【モバマスSS】泳げ!なおかれん! (26)



コメディです。


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~事務所~


北条加蓮「奈緒ー」

神谷奈緒「んー?」

加蓮「海、行きたくない?」

奈緒「なんだいきなり……海?」

加蓮「そ。生命の義経と呼ばれる海!」

奈緒「源だろ。どうやったらそこで混ざるんだ」



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読まなくても平気な前作

【モバマスSS】奪え!なおかれん!
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加蓮「行こうよ〜」

奈緒「そうは言ってもな……」

加蓮「イヤなの?」

奈緒「イヤじゃないけどさ、日差しとか強いし、怪我も怖いし、まして溺れたりでもしたら……」

加蓮「じゃあ、雨の日に、全身防護服で、ずっと砂浜にいればいい?」

奈緒「その不審者は何が楽しくて海にいるんだ?」

加蓮「そうすれば奈緒の不安もなくなるかなって」

奈緒「その場合は加蓮のアタマが不安になるだけだから何も変わんねえよ」


加蓮「心配してくれるのは嬉しいけどさ? 私だって子供じゃないんだよ?」

奈緒「昨日病院に担ぎ込まれた理由は?」

加蓮「莉嘉の虫カゴを興味本位で覗き込んだら飛んできたカブトムシが眉間に刺さったからだけど?」

奈緒「……」

加蓮「……」

奈緒「もっかいさっきのセリフ、言えるか?」

加蓮「心配してくれるのは嬉しいけどさ? 私だってあんまり子供じゃないんだよ?」

奈緒「ちょっと保険入ったな」


奈緒「そもそも加蓮はさ、海だったらほら、南の島に行ってたろ?」

加蓮「あれは仕事でしょ? 楽しかったけど、今度はプライベートで行きたいんだって」

奈緒「はぁ……しょうがないな……」

加蓮「いいの!?」

奈緒「だってこうなったら加蓮は聞かないだろ……?」

加蓮「やった!」

奈緒「まったく……」

加蓮「じゃ、どこの国に密航する?」

奈緒「せめて正規ルートで頼む」

加蓮「群馬とか?」

奈緒「群馬は国内だしそもそも海ねえよ」


加蓮「冗談は置いといて、どこ行こっか?」

奈緒「こっからだと……湘南とかいいんじゃないか?」

加蓮「湘南! いい!」キラキラ

奈緒(まったく……子供かっての……)

加蓮「やっぱ肌とか、いい感じになるかな?」

奈緒「おいおい……アイドルなんだから日焼けは対策しろよな?」

加蓮「胸とか、けっこう大きくいっちゃったり!」

奈緒「大きく? あんま際どい水着もよくないぞ?」

加蓮「目とかもぱっちりさせたりさ?」

奈緒「……ん?」

加蓮「鼻あたりをいじる人も多いんだよね」

奈緒「……」

加蓮「やっぱりいいドクターと出会えるかが大事だよね!」

奈緒「もしかして湘南美容外科クリニックの話してる?」


奈緒「アイドルが美容整形の宣伝するの、多分一番ダメなやつだからな」

加蓮「好きな言葉は妥協です」

奈緒「それ全国CMで宣言することか?」

加蓮「好きな言葉は破滅です」

奈緒「美容外科の前に精神科いった方がいいよ」


加蓮「でも湘南なら、里奈のウチ泊まったりできるからいいよね」

奈緒「ああ、麻理菜さんとかもサーフィンの後に泊まったとか言ってたな」

加蓮「海の近くに住むの、憧れない?」

奈緒「あたしは千葉だから、そこまで縁遠いものじゃなかったけど」

加蓮「そっか。私はずっと海より三途の川の方が近かったからさ(笑)」

奈緒「それ笑えるか???」


奈緒「悪いけど冗談ってのはもっと遠慮なく笑える内容にしてくれ」

加蓮「小逝きなジョークなのに」

奈緒「最悪な変換ミス起きてるぞ」

加蓮「だけど、海にもプールにもほとんど行ったことないのはホント。ほら、子供の時は泳ぐどころの話じゃなかったし」

奈緒「まあ……そうだよな」

加蓮「小さい頃は水に溺れ……大人になってからは権力に溺れ……」

奈緒「加蓮?」

加蓮「辿り着いたのがこのアイドルっていう、客を幻想に溺れさせる職業だなんて……」

奈緒「加蓮?」

加蓮「……よくできてるね!」カッ!!!

