佐藤心「悪徳プロデューサー in 弱小プロダクション」 (42)

工藤忍「悪徳プロデューサー in 弱小プロダクション」
工藤忍「悪徳プロデューサー in 弱小プロダクション」 - SSまとめ速報
(https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1564487507/)

↑の続き

※注 独自設定あり、いろいろキャラが壊れています。
また、一部キャラの口がもの凄く悪いです

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1565342029

デレマスの二次創作です


大雑把なあらすじ

悪徳プロデューサーを追い出して新しいプロデューサーが来たと思ったら、前のプロデューサーを上回るクズだった


主な登場人物


【工藤 忍】

主人公。弱小事務所に所属するアイドル

【塩見 周子】

弱小事務所に所属するアイドル。事務所の空き部屋に住んでる

【佐藤 心】

弱小事務所に所属するアイドル。誰にもはぁととは呼んでもらえない

【大槻 唯】

前PとPが対決する際にPがバイトで雇った

まだ所属アイドルではない

【千川 ちひろ】

弱小事務所ただ一人の事務員。ツッコミ

事務員ひとりとかブラックもいいとこだが弱小事務所なのでさほど仕事はない

【P】

クズ

以前所属した事務所ていたはこいつのせいで倒産したらしい

拝啓、お父さん、お母さん、いかがお過ごしでしょうか?

先日、事務所に新しいプロデューサーがやってきました

プロデュースの方針が変わり、ようやくアタシもトップアイドルへの道へ一歩踏み出せたような気がします

そんなアタシの近況ですが....

忍「ハァ...ハァ...」

P「ハイ30秒!休憩終わり!」

心「早ァ!?」

周子「休憩ってさ...普通、分単位で貰うものじゃない...?」

P「言っただろ?お前らにはもう人権はない!!!」

心「あ、悪魔か....ガクッ☆」

忍「佐藤さんが死んだー!?」

ちひろ「ぷ、プロデューサーさん?流石にこれ以上は....?」

P「....まぁ、そうだな。初レッスンだし、少し温情かけてやろう」

『!!!』

P「"死ぬ一歩手前"には終わりにしてやるよ。ホラホラ早く立て、あと10秒で立たねぇともう1セット追加するからな」

『ご、拷問だー!!!!』



今、アタシ達は死にかけています.....!

P「...よし!今日はここまで!」

忍周心『』バタッ

ちひろ「みんなー!?死んじゃダメよ!?」

P「死なねぇよ。ちゃんと身体壊さないギリギリで調整してるわ」

ちひろ「そ、そうですか?なら良かっ....良いんですかね?」

P「今商品壊しちまったら、俺が甘い蜜吸えなくなっちまうしな」

ちひろ(絶対良くない!!)

周子「これが......噂の拷問......」

忍「体罰とかセクハラとか脅迫とか....色々悪い事やってたってのは本当だったんだ....」

P「失礼だなコ○ン君、"体罰は"やってねぇよ」

忍「コナ○君って....えっ?アタシ?」

P「えっ?そんな名前じゃなかったか?」

忍「忍だよ!!!!」

P「そっか、悪かったなシンイチ」

忍「し!の!ぶ!」

心(確かに"工藤"だけども)


P「最近はちょっと小突いただけで、すぐ大騒ぎにされて責任問題がどーのとか言われるからな...もう懲りたんだよ」

周子「"懲りた"って事は...一度やったって事?」

P「便利なんだけどなー、暴力。カネの次に通じやすい世界共通言語なのに」

P「あー、殴って全部解決できる世の中にならねーかなー!」

ちひろ「もはや人間が口にしていいセリフじゃないですよ!?」

心「やっぱコイツ悪魔だわ☆」

心「...ていうか、"体罰は"やってないって事は、逆に言えば他はやってるって事でしょ?セクハラとか」

心「ならもしかして...はぁとも襲われちゃう?はぁと美少女だからなー、刺激強いもんなー、美少女ってつれぇわ☆」

P「襲う?お前を...?」

P「..................フッ」

心(ピキッ☆)






