「電気」
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ピャーーン ゴロゴロ
穂乃果「うわぁ。雷、凄っ…」
希「良かったなぁ。タッチの差で店に入れて」
凛「まさか、こんなに荒れるとは思わなかったにゃ」
穂乃果「ねぇ」
希「いやいや、天気予報で言ってたやん」
穂乃果「言ってたっけぇ?」
凛「天気予報じゃなくてカードが言ってたんじゃないの?だから希ちゃんしか傘持ってないんだよ」
穂乃果「穂乃果達カードが言ってる事分からないもんね~?」
凛「ね~」
希「もう二人共傘に入れてあげないから」
穂乃果「えー。ケチだなぁ」
凛「ケチだにゃ~」
ピシャーーーン バリバリバリ
穂乃果「うわぁ。ビックリしたぁ」
希「凄い音やなぁ。ゴロゴロどころかバリバリ言ってたなぁ」
凛「凄いにゃ…雷…」
穂乃果「だね。なんか…あれだけ凄い雷なんだしさ…あれをなんか充電とか出来れば発電所とかいらないんじゃないの?」
凛「たしかに。そうすればなんか…節約になりそうだよね。なんかの節約に」
希「そんな単純な話じゃないと思うけど」
穂乃果「え?そうかな?」
希「ウチも別に詳しい訳ではないけど」
穂乃果「そうなんだ。まあ、電気ってイマイチよく分からないからね。授業で習ってもちんぷんかんぷん」
希「確かに難しいよね。目に見えないしねぇ」
穂乃果「いや…目には見えてるじゃん。雷も見えるしスイッチつければ家の電気もつくじゃん。ね?」
凛「うん」
希「いや…あのな。それはまた違う話しで…基本的に電気って目には見えないと思うよ」
穂乃果「…希ちゃんが言ってる意味が分からないんだけど」
凛「じゃあ、どうやって電気があるかどうかって判断するの?感?それとも霊能力者みたいな人がいるの?」
希「それはなんか…テスターとか使って判断するんやろ?」
穂乃果「テスター?」
希「理科の実験で使ったやろ?」
穂乃果「そうだっけ?」
希「そうやん」
穂乃果「そうかぁ。理科の時間とかちんぷんかんぷん過ぎて何も考えてないからなぁ」
凛「あっ!凛も同じ!」
希「二人共思考回路がショートしてるやな」
「UMA」
にこ「絶対に嘘よ」
穂乃果「嘘じゃないってば」
にこ「じゃあ、あんたの勘違いよ」
穂乃果「勘違いじゃない。見たもん。確かにツチノコだったもん。ことりちゃんは信じてくれるよね?」
ことり「え?」
穂乃果「信じてくれないの?」
ことり「そうじゃなくて」
にこ「いい歳してツチノコ居たもんとか…。お笑いよ」
穂乃果「笑ってればいいじゃん。本当に居たんだからさ。しってる?ツチノコ見つけたら賞金貰えるんだから。賞金貰ってもにこちゃんには何も奢ってあげないし」
にこ「いりません~」
穂乃果「もう絶対ににこちゃんには何も奢ってあげないからね。ことりちゃんには美味しいチーズケーキ食べさせてあげるからね~」
ことり「あ、ありがとう。楽しみにしてるね」
にこ「ことり。あんたも信じてないんでしょ? 」
穂乃果「え?そうなの?」
ことり「そ、そんな事ないよ」
にこ「い~や。私には分かるわ。ことりはツチノコの存在なんて信じてない」
穂乃果「なんでにこちゃんはそんなに否定するのさ」
にこ「逆にあんたは何でそんなに自信満々なのよ」
穂乃果「見たから」
にこ「ふ~ん。じゃあさ、もし居なかったらどうする?」
穂乃果「どうするって?」
にこ「そうねぇ。じゃあ、居なかったら逆立ちしながら校庭5周なんてどう?」
穂乃果「いいよ。しかも裸で鼻からスパゲティも食べてあげるよ」
ことり「穂、穂乃果ちゃん…やめた方が」
穂乃果「どうして?」
にこ「あんたやるハメになるのよ?」
穂乃果「ならないよ。何故なら本当に居るからね。ツチノコは。自分から言っておいて何を言ってんのさ。楽しみにしてなよ」スッ
にこ「ちょっと。どこ行くのよ」
穂乃果「ドリンクバー」
にこ「ことり…。あんた、本当は信じてないんでしょ?」
ことり「あの…私は穂乃果ちゃんが嘘ついてるなんて思ってないの。本当だよ」
にこ「でも…ツチノコの存在は?」
ことり「えっと…」
にこ「でしょ?」
ことり「あの…居なかったら本当に穂乃果ちゃんに…その…」
にこ「やらせる訳ないでしょ。そんな事。冗談で言ったのよ」
ことり「だよね」
にこ「当たり前じゃない」
「夢の話」
花陽「誰か助けてぇ」
絵里「叫んでも無駄だぜ」
穂乃果「それはどうかな?」
絵里「誰だ?」
穂乃果「名乗る程の者じゃないよ。ただの通りすがりのスクールアイドルさ」
絵里「何でスクールアイドルがこんな所を通りすがるのよ!助けに来たんでしょ!」
穂乃果「さあね。直ぐに分かるさ」
穂乃果「って言う夢を数学の時間に見たんだよ」
絵里「人の夢の話程つまらないものはないわね。しかも、私が悪役…」
穂乃果「いや~絵里ちゃん迫真の演技だったよ。受賞もの!」
絵里「何言ってんのよ、全く。授業中に居眠りしてた事を自慢げに話すんじゃないの。海未に怒られるわよ?」
穂乃果「心配ご無用。既に!」
絵里「怒られてるのね」
穂乃果「うん」
絵里「でも本当に知らないからね。そうやって取り残されてくんだから」
穂乃果「その時は頼むよぉ」
絵里「知らない」
穂乃果「とか言って~。困った時は助けてくれるくせに~」
絵里「そうなのよね。なんだかんだで甘やかしてしまうのが私の悪い所なのよね」
穂乃果「えへへ~。そんな絵里ちゃんが大好き~。夢の中では酷いことしてごめんね」
絵里「はぁ。またそうやって…。笑顔に弱いのよね…本当駄目ね、私」
穂乃果「そんな事ないってぇ。こうやってさ。ファミレスにも付き合ってくれて穂乃果は嬉しいよぉ」
絵里「そうですか。良かったわね」
穂乃果「うん。よかった」
絵里「所で…今日は何で二人だけなの?」
穂乃果「今更?何?穂乃果と二人は嫌なの?穂乃果とは遊びだったの?」
絵里「うん」
穂乃果「酷い……。海未ちゃんもことりちゃんもなんか部室来なかったからさぁ。どこ行ったのかなぁ?一年生は社会科見学行ってるしねぇ」
絵里「連絡してみれば良かったじゃない」
穂乃果「昨日充電しなかったんだよね」
絵里「そう。まあいいけど」
海未「成る程。そう言う事ですか」
絵里「あっ!?」
穂乃果「え?この声は…海未ちゃん?」
海未「たまたま通りかかっただけです」
穂乃果「いや…ファミレスを?なんで?」
海未「なんで?さあ?なんでだと思います?」
穂乃果「えっと…」
海未「まあ。直ぐに分かりますよ。生徒会の仕事をサボった生徒会長さん」
穂乃果「へ?……あっ?!」
海未「さて。説明して頂きましょうか」
穂乃果「…絵里ちゃん…助けて…」
絵里「自業自得じゃない」
穂乃果「全然甘くない…誰か助けてぇ」
絵里「ある意味…正夢なのかしらね」
「リリホワ」
凛「ふあ~」
希「大きなあくびやなぁ」
凛「うん。……ねえねえ」
海未「どうしました?」
凛「ビピンパロットって知ってる?」
海未「は?え?何ですか?」
凛「えっと…ビピットポロット」
海未「いえ…聞いた事も」
凛「え~知らないのぉ?」
海未「全く」
凛「知らないんだぁ」
海未「い、いけませんか?」
希「まあ、普通は知ってるやんな?」
凛「え?」
希「ん?どしたん?」
凛「な、何でもないよ。そうだよね。普通は知ってるにゃ」
希「まあ女の子やったらなぁ」
海未「え?そうなんですか?」
希「一度は使った事あるよね?」
凛「え?使った事?」
希「え?あるやろ?もしかして」
凛「あるよ!もちろん使った事あるにゃ」
海未「待って下さい。私、使った事ないのですが」
希「あ~そうなんや。まあ、でも海未ちゃんは必要ないかもなぁ」
海未「え?」
凛「え?」
希「ん?凛ちゃんもそう思わない?」
凛「え?あっ、うん。海未ちゃんは使わなくても大丈夫だよね」
海未「どうして私は使わなくていいのですか?皆んな持ってるものなのですか?」
希「今は持ってないんよ」
凛(希ちゃん…凛がテキトー言ってるの分かってて乗ってきてるにゃ。こうなったら…)
凛「希ちゃんは何味を一番使ってたの?」
希「味?」
凛「うん。凛は…よくイチゴ味を使ってたにゃ」
