武部沙織「人が恋におちる瞬間をはじめて見た」 (12)

大学戦車道サークル

男「暇だなぁ」

エリカ「暇ね」

男「戦車全台修理中だもんな....なにも出来ないけど暇だとここにきちゃうよな」

エリカ「まぁ誰かしらいるから話し相手には困らないわね」

男「確かに....西住さん暇なら飲みに行かない?」

みほ「えっ!?わ、私?」

男「他にいないでしょ 姉の方はザリガニ釣りだろ?」

みほ「そっか....いいよ...//」

エリカ「よくないわよ!これから沙織が新しいメンバーを連れてくるって言ってたでしょ」

男「冗談だって!ね?西住さん」

みほ「うん....」

エリカ「・・・・・・」

沙織「みんなおまたせ!新メンバーを連れてきたよ!」

男「おお!!」

沙織「みぽりんは知ってると思うけど新メンバーの冷泉麻子さんでーす!私の幼馴染だよ!」

麻子「よろしく....」

男「......//」ポッ

・・・・・・・・・・

沙織「その時私は人が恋におちる瞬間をはじめて見た」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1571861117

男「俺!男って言うんだ!よろしく」

麻子「ああ...よろしく」

沙織「男君....」ボソッ

男「なに?どーした?」

沙織「麻子はね お婆ちゃんが亡くなったショックで精神をやられちゃってこの前まで入院してたからいろいろ助けてあげて」

男「オッケー!任せろ!」

男「ほら冷泉さん!ケーキたべようよ」

麻子「食べる....あと麻子でいい」

男「分かった ほら麻子 口に生クリームがついてるぞ」

みほ「・・・・・・・・」

エリカ「ちょっとわたしとみほでジュース買ってくるわね」

男「俺 カルピスな!」

麻子「私もカルピス」

エリカ「そんな暗い顔してたら部屋の雰囲気が悪くなるでしょ」

みほ「ごめん....」

エリカ「男でしょ? あの馬鹿のどこがいいんだか....」

みほ「うん....でもすごく優しいんだよ?大学にイマイチ馴染めなかった私に一番最初に声をかけてくれたし」

エリカ「そうかもしれないけどあいつは顔だって中の下くらいよ?」

みほ「私は好きだけど....」

エリカ「私の気持ちも知らないで....」ボソッ

みほ「えっ?」

エリカ「なんでもないわよ!!ほらジュース買って戻るわよ!」

エリカ「次暗い顔してたら本当に怒るから!」

みほ「ごめん.....」

数日後 学食

男「ほら麻子 プリンだよ」アーン

麻子「あーん」

エリカ「あんた達最近ずっと一緒にいるわね」

麻子「沙織が忙しいから」

男「なんか気があうんだよなぁ」

エリカ「来週のBBQの支度だっけ?」

男「そうそう」

エリカ「そういえば まほさんが男のこと探してたわよ」

男「えーどうせザリガニ釣りだろ でも行かないと後でうるさいしなぁ ちょっと行ってくるわ」

・・・・・・・・

エリカ「あんた 男のことどう思ってるの?」

麻子「ただの友達」

エリカ「そうなの?あいつはあんたのことしっかり異性として認識してるけど」

麻子「それは困る 私は別にそんなつもりは」

エリカ「へーじゃああんたにその気はないんだ?」

麻子「ああ」

エリカ「あーそうなの」

エリカ「(こいつを焚きつけて男とくっつけたら みほは私と...思ったけどうまくいかなそうね)」

麻子「それだけか?」

エリカ「そうね ちょっと気になったから聞いてみたの」

麻子「そうか」

麻子「私は別に好きなやつがいるそれだけは言っておく」

エリカ「へぇーそれは興味ないわね」

一週間後 河川敷

麻子「日向で寝ると気持ちいいな」

沙織「麻子は本当に膝枕が好きだよね」

男「俺も麻子にしてもらいたい....」

みほ「男君にしてあげたい....」

エリカ「みほにしてあげたい....」

まほ「あそこのくぼみならいいザリガニが釣れそうだな」

それぞれ膝枕に色々な気持ちを交錯させながらBBQは始まった

男「ほら麻子!肉焼けたぞ」

麻子「沙織に食べさせてもらうからいい」

沙織「もー」

沙織「みぽりん 今がチャンスだよ」ボソッ

みほ「うん.....//」

男「・・・・・・・」

みほ「男君 お肉食べよ?」

男「うん....」

みほ「男君はどんな料理が好き?」

