王「勇者のためにセーブポイントを設置してまいれ」村人「頑張りますだ!」 (47)

以前別の場所で投下したものを若干修正した内容となります

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1578452404

― 城 ―

王「おぬしが王国主催の体力テストで、トップだった村人か」

村人「そうですだ」

王「では、その身体能力の高さを見込んで、おぬしに特命を申しつける」

村人「は、はいっ!」

王「近々、魔王討伐のために、勇者が仲間とともに出発することになっておる」

王「しかし、その旅は困難が予測される。おそらく幾度となく難所にぶつかり、つまずくことだろう」

王「そこで、おぬしに勇者のためにセーブポイントを設置してもらいたいのだ!」

村人「セーブポイント……?」

村人「なんですか、セーブポイントって?」

王「セーブポイントとは、勇者のみ扱える冒険を記録することのできる装置だ」

王「これがあれば、勇者がたとえ冒険の途中で倒れても、そこからやり直すことができる」

王「しかもこれは、絶対に破壊することはできないのだ」

村人「へぇ~、すごい装置ですねえ」

王「おぬしには勇者の旅を先回りするようにして、これを各地に設置してもらいたい」

村人(こりゃあ大役だ……!)

王「ただし、気をつけるべきことが二つある」

村人「なんですか?」

王「一つは、セーブポイントの数は限られている。全部で50個しかない」

王「そしてもう一つ、一度設置してしまえば、やり直しは効かぬ」

王「ゆえに、どこにセーブポイントがあれば勇者が助かるかをよく吟味して、設置してもらいたい」

王「頼んだぞ」

村人「……頑張りますだ!」

― 村 ―

村娘「ええっ、セーブポイントってのを設置するために旅に出るだべか!?」

村人「ああ、魔王城までな」

村娘「そんなの危険だべ! 行かねえでくれ!」

村人「そういうわけにもいかねえだ」

村人「オラがちゃんとセーブポイントを設置しねえと、後で旅に出る勇者様たちは困っちまうだ」

村人「そうなったら、この世界は魔王の物になっちまう」

村人「だけど、心配すんな! オラ、絶対帰ってくる!」

村娘「分かったよう……あたし、待ってる。絶対死なないでくれよ!」

村人「もちろんだ! んじゃ行ってくる!」

村人「どっこいしょ」ドスンッ

村人「セーブポイントってのを、全部荷車に積み終えただ」

村人「じゃあ、しゅっぱーつ!」

村人「よいしょ、よいしょ、よいしょ!」ガラガラガラ…

― 洞窟 ―

村人(勇者様が最初に立ち寄る難所といえば、おそらくここだべな)

村人(この中にゃ、魔物がいっぱいいるってウワサだもんな)

村人「とりあえず、洞窟の入口にセーブポイントを設置して、と」ザクッ

村人「洞窟の中へGOだべ!」ガラガラガラ…

村人(ひえ~、おっかねえ)

村人(洞窟ン中、暗くて前がなかなか見えねえだ!)

バサバサバサッ!

コウモリA「キーキーッ!」

コウモリB「キーッ!」

村人「うわぁ、吸血コウモリだべ! あっち行け! シッシッ!」

ビースト「グルルル……!」

村人「ゲ、今度は猛獣だべ! ヨダレたらしてるべ!」

ビースト「ガァァァッ!」

村人「逃げるべえっ!」ガラガラガラ…

洞窟の主「ZZZ……」



村人(あれがこの洞窟の主だべな。でっけえ図体してて、おっかねえ)

村人(とてもオラじゃ歯が立たねえだ)

村人(だけど、こいつの手前にセーブポイントを設置すれば、きっと勇者様は喜ぶはず……)

村人「起こさないようにそーっと……」ザクッ

村人(よっしゃ、設置できた!)