心「放して周子ちゃん!アイツ殺せない!!」

周子「まぁまぁ落ち着きなって心さん、話進まないから!」

P「なんだ佐藤、お前元気じゃねぇか」

心「はぁとって呼べ!」

社長「どうやら、無事に.....無事にレッスンは終わったようだね」

ちひろ「目を背けないでください社長、無事じゃないです」

唯「みんなお疲れー!キャンディ舐めるー?」

忍「あぁ、ありがとう..........」

忍「唯ちゃん?なんでいるの?」

唯「今日から夏休みで暇だから、遊びに来ちゃった!」

忍「そ、そうなんだ....」


P「それで社長、頼んだ物は持ってきてくれたのか?」

社長「ああ、これが彼女達が今まで行ってきた仕事のデータ、全部だ」

P「...これで全部?少ないな」

ちひろ「まぁ、今まで殆ど仕事ありませんでしたし...」

社長「あと、全員そろってる内に一つ、大事な話をしておきたい」

P「ああ、どうでもいいから俺パス」

社長「オイ!!」

P「どうせ、もうすぐ倒産するとかそんな話だろ?どうでもいいじゃん」

一同『えっ?』

社長「よく分かったね....その通り、あと一か月でこの事務所は倒産する!」





『えええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!???????』

社長「前のプロデューサーの会社からの資金援助が無くなったからね...全く仕事が入ってこない今の状況では、もう.....」

忍「全っ然どうでもよくないじゃん!!!」

周子「マジか...いい加減次の寝床探さないとダメか」

ちひろ「周子ちゃん!?諦めないでください!?」

P「その必要はねぇよ狐ちゃん」

周子「シューコね?」


P「タイムリミットがいつとか、実際どうでもいいだろ?それまでに黒字にすればいいんだから」

P「一か月とは言わず、一週間でどうにかしてやるよ」

ちひろ「本当ですか!?」

心「なんか仕事取ってくるアテがあるの?」

P「ハッ!馬鹿言え。俺は泣く子も黙る、全方位ブラックリスト入り悪徳プロデューサーだぞ?」

P「どこに営業したって門前払いに決まってるだろ!!」

心「つ、使えねー!」

社長(...やっぱり彼に託したのは間違いだったかもしれない)

唯「元気出して社長ちゃん!飴いる?」

社長「いる....(モゴモゴ)」


P「大丈夫だ、勝算はある。今日のレッスンとさっき貰ったデータで大体分かったしな」

P「明日からはレッスンのメニューを変えるから、楽しみにしとけ」

忍周心(((不安だ......)))

~~~ 翌日 ~~~


P「はい、じゃあ早速今日のレッスンの説明をします」

P「とりあえず工藤と塩見はこれ」ドン


ズシンと重い音と共に、プロデューサーが何やら箱の様な物を机に置いた


忍「....なにこれ?」

P「『プ○キュア』DVD全巻だ」

周子「おお、懐かしいねー。それで?プ○キュアがどうしたの?」

P「俺が帰ってくるまで観てろ」

忍「プ○キュアを?なんで?」

P「......?」

忍「いやなんで『何言ってんだコイツ』みたいな顔するのさ!?」

P「もしかしてクレヨ○王国とかのほうが良かった?お前らの世代はこれだと思ったんだが」

忍「タイトルの問題じゃない!なんでアニメ観る事がレッスンなのかって聞いてるの!」

P「えっ?分からないの?マジで?」

P「.....フッ」

忍(ビキィ!)





忍「周子さん放して!あいつ殴れない!!」

周子「まぁまぁ落ち着いて!気持ちは分かるけど!」

心「プロデューサー、はぁとのレッスンの内容も早く教えろ☆」

P「ああ、佐藤は昨日と同じだ」

心「えっ」

P「それじゃ俺は佐藤を拷も...レッスンさせてくるから帰ってくるまでちゃんと観とけよー?」

心「ちょっ、待って☆待てって☆またあのレッスンやったらはぁとマジで死ぬぞ☆」

心「オイ待てって☆オイ☆オイ!!!!!☆」ズルズルズル







忍「行っちゃった....」

周子「とりあえず、言われた通り観てよっか」

唯「ゆいも見るー♪」

忍「唯ちゃん!?いつからいたの!?」

心「」チーン

周子「心さん.....成仏してね....」

心「死んでねぇよ......☆」

P「それでお前ら、ちゃんと観てたか?」

忍「とりあえず言う通りにしてたけど.....」

唯「久々に見たら意外と面白かったなー」

P「よしっ、じゃあ場所を変えるぞ」

忍「えっ?」






~~~ 商店街 広場 ~~~


唯「ここって、この前ゆい達がLIVEバトルしたとこ?」

忍「ここでなにするの?またLIVEバトル?」

P「いいや、今から工藤と塩見にはここで.......」

P「さっき観てたプ○キュアのモノマネをやってもらう」

忍&周子「「.......えっ?」」

P「俺が満足する出来の物を見せるまで続けてもらうからな」

P「あと佐藤は終わるまで商店街走ってて」

心「もう脚動かねぇよ☆」


忍「どういう事?ヒーローショーとか、なんかそういうお仕事?」

P「いいや?ただプ○キュアごっこしてもらうだけだが」

周子「なんかコスプレとかするん?」

P「そんなもん用意する予算ないし、私服でやってもらう予定だが?」

忍「この人通りの多い場所で?」

P「うん」

忍「それってタダの痛い子じゃない!?」

P「そうだね」

忍「なんでそんな事やらせるのさ!?」

P「そりゃもちろん羞恥プ....レッスンの一環だよ」

周子「今絶対羞恥プレイって言いかけたよね」

P「安心しろって、ちゃんと意味はあるからサ....」

忍「ひ、光の使者、キュ○ブラック!」

周子「光の使者、キュ○.....ホワイト?」

「「月に変わってお仕置きよ!」」


P「それセー○ームーンだろ、やり直し」

唯「二人とも、頑張ってー!」REC




ヒソヒソ....ヒソヒソ....



忍「ね、ねえプロデューサー....これ、ホントに意味があるんだよね....?」

周子「通行人にめっちゃ見られてるやん....思った以上に恥ずかしいわコレ.....」

忍「ていうか唯ちゃんにカメラ持たせてるけど.....まさか、撮ってない?」

P「バッチリ撮影中だぞ?」

忍「えーーー!?」

P「あとでようつべにアップするから」

忍「なんで!?」

P「広告だよ広告、全世界の人間にお前達の魅力を知らしめてやろうと思って」

周子「それで伝わるのは魅力じゃなくて黒歴史なんだけど?」

P「まぁ、今日はここんとこで切り上げるか。明日はもう少しマシなものを見せてくれ」

P「とりあえずこれから一週間、毎日撮影してアップするから、ちゃんと練習しとけよ?」

忍「い、一週間!?一週間これやるの!?」

周子「昨日の拷問から逃れたと思ったら、今度は公開処刑やんか....」



忍(やっとまともにアイドルやれると思ったのに、こんなの....こんなの....!)


P「意味ならあるさ、お前らが投げ出さなければな」

忍「えっ?」

P「安心しろ。確かに俺がプロデューサーになった瞬間、お前らは俺のおもちゃになったが....俺は自分のおもちゃにはきちんと愛情を注ぐタチでね」

P「宣言通り、きちんとトップアイドルまで導いててやるさ。だから今は黙って言うこと聞け?」

忍「...................」

忍(悪い噂ばかりだし、どうやっても信用できるような男じゃないけど....一昨日、コイツが見せたLIVEバトルで見せた手腕は確かに本物だった)

忍(どっちにしろあと一か月しかないし....結局、コイツに賭けるしかない、のかな.....)


忍「.....分かったよ。でも、もし無駄だったら許さないからね」

P「ああ、分かったよ」

周子(そういえば、なんか忘れてる様な......あっ)

周子(まぁ、いいか)




心「はぁとは........いつまで.....走れば......いいの......ガクッ☆」

~~~ 一週間後 ~~~


P「.....よし、今のはいい出来だった。このレッスンはこれで終わりだ」

忍「えっ?ほんとに?」

周子「なんか、いざ終わってみると拍子抜けだねー」

唯「二人ともお疲れー、最後のもばっちり撮れたよ!」

忍「それは...別に嬉しくはないような?」


忍(まぁ、昨日までのはもうネットに流れちゃってるし、今更気にしても仕方ない気はするけど)


P「二人とも、この一週間よく頑張ったな。もうお前らはどこに出しても恥ずかしくない、一人前の晒し物だ!」

周子「むしろ、最近どこ歩いてもプ○キュアの人だって指さされて、めっちゃ恥ずかしいんやけど」

心「ていうか、この一週間ずっと拷問レッスンに耐えたはぁとも労ってよ☆」

P「今から大事な話するから静かに、佐藤」

心「ねぇもうコイツ殴っていいよな?」

周子「良いと思うよ」

P「んじゃ唐突だが、明日お前らに仕事が入った」E.タンコブ

心「マジで!?」

P「新人発掘イベントとやらで、お前らの様な未だ日の目を見ていないアイドルが大量に参加する」

P「まあ、実際のところは主催の事務所で最近話題のアイドルの引き立て役、いわば噛ませ犬だがな。自分らがメインじゃなくても仕事は仕事だ」

周子「へー...でも、門前払いされなかったの?」

P「正面から営業行けばな。だが、ちょっと営業先の弱み握って脅してやれば楽勝だよ」

忍「脅して仕事取ってきたの!?なんでそんな事!」

P「なんだ、なんか不服か?」

忍「そりゃあ不服だよ!そんな卑怯な手段で取ってきた仕事やらせるなんて....」

P「馬鹿丸出しだな」

忍「えっ...?」

P「真っ直ぐに、正道で夢を叶える。結構だよ、人間夢はでっかく持つべきだし、正攻法で何とかなるならそれに越した事はねぇ。その方が楽だし」

P「だけどな、正攻法ってのはそれ相応の実力と地位あって初めて選べるものだ。だが、所詮お前は弱小事務所の候補生、まだデビューもしてない殆ど一般人だ」

P「それなのにあれは嫌、これは嫌と......前から思ってたが、お前少し傲慢すぎるんじゃねぇか?」

忍「それは.....」



......確かに、アタシはまだ、仕事を選べるほどのアイドルじゃない

だけど、だからって....!



忍「だけど...その為に誰かを犠牲にするのなんて...そんなのアイドルのやっていい事じゃ」

P「芸能界ってのは競争社会だ、皆が皆限られたチャンスを狙ってる。そんな環境の中で、実力無しに掲げる理想なんて、ただの驕りだ」

P「今トップに立ってる奴らの全員が、最初から最後までまともな手段でその場所に立ってると思うか?何もかもが清廉潔白だと思うか?」

忍「えっ...?」

P「...そんなわけねぇだろ、バカバカしい。どんなに清く売られてるアイドルでも、俺が多少調べるだけで掴める程度のミソはあったよ」

P「それでもなお頂点に君臨してる奴らは、泥まみれのチャンスをものにして、その時出来た小さな染みなんて見え無くなるほど、高く遠いとこまで上り詰めてんだ」

P「本気でトップ狙うつもりなら.....なりふり構わず目の前のチャンスに死ぬ気で喰らい付いてみやがれ!」

P「悔しいなら.....手段を選びたいんなら.....それ相応の立場になって見せろ!!小娘が!!!」

忍「.......っ!」

P「お前らはどうする?」

心「...はぁとはやるぞ☆生き残る為なら何でもしちゃう☆」

周子「あたしは、元からそこまで気にしてないかなー」

P「だ、そうだが?」

忍「......分かったよ、今は受け入れる。今はね」

忍「でも、いつか必ず、あんたの力なんて必要ないアイドルになって、あんたみたいな卑怯者、追い出してやるから!!」

忍「アイドルをバカにしたあんたを、アタシは許さない!」

P「....そうかい。まぁ、頑張りな」

P「だがこれだけは頭に入れとけよ、明日の仕事の出来で事務所の運命が決まる。そこだけは、ちゃんと覚悟して臨むように!」

忍周心「「「はいっ!!」」」









唯(.........♪)

~~~ 翌日、イベント会場 ~~~



唯「おー、新人ばっかりって言っても、結構人いるんだねー」

ちひろ「次に売れそうなアイドルを探しに来た記者の人達もいっぱいいますからね」

ちひろ「でも、殆どは新人より、このイベントのメインアイドルが目的だとは思いますけど...」

唯「あ!最近人気だよね、唯もちょくちょくテレビで見るよ!」

社長「...........」

ちひろ「社長?どうしました?」

社長「いや、今日のこのLIVEに社の運命がかかってると思うとね......」

社長「彼に賭けたのは、果たして正しかったのだろうか....」

唯「大丈夫だよ!アタシずっとレッスン見てたけど、なんか面白かったし!」

ちひろ(面白いのは根拠になるのかしら...?)

唯「みんなの番はいつなのー?」

社長「確か、かなり後の方だったはずだが.....」

P「一番最初だぞ?」

社長「P君!?アイドルたちのところにいなくていいのかね?」

P「今日の俺の仕事は終わったしな。LIVEはあいつらの好きにやらせるさ」

ちひろ「あれ?でも予定表では忍ちゃん達の出番、まだまだ先になってますよ?」

P「ああ、その予定表はもう古い」

ちひろ「えっ?」

P「不幸なことに、他の出演者みんな、渋滞やら交通事故やら日時の連絡ミスで、まだ到着する見込みがないんだと」

P「だからこのままだと、繰り上がりであいつらが最初に出てくることになるな」

ちひろ「えええええええええ!!!???」

唯「なんだ、一番最初にやれるなら、むしろラッキーじゃん♪」

ちひろ「いやいやラッキーじゃありませんよ!よく見たらスタッフがめちゃくちゃ焦ってて殆どパニックですし、こんな環境でトップバッターなんて、めちゃくちゃプレッシャーかかるじゃないですか!」

社長「そもそも、こんな状況じゃ最悪イベント中止になるんじゃないかね?」

P「かもなー、残念!アッハッハッハ!」

社長「笑っとる場合かねキミィ!?」

ちひろ(というか、もしかしてこのトラブル、この人が仕組んだんじゃ...?)

