エレン「は？」

ジャン「ミカサに近寄ってくるお前を迎撃すんだよ」

エレン「意味わかんねえぞ？」

マルコ「……ああ、僕もわからない」

ジャン「……」

コニー「芸人とかどうだ？」

マルコ「エレン芸人……ミカサのことか！？」

アルミン「ミカサに聞きに行ってみよう」

食堂

ミカサ「確かに私はエレン芸人。エレンのことなら何でも知っている」

アルミン「きっと突っ込んじゃダメだよね……」

ミカサ「ダメ。突っ込んでいいのはエレンだけ。私はエレン限定の女、エレンゲだから」

ジャン「くっ……」

エレン「わけわかんねえこと言うなよ」

ミカサ「あ、でもエレンゲの意味は違うと思う」

アルミン「知ってるの？」

ミカサ「エレンゲとは、おそらくエレン毛。エレンの毛のこと」

マルコ「なるほど！」

ミカサ「そうと分かれば早く私にエレンゲを寄越して欲しい」

エレン「なんでそうなるんだよ」

ミカサ「早くエレンゲを寄越して。上がダメなら下のでもいい」

ジャン「ふっざけんなよ羨ましい！」

ミカサ「ジャン、どいて。ジャンゲはいらない。私が欲しいのはエレンゲ」

ライナー「エレンゲならエレンの毛のことじゃないと思うぞ？」

コニー「うぉっ！　ライナーじゃねえか。ビックリしたぜ」

ライナー「エレンゲは、エレンゲイの略。つまりエレンはゲイだったんだ」

アルミン「あのさぁ……」

エレン「ライナー、お前さぁ……疲れてんだよ」

ライナー「お前がこっちに来てくれれば、俺はもうノンケを襲わなくて済むんだ。わかるだろ？」

エレン「ぜんっぜんわかんねえぞ！？」

ライナー「結婚しよ」

ミカサ「これ以上は不毛……」ﾊﾞｷｯﾄﾞｺﾞｯ

ライナー「アッーーーーー♂！！！」ﾁ-ﾝ

クリスタ「何してるの？」

アルミン「ああっ！　天使はこんなの見ちゃダメ！」

クリスタ「？」

コニー「クリスタはエレンゲって何か知ってるか？」

クリスタ「エレンゲ？　ああ、前にユミルがエレンのことをエレンゲリオンとか呼んでたからそのことじゃないかな？」

ミカサ「ユミルを呼んで来よう」

ユミル「エレンゲリオン？　何の話かわかんねえな」

クリスタ「ユミル、この前言ってたじゃない」

ユミル「そうだったか？」

コニー「おいブス！　嘘ついてんじゃねえよ！」

ユミル「あ？」

クリスタ「コニー！　女の子にブスなんて言っちゃメッだよ！　それにユミルは可愛いんだから！」

ユミル「流石私のクリスタ。結婚してくれ」

ライナー「結婚したい……」

ミカサ「……」ﾊﾞｷｯﾄﾞｺﾞｯ

ライナー「アッーーーーー♂！！！」ﾁ-ﾝ

クリスタ「もうやめて！　ライナーのライフはゼロだよ！」

ユミル「……あー、思い出したわ」

エレン「ほんとか！？」

ユミル「夢を見たんだ」

マルコ「夢？」

ユミル「ああ。エレンがなんかデッカくなって巨人と戦ってる夢だ。そのデカくなったエレンがエレンゲリオンって呼ばれてたんだ」

ミカサ「そう、エレンのイェーガーが大きくなったものをエレンゲリオンと言うの。わかった」

アルミン「違うからね？」

ミカサ「エレン、早くエレンゲリオンを見せて欲しい」

エレン「ズボン引っ張るなよ！　破けちゃうだろうが！」

クリスタ「ちょっとミカサ！」

ジャン「ふざけんなようらやましい！」

ミカサ「不毛」ﾊﾞｷｯﾄﾞｺﾞｯ

ジャン「……」ﾁ-ﾝ

ユミル「それにしても戦ってた相手になんか見覚えがあったんだよなぁ……あ、そうだ、相手アニだったわ」

ミカサ「！？」

アルミン「ミカサ？」

ミカサ「あの女を連れてくる」

アニ「いきなり連れて来て何の用だい？」

ミカサ「とぼけないで」

アニ「は？　用がないなら帰ってもいい？」

コニー「アニの巨人とエレンの巨人が戦ったって聞いたんだけどよ？」

アニ「！？！？！？」

ミカサ「その反応は何？　真実なら削ぐどころでは済まされない」

アニ「……何言ってんだい。人間が巨人化なんかできるわけないだろ？」

コニー「でもユミルが言ってたぞ？」

アニ「はっ！？　あんた！　何を知ってるんだい！？　知ってること全部吐きな！」

ユミル「そんなに強く引っ張るなよ。服が破けるだろ」

アニ「いいから早く！」

ユミル「どうしたんだそんなに必死になって？」

アニ「……」ｷﾞﾛ

ユミル「はぁ……コニーに説明させたのが馬鹿だった。私がそういう夢を見たってだけだよ」

アニ「ゆ……め……？」

ユミル「ああ。だから何でもないんだ」

アニ「なんだ、夢か……。服引っ張って悪かったね。用が済んだなら私は行くから」

エレン「もういいよエレンゲはわかんねえし。それよりベルタルトって何なんだよ？」

