霧崎「ハハハハハ…ハァ」

霧崎「まだだ、まだ終わらないぞ…」

霧崎「次のゲームを…だが力が入らない…」

霧崎「それまでどうするか…」


ｽッ


霧崎「おや？冷たくなくなったぞ？」ﾁﾗ




蘭子「・・・・・」

霧崎（この少女が…私に傘を差し伸べている）

蘭子「・・・・・」

霧崎「何のつもりだ？こんな惨めな私に憐れみか？」

霧崎「全く、子供というのは無垢で困る」


蘭子「…蘭子」

霧崎「？」

蘭子「子供じゃない、我が名は神崎蘭子、魔の力を持つ者だ」

霧崎「ほう…」

蘭子「其方に、我と同じ気を感じたからな」

霧崎「フッ、昔の話さ」

蘭子「それに…」

霧崎「それに？」



蘭子「…我が友なら、きっとこうしたと思うから」

霧崎「我が友？」

蘭子「な、何でもない！それはともかく立ち話も何だな…」

～346プロ～

霧崎（このドリンク美味いな）ｺﾞｸｺﾞｸ



ちひろ「それで、連れてきちゃったわけですか」

蘭子「うむ」

ちひろ「こんな得体の知れない人を？」ｺﾞｺﾞｺﾞ

蘭子「う、うむ…」ﾋﾞｸッ

ちひろ「まぁとりあえず警察に…」ﾋﾟﾎﾟﾊﾟ

蘭子「ま、待て！」ｶﾞｼッ

ちひろ「…何ですか？」

蘭子「あの者は、きっと迷っているのだ」

蘭子「光と闇の狭間で…」

ちひろ「はぁ…」

ちひろ「仕方ないですね」

ちひろ「丁度、当てもなかった所ですし」


霧崎「ご馳走様、美味しいドリンクだったな」

ちひろ「ちょっと貴方」

霧崎「何かな？美しいお嬢さん」

ちひろ「そのドリンク飲みましたね」

霧崎「ああ、とても美味しかったよ」

ちひろ「働かざる者食うべくらずという言葉を知ってますか？」

霧崎「この星の言葉だな、実に合理的な考えだ」

ちひろ「…やっぱり貴方宇宙人ですね」

霧崎「・・・・・」

霧崎「驚かないのか？」

ちひろ「ええ、まぁこんなご時世ですし」

ちひろ「ここだけの話、この事務所にも何人かは…」

霧崎「なるほど」

ちひろ「それでここからが本題です」






ちひろ「ここで働きませんか？」

霧崎「なん…だと…」

ちひろ「実はこの間の怪獣騒ぎでプロデューサーさんが大怪我しましてね…」

ちひろ「代わりが中々見つからなくて…」

ちひろ「もう、誰でもいいかな…と」

霧崎「・・・・・」

ちひろ「どうです？勿論、お給金も弾みますよ」

霧崎「ふむ…」

霧崎（どちらにせよ、力が戻るまで退屈だしな…それに）ﾁﾗ



蘭子「？」

霧崎（彼女に興味もある、面白いことになりそうだ）ﾆﾔﾘ

霧崎「わかりました、引き受けましょう」

ちひろ「ありがとうございます！」

ちひろ「というわけで蘭子ちゃん、この人が新しいプロデューサーさんです」

蘭子「そうか、よろしく頼むぞ我が弟よ」

霧崎「弟？」

蘭子「其方からは我と同じ魂の波動を感じるのでな、弟と呼ばせてもらう」

霧崎「やっぱり君は面白いね、よろしく頼むよ姉さん」


霧崎（こうして、私のプロデューサー生活が始まった）

～ダンスレッスン～

霧崎「はい、スロースロークイッククイック」ﾀﾀッ

蘭子「おお…華麗なる舞だ…」

霧崎「今のような感じでやるんだ、姉さん」

蘭子「うむ、心得た」

霧崎（まぁ、地球の事は勉強してきたからね）

トレーナー（あれ、私の出番ない…？）

霧崎「完璧なダンスだったよ姉さん」

蘭子「我が弟の指導が上手かったからな」


ｶﾞﾁｬ


菜々「おはようございまーす！」ｳｯｻﾐｰﾝ

霧崎「あ、ウサミン星人」

菜々「！？」

菜々「と、トレギア…何でここにいるんですか？」

霧崎「おっと、今の私は霧崎Pだ」

菜々「わ、私はもうヴィランギルドからは足を洗ったんです！あなたとは関係ありません！」

菜々「私はただルナチクスちゃんを取り返したかっただけなのに…」

霧崎「それで今はアイドルか、えっと歳は…」

菜々「永遠の17歳です！」

蘭子「我が弟よ、何をしている」

霧崎「ああ、今行く」

菜々「弟って…」

霧崎「何でもないよ、それでは」ﾌッ



菜々「トレギア…一体何を企んでいるんですか…」

～数日後～

ちひろ「霧崎さん、最近蘭子ちゃん絶好調ですね！」

霧崎「やはり私のプロデュースに間違いはないようですね」ﾄﾞﾔｧ

ちひろ「この分なら次のライブも大丈夫そうですね」

霧崎「勿論です」

ちひろ「一応民間の警備会社に警護をお願いしましたし安全ですね」

霧崎「えっ…」

～その頃、イージス本社～

カナ「というわけで、今度アイドルの警備を任される事になったわ！」

ピリカ「すごーい！」

ホマレ「アイドルか…ナイトファングの時の痛い女を思い出すぜ…」

