律子「メガネが壊れた」 (39)

車掌『次はー、○○、○○』


律子「……」

律子(相変わらず、満員電車ね……)


車掌『お出口は左側です』

律子(まぁ、もう慣れたけど)


車掌『お降りの際は、お気をつけ下さい……』

律子「よいしょ、っと……」

「邪魔だ、どけどけぇ!」

律子「!?」


ドン  グシャッ


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律子「いったた……何よ、今の……」

駅員「大丈夫ですか?」

律子「あ、すいません……大丈夫です」


律子「……」


律子「……あれ?」

律子(視界が……ぼやけてる)


律子「…………」




律子「壊れた」

——事務所——


ガチャッ

律子「おはようございます」

P「おう、おはよう律……子?」

律子「何です、その疑問符は」

P「いや、一瞬迷ったんだ。 メガネしてないから」

律子「……私の本体はメガネだとでも?」

P「冗談だ」

小鳥「律子さん、珍しいですね。 イメチェンですか?」

律子「いえ、壊れたので」

P「壊れた?」

P「へー、そんなことが」

律子「おかげで、ここまで来るのも一苦労でしたよ……」

小鳥「その人、訴えた方がいいんじゃないですか?」

律子「あぁ、もう示談になりました」

P(その人、めっちゃ金取られただろうな……)


小鳥「でも、メガネが無いんじゃ大変ですよね……仕事」

律子「そうなんですよね……」

P「……」

P「律子」

律子「はい?」

P「貸そうか? ……メガネ」

律子「あるんですか?」

P「まぁ…………うん」

小鳥「意味深な間ですね」

律子「まさか、ヒゲメガネとかじゃ」

P「……」

律子「え? 図星?」

P「給湯室の棚にあるから、な?」

律子「なんで仕舞い込んでるんですか?」

P「……じゃ、営業行ってきます!」


ガチャッ バタン


律子「……」

小鳥「……どう思います?」

律子「メチャクチャ怪しいですね」

小鳥「ですよね……」

律子「まぁ、とりあえず見てみますか」

小鳥「ですね」

律子「給湯室は……っと」ガン

小鳥「……」

律子「………ったぁ……」

小鳥「結構見えてないんですね……」

律子「はい……」


小鳥「じゃ、律子さんはそこから動かないで下さい。 取ってきますから」

律子「すいません、小鳥さん」

律子「……」

律子(どうして、こうなっちゃったんだろう……)

律子(今日は、誕生日なのに)