奈緒「いや”カッ!!!”じゃなくて」


奈緒「あたし途中居眠りしちゃったのかなってくらい意味わかんなかった」

加蓮「大丈夫。私も」

奈緒「1対1の会話でそれ言っちゃったらおしまいだな」

加蓮「何の話だっけ? 源頼朝?」

奈緒「源氏の話は最初に終わったからもう忘れていいよ」


加蓮「じゃ、早速準備しなきゃ!」

奈緒「準備? 何するんだ?」

加蓮「まずはやっぱり水着でしょ?」

奈緒「水着って……それこそ仕事で使ったやつがあるんだろ?」

加蓮「わかってないなー。メガネキャラが本気を出した時の演出としてメガネを外させるくらいわかってない」

奈緒「そこは個人の自由だろ」

加蓮「女の子が一度着た水着を二回着ていいと思ってるの? はかいこうせんだって打った次のターンは動けないのに」

奈緒「それも別に勝手だろ。ってかさっきから絶妙に例えが下手だな」


加蓮「毎回新しい水着で誘惑してこそアイドルだって♪」

奈緒「そういうもんなのか……?」

加蓮「ほらほら、ちょうどこの雑誌に水着の特集あるからさ」

奈緒「都合いいなまったく……」

加蓮「みてみて! 『来年の流行りはビキニで決まり!』だって!」

奈緒「今年の流行りを教えてくれよ」


加蓮「未来志向なんだね」

奈緒「ファッション雑誌は今その瞬間を見つめた方がいいと思うけどなあ」

加蓮「目移りしちゃうね……」

奈緒「まあ、種類は多いな」

加蓮「あ! ねえねえ!」

奈緒「なんかいいのあったか?」

加蓮「この腰のとこにファラオついてる水着かわいくない!?」

奈緒「パレオだろ。なんで古代エジプトの王が水着に付属してくるんだよ」

加蓮「クフ王とカフラー王で選べるんだって!」

奈緒「ファラオで合ってるのかよ」


奈緒「ナイル川で沐浴でもするつもりか」

加蓮「そういうのは幸子の仕事じゃない?」

奈緒「おいおい、いくら幸子でも……」

加蓮「……」

奈緒「……」

加蓮「……」

奈緒「……ないだろ」

加蓮「その間が物語ってるよ」

奈緒「そもそもああいう川は衛生面が危ないし、アイドルの出る幕じゃないだろ。芸人さんとかに任せとけって」

加蓮「それこそ幸子じゃない?」

奈緒「おいおい、幸子は芸人じゃ……」

加蓮「……」

奈緒「……」

加蓮「……」

奈緒「……ないだろ」

加蓮「天丼が早いなあ」


加蓮「でも今のは流石に幸子に悪いね。あんなにプロ意識が高いアイドルなんていないのに」

奈緒「急に褒めるよな。まあ同感だけどさ」

加蓮「自分に自信があるって、かっこいいよね」

奈緒「……加蓮は自分に自信ないのか?」

加蓮「んー? どうだろ。昔はあんまり好きじゃなかったかもね。今は……ま、いいでしょ」

奈緒「……自信を持っていいと思うぞ」

加蓮「……ありがと」

奈緒「そのふてぶてしさと、病気してたとは思えないアグレッシブなボケ方は」

加蓮「素直に褒めてくれると思ったんだけどなー?」


奈緒「たまには仕返しだよ」

加蓮「もー……ま、いいけど……何の話してたっけ? 平清盛?」

奈緒「えっ平家も巻き込んでいくの?」


加蓮「そうそう、水着水着」

奈緒「自分から逸らしたくせに……」

加蓮「あ! これとか可愛い! 奈緒、どう?」

奈緒「どれどれ……って、花柄ぁ? いやいや、あたしにはこんなファンシーなの似合わないって」

