さんと言わなかったか?」

エリカ「ま、まさかー?」


小梅「チャーァアアアンンァン!!いつ、いつみ、たい、さんっ、のっ、みんっ……!!!うわぁあああ!!!」ビエエエエ

まほ「ほら、やっぱり逸見って言ってる気がする」

エリカ「き、気のせいじゃないですか?」

アンチョビ「タイ産のミンチって言った気がしたぞ」

エリカ「それは絶対ないから!!なんで泣きながらタイ産のミンチの話題を出すの!?」

小梅「チャハァアアア、あ、はっ!逸見さんのっタイミングがっ悪いせいでっみほさんとちゃんっとっほっ!お別れできなっはぁああああアン!!」ビエエエエエエ

エリカ「いやもう9割しゃべってるじゃない!!そこまで言えるなら泣き止めよ!!」

まほ「とにかくエリカが原因ということがわかったな」

エリカ「ううう、釈然としない」


小梅「うううっつ!!!ちゃああぁった、涙のあ味がぁあああ、ひっくぐっす、ううう!!逸見のばかぁああ!」ビエエエエエエ

エリカ「悪口にシフトしてきた?!」

まほ「仕方ない。どうやらもう一人のキーパーソンらしいみほを呼ぶか」ピッピッピ

エリカ「あ、そうだ!隊長!あれがあるじゃないですか!」

まほ「どれだ?」

エリカ「あの時、私にツイッターを見せる時に間違えて見せてきた写真ですよ!」

まほ「あ、あれはいいだろう別に。撮りたかっただけだ」

エリカ「責めてませんから!あの写真を小梅に見せるんですよ!」


まほ「はっ!そうか。よし、赤星これを見ろ」スッ

小梅「え、逸見さんの寝顔の盗撮写真を見せてどうするんですか?」

まほ「あ。これは違う間違えた違うエリカの寝顔があまりに無防備でつい」

エリカ「何!?そんな写真撮ってたの!?」

まほ「忘れるんだ。こっちが本来の写真だ」スッ

小梅「これは……大学強化チームとの試合が終わった後、私とみほさんと逸見さんが談笑している写真……」

まほ「昔を思い出してな。つい撮ってしまったんだ」

アンチョビ「つい撮った写真ばっかりなのかこいつは」


小梅「うう……私が間違ってました。隊長、それに逸見さん、じゃなかった副隊長」

エリカ「いいわよ別に」

小梅「これからは自分のチャーハンを食べます……」

まほ「正気に戻ってくれて良かった」

カルパッチョ「1枚目の写真を見せた時点で正気だったような」

アンチョビ「しっ!良い雰囲気なんだから口出すな!」

エリカ「聞こえてる聞こえてる」

アンチョビ「は、ははは!何はともあれ一件落着!記念にパスタパーティだ!!」

ドゥーチェ!ドゥーチェ!ドゥーチェ!!

アンチョビ「お前たちも食べてけよー?」

まほ「せっかくだ。ありがたく参加させてもらうよ」


グオオオオオオオオオオオン!!


エリカ「あれは!?」

優花里「サンダースのスーパーギャラクシーです!」

まほ「そういえば、さっきケイにみほを連れてくるように頼んだんだった」

エリカ「さすがサンダース、迅速ですね」

まほ「ああ。来てしまったものはしょうがないからみほにもパーティに参加してもらおう」

小梅「みほさんが来るんですね!嬉しいです!」チャーハン!

エリカ「ったく、久々に会うからたっぷり嫌味言ってやるわ……でもちょっと待って」

エリカ「なんでお前がここにいる!!!!!」ドカァッ!!

優花里「ぐへえっ!!ひどいじゃないですか!!」


アンチョビ「まあまあ、どうせ偵察か何かに来たけど出るタイミングを失ってたとかだろ?」

優花里「ぎくっ!さすがアンチョビ殿……」


ギューイイイイン グウウウオン バンッ(着陸)


ケイ「ハーイ!連れてきたわよ!友達も一緒にね!」

みほ「わ、なんだかすごいことになってる……」

華「食べの物があるんですか?」

沙織「あれ?ゆかりんがいる」

麻子「くー」

ゾロゾロゾロゾロ


アンチョビ「おおー!!沙織も来たか!こりゃちょうど良いぞ!」

沙織「へ?私?」

アンチョビ「せっかくのパーティだ、ゲストの好きな料理を作ってやりたいが生憎私らはイタリアン専門だからな!
沙織はチャーハンとか家庭料理得意だろ?一緒に作ってくれないか!」

沙織「なーんだ、それならお安いご用だよ!」

アンチョビ「よっしゃー!パスタ&チャーハンパーティーだ!!」

イエエエエエエエエイ!!


みほ「あ、あの」

小梅「みほさん……」

エリカ「何よ?」

みほ「私も……黒森峰にいた頃、小梅さんやエリカさんと一緒にチャーハンとかハンバーグを……2人の好きなものを一緒に食べたかった。
今日は一緒に食べてくれますか?」

小梅「はいっ!!みほさん!!」

エリカ「勝手にすれば?」

みほ「ありがとう!」


まほ「あの、みほ私は?」

ケイ「まーまー、あっちは若い子に任せて大人はこっちで楽しみましょ?マホ、チョビ!」

アンチョビ「1学年差だろ。あとチョビって言うな」

まほ「わかった。遅くまで付き合って貰うぞ」

ケイ「あら?珍しく積極的ね」

まほ「もぐもぐ!」


ペパロニ「よーし!じゃあお前!乾杯の音頭だ!!」

小梅「えっ、私ですか!?私なんかがそんな大役を!?」

エリカ「ほら、言われてるんだからさっさとしなさい」

みほ「小梅さん、頑張って」


小梅「え、えっと……」

小梅「パンツァー・チャーハン!!!」

\パンツァー・チャーハン!!!/





おわり!

以上です
ありがとうございました!

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