京子「いい質問だね、あかり。百合営業とは･･･」

京子「女の人がその気もないのに同性好きをアピールし、そういうのが好きなファンの人気取りを狙う･･･」

結衣「お、おいやめろよ」

京子「とにかく！時代は今、百合営業だ！」

結衣「言い方が大げさなんだから･･･」

ちなつ「それで、何をするんです？」

あかり「みんなにお花を売って歩くの？」

京子「じゃ、とりあえずトレーニングでちなつちゃんとあかり！」

ちなつ「何ですか？」

あかり「トレーニング？」


京子「お互いに手と手を取り合って、見つめ合うんだ！」

ちなつ「ちょ、ちょっと何ですかそれ」

あかり「い、一体どういう事なの京子ちゃん」

京子「百合営業って言ったろー？大丈夫だって、お互いそんな気ないっしょ？」

京子「その気がないのにそのフリをする、百合営業の練習なんだから」

結衣「だ、だからやめろって」

ちなつ「えー、どうせなら結衣センパイとしたいですぅ」

あかり「し、しなきゃダメなのその練習？」

京子「ささ、ほらほらお互い手をとって見つめあって！」

ちなつ「まったく、仕方ないんですから･･･。じゃ、あかりちゃん」

あかり「う、うん」

ちなつ「･･･」ｼﾞ…

あかり「･･･」ｼﾞ…

京子「よーしいいぞいいぞ！ほらもっと切なそうな表情で！」

結衣「映画監督かよ」

ちなつ「･･･」ｶｧ

あかり「･･･」ｶｧ

京子「いつの間にかか二人に芽生えた秘密の恋心･･･。お互いに戸惑い、隠し、けれど徐々に深まり･･･」

結衣「そのポエムをやめろ」

ちなつ「ちょっと！思ったより恥ずかしいんですけど！」

あかり「きょ、京子ちゃん、変な事言って煽るのやめてよ！」

京子「うーん、いいね。二人ともなかなかの百合営業っぷりだ」

結衣「そもそも何でこんな事してるんだろうか･･･」

京子「さーて、お次は･･･」

ちなつ「まだやるんですか」

あかり「つ、次は何なの」


京子「お互いに目を閉じて舌を出し、空中でペロペロさせあうんだ！」

ちなつ「バカですか！」

あかり「は、恥ずかし過ぎだよぉ！」

京子「百合営業の練習って言ったじゃん。別にお互いそんな気ないんでしょー？」

ちなつ「え、ええそりゃそうですけど。それにしたって」

あかり「そもそもどういう練習なのこれー」


京子「じゃあ問題ないじゃん。ささ、ほら早く早く」

ちなつ「も、もー、仕方ないんですから･･･。じゃあ」

あかり「やりたくないなぁ･･･」

ちなつ「ん･･･」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

あかり「んんっ」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

京子「おーっしいいぞ、二人ともその調子だ！二人の百合営業力がだいぶ上がってきたぞ！」

結衣「百合営業力って何だよ」

ちなつ「はぁっ、はぁっ、あー、恥ずかし･･･」

あかり「京子ちゃん、もういいでしょ！」

京子「いーやまだまだだ、二人の百合営業力は三上詩織さんと大久保留美さんクラスだ！もっと上を･･･」

結衣「個人名を出すな」

京子「さーてと、お次は･･･？」

あかり「もう、京子ちゃん変なことさせないでよ！ちなつちゃんも、あんなに恥ずかしがって･･･」

ちなつ「ま、待って、あかりちゃん」

あかり「ん？どうしたのちなつちゃん」

ちなつ「私･･･。こういう事してて気づいたの。自分の本当の気持ちに･･･」

あかり「ちなつちゃん？」

ちなつ「私、わかったの。私、あかりちゃんの事が好き」

あかり「ち、ちなつちゃん、そんな･･･」

ちなつ「あかりちゃん･･･キスしよ？」

あかり「だ、だめちなつちゃ、みんなが見て･･･」

ちなつ「ん･･･」

あかり「ん･･･」

―――
――
―

京子「次はこれだ！さぁ早く！」

ちなつ「やるわけありませんから！やるなら結衣センパイとです！」

結衣「うええ！？」

あかり「京子ちゃん、絶対あかり達で遊んでるでしょー」

京子「ちぇーっ、ノッて来ないか二人ともー」

京子「まいっか。じゃ結衣、私たちも練習しよっか」

結衣「え、わ、私たちもやるの？」


京子「別に照れなくたっていいじゃん。手握ったり見つめあったりするぐらいだしさ」

京子「はーん、それとも結衣、もしかして照れくさかったりするのー？」

結衣「い、いやそのさ」

ちなつ「京子センパイ、結衣センパイにおかしな事をしたら･･･」ｸﾞﾙﾙ…


結衣「ほらね･･･」

京子「そ、そうだな、嫉妬でちなつちゃんが獣人か何かと化しそうだ」

京子「よーし、それじゃあ百合営業の練習はここまで！」

京子「次は、本番だ！」

結衣「一体何をするんだよ」

ちなつ「そうですよ。百合営業の本番って何です？」

あかり「変なことだったら、あかりやらないからね」

ちなつ「あかりちゃん･･･」

あかり「ち、ちなつちゃん･･･」

ちなつ「私、目が覚めたの。ずっと隠してたけど･･･」

ちなつ「私、あかりちゃんの事が好き」

あかり「ちなつちゃん･･･」

ちなつ「あかりちゃんは？」

あかり「うん･･･。あかりも初めは戸惑ったけど･･･」

あかり「けどあかりも、ちなつちゃんの事がす、好き」

ちなつ「あかりちゃん･･･」

あかり「ちなつちゃん･･･」

ちなつ「あかりちゃーん！」ﾀﾞｷ

あかり「ちなつちゃん！」ﾀﾞｷ

ちなつ「ん･･･」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

あかり「んっ」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

ちなつ「･･･」

あかり「･･･」

ちなつ「い、以上です･･･」ｶｧ

あかり「百合のお花を買ってください、一本３千円です･･･」ｶｧ

京子「どうでしたか社長？可憐な少女達の百合百合なシーンは！」

結衣「え、えーと花は３０本あります、１本からでも･･･」


どっかの社長「･･･」

社員「･･･」

どっかの社長「全部買う」

社員「社長！？」


京子「やっりいー、百合営業大成功！」

結衣「んなアホな･･･」

ちなつ「はぁー、恥ずかしかった」

あかり「百合営業って、大変なんだね･･･」


終わり