加蓮「あ、違う違う。その下のナスカの地上絵の柄のやつ」

奈緒「この雑誌なんなの? ムー?」


加蓮「っていうか水着なんて着れればよくない?」

奈緒「このクソ雑誌眺めてた時間を返せよ」

加蓮「それに、試着とかしないと似合うかわかんないし」

奈緒「わかったよ、じゃあ今度、凛と3人で買いに行こうな」

加蓮「おっけ♪」

奈緒「まったく……」

加蓮「じゃ、水着については大丈夫だから……」

奈緒「まだ何かあるのか?」

加蓮「もちろん! 実際に海に行ったら何するか決めなきゃでしょ?」

奈緒「面倒だな……泳ぐんだろ?」

加蓮「じゃあ奈緒は一度も砂浜に上がらずに10時間ずっと海を泳ぎ続けてるの?」

奈緒「アスリートかよ。そもそもあたしたちは海に10時間も拘束されるの?」


加蓮「計画は大事だよ?」

奈緒「臨機応変って言葉もあるけどな」

加蓮「まず、集合は朝5時に」

奈緒「魚でも競るのかよ」

加蓮「豊洲で」

奈緒「完全に競る流れだな」

加蓮「このボケも、きっと1年前なら築地だったんだよね……」シンミリ

奈緒「しんみり???」


加蓮「でも、スイカ割りくらいはやりたくない?」

奈緒「まあ、よくあるもんな」

加蓮「それで、ビーチバレー!」

奈緒「うん、いいんじゃないか?」

加蓮「その後、砂のお城を作ったりして!」

奈緒「マトモな計画で助かるよ」

加蓮「最後に焼きそばをみんなで食べる!」

奈緒「ああいうとこで食べる焼きそば、美味いんだよなー」

加蓮「そんなことができたら楽しいだろうなって思いながらベッドで寝てたのが子供の頃の私」

奈緒「この情緒どうしてくれる?」


加蓮「ネタにできるくらい、過去の自分と向き合えてるってことで」

奈緒「聞こえはいいけどさ……」

加蓮「ってことで、あとは日程かな?」

奈緒「あたしら3人の予定が合う日に水着買い行って、その次に予定合った日に海か。調整できるかな……」

加蓮「ううん、一緒にしちゃおう」

奈緒「一緒にって……水着を買ってそのまま海か? まあ、できなくはないと思うけど……」

加蓮「違う違う。そこは別日程でいいでしょ?」

奈緒「? どういうことだ?」

加蓮「海の近くで仕事して、そのまま海で遊べばいいってこと!」

奈緒「そんな都合よく海の近くの仕事が転がってるわけ……」

ピピピピピピ

奈緒「ん、メールか」

加蓮「私も来てる。事務所からの業務連絡だね」


『件名:今年の”ドキッ! アイドルだらけのナイル川沐浴大会!”について』


奈緒「……」

加蓮「……」

奈緒「……」

加蓮「……」

奈緒「……」

加蓮「……」


奈緒「……」

加蓮「……」

奈緒「……」

加蓮「……」

奈緒「……」

加蓮「毎年やってるのかな」

奈緒「ぜひ今年で終わってほしいな」



おわり





ありがとうございました
たいやきくんじゃないよ


直近の過去作


神谷奈緒「専務になっても憎めない」

神谷奈緒「Pさんと話してたら他のアイドルが修羅場っぽくしてきて面倒臭い」

【モバマスSS】P「ちょっとうづりんで俺を取り合ってくれないか?」

日野茜「文香ちゃん!ペットが飼いたいです!!」鷺沢文香「まずは知識から……」


などもよろしくお願いします


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