【ゆるゆり】京子「夏といえば、怪談!」 (32)
(ごらく部)
京子「さーて、夏だし怪談話でもしよう!」
結衣「安直な思いつきだなー・・・」
ちなつ「絶対、今適当に思いつきましたよね」
あかり「か、怪談ー?あかり、怖い話苦手だよぉー」
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京子「じゃ、まずは私からねー」
結衣「どんな話をする気だ?」
ちなつ「何だか、変なオチの話をしそうですけど」
あかり「きょ、京子ちゃん、あんまり怖いのはやめてね?」
京子「小学校3年の頃さ、同じクラスに雨を自由に降らせられる子が居てさ」
結衣「え?」
ちなつ「雨を自由に・・・ですか?」
あかり「そ、それ本当なの?」
京子「うん、本当本当。みんなでその子にお願い、雨降らせてーってお願いすればさ」
京子「その子が空に手を上げて、しばらくするとパラパラって降ってくるんだよ本当にー。不思議とさー」
結衣「へ、へぇー・・・?」
ちなつ「不思議ですねー・・・」
あかり「有名になって、テレビに出たりとかは?」
京子「ううん、全然。そのころ私たちもそういう子もいるもんだって普通に納得してたからねー」
結衣「いや納得するなよ」
ちなつ「小学校3年生の頃なら、仕方ないかも知れませんね」
あかり「その子はどうしてるの?」
京子「いやー、4年になる時に転校してったからあとはわからん」
京子「けど今でも、どっかで自由に雨を降らせたりしてるのかも知れないなぁー」
結衣「何かに使えそうだね、それ」
ちなつ「田畑とかに水やりとか」
あかり「雨降らせたら、暑い日も涼しくなるかもね」
京子「そういうわけで、私は以上。次は結衣!」
結衣「わ、私かよ。それじゃあ・・・じゃ、この話だな」
結衣「夜寝てる時ってさ。時々、部屋の中にピシッとか音したりしない?」
京子「ああ、あるある」
ちなつ「家鳴り、ってヤツですか?」
結衣「あれってさ。そこに幽霊がいる証拠なんだって」
京子「えー?まさかぁー。床板とか歪んだりする音でしょー?」
ちなつ「うちなんか、しょちゅう音はしますよ」
あかり「うーん、あかりの家でも時々鳴ったりするかなぁ」
結衣「いや、本当らしいよ。幽霊って、出てると色々音が聞こえてくるらしい」
結衣「よーく思い返してみて。何だか部屋に音がやたら鳴る日ってない?」
京子「・・・うーん」
ちなつ「わ、私の家ってよく音がするんですけど。もしかして・・・」
あかり「こ、怖いね・・・」
結衣「だから、今日は妙に部屋で物音が鳴るなと思ったら」
結衣「そんな時はきっと、後ろからじっと幽霊が背中を見つめてて・・・」
京子「や、やめろよ結衣ー。寝れなくなるじゃん」
ちなつ「きょ、きょうは電気つけて寝よっと」
あかり「あかりも・・・」
京子「中々ゾクゾクする話だったけど。次はちなつちゃん!」
ちなつ「私ですか。じゃあえーと・・・」
ちなつ「小さい頃、人形おばさんって呼ばれてる人がいて」
結衣「人形おばさん・・・?」
京子「それって、どんな人なの?」
ちなつ「自分の赤ちゃんみたいに、いつもお人形を抱いてそれに話しかけてるんです」
京子「へぇー、だから人形おばさんか」
あかり「その人はどうしていつもお人形を抱いてるの?」
ちなつ「昔、うっかりして自分の赤ちゃんを死なせちゃったんだって」
結衣「そ、そりゃかわいそうだな」
京子「あー、だから自分の赤ちゃんの代わりに人形をねー」
あかり「そ、そうだったの・・・」
ちなつ「それで、ある日その人形おばさんに遭遇したんですけど」
結衣「どうなったの?」
ちなつ「相変わらず、ボロくなった人形を抱っこして話しかけてて・・・けど」
京子「けど?」
ちなつ「その時、人形があーって泣いたような気がして・・・」
あかり「ええーっ!?」
ちなつ「それで、えっ?と思って見たら、人形おばさんがこっちをじっと見てて」
ちなつ「そしたら、抱っこされてた人形も、まるで生きてるみたいにゆっくりこっちを向いて・・・」
