現代メノノリ概論 (12)

ダイヤ「」ガラガラガラ

ダイヤ「」コツコツコツ

ダイヤ「」ジロリ

ダイヤ「ふむ、まあこれだけ出席していればいいでしょう」

ダイヤ「」コツコツコツ

ダイヤ「よいしょっと」ガシッ メノ^ノ。 ^リ

ダイヤ「」コツコツ メノ^ノ。^リ

ダイヤ「よっと」ドサッ メノ^ノ。 ^リ

ダイヤ「ふう」

メノ^ノ。 ^リ「…………」

ダイヤ「ご入学おめでとうございます」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1559024024

ダイヤ「あなた方はここ、浦の星メノノリ女子大学に見事倍率0.173倍を勝ち抜き入学したわけですから」

ダイヤ「いつまでもコンパコンパではぶっぶーですわ、と」

ダイヤ「しっかり、お勉強をしていただきますわ」

ダイヤ「あなた方が、これまで小中高と学んだことのない教科」

ダイヤ「『現代メノノリ概論』」

ダイヤ「私が受け持ちます」

ダイヤ「非常勤講師の黒澤ダイヤと申します」

ダイヤ「現代メノノリ概論は学問としての歴史は非常に浅く、そのため発展と発見の目覚ましい学問であると言えるでしょう」

ダイヤ「さて、早速ではありますが今日こちらに用意した剥製……」

メノ^ノ。 ^リ「…………」

ダイヤ「ニホンメノノリですね」

メノ^ノ。 ^リ「…………」

ダイヤ「学名『ニッポニア・メノノリウス・レズビアント・リコピテクス』」

メノ^ノ。 ^リ「…………」

ダイヤ「皆さんが日常最も目にするタイプのメノノリですわね」

ダイヤ「よく海辺に死骸が転がっていますけども」

ダイヤ「近い種類としましては、北海道の一部に生息する『ハコダテメノノリ』」

ダイヤ「雪を掘ると飛び出てくるアレですわね」

ダイヤ「秋の終わりごろから一気に増えてニュースになったりしますけれども」

ダイヤ「他にも、最近はペットショップでもよく見かける『アメリカンショートメノノリ』」

ダイヤ「幼体がマニア間で高額で取引などされていますわね」

ダイヤ「さらには、世界最大の動物として知られる『コモドオオメノノリ』」

ダイヤ「80メートルありますから。大迫力ですわね」

ダイヤ「地球上に4体しか生息していないのですけどね」

ダイヤ「日本ではこのコモドオオメノノリ、昔は神と崇められていた。とも言われています」

ダイヤ「他にも日本最古の動物、生きた化石といわれる『シーラペンメノノリガエル』なんてのも……」

ダイヤ「まあこういった詳しい情報はこちらの本」

ダイヤ「『現代メノノリ概論』(民明書房・刊)に書いてありますので、よく目を通しておくように」

ダイヤ「さて今日は『人類とメノノリの関わり』についてお話していくわけですが」

ダイヤ「こちら非常に深く長い歴史があるのですね」

ダイヤ「古くは1億数千万年前、ネアンデルタール人がナウマンゾウを……メノノリを連れて狩りをしていた」

ダイヤ「こういったことを証明する壁画が、南米エクアドルの方で発見されております」

ダイヤ「かくして古代、人々は様々な形でメノノリを描いておりました」

ダイヤ「ナスカの地上絵にメノノリが描かれているのはあまりに有名な話ですわね」

ダイヤ「この他にも、土偶のモデルが……メノノリなのではないか」

ダイヤ「スフィンクスのモデルも、メノノリなのではないか」

ダイヤ「……まあ、これを唱えたニューヨークのアイーダーリキャウェル博士は昨年残念ながら学会から追放されてしまいましたが」

ダイヤ「私はその説は間違いではないなと思っております」

ダイヤ「それについても詳しいことはこちら」