ヒロユキ「ハハハ…まさかあんな子ばかりではないでしょう」

タイタス『アイドルというとアレか、筋トレが好きな女の子の事か』ﾀﾞﾌﾞﾙﾊﾞｲｾｯﾌﾟｽ

フーマ『いやいや、違うって旦那』

タイタス『だがこの間ヒロユキのパソコンで見たアニメの女の子達は筋トレをしていたじゃないか』ｵﾈｶﾞｲﾏｯｿｰ

タイガ『面白かったよなアレ！』

タイタス『やはり昨今の女性は強くないといけないのか、フーマもこの間やってたサクラ…なんたらってゲームにハマってたしな』

フーマ『あざみたんカワユス』

タイタス『我がU40にも是非シルバーマンジムを作って欲しいな』

ヒロユキ「あの、もう少し静かに…」

カナ「タイガ達と話してるの？」

ヒロユキ「あ、すみませんうるさくて」

ホマレ「賑やかなのはいいが仕事に支障をきたすなよ」

ヒロユキ「はい！」

タイガ『任せとけって！怪獣や宇宙人があらわれるかもしれないからな！』


タイガ『そしてあいつも…』

～再び346プロ～

霧崎「それではライブに行ってきます」

蘭子「いざ行かん、狂乱の宴へ！」

ちひろ「気を付けてくださいね、最近良くない噂がありますし」

霧崎「噂？」

ちひろ「はい、『人喰い穴』の噂です」

霧崎「ほう…」

ちひろ「何でも道端を歩いていると、どこからともなく笑い声が聞こえてきて…」

ちひろ「気が付くと足元に穴が空き、吸い込まれるそうです」

霧崎「それは厄介ですねぇ、気を付けますよ」

蘭子「我が弟よ、そろそろ行くぞ」

霧崎「ああ…ん？」


ﾊﾞﾊﾞッ


？？「そうはさせるか！」

テロリスト星人「見つけたぞトレギア！」

カタン星人「この恨み晴らさでおくべきか…」

カーン星人「隣の女の子も攫って身代金も要求してやるぜ！」


蘭子「う、宇宙人…」

霧崎「やれやれ、ヴィランギルドの残党か、君達も懲りないねぇ」

霧崎「君たちは下がっていなさい」

ちひろ「は、はい！」

蘭子「弟…」

霧崎「大丈夫だ、安心したまえ」


カタン星人「ヘッ、女の子を守るとはトレギア様も落ちたモノだなぁ！」

テロリスト星人「やっちまえ！」

霧崎「フン」ﾊﾞﾘッ

カーン星人「ぐああ！」

蘭子「つ、強い…」


カタン星人「ハァッ！」ﾋﾟｶッ

霧崎「うっ、目が…」

テロリスト星人「隙ありィ！」ｽﾞﾊﾞッ

霧崎「ぐあっ！」ﾄﾞｻッ

蘭子「弟ォー！！！」

霧崎「だ、大丈夫だ…」

霧崎（エネルギーさえ回復していれば…）


テロリスト星人「へへへ、覚悟しろよ…」



ﾜｯﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊ


テロリスト星人「え？」

カタン星人「な、何だこの笑い声は…」

ﾜｯﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊ

蘭子「真下から…聞こえる…？」

ちひろ「まさか人喰い穴…事務所の真下に！？」


ﾎﾞｺッ


カタン・テロリスト・キール「「「うわああああああああああ！！！！！」」」


ｺﾞｯｸﾝ

蘭子「穴が…」

ちひろ「宇宙人を飲み込んで」

霧崎「こいつは…」


ﾜｯﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊﾊ


霧崎「すぐにここを出るんだ、全員ね」

ちひろ「わ、わかりました！」

ﾜﾊﾊ

ﾜﾊﾊ




ライブキング「ワッハハハハハハハハ！！！！！」

ｺﾞｺﾞｺﾞ…

～怪獣紹介～


再生怪獣　ライブキング


ウルトラマンタロウ第２話「その時ウルトラの母は」第3話「ウルトラの母はいつまでも」に登場した怪獣

カモノハシのような顔をした怪獣で、腹が減れば何でも食べてしまう大食漢

武器は口から吐く火炎と怪力

人が笑っているような不気味な笑い声が特徴

ライブキング「ワッハハハハハハハハ！！！」


タイガ『おいヒロユキ！怪獣だ！』

ヒロユキ「まずい、今日守るはずのアイドルがいる事務所の方角だ！」

フーマ『なら、急いで向かわねーとな！』

タイタス『行くぞ！』

ライブキング「ワッハハハハハハハハ！！！」ｸﾞｼｬッ

蘭子「あ、あわわ…」ｶﾞｸｶﾞｸ

ちひろ「か、会社が…」


霧崎「2人共、下がっていなさい」ｽッ

蘭子「え？」

霧崎（今の力でどこまでできるかわからないが…）ｶﾁッ


ｺﾞｺﾞｺﾞ…

ウルトラマントレギア「ハァッ！」ﾄﾞｼｰﾝ!

ちひろ「あれは…」

蘭子「闇の巨人…」


ライブキング「ワッハハハハハハハハwww」



ヒロユキ「あ！あれは…」

タイガ『トレギア…やっぱ生きてやがったか…」