田中摩美々「ふふー、こいですからぁ」 (12)

【故意】


P「………」カタカタ

P(喉渇いたな……さっき淹れた烏龍茶、飲みかけのままでもアレだし、全部飲んじゃうか)

P「………」ゴクゴク


P「ぶほっ!? なんだこのしゅわしゅわ!!」

P「こ、これ……よく見たら泡立ってる! 烏龍茶じゃなくてコーラだ!」



摩美々「ふふー、しゅわしゅわーだなんて、結構かわいい言葉使うんですねー。恋鐘みたい」

P「ま、摩美々~……! 俺の烏龍茶をコーラとすり替えたな!」

摩美々「えー? 私はたまたま置きっぱなしだった烏龍茶がかわいそうだったので飲んであげて、たまたまあとで飲もうと思ったコーラを机に置いただけですよー」

P「たまたまなわけないだろう! わざとじゃないのか?」

摩美々「故意じゃないですから」

P「本当か? なら、疑ってすま」

摩美々「同じ柄のコップを使ったのは故意ですケド」

P「やっぱり騙す気だったんじゃないか!」

摩美々「……かも?」

P「まったく……相変わらず油断も隙もないな」

摩美々「女の子の前ですきを見せたら負けですよー」

P「……それは確かに、そうだ……」

摩美々「え……あの、何か女性関係で嫌な思い出でもありました……?」

P「20年以上生きてれば、いろいろな……」

摩美々「……ぁ、あの」

P「?」

摩美々「烏龍茶とお菓子、持ってきます……」

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【濃い】



摩美々「ふー、ふー」

P「………」

摩美々「……なんですかぁ? ジロジロ見て」

P「ああ、ごめん。摩美々がふーふーしてるのも見慣れたなと思って」

摩美々「こうも定期的にラーメン食べに来てたら、当たり前じゃないですかぁ」

P「いつの間にか、摩美々とラーメン屋に来るのがお決まりになっちゃったな。最初のきっかけはなんだったっけ」

摩美々「さあ、なんでしたっけ……たまには他の子も誘ったらどうですかぁ?」

P「年下の女の子をラーメン屋に誘うのって、最初は結構勇気がいるんだよ」

摩美々「咲耶とか『ラーメン……いいね。アナタの誘いなら喜んで』とか言ってくれそうですケド」

P「咲耶の真似、うまいな」

摩美々「ふふー」

P「でも、咲耶はなんていうか……綺麗すぎてラーメン屋には似合わないっていうか」

摩美々「ふーん……そーですかぁ……」

P「こら、お行儀悪いから脚をぷらぷらさせるのはやめなさい。あと俺の脚に当たってる。そのブーツ金属多くて結構痛いぞ」

摩美々「ぷらぷらさせるのじゃなくて、攻撃が主目的なのでオッケーですー」

P「ならなおさらダメだろう……」

摩美々「プロデューサーの方のスープ、飲ませてくれたらやめてあげますよー」

P「スープ? あぁ、いいぞ」

摩美々「では、いただきまぁす」ズズッ

摩美々「………」

P「どうだ?」

摩美々「んー、濃いですねー」

P「濃いか?」

摩美々「濃いです」

P「このしつこさが好きなんだけどな」

摩美々「じゃあ私もしつこく」

P「イタズラはあっさりめが好みだ」

摩美々「えー」

P「えーじゃない。ほら、伸びる前にラーメン食べなさい」

摩美々「はーい。あ、プロデューサーも私のスープ飲みます?」

P「いいのか? タバスコとか入ってないよな」

摩美々「それはこの前やったじゃないですかぁ。私、同じイタズラは何度もしない主義なので」

P「できれば同じ相手に何度もイタズラするのもやめてほしいんだけどな」

摩美々「それは難しいですねー。プロデューサーは、まみみのお気に入りですから」フフ

【乞いと鯉】


摩美々「おはよーございまぁす……あれ」


P「すぅ………」スヤスヤ


摩美々「寝てる……?」

摩美々「………」

摩美々「おひるねしてるプロデューサー、ぱしゃり」カシャ


P「……はっ!」

摩美々「あ、起こしちゃいましたー?」

P「摩美々……そのスマホを構えた体勢は」

摩美々「………」

P「………」

摩美々「日本には、『沈黙は金』って言葉がありますよねー」

P「撮ったんだな?」

摩美々「金メダルー♪」

P「俺の寝顔、撮ったんだな?」

摩美々「撮ってませんよー」

P「え? でも今」

摩美々「私が撮ったのは変顔ですケド」

P「そんなにひどい顔してたのか!?」

摩美々「アンティーカのグループトークに流すと大盛況をもらえそうなくらい」

P「流すなよ? 絶対流すなよ!?」

摩美々「わぁ、必死ですねー」

P「頼む! 後生だから!」

摩美々「そんなに必死に手を合わせるなんて……乞いのポーズですかぁ?」

P「だって……恥ずかしいじゃないか」

摩美々「………プロデューサーって、たまにかわいいですよね」

P「かわいいって、なんだか男としては複雑な評価だな」

摩美々「じゃあ、あざといにしときます?」

P「それは単純に嫌な評価だ……」

摩美々「ふふー。まあ、その顔に免じてこの写真は拡散しませんから」

P「本当か!」

摩美々「担当アイドルを信用できないんですか?」

P「………」

摩美々「沈黙は金」

数日後


摩美々「………」ジーー

摩美々「……ふふ、変な顔」


恋鐘「摩美々~、なに見とると?」

摩美々「あ……別に、なんでも」

恋鐘「ん~~? なんかにやにやしとったけん、かわいか写真でも見とるかと思ったばい」

摩美々「なんでもないよー……一応、秘密ってことだし」ボソ

恋鐘「? うちはレッスン行くけん、摩美々もサボらんとちゃんと来んね?」

摩美々「りょーかーい……あ、そうだ。恋鐘」

恋鐘「?」

摩美々「……私、そんなにニヤニヤしてた?」

恋鐘「にやにや~!」コクコク

摩美々「そっか……あー……ん……ぅん」

恋鐘「なんね~? 口ぱくぱくして」

摩美々「べつに」

恋鐘「まるで鯉ばい!」ニコニコ

摩美々「こいは恋鐘じゃん」

恋鐘「うちは『こいがね』じゃなくて『こがね』ばい!」

【こい?】


P「………」カタカタ

P「もうこんな時間か……」

摩美々「夕暮れ時ですねー」

P「摩美々、何してるんだ?」

摩美々「レースゲーム」

P「へえ。いい感じか?」

摩美々「5位ですねー」

P「微妙な順位だな」

摩美々「もう少し重量級にしてみようかなぁ」

P「今はどんなのに乗ってるんだ?」

摩美々「子犬」

P「車とかじゃないのか……」

摩美々「動物レースですね。プロデューサーもやってみます?」

P「んー。俺、あんまりスマホでゲームやらないんだよな」

摩美々「そういう人ほど、一度ハマると抜け出せなくなるんですよねー」

P「まあ、もうちょっと暇になったら始めてみるよ。今はとりあえず、仕事片付けないと」

摩美々「頑張ってくださぁい」

P「摩美々も、レース頑張れよ」


1時間後


P「よーし、今日はここまでだ!」

摩美々「私も、ひと段落ついたので帰ろうかなぁ」

P「………」

帰り道


P「摩美々、最近わざと俺と同じ時間に帰ってないか?」

摩美々「えー? なんですかぁ、それ」

P「いや……毎回こうやって、俺にアイスとか奢ってもらうために残ってるのかと思って」

摩美々「……べつに、そんなんじゃないですよ」

P「そうか……俺の自意識過剰だったか。すまない」

摩美々「ふふー。こい、ですからぁ」

P「故意? ということはやっぱりわざとなんじゃないか」

摩美々「わざとじゃないですよー」

P「でも今故意って」

摩美々「………」



摩美々「こいは、わざとじゃないですから」

P「………?」

摩美々「………」ジーー

P「えっと、すまん摩美々。どういう意味なのか、よくわから」

摩美々「ふふー……プロデューサーのアイス、早く食べないと溶けちゃいますよ?」

P「え……あっ、本当だ! 溶けかけてる!」

摩美々「今夜は結構暑いですからぁ」

P「うおおっ!」ガツガツ

摩美々「食べ方も暑苦しいヒトなんですね」

P「そもそもなんで9月になったのにこんなに蒸し暑いんだ。秋よ、早く来いっ!」

摩美々「ふふっ、プロデューサーと一緒にいると、本当に飽きが来ませんねー」



おしまい

おわりです。お付き合いいただきありがとうございます
まみみかわいい

過去作
【シャニマスSS】もしもまみみが高校の後輩だったら
田中摩美々「ふふー、すきだらけですねー」

などもよろしくお願いします

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