桜守歌織「元気モリモリ桜守ーっ♪」 (33)

歌織「……なんちゃって…………ふふっ」



ガタッ

歌織「…………はっ!」

大神環「……かおり…………?」

歌織「環ちゃん!!??」





環「……みんなに教えなきゃ」ダッ

歌織「教えるって!!?? 待って! 環ちゃん!!」ダッ


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環「……」ダダダダダ

歌織「違うの! 環ちゃん!! 待って!!!」タッタッタッ

環「……」ダダダダダ

歌織「お願い! 待って!! 違うの!!! 環ちゃん!!!!」タッタッタッ

環「……」ダダダダダダ

歌織「環ちゃん! お願い!! 違うの!!! 待って!!!!」タッタッタッ



環「……」シュバババババババ

歌織「速い!!!!」

 
──────

歌織「ハァ……ハァ…………見失っちゃった……全然追い付けなかった……ハァ……ハァ……」

歌織「くっ……何が元気モリモリ桜守よ、私のばか……!」

歌織「……ハァ……どうしよう……あんな恥ずかしいところ……ハァ……ハァ……皆に言いふらされたら…………ハァ……」



  『聞いて聞いて、昨日かおりが一人でおもしろいことやってたんだ!』

    『えっ、あの歌織さんが……?』

       『こないだ誕生日だったあの歌織さんが?』

  『……プッ……「元気モリモリ桜守」……ブフッ……』

    『誕生日で浮かれちゃったのかしら』

      『もっと大人だと思ってたのに……』

    『妹が似たようなこと言ってました! 「消しカスモリモリ高槻かすみ!」って』



歌織「……子供っぽいって思われちゃう……!」

 
高槻やよい「歌織さん?」

歌織「はうっ!? やよいちゃん!?」

やよい「わっ、は、はい! やよいです!」

歌織「ごめんなさい、妹さんと似たようなこと言ってしまって……!?」

やよい「何の話です?」

歌織「いえ、なんでもないの! なんでも…… あの、環ちゃん見なかった?」

やよい「環ちゃんですか? さっきお家に帰るって言ってたんで、バイバイしてきたところです!」

歌織「そ、そうなの……帰っちゃったの……」


やよい「大丈夫ですか歌織さん? なんだかしんどそうに見えますよ?」

歌織「そ、そうかしら……確かに、ちょっと一気に疲れが……ふう……」

 
やよい「あっ、歌織さん、もしかして今日ちゃんと朝ごはん食べました!?」

歌織「えっ、朝ごはん……? そういえば今日は朝急いでたから、抜いたかも……」

やよい「ダメですよ、ちゃんと食べないと!」

歌織「うぅっ、ごめんなさい……優しい……」



やよい「とにかく、朝ごはんはちゃんと食べましょう! 朝ごはんをいっぱい食べると、元気がモリモリーって出てきますから!」

歌織「うぐっ!」

 
やよい「ほら、そうやってまた元気が出なくなるんです!」

歌織「う、そ、そうね……」

やよい「明日はちゃんと食べてくださいね! じゃないと元気モリモリーってならないですから!」

歌織「ぐぅっ……は、はい……ごめんなさい……」
 
やよい「歌織さんも元気モリモリーで頑張りましょう!」

歌織「わ、わかりました……」

やよい「元気モリモリの歌織さんでいきましょう!」

歌織「わ、わかったから! 食べます! 朝ごはん食べます!」

やよい「えへへー、じゃあ明日何食べたか教えてくださいね!」

歌織「は、はい……!」


やよい「じゃあ、私も帰って晩ごはん作らないとなんで! お疲れ様でーっす!」

歌織「お疲れ様ー…………」


歌織「……ハァ……」

 
──────

歌織「なんだか本当に疲れちゃった……ちょっと休憩……」


  『……本日は特別ゲストに、あの大人気アイドルに来ていただいてます!』


歌織「環ちゃんとは明日きちんとお話をするとして……テレビでもみて、気を紛らわせましょう……」


  『今日は……元気モリモリ久保なんですけどおおぉおぉ!!!』


歌織「テレビもやめましょう!!!!」カチッ