ダイヤ「『現代メノノリ概論』(民明書房・刊)に書いてあります」

ダイヤ「まあ、書くことが少なかったため、中盤辺りはアイーダーリキャウェル博士のお母様のこととかが書いてありますが」

ダイヤ「そのあたりは読み飛ばしていただいて結構です」

ダイヤ「さて、人類とメノノリの、最も関わりの深い地域となるとこれは紛れもなく……」

ダイヤ「モンゴルということになるわけです」

ダイヤ「モンゴルの遊牧民達は、メノノリを連れて遊牧生活をしていますわ」

ダイヤ「彼らにとってメノノリはなくてはならない存在なのですね」

ダイヤ「毛は、衣類」

ダイヤ「肉は、食料」

ダイヤ「皮は住居、骨や歯は装飾品、フンは肥料」

ダイヤ「はい、これぞまさしく」

ダイヤ「デラーデットマーリィジシキブルエジェストバーリィ」

ダイヤ「現地の言葉で『メノノリに捨てるとこなし』といった具合でしょうか」

ダイヤ「さて、乾いた大地に住むメノノリにも年に一度大移動をいたします」

ダイヤ「これは……産卵のためなのです」

ダイヤ「9月ごろ、ですね。モンゴルの乾いた大地に住むメノノリが海へ」

ダイヤ「モンゴルからほど近い東シナ海……には向かわず、反対方向。地中海へ向かうわけです」

ダイヤ「ロシアを越えヨーロッパまで」

ダイヤ「なぜこの距離を移動するのかはまだ分かっておりませんが」

ダイヤ「これによってヨーロッパの食文化に触れ、メノノリが世界四大珍味の一つになったのですわ」

ダイヤ「メノノリは、海で産んだ卵を一度体内の子宮に取り込みます」

ダイヤ「そしてそのまま173日ほど温めるわけですが、残念ながらそのほとんどが死んでしまいますわ」

ダイヤ「日本でも、環境の良い沖縄。その日本海側では『ヤンバルキイロテナガメノノリ』の生殖活動が見られますわね」

ダイヤ「沖縄の海がメノノリの精液で真っ白になる。『ノリシオ現象』などと呼ばれておりますが」

ダイヤ「『ノリシオや 白く揺蕩う 水面かな』」

ダイヤ「芭蕉もうまいことを言われたものですわ」

ダイヤ「えー……哺乳類でありながら、卵を産み、孵化させる」

ダイヤ「こういったことから、メノノリは人類よりもカモノハシに近いのではないかとも言われておりますわ」

ダイヤ「……まあこれを唱えたアイーダーリキャウェル博士は学会を追放されてしまいましたが」

ダイヤ「私は無い話ではないかなと思っております」

ダイヤ「まあそういうことも、この『現代メノノリ概論』(民明書房・刊)に書いてありますので読んでおくように」

ダイヤ「書くことがなかったので後半はアイーダーリキャウェル博士の昨日見た夢の話とかが書いてあります」

ダイヤ「まあそのあたりは読み飛ばしていただいて結構です」

ダイヤ「さて、今回の講義はこの辺りにしておきます」

ダイヤ「余談ですが、私が監修しましたこちら」

ダイヤ「『漫画メノノリ学入門』(民明書房・刊)ですね」

ダイヤ「結果的に、藤子・F・不二雄先生の遺作になってしまいまいたが」

ダイヤ「こちら一般書店で1200円のところ私に直接買いに来ればなんと1000円で買えてしまう……」

ダイヤ「といったこともございますので、興味のあるものはあとで研究室にくるように」

ダイヤ「さて、ここで一つ問題が発生しているのですが」

ダイヤ「現代メノノリ概論、そのほとんどの内容を、私今回で教えてしまいました」

ダイヤ「ということで、次回はアイーダーリキャウェル博士」

ダイヤ「……と、同じ誕生日の有名人についてお話していきます」

ダイヤ「本日はここまで」

おしまい

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