~スタジオ~
大石泉「こんにちは、秋休み子ども科学電話相談、司会と進行の大石泉です。慣れない役割だけど……全力で頑張ります。私にも答えられるものがあれば答えたいな。2人とも、よろしくお願いします」
一ノ瀬志希「どーもー。今日の目標は”最後までスタジオにいること!”一ノ瀬志希だよ〜」フリフリ
池袋晶葉「世話になる。今日の目標は”最後まで志希を逃さない”池袋晶葉だ。よろしく」ペコリ
泉「いや……ほんと……お願いね?」
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志希「ヘーキヘーキ♪ 子どもの発想とか着眼点ってすごいし? シキちゃんもきっと最後まで飽きないって〜」
泉「それならいいんですけど……」
晶葉「ともあれ泉。説明を頼む」
泉「えっと、この番組は、みんなが日常で感じた何気ない疑問を電話で募集して、スタジオにいるメンバーが解説をしていくものになります」
志希「”科学”ってなってるけど、実際はなーんでもオッケー! ぜひぜひ疑問も質問もあたしたちにぶつけてくれたまえ〜」
晶葉「まぁ、実際にやってみるのが早いだろう」
泉「うん、そうだね。じゃあデモンストレーションもかねて、最初の相談にいってみようか」
志希「いってみよ〜」
泉「最初の相談者は、ユキちゃんです。こんにちは〜」
『こんにちは!』
泉「それでは相談をどうぞ!」
『どうしてキャッツは勝てないんですか?』
ガチャン!!!!!!!!!
泉「……」
志希「……」
晶葉「……」
晶葉「ユキちゃんって……」
泉「いたずら電話だったみたいですね」ニコッ
晶葉「いや明らかに」
泉「いたずら電話だったみたいですね」ニコッ
晶葉「だから聞き覚えが」
泉「いたずら電話だったみたいですね」ゴゴゴゴゴ
晶葉「わかった! わかったから!」
志希「泉ちゃん、小さい子向けにちゃーんと柔らかい口調だったのにね〜」
泉「つ、次にいきましょう! 今度こそ……!」
晶葉「先行き不安だな……」
泉「続いての相談は、ニナちゃんからです。こんにちは」
晶葉(また聞き覚えのある名前だが……)
『泉おねーさん! こんにちはでごぜーます!』
晶葉「いや隠す努力をしてくれ」
泉「では早速だけど、相談をどうぞ」
『はい! この前、雨がざーざー降ってたから事務所でみんなでまってて、やんだー! って思って外を見たら虹がかかっていやがりました!』
晶葉(普通に事務所って言う)
『でも、虹ってなんで上の方しか見えねーですか?』
志希「ほうほう」
泉「なるほど……ニナちゃんの質問は、虹の形についてだね」
志希「答えちゃっていーい?」
泉「頼もしいですね。では志希さん、お願いします」
志希「おっけー♪ もしもし〜?」
『はい!』
志希「まずねー、ニナちゃんの質問、実はすっごく頭がいいんだよ?」
『そうなんでごぜーますか?』
志希「だってニナちゃん、”上の方しか”って、言ったよね? つまり、虹は見えているアーチみたいな部分が全部じゃなくて、円の上の方だけ見えているって、直感でもわかってるんだもん。すごいすごい!」
『えへへ……』
志希「その上で丸く見えない理由を言うと、まず虹が出るのはどんな時?」
『雨のあと!』
志希「ひゃくてーん♪ 空気中に水滴がある時なんだけど、じゃあ虹の端っこには何があった?」
『え? 何もねーですよ?』
志希「ほんと〜? 何もないとこで虹が消えちゃってた?」
『そうですよ! ビルとか、地面とかで消えてやがりました!』
志希「ふむふむ、つまり、それが理由なんだよねぇ」
『?』
晶葉「……いや志希喋るの上手いな!?」
志希「もー、こっからがヤマなんだから水を差すのはダメだよハカセ?」
晶葉「誰がハカセだ。いや、もっと適当に答えるものだと……」
志希「偏見だにゃー? 泉ちゃんはそんなこと思ってないよね?」
泉「………………もちろんです」
志希「沈黙は誰よりも雄弁に語るねえ」
『もしもーし?』
志希「おっと、ごめんごめん。つまり、建物とか、地上が邪魔で、水滴が存在できないのだ!」
『……じゃあ、ビルとかをぶっこわしやがったら、もっと虹が見れるですか?』
晶葉「発想が怖いんだよ」
泉「ぶっこわすとか誰が教えてるんだろ……」
志希「うんうん♪ やっぱりニナちゃんはかしこいねえ? そうやって邪魔するモノを全部排除すれば、確かに丸い虹は発生するけど……流石に地面は無理かな」
泉「あ、聞いたことあるかも。確かすごい高いところから丸い虹が撮影できたって。高層タワーの建築中とかだったかな?」
『すげー!』
志希「つまり、幸子ちゃんみたいにスカイダイビングのお仕事とかをすれば、見れるかもね?」
『なるほど! まだできないけど、いつかやってやりやがりますよ!』
晶葉「また無責任なことを……」
泉「まあ、本人が喜んでるなら……」
志希「ホントは、なんで虹は丸いのかーとか、直線にならないのかーとか、そういうのまで教えたいとこなんだけど……球になってる水滴内で光が反射する角度の色による違いとか、プリズムのあれこれとか、太陽と観測者の位置関係によってある角度の位置からしか虹が見えないとか、だいたい42度とかだっけ? 忘れちゃったけど、ま〜、めんどいからまた今度! ファンタジーなのだよファンタジー!」
泉「急に適当に……」
晶葉「どうだ、仁奈……じゃなかった、ニナちゃん。謎はとけたか?」
『やっぱり志希おねーさんはすげーです! ありがとうごぜーました!』
泉「じゃあ、電話は切らせてもらうよ。それじゃあ」
志希「泉ちゃーん? もっと可愛く切ってあげなきゃだよ〜?」
泉「えっ……?」
志希「もっとこう、Eテレのお姉さんみたいに!」
泉「そ、そういうのはキャラではないので……」
晶葉「いや、志希の言う通りだ。愛想がよくないと子供も懐かないぞ?」
泉「あ、晶葉まで……」
志希「ほらほら♪」
晶葉「ほらほら」
泉「く……え、ええと……」
志希「わくわく♪」
泉「に、ニナちゃんっ! 今日はありがとー! それじゃあ切るね! まったね〜♪」キャルンッ
志希「もう電話切れてるね」
泉「なんなの!?」
晶葉「撮れ高ひとつってとこだな」ケラケラ
泉「恨むよ2人とも……」
志希「それじゃあ次、いっちゃおー!」
泉「進行役まで取られてるっ!」
泉「じゃあ次のお電話は……もしもし? チエちゃんですか? こんにちは」
『こ、こんにちはっ』
泉「ふふっ、緊張しなくても大丈夫だよ」
晶葉(身内しかいないからな)
泉「じゃあ相談をどうぞ」
『はいっ。チエ、この前図工の授業でお人形さんを作ったんです。粘土だったんですけど、なかなか立たせられなくて……』
泉「うんうん」
『すぐバランスが崩れちゃうんです。でも、晶葉さんのウサちゃんロボは二足歩行してますよね? あれってどういう仕組みなのかなって……』
泉「なるほど。ただでさえ難しい二足歩行でのバランスを、動くウサちゃんロボはどうやって取っているのか。って話だね」
志希「これは晶葉ちゃんだね〜おやすみ〜」Zzz
泉「寝ないで」
晶葉「ふむ……まあ、極論を言ってしまえば、人間と同じだな」
『そうなんですか?』
晶葉「例えば、我々が片足で立ってバランス感覚を鍛えるとしよう。じきにバランスが崩れてきて、前後左右のどこかへ重心が傾いてしまう」
『……わっ、とっと……は、はいっ!』
泉(電話先でやってみたのかな……かわいい……)
晶葉「それを敏感に感じ取れるのが足の裏だ。かかとに体重がかかれば重心を前に移動させようとするし、右足で立ってたとして内側に力が入っていれば、重心を右に移動させなければいけない」
『はい……!』
晶葉「ロボットも同じだ。足の裏にセンサーをつけて、どこに自重がかかっていて、どちらに重心をずらせばいいのか、瞬時に判断するんだ」
『なるほど……』
晶葉「まあ、それとは別に、傾きを感知するジャイロセンサーなども搭載しているが……それも人間でいう三半規管の役割だから、やはりヒトと同じだな」
『そうだったんですね……!』
志希(ウサちゃんロボ、それで説明つかないレベルでぬるぬる動くけどにゃー?)
晶葉「納得したか?」
『はいっ』
晶葉「それはよかった」
泉「それじゃあ……」
『あっ……!』
晶葉「む?」
泉「何か気になる事があった?」
『ご、ごめんなさい、1つだけ……』
晶葉「ワハハ、そう恐縮するものでもない。なんでも答えようじゃないか!」
『ウサミン星にいるウサちゃんロボも、生まれた時からそうやって立ってるんですか? あと、ウサミン星にはウサちゃんロボがどれくらい』
晶葉「すまん電波が悪いようだ!!!!!」ガチャン!!!!!!!!!
泉「切った!!!」
泉「ちょっ……何してるの!」
晶葉「いや……あのままだと菜々にまで被害が……そもそも千枝の中での”ロボット”の定義の確認とかから入らないといけない気がして……危険だと……」
志希「にゃはははは!!! 流石の危機管理能力♪」
晶葉「わ、笑い事じゃないぞ!」
泉「千枝ちゃんには後で謝っとかないとね」
晶葉「逆に菜々には感謝してもらいたいくらいだ……」
晶葉「つ、次に行こう!」
泉「はいはい……じゃあ、次の子とはもう電話が繋がってるみたい。こんにちは。お名前をどうぞ」
『……ノアよ』
晶葉「無理があるだろう!!!」
晶葉「タイトルを10回読み直してこい! 子どもって書いてあるだろ!!!」
『いいえ、知への探究心を失わない者は全て赤子と同じ……それを失くしてしまっては、人間として終わりを告げているも同然よ……』
泉「ゴリ押しね……」
晶葉「そもそもさっきから身内しか来ないじゃないか! どうなってるんだ!?」
泉「え? だってこれ、事務所の内線だもん」
晶葉「内線!?」
泉「そもそも生放送でもないし」
晶葉「はぁ!? し、志希は知ってたのか!?」
志希「もちろん! 生放送なら怖くてシキちゃん使われないし!」ドーン
晶葉「自分で言うな!」
晶葉「くそ……頭痛が……」
志希「ま、乗りかかった船なんだからさ〜」
晶葉「……それもそうだな。進めてくれ」
泉「それじゃあ、のあさ……ごめんなさい、便宜上、ノアちゃんって呼ばせてもらいます。ノアちゃんの相談は何かな?」
『死後の世界はあるのか……私はそれに興味がある』
晶葉「もはや子どもでもなければ科学でもないし相談でもない」
泉「コンセプト総崩れね……」
『秋ではあるわ』
晶葉「うるさいな」
晶葉「あー、志希、どう思う?」
志希「んー? ……何もないよ」
晶葉「……言い切るんだな」
志希「きっと、死んだ瞬間が永遠になるだけ。ハッピーに死んだら永遠にハッピー。トラジカルに死んだら悲しみだけ。わかんないけどね」
『死する瞬間までの行為はーー人生という大局を含めーー無意味。と』
志希「意味だってなんだって死んじゃったらわかんないもん。周りの人たちがご勝手に値踏みするんじゃないの? それは死んだ本人には何の価値もないし」
晶葉「”死後評価された画家は幸せか”という命題もあるな」
『……志希はニヒリスト?』
志希「本当にそうならこんなお仕事はやってないにゃ〜」
晶葉「アイドルになる以前は?」
志希「……にゃふふ」
泉(急に真剣な空気で何も言えません……大石泉です……助けて……)
『まあいい……私の本題は別にある……』
晶葉「これ以上思考の迷宮を招かないでくれると助かるが……」
志希「なんでもござれ〜」
『深夜でも料理をしてくれるロボットを事務所に配備してほし』
泉「はい、ノアちゃん、ありがとうございました」ガチャン!!
晶葉「容赦ない」
泉「きっとのあさんなりに、場を和ませようとしてくれたんですね」
晶葉「慈悲なく電話を切ったやつのセリフか?」
志希「みんなお茶目さんだね〜」
泉「時間もないので、次にいきましょうか。あ、次がラストみたいですね」
晶葉「はぁ……まあ、最後まで付き合おう」
志希「いけいけ〜」
泉「では早速、電話が繋がっているようです。えっと……え? ……ふ、フレデリカちゃーん」
『ぼんじゅー!!!』
晶葉「結局過半数が大人じゃないか!」
『やっほー! シキちゃんいるー?』
志希「おー! フレちゃんやっほー♪」
『ねえねえ! この前あげたマカロン! どうだった? どうだった?』
志希「美味しかった〜! ……ってかな子ちゃんが言ってたよん?」
『えー? シキちゃん食べてくれなかったのー? せっかく買ったのにー! 激おこフレちゃん丸だよ!』
志希「なーんて、ちゃんと食べたよー。でも志希ちゃんにはちょーっと甘かったかにゃー」
『じゃあ次はビターチョコをあげるね! ビターがベター! なんちゃって!』
志希「あはは〜フレちゃんおもしろい〜」
『ぼうよみ〜〜〜』
志希「にゃはは〜」
『うふふ〜』
晶葉「相談は!!!!!!」
晶葉「相談!!!!! は!!!!!」
泉「晶葉、落ち着いて」
『相談? あ、そういうあれだっけ! もちろん覚えてたよ〜! もうフレちゃんの命は長くない……ごほっごほっ! その前にお願いを聞いてはもらえないだろうか……! え? 聞いてくれる? めるしーめるしー! お願いっていうのはねー……あれ? なんだっけ? こ、ここまでは来てるんだよ? このもみあげのとこまで来てて……ちょっと待ってて! ふぬぬぬぬ! あ! そうだ! 口笛はなぜ遠くまで聞こえるのかな! ねえねえおじいさん! ねえ!』
泉「はい、それでは以上をもちまして、秋休み子ども科学電話相談を終わりにしたいと思います」
『あれ!? イズミちゃん、エンディングに入りんぐカナ!? おーい!』
泉「2人とも、お疲れ様」
『ちょっとー?』
晶葉「ああ、なんだかんだ、楽しかったよ」
『いじめだ! センセー! これはいじめだよ!』
志希「シキちゃんも面白かったよ〜」
『お相手はフレちゃんでした〜!』
晶葉「自然に混ざるな」
『打ち上げにはフレちゃんも呼んでね!!!』
泉「最後しかいなかったじゃないですか……」
『えー? フレちゃん、ずっといたよ……?』
泉「……え?」
『イズミちゃんのう・し・ろ・に♪』フフッ
泉「!?」バッ
晶葉「!?」
『うそだよー♪』
泉「なんなの!!!」
晶葉「なんなんだ!!!」
志希「まったね〜」フリフリ
おわり
ありがとうございました。
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