洞窟の主「!」ピクッ

洞窟の主「わしの眠りを妨げるものは誰じゃ~?」

村人「ひっ!?」

洞窟の主「なんだぁ、オマエ? もしや人間かぁ~?」

洞窟の主「わしは人間が好物なんじゃ~! 丸飲みにしてやるぅぅぅ!」グワバッ

村人「ひえええええっ! 逃げる、逃げるだぁっ!!!」ガラガラガラ…

村人「ハァ、ハァ、ハァ……死ぬかと思った。けど、やったぁ!」

村人「洞窟の入り口と洞窟の主の手前に、セーブポイントを設置することができただ!」

村人「これで勇者様はだいぶ楽になるはずだべ!」

村人「よぉ~し、コツは掴んだだ! 残り48個、どんどん設置していくだ!」



一仕事を終え、ほっとする村人。

しかし、これは更なる苦難の始まりに過ぎなかった……。

― 草原 ―

村人「ふぅ、ふぅ、ふぅ、セーブポイントって重いなぁ」ガラガラガラ…

村人「ここらへんで休むだべか」



スライム「ピギャーッ!」

ゴブリン「グオオオオッ!」

ワーム「キシャァァァッ!」



村人「わわっ、魔物の群れだ! ひいいいっ、逃げるしかねえべ!」ガラガラガラ…

― 吊り橋 ―

村人「ひえぇ~、おっかねえ」

村人「こんなオンボロ橋を、でかい荷車を引きながら、渡らなきゃならないなんて……」

村人(だけど……これも勇者様のため! 世界のため!)ギシギシ…

ポトッ

村人「あっ……」

ザクッ

村人「あああああっ! セーブポイントが吊り橋の下に落ちて、設置されちまっただ!」

村人「ありゃあ、もうどうしようもねえだ……」

村人「勇者様、セーブポイント一個無駄にしちゃってごめんよぉ……」

― 山道 ―

村人「うへぇ~、キツイべ」

村人「こんな急な坂道を、登らなきゃならない、なんて……! よいしょ、よいしょ!」ガラガラ…

デビルベアー「グオオオオオッ!」

村人「し、しかも熊のバケモノまで飛び出てきた!」

村人「こんのおっ!」バキッ

デビルベアー「ギャヒイッ!」ドザッ

村人「オラだって、この旅で多少は鍛えられてんだ! ナメるんじゃねえべ!」

― 山頂 ―

村人「い~い眺めだべ~……」

村人「ここにも一個設置しとこう」ザクッ

村人(セーブポイント設置の旅に出なきゃ、こんな景色を見ることも一生なかったろうな)

村人(もし、オラがセーブポイントの設置を適当にやったら……)

村人(勇者様はうまく冒険できなくなって、世界は魔王の物になっちまうだ!)

村人「よぉ~し、頑張るぞ!!!」



ガンバルゾー……

ガンバルゾー…



村人「おおっ、声が響く! これが噂に聞く山びこだべか!」

― 山道 ―

村人「もうすぐこの山岳地帯を越えられるだ」

村人「さて……今日はこの辺で野宿するべ」ゴロン…

村人「ぐぅ、ぐぅ……」



盗賊A「おい、あのみすぼらしい旅人の荷車にある物体、なんだありゃあ?」

盗賊B「あんなに大切に運んでることは、よほど高価なもんに違いねえぜ!」

盗賊C「よっしゃ、丸ごといただいちまおうぜ!」

チュン… チュンチュン…

村人「ふああ……よく寝ただ」

村人「……あれ?」

村人「あーっ! セーブポイントが荷車ごとなくなってるだ! まだ40個あったのに!」

村人「あ、これは! 足跡がいくつも残ってるだ!」

村人「きっと盗賊が盗んでったんだべ……よーし、追いかけてブチのめしてやるだ!!!」

― 盗賊団アジト ―

村人「どりゃあっ!」バキッ

村人「うりゃあっ!」ドカッ

村人「もいっちょぉ!」ドゴンッ

村人「あーあ、こんなとこに三つも設置しちまって……こりゃもうどうしようもないだ」

盗賊ボス「ひ、ひいい……手下50人があっさりと……」

村人「さぁ、セーブポイント返すべ!」

盗賊ボス「か、返します返します! こんなのどうせ金にならねえし!」

村人「それと、もう悪いことすんじゃねえぞ!」

盗賊ボス「しませんしませぇん!」

村人「なら許してやるだ」

村人(セーブポイントを三つも無駄にしちまっただ。今度からは寝る時も気を付けねえと……)

― ふもとの里 ―

里長「盗賊団を壊滅していただき、ありがとうございます」

村人「いやいや、困った時はお互い様ですだ」

里長「勇者様のためにセーブポイントを設置する旅とは……大変ですなぁ」

村人「大変だけど、やりがいはあるだよ!」

里長「それにしても、200年前に倒されたはずの魔王が再び現れるとは、恐ろしいことです」

村人「え、200年前にも魔王がいたんだべか」

里長「ええ、その時に魔王を倒したのは、今の勇者様の先祖である英雄とその相棒の二人組だったそうです」

村人「へぇ~、きっと仲良かったんだろうなぁ」

里長「そのようです。二人は破竹の勢いで魔物の軍勢を破ったと聞きます」

里長「ところが……」

里長「魔王を倒した後、英雄は莫大な報酬を与えられるなど、大変厚遇されたようなのですが」

里長「相棒だった方は、それほど恩恵にあずかれなかったようなのです」

里長「二人とも同じぐらいの強さだったのに、ほんの少しお金を渡されただったとか」

村人「二人で魔王を倒したのにひどい話だべ……」

村人「で、その相棒はどうなったんだべか?」

里長「結局、失意のまま行方をくらましてしまった、ということです」

村人「そんなことがあっただべか……悲しい話だ……」

村人「ま、だけど、今の勇者様は素晴らしい人だから、仲間差し置いて褒美独り占めなんてしねえべよ!」

里長「……そうだといいですな」

村人「色々世話になっただ! 出発するだ!」

里長「お気をつけて」

― 迷いの森 ―

村人「すっかり迷っちまった……」

村人「うへぇ~、さっきも同じところ通ったなぁ」

村人「ここはセーブポイントを多めに設置しておいた方がいいだなぁ」ザクッ

人食い植物「キシャァァァァァッ!」ニュルニュルニュルッ

村人「わわっと、逃げるが勝ちだべ!」ガラガラガラ…

― 火山 ―

村人「ふぅ、ふぅ、暑いだ……」ガラガラ…

村人「だけど……火山には巨大な竜が住むっていうし、なるべくその直前に設置しなきゃ……」

ゴボゴボッ…

ファイアドラゴン「ギャァァァァスッ!!!」

村人「出、出たぁっ!」

村人「設置して」ザクッ

村人「逃げるだぁぁぁぁぁっ!」ガラガラガラガラガラ…

ファイアドラゴン「ナント逃ゲ足ノ速イヤツヨ……」

― 天空の国 ―

村人「いやぁ~、豆の木を登ったら雲の上に国があるなんて驚きだべ!」

天女「わらわは天女じゃ……」

村人「おわっ、こりゃべっぴんさんだべ!」

天女「ここまで来た褒美に、なにか願いを叶えてやるぞよ?」

村人「魔王を倒して下さい」

天女「すまん、そりゃちと無理じゃ」

村人「ハハハ、冗談だべ」

村人「じゃあ、ここにセーブポイントを設置してもいいだべか?」

天女「欲のない奴じゃな」

村人「いや、そうでもないべよ。ほら」ムックリ

天女「……下半身は正直な奴じゃな」

― 雪国 ―

ビュオォォォォォ……!」

村人「うへえ……さみ……!」

村人「オラ、暑いのはまだ平気だけど、寒いのは苦手だべよ……」

村人「とっととセーブポイント設置して、こんなとこからはおさらばするだ!」ザクッ

村人「うぅ~……さむっ!」

― 暗黒の谷 ―

村人(黒い霧に包まれたおっかねえ谷……)

村人(呼吸するだけで、肺が苦しくなるだ!)

村人(早く村に帰って、村娘とイチャイチャしてえだ)

村人(だけど……勇者様のために……! 世界のために……! 村娘のために……!)



村人「突き進むべえええええええええっ!!!」

― 魔王城 ―

村人「でっけえ城だなぁ~……」

村人「ついにここまでたどり着いただ……」

村人(50個あったセーブポイントも、あと残り二つしかねえ)

村人(まず入り口に一つ設置して、と)ザクッ

村人(ラストの一つは……なるべく魔王の近くに設置しなきゃなんねえ!)

村人「行くべ!」ザッ…

ダークナイト「侵入者は斬る!」ザシュッ

村人「ぐあっ!」

グレートデーモン「邪悪なる炎よ、敵を焼き尽くせ!」ゴォアアアアッ

村人「ひいいいいっ!」

デュークドラゴン「グハハハッ! 食ってやる!」

村人「オラは食ってもまずいべっ!」



村人(うへぇ~、魔王城ともなるとやっぱり今までとは敵の強さがケタ違いだべ!)

村人(もう適当な場所にセーブポイント設置して、引き返しちまうか?)

村人(いや……ダメだべ! ここまできて手抜きは許されねえだ!)

村人「うおおおおおおおおおおおっ!」

村人「ハァ、ハァ、ハァ……」

村人(あちこち逃げ回ってたら、どこ走ってるか分からなくなっちまったべ……)

村人(これじゃ、たとえセーブポイント設置しても、生きて帰れるかどうか――)



「なんだキサマは?」



村人「!?」ゾクッ…

村人(なんだべ!? 声かけられただけで、とんでもねえ寒気が……)

村人「おめえ……おめえ、まさか――」

村人「魔王か!?」

魔王「その通りだ」

村人(やっぱり! 今までの奴らとは、さらに迫力が違うべ……!)

魔王「キサマは……勇者、には見えないな。何者だ?」

村人「オラ、ただの村人だべ……」

魔王「ただの村人が、魔王城の最深部まで来るとはな……後で部下にはきつく仕置きせねば」

魔王「で、こんなところまでなんの用だ? ウソを感じたなら即座に始末する」

村人(う、ぐぐ……正直に話すしかねえ……)

村人「セ、セーブポイントを設置に……」

魔王「セーブ……記録……。なるほど、そういうことか。なんとなくどういうものかは分かった」

村人(さすが魔王、頭いいべ……)

魔王「我々の頃はそんなものなかったが、便利になったものだな」

村人「へ? 我々の頃?」

魔王「いや……なんでもない。いずれにせよ、セーブポイントは私の災いになるものらしいな」

魔王「そんなものを城内に設置されたら面倒なことになる。セーブポイントとやらをよこせ」

魔王「さすれば、見逃してやる」

村人「…………!」

村人「い、嫌だっ! オラ、あんたの部屋の近くにセーブポイント設置するって決めただ!」

魔王「ならば……死ぬしかないな」ヒュッ

バキィッ!

村人「ぶげえっ!」

村人(オラも相当鍛えられてるはずなのに……見えなかっ……)

ドズゥッ! ドゴォッ! ボゴォッ!

村人「う、うげええ……っ!」

魔王「いっとくが、キサマなどいつでも殺せる。やらないのは、単にそういう気分じゃないからだ」

魔王「さぁ、セーブポイントをよこせ」

村人「い、いやだ……」

ズドォッ!

村人「げ、げほげほっ……!」

魔王「なぜ強情を張る?」

魔王「ここまで来たということは、少なくとも魔王城の入り口あたりにはセーブポイントを設置したんだろう?」

魔王「それだけでも十分すぎる快挙だ」

村人「ハァ、ハァ……オラもよくわかんねえ……」

村人「けど……ここで手を抜いたら……オラ……胸張って村に帰れねえから……!」

魔王「バカが……その強情のせいで、キサマはここで死ぬのだ! 村に帰ることなくな!」

魔王「地獄の業火よ! こやつを魂ごと滅してしまえ!」グォアアアアアアッ

村人「うっ……うおおおおおおおおおおっ!」

村人「セーブポイント、オラを守ってくれぇっ!」サッ

ゴワァァァッ!!!