律子「はぁ……」



小鳥「はい、取ってきましたよ。 ……大丈夫ですか?」

律子「……あぁ、大丈夫です」

小鳥「それで、そのメガネなんですけど……」ゴトン

律子「ゴトン?」

小鳥「箱でした」

律子「は、箱……?」

小鳥「はい、箱です。 この中にあると思いますよ」

律子「随分厳重に保管してあるんですね、そのメガネ」


ガチャッ


真美「おっはよー!」

亜美「双海亜美アンド真美、フューチャリングいおりん! ただいま参上ぅ!」

伊織「フィーチャリングね」

亜美「そうとも言う」

小鳥「あれ、確か今日真美ちゃんは……」

真美「オフだけど、ヒマだったからね」

亜美「ちかたないね」

伊織「それに、今日は全員集合するわよ?」

真美「パーリィだもんね!」

伊織「ちょっと、言っちゃダメでしょ!?」

律子「ふふ、ありがと」


真美「……あれ、そーいやりっちゃんどしたの? イメチェン?」

律子「メガネが壊れたのよ、オッサンとぶつかって」

亜美「なにぃ、オッサンですと!?」

律子「え、オッサンに食いつくの?」


真美「じゃ、そのデッカイ箱は?」

小鳥「うちのオッサンが隠していたメガネ達よ」

亜美「なにぃ、兄ちゃんが!?」

律子「え、なんで通じるの?」

伊織「アイツの私物……いい予感はしないわね」

亜美「とりあえず、スケスケだぜぇ!」パカッ

真美「あ、りっちゃんはまだ見ないでね?」

律子「見えないわよ、何も」


伊織「……」

亜美「……」

小鳥「これは……」

真美「めっちゃあるね」

亜美「略してメガネだね」

伊織「略せてないけどね」

亜美「りっちゃーん、これなんてどう?」

律子「え? ……ヒゲメガネじゃない、これ」

真美「じゃあ、これは?」

律子「え? ……グルグルメガネじゃない、これ」

小鳥「これはどうです?」

律子「え? ……笑福亭笑瓶モデルじゃない、これ」

伊織「待って! なんで見えないのにそんな分かる訳!?」

律子「何よ伊織、触った感触で分かるでしょ?」

伊織「笑瓶モデルも!?」

小鳥「というか……これ、見事に実用性の無いメガネばっかり入ってますね」

律子「まぁ、薄々感づいてましたけど」

伊織「別に笑瓶モデルは使ってもいいんじゃないの?」

真美「それに、どれも度が入ってないし」

律子「伊達メガネコレクションだったみたいね……」


亜美「あ、りっちゃん!」

律子「?」

亜美「コレ、ちゃんと度が入ってるっぽいYO!」

律子「え、なになに?」

小鳥「……」

伊織「……」


律子「真実はいつもひとつ!(低音) ……ってバカ!」バシン


亜美「ナイスノリツッコミ、りっちゃん!」

伊織「結構無茶振りだったわね」

律子「大ヤケドするところだったわ」

真美「あ、りっちゃーん」

律子「?」

真美「これも、度入ってるっぽいYO!」

伊織「……」

小鳥「……」


律子「ククッ、戦闘力たったの5か……ゴミめってバカァ!!」バシーン


小鳥「キレが上がってますね……」

伊織「スカウターはメガネって分類でいいのかしら……?」



プルルルル プルルルル



亜美「あ、TERUだ」

伊織「TELね」

律子「はい、こちら………あぁ、あずささん」

律子「はい、はい……」

律子「分かりました、すぐ向かいます」ガチャン


小鳥「どうかしたんですか?」

律子「あずささん、また迷ったって……午後から取材なのに」

伊織「道理で遅いと思ったわ……」

律子「じゃあ、ちょっと探してきますね!」


ガチャッ バタン

小鳥「……」

亜美「……」

真美「ねぇ、今、りっちゃん……」

伊織「……ええ」


亜美「グルグルメガネ、つけてったね……」


真美「りっちゃぁーーん!」ガチャッ バタン

小鳥「笑瓶モデルじゃなかったわね」

伊織「そこはどうでもいいわ」

伊織「とにかく!」


伊織「今、律子はほぼ聴覚と触覚に頼っている状態よ」

小鳥「嗅覚は?」

伊織「うるさい。 ……それで、このまま律子をほっとく訳にはいかないわ」

真美「いおりん!」ガチャッ

伊織「なに!?」

真美「りっちゃん委員長を追いかけましたが、見失いましたっ!」

伊織「委員長言うな!」

伊織「でも、こんなすぐに見失うとなると……あずさクラスね」

小鳥「どうしましょう、やっぱり一度プロデューサーさんに……」

伊織「その必要はないわ」

小鳥「え?」


伊織「私たちで律子を探し出す……小鳥は、ここに残って」

亜美「おっ、りっちゃん防衛隊の結成ですな!」

真美「探検隊じゃない?」

伊織「捜索隊よ」

小鳥「……でも、具体的にどうやって探すの?」

真美「りっちゃんのケータイにかけたらいいんじゃない?」

亜美「ここにあるよ? りっちゃんの」

伊織「忘れたの!?」

小鳥「見えなかったんでしょうね……」

真美「うあうあ〜! りっちゃん、ケータイなのにケータイしてないYO!」

伊織「うまいこと言わなくていいから」

小鳥「でも、そうなると」

伊織「……そうね」


————

——

亜美「——で、さ」

