キャラ崩壊注意
晶葉「このガシャポンのカプセルに、対象の人間の髪の毛を一本入れれば、対象のクローン体が作れるぞ!」
P「倫理観倫理観倫理観!」バッ
晶葉「大丈夫だ助手よ!消去ボタンも付いてるから、トラブルが起きた時は即解決だ!」
P「余計なトラブルが起きる未来しか見えんわ!没収!」
晶葉「頑張って作ったのに~」
まゆ「仕方ないですねぇ。プロデューサーさん、私が保管しておきますね?」スッ
P「間違ってもお前だけには渡さん」サッ
まゆ「がーん……じゃあ、やっぱり本物のプロデューサーさんが私の愛を受け止めてくださいっ」ギュッ
P「ええい離れろ!俺とお前はプロデューサーとアイドルなんだから!」
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P「はぁ~まゆ可愛すぎる」ガチャッ
P(毎日毎日蕩けるようなあまあまボイスで好き好きひっついて来やがって……たまに理性が失われそうになる)
P(いっそまゆの言うとおり、受け入れてしまえば……いやいや、俺はプロデューサーだぞ。そんなこと許され……)カチャンッ
P「これは……晶葉のクローン製造カプセル。鞄に入れたまま家まで持ち帰ってしまったか……」
P(……クローンのまゆならいいんじゃないか?)
P(ここは俺の家だ。ここなら誰にもバレない、まゆ自身にすら。一晩相手をしてもらって、すぐに消してしまえば……)フラッ
P「か、髪の毛ならスーツを探せばある。抱き着かれた時、一本ぐらいひっついてたはずだ……」スッ
P(どうせ、このままなら本物のまゆを愛してしまう。そうなる前に、一度自分の中で区切りを付けねば……)
P「……!」
偽まゆ「あれぇ……?まゆ、どうしてプロデューサーさんのお家に?」キョロキョロ
P(やってしまった……まゆのクローンを、作ってしまった……)
偽まゆ「たしか、まゆはプロデューサーに抱きついて……」
P「まゆ……お前は、本物のまゆじゃない。クローンなんだ」
偽まゆ「クローン……あぁ、そういうことですね?『私』を生み出してしまうほどに、プロデューサーはまゆのことを……!まゆ、とっても嬉しいです」
P「そ、そういうことって。お前……」
P(そう言うと、まゆは目を閉じて、唇を俺に差し出した……『こういうことですよね?』と、問いかけているようだった)
P(俺のささやかな自制心は砕かれ、その問いに肯定の口付けを返した)
P(そのまま俺は日頃から募り続けていた欲望をまゆにぶつけた。まゆはずっと蕩けた顔で、それを受け容れ続けた……)
P(欲望を出し切った後ようやく我に帰った俺は、自虐とも懺悔とも着かない問いかけをまゆに放った)
P「情けないとは……思わないのか。大の大人が、倫理も道徳も破って、自分よりも一回り小さな女の子に、好き放題やって」
偽まゆ「……全然、思いません。さっき言ったように、まゆはプロデューサーに愛されて嬉しい……それだけです」
P(次の日、目が覚めるとまゆが手際よく朝食を食卓へ並べていた)
偽まゆ「あ、おはようございます。プロデューサーさん」
P(昨日のことが夢ではなかったことに、勝手ながらも罪悪と幸福を感じていた)
P(朝食は、美味かった)
偽まゆ「それでは、一晩だけでもプロデューサーの本音が聞けてよかったです……さようなら」
P「……え?」
偽まゆ「だって、私のことは消してしまうんでしょう?」
P(まゆは……どうしてこんなこと聞くんだろう。決まってる、俺に言わせるつもりなのだ。俺に言わせて、確固たる関係にしようとしているのだ)
P「……嫌だ。俺はお前を消さない。ずっとここに居てくれ。俺だけのまゆになってくれ……!」
偽まゆ「はい。あなたがそう、望むなら」
P(事務所に行くと、やけに家に居るまゆのことが気になった)
P(俺の家を出てはしないだろうか。煙になって消えてしまっていないだろうか)
P(何度も休憩を取っては、自分の家に電話をかけた)
P「い、居るよな?まゆ……俺の家に」
偽まゆ『はい。まゆはずっとお留守番してますよ』
P「そう……だよな。悪いなまゆ。さっきから何度も電話かけて」
偽まゆ『いえいえ。まゆはプロデューサーさんの声が聞けて嬉しいです』
偽まゆ『気が済むまで、何度でも確かめてください。電話で、声で、体で。プロデューサーさんが安心するまで、何度でもまゆは答えます。まゆはここです、あなたの物です……って』
P(事務所で、不意に涙が出そうになった)
P(まゆが答えてくれる限り、自分の人生に曇りはないと思った)
まゆ「最近、プロデューサーさんがおかしいんです」
晶葉「うん?どこがだ?」
まゆ「今まではまゆが抱きつけば、プロデューサーさんの理性と本能の葛藤が見れたのに……今ではどこか余裕があるんです。何か……捌け口を見つけたような」
晶葉「ふむ……恋人でもできたんじゃないか?」
まゆ「恋人……?」ザワッ
ガチャッ
偽まゆ「あ、プロデューサーさん。おかえりなさ……」
まゆ「……」バタン
偽まゆ「あらぁ……」
まゆ「『あなた』……だったのね」ギロッ
偽まゆ「……えぇ、そうよ。『私』が……」
まゆ「まゆのプロデューサーさんを……返して」
偽まゆ「いいえ、プロデューサーさんはもう私の……」
まゆ「……うるさいっ!」グサッ
偽まゆ「……えっ」スッ
偽まゆ「あ、うっ、うああっ、あ」ドサッ
まゆ「……あった。クローン製造カプセル。このボタンを押せば、あなたは消えるのね」スッ
偽まゆ「ま……待って……私が消えたら、プロデューサーさんは悲し……」
まゆ「……大丈夫。『あなた』も『私』も、代わりはいくらでも居るから」
P(テレビを見ながら、まゆと晩御飯を食べる)モグモグ
P(画面の向こうに、本物のまゆが映る)
P「……なぁ、まゆ。俺、最近思うことがあるんだ」
P「人の記憶は曖昧だよ。通常の精神状態じゃないなら尚更だ。俺は、お前を作ったあの日、とんでもない思い違いをしていたんじゃないかって」
P「もしかして……俺は本物のまゆをここに閉じ込めているんじゃないかって。実はあの画面に映ってるのが偽物で、本当は……」
まゆ「何を言ってるんですかプロデューサーさん。あなたを愛し、あなたに愛されるまゆだけが本物……そうに決まってるじゃないですか」
P「あぁ……そうだな」
まゆ「……うふふ」
この後ベッドの上で処女がバレ、そのまま入れ替わりもバレるポンコツまゆなのであった。終わり。
以上になります。
夏らしく怖い話を書いてみました。怖がっていただけたなら幸いです。
ありがとうございました。
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