男「んー卵料理とかかな」

みほ「じゃあ今度男君の部屋に作りにいってもいいかな....?」

エリカ「男!あっちで麻子が呼んでいたわよ」

男「えっ!?本当に!」

男「麻子ー!!」

みほ「・・・・・・・」

エリカ「あいつの目にみほは写ってないのよ」

みほ「でも好きだもん.....」

エリカ「私じゃダメなの?」

みほ「え......?」

エリカ「冗談よ.....」

みほ「そっか!そうだよね!?」

・・・・・・・・・・

男「雨止まないな....」

麻子「うん」

男「(俺と麻子は二人で川辺を散歩中に雨に降られてバス停で雨宿りしていた)」

男「これ着とけよ....」腰に巻いていた上着を渡す

麻子「別に夏だから寒くないぞ」

男「その....透けてんだよ」

麻子「.......着替える//」

男「あっち向いてるから」

麻子「着替えた....」

男「(俺の上着....麻子が着るとワンピースになっちゃうのか)」

麻子「変じゃないか?」

男「(そう問いかけてくる彼女が愛おしくて抱きしめたくなった)」

男「麻子!!」ぎゅつ

麻子「えっ!?どうした?」

男「はじめてみた時からずっと好きだった!!」

麻子「ありがとう...でもごめんな 私は沙織が好きなんだ」

麻子「おかしいと思われるかもしれないがそれでも好きなんだ
私が辛い時あいつはいつだってそばにいてくれた もうあいつじゃなきゃダメなんだ...」

男「そっか.....」

麻子「雨も止んだし戻るか」

男「ああ....」

男「(二人で並んで帰ったけど会話はなかった 蝉の鳴き声だけが響いていた)」

翌日

男「はぁ......」

沙織「みぽりん!男君がため息をついてるよ? きっと悩んでいるんだよ」

みほ「うん」

麻子「・・・・・・・」

沙織「ほら話聞いてあげなよ!そういう時の男はコロッとおちるって本で読んだことあるよ」

みほ「そうなのかな....//」

みほ「ねぇ男君...暇かな?」

男「ああ 暇だよ」

みほ「じゃあ飲みに行かない?なんか元気なさそうだから」

男「気使わせてごめんな...行くよ」

男「沙織は?」

沙織「私はほら合コンの予定があるから」

男「そっか」チッ

男「西住さん 行こうぜ」

みほ「う、うん」

鳥貴族

男「うーなんで振られるんだよ...こんなに好きなのに...」

みほ「飲みすぎだよ もう....」

男「抱きしめたいよぉ!!」

みほ「あのね....私でよかったら抱きしめていいよ」

男「えっ!?」

みほ「隣行ってもいい?」

男「お、おう」

男「(腕に西住さんが抱きついてくるが麻子にはなかった柔らかい膨らみが腕にあたる)」

みほ「(お酒のせいかな...ちょっと大胆かも//)」

男「あの....胸が当たってますけど」

みほ「当ててるんだよ?」

男「に、西住さん?」

みほ「みほって呼んで?」

男「みほ.....」

みほ「私....君のことが好き 麻子さんの代わりでもいいから....」

エリカ「待ちなさい!!」

みほ「エ、エリカさん!?」

エリカ「代わりなんてダメ!貴方のことが貴方自身を好きな人だっているのよ!!」

みほ「え?誰?」

エリカ「私よ!ずっと貴方のことが好きだったのよ!」

みほ「エリカさん.....//」

エリカ「さぁ行きましょう!」

みほ「うん!」

男「えぇ.......」

田んぼ

まほ「お前が自らの意思で釣りに来るなんてめずらしいな」

男「まぁたまにはいいじゃないですか」

まほ「振られたか?」

男「そんなとこですね まほさんは恋人とかいるんですか?」

まほ「ああ ザリガニだけが恋人。この愛は永久不滅だ」

男「俺はずっと考えてたんだ うまく行かなかった恋に意味はあるのかって」

まほ「どうした 突然」

男「消えて行ってしまうものはなかったものと同じなのかって...」

まほ「独り言か?流石に引くぞ....エレ速のコメ欄だったらキモいって言われてるぞ....」

男「今ならわかる。意味はある 。あったんだよここに...」

男「麻子.....俺は君を好きになってよかった....」

まほ「こいつやばいな....知らない人のふりしよう」

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom