ダイヤ「それは押し花の様に」 (18)
沼津駅から降りると、ほんのりと香る初夏の潮風の匂いが私の鼻を擽った
幾つも配置されたバスロータリーの停車場も、今更迷う事は無い
時刻表を覗いて見ると、次にやって来るバスは十五分後らしい
見慣れた地だから、と対して時間も調べもせず来ましたが、思いの外待たされずに済みそうです
「いたた……やはり、鈍行は腰が痛みますわね……」
腰を抑えながら独り言をつぶやくと、同じくバス停のベンチに座っていたお年寄りにちら、とこちらを見られる
思いの外声量が出ていたのようで、少し、恥ずかしい
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