伊織「なに? 何か文句ある訳?」

真美「結局、歩き回って探すんだね……」

伊織「……」


亜美「りっちゃーん! お客様の中にりっちゃんはいませんかー!」

伊織「亜美、この辺りで大声出しても多分聞こえないわよ」

真美「じゃあ、どーすんの?」

伊織「……聞き込みね」

伊織「すいません、この辺りでグルグルメガネをかけたキャリアウーマンを見ませんでしたか?」

通行人A「え、グルグルメガネ? 見てないなぁ」

伊織「そうですか……ありがとうございます」



亜美「……いおりん、演技派だね」

伊織「うっさいわね、アンタたちも聞き込みいくわよ!」

真美「はいはーい」

通行人B「グルグルメガネのキャリアウーマン? さぁ……」

亜美「そうですか……」


通行人C「グルグルメガネの委員長? ちびまる子ちゃんかな?」

真美「うーん、多分」


通行人D「烈海王のグルグルパンチ? あぁ、面白いよね」

亜美「ですよね→」


通行人E「笑福亭笑瓶? 見てないな」

真美「そうですか……」



伊織「……ちょっ、ちょっとストップ!!」

亜美「どーしたの、いおりん?」

伊織「どーしたのじゃないわよ! 何やってんの!?」

真美「え、だから聞き込みを……」

伊織「どんな聞き込みしてんのよ! 脱線早すぎるんだけど!」

伊織「何が烈海王よ! 何が笑瓶よ!!」

亜美「まぁまぁ、いおりん落ち着いて……」

伊織「キー!!」

あずさ「イライラはお肌に悪いわよ〜」

伊織「ちょっとあずさ、あなたからも……」




伊織「え?」

亜美「あずさお姉ちゃん!?」

真美「いつからいたの!?」

あずさ「最初からいたわよ〜」

伊織「律子を見つける前に、あずさが見つかるとはね……」

あずさ「えっ、律子さん?」

伊織「今、律子が失踪してるのよ」

亜美「りっちゃん、委員長スタイルだもんね!」

真美「笑瓶スタイルだもんね!」

伊織「余計なこと言うな! 後、さっきから笑瓶推ししつこいんだけど!」

あずさ「律子さんなら、さっきすれ違ったわね〜」

伊織「え、スルーしたの?」

あずさ「難しい顔して、向こうに歩いていったわ」

亜美「向こうだね!」

真美「じゃあ、早速行こ→!」

伊織「……あずさ、律子の行った方向には何があった?」

あずさ「ええっと、確か駅が……」

伊織「ならこっちね」

亜美「真逆だYO!」


————

——

律子「…………見えない」


律子(ホント、何やってんだろ)

律子(誕生日だっていうのに、メガネ壊して……変なコントに参加して)

律子(あずささんを探すはずが、探される側になって)

律子(ホント、私って……)



律子「はぁ……」

P「どうした、ため息なんてついて」


律子「…………え?」

律子「プ、プロデューサー!?」

P「何やってんだ、こんなとこで……まぁ、想像はつくけど」

律子「……」

P「ほら、いつまでも委員長メガネなんてしてないで」スッ

律子「…………え?」

P「急いで作ってきたんだ。 度、合ってるか?」

律子「……え、えっと……営業は?」

P「ゴメン、嘘ついた」

P「俺のメガネコレクションで、時間潰して貰おうと思ってたんだけど……」

律子「……」

P「律子は委員長メガネが気に入ったのか?」

律子「……ふふっ」

P「?」

律子「何でもありません!」

P「そうか……」



P「……それと、さ」

律子「?」

P「これ……良かったら」スッ

律子「……開けていいですか?」

P「ああ」

律子「……」ベリベリ

律子「これは……」





P「スカウターだ」

律子「なんで!?」

P「いや、あらかじめ用意してて……」

律子「さっき事務所にあったんですけど、コレ!」

P「何言ってるんだ律子、これは新型だぞ?」

律子「知りませんよ!」


P「……まぁ、何はともあれ、だ」



P「誕生日おめでとう、律子」

律子「……もう」

P「?」

律子「もうちょっと……ロマンチックなシチュエーションなりプレゼントなりは無かったんですか?」

P「無かった」

律子「即答!?」



律子「……まぁ、何はともあれ」

律子「ありがとうございます、プロデューサー殿♪」

亜美真美「「りっちゃーん!!」」

律子「わっ!?」

亜美「心配したYO!」

真美「りっちゃんが暴発するかと思ったYO!」

律子「蒸発って言いたいの?」

伊織「全く……ケータイぐらい持ってきなさいよね」

律子「ケータイ? ……あっ」

あずさ「律子さんでも、ドジってするんですね〜」

P「さ、みんな。 事務所に戻ろう、小鳥さんが待ってるぞ」

亜美真美「「はーい!」」

あずさ「分かりました〜」

伊織「あずさ、こっちこっち!」



P「じゃ……帰ろうか、律子」

律子「はいっ!」



伊織(律子のメガネが笑瓶モデルになってるのは……突っ込まない方がいいのかしら)


おわり

以上です。
適当ですいません

律子誕生日おめでとう!!

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