P「まぁ、中止かどうかはあいつら次第さ。あとは成り行きに任せるしかねぇよ」

ちひろ「ここまで来て運任せなんですか!?」

社長「アア、終わった.....」







唯「ねぇ見て!忍ちゃん達出てきたよ!!」

社長&ちひろ「!?」


P「.........(ニヤリ!)」

~~~ 少し前、アイドル控室 ~~~



忍「誰も来ない.....」

周子「メインの子以外は、みんなここで待機って言われてたよね?」

心「ていうか、外なんか騒がしくね?ちょっち様子見てくるわ☆」



佐藤さんの言う通り、外からなにか怒号の様なものが度々聞こえる

ドタドタと慌ただしい足音も聞こえるし、なんかトラブルでもあったのかな?

心「オイやべーぞ!他の出演者誰も来てないって!」

周子「マジで?」

心「このままだとイベント中止かもしれないって、さっきそこのスタッフが言ってたわ....」

忍「中止って、そんな!!」




ダメだ!ウチの事務所にはもう時間がない!

今日を逃したら、次のチャンスが来る保証なんて.....





(「本気でトップ狙うつもりなら.....なりふり構わず目の前のチャンスに死ぬ気で喰らい付いてみやがれ!」)

忍(!!!)ガタッ

周子「忍ちゃん、どこ行くの?」

忍「ほかの出演者が来るまでアタシ達で粘れないか、交渉してくる」

周子「他の出演者が来るまであたし達が時間稼ぎするって事?でも、到着がいつになるか分かんないし、プレッシャーやばいんじゃない?」

忍「だとしても!諦めるわけにはいかないよ!!」

忍「アタシは...今目の前にあるチャンスを逃したくない!!!」

周子「!」


心「...よし!どうせなら時間稼ぎとは言わず、はぁとがメインも食っちゃうぞ☆」

周子「まぁ、何もやらないよりはいいかな?逆に考えたら自分たちをアピールするチャンスだし、折角だから忍ちゃんに乗ってみようかな♪」

忍「うん!みんなでこのチャンス、絶対モノにしよう!!」

ちひろ「ほ、本当に出てきた!」

P「よし、とりあえず第一段階はクリアだな」

社長「しかし、プレッシャーのかかるこの状況....大丈夫だろうか....」

唯「心配しなくても大丈夫だと思うよ?だって三人とも楽しそうだもん♪」

ちひろ「確かに、なぜかいつもより活き活きとしているような.....」

P「そりゃあそうだろう、あいつらはこの舞台で恥かくよりもっと恥ずかしい経験をしてるからな」

ちひろ「もしかして、昨日までのレッスンの事ですか?」

P「俺はさ、あいつらから恥じらいを消したかったんだ。いつどんな時でも、いつも通りのパフォーマンスができるようにな」

P「昨日まであんだけ派手に滑りまくってたんだ。もうこれしきのプレッシャーじゃあいつらは動じねえよ」

社長「素晴らしい!これなら他の参加者が到着するまで凌げる!!」

P「凌ぐ?馬鹿言え、他の奴らが到着する前に.....一気にケリつけんだよ!」

忍(なんか、今までで一番身体が軽い!今ならどんな思い切ったアピールだってできそう!)

周子(昨日まであんだけ恥かきまくってたからね.....これくらいのプレッシャ-はどうでも良くなってくるわー)

周子(だけど、いい加減体力の限界!絶対元々の持ち時間過ぎてるやろこれ!)

忍(まだまだ終われない....だから!)

忍(頼んだよ!佐藤さん!)


心(おう!次のアイドルが来る前に、観客のはぁとをしゅがしゅがにしてやるぞ☆)

ちひろ「もう30分、流石に忍ちゃんと周子ちゃんは限界が近そうですね...」

唯「だけど心ちゃんはまだまだ大丈夫そうだよ!」


社長「そういえば、佐藤君だけは例のレッスンをやらせずに、いつも通りあの拷問じみたレッスンをやらせていたみたいだが」

社長「...成程、あれだけのレッスンをすれば自然とスタミナも付くだろうな」

P「佐藤には、残りの二人にやったレッスンは必要なかった。佐藤には最初から、どんだけプレッシャーかかってても、あの痛いキャラを貫くだけの精神力があったからな」

P「前にやったLIVEバトルの時、俺が一番評価してたのは佐藤だ。そして最後まで拷も....レッスンをやり遂げたあいつに期待してたからこそ、他の出演者が到着する時間を最初の予定より伸ばしておいた」

ちひろ「やっぱりあなたの仕業だったんですか!?」ガビーン!


P「だけど、ちょっと勿体ないことしたな。この調子だったらまだまだ粘れたのに、もう次が来ちまったらしい。正直、想像以上の結果だった」

社長「ああ!これだけの結果を残せれば、きっと業界も彼女達に目を向けるはずだ!」

ちひろ「ふふ!明日から忙しくなりそうですね!」

社長「P君!やはり君を選んでよかったよ!!」

P「手のひらくるっくるだなアンタ!?」

唯「...ねぇプロデューサーちゃん」

P「...なんだ?」


唯「ゆいもアイドルになったら、あんな風にキラキラできるかな?」

P「俺の拷問に耐えれるんなら、いくらでもな」

唯「そっか......それじゃあ、これからよろしくね!」




唯「"プロデューサー"!」

アタシ達の第一歩は、無事"大成功"で幕を下ろした

トラブルに見舞われた上で、遅れてやって来た同じ新人はおろか、メインのアイドルすら霞む程のパフォーマンスを見せたとして、終了後すぐに事務所にたくさんの問い合わせがあった

新しい仲間も一人増え、少しずつ仕事も入ってくるようになって、ようやく"芸能事務所"らしくなってきた


.....だけど

P「んじゃお前ら、これ明日からのスケジュール表な?」

忍「うわっ!レッスンと仕事でギッチギチ!」

周子「あのー、プロデューサー?休みの文字がどこにもないんやけど...?」

P「あるわけねぇだろ、仕事がない日はずっとレッスンだよ」

P「あとレッスンの密度は今までの倍だから」

周子「えー!??あれの倍やるの!?」

P「当たり前だろ、あんなの軽いジャブだジャブ」

心「そのジャブではぁと死にかけたんですがそれは☆」

P「安心しろよ、今月乗り切れば楽になれるから」

心「それ完全に死んでるよな?オイ☆」

唯「あははっ!なんか面白いね♪」

心「面白くねぇよ☆」

忍(.....前途多難だけど、ようやくデビューも出来た)

忍(ここからだ、ここからアタシはトップアイドルになる!)




忍(そしていつか...絶対このムカつくプロデューサーを見返してやるんだから!)

なお、翌日忍は今までとは比較にならない様な拷問レッスンやとんでもない仕事をやる羽目になり

目の前の男の恐ろしさへの認識がまだまだ甘かったと悟ることになるのだが....


それはまた、別のお話

終わりです

続きは何も考えてません

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