モバP「エイプリルフールだし、アイドル達にクッキーをあげようと思う」 (10)


本田未央にクッキーをあげようと思う。

俺は最初、そう思って、事務所を訪ねた。

だが、

「あーー!」

クッキーを持ってくるのを忘れたのだ。

どうしよう!これでは、クッキーをあげられない。

「どうしたんですか?」

そんなとき、島村卯月が俺に話しかけてきた。

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「あー、クッキーを本田未央にあげようと思ったんだが、忘れてしまってな」

「それなら作りましょう!」

それはいいな

島村卯月の提案で、俺はクッキーを作ることにした。

「未央ちゃんにクッキー作るのは構いませんけど、私の分は無いんですか?」

「なにっ」

島村卯月の少し怒ったような顔に、俺はそうだ、と言いなおした。

「ああ、そうだな。卯月の分も作ろう」

「はいっ!」

そうして、作っていると、誰かが横から、ひょいと顔を覗かせる

「なにしてんの?」

渋谷凛だった。

おお、結構人が集まってきたな

俺はクッキーを作ることに、ワクワクし始める

「凛もクッキーつくらないか。凛の分もあるぞ」

「いいけど」

渋谷凛は髪をさっと払った

「でも、何でクッキー作ってるの。なんか珍しいから気になった」

「ああ、それはだな、アイドル達にクッキーをあげようと思ってな」

「プロデューサーさん、クッキーを持ってくるのわすれちゃったんだって」

島村卯月が横から、からかうように口を挟み、

「なるほど」

と、渋谷凛は頷いた。

「せっかくだし、クッキーつくる経験があってもいいかもね」

「お、いいな、凛。じゃあ作ろうか」

器具を用意し、卵を割ってかき混ぜていると、

島村卯月がふと考える仕草をしながら言った。

「どうせなら、食事会のようなものにしてもいいですね」

なるほど、それはいいかもな

「それなら、ジュースとかも用意しないと」

凛もノリノリのようだったので、俺は聞いた。

「たとえば、どんなジュースがいいか?」

「うーん」

渋谷凛は少し考えて言う

「特に、飲めれば何でもいいけど」

そう言う渋谷凛に、俺は、この際アイドル達のことを、いろいろと聞いてみようと思った。

「凛は野菜ジュースとかは好きか?」

「野菜ジュースですか。まあ、好きだけど」

「ええー、野菜ジュースですか。プロデューサーさん、こういうときは炭酸ジュースがいいです」

島村卯月が少し物足りなさそうに言う

そうだなあ、食事会といったらそうだよな

「じゃあ、炭酸にするか?」

すると、渋谷凛が少し小声で言った。

「私は…野菜ジュースでもいいけど」

渋谷凛は続ける

「炭酸でも、野菜でも、プロデューサーが良いと思うなら、それで…」

「凛ちゃん?」

島村卯月が、少しキョトンとした顔をする

「プロデューサーがクッキーを作るんだから、プロデューサーに選んでもらおうよ」

俺は頷いた。

「わかった。確かに、クッキーを作るのは俺だな。俺が選んで買ってくるよ」

俺は事務所を出て、スーパーへ向かった。

スーパーで、野菜ジュースを見ながら俺は思った。

せっかくの食事会だから、パッと炭酸を飲みたいアイドルもいるだろう

たまには、それくらいはいいんじゃないか。

俺は炭酸ジュースを買うと共に、野菜ジュースも買った。

事務所に戻ってクッキーを作り終えた俺達は、本田未央が事務所に来て、食事会が始まると同時に、

プシュッと炭酸ジュースの蓋をあける。

「乾杯だー!」

そう言って、乾杯するなか、俺は渋谷凛に聞いた。

「凛は野菜ジュースは飲むか。一応買ってきたんだが」

渋谷凛は少し驚いたような顔をしながらも、頷いた。

「ちゃんと聞いててくれたんだね。ありがとう」

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