馬場このみ「ちょっ、歌織ちゃん!? どうしたのそんなに勢いよくテレビのスイッチ押して!?」

歌織「はっ、このみさん……」

このみ「? まあ、お疲れ様。 今日も疲れたわね」

歌織「えぇ、そうですね……とっても……」

 
このみ「……どうしたの? なにか悩み事?」

歌織「分かりますか……?」

このみ「そりゃ、そんな顔してたらねぇ?」

歌織「……お見通しなんですね……」

このみ「お姉さんを誰だと思ってるの? 何があったか知らないけど、話してごらんなさい」

歌織「…………」

このみ「…………」



歌織「…………このみさん……私、じつは……今日、レッスン室に一人でいたんです」

このみ「ほうほう。 それで?」

歌織「それで、誰もいないと思って…………私、やってしまったんです…… とっても、はしたないことを……」

このみ「はしたない…………?」



このみ「えっ!!??」

 
このみ「はしたないって……えっ!? つまり……えっ!? ナニしたの!?」

歌織「とても言えません……!」

このみ「うそ、本当にシちゃったの!? レッスン室で!?」

歌織「反省してます……!」

このみ「それはダメよ! ダメでしょう、普通に考えて……!」

歌織「うぅ……分かってます……大人としてやってはいけないことだったというのは……!」

このみ「当然よ! いくらなんでもそれは……」

歌織「やよいちゃんや育ちゃんがするならまだ許せるものを……」

このみ「それはもっとアウトよ!!??」

 
このみ「何でまたいきなりそんなことを……?」

歌織「つまり、その……どうしても気持ちが昂ぶって……何といいますか……」

このみ「うーん……そりゃあ、アイドルはストレスも溜まるし、何というか……そうやって発散することを考えるのも、同じ大人として? 分からなくはないけれど」

歌織「いえ、ステージでやってみたらウケるかなと思って……」

このみ「何考えてるの!!??」

歌織「ですよね、私みたいないい歳した大人が人前であんなことしようだなんで……」

このみ「いや、大人って言うか人間としてね……?」

歌織「そういうのが許されるのは、せいえい中学生までですものね……」

このみ「だからそれはもっとアウトよ!!!??」

 
歌織「でも、さっきはテレビで中学生の子がやってましたよ?」

このみ「テレビで!!!??」


 
歌織「どうしましょう……私……」

このみ「…………ま、まぁ……誰にも見られてないならまだセーフよ! 私も忘れるから、歌織ちゃんも切り替えて」

歌織「………………」フルフル

このみ「………………ぅそ」

歌織「…………グスッ」

このみ「…………誰?」

歌織「…………環ちゃん……」

このみ「(あっ、終わった)」

>>10訂正

歌織「そういうのが許されるのは、せいえい中学生までですものね……」

歌織「そういうのが許されるのは、せいぜい中学生までですものね……」

 
──────

このみ「……とりあえず歌織ちゃんは帰したけれど……大丈夫かしら、あの子」

百瀬莉緒「歌織ちゃんがどうかしたの?」

このみ「莉緒ちゃん」

莉緒「探してたのよ~このみ姉さん。 どう、今日久しぶりに飲みに行かない?」

このみ「……そうね、行きましょ。 莉緒ちゃんにちょっと相談があるの」

莉緒「あら、そうなの? 私でよければ何でも言って♪」

このみ「……覚悟して聞いてくれる?」





このみ「つまり……言いにくいんだけど……歌織ちゃんが、レッスン室で一人でシてたのよ」

莉緒「へぇ……」

このみ「で、それを環ちゃんに見られちゃって」

莉緒「なるほど……」

このみ「どうしようかってことなの」


莉緒「レッスン室で一人でしてた……?」

このみ「えぇ……」

莉緒「(どんな深刻な話かと思ったら……別に一人でレッスンするくらい……)」


莉緒「どこかまずいかしら?」

このみ「えっ?」

 
このみ「えっ? 莉緒ちゃん今なんて?」

莉緒「なぁんだ、姉さんがすっごく悩んでるからどんな事件なのかと思っちゃったわ」

このみ「えっ?」

莉緒「そんなの私もしょっちゅうよ?」

このみ「うっそ!!??」

莉緒「そりゃ、一緒にする相手が毎回見つかるわけじゃないもの」

このみ「一緒にする相手!!??」

莉緒「もちろん、誰かと一緒のほうがお互いに刺激もあるしずっといいとは思うけれど」

このみ「刺激!!??」

 
このみ「待って、待って。 莉緒ちゃんが意外とやり手なのは分かったわ。 だけど小さい子に見られるのはどうなの!?」

莉緒「見られる?」

このみ「環ちゃんとか……」

莉緒「あぁ、なるほど」


莉緒「確かに若い子は、一人で勝手にやりすぎると色々とよくないものね」

このみ「だからそうじゃなくて!!!!」

莉緒「間違ったやり方を覚えるのもよくないし。 むしろ一人でするときの見本ってやつをしっかり見せるべきじゃない?」

このみ「見本!!??」


 
莉緒「ええ。 私たちは大人なんだから、体壊さないようにセーブの仕方とかもある程度心得てるでしょ?」

このみ「セーブできてないって話なんですけど!!!??」

莉緒「だからそんなに心配しなくてもいいわよぉ。 姉さんは心配性なんだから」

このみ「えぇ……?」

莉緒「歌織ちゃんがそんなに気になるなら、私からも話してあげるから」

このみ「……そう…………」

莉緒「まあまあ、この話はおしまい♪ 飲みましょ飲みましょ!」

このみ「(23歳組が思いっきり爛れてる……)」

 
──────

歌織「……おはようございます……」


環「あっ、かおりおはよー!!」

歌織「ドキッ!! た、環ちゃん……」

環「ねえねえ、昨日の……」

歌織「お願い!! 環ちゃん、昨日のは忘れて……!!」

環「えー? どうして? せっかくだしみんなに見てもらおうよ!」

歌織「そ、そんなの絶対ダメよ……!」




このみ「おはようございま……ハッ! 歌織ちゃんと環ちゃん!」

環「あっ、ちょうどよかった! このみおはよー!!」

歌織「このみさん!!」

このみ「歌織ちゃん、ここはお姉さんに任せて!」

環「聞いて聞いて、昨日かおりがね……」

 
このみ「環ちゃん、あのね」

環「かおりがね、きのうレッスン室で一人でいたんだけど……」

このみ「環ちゃん、あのね、聞いて」

環「そのときにやってたのがすっごく可愛かったからもう一度見せてほしいのに、かおり見せてくれないんだ……」

このみ「環ちゃんあのね、その話なんだけど……」

環「だからたまきがかおりのマネするね!!」

歌織「イャアアアァアァ─────」

このみ「環ちゃん!! それは絶対にだめ!!!!」




環「いくぞー……『元気モリモリさくらもりーっ!』」ピョンッ



このみ「…………は?」

歌織「」

 
このみ「…………今のは何?」

環「昨日かおりがやってたの! どう! すっごくかわいいでしょ!?」

歌織「」

このみ「…………元気モリモリ桜守?」

環「うん! これ、こんどのステージでもやろうよ! ねえかおり!」

このみ「…………レッスン室で一人でしてたのがこれ……?」

歌織「うぅ……だから嫌だったのに……」



このみ「……ぁはは」


このみ「……ぁははは。 よかったぁ……」ヘナヘナ

歌織「このみさん!?」

 
このみ「私、てっきり歌織ちゃんのアイドル生命の危機かと思って……」

環「きき? ってなにが?」

歌織「うぅ……恥ずかしい……」

このみ「……歌織ちゃんの言ってた『はしたないこと』って、そういうことだったのね……」

歌織「……ごめんなさいぃ……」



このみ「…………あははははは……あはははは……!」

このみ「あはははは!! あー心配して損した!」ゲラゲラ

環「え、このみはおもしろかったの?」

歌織「うぅ……穴があったら掘りたいですぅ……」

このみ「いいじゃない! やっちゃいなさいよそれ! きっと大受けよ!!」ゲラゲラ

 
歌織「もう、このみさんまで……やめてくださいよ……」

環「たまき、おやぶんにも言ってくる!」ダッ

歌織「あっ、待ってお願い……」

このみ「いってらっしゃい! あははは! あーははは! ……いやー、そんなことで悩むなんてホント、歌織ちゃんらしいわ! あはは!」