海未「え?味があるのですか?食べ物?でも使うって…リップクリームの様な物なのですか?」
希「ウチはアレやなぁ。テリヤキかなぁ」
凛「テリヤキ?」
希「うん。一番人気やろ」
凛「あっ、そうだったね。でも、凛の学年だとコンポタが一番だったかなぁ」
希「あ~…そうなんや」
海未「え?テリヤキにコンポタって?うまい棒ですか?うまい棒の事なんですか?」
凛「違うよ。ピケロポットの話だよ」
海未「さっきはピロットポロットって言ってませんでした?」
凛「えっと…」
希「出してるメーカによって呼び方がちょっぴり違うんよな」
凛「あっ、そうそう」
海未「へぇ。そうなんですか」
凛「でも、あれって本当に可愛いよね」
希「可愛いなぁ。ピケロポット。今度映画化もするしな」
凛「あ~…そうだよね。うん。今度皆んなで観に行こうよ」
海未「ちょっと待って下さい。えっと…整理していいですか?あの…女の子なら知っていて…けど、私には必要ないもので…味があって…しかもイチゴからテリヤキまで…それで今度映画化するんですよね?」
凛「うん…」
海未「なんなんですか?ピケロポットって何なんですか?」
希「あ~…海未ちゃん。そんなに公共の場で大きな声で言うのは…ちょっと恥ずかしいかな」
海未「え?恥ずかしい?だって…さっきまで二人も…恥ずかしい…恥ずかしいものなのですか?」
凛「あの…うん。 恥ずかしいにゃ…」
海未「さっきまで言ってたのに?」
凛「そんな大きな声で言ってるつもりはなかったけど」
希「海未ちゃん。ね?」
海未「私はそんなに恥ずかしいことを?」
希「うん」
海未「そ、そんな…」カァァァァ
凛「でもさ、まあ」
海未「やめましょう」
凛「え?」
海未「その話はやめましょう。恥ずかしいです」ガタッ
凛「え?海未ちゃん?どこ行くの?」
海未「ど、ドリンクバーです」
凛「そっか」
希「グラスを持ってかないで行っちゃったね」
凛「ね~」
希「やっぱり海未ちゃんって可愛いなぁ。何でもない事なのに顔を真っ赤にしてたね。なんだと思ってるんやろ?」
凛「でもお陰で助かったよね。そろそろ収拾がつかない頃かなぁって。希ちゃんが変な事ばっかり言うから」
希「いや~凛ちゃんをからかう予定やったんだけどね」
凛「海未ちゃん調べるかな?」
希「調べないんやない?恥ずかしい事だと思ってるから」
凛「だよね。まあ…なんにせよ凛からしたら海未ちゃんさまさまにゃ」
「クール」
穂乃果「は~クリームソーダって美味しいなぁ。ねえ?」
真姫「そっ」
穂乃果「美味しいよね?メロンソーダにアイスを入れるなんて…天才の発想だよね」
絵里「まあ、一度に二度味わえるものね」
穂乃果「だよね!だって?」
真姫「そっ」
穂乃果「………真姫ちゃんになぞなぞクイーズ!」
真姫「は?」
穂乃果「世界で一番おバカな生き物は何でしょう?」
真姫「穂乃果」
穂乃果「ブッブー、ハズレ。あのさ…即答でその答えはおかしくない?これなぞなぞだからね?もう一回よ~く考えて!」
真姫「……………………穂乃果」
穂乃果「よ~く考えても?」
真姫「知らないわよ」
穂乃果「何で今日そんなにツンケンしてるの?え?何で?もしかして今日…」
真姫「何?」
穂乃果「何でもありません」
絵里「ねえ?答えはなんなの?」
穂乃果「はあ。真姫ちゃんは冷たいし……そんな真姫ちゃんには~耳元でふぅ~」
真姫「やんっ」
穂乃果「おっ!」
真姫「何すんのよ!!!」
バチン
穂乃果「痛ぁぁ。ええっ!?な、殴ったぁ…」
絵里「あら」
真姫「ほ、穂乃果がいけないんだからっ。穂乃果が…私は…別に暴力を振るうつもりなんてなかったのに…」ジワっ
穂乃果「えっ!?真姫ちゃん??」
絵里「普段手をあげる事なんて絶対にしないから自分でやって驚いちゃったのね。まさに殴った方も痛いってやつなのかしら?本来と使い所が違うけど」
穂乃果「ええ…そんな事って…」
絵里「まあ、そもそも穂乃果があんな事したのが原因なんだから謝りなさい」
穂乃果「いや…うん…そうだけど。正論だけど…殴られた上に…謝るの…?」
「恋」
絵里「本当…二人ともよく食べるわね。特に花陽」