コニー「アレじゃねえか？　ほらライナーの後ろにいっつも立ってる」

ミカサ「そんな名前だった気がする」

ベルトルト「……」ｱｾﾀﾞﾗ-

ライナー「ベルタルトならここにいるぞ」

ベルトルト「最初からいたんだけどな……」

ジャン「いたんなら返事しろよ！」

ベルトルト「いや、てか僕ベルタルトじゃないし……」

コニー「マジか！　じゃあなんて名前なんだ！？」

ベルトルト「ベルトルトだよ」

コニー「ん？　ベルタルト？」

ベルトルト「ベルトルト！」

コニー「ああ、よろしくな、ベルタルト！　名前間違えて悪かったな！」

ベルトルト「もういいよそれで……」

ジャン「じゃあベルタルトはこいつってことでよ、結局エレンゲって何だって話になるよな？」

ミカサ「巨人と化したエレンのことではないの？」

クリスタ「巨人化したエレンとベルタルトが戦うっていうこと？」

ジャン「なんだよじゃあ戦えよ早く！」

エレン「なんでだよ！」

ジャン「いっつも戦え戦え言ってんだろうが！　この前なんて鏡の前で髪かき上げながら戦え、戦え、とか言ってただろ！？」

エレン「な、お前何見てんだよ！？」

アルミン「ごめん、エレン、あれみんな見てたよ……」

エレン「……」

ミカサ（照れてるエレン可愛い……）

ライナー「まあエレンはそういう時期なんだ。そっとしておいてやれ」

ユミル「ん……？　巨人化エレンvsベルタルト……？」

クリスタ「どうしたのユミル？」

ユミル「いやそういやそんな夢見たな〜とか思って」

コニー「またお前の夢かよブス！」

クリスタ「コニー！　メッて言ったでしょ！」

マルコ「どういうことか聞かせてもらってもいいかな？」

ユミル「まあただの夢なんだけどよ。シガンシナ区で巨人化したこいつらが戦ってたんだよ。あとアルミンが焦げミンになってた」

アルミン「焦げミン？」

ユミル「お前黒焦げになってたぞ。ベニタルトに炙られて」

アルミン「えぇ……」

ミカサ「アルミンを炙るなんてベニタルトは悪魔の末裔。削ぐしかない」

ベルトルト「そんなことしないよ！」

アルミン「ていうか、こいつらってことはエレンだけじゃなくて、ベルトルトも巨人化してたの？」

ベルトルト「いやいやいや！　人間が巨人化するとかそんなことあるわけないじゃないか！」

ライナー「知らなかったのか？　こいつが超大型巨人ってやつで、俺が鎧の巨じ……ブフォッ」

アニ「ちょっとこいつ借りてくよ」

ライナー「アッーーーーー♂！！！」ﾁ-ﾝ

コニー「ライナーが何言ってるかわかんねえのは俺が馬鹿だからじゃねえよな？」

ジャン「安心しろ。俺もわからねえ」

エレン「ライナーは疲れてんだよ」

ジャン「にしてもお前はどうやったらそんな独創的な夢ばかり見れるんだよ」

ユミル「そりゃまあ言っちまえば道……？」

マルコ「道？」

エレン「憧憬と屍の道……」

アルミン「え？」

エレン「あ、いや、なんでもねえ」

クリスタ「変なエレン」

ジャン「まあそういう時期だからな」

エレン「うるせえ」

コニー「巨人化したこいつらを戦わせればいいんだよな？　じゃあ早く巨人化しろよ！」

エレン「はあ！？　どうやってだよ！？」

ミカサ「エレンのイェーガーは任せて。私が責任を持って巨人化させる。ベルタルトのフーバーはアニに任せた」

アニ「は？　なんで私が？　気持ち悪いんだけど？」

ベルトルト「……」ｶﾞ-ﾝ

アルミン「いや、巨人化ってそういうことじゃないと思うんだけど……」

ライナー「そういうことだろ。巨人化して、2人の兜と兜をこう合わせてだな……」

アニ「キモいっ！」ﾄﾞｶｯﾊﾞｷｯ

ライナー「アッーーーーー♂！！！」ﾁ-ﾝ

エレン「兜？　巨人化したら兜をかぶるのか？」

ミカサ「今のはライナーの嘘。巨人が兜をかぶるなんて話は聞いたことがない」

ユミル「車力の巨人はかぶってたけどな」

アルミン「車力の巨人？」

ユミル「なんでもねえ……。夢の話だ」

エレン「結局わかんねえんだよな……。なんだよエレンゲvsベルタルトって……」

サシャ「エレンゲvsベルタルトを知ってるんですか！？」

エレン「いや知らねえけど、お前こそその反応は知ってんのか？」

サシャ「知ってますよ」

エレン「教えてくれ！　エレンゲって何なんだ！」

サシャ「端的に言うとメレンゲのことですね」

エレン「は？」

サシャ「卵白を泡立てたお菓子です！」

ベルトルト「じゃあベルタルトっていうのは？」

サシャ「タルトですよ？」

ベルトルト「……」

サシャ「つまり、エレンゲvsベルタルトっていうのは、メレンゲとタルトを並べたお菓子なんですよ！」

エレン「あほくさ……」


終わり