魔王「な……! こいつ、セーブポイントでガードを!?」

村人「そしてぇっ!」

ガツンッ!

魔王「ぐふっ!」

魔王(く……セーブポイントで攻撃してきやがった! ムチャクチャな奴だ!)

村人「ハァ、ハァ、ハァ……」

村人(思いきり殴ったのに全然こたえてねえ……やっぱオラここまでみてえだ……!)

魔王「……最期に聞いておこう」

村人「な、なんだべ……?」

魔王「仮にキサマがセーブポイント設置という任務をまっとうしたとしても」

魔王「キサマの手柄は全て、後から旅に出る勇者に奪われる格好になる」

魔王「キサマはせいぜい国から小金を渡されて村に帰され、皆から忘れ去られ、寂しく生涯を終えるだろう」

魔王「なのになぜ、キサマはそうまでして力を尽くそうとする!?」

魔王「しょせんキサマは前座! 捨て石! 脇役! 報われないと分かってるのに!」

村人「…………」

村人「オラ……みんなが好きだから……」

魔王「!」

村人「王様は偉いと思うし、勇者様尊敬してるし、村のみんなのことも好きだし」

村人「旅で出会った人たちともまた会いたいし、村娘とはチューしたいだ」

村人「だから……脇役でもいいんだ……」

村人「世界を救うために、少しでも力になれれば……オラ、満足だ……」

魔王「なんの見返りもないとしても、か」

村人「……そうだ」

魔王「…………」

魔王「……設置しろ」

村人「へ?」

魔王「ここは私の部屋の目の前だ。ここにそのセーブポイントを設置しろ」

魔王「そうしたら、キサマはすぐ魔法で城の外に出してやる。後は勝手に帰れ」

村人「へ!?」

村人「な、なんで? なんでだ? なんでいきなり!?」

魔王「……もし」

魔王「もしも……私もお前のような心を持っていれば……」

魔王「あるいは魔王などに堕ちずに……」

村人「!?」

村人「あ、あんたまさかっ! 昔、勇者様のご先祖と一緒に魔王を倒した――」

魔王「うるさいっ! とっとと設置しろ!!!」

村人「は、はいっ!」ザクッ

魔王「……ではさらばだ。達者でな」パァァァァ…

村人「あ、あんたも、どうか――」



――――

――

それからしばらくして――

― 村 ―

村娘「お~い!」

村人「ん?」

村娘「都から号外が届いたべ! ついに勇者様一行が魔王を倒したんだってよ!」

村人「……そうか」

村娘「あれ、嬉しくねえべか?」

村人「いんや、そんなことねえよ? 嬉しいよ! やったーっ!」

村娘「変なの」

村娘「あんたが設置したっていう、セーブポイントのことも書いてあるだよ」

村人「え、本当か?」

村娘「勇者様、魔王に10回くらい殺されたけど、部屋の直前にセーブポイントがあったおかげで倒せた~とか」

村人「ハハハ、苦労したかいがあっただ」

村娘「セーブポイントが三つも設置してある謎の盗賊団アジト跡地とか」

村人(そりゃオラのミスだ)

村娘「吊り橋の下にあるセーブポイントは、隠しダンジョンの近くだったから有り難かった、とか」

村人(あの吊り橋の下……オラは行かなかったけど、難所だったんだな)

村娘「セーブって言葉には、記録って意味の他に『救う』『守る』って意味もあるけど」

村娘「あんたのセーブポイントのおかげで、勇者様は世界をセーブできたんだべな」

村人「……んだな」

村人(そして……魔王のこともセーブしてくれたんだべ……あの人は倒されて救われたんだ……)

村人「オラにはとても世界を救ったり守ったりする力はないけれど……」

村人「これからは、おめえだけは、オラがセーブしてみせるだ!」

村娘「んもう、そんなこと真顔でいうもんじゃないよう……」







<おわり>

以上で終わりです
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