凛「育ち盛りだもん」
花陽「食べたい時に食べないと力がでないよね?」
絵里「花陽は少し食べ過ぎの様な気もするけどね」
絵里「で?私に聞きたい事って何?」
凛「あっ!そうだ忘れてたにゃ」
絵里「忘れる様な事なの?」
凛「ん~…大事な事だよね?」
花陽「え?う、うん。そうだね」
凛「あのね、絵里ちゃん」
絵里「うん」
凛「恋って何?」
絵里「へ?」
凛「だから。恋って何なのかな?」
絵里「え?何?ちょっと待って…。好きな人でも出来たの?」
凛「凛じゃないんだけどね」
絵里「花陽?花陽なの?」
花陽「ち、違うの」
絵里「ちょっと待ってよ。何?μ'sのメンバーの話なの?」
凛「μ'sでは…」
絵里「じゃあ何?」
花陽「あのね、今日の昼休みにクラスの子が彼氏さんと喧嘩したって泣いてて」
凛「真姫ちゃんの前の席の子なの。真姫ちゃんも困惑してたにゃ」
絵里「な、なるほど」
凛「その子の恋人は何回も浮気をするんだって」
絵里「最低じゃない」
凛「それでも優しい所とかもあって許しちゃうんだって。でもさ、辛い思いまでしてそれでも好きって…人の気持ちって…恋って難しいね~って皆んなが言ってて」
絵里「えっと…それで私に?」
凛「希ちゃんに聞いたらそう言う話は大人な絵里ちゃんに聞いてって」
絵里「希…勝手な事を…」
凛「希ちゃんも困ってた」
絵里「まあ…。希だって経験ないしね。決めつけは良くないけど…。あのね…私もそんなに経験とかないのよ?」
凛「そんなにってどれくらい?」
花陽「凛ちゃん…。あんまり…」
絵里「本当に…あの。そんなによ?ずっと恋人とかいないし」
凛「ずっと?ずっと前は居たの?」
絵里「いや………居た事ないし………ほ、ほら?あっちの生活長かったし………こっちに来てから女子校だしね。生徒会とかで忙しかったし…」
花陽「そ、そうだよね」
凛「じゃあ、凛達とあまり変わらないんだね」
絵里「そうね…。うん…。そうよ!凛と一緒よ!私に恋は語れない……。私にとって恋はただの憧れ…」
凛「憧れ?」
絵里「そう…いえ。憧れてるのかどうかすら分からない。私にとってはまるでおとぎ話の様なもの」
凛「なんかスイッチ入っちゃったにゃ」
花陽「そ、そうだね」
凛「結局恋って何なのかなは分からなかったね」
花陽「きっと大人になる過程で分かってくるんじゃないかな?」
凛「ん~そうかな?実は大人でも分からないんじゃないかって思って来たよ」
花陽「ん~…そうかもね」
凛「うん。とりあえず絵里ちゃんが自分に酔ってるのは分かるにゃ。恋は人を変にするなんて良く言った物だにゃ」
花陽「絵里ちゃんは別に恋はしてないと思うけど…」
「オムライス」
穂乃果「お腹~お腹~お腹が空いた~」
真姫「恥ずかしいからお店で歌わないでよ」
海未「これが穂乃果なんです」
穂乃果「だってお腹空いたんだもん」
真姫「へ~お腹空いたら歌うの」
穂乃果「スクールアイドルだからね」
真姫「スクールアイドルが変な誤解を受けるからやめた方がいいわよ」
穂乃果「え~」
真姫「え~じゃないわよ。全く」
穂乃果「まあいいや。とにかくお腹が空いたし」
真姫「オムライスでしょ?」
穂乃果「なんで分かったの?エスパー?」
真姫「来る前に散々言ってたじゃない。オムライス食べたいって」
穂乃果「そうだっけ?」
真姫「数分前の事じゃない」
海未「真姫、これが穂乃果なんです」
穂乃果「いや~無意識に口にしてたんだねぇ」
真姫「ほんと、思った事をすぐ口にするのね」
穂乃果「えへへ~。そうなんだよね。まあ、いいや。二人は決まった?」
海未「私は鯖の味噌煮定食で」
真姫「私はトマトソースパスタ」
穂乃果「好きだね、トマト」
真姫「いいでしょ別に」
穂乃果「悪いとは言ってないよ」
ピンポーン
穂乃果「喋ってる途中なのに…」
海未「なかなか終わりそうになかったので」
店員「はい」
海未「オムライスと鯖の味噌煮定食。トマトソーススパゲッティを一皿お願いします」
店員「かしこまりました」
穂乃果「そう言えばさ」
海未「何ですか?」
穂乃果「この三人の組み合わせって意外と珍しいよね」