このみ「安心したら笑いが止まらない……あははは……!」

歌織「もう……私は本気でどうしようかと……」


このみ「あー、スッキリした。 あーでも、ごめんなさいね」

歌織「?」

このみ「昨日話を聞いたとき、私つい勘違いしちゃって」

歌織「勘違い?」

このみ「そのね、てっきり歌織ちゃんがレッスン室でその……ゴニョゴニョしてたんだと思って」

歌織「ゴニョゴニョ……?」


歌織「!!??」

 
歌織「ちょっ、えっ!? もうっ、えっ!!?? このみさん!!!」

このみ「誤解だって分かったんだからいいじゃない!」

歌織「私がそんなことするわけないでしょう!! もう、このみさんったら!!」

このみ「本気でどうしようかと思って、莉緒ちゃんにもそうやって相談しちゃったもんだから」

歌織「えぇぅ!? 莉緒ちゃんに!!??」

このみ「あーほんとごめんなさい、でもよかった♪ あー疲れた……ちょっとトイレ行ってくるわね」

歌織「ちょっと、このみさん……!」

このみ「また後でねー」バタン



このみ「…………」

このみ「はー、よかったー……」


このみ「………………あれ?」

 
──────

歌織「このみさんとは食い違いだったって分かったけど……こんどは莉緒ちゃんの誤解を解かないと……」



莉緒「おはようございまーす……あら歌織ちゃん」

歌織「り、莉緒ちゃん!」

莉緒「一人?」

歌織「ええ、今は……それより、昨日このみさんから聞いた話があると思うんだけど」

莉緒「あぁ、このみ姉さんったらかなりうろたえてたっぽいけど」

歌織「あれ、違うの! 誤解なの!」

莉緒「まあまあ歌織ちゃん、そんな慌てなくても大丈夫よ♪」



莉緒「ここだけの話、私もよく一人でしてるから」

歌織「……へ?」

 
莉緒「ねー、姉さんったらまるで悪い事してるみたいに言うんだから」

歌織「……へ?」

莉緒「だってそうでしょ? 私たちは大人なんだから、たまにはレッスン室で一人の空間を楽しみたいときもあるじゃない?」

歌織「……へ?」

莉緒「いやーそこんとこ、仲間がいて嬉しいわ。握手握手♪」ギュッ

歌織「……へ、」

莉緒「そうだ、一人でするもの同士、今度一緒にどう? 二人でなら良いところも悪いところも見つけやすいだろうし」

歌織「……へ、」

莉緒「たまには大人同士、飲みだけじゃなくてそういう風に過ごすってのも悪くないと思って」

歌織「……へ、」

莉緒「へ?」



歌織「莉緒ちゃんの変態!!!!!!!」

莉緒「えっ!!!!????」

 
歌織「誤解だと言おうとしたのに!!!!」

莉緒「まって、どうして私が変態なの!!??」

歌織「変態以外の何者でもありません!!!」

莉緒「ええぇぇ……!?」



  ギャーギャー

    ギャーギャー



このみ「……これ私のせい?」


終わり

歌織先生焦り方も含めてかわいいなあ
乙です

>>1
桜守歌織(23) An
http://i.imgur.com/9bBTslk.png
http://i.imgur.com/ah2Judv.png

大神環(12) Da/An
http://i.imgur.com/5fO8UEL.png
http://i.imgur.com/kz0cmln.jpg

>>4
高槻やよい(14) Da/An
http://i.imgur.com/zO8Mj8i.jpg
http://i.imgur.com/pa87Eqk.jpg

>>7
馬場このみ(24) Da/An
http://i.imgur.com/nvVe5ru.jpg
http://i.imgur.com/F9ukoPA.png

>>13
百瀬莉緒(23) Da/Fa
http://i.imgur.com/ZZv5cN0.png
http://i.imgur.com/aX2AbEG.jpg

ほんとうにミリマス大人組はポンコツかわいいですね

お付き合いありがとう

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