あかり「きゃーっ!」
結衣「そ、それは怖い」
京子「人形には、魂が宿るっていうけれども・・・。こっわー・・・」
京子「・・・そんで、あかりはきっと魂が半分抜けてるから存在感が薄いんだ」
あかり「どういう事!?」
結衣「んなわけないだろ」
京子「さて、それじゃ次はあかり!」
あかり「う、うん・・・」
あかり「それじゃあね・・・。学校を出て、ちょっと行ったとこの角に犬の石像があるの知ってる?」
京子「あ、あれねー。うん、知ってる知ってる」
結衣「何かの記念なんだっけ」
ちなつ「ええ、確か人助けした犬なんでしたっけ」
あかり「それじゃあね・・・。学校を出て、ちょっと行ったとこの角に犬の石像があるの知ってる?」
京子「あ、あれねー。うん、知ってる知ってる」
結衣「何かの記念なんだっけ」
ちなつ「ええ、確か人助けした犬なんでしたっけ」
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あかり「それがね、動くのを見たことがあるの。いきなりピョンって台から飛び降りて」
あかり「ウーンって伸びをして、それから後ろ足で耳の後ろを掻いて・・・」
京子「本当にー?」
あかり「本当だよぉー。それから、あたりをグルグルって走りまわって」
結衣「普通の犬じゃないか」
ちなつ「あかりちゃん、近くにいたただの犬と見間違えたんじゃないのー?」
あかり「ううん、それで、え?って思って目をこすってもう一回見たらね」
あかり「元に戻ってたの」
結衣「へぇー・・・。ま、石像としても犬もたまには動きまわりたくなるのかもね」
ちなつ「じっとしてたら、疲れちゃいそうですもんね」
京子「けど、それさっきのちなつちゃんの話とそんなに変わらないじゃんかさー」
京子「まぁ、けどさ。幽霊の話ししてると本当に出るって言うじゃん」
結衣「あーそうそう、幽霊が寄って来るとかよく・・・」
ガラッ
京子「ん?今誰か来た?」
ちなつ「ええ、みたいですね。玄関で音が」
京子「・・・」
結衣「・・・」
ちなつ「・・・」
あかり「・・・」
京子「・・・誰も入って来ないね。綾乃かと思ったのに」
結衣「ゆ、幽霊だったりしてね」
ちなつ「ちょ、ちょっと結衣センパイ、やめて下さいよー」
あかり「もう結衣ちゃん、怖い話したばっかりだからよけいに怖く」
スゥー…
京子「うおっ!?」
結衣「えっ!?」
ちなつ「嘘!?」
あかり「ふ、フスマがひとりでに・・・」
京子「・・・」
結衣「・・・」
ちなつ「・・・」
あかり「・・・」
結衣「い、いるって!今絶対何かここ!」
ちなつ「きゃーっ、結衣センパーイ!」
あかり「な、何か音が聞こえるよ!?」
ピシッ…パシ…
京子「み、みんな落ち着け!ここは、一丁・・・」
京子「お茶でも出して、幽霊にくつろいでもらおう!」
結衣「バカかお前は!?」
ちなつ「ど、どうぞ・・・」トン
ズズー…
京子「はー・・・。湯のみが、空中に浮いて・・・。幽霊って、ホントに居るもんだねぇー」
結衣「お前はどうしてこの事態にそうのん気に」
あかり「き、気のいい幽霊さんみたいで、良かったけど・・・」
ポリポリ…
京子「ほぉー・・・。一緒に出したせんべいも、空中に消えてくねぇー」
結衣「お前がそういう態度だからこの非日常が日常みたいな空気に」
ちなつ「幽霊って、飲み食いするんですね・・・」
あかり「お、おいしいですか・・・?」
京子「・・・そうだ!折角だからさ」
結衣「ん?」
京子「幽霊に、うちの部員になってもらおう!」
結衣「何だそれ!?」
ちなつ「あ、あの、成仏とかしてもらった方が・・・」
あかり「い、一体どういう事!?」
京子「だってさ。これがほんとの・・・」
京子「幽霊部員でございます」
結衣「落語かよ」
終わり
以上でした
読んでくれた方ありがとうございました
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