真姫「そう?」
海未「確かにそうですね」
穂乃果「でしょ?この三人ってさ…」
店員「お待たせしました。オムライスのお客様」
穂乃果「あっ!早い!私です!いえ~い、オムライス~。ふぅ~」
真姫「本当、幸せそうで羨ましいわ」
海未「穂乃果ですから」
穂乃果「ん?」
海未「どうしたのですか?」
穂乃果「いや…あれ?オムライス…あれ?これ…デミグラスソース…」
真姫「何よ?」
穂乃果「いや…前はケチャップのオーソドックスなオムライスだったのに」
海未「メニューにはそれと同じ写真が載ってますが?」
穂乃果「え~…嘘?変わったのかな?」
真姫「確認してから注文したんじゃないの?」
穂乃果「何回も食べてるから確認なんてしてないよ」
穂乃果「おかしいなぁ。ここのオムライスは変に凝ってないのが良かったのになぁ。なんで変えちゃうかなぁ」
真姫「確認しないで注文するからそうなるのよ」
穂乃果「でもさぁ…」
真姫「全く。何やってんだか」
海未「穂乃果は変わりませんね。昔から…」
「喧嘩」
絵里「にこ!?」
にこ「何よ?」
絵里「今日、職員室で先生に言われたの。部室の私物化はダメだって。私、怒られたのよ?」
にこ「私物化?してないけど」
絵里「じゃあ、あの大量に置いてあるアイドルグッズは何?」
にこ「資料よ。研究資料」
絵里「あれで研究してる所なんて見た事わよ」
にこ「あんたが見てない所でしてるのよ」
絵里「へ~いつ?」
にこ「だからあんたが見てない所って言ってるでしょ」
絵里「だからそれがいつなの?それは必要な事なの?」
にこ「必要なのよ。職員室でもそうやって答えれば良かったのよ。全く…機転が利かないと言うか…」
絵里「なんですって~希!!あなたからも言って頂戴」
希「ん?あ~あかんよ、にこっち」
にこ「でたっ!?困ったら希。すぐ泣きつくんだから」
絵里「泣きついてなんかいないじゃない」
にこ「泣きついてるわよ。にこが言う事聞いてくれないよ~助けて~のぞえもん~って」
絵里「何…そのムカつくモノマネは」
にこ「図星だからムカつくのよ。ねえ、希?」
希「ん~」ポチポチ
絵里「そんな事ないわよね?」
希「ん~」ポチポチ
にこ「あんた…聞いてる?」
希「聞いとるよ~。確かに美味しそうやね~」
にこ「聞いてないじゃない!」
絵里「さっきから何してるのよ?」
希「ん~」ポチポチ
にこ「スマホいじるのやめなさいよ。何見てんのよ」
希「あ~ネットの記事」
にこ「ネットの記事?……真夏の心霊特集って…」
絵里「友達とファミレスに来てるのになんてものを見てるのよ…」
にこ「せめて真夏に見なさいよ」
希「だって二人がなんか言い争ってるから」
絵里「だからって…」
希「えりちも見る?」
絵里「いい。見ないし聞かないし」
希「そっか…」
にこ「何?あんた…もしかして怖いの?」
絵里「こ、怖くなんてないわよ」
にこ「図星ね。高校生にもなって…お子ちゃまね」
絵里「はあ?誰がお子さまなのよ」
にこ「あんたよ」
絵里「私がお子さま?自分の事を棚にあげて…」
にこ「誰が棚にあげてるのよ?」
絵里「自分の胸にきいてみなさいよ。そのあるかどうか分からない胸に」
にこ「言ったわね…あんた…言ってはいけない事を言ったわね」
絵里「なあに?だったらなんだって言うの?だいたい、にこの態度がそうさせたんだからね」
にこ「あんた…私を怒らせたら怖いからね」
絵里「どう怖いのかしら。教えて欲しいわね。スーパーアイドルさん」
にこ「泣きべそかいても知らないからね」
絵里「やってみなさいよ」
希「まあまあ、二人とも口だけで挑発し合っててお互い何にも出来ないんやから。そーやっててもラチがあかないやん?」
にこ「何よ?今更急に割って入って」
絵里「って言うか希が一番ひどい事言ってるけど」
にこ「確かに…。で、何なのよ?」
希「この心霊特集を見続けて先に驚いた方が負けってのはどう?」
にこ「はあ?なんでそうなるのよ」
絵里「そうよ!関係ないじゃない。私は嫌よ」
希「だってどっちが子供っぽいかって事で揉めてるんやろ?まあ、そんな事で揉めてる時点で既に子供っぽいのかもしれんけど」
にこ「誰がよ!」
絵里「そうよ。だいたいそんな事で揉めてなんかいないわよ。私はあくまで部室の件で注意してるだけだから」
希「その割には子供挑発を繰り返してたやん」
絵里「それは…流れってもんがあったでしょ」
にこ「そうよ。ちゃんと話を聞いてなかったくせに途中から入って来ないで欲しいわね」
絵里「だいたいね、なんで心霊動画を見れないと子供なのよ。そんなの得意不得意はあるでしょ」
にこ「そうよ。絵里の言う通り。そう言う事言ってる方が子供なのよ。ね?」
絵里「そうね」
希「なんや?二人とも仲直りしたん?」
にこ「は?誰が…いや…やめましょう。なんか…バカらしくなって来たわ」
絵里「そうね。今日のところは希の策にまんまと乗ってあげましょう」
にこ「まあ…部室は…ちゃんと片付けるから…もうすこし待ってよ。花陽に譲るのとか選別しなきゃだし」
絵里「ええ…。そうしてくれると助かるわ」
希「雨降って地固まるって奴やね。よっしゃ、仲直りした事やし三人で心霊特集見ようか!」
絵里「嫌よ。なんで地固まった所にまた雨を降らすのよ」
にこ「これだから6月生まれは…」
希「それは関係ないけどな」
「ライバル」
穂乃果「例えばの話なんだけどさ~」
海未「何です?また何かやらかしたのですか?」
穂乃果「違うよ!!!例えばって言ってるじゃんか。何でイキナリ穂乃果の行動を疑うの?」
海未「す、すいません。つい…」
穂乃果「ついって…。酷いよね、ことりちゃん?まさか…ことりちゃんも疑ってた?疑われる様な事何一つしてないけど」
ことり「疑ってないよ」
穂乃果「だよね?さすがことりちゃんは分かってる」
海未「それで例えばの話は何だったのですか?」
穂乃果「えっとさ、私達もきっとこの先、いつか誰かと恋をして大人になっていくと思うんだ」
海未「は?」
ことり「ええ!!?穂乃果ちゃん…す、好きな人が出来たの?」
海未「ど、どこの誰ですか?年上ですか?年下ですか?」
ことり「中学校の同級生とか?だって…他に男の子と接点なんてないよね?もしかして…」
穂乃果「もしかしても何もないよ!例えばって言ってるじゃん。最後まで人の話を聞いてよ」
海未「そ、そうですか。てっきり…」
ことり「ごめんね。早とちりしちゃって…」
穂乃果「いや…良いんだけどさ。紛らわしい言い方した私も悪いしさ。昨日ドラマ見ててさ」
ことり「ドラマ?」
穂乃果「うん。もし、二人に好きな人が出来てそれが私が好きな人と同じ人だったらどうする?」
海未「穂乃果と同じ人を?」
穂乃果「そう。同じ人を好きなったら。海未ちゃんは私やことりちゃんを蹴落としてまでその人と結ばれたい?」
海未「二人を蹴落としてなんて。そんな事…」
ことり「私も二人を蹴落としてなんて…そんなのは…」
穂乃果「だよね」
ことり「けど、もし本当にそんな時が来たなら…その時は私は二人と正々堂々と戦いたいな。二人は私の一番の友達だから…だからこそ…」
海未「ことり…。そうですね。もし、その時が来たら…。その時は正々堂々と!」
穂乃果「うん。正々堂々と!」
ことり「うん!!!けど…その時はいつ来るかなぁ?」
海未「え?さ、さあ?そのうち…いずれ…」
穂乃果(ん?んんん??あれ?三人で頼んだピザ…残り一枚…いつの間に…。それに反して穂乃果のお腹は腹5分くらい)
海未「と、取り敢えず!今はラブライブ優勝ですから!他の事にかまけている余裕はないはずです!」
ことり「そうだね。まだ当分先の話になりそうだね」
海未「そう言う事です」
穂乃果(やはり…最低でも腹8分目までには満たしておきたいなぁ。最後の一枚…食べても良いかなぁ…でもなぁ…半分くらい一人で食べてるんだよなぁ)
海未「さて…」
穂乃果(やはり…ここは正々堂々とジャンケンをするべきなのか…黙って食べちゃうか…。でもなぁ…ジャンケンにすると勝つ確率より負ける確率の方が高しなぁ。高いよね?だって二人に勝たなきゃいけないんだもんね?ん?何パーセントだろう。勝つ確率って何パーセントだ?)
海未「ピザ…最後の一枚…」
穂乃果(どうなのかな。挑戦すべきなのか。黙って食べてしまうべきなのか。悩む…悩むなぁ…)
海未「ことり、一枚しか食べてないでしょう?」
ことり「え?あっ、うん」
海未「食べて下さい。穂乃果、いいですよね?」
穂乃果「へ?あっ、うん。もちろん」
ことり「じゃあ、お言葉に甘えて。頂きます」
穂乃果「へ?あれ?」
海未「どうしました?」
穂乃果「いえ…うん。あとちょっとで穂乃果は道を踏みはずす所だったよ」
海未「何を言ってるのですか?」
「金欠」
凛「ラーメンおいしいにゃ~」
穂乃果「…」じぃ~
希「穂乃果ちゃん…何にも食べんの?」
穂乃果「サイフの中には五百円玉が一枚~サイフを叩いても五百円玉は一枚…何も増えず…ビスケットの様にはいかないね…」
凛「両替ならするよ?」
穂乃果「小銭を増やしたい訳じゃないの…まだ今月15日も残ってるのに…五百円しかないんだよ」
凛「え?なんで?」
穂乃果「さあ…」
希「なんでそんな簡単にお小遣いがなくなるん?」
穂乃果「なんでだろう…」
凛「穂乃果ちゃん買い食いが多いんだよ」
希「漫画とかもよく買ってるもんなぁ」
凛「絶対に要らない物とかも衝動買いしたりするでしょ?」
穂乃果「例えば?」
凛「イメージだけど」
穂乃果「イメージで言わないでよ。要らない物は買わないよぉ」
希「じゃあ、今月は何に使ったん?」
穂乃果「ん~…お菓子…漫画…それから…お菓子…ファミレス…」
希「やっぱり食べ物やん。花陽ちゃんとごはんやにも行ってるやろ?こっそりと」
穂乃果「え?知ってるの?」
凛「海未ちゃん怒ってたよ?」
穂乃果「え?もしかして怒られるの?」
凛「多分ね」
穂乃果「そんな…金欠で苦しい上に海未ちゃんに怒られるの?しかもこちとら体重増えてるんだからね」
希「全てにおいて自業自得やん」
穂乃果「そんな事言わずにさぁ。助けてよ」
凛「お金を貸せって事?」
穂乃果「違う、違う。そんな事は言わないよ。お金の前に信用無くなっちゃうでしょう。そうじゃなくて、海未ちゃんの方ね」
希「そんな自ら火の粉を被る様な事はしたくないなぁ」
凛「ね!」
穂乃果「そんなぁ。友達じゃん」
凛「そんな事言ったって海未ちゃん怖いもん。身を持って知ってるんだから」
穂乃果「そこをなんとか」
希「仕方ないなぁ。それとなくフォローしてあげるよ」
穂乃果「本当!流石、希ちゃん!」
希「うん。一回五百円な!」
穂乃果「お金取るの!?サイフ空になっちゃうよ!」
希「じゃあ、覚悟を決めて…」
穂乃果「も~意地悪ぅ」
希「まあ、冗談は半分くらいにしておいて」
穂乃果「二百五十円は取るの?」
希「取らないけど反省はせなあかんよ。今回だけやからね?」
穂乃果「うん。分かったよ。はあ…何にせよ。今月五百円はキツイなぁ。お母さん貸してくれないかなぁ。貸してくれないだろうなぁ。お母さん厳しいからなぁ」
希「そりゃあ、そうやろ。大蔵省なんやから」
穂乃果「やっぱり、お父さんかなぁ。お父さんにお願いするしかないなぁ。うん。パパ活をやるしかない!」
希「穂乃果ちゃん…それは…ダメやろ…本当にアカンて」
穂乃果「え?やっぱりダメかな?」
希「ダメや…言葉選びが…」
「宇宙」
花陽「ふう。美味しかったです」
凛「かよちん。今日もいっぱい食べたね」
絵里「本当よく食べる。感動すら覚えるわ」
花陽「うん。練習でいっぱい動いたからお腹空いちゃって」
凛「まだまだ食べれそうだよね」
花陽「ん~…でも、今はこれが精一杯」
絵里「ルパンみたいに…。良かったわ。腹8分目とか言い出さなくて」
花陽「そんな、流石の私でも言わないよぉ」
絵里「いや…花陽じゃ分からないわよ。って言うか…これだけ食べてよくその体型でいられるわよね」
凛「確かに…。凛もずっと不思議だったにゃ」
絵里「まあ、ダイエットする事はあったけど…それでも普段食べてる量を知ってるから…よくあれですんだなぁって感心しちゃうわ」
花陽「でも…皆んなに比べたら」
絵里「でも男の人からしたら花陽くらいが一番理想なんじゃないかしら?私も思わず抱き着きたくなる時あるし」
花陽「そ、そうかな?」
絵里「うん。まあ、それは置いといて…。本当…花陽の胃ってどうなってるのかしらね」
花陽「そんな…普通だよぉ」
凛「もしかして宇宙に繋がってるとか?」
花陽「凛ちゃん…そんな訳ないよぉ」
絵里「なに馬鹿な事言ってるのよって…あながち全否定出来ないのよね。宇宙に繋がってるからそれだけ食べれるしそんなに太らないって説明がつくもの」
凛「でしょ?」
絵里「うん」
花陽「そんな…絵里ちゃんまで…」
凛「かよちんのお腹の中に宇宙があるなら…もしかして…星や…地球もあるのかにゃ?」
花陽「な、何を言ってるの…凛ちゃん…」
凛「地球があるって事は…そこには凛達みたいな生き物が…」
絵里「随分壮大な話になったわね」
凛「うん。かよちんが水を飲めば大地に雨の恵みを。かよちんがご飯を食べれば大地にご飯の恵みが…」
花陽「意味が分からないよぉ。宇宙なんてないから」
絵里「でも、ちょっと面白い話ね。人の身体の中に宇宙が広がっていてそこには惑星があって生物が営んでいる。なんかSFみたいね」
凛「映画化できそうにゃ」
花陽「出来ないよぉ。少なくとも私のお腹の中を映画化しないで欲しい」
凛「え?かよちんザムービーダメ?」
花陽「ダメだよぉ。映画化なんて荷が重いよぉ」
凛「そっかぁ」
絵里「うふふ。企画倒れになっちゃったわね。残念」
凛「だね」
ぐぅ~
絵里「え?」
花陽「あぁ…また…」
絵里「あれだけ食べたのに?」
凛「やっぱりかよちんのお腹の中って宇宙なんじゃ…」
「UMA…その後」
ことり「穂乃果ちゃん、やめて」
穂乃果「止めないで。だって…だって…このままじゃ私…」
にこ「もういいから。あれは冗談だから」
穂乃果「あれだけ大見得切っておいて…このままじゃ示しがつかないもん。だから…」
にこ「本当…あんたの全裸なんか見せられてもこっちもいい迷惑だから」
穂乃果「くっ…穂乃果の全裸なんか見る価値もないと…」
にこ「そんな事言ってないから。普通に考えて全裸はダメでしょ」
穂乃果「じゃあ、せめて鼻からスパゲティを…」
にこ「そんな事させたら私がイジメてるみたいじゃない」
穂乃果「じゃあ、どうすれば良い?どうすれば穂乃果は救われる?」
にこ「知らないわよ」
穂乃果「ことりちゃん…。穂乃果はどうすればいい?」
ことり「取り敢えず落ち着こう?大丈夫。穂乃果ちゃんは大丈夫だから」
穂乃果「本当?」
ことり「うん。だから、落ち着いて」
穂乃果「うん」
ことり「落ち着いた?」
穂乃果「うん」
ことり「あのね…穂乃果ちゃんは凄い事をしたんだよ」
穂乃果「でも…ツチノコは見つけられなかった」
ことり「そうだね。ツチノコは見つけられなかったけど…けど…穂乃果ちゃんは希少生物を見つけたんだよ?」
にこ「そうよ。マスコミだって取材に来たのに…。あんた帰っちゃうんだもん。μ'sを売り出す絶好のチャンスだったのに」
穂乃果「だって…私は…ツチノコを見つけたかったんだよぉ」
にこ「だからあんたはツチノコより凄いもんを見つけたんだってば!居もしないツチノコなんかより!」
穂乃果「くぅ。そんなの…そんなのぉ…」
にこ「も~なんなのよ。意外と頑固と言うかなんと言うか…変わってるわよね、あんたも。奇特な人ね…